JP5031560B2 - タンパク質分解活性に関連する診断およびスクリーニング方法ならびにキット - Google Patents

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Description

関連出願
本発明は、「イソペプチダーゼ活性を評価する方法」と題される米国仮出願第60/580,900号の2004年6月21日の出願日の優先権を主張する。
本発明は、ユビキチンおよびユビキチン様タンパク質分解酵素活性の定性および定量評価、および新規酵素の発見のため、タンパク質分解酵素活性に対する効果について化合物を評価および/またはスクリーニングするため、および生物学的サンプル中の活性を検出するための材料および方法を提供するものであり、異常な(altered)酵素レベル、量、配列および/または活性に関連した症状および疾患の診断に有用である。この技術は、トランスジェニック細胞、植物および動物の形態にある疾患モデルにも組込まれる。
ユビキチン(Ub)イソペプチダーゼは、十年以上前に最初にクローン化された。しかし、現時点まで、Ubまたはユビキチン様タンパク質(UBL)に特異的なタンパク質分解酵素のための、またはその酵素の調節因子または阻害因子の迅速なスクリーニングのための適切なアッセイは存在しなかった。最近使用されているアッセイのほとんどは、大腸菌(E.Coli)で生成されるか(たとえばテトラ−Ub、Ub−CEP52、Ub−GSTP1、Ub−DHFR、Ub−PESTc等)、または化学的に合成されるかのいずれかである線状Ub−融合物の切断に依存する。これらのアッセイでは、反応生成物は、ゲル電気泳動により分析されるか、または選択的に沈殿され、その後液体シンチレーション分光測定法により分析されるかのいずれかである。
これらのアッセイは明らかな欠点を有し、たとえば、ゲルベースのアプローチは労働集約的でかつ高価である。選択的沈殿/シンチレーション計数は定量的結果を供し、ゲルベースのアッセイより多量のサンプルの処理を可能にするが、遠心分離および上清分離を必要とする。ユビキチン−7−アミド−4−メチルコウマリン(Ub−AMC)は、ハイスループットスクリーニング(HTS)用の蛍光性基質であり、市販されており、容易に使用できる。しかし、ユビキチンC末端加水分解酵素(UCHs)と異なり、ほとんどのユビキチン特異的プロテアーゼ(USP)はユビキチン(Ub)分子から小型の基を切断しない。さらに、AMCは非常に疎水性であり、試験化合物とそれ自身の相互作用に基づいて、スクリーニングにおいて偽陽性を生じ得る。切断を検出する他の方法、たとえば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)および質量分光測定法もそれら自身の欠点はあるが使用されてきた。さらに、先行技術の方法の中で、マルチウェルプレートを使用して行われうる簡単な(最小数の工程)アッセイを必要とし、その終点はプレートから直接読み取られるといったハイスループットスクリーニングに適切または適合性のあるものはない。
したがって、事実上、簡単で比較的安価であると同時に、ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質(UBL)のタンパク質分解酵素の調節因子に対するハイスループットスクリーニングを行うのに適切であるアッセイおよびキットが必要とされている。
本発明の1つの態様は、タンパク質分解酵素活性を評価する方法に関する。この方法は、
ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質(UBL)またはその機能性C末端セグメントを含む第一のポリマー、および検出のために必要とされる遊離N末端アミノ酸を含む第二のポリマーを含み;第一および第二のポリマーが、UBLのC末端および第二のポリマーのN末端を介して互いに動作可能に連結される融合ポリマーを供給すること;
UBLのC末端で切断するタンパク質分解酵素と、融合ポリマーを接触させること;
切断されたポリマーの量または活性のいずれかと関連するシグナルを検出すること;および
切断されたポリマーのシグナルおよびタンパク質分解酵素の活性との間の相関関係を確立することを含む。
前記方法の実施のために、本発明は、タンパク質分解酵素の活性を評価するためのキットであって、
ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質(UBL)またはその機能性C末端セグメントを含む第一のポリマー、および検出のために必要とされる遊離N末端アミノ酸を含む第二のポリマーを含み;第一および第二のポリマーが、ユビキチンまたはUBLのC末端および第二のポリマーのN末端を介して互いに動作可能に連結される融合ポリマー;および
タンパク質分解酵素アッセイを行い、第一および/または第二のポリマーの量または活性に関連したシグナルを検出し、そして検出されるシグナルと酵素のタンパク質分解活性との間の相関関係を確立するための取扱説明書;および
任意には、UBLのC末端で切断するタンパク質分解酵素源およびいくつかの他の構成要素を含むキットを提供する。
本発明の別の態様は、化合物をタンパク質分解活性に対するその効果についてスクリーニングするための方法であって、
ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質(UBL)またはその結合機能性C末端セグメントを含む第一のポリマー、および遊離N末端アミノ酸を含む第二のポリマーを含み、第一および第二のポリマーがN−、C−末端を介して互いに動作可能に連結される融合ポリマーを取得すること;
切断が起こるのに有効な条件下で、融合ポリマーを、UBLのC末端切断タンパク質分解酵素と接触させること;
100%切断シグナルを得るために、切断の量に関連するシグナルを検出すること;
0%切断シグナルを得るためにタンパク質分解酵素活性の完全な阻害因子の存在下で、接触および検出工程を繰り返すこと;
1組の化合物を得ること;
切断シグナルを得るために各化合物の存在下で、融合ポリマーの取得、接触および検出工程を個別に繰り返すこと;
0%および100%切断シグナルを参照することにより、各化合物の切断シグナルを正規化すること、および各化合物にタンパク質分解酵素活性値を付与することを含む方法に関する。
この第二の方法の実施のために、本発明は、タンパク質分解酵素活性調節因子スクリーニングキットを提供する。該キットは、
ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質(UBL)またはそのC末端セグメントを含む第一のポリマー、および検出のための遊離Nアミノ酸末端を必要とするポリペプチドを含む第二のポリマーを含み、第一および第二のポリマーがユビキチンあるいはUBLのC末端および第二のポリマーのN末端を介して互いに動作可能に連結される融合ポリマー;
タンパク質分解酵素アッセイを行い、第一および/または第二のポリマーの量または活性に関連したシグナルを検出し、そして酵素のタンパク質分解活性に対する検出されるシグナルの相関関係を確立するための取扱説明書;および
任意には、ユビキチンまたはUBLのC末端で切断するタンパク質分解酵素源および種々の態様に適した他の構成要素
を含む。
本発明は、任意に、細胞、植物または動物の染色体に統合されるユビキチンまたはUBL−レポーター融合ポリヌクレオチドを含み、ユビキチンまたはUBL−特異的イソペプチダーゼが特定の疾患または症状もしくはそれらのファミリーと関連しているトランスジェニック細胞、植物または動物にも関する。
トランスジェニック細胞、植物または動物は、
細胞、植物または動物を取得すること;
ユビキチン−、UBL−またはそれらのC末端結合機能性フラグメント−レポーター融合ポリヌクレオチドを取得すること;
ベクターに動作可能に連結したハイブリットポリヌクレオチドを担持するハイブリットベクターを取得すること;および、
そのハイブリットベクターを、細胞、植物または動物に安定にトランスフェクトすること
によって産生され得る。
さらに、本発明に示されるのは、ユビキチンまたはUBL特異的イソペプチダーゼが、疾患または症状に関連している本発明の細胞、植物または動物、あるいはその分画または組織を取得すること;
その疾患または症状に罹っていると推測される対象から得られたサンプルを該細胞、植物または動物と接触させるか、または該細胞、植物または動物に投与すること;
サンプルの存在下でレポーターにより産生される任意のシグナルを検出すること;および
0%と100%シグナルのための対照とそのシグナルを比較すること
を含む、疾患または症状の診断方法である。
本発明の他の目的、利点および特性は、以下の検討から当業者に明らかとなるであろう。
