JP5031931B2 - 焼入れ用鋼材及び動力伝達部品 - Google Patents

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Description

本発明は、被削性と焼入れ安定性に優れた焼入れ用鋼材、及びそれを用いた動力伝達部品に関する。
本願は、2010年5月31日に、日本に出願された特願2010−124536号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、鋼の高強度化が進んでいるが、反面、加工性が低下するという問題が生じている。このため、強度を保持しつつ、被削性を改善した鋼が強く求められている。従来から、鋼の被削性を向上させるために、S、Pb、Bi等の被削性向上元素を添加する。Pb及びBiは、被削性を向上し、鍛造への影響も、比較的少ないが、衝撃特性等の強度特性を低減する。
また、Sは、MnSのような、切削環境下で軟質の介在物を形成して被削性を高めるが、MnSは、Pb等の粒子に比べて大きいので、応力集中源となり易い。特に、MnSが、鍛造又は圧延で延伸すると、例えば、衝撃特性などに異方性が生じ、特定方向の機械特性が極端に弱くなる。鋼構造物を設計する場合、機械特性の異方性を考慮する必要が生じる。従って、鋼にSを添加する場合、機械特性の異方性を低減する技術が必要になる。
このように、被削性の向上に有効な元素を添加しても、衝撃特性が低下するので、強度と被削性の両立は困難である。更に、近年、環境保護の観点から、Pbの使用を避ける傾向にある。このため、鋼の被削性と強度を両立させるためには、更なる技術革新が必要となる。
これまで、強度を低下させずに、被削性を改善する技術が幾つか提案されている。特許文献1には、C:0.05〜1.2%(質量%、以下同じ)、Si:0.03〜2%、Mn:0.2〜1.8%、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.03%以下(0%を含まない)、Cr:0.1〜3%、Al:0.06〜0.5%、N:0.004〜0.025%及びO:0.003%以下(0%を含まない)を夫々含有するとともに、Ca:0.0005〜0.02%及び/又はMg:0.0001〜0.005%を含有し、鋼中の固溶N:0.002%以上で、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、かつ、下記式(A)の関係を満足する機械構造用鋼が提案されている。
(0.1×[Cr]+[Al])/[O]≧150 ・・・式(A)
ただし、[Cr]、[Al]、及び、[O]は、それぞれ、Cr、Al、及び、Oの含有量(質量%)を示す。
特許文献2には、C:0.01〜0.7%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3%、S:0.01〜0.16%、Mg:0.02%以下(0%を含まない)、を含有するとともに、[Mg]/[S]≧7.7×10−3を満たす鋼からなり、鋼中に観察される硫化物系介在物のうち、長径が5μm以上の硫化物系介在物のアスペクト比の平均値が5.2以下で、長径が50μm以上の硫化物系介在物のアスペクト比の平均値が10.8以下であり、かつ、長径が20μm以上の硫化物系介在物の個数をa、長径が5μm以上の硫化物系介在物の個数をbとするとき、a/b≦0.25を満足する機械構造用鋼が提案されている。
特許文献3には、C:0.12〜0.22%、Si:0.40〜1.50%、Mn:0.25〜0.45%、Ni:0.50〜1.50%、Cr:1.30〜2.30%、B:0.0010〜0.0030%、Ti:0.02〜0.06%、Nb:0.02〜0.12%、Al:0.005〜0.050%を含有し、残部実質的にFeからなり、一端焼入試験において50%マルテンサイトに相当する硬さとなる位置の焼入端からの距離が20mm以上、かつ、成分パラメータH(H=106C(%)+10.8Si(%)+19.9Mn(%)+16.7Ni(%)+8.55Cr(%)+45.5Mo(%)+28)が95以下である浸炭用鋼が提案されている。
日本国特許第4193998号公報 日本国特許第3706560号公報 日本国特開2002−309342号公報
「焼入性=求め方と活用=」(著者:大和久重雄、発行所:日刊工業新聞、発行日:昭和54年9月25日)
特許文献1〜3提案の技術には、下記の問題点があり、強度を低下させずに、被削性を改善するという要求に対して充分に応えることはできなかった。
特許文献1提案の鋼は、切削工具寿命が改善されている反面、窒化物生成元素のAlを0.06〜0.5%と比較的多量に含有するため、NがAlによりAlNとして固定される。この結果、0.005%以下添加されるBが固溶状態となり、B量に応じて焼入れ性を向上させる。しかしながら、固溶Bによる焼入れ性向上効果は少量のB量であっても著しいため、焼入れ性のばらつきを抑えること(すなわち、焼入れ安定性を得ること)は困難であった。
特許文献2提案の鋼においては、切削工具寿命が何ら配慮されておらず、切削工具寿命が短くなることを回避するための特性が十分に得られていない。