本発明は、ユビキチンおよびユビキチン様タンパク質(UBL)と関連したタンパク質分解酵素活性を評価する先行技術の方法を改良するという本発明者らによる望みから生じた。現存の方法に固有の欠点を観察することにより、本発明者らは、簡単で、容易に決定可能な終点を有し、ハイスループットスクリーニング、データ収集の自動化およびコンピュータ化に適切または適合性がある方法を提供する機会について当該分野を研究した。本酵素活性アッセイおよびキットは、比較的安価な構成要素を使用し、少数の操作を必要とし、マルチウェルプレートを使用して行うことができ、したがって自動化でき、それらの終点はそこから直接読み取ることができ、データ集合および分析がコンピュータ化できた。これらは、ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質(集約的にUBL)タンパク質分解酵素の調節因子のハイスループットスクリーニングのための本方法およびキットの特徴でもある。本技術は、UBLタンパク質分解酵素調節因子に対するハイスループットスクリーニングに適合性があり、イソペプチダーゼ等のようなUBLのタンパク質分解酵素に関連している疾患および症状を診断するため、および新規酵素およびUBL酵素調節因子についてスクリーニングするために有用であるUBL酵素の活性を分析するための高速で、安価で、選択的で簡単な方法を提供することによって、研究および医療産業の必要性に応える。
本発明は、酵素的活性、その調節および検出の分野に関し、さらに詳細には、ユビキチンおよびユビキチン様タンパク質(UBL)タンパク質分解酵素、たとえばイソペプチダーゼ/加水分解酵素/プロテアーゼ、酵素、それらの調節および検出に関する。本発明は、UBLタンパク質分解酵素活性の定量および/または定性評価のためのキットおよび方法、酵素活性に対する効果について化合物および試薬を評価またはスクリーニングする方法、および生物学的サンプル中の活性を検出する方法を提供する。ユビキチン−プロテアソーム経路は、難治性の再発性多発性骨髄腫の治療におけるベルケード(登録商標)の導入および臨床的成功によって立証された。アダムス(Adams)(2002年)を参照。
この経路は、ほとんどのタンパク質の細胞含有量および/または区画化を制御することが意図され、薬剤発見のための開発不十分な領域であるが、前途有望である。シーカノーバ(Ciechanover)(2001年);シーカノーバ(2003年)を参照。各タンパク質は適切な細胞機能を確保するために合成および分解の特徴的パターンを有し、いずれかの所定の時間で、タンパク質の細胞中含有量はその合成および分解速度の組合せにより制御されると思われる。分解は、様々な方法で起こると思われる。細胞外または膜結合タンパク質は、それらがゴルジ体−小胞体装置によって導かれるリソソーム中で全般的に分解されると思われる。SoUBLe、つまり細胞質タンパク質は、ユビキチン−プロテアソーム経路を介して制御形態で分解されると思われる。後者の経路は、細胞中の全ての異常で誤って畳み込まれたタンパク質および最も短命な調節タンパク質の約90%までの分解を占めると考えられる。さらに、プロテアソームも、最も長命なタンパク質の崩壊に関与すると思われる。ユビキチン−プロテアソーム経路は、細胞のタンパク質分解の80〜90%を占めうると評価される。リー(Lee)およびゴールドバーグ(Goldberg)(1998年)を参照。ユビキチン−プロテアソーム経路の標的は、中でも、細胞周期および分割制御因子、イオンチャネル、腫瘍抑制剤および転写因子を含む。ハーシュコ(Hershko)およびシーカノーバ(1998年);ビュ(Vu)およびサカモト(2000年);コナウエイ(Conaway)ら(2002年)を参照。これは、広範な基質を表すので、他の機能の中でも、細胞周期進行でのUb−プロテアソーム経路、アポトーシス、免疫応答、発生、転写制御、シグナルトランスダクション、および受容体下方制御の関与の含意とみなされる。その経路は、細胞プロセスでこのように中心的な役割を占めるので、種々の疾患に関連した病因、たとえば、中でもパーキンソン病、頸部癌、およびバンピッペルリンダウ症候群は、この経路の逸脱に関連した。たとえば、キタダら、(1998年);リロイ(Leroy)ら(1998年);カトー(1999年);スウィニー(Swinney)(2001年)を参照。
ユビキチンは、最も保護された真核生物の構造であるように見える76アミノ酸タンパク質である。単量体としてコードされると知られていないが、むしろC末端伸長タンパク質として発現される。たとえば、哺乳類リボソームタンパク質の2つは、ユビキチン形態タンパク質としてコードされる。全ての真核生物の細胞が、タンパク質ユビキチンC末端加水分解酵素を含有し、その全てがユビキチンカルボキシ(C−)末端でこれらの形態のタンパク質を切断すると思われる。さらに、人工形態のユビキチン遺伝子生成物を、真核生物の細胞内で発現および切断させうることが示された。原核生物、たとえば、大腸菌は、ユビキチンもユビキチン経路も含まないことが示された。ユビキチンと相同な多数のタンパク質は、中でも、たとえばSUMO、Nedd8、ISG15、Apg8、Apg12、FAT10、Urm1、Hub、GDX、HCG−1、BMSC−UBP、およびUBiが知られている。ユビキチンに対するこれらのユビキチン様タンパク質(UBL)タンパク質の相同性は、一般にそれらのアミノ酸配列の約15から30%までに限定され、それらの多くは前駆体タンパク質としてコードされ、および/またはC末端伸長部を含む。真核生物の細胞によって生成されるこれらの「融合」は、非常に特異的な加水分解酵素によって直ぐに処理され、UBL加水分解酵素(プロテアーゼ)が成熟UBLのレベルを制御する上で重要な役割を果たすことが示唆される。ユビキチンのC末端を、多様な酵素により標的タンパク質のN−アミノ基に共有結合させる。その標的タンパク質への単独分子のライゲーションに続いて、ユビキチンの6個のリシンNアミノ基の内の1つへのユビキチンのC末端の共有結合により、ユビキチン分子鎖を生成し、伸長させて、ポリ−ユビキチン鎖を形成する。ポリユビキチン化は、タンパク質分解のためのシグナルとして作用すると思われ、ユビキチン化タンパク質はプロテアソームにより識別され、分解されると考えられる。ユビキチン分子は再利用される。多くのUBLは、ユビキチンと同様の手段でイソペプチド結合を介して標的タンパク質に共有結合される。それらの実際の機能は完全には理解されていないが、UBLは当業界で知られている複雑な経路に関与する非常に制御された形態で、それらの標的タンパク質に接合され、脱接合されるように見える。たとえば、グリックマン(Glickman)およびシーカノーバ(2002年)を参照。
65個より多くのイソペプチダーゼ遺伝子が、ヒトゲノム中に存在することが推定される。イソペプチダーゼは、UBUBL修飾タンパク質の死滅を制御する重要な役割を果たすと思われる。たとえば、ユビキチンは、イソペピチダーゼにより脱接合されうる。これが起こると、標的タンパク質は、もはやチャネル通過できず、分解のためのプロテアソームにより識別され、したがって、細胞中で未分解のままでありうる。したがって、イソペプチダーゼは、ユビキチン機能を編集する上で、およびその結果として発生しうる細胞の病理学上で重要な役割を果たすと考えられる。タンパク質分解のためのシグナルとして作用することに加えて、タンパク質のモノ−ユビキチン化は、種々の細胞の活動、たとえばエンドサイトーシス、クロマチン再構成、シグナルトランスダクション、および多くの他のものの制御に関与すると思われる。多くのUBL接合物および脱接合物の厳密な役割は、位置づけられたままであるが、個々のUBLタンパク質分解酵素、たとえばイソペプチダーゼおよび加水分解酵素は、そのプロセスに明らかに関与している。
本発明は、一般的におよび具体的に、特異的融合ポリマー、たとえば、タンパク質、ユビキチン、ユビキチン様タンパク質(UBLs)、集約的にUBLと称されるその両方、および、融合タンパク質中のUBLのC末端を識別し、切断する系統発生にわたるタンパク質分解酵素であるようなものの例を使用して記述される。これらのUBLは、例を使用して以下に記述されるように、全レポータータンパク質、全結合対等のようなレポーターまたはシグナル発生分子に結合されて、不活性融合ポリマーを形成する。本発明は、これらの構成要素が分子について指定および記述される機能的カテゴリーに属する限り、融合構成要素およびタンパク質分解酵素の属の全ての構成要素、種の全ての構成要素等を広く包含する。UBLの共有結合物、たとえばラン−ギャップタンパク質に対するSUMOは、たとえば、核と細胞質ゾルのあいだのタンパク質の転位を制御すると思われる。この型の機構は、治療目的のために利用されうる。たとえば、休止状態の細胞質ゾル転写因子のSUMO化は、活性タンパク質を、それが作用して腫瘍抑制遺伝子に変わりうる核に転位する。外因性因子、たとえば小型分子によるSUMOプロテアーゼの阻害は、この場合にはSUMO融合を安定化し得て、したがって、抗癌活性を示しうる。小型分子によるSUMOプロテアーゼ、たとえばUlp1機能の制御は、治療的抗癌利益をもたらしうる。同様に、他のUBL、たとえばISG−15、Apg8、またはNedd8の接合および脱接合は、ぞれぞれ、それらの個々のタンパク質分解酵素、たとえばUBP43/、Apg4、およびNUB1連結C末端加水分解酵素/NEDP1/UCH−L1/UCH−L3/COP9を含めた加水分解酵素(プロテアーゼ)により制御されうる。これは、それらの個々のタンパク質修飾経路の機能の制御を導きうる。ISG15は、シグナルトランスダクションの主要な制御因子に接合される、ウイルス感染に対する炎症性応答の重要な制御因子である。マラコフ(Malakov)(2003年)を参照。ISG15は、インターフェロン(IFN)治療の後に最も強力に誘発される遺伝子の内の1つであり、B型インフルエンザウイルス、リポ多糖(LPS)、および遺伝子毒性ストレスにより明らかに誘発される。それは、17kDa前駆体からプロセッシングされ、保存ユビキチン接合経路で特定のタンパク質に接合される。ISG15特異的イソペプチダーゼUBP43は、本発明で使用するのにも適切である。マラコホフ(Malakhov)ら、(2002年);マラコホフら、(2002年)を参照。