特許文献3提案の鋼においては、高い焼入性と低い素材硬度の両立が可能であるので、浸炭後の強度を低下させずに、被削性を改善できると考えられる。しかし、上記鋼は、Bを0.0010〜0.0030%含有していて、ガス浸炭時、表層から侵入するNにより、本来、焼入れ性を高めるはずの固溶BがBNとなって、浸炭表層部の焼入れ性が向上せず、不完全焼入れ組織が増加して強度が低下するという問題を回避できない。
即ち、特許文献3提案の鋼においては、狙い通りの焼入れ性を達成できず、焼入れ性が、表層から侵入するNの量に依存して変動し、安定した焼入れ性を確保することができない。
結局、従来技術では、今日求められている、強度、即ち、安定した焼入れ性(焼入れ安定性)を保持しつつ被削性を改善するという課題に対し、充分に応えることができていなかった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、安定した焼入れ性を保持しつつ、被削性に優れた焼入れ用鋼材を提供することを課題とする。
本発明は、上述の課題を解決するために以下の方策を採用する。
(1)本発明の第1の態様は、化学成分が、質量%で、C:0.15〜0.60%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.05〜2.5%、P:0.005〜0.20%、S:0.001〜0.35%、Al:0.06超〜0.3%、及び全N:0.006〜0.03%を含有し、残部が0.0004%以下のBを有する不可避的不純物とFeからなり、JIS G 0561で規定されるジョミニー式一端焼入法で測定される焼入れ端からの距離が5mmの位置における硬さRと、焼入れ端からの距離が4.763mmの位置における計算硬さHとが、H×0.948≦R≦H×1.05を満たす焼入れ用鋼材である。
(2)上記(1)に記載の焼入れ用鋼材では、前記化学成分が質量%で、さらに、Cr:0.1〜3.0%、Mo:0.01〜1.5%、Cu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜5.0%、Ca:0.0002〜0.005%、Zr:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%、REM:0.0001〜0.015%、Nb:0.01〜0.1%、V:0.03〜1.0%、W:0.01〜1.0%、Sb:0.0005〜0.0150%、Sn:0.005〜2.0%、Zn:0.0005〜0.5%、Te:0.0003〜0.2%、Bi:0.005〜0.5%、及びPb:0.005〜0.5%のうち少なくとも1種を含有してもよい。
(3)上記(1)に記載の焼入れ用鋼材では、前記化学成分が質量%で、さらにTi:0.001〜0.05%を含有し、全N量(%)を[全N]、Ti量(%)を[Ti]としたとき、[全N]及び[Ti]が、0.006+[Ti]×(14/48)≦[全N]≦0.03を満たしてもよい。
(4)上記(3)に記載の焼入れ用鋼材では、前記化学成分が質量%で、さらに、Cr:0.1〜3.0%、Mo:0.01〜1.5%、Cu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜5.0%、Ca:0.0002〜0.005%、Zr:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%、REM:0.0001〜0.015%、Nb:0.01〜0.1%、V:0.03〜1.0%、W:0.01〜1.0%、Sb:0.0005〜0.0150%、Sn:0.005〜2.0%、Zn:0.0005〜0.5%、Te:0.0003〜0.2%、Bi:0.005〜0.5%、及びPb:0.005〜0.5%のうち少なくとも1種を含有してもよい。
(5)本発明の第2の態様は、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の焼入れ用鋼材を機械加工及び焼入れすることにより得られる動力伝達部品である。
本発明によれば、被削性の改善効果により工具寿命が延びて、生産コストが低減し、かつ、安定した焼入れ性が発現して、熱処理歪みのばらつきが抑制される。
本発明者らは、上記課題を解決するため、焼入れ用鋼材の化学成分及び熱履歴を、広範囲かつ系統的に変化させた場合における焼入れ用鋼材の焼入れ性と被削性の関係を鋭意調査した。その結果、次の知見(A)〜(C)を得るに至った。以下、特に説明が無い限り、含有量を示す「%」は、「質量%」を意味する。
(A)Alが0.06%を超えると、Alは、鋼中に固溶Alとして存在し、焼入れ用鋼材の被削性を改善する。特に、酸素との親和力の大きさがAl以下の金属元素で形成される酸化物、つまり、標準生成自由エネルギーの絶対値がAlの値以下の酸化物を含む被膜により被覆された工具を用いて焼入れ用鋼材を切削すると、工具と焼入れ用鋼材との接触面で、化学反応が起こり易くなる。その結果、工具表層に、工具保護膜として機能するAl被膜が容易に生成し、工具寿命が大幅に伸びる。
(B)Alが0.06%を超えると、Nが窒化物(AlN)として固定される。この結果、Bが固溶状態になり、固溶Bが焼入れ性を不安定にする。
(C)Alが0.06%を超える場合、不可避的不純物量のBが焼入れ性に影響を及ぼすのを回避するためには、次の条件(a)〜(c)を満たす必要がある。