ユビキチンは、一般にユビキチンイソペプチダーゼ、またはユビキチン加水分解酵素、プロテアーゼと称されるタンパク質分解酵素、あるいは脱ユビキチン化酵素(「DUB」)により基質から切断される。イソペプチダーゼは、一般構造Ub−X(ここでX=小型のチオールおよびアミンからUbおよび他のタンパク質までの範囲におよぶいずれかの数の遊離基)のユビキチン由来の基質を特異的に切断するシステイン加水分解酵素(プロテアーゼ)のファミリーである。たとえば、ダング(Dang)ら(1998年)を参照。したがって、イソペプチダーゼのようなタンパク質分解酵素は、ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質によるタンパク質の修飾を逆行するように作用すると思われる。ウィルキンソン(Wilkinson)(2000年)を参照。タンパク質分解酵素ファミリーの中でも、2つの主要なファミリー:ユビキチンC末端加水分解酵素(UCH)およびユビキチン特異的プロテアーゼ(USP)があり、その両方が、チオール活性部位プロテアーゼである。さらに、特徴的なJAMM(Jab1/MPNドメイン)イソペプチダーゼ活性部位を含有することが知られているメタロプロテアーゼイソペプチダーゼのファミリーがある。ランドグレン(Lundgren)ら(2003年);ホエストラッセル(Hochstrasser)(2002年);ベルマ(Verma)ら(2002年);ヤオ(Yao)およびコーエン(Cohen)(2002年)を参照。さらに、あるものは、既知ユビキチンイソペプチダーゼに相同な配列を有しないように見えるが、非常に特異的なユビキチンプロテアーゼであるように見えるオツベイン(otubains)と言われるシステインプロテアーゼのファミリーの存在も知られている。バラキレフ(Balakirev)ら(2003年)を参照。ユビキチン様タンパク質(UBL)に特異的なプロテアーゼも知られている。
UCH酵素ファミリーが、短C末端伸長を伴って存在するときにUbを最初に切断すると思われる。しかし、これらのプロテアーゼは、Ub前駆体、および小型アミンおよびチオールを伴うUbアダクトを含めた大型タンパク質基質と結合でき、細胞のシグナル発生および核−細胞質輸送に関与すると考えられる。レイフィールド(Layfield)ら(1999年)を参照。USP酵素ファミリーは、UCHに相同性を示さず、広範なタンパク質基質からユビキチンを切断する。たとえば、ウィルキンソン(1997年);ダンドレア(D' Andrea)およびペルマン(Pellman)(1998年);ウィルキンソン(1998年);チャン(Chung)およびベック(Baek)(1999年);ヤン(Yan)ら(2000年)を参照。USPが、サイズおよびアミノ酸配列で明らかな差を示す一方で、それらは、触媒活性のために必要とされる残渣の周辺にいくつかの非常に相同なパッチを共有する。ヒトゲノムの配列決定では、53USPコード化遺伝子および4UCH遺伝子を明らかにした。UCHとUSPの両方は、治療行為のための潜在的標的である。モノ−およびポリ−ユビキチン化の工程は、非常に動的であり、タンパク質からのユビキチンの高速付加および/または除去によって特徴づけられる。UCH酵素ファミリーは、たとえばUCH37、37kDaプロテアソーム結合酵素、およびBAP1、BRAC1に結合する81kDaタンパク質のようないくつかの例外を伴って、一般に、比較的小型、約20から30kDaまでのタンパク質を含む。ジェンセン(Jensen)ら(1998年)を参照。それらの根本的な基質は、Ub前駆体およびアミンおよびチオール残基を含有する小型の分子を伴うUbアダクトであると思われる。レイフィールドら(1999年)を参照。ヒトUCHL1およびUCHL3は、UbのC末端でε−連結アミド結合を、並びにα−連結ペプチド結合を加水分解しうる。ジョンストン(Johnston)ら(1997年)を参照。UCHファミリーは、酵母YUH1、PGP9.5としても知られる哺乳類UCHL1、UCH−L3、UCH37、Bap1、および多くの他のもの、並びに他の種の対応の酵素ファミリーを含む。たとえば、デイ(Day)ら(1990年);ラーセン(Larsen)ら(1996年)を参照。USPファミリーは、一般に、UCHと相同性をほとんど示さず、タンパク質基質の範囲からユビキチンを切断する大型、41kDaおよびそれより上のタンパク質を含む。ウィルキンソン(1997年);ダンドレアおよびペルマン(1998年);ウィルキンソン(1998年);チャンおよびベック(1999年);ヤンら(2000年)を参照。ほとんどのUSPは、線状Ub融合物、たとえばNH−ペプチド結合を加水分解しうるが、それらの主要な役割は、リシン側鎖によりεNH2−イソペプチダーゼ連結によりタンパク質に結合されるUb分子の除去であると思われる。同様に、ユビキチン様タンパク質と結合したイソペプチダーゼがある。たとえば、いくつかの酵母およびヒトプロテアーゼ、たとえば、ULP1およびUlp2、およびε−アミノリシン基から、並びに人工線状SUMO融合物からSUMOを除去しうるSENP1およびSENP2がある。リー(Li)およびホエストラッセル(1999年);リーおよびホエストラッセル(2000年);ゴン(Gong)ら(2000年)を参照。ヒトイソペプチダーゼの例は、下の表1で示される。しかし、ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質のC末端を識別する他のヒトタンパク質分解酵素も、原核生物または真核生物のいずれかの他の種由来の類似酵素がそうであるように適切である。
Figure 0005031560
イソペプチダーゼのようなタンパク質分解酵素は、細胞生存、増殖および分化に重要な役割を果たす。ショウジョウバエFAF(fat facets)遺伝子の突然変異は、各個眼での光受容体細胞の数を増大し、胚発生における母系の影響を示すと思われる。ハン(Huang)ら(1995年)を参照。FAFは、発生中の複眼での神経の細胞決定の負の制御のために必要とされるUSPをコードすると評価された。さらに、FAFは、LQFを脱ユビキチン化および安定化すると考えられる。チェン(Chen)ら(2002年)を参照。酵母DOA4遺伝子でコードされた脱ユビキチン化酵素は、プロテアソームと相互作用し、それらが、プロテアソームにより破壊される直前に、接合タンパク質からUbを切断し、したがってUbを再利用すると思われる。これと一致するのは、DOA4陰性細胞の主要な生化学的表現型、すなわち、遊離および接合Ubの含有量の減少である。突然変異細胞は、遅延成長および異常なDNA修復を含めた複数の欠損を有する。パパ(Papa)およびホエストラッセル(1993年);パパ、アメリック(Amerik)ら(1999年)を参照。ヒトUSP−Mは、染色体と結合し、分裂の開始時にリン酸化され、細胞分裂の中期/分裂後期の過渡期に脱リン酸化されると考えられる。カイ(Cai)ら(1999年)を参照。酵素は、脱ユビキチン化ヒストンであり、クロマチン縮合に影響すると考えられ、アポトーシスで重要や役割を果たすように見える。ミムナフ(Mimnaugh)ら(2001年)を参照。DUB−1およびDUB−2は、サイトカイン刺激リンパ球細胞増殖の分析のあいだに同定された。これらの遺伝子の高レベル発現は、細胞周期抑止を生じうる。実際に、DUB−1およびDUB−2は、重要な成長制御因子(類)の分解速度を制御しうる。ズー(Zhu)ら(1996年);ズーら(1997年)を参照。USP7は、非特異的転写アクチベーターVmw110と相互作用するように見え、腫瘍抑制因子p53を脱ユビキチン化および安定化する酵素HAUSPとも見なされた。エバレット(Everett)ら(1997年);リーら(2002年);ウッド(Wood)(2002年)を参照。ネズミUnp遺伝子は、光癌遺伝子と見なされてきて、NIH3T3細胞でのその過剰発現は、形質転換を生じた。ガプタ(Gupta)ら(1994年)を参照。一次ヒト肺腫瘍組織の研究で、ヒトUNPは、遺伝子発現レベルを上昇させたこと、したがって、新生物形成におけるこのUSPにとっての原因となる役割を有することが示された。グレイ(Gray)ら(1995年)を参照、セルラインでは、UNPタンパク質レベルが減少されたことを示し、したがって、UNPが腫瘍抑制因子遺伝子であることを示した。フレデリック(Frederick)ら(1998年)を参照。腫瘍抑制因子遺伝子PTENの過剰発現は、ヒトUNPを上方制御することが示された。ホン(Hong)ら(2000年)を参照。
DUBSの阻害剤は、特徴的な発生発現パターン、生化学的特性、細胞の局在化パターン、組織分布、好ましい標的、および細胞の機能を示す。パーク(Park)ら(2000年);レイフィールドら(1999年);カイら(1999年);リンら(2000年);ゴンら(2000年);パークら(2000年);ヘメラール(Hemelaar)ら(2004年);ウィルキンソン(2000年)リンら(2001年);リーら(2002年);ホエストラッセル(1996年);チャンおよびバーク(1999年);ワイズマン(Weissman)(2001年)を参照。USP基質の以下の群は、十分に記述されてきた:Ub前駆体、たとえば天然に生じるリボソームタンパク質とのUbの融合物;モノ−ユビキチン化タンパク質との接合物、すなわちプロテアソームの分解と定められていないが、むしろ、タンパク質の種々の生化学的特性、たとえば複合体形成または細胞のトラフィキングを修飾するためにUbによって接合されたタンパク質;誤ってユビキチン化されたタンパク質、たとえば編集;プロテアソームに収容されたポリ−ユビキチン化タンパク質、たとえばUb再利用;およびポリ−ユビキチン鎖、たとえば、モノマー分解および再利用。さらに、ユビキチン−プロテアソーム経路は最近、薬剤発見に利用されてきた。最近、多発性骨髄腫のために認可されたプロテアソーム阻害剤ベルケード(Velcade)は、いくつかの型の癌細胞の成長を選択的に阻害し(アーモンド(Almond)およびコーエン(2002年);シャッハ(Shah)、ポーター(Potter)ら(2002年))(アダムス、2002年)、臨床応答を達成した(アダムス(2002年);アダムス(2002年);アダムス(2002年))。ベルケードの治療上の効果の詳細は、十分に解明されなければならないままであるが、癌細胞に対する選択性でアポトーシスを誘発するように見える。それにもかかわらず、その効率は、治験で患者の規則遵守に負に影響を及ぼす毒性によって限定されそうである(アダムス、2002年)。
本発明は、その化合物の活性がUSPおよびUCH阻害剤のようなユビキチン−プロテアソーム経路に関連している、優れた治療率で化合物の選択における改善のための手段を提供する。1つの実施態様では、本発明は、ベルケード(登録商標)の場合でのように、全てのタンパク質分解を阻害することよりいっそう選択的でかつ有効な手段としてユビキチン代謝路を選択的に標的にする。ユビキチン様タンパク質およびユビキチンは、徐々に疾患にかかわっていき、または疾患と結びつく。たとえば、神経変性は、ハンチントン(Htt)病原性タンパク質Httedの病原性フラグメントへのSUMO添加によって悪化された。ステファン(Steffan)ら(2004年)を参照。発明者らは、これおよび他のデータに基づいて、SUMO加水分解酵素アクチベーターは、ハンチントン疾患に治療的利用性を示すと結論付けた。
発明の方法
本出願で示されるアッセイは、シグナル、たとえば活性を産生するために遊離N末端アミノ酸残基を必要とするあらゆる試薬または「レポーター」、たとえば酵素、タンパク質等を使用する。この試薬は、別のタンパク質のC末端に対するそのN末端を介して、融合によって不活性化される。例を使用して、トリプシン・ファミリーのようなプロテアーゼ酵素、たとえば因子Xは、活性部位ペプチド切断に関与する遊離N末端リシンを必要とする。本発明のアッセイは、さらに、タンパク質分解酵素、たとえばUBL加水分解酵素を含み、タンパク質分解酵素により切断されるであろうUBL−レポーター融合タンパク質を形成する。融合タンパク質のこの切断は、ユビキチンとユビキチン様タンパク質(集約的にはUBLと称される)の両方を遊離する、またはその結合機能性フラグメントが遊離C末端および遊離N末端を伴う「レポーター」を保有する。本アッセイの様々の実施態様では、それらの活性形態でUBLとレポーターの両方が、当業界で知られる多様な手段により、たとえば、放射性、色素原、蛍光、リン光、化学発光、および他の標識および/または基質の助けで検出されうる。アッセイは、反応が起こるマイクロタイタープレートの助けで行われうる。タンパク質分解酵素調節因子のスクリーニングのために設計された本発明の方法の別の実施態様では、好ましくは反応混合物の他の構成要素より前に、各化合物を、マイクロタイターのウェルに添加しうる。切断が完了した対照と比較した場合、スクリーニング陽性あるいは「ヒット」は、シグナル、たとえば色または蛍光の損失によって識別され、より少ないUBLまたはレポーターが遊離されたことを示す。融合ポリマーが融合タンパク質である1つの実施態様では、レポータータンパク質のN末端を、多様なUBLまたはそのフラグメントの内のいずれかのC末端に融合させることができ、それはタンパク質分解酵素、たとえばプロテアーゼまたは脱ユビキチナーゼのような加水分解酵素によって識別および切断される。別の実施態様では、本発明のアッセイは、タンパク質分解酵素、たとえば精製加水分解酵素、酵素活性が精製されなければならない細胞溶解物または抽出物の様々な供給源で行われうる。別の実施態様では、本発明の方法は、タンパク質分解酵素の様々の推測供給源を置換し、融合ポリマー、たとえば融合タンパク質におけるその効果を試験することによって、多様な生物からの新規タンパク質分解酵素の発見に使用されうる。
本発明のアッセイの別の実施態様では、試薬またはレポーターは、UBLまたはその活性フラグメントに融合される不活性前駆体タンパク質でありうる。この実施態様では、融合タンパク質の切断は、タンパク質活性を生じ、それはタンパク質の活性に基づいた陽性シグナルを生成でき、終点に関連したシグナルの生成、たとえば色素原終点を導く。このような前駆体の例は、中でも、チモーゲン、たとえばフィブリノーゲンおよびプラスミノーゲン、凝固因子、たとえばプロトロンビン、およびウイルス性ポリタンパク質、たとえばヒトリノウイルスおよびポリオウイルスである。最後の例では、イソペプチダーゼは、大腸菌中でポリオウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ(3Dpol)を含有する巨大ポリタンパク質の切断を仲介する。これは、RNA依存性RNAポリメラーゼが、活性に関して遊離N末端を必要とし、そしてこの活性は容易に分析可能または検出可能であるので可能である。したがって、RdRpおよびイソペプチダーゼの活性が結合されうるので、ポリオウイルス系は、ユビキチンイソペプチダーゼ活性を評価するために本アッセイで使用されうる。
細胞が、本発明により要求されるとおりタンパク質分解酵素をコードする限り、たとえばイソペプチダーゼまたは加水分解酵素(プロテアーゼ)が中でも当業界で知られている、または当業界で示されるべきである。これらの酵素は、UBL配列を特異的に識別し、UBLのC末端とレポーターのN末端のあいだの接合部で切断して、遊離レポーターN末端を生じる。レポーターは、そのように活性化されるか、または活性化される可能性があり、記録可能または検出可能なシグナルを生じる。上で示された要件を実行するいずれか、または全てのレポーター酵素は、本発明のアッセイで使用するのに適している。レポーター酵素の例は、例示の目的のみのために下の表2で供される。
Figure 0005031560
一般に、単純なペプチド結合は、「イソペプチド結合」と異なる。直線ペプチド結合が、繰返−NH−CR−CO−NH−CR’CO−構造を有するのに対して、COOH炭素は、NH−担持炭素に関してα位置にある。イソペプチド結合は、一般に、アミノ基を担持する炭素原子とカルボキシ官能基とのあいだに大いに距離を有し、たとえば、イソペプチド結合は、関与したアミノ酸の少なくとも1つが、カルボン酸基に関して、非α位置、たとえばβ、γ、σ、ε等にアミン基を有する場合に生じる。後者の例は、アスパラギン酸(β位置)、グルタミン酸(γ位置)、およびリシン(ε位置)のようなアミノ酸である。多くのペプチダーゼおよびイソペプチダーゼは、線状UBL融合物を切断できる。