(a)不可避的不純物中のBが0.0004質量%以下に制限される。
(b)全N量(質量%)を[全N]、Ti量(質量%)を[Ti]としたとき、[全N]及び[Ti]が下記式(1)を満たす。
0.006+[Ti]×(14/48)≦[全N]≦0.03 ・・・式(1)
(c)焼入れ熱処理前に鋼片を1260℃(ただし、Ti量の増加によっては、1200℃又は1150℃)以上の高温に加熱し、少なくとも20分以上保持する。
以下、上記知見に基づき成された本発明を実施するための形態について説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る焼入れ用鋼材の化学成分について説明する。
C:0.15〜0.60%
Cは、鋼の強度に大きく影響する元素である。Cが0.15%未満では、十分な強度が得られず、他の合金元素を多量に投入せざるを得なくなる。一方、Cが0.60%を超えると、硬さが上昇し、被削性が著しく低下する。十分な強度と所要の被削性を得るため、Cは、0.15〜0.60%とする。Cの下限値は、好ましくは0.30%である。Cの上限値は、好ましくは0.50%である。
Si:0.01〜1.5%
Siは、鋼の脱酸に有効な元素であり、また、フェライトの強化及び焼戻し軟化抵抗を高めるのに有効な元素である。Siが0.01%未満では、添加効果が不十分であり、1.5%を超えると、鋼が脆化するとともに、被削性が大幅に低下し、さらに、浸炭性が阻害される。それ故、Siは、0.01〜1.5%とする。Siの下限値は、好ましくは0.03%である。Siの上限値は、好ましくは1.2%である。
Mn:0.05〜2.5%、
Mnは、鋼中のSを、MnSとして固定し、分散させるとともに、マトリックスに固溶して、焼入れ性の向上や、焼入れ後の強度確保に寄与する元素である。Mnが0.05%未満では、鋼中のSが、Feと結合してFeSを形成して、鋼が脆化する。一方、Mnが2.5%を超えると、素地の硬さが上昇して冷間加工性が低下するとともに、強度や焼入れ性に及ぼす影響も飽和する。よって、Mnは、0.05〜2.5%とする。Mnの下限値は、好ましくは0.10%である。Mnの上限値は、好ましくは2.2%である。
P:0.005〜0.20%
Pは、被削性を良好にする元素であるが、0.005%未満では、添加効果が得られない。一方、Pが0.20%を超えると、素地の硬さが上昇し、冷間加工性だけでなく、熱間加工性及び鋳造特性も低下する。よって、Pは、0.005〜0.20%とする。Pの下限値は、好ましくは0.010%である。Pの上限値は、好ましくは0.15%である。
S:0.001〜0.35%
Sは、鋼中でMnSを形成し、被削性の向上に寄与する元素であるが、0.001%未満では、添加効果が十分に得られない。一方、Sが0.35%を超えると、添加効果は飽和し、むしろ、粒界偏析を起こして粒界脆化を引き起こす。それ故、Sは、0.001〜0.35%とする。Sの下限値は、好ましくは0.01%である。Sの上限値は、好ましくは0.1%である。
Al:0.06超〜0.3%
Alは、鋼の脱酸を目的として添加するが、Nが0.008%以下の状態で、Alが0.06%超存在すると、鋼中に固溶Alが形成され、この固溶Alが、被削性の向上に寄与する。一方、Alが0.3%を超えると、Al介在物の粒径が大きくなり、高サイクル域での疲労強度が劣化する。よって、Alは、0.06超〜0.3%とする。Alの下限値は、好ましくは0.08%である。Alの上限値は、好ましくは0.15%である。
全N(Ti=0%):0.006〜0.03%
全N(Ti>0%):0.006+[Ti]×(14/48)〜0.03%
Nは、鋼中で、Al、Ti、Nb、及び/又は、Vと結合して、窒化物又は炭窒化物を形成し、結晶粒の粗大化を抑制する。また、Nは、不純物として含まれるBと結合してBNを形成することにより、オーステナイト粒界に偏析するB量(焼入れ性がばらつく要因となる)を低減する。
Tiを添加していない場合、全Nが0.006%未満であると、添加効果が充分に発現しない。また、後述するTiを添加した場合、全Nが、“0.006+[Ti]×(14/48)”未満([Ti]:Tiの質量%)であると、同様に、添加効果が充分に発現しない。
一方、全Nが0.03%を超えると、添加効果が飽和する他、熱間圧延又は熱間鍛造の加熱時に未固溶の炭窒化物が残存して、結晶粒の粗大化抑制に有効な微細炭窒化物の増量が難しくなる。
それ故、全Nは、Tiを添加していない場合は、0.0060〜0.03%とし、Tiを添加した場合は、“0.006+[Ti]×(14/48)”〜0.03%とする。全Nの下限値は、好ましくは0.0080%である。全Nの上限値は、好ましくは0.010%である。
なお、Tiを添加した場合、全N%([全N])を、0.006+[Ti]×(14/48)以上と規定する。
本実施形態に係る焼入れ用鋼材では、焼入れ時に鋼中のBをBN又は析出物(TiN、TiCN、MnSなど)の周りに偏析させることで、焼入れ性の向上に寄与するオーステナイト粒界への偏析B量を低減し、これによりBによる焼入れ性の向上を抑制する。ここで、[全N]が多いほど、BNが析出し易くなるので、[全N]は、所要量以上必要である。しかしながら、鋼中にTiが存在する場合は、TiNが高温域まで安定して存在するので、[全N]は、0.06%に対し、TiN中のN量を差し引いたN量:「[Ti]×原子量比(14/48)」を加えた量が必要となる。このため、Tiを添加した場合、全N%([全N])の下限値を、0.006+[Ti]×(14/48)と規定する。
B:0%超〜0.0004%
Bは、オーステナイト粒界に偏析して、鋼の焼入れ性を不安定に向上させる。本実施形態に係る焼入れ用鋼材では、不可避的不純物として混入するBを、0.0004%以下に制限する。Bは意図的に添加しなくても鉄原料から不可避的に鋼中に混入する元素であるため、下限としては0%超と規定する。ただし、B量を0.0001%以下に安定して制御するためにはコスト面から負荷が大きいため、下限値を0.0001%としてもよい。
Alが通常の脱酸剤レベルの量の場合には、Bが不可避的不純物として含有されていても、Bが焼入れ性に及ぼす影響は無視できるほど小さい。しかしながら、鋼中にAlが0.06%を超えて存在すると、Nが窒化物として固定され、不可避的不純物のBが固溶状態になり、焼入れ時にオーステナイト粒界に固溶Bが偏析する。その結果、焼入れ安定性が大きく損なわれる。
本実施形態に係る焼入れ用鋼材では、焼入れ時に鋼中のBが、BN又は析出物(TiN、TiCN、MnSなど)の周りに偏析する。これにより、焼入れ性向上に寄与するオーステナイト粒界への偏析B量が低減して、焼入れ性に対するBの影響を回避する。しかし、Bが0.0004%を超えると、オーステナイト粒界への偏析B量を十分に低減することができない。従って、Bの上限を0.0004%とする。
さらに、オーステナイト粒界に偏析するB量を低減するためのBN析出/B偏析サイトを増加するために、Tiを添加してもよい。
Ti:0.001〜0.05%
Tiは、MnSの核となってMnSを微細化するTiNを形成する。TiNは、固溶Bと固溶Nを吸収して複合窒化物を形成する。これにより、焼入れ性のばらつき要因となるオーステナイト粒界に偏析するB量(すなわち、焼き入れ性を高めるB量)を低減する。Tiが0.001%未満では、添加効果が発現せず、一方、0.05%を超えると、Ti系硫化物が生成し、被削性を改善するMnS量が減少して、鋼の被削性が劣化する。よって、Tiは、0.001〜0.05%とする。
本実施形態に係る焼入れ用鋼材は、Cr、Mo、Cu、Ni、Ca、Zr、Mg、REM、Nb、V、W、Sb、Sn、Zn、Te、Bi、Pbのうち少なくとも1種を選択元素として含有してもよい。これらの元素は選択的に鋼材中に含有させればよいため、それぞれの元素の下限値は0%である。しかしながら、各元素の添加による効果を好適に得るために、以下のように下限値を設定してもよい。
本実施形態に係る焼入れ用鋼材は、焼入れ性や強度の向上のため、Cr、Mo、Cu、Niの1種以上を含有してもよい。
Cr:0.1〜3.0%
Crは、焼入れ性を向上させるとともに、焼戻し軟化抵抗を付与する元素であり、高強度化が必要な鋼に添加される。Crが0.2%未満では、添加効果が得られず、一方、3.0%を超えると、Cr炭化物が生成して鋼が脆化する。よって、Crは、0.1〜3.0%とする。
Mo:0.01〜1.5%
Moは、焼戻し軟化抵抗を付与するとともに、焼入れ性を向上させる元素であり、高強度化が必要な鋼に添加される。Moが0.01%未満では、添加効果が得られず、一方、1.5%を超えると、添加効果は飽和する。よって、Moは、0.01〜1.5%とする。
Cu:0.1〜2.0%
Cuは、フェライトを強化するとともに、焼入れ性の向上及び耐食性の向上に有効な元素である。Cuが0.1%未満では、添加効果が得られず、一方、2.0%を超えると、機械的性質の向上効果が飽和する。よって、Cuは、0.1〜2.0%とする。なお、Cuは、熱間延性を低下させ、圧延時の疵の原因となり易いので、Niと同時に添加することが好ましい。
Ni:0.1〜5.0%
Niは、フェライトを強化し、延性を向上させるとともに、焼入れ性の向上及び耐食性の向上に有効な元素である。Niが0.1%未満では、添加効果が得られず、一方、5.0%を超えると、機械的性質の向上効果が飽和するとともに、被削性が低下する。よって、Niは、0.1〜5.0%とする。
さらに、本実施形態に係る焼入れ用鋼材は、脱酸を調整して硫化物の形態を制御するため、Ca、Zr、Mg、REMの1種以上を含有してもよい。
Ca:0.0002〜0.005%
Caは、脱酸元素であり、酸化物を生成する。本実施形態に係る焼入れ用鋼材のように、Alを、全Al(T−Al)として、0.06%を超えて含有する鋼では、カルシウム−アルミネート(CaO−Al)が生成するが、CaO−Alは、Alに比べて低融点の酸化物であるので、高速切削時に工具保護膜となり、被削性を向上させる。Caが0.0002%未満では、被削性向上効果が得られず、一方、Caが0.005%を超えると、鋼中にCaSが生成し、かえって、被削性が低下する。よって、Caは、0.0002〜0.005%とする。
Zr:0.0003〜0.005%
Zrは、脱酸元素であり、鋼中で酸化物を生成する。酸化物は、ZrOと考えられているが、ZrOは、MnSの析出核となるので、MnSの析出サイトを増やし、MnSを均一に分散させる。また、Zrは、MnSに固溶して複合硫化物を形成し、その変形能を低下させ、圧延又は熱間鍛造時に、MnSの延伸を抑制する。このように、Zrは、鋼の異方性の低減に有効な元素である。