別の実施態様では、そのN末端を露出することによってレポーターを活性化させる本発明の方法は、遺伝子スクリーンの構築で細胞に使用しうる。酵素グルタミンホスホリボシルピロリン酸アミドトランスフェラーゼ(GPATase)は、プリンヌクレオチド生合成の最初の工程を触媒し、そしてその経路の主要な制御酵素である。GPATase遺伝子は、大腸菌のpurF遺伝子座によってコードされる。メイ(Mei)およびサルキン(Zalkin)(1990年)を参照。この遺伝子の欠失は、大腸菌の成長を遅延する。外因性プリンが培地(アデニン)に添加されるとき、細胞成長は保存される。実施例番号2では、GPATase中での遊離N末端Cycの発生は、その活性に必須であるので、GPATase酵素が、UbまたはUBLイソペプチダーゼ活性を監視するために素晴らしいレポーターとして使用されうることを示した。同様に、それらのN末端も、その生物学的活性のために要求されるので、他のN末端求核体(Ntn)加水分解酵素(表12を参照)、たとえばアスパラギンシンターゼ(アンドルリス(Andrulis)Iら(1989年)を参照)およびグルタメートシンターゼ(オリバー(Oliver)ら(1987)を参照)も、本発明で使用されうる。
Ub−GPATaseまたはUBL−GPATase融合タンパク質によってpurF遺伝子座を欠くセルラインに移行される生物学的選択法が、ここに含まれる。これらの株は、アデニンを含有する培地中で育成されうる。同じ株は、Ubプロテアーゼ、たとえばイソペプチダーゼ、あるいはUBLプロテアーゼ、たとえばイソペプチダーゼを発現するプラスミドで形質転換されうる。二重のプラスミドを含有する細胞は、添加アデニンとは無関係な合成培地で育成されうる。したがって、細胞成長は、UbまたはUBLプロテアーゼによって活性GPATaseの産生により左右される。突然変異体UbまたはUBLプロテアーゼは、GPATaseが宿る大腸菌株に形質転換される場合、細胞は、それぞれ、アスパラギンシンターゼおよびグルタメートシンターゼについての場合であるときアデニン、またはグルタメートあるいはアスパラギンの非存在下では成長しない。この選択システムは、Ub−GPATaseまたはUBL−GPATaseを切断する新規プロテアーゼをクローニングするために使用されうる。同様に、そのシステムは、活性GPATaseまたは選択の別の酵素を発生させることによって、成長を回復するためにUbまたはUBL−融合タンパク質を切断して、誤差傾向のあるPCRライブラリーから酵素、たとえば最高の酵素を選択するためにも使用されうる。
その方法の別の実施態様は、N末端アミノ酸が、タンパク質機能および/または表現型で有する効果の評価のためにUB/UBL−融合タンパク質を使用する。バックマイヤー(Bachmair)(1968年);バックマイヤー(1989年)を参照。合成N末端ユビキチン融合タンパク質は、真核生物でインビボに高速切断を受けて、指定されたN末端残基を有するタンパク質を産生する。一般に、N末端規則によって示されるとおり、所定のN末端残基を有するタンパク質は、連続のユビキチンが介入した分解にさらに影響を受けやすい。バーシャフスキー(Varshavsky)(1996年)を参照。この特定の実施態様では、融合タンパク質のN末端を修飾して、タンパク質安定性を変化させ、そして様々なインビボタンパク質レベルを発生し、それにより、それらの表現型、たとえば細胞機能が、アルファ試薬感度についてはたとえば酵母Ard1、またはウラシル欠損培地での生存についてはUra3でタンパク質のレベルにより影響される。パークら(1992年)を参照。本方法は、N末端SUMO、ISG15またはNEDD8を用いた融合の手段により、インビボタンパク質レベルおよび表現型で影響を及ぼすように使用される。これらの実施例では、融合タンパク質は、インビボで切断され、遊離N末端タンパク質残基は、そのタンパク質のレベルを、したがって、N末端規則により確立されたとおりタンパク質(不)安定性に関連した表現型を決定する。特異的タンパク質残基は、所望の(複数の)タンパク質レベル、たとえば脱安定化についてはアルギニン、安定化についてはメチオニン、使用される生物の型で所望のレベルの安定性について適切な他の残基を発生する本発明によって融合構築物を指定するために選択されうる。
本発明の方法のさらに別の実施態様は、インビボタンパク質分解酵素活性、たとえばイソペプチダーゼ活性に関連した光学画像化に適切なレポーター(類)を含めた融合タンパク質を使用する。実施例によって、脱ユビキチン化酵素は、ワイズルダー(Weissleder)(1999年)のここにその全体に組込まれるプロセスおよび収縮剤を示す相応の出典により示されるとおり特異的酵素との相互作用の後のみに、蛍光を発するコントラスト試薬の助けでプロテアーゼ活性の近赤外線(近IR)光学画像を使用して腫瘍検出での道具としてここで使用される。休止または不活性蛍光色素の切断により、このようなプロテアーゼの1つカテプシンDは、分子間光学蛍光消光を施すことによって、蛍光色素を放出し、したがって活性化しうる。チン−スアン・タン(Ching-Hsuan Tung)ら(1999年)を参照。したがって、ユビキチンおよび/またはUBLは、脱ユビキチン化酵素およびピンポイント活性化および/または阻害活性についてインビトロ、エキソビボおよび/またはインビボで分析するために使用されうる検出プローブ上で蛍光色素から分子間光学蛍光消光を強化するために役割を果たす。いくつかのタンパク質分解酵素、たとえばイソペプチダーゼが、下に示されるとおり特定の疾患に関連したので、ユビキチンおよびUBL蛍光プローブの使用は、初期腫瘍検出のために、そして処置の効能を追跡するための追跡試験として重要である。
UBLは、それらのユビキチン様構造畳み込みの明らかな保存を示す。それらの球状構造は、半分に、すなわち、C末端セグメントおよびN末端セグメントに分断されうる。たとえば、SUMO分子は、分断された。レポータータンパク質を、C末端半分のSUMO(CTHS)に融合させた場合、それは、SUMOプロテアーゼによって切断されなかった。しかし、CTHS−レポーター融合タンパク質を、N末端半分のSUMO(NTHS)と混合したとき、酵素は、レポーター融合物を切断しない。したがって、レポーターシグナルは、SUMOの2つの半分が会合できるときのみに観察される。会合した場合、その構造は、プロテアーゼ酵素によって識別され、それは、その後、活性レポーターを切断および発生できる。1つの特定の用途では、本アッセイの分断SUMO実施態様は、分子、たとえば特異的受容体に結合する代謝生成物、ホルモンおよび薬剤のような小型分子を検出するために使用されうる。ユビキチンおよびUBLについて切断特異性を示すプロテアーゼは、たとえば、ユビキチンまたはUBLのCTHS−レポーターに接着したレポーター分子を、中でもホルモン、薬剤またはリガンド(集約的にリガンドと称される)と接触させるスイッチまたはセンサーとして使用するのにも適しており、タンパク質−タンパク質またはタンパク質−小型分子相互作用は、活性レポーターの高速切断を導く。この実施態様は、好ましくは、ユビキチンおよびUBLプロテアーゼが、リガンドとして有効なスイッチ(受容体センサー)であるための2つの条件を供する。ユビキチンまたはUBL−受容体は、受容体がそのリガンド、たとえばホルモンに結合されるとき好ましくはプロテアーゼによって切断される。リガンドの結合は、好ましくは、そのプロテアーゼによりユビキチンまたはUBLの切断を促進するユビキチンまたはUBL構造における変化を促進する。エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER−LBD)は、このような用途の例である。広範な用途を有するが、この実施態様は、エストロゲン受容体に関してここで例示される。エストロゲン受容体(ER)は、高い親和性で、コアクチベーター分子と相互作用する。しかし、この相互作用は、完全に、エステロゲン受容体(ER)のリガンド結合ドメイン(LBD)へのエステロゲンホルモンの結合に依存する。本方法のこの実施態様では、ERのリガンド結合ドメインは、SUMOのN末端半分(NTHS)または他のいずれかのUBLを有する融合ポリマー(タンパク質)として発現され、CTHSは、ERについて高い親和異性を示すタンパク質のコアクチベーター部分に融合される。コアクチベーター−CTHSレポーター融合タンパク質およびER−LBD−NTHS融合タンパク質は、細胞系、たとえば大腸菌で発現され、任意に精製されうる。タンパク質混合物を、その後、SUMOプロテアーゼの存在下で試験物質とインキュベートしうる。エステロゲンホルモンは、ER−LBD−NTHS融合物中でその受容体に結合するとき、それは、コアクチベーター分子との相互作用を促進する。生じた複合体は、レポーターの切断を導き、レポーター活性についてシグナルを生じるか、または生じさせうる。酵素的反応によるレポーターシグナルを増幅する能力は、このエストロゲン−ER対センサーの開発の基盤である。シグナルは酵素的に増幅されるので、分断UBL、たとえばSUMOおよび他のUBLの相補性により作用するセンサーは、従来のELISAキットによって行われるより大きな感度でエステロゲンのみならず、他のホルモンおよび代謝生成物も検出する。分子対、たとえばホルモン依存性コアクチベーター、およびリガンド−リガンド−受容体対、たとえばホルモンおよびホルモン受容体対に依存するコアクチベーターは、エストロゲン、アンゴロゲン、チロイドホルモン、または1,25−ジヒドロキシビタミンDのような極度に小さな、たとえばピコモルのリガンドの量を検出するために、多数のヒト受容体、たとえば核受容体についてのセンサーとして使用しうる。同様に、アルファ−1へリックスとベータ3ストランドのあいだのループ内のいずれかの場所でセグメントに、互いに親和性を示す半分に分断された全てのUBLは、その個々のタンパク質分解酵素、たとえば加水分解酵素の助けで、センサーを構築するために使用されうる。本アッセイのセンサー実施態様は、遊離N末端の発生によるシグナル発生、またはシグナル生成事象に対するその結合による。