Zrが0.0003%未満では、顕著な添加効果が得られず、一方、0.005%を超えると、歩留まりが極端に悪化するばかりでなく、ZrO及びZrS等の硬質な化合物が大量に生成し、かえって、被削性、衝撃値、及び、疲労特性等の機械特性が低下する。よって、Zrは、0.0003〜0.005%とする。
Mg:0.0003〜0.005%
Mgは、脱酸元素であり、鋼中で酸化物を形成する。酸化物は、MnSの核となり、MnSを微細分散させる。Mgは、Al脱酸が前提の場合、被削性に有害なAlを、比較的軟質で微細に分散するMgO又はAl・MgOに改質する。また-、Mgは、MnSと複合硫化物を形成して、MnSを球状化する。
Mgが0.0003%未満では、添加効果が得られず、一方、0.005%を超えると、単独のMgSの生成を促進して、被削性を劣化させる。よって、Mgは、0.0003〜0.005%とする。
REM:0.0001〜0.015%
REM(希土類元素)は、脱酸元素であり、低融点酸化物を形成して、鋳造時のノズル詰りを抑制するだけでなく、MnSに固溶又は結合し、その変形能を低下させて、圧延及び熱間鍛造時に、MnS形状の延伸を抑制する。このように、REMは、機械特性の異方性の低減に有効な元素である。
REMが0.0001%未満では、添加効果が充分に発現せず、一方、0.015%を超えると、REMの硫化物が大量に生成し、被削性が悪化する。よって、REMは、0.0001〜0.015%とする。
さらに、本実施形態に係る焼入れ用鋼材は、炭窒化物の形成による高強度化や、炭窒化物の増量によるオーステナイト粒の整粒・細粒化のため、Nb、V、及び、Wの1種以上を含有してもよい。
Nb:0.01〜0.1%
Nbも、炭窒化物を形成し、二次析出硬化による鋼の強化、オーステナイト粒の成長の抑制及び強化に寄与する元素であり、高強度化が必要な鋼及び低歪を要求される鋼に、粗大粒防止のための整粒化元素として添加する。
Nbが0.01%未満では、高強度化の効果が得られず、一方、0.1%を超えると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物を形成し、かえって、機械的性質を損なう。よって、Nbは、0.01〜0.1%とする。
V:0.03〜1.0%
Vも、炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化する元素であり、高強度化が必要な鋼に適宜添加する。Vが0.03%未満では、高強度化の効果が得られず、一方、1.0%を超えると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物を形成し、かえって、機械的性質を損なう。よって、Vは、0.03%〜1.0%とする。
W:0.01〜1.0%
Wも、炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化する元素である。Wが0.01%未満では、高強度化の効果が得られず、一方、1.0%を超えると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物を形成し、かえって、機械的性質を損なう。よって、Wは、0.01〜1.0%とする。
さらに、本実施形態に係る焼入れ用鋼材は、被削性向上のため、Sb、Sn、Zn、Te、Bi、及び、Pbの1種以上を含有してもよい。
Sb:0.0005〜0.0150%
Sbは、フェライトを適度に脆化して、被削性を向上させる。その効果は、特に、固溶Al量が多い場合に顕著であるが、Sbが0.0005%未満では、添加効果が発現しない。一方、Sbが0.0150%を超えると、Sbのマクロ偏析が過多となり、衝撃値が大きく低下する。よって、Sbは、0.0005〜0.0150%とする。
Sn:0.005〜2.0%
Snは、フェライトを適度に脆化させて、工具寿命を延ばすとともに、表面粗さを向上させる。Snが0.005%未満では、添加効果が発現せず、一方、2.0%を超えると、添加効果は飽和する。よって、Snは、0.005〜2.0%とする。
Zn:0.0005〜0.5%
Znは、フェライトを脆化させて、工具寿命を延ばすとともに、表面粗さを向上させる。Znが0.0005%未満では、添加効果が発現せず、一方、0.5%を超えると、添加効果は飽和する。よって、Znは、0.0005〜0.5%とする。
Te:0.0003〜0.2%
Teは、被削性向上元素である。また、Teは、MnTeを形成したり、MnSと共存してMnSの変形能を低下させ、MnS形状の延伸を抑制する。このように、Teは、機械特性の異方性の低減に有効な元素である。Teが0.0003%未満では、添加効果が発現せず、一方、0.2%を超えると、添加効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して、疵の原因になり易い。よって、Teは、0.0003〜0.2%とする。
Bi:0.005〜0.5%
Biは、被削性向上元素である。Biが0.005%未満では、被削性向上効果が得られず、一方、0.5%を超えると、被削性向上効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因となり易い。よって、Biは、0.005%〜0.5%とする。