イソペプチダーゼ酵素は、植物および動物界じゅうに存在し、その全ては、本発明で使用するのに適しているとみなされる。酵母SUMOプロテアーゼ酵素(ULP1)は、たとえば、その切断特性、確固不動、および正確であり、本発明で供される例示の開示のほとんどで使用されてきた。たとえば、マラコホフ(2004年)を参照。本アッセイのこの実施態様は、種々のUBLについて他の既知イソペプチダーゼを使用して立証され、その要件は、遊離の未融合レポーターアミノ末端発生において所定のシグナルに完全に依存しており、この例では、イソペプチダーゼ酵素SUMOプロテアーゼ(ULP1)によって発生される。調節因子、たとえばスクリーニング済み化合物により与えられるイソペプチダーゼ活性の阻害は、酵素的活性の弱化を生じる。ここに列挙される本発明のアッセイを行うための要素の組合せの他の例は、SUMOに融合され、ULP1で切断されたポリオウイルス3D RNA依存性RNAポリメラーゼ、SUMOに融合され、ULP1で切断されたグルタミンホスホリボシルピロリン酸アミドトランスフェラーゼ(GPAT)、SUMOに融合され、ULP1で切断されたトリプターゼ、並びに酵母およびヒトSUMO、ユビキチン、Nedd8、Rub1、およびISG15に融合され、ULP1、Senp2、USP2、Den1、および種々の細胞抽出物で切断されたホスホリパーゼAである。これらは、本発明のアッセイおよびキットで使用するために適した膨大な組合せのささやかでない例である。
本発明は、いくつかの主要な実施態様の形態で提供され、ユビキチンおよびユビキチン様タンパク質加水分解酵素、たとえばプロテアーゼ、UBL−レポーター融合ポリマーの活性を監視するためのUBL−レポーター融合ポリマー、およびUBL加水分解酵素、たとえばプロテアーゼのようなタンパク質分解酵素を監視するためにプローブとして遊離レポーター構造を発生するシグナル、およびヒトおよび他の動物、細胞、組織および細胞分画におけるそれらの活性の用途を含む。これらの中で主要なのは、UBL−レポーター融合ポリマーの使用、およびUBL加水分解酵素、たとえばプロテアーゼのようなタンパク質分解酵素活性の評価、真核生物および原核生物のための選択性マーカーとしての活性である。別の重要な実施態様は、タンパク質−タンパク質相互作用および小型分子−タンパク質相互作用を検出するために、UBL−レポーター分子、たとえば酵素、適切なタンパク質分解酵素、たとえば加水分解酵素およびプロテアーゼを用いた切断により可能とされるセンサーとしてそれらのキメラ構造による。さらに別の実施態様では、UBL−レポーター酵素は、活性をモニタリングし、タンパク質分解酵素、たとえばUBL加水分解酵素およびプロテアーゼについて分析するためのキットの製造で使用される。本発明の最も好ましい実施態様のいくつかは、それらのレポーター活動について特定のN末端残基を必要とする、中でも酵素、ポリメラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、アシラーゼのような多様な「レポーター」構造を使用する。他の実施態様は、UBLのC末端を、不活性形態のレポーターを担持する融合ポリマー中のレポーターのN末端に連結し、レポーターを活性にさせるタンパク質分解酵素、たとえばUBL加水分解酵素またはプロテアーゼの作用により遊離N末端レポーター構造を、発生させる融合ポリマーの発現による。レポーターは、酵素、またはそれら自身により、または他の実態との相互作用にかかわらず他のシグナル発生実体でありうる。
さらに別の好ましい実施態様は、あらゆる供給源、たとえば大腸菌から得られ、発現され、精製され、活性シグナルを発生する活性レポーターまたは酵素を発生するUBL加水分解酵素、プロテアーゼまたはイソペプチダーゼのようなタンパク質分解酵素によりたとえばインビトロで切断されるUBL−レポーター融合ポリマー、たとえばタンパク質を使用する。このように生成したシグナルおよび/またはレポーター酵素は、ハイスループットスクリーニング法で決定可能な出力のタンパク質分解酵素活性、たとえばUBL加水分解酵素またはプロテアーゼ活性として、そしてタンパク質分解酵素、たとえば加水分解酵素またはプロテアーゼを阻害または活性化させる小型分子のような酵素活性の調節因子を同定するためのキットとして使用されうる。別の実施態様では、UBL−加水分解酵素またはプロテアーゼのようなタンパク質分解酵素を使用して、インビボで活性なレポーターシグナル、たとえばシグナル発生酵素を発生し、そしてUBL加水分解酵素およびプロテアーゼのような特定のタンパク質分解酵素についての細胞に基づいたアッセイを開発しうる。最も好ましい実施態様では、UBL−レポーター融合ポリマーを、種々の生物、細胞、細菌、真菌、および動物および植物組織および細胞分画中で特異的タンパク質分解酵素、たとえば加水分解酵素およびプロテアーゼの活性を引き伸ばすセンサーとして使用するための細胞染色体に組込まれるトランスジェニック構築物として使用しうる。1つの他の実施態様は、UBL加水分解酵素およびプロテアーゼのような種々のタンパク質分解酵素についての親和剤またはマトリックスとしてプロ−酵素のようなUBL−プロ−レポーター構造を利用する。さらに、UBL−レポーター融合構造は、新規タンパク質分解酵素構造、たとえばUBLドメイン構造を明らかにする道具として本アッセイおよびキットで使用されうる。本方法およびキットは、新規改善タンパク質分解酵素、たとえばUBL加水分解酵素およびプロテアーゼを発見および案出するために、突然変異体または修飾ユビキチンまたはUBL構造、またはその結合機能性セグメント、および対応の突然変異体UBL−レポーター融合ポリマーの助けでも使用されうる。本発明の1つの極度に好ましい実施態様では、アッセイおよびキットは、真核生物および原核生物の成長および/または表現型検出のための選択可能なマーカーとして使用されるUBL−レポーター融合構造による。別の実施態様は、新規UBL−レポーター酵素についてスクリーニングするプローブとしてUBL−レポーター融合構造を使用する方法およびキットを提供する。これらのキットは、UBL加水分解酵素およびプロテアーゼのようなタンパク質分解酵素の活性をアッセイする他の試薬と一緒に、UBL−融合物を含む。
異なる実施態様では、本発明は、優れたシグナル発生レポーター、たとえば酵素を生じる道具としてUBL−レポーター融合構造を使用する方法およびキットを提供する。別の重要な実施態様は、酵素、たとえばタウトマーゼの場合のような、活性N末端としてプロリンを必要とするその遊離N末端についての特定の要件を示すレポーターを使用する本発明の方法およびキットを提供する。この場合に、方法およびキットは、UBL−プロリン融合結合に特異的である新規タンパク質分解酵素、たとえば加水分解酵素およびプロテアーゼを発見するために、UBL−N−プロリンレポーター融合ポリマー中にレポーターを使用する。本発明は、それらのN末端を介して融合された場合、それらのユビキチンまたはUBL融合立体配置で不活性であり、それらのN末端の解放のため、ユビキチンまたはUBLプロテアーゼによる切断により活性化される「レポーター」酵素(類)を同定およびアッセイするためのアッセイおよびキットの形態で、先行技術より明らかな改善を提供する。上の表2は、生物学的活性のため遊離N末端を必要とするいくつかの分類のレポーター酵素の例を列挙する。多くの場合には、N末端残基は、触媒部位の一部であるか、または触媒機構に必須である。これらの理由のため、ユビキチンまたはUBLへのそれらのN末端の融合は、可逆手段で酵素を不活性化する一方で、ユビキチンまたはUBLの除去は、それらの活性を急速に回復する。したがって、活性レポーター酵素の発生は、個々のプロテアーゼの直接関数である。