Pb:0.005〜0.5%
Pbは、被削性向上元素である。Pbが0.005%未満では、被削性向上効果が得られず、一方、0.5%を超えると、被削性向上効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因となり易い。よって、Pbは、0.005〜0.5%とする。
本実施形態に係る焼入れ用鋼材の成分組成は、残部が、上述のように0.0004%以下のBを含む不可避的不純物と、Feとを含有する。
不可避的不純物は、本発明による効果を阻害しない程度の量であれば上述の成分以外の成分を含んでもよいが、出来る限り0%に近いことが好ましい。
以下、本実施形態に係る焼入れ用鋼材の焼入れ安定性の指標として用いられるジョミニー硬さについて説明する。
本実施形態に係る焼入れ用鋼材では、JIS G 0561で規定されるジョミニー式一端焼入法で測定された、焼入れ端からの距離が5mmの位置における硬さHRCである“R”と、焼入れ端からの距離が3/16inch、すなわち4.763mmの計算硬さHRCである“H”とが、下記式(2)を満たすことを特徴とする。
H×0.948≦R≦H×1.05 ・・・式(2)
上記の「焼入れ端からの距離が3/16inchの計算硬さHRC」は、非特許文献1の「5.ジョミニーカーブを計算で求める方法」の「5.3 C%とDを知って求める方法(D法)」のP67〜68に記載された手順によって、水冷端からの距離を3/16inchとして、算出することができる(但し、D値は、ASTMの「A−255」に準じて算出したものを使用する。)。
ここで、「焼入れ端からの距離が3/16inchの計算硬さHRC」で定義する“H”の求め方を説明する。
(手順1)まず、鋼のC%から、表1(上記非特許文献1の67頁の表5.8)により、「50%マルテンサイト硬さ」を求める。
Figure 0005031931
(手順2)次に、ASTM(米国材料試験協会)の「A−255」に準じた、下記式(3)により、Di値を算出する。
Di(inch)=F(C)×F(Mn)×F(Si)×F(Ni)×F(Cr)×F(Mo)×F(Cu)×F(V)・・・式(3)
ここで、
F(Si)=1.00+0.7×[Si]
F(Ni)=1.00+0.363×[Ni]
F(Cr)=1.00+2.16×[Cr]
F(Mo)=1.00+3.00×[Mo]
F(Cu)=1.00+0.365×[Cu]
F(V)=1.00+1.73×[V]
である。
F(C)とF(Mn)は、C量(質量%)又はMn量(質量%)に応じて、下記のように求める。
[C]≦0.39質量%の場合
F(C)=0.54×[C]
0.39質量%<[C]≦0.55質量%の場合
F(C)=0.171+0.001×[C]+0.265×[C]
0.55質量%<[C]≦0.65質量%の場合
F(C)=0.115+0.268×[C]−0.038×[C]
0.65質量%<[C]≦0.75質量%の場合
F(C)=0.143+0.2×[C]
0.75質量%<[C]の場合
F(C)=0.062+0.409×[C]−0.135×[C]
[Mn]≦1.20質量%の場合
F(Mn)=3.3333×[Mn]+1.00
1.20質量%<[Mn]の場合
F(Mn)=5.10×[Mn]−1.12
なお、上記式中、[元素]は、鋼中の元素の量(質量%)を示している。
算出したDi値から、表2(上記非特許文献1の65〜66頁の表5.7)により、水冷端からの距離が3/16inchの位置の「50%硬マルテンサイト硬さに加算すべき硬さ数」を求める。
Figure 0005031931
なお、表2のDi値は、最小単位が0.2inchであるので、その間の加算すべき硬さ数は、直線で内挿して求める。例えば、Di=1.90inchの水冷端から3/16inchの位置の加算すべき硬さ数は、〔7.0+(9.5−7.0)×0.1/0.2=8.25〕により求めることができる。
(手順3)上記(手順2)で求めた「50%マルテンサイト硬さ」に、上記(2)で求めた、水冷端からの距離が3/16inchの位置の「50%硬マルテンサイト硬さに加算すべき硬さ数」を加えて、「焼入れ端からの距離が3/16inchの計算硬さHRC」で定義する“H”を求める。
通常の方法で、0.06%を超えるAlが添加された鋼を製造すると、Nが窒化物として固定され、不可避的不純物量のBが固溶状態になる。この場合、焼入れ時にオーステナイト粒界に固溶Bが偏析し、焼入れ性が影響を受ける。
本実施形態に係る焼入れ用鋼材では、上述のようにBの焼入れ性に対する影響を回避しているため、ジョミニー式一端焼入法によって測定した焼入れ端から5mmの位置における硬さを、Al量を高めなかった場合における硬さ範囲(上記式(2)で示す範囲)に収めることを可能としている。
本実施形態に係る焼入れ用鋼材は、上述の成分を有する鋼片に対して第1の熱処理を行うことにより製造される。また、第1の熱処理後に、第2の熱処理(焼準)を行ってもよい。
第1の熱処理では、焼入れ熱処理前に、焼入れ用鋼材を1260℃以上の高温に加熱し、少なくとも20分以上保持する。ただし、Ti添加量が増えると、上記加熱温度を低下させることが可能であり、Ti量が0.19%以上の場合、1200℃以上の高温に、少なくとも20分以上保持すればよく、Ti量が0.25%以上の場合、1150℃以上の高温に、少なくとも20分以上保持すればよい。