別の実施態様では、ユビキチンおよびUBL−レポーター融合遺伝子を、既知手段によっていずれかの生物に移行させ、任意に、宿主の染色体に組込み、それによってジェネティック植物および動物を発生させうる。表2で報告された酵素の多くは、特徴的な基質を有するので、それらは、このような酵素が存在する組織または細胞中でシグナル発生アッセイ、たとえば蛍光または色素原シグナルで使用されうる。したがって、容易に検出される基質と結合したUBL−レポーターは、新規生化学および遺伝子マーカーとして役割を果たし、現場でのタンパク質分解酵素、たとえばイソペプチダーゼおよびプロテアーゼの特徴的活性を報告する。本発明のユビキチンおよびUBL−融合遺伝子は、選択性マーカーとしても有用である。例によって、ユビキチンまたはUBL−融合遺伝子に対するプリン生合成に必須である大腸菌のグルタミン−PRPP−アミドトランスフェラーゼ(GPAT)のN末端融合物を、ベクター、たとえばプラスミドに連結させ、その染色体GPAT遺伝子を欠失または突然変異させる細胞をトランスフェクトするために使用しうる。GPAT酵素は、活性化されるべき遊離N末端を必要とする。したがって、融合タンパク質のイソペプチダーゼ切断は、デノボ・プリン生合成経路を回復するために必要とされる。このようなUBL−マーカー遺伝子のすみかとなる細胞は、適切なイソペプチダーゼまたはプロテアーゼ遺伝子を担持するプラスミドの選択に対処する。したがって、プロテアーゼ遺伝子は、細胞生育性に必須であるタンパク質を活性化させるスイットとして作用する。精製不活性化ユビキチンおよびUBL−レポーター融合タンパク質を、たとえばプロテアーゼおよびイソペプチダーゼのような新規タンパク質分解酵素のインビトロスクリーニングのために使用しうる。本アッセイは、ユビキチンの選択性切断を表示するプロテアーゼまたはUBLファミリーの1つ以上の構成要素の混合物の活性を監視するのにも適している。たとえば、SUMO−Xレポーターは、ULP1のための素晴らしい基質(SUMOプロテアーゼ)でありうるのに対して、SUMO−Yレポーターは、第二の固有のSUMOプロテアーゼであるUlp2についてのスーパーb基質でありうる。
さらに詳細には、本発明は、本発明の第一の態様で、ユビキチンもしくはユビキチン様タンパク質(UBL)またはその機能性C末端セグメントを含む第一のポリマー、および検出のために必要とされる遊離N末端アミノ酸を含む第二のポリマーを包み、第一および第二ポリマーは、UBLのC末端および第二のポリマーのN末端を介して互いに動作可能に連結される融合ポリマーを供給すること;UBLのC末端で切断する酵素を含むか、または含むことが推測されたタンパク質分解酵素またはサンプルと、融合ポリマーを接触させること;切断ポリマーの量または活性のいずれかと関連したシグナルを検出すること;および、切断ポリマーのシグナルおよびタンパク質分解酵素活性の相関関係を確立することを含むタンパク質分解酵素活性を評価する方法を提供する。
1つの実施態様では、上に示される方法は、多様な形態で、様々の目的のために実施されうる。その方法は、0%および100%切断シグナルに関して各酵素またはサンプル切断シグナルを正規化させること、その各酵素またはサンプルに対するタンパク質分解酵素活性値を定めることも含み、得られた酵素活性が、カットオフ値より下である場合、酵素またはサンプルは不活性であり、カットオフ値より上である場合、それは活性であるといわれうる。0%および100%切断シグナルは、当業界で知られる方法により取得でき、あるものは、100%および0%切断シグナルを取得するためのタンパク質分解酵素活性の完全切断および完全阻害についての接触、検出および確立工程を繰り返すことによる。正規化工程は、特に、酵素活性切断値の曲線を参照することにより各酵素またはサンプル切断シグナルを正規化させること、各酵素またはそのサンプルに対するタンパク質分解酵素活性を定めることによって行われ、得られた酵素活性が、カットオフ値より下である場合、酵素またはサンプルは不活性であり、カットオフ値より上である場合、それは活性であるといわれうる。とはいえブランクおよび/または対照についての正規化の他の手段なども意図される。別の好ましい実施態様では、第一のポリマーは、他の多くのものの中でもタンパク質ユビキチン、SUMO、Nedd8、ISG15、Apg8、Apg12、FAT10、Urm1、Hub、UBi、Rub1、ISG15、またはC末端にαへリックス1およびβストランド3を連結するUBLループ内のアミノ酸を含む、その結合機能性C末端セグメントを含みうる。別の実施態様では、第二のポリマーは、多様な異なる構築物を含むことができ、最も好ましいもののなかでも、レポータータンパク質または酵素、転写因子またはそのシグナル発生機能性フラグメントであり、および/または第一のポリマーは、UBL、すなわちユビキチンまたはユビキチン様タンパク質を含みうるか、またはその結合機能性C末端セグメントは、C末端にαへリックス1およびβストランド3を連結するUBLループ内のアミノ酸を含む。1つの形態の方法で、第一または第二のポリマーのいずれか、あるいは両方は、タンパク質分解酵素切断で検出可能になる。第一および/または第二のポリマー(類)が、それ(それら)が伝達するシグナルの活性化により、および/または検出可能なシグナルに結合するか、またはそれを発生することにより検出可能になる。特に、シグナルは、放射活性、蛍光、リン光、色素原、超音波、または化学発光シグナルである。しかし、他のいずれかの型も、本発明の領域内である。特に好ましい実施態様では、方法は、C末端にαへリックス1およびβストランド3を連結するUBLループ内のアミノ酸を含むUBLのN末端セグメント、またはUBLのC末端セグメントとUBLを形成する残りのアミノ酸セグメントであって、第一および第二結合パートナーの一方に動作可能に連結されるセグメントを取得すること;および第二結合パートナーを取得することも含みうる。この形態で、融合ポリマーは、特に、第一および第二結合パートナーの結合によって切断され、好ましくは、受容体および受容体結合剤を含む。他の受容体結合剤は、薬剤、ホルモン、抗原、リガンド、またはその受容体結合機能性フラグメントを含む一方で、対応の受容体は、薬剤受容体、ホルモン受容体、抗体、リガンド結合受容体、またはその結合機能性フラグメントを含みうる。この実施態様では、UBLのN−およびC−末端の結合は、UBLの立体構造の認識、およびタンパク質分解酵素によるC末端でのポリマー切断を可能にする。特に重要なのは、第一および第二のポリマーが、互いに共有結合で連結されている1つの形態の方法である。もう一つのものでは、第一および第二のポリマーは、特に、リンカーを介して動作可能に連結されており、そして、少なくとも1つのアミノ酸を含みうる。その方法の最も好ましい実施態様で、融合ポリマーが、融合タンパク質を含み、そしてタンパク質分解酵素は、特に、イソペプチダーゼまたはその切断中の機能性フラグメントを含む。
タンパク質分解酵素の例は、ユビキチンC末端加水分解酵素、ユビキチン特異的プロテアーゼまたはその機能性フラグメントである。多くの中でも他の例は、ULP1、ULP2、SENP1、SENP2、酵母YUH1、哺乳類UCHL1、UCH−L3、UCH37、Bap1、USP−M、DUB−1、DUB−2、USP7、UNP、CYLD、CYLD1、KIAA0849、USP9X、DFFRX、USP9、FAFX、USP9Y、DFFRY、USP10、FAFY、OTUB1、OTB1、OTU1、HSPC263、OTUB2、C14orf137、OTB2、OTU2、USP10、KIAA0190、USP11、UHX1、USP12、UBH1m、USP12L1、USP13、ISOT3、USP14、TGT、USP15、KIAA0529、USP16、UBPM、USP18、UBP43、USP19、KIAA0891、ZMYND9、USP20、KIAA1003、LSFR3A、USP21、USP23、NEDD8特異的プロテアーゼ、USP22、KIAA1063、USP24、KIAA1057、USP25、USP26、USP28、USP29、USP30、USP32、USP33、KIAA1097、VDU1、USP35、KIAA1372、USP34、USP36、KIAA1453、USP37、KIAA1594、USP38、KIAA1891、USP40、USP42、USP44、USP46、USP49、USP51、UBP1、USP1、UBP2、USP2、UBP41、UBP3、USP3、UBP4、USP4、UNP、UNPH、UBP5、USP5、ISOT、UBP6、USP6、TRE2、UBP7、USP7、HAUSP、UBP8、USP8、KIAA0055、UBPY、VCIP、VCIP135、KIAA1850、Cezanne1、Cezanne2、A20、UCH−L1、パーク5、UCH−L3、UCH−L5、UCH−37、ATXN3、ATX3、MJD、MJD1、SCA3、POH1、PSMD14、CSN5、COPS5、JAB1、SENP1、SENP2、SENP3、SSP3、SUSP3、SENP5、FKSG45、SENP6、FKSG6、KIAA0797、SSP1、SUSP1、SENP7、KIAA1707、SSP2、SUSP2、SENP8、VCIP、VCIP135、KIAA1850、A20、UCH−L1、パーク5、UCH−L3、UCH−L5、UCH−37、ATXN3、ATX3、MJD、MJD1、SCA3、POH1、PSMD14、CSN5、COPS5、JAB1、SENP1、SENP2、SENP3、SSP3、SUSP3、SENP5、FKSG45、SENP6、FKSG6、KIAA0797、SSP1、SUSP1、SENP7、KIAA1707、SSP2、SUSP2、SENP8、FKSG8、PRSC2、DUB1、DUB2、DUB3、またはDUB4のような1つ以上の切断機能性酵素、またはその切断機能性フラグメントを含む構築物である。いくつかの例が提供されたが、当業界で知られており、明らかにされる多くの他のものも、それらが、要求される特徴を示す限り適している。