保持時間が20分未満の場合には、適切な加熱温度であっても、MnSの微細化が充分に行われず、その結果、オーステナイト粒界に偏析可能な固溶Bが多く残存し、十分な焼入れ安定性を得られない。
この第1の熱処理は、分塊圧延又は熱間鍛造のための鋼塊又は連続鋳造片の加熱時に施してもよい。さらには、この第1の熱処理は、鋼材圧延のための加熱時や、鋼材圧延後の任意の時点で施してもよい。すなわち、第1の熱処理は焼入れ熱処理前であれば任意の時点で行うことができ、その対象は鋼の金属組織に制限されない。
第2の熱処理(焼準)については、部品に必要な特性に応じて行えばよく、加熱温度や保持時間などは特に制限されるものではない。
0.06%を超えるAl量を添加すると、通常では、Nが窒化物として固定され、不可避的不純物量のBが固溶状態になり、焼入れ性に影響するが、本実施形態に係る焼入れ用鋼材によれば、次の(x)〜(z)の条件を満たすため、焼入れ性を安定化できる。
(x)不可避的不純物中のBが0.0004質量%以下に制限されている。
(y)全N量(質量%)を[全N]、Ti量(質量%)を[Ti]としたとき、[全N]及び[Ti]が、下記式(4)を満たす。
0.006+[Ti]×(14/48)≦[全N]≦0.03 ・・・式(4)
(z)焼入れ熱処理前に1260℃以上の高温に加熱され、少なくとも20分以上保持される。ただし、Tiが添加される場合、上記加熱温度を低下させることが可能であり、Ti量が0.19%以上の場合、1200℃以上の高温に、少なくとも20分以上保持すればよく、Ti量が0.25%以上の場合、1150℃以上の高温に、少なくとも20分以上保持すればよい。
条件(x)により、全B量が制限され、その結果、固溶B量が減少する。また、条件(y)により、BN析出が促進され、その結果、固溶B量が減少する。さらに、条件(z)により、MnSの一部が固溶し、その後析出することにより、MnSが微細化して、MnSの表面積が増加し、また、Ti添加量の増加により、TiNが増加し、その結果、MnS、TiN上に析出するBN、又は、MnS、TiNとFe−マトリックスとの異相界面に偏析するB量が増加し、その結果、本来、オーステナイト粒界に偏析し、焼入れ性に影響するはずの固溶Bの偏析量が抑制されて、焼入れ性が安定化する。
上述の焼入れ用鋼材は、機械加工及び焼入れを行うことにより、歯車、シャフト、CVT(Continuously Variable Transmission)などの動力伝達部品として用いることができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した条件例であり、本発明は、この条件例のみに限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
表3、表4に示す化学成分の鋼塊を直径35mmに鍛伸し、次いで、表5に示す熱処理1(焼入れ熱処理前の加熱)及び熱処理2(焼準)を施し、その後、機械加工を施して、ドリル切削用試験片とジョミニー試験片を作製した。ただし、試験No.31では、熱処理1を行わず、熱処理2として1250℃の加熱温度で0.5時間保持し、その後急冷(AC)を行う熱処理を行い、試験No.32では、熱処理1を行わず、熱処理2として1240℃の加熱温度で1.5時間保持し、その後急冷(AC)を行う熱処理を行った。
試験No.1、2、4〜12、14〜18、20〜30、33〜37では、熱処理2として、1250℃の加熱温度で0.5時間保持し、その後放冷を行う熱処理を行った。
Figure 0005031931
Figure 0005031931
Figure 0005031931
ドリル切削用試験片は、直径30mmで、高さ21mmの円柱試験片を切出し、フライス仕上げを施して、ドリル切削用試験片とした。ジョミニー試験片は、JIS G 0561で規定されるフランジ付き試験片を、ジョミニー試験片とした。
〔ジョミニー試験〕
ジョミニー試験は、JIS G 0561に基づく方法で、一端焼入方法により表5の熱処理3に示す条件で実施し、JIS規定に従って実施した研削後に、焼入れ端から5mm位置において、ロックウェルCスケール硬さ測定を実施した。
〔被削性試験〕
被削性試験は、ドリル切削用試験片に、表6に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各焼入れ用鋼材の被削性を評価した。その際、評価指標として、ドリル穿孔試験では、累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000(m/min)を採用した。
Figure 0005031931
焼入れ性の指標であるジョミニー試験の焼入れ端から5mm位置における硬さR、熱処理2の後の硬さ、被削性の指標である最大切削速度VL1000(m/min)の調査結果を表7に示す。硬さRは、N数を5として測定を行い、その最大値、最小値、及び標準偏差を求めた。
Figure 0005031931
表7に示すように、発明例の試験No.1〜27、及び33〜37においては、ジョミニー式一端焼入法によって測定された焼入れ端からの距離が5mmの位置における硬さR[HRC]が、Di値とC%とDi法に基づいて算出されるジョミニー曲線の3/16inchに相当する硬さH[HRC]から算出されるH×0.948(下限値)とH×1.05(上限値)の範囲を安定して満足し、焼入れ性が、Alを高めなかった場合における焼入れ性相当となっていて、かつ、被削性(VL1000)が50m/min以上と優れている。
これに対し、比較例の試験No.28においては、焼入れ端からの距離が5mmの位置における硬さR[HRC]が、Hから算出される上限値を超え、範囲外であり、焼入れ性が不安定である。これは、不可避的不純物中に含まれるB量が、0.0004質量%を上回ったことで、焼入れ性が上昇したためである。
比較例の試験No.29においては、被削性が悪い。これは、焼入れ用鋼材のAl量が0.06質量%超を下回ったことで、固溶Alによる被削性改善効果が得られなかったためである。
比較例の試験No.30においては、焼入れ端からの距離が5mmの位置における硬さR[HRC]が、Hから算出される上限値を超え、範囲外であり、焼入れ性が不安定である。これは、N量が、0.0060質量%を下回ったことで、充分な量のBNが生成せず、オーステナイト粒界に偏析可能な固溶Bが多く残存して、焼入れ性が上昇したためである。
比較例の試験No.31、32においては、焼入れ端からの距離が5mmの位置における硬さR[HRC]が、Hから算出される上限値を超え、範囲外であり、焼入れ性が不安定である。これは、熱処理1に相当する条件の熱処理が行われていないために、MnSの微細化が充分に行われず、その結果、オーステナイト粒界に偏析可能な固溶Bが多く残存し、焼入れ性が上昇したためである。
前述したように、本発明によれば、被削性の改善効果により工具寿命が延びて、生産コストが低減し、かつ、安定した焼入れ性が発現して、熱処理歪みのばらつきが抑制される。よって、本発明は、鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。

Claims (5)

  1. 化学成分が、質量%で、C:0.15〜0.60%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.05〜2.5%、P:0.005〜0.20%、S:0.001〜0.35%、Al:0.06超〜0.3%、及び全N:0.006〜0.03%を含有し、残部が0.0004%以下のBを有する不可避的不純物とFeからなり、
    JIS G 0561で規定されるジョミニー式一端焼入法で測定される焼入れ端からの距離が5mmの位置における硬さRと、焼入れ端からの距離が4.763mmの位置における計算硬さHとが、下記式(1)を満たすことを特徴とする焼入れ用鋼材。
    H×0.948≦R≦H×1.05 ・・・式(1)
  2. 前記化学成分が質量%で、さらに、Cr:0.1〜3.0%、Mo:0.01〜1.5%、Cu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜5.0%、Ca:0.0002〜0.005%、Zr:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%、REM:0.0001〜0.015%、Nb:0.01〜0.1%、V:0.03〜1.0%、W:0.01〜1.0%、Sb:0.0005〜0.0150%、Sn:0.005〜2.0%、Zn:0.0005〜0.5%、Te:0.0003〜0.2%、Bi:0.005〜0.5%、及びPb:0.005〜0.5%のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の焼入れ用鋼材。
  3. 前記化学成分が質量%で、さらにTi:0.001〜0.05%を含有し、全N量(%)を[全N]、Ti量(%)を[Ti]としたとき、[全N]及び[Ti]が、下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の焼入れ用鋼材。
    0.006+[Ti]×(14/48)≦[全N]≦0.03 ・・・式(2)
  4. 前記化学成分が質量%で、さらに、Cr:0.1〜3.0%、Mo:0.01〜1.5%、Cu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜5.0%、Ca:0.0002〜0.005%、Zr:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%、REM:0.0001〜0.015%、Nb:0.01〜0.1%、V:0.03〜1.0%、W:0.01〜1.0%、Sb:0.0005〜0.0150%、Sn:0.005〜2.0%、Zn:0.0005〜0.5%、Te:0.0003〜0.2%、Bi:0.005〜0.5%、及びPb:0.005〜0.5%のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項3に記載の焼入れ用鋼材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼入れ用鋼材を機械加工及び焼入れすることにより得られる動力伝達部品。
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