本発明の方法は、セリンプロテアーゼ、プロホルモン前駆体、サブチリシン/ケクシン様プロホルモン変換酵素、カルボキシペプチダーゼ、トロンボスポンジンI型モチーフを有するジスインテグリン様およびメタロプロテアーゼドメイン(レプロリシン型)(ADAMTS)、ジスインテグリンおよびメタロプロテアーゼドメイン(ADAM)、システインアスパラターゼ、アスパラギン酸プロテイナーゼ、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、RNA依存性RNAポリメラーゼ、N末端求核基(Ntn)加水分解酵素、4−オキサロクロトン酸互変異性化酵素、コリスミン酸シンターゼ、β−ラクタムアシラーゼ、逆転写酵素、ホスホリパーゼ、転写因子、またはその機能性フラグメントのような酵素を含む「レポーター」またはシグナル発生構築物を含む第二のポリマーを用いて実施されうる。他の例は、第二のポリマーが、ウイルス性逆転写酵素、シグマ転写因子、グルタミンホスホリボシルピロリン酸(PRPP)アミドトランスフェラーゼ(GPATase)、凝固因子Xa、3DpolRNA依存性RNAポリメラーゼ、グルタミン5−ホスホリボシル−1−ピロリン酸アミドトランスフェラーゼ、ペニシリンアシラーゼ、逆転写酵素、コリスミン酸シンターゼ、トリプターゼ、キマーゼ、エンテロキナーゼ、転写因子σK、トロンビン、ジペプチジルペプチダーゼ、HtrA2、ニューロフィシン、バソプレシン、フリン、カルボキシペプチダーゼB、カルボキシペプチダーゼY、vWF−切断プロテアーゼ/ADAMTS13、ADAM1、ADAM2、カスパーゼ、ペプシン、レニン、カテプシンD、マソン−ファイザー・サルウイルスプロテイナーゼ(Mason-Pfizer monkey virus proteinase)、MMP20、MMP26、グリコシルアスパラギナーゼ、20Sプロテアソームβサブユニット、グルタミンPRPPアミドトランスフェラーゼ、YdcE、YwhB、セファロスポリンアシラーゼ、CaMV逆転写酵素、ホスホリパーゼA2、またはその機能性フラグメントを含むものである。
本発明の方法は、さらに、インサイチュで融合タンパク質を供するための手段として、その発現のために有効な条件下で融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現させることによっても実施される。このようなポリヌクレオチドは、原核生物の細胞、並びに真核生物の細胞、またはその組織または分画あるいは抽出物中に発現され得る。この形態では、そのように得られた融合タンパク質を、単離し、そして任意に酵素アッセイの前に精製しうる。さらに、その方法は、さらに、タンパク質分解酵素活性調節因子を含むことが推測されるサンプルの存在下で、接触、検出および確立工程を繰り返すこと、および
サンプルの非存在下で得られる対応の酵素活性シグナルに対するサンプルシグナルを参照することによりタンパク質分解酵素活性におけるサンプルの影響に関する値を決定することを含みうる。そのアッセイにかけられたサンプルは、特に、生理学的流動体、組織サンプル、細胞、またはその抽出物または分画を含む。明らかに、その工程の1つまたは複数が、中でも、インビトロ、インビボ、エキソビボで、細胞または組織培養物内、細胞または反応の組織抽出物上で行われ得る。種々のシグナルおよび検出方法を使用しうるが、一般には、細胞成長の、あるいは発色性、放射性、蛍光、リン光または化学発光シグナルの検出である。接触、検出、確立および決定工程は、タンパク質分解酵素活性調節因子を含むことが推測される複数のサンプルについて別個に行われて、その方法は、自動化さえされうる。後者の方法では、各サンプルおよび対照について得られる情報の収集、処理および報告は、コンピュータ処理されうる。米国仮出願番号第60/580,900号の、および国際公開第03/057174号A2パンフレットの、国際公開第2005/003313号A2パンフレットは、本発明にそれらの全体により組込まれて、本発明で使用される製品の可能性にとって適合性のある供給源、製造の方法、例および他の条件および要素、それらの部品およびプロセスを提供する。
上に示されるとおり、本発明の方法は、植物または動物モデルで、インビボで多様なタンパク質分解酵素、調節因子および他の制御因子の存在を評価するか、または明らかにするために使用されうる。この目的のために、本発明者らは、細胞、植物または動物の染色体に任意に統合されるユビキチンまたはUBL−レポーター融合遺伝子を含む、トランスジェニック細胞、植物または動物を設計した。別の実施態様では、融合ポリヌクレオチドは、上に示される特徴を有するユビキチンまたはUBLのC末端セグメントをコードするポリ核酸を含みうる。別の実施態様では、本発明の「スイッチおよびセンサー」方法は、この態様にも組込まれうる。融合遺伝子は、本発明のどこかで示されるとおり、あるいは当業界で知られるいくつかの方法の内のいずれかによるかのいずれかで構築されうる。サムブロック(Sambrook)ら(1989年)を参照。それは、その後、ベクター、たとえばプラスミドにクローン化され、そして細胞、植物または動物にトランスフェクトされうる。
さらに本発明で提供されるのは、タンパク質分解酵素活性を評価するためのキットであり、そしてその最低限の形態でのキットは、
ユビキチンあるいはユビキチン様タンパク質(UBL)またはそのC末端セグメントを含む第一のポリマー、および検出のために遊離Nアミノ酸末端を必要とするポリペプチドを含む第二のポリマーを含み、第一および第二のポリマーが、ユビキチンあるいはUBLのC末端および第二のポリマーのN末端を介して互いに動作可能に連結される融合ポリマー;および
タンパク質分解酵素アッセイを行い、第一および/または第二のポリマーの量または活性に関連したシグナルを検出し、酵素のタンパク質分解活性に対する検出されるシグナルの相関関係を確立するための取扱説明書
を含む。
そのキットは、任意にUBLのC末端で切断するタンパク質分解酵素源を含む。同様に、キットの別の特性は、本発明のアッセイを実施するためのプラスチック製品、試薬等の編入でありうる。キットは、さらに、第一のパートナーが、UBLのN末端セグメントに動作可能に連結され、そして第一および第二の結合パートナーが、互いに結合し、UBLのC末端セグメントが、UBLの立体構造を可能にするUBLのN末端セグメントに結合したとき、タンパク質分解酵素が融合ポリマーを切断する、第一および第二の結合パートナー;酵素切断工程を行うための試薬;検出工程を行うための手段;および、対照を参照することにより、検出可能なシグナルを、タンパク質分解酵素活性またはその変化と相互に関連させるための手段の1つ以上を含む。
この形態のキットでは、融合ポリマーは、特に、融合タンパク質、または代替物では、融合タンパク質をコードする融合ポリヌクレオチド、および任意に、融合タンパク質の代わりに使用される場合に、ポリヌクレオチドを発現するための細胞(類)またはその分画あるいは抽出物の内の1つまたは複数を含む。キットのさらに完全な形態は、個々に複数のサンプルを含有するための手段、および自動的にアッセイを行うための取扱説明書を含みうる。この形態では、キットは、各サンプルについてのデータを自動的に処理するための手段を組込む。この形態では、キットは、各サンプルにつてのデータを自動的に処理する手段、およびその用途についての取扱説明書を組込む。
本発明の別の用途は、タンパク質分解酵素活性におけるそれらの効果について化合物をスクリーニングする方法にあり、そしてその方法は、ユビキチンあるいはユビキチン様タンパク質(UBL)またはそのC末端セグメントを含む第一のポリマー、および検出のために遊離Nアミノ酸末端を必要とするポリペプチドを含む第二のポリマーを含み、第一および第二のポリマーは、ユビキチンあるいはUBLのC末端および第二のポリマーのN末端を介して互いに動作可能に連結される融合ポリマーを取得すること;切断が起こるのに有効な条件下で融合ポリマーを、UBLのC末端切断タンパク質分解酵素と接触させること;0%および100%切断シグナルを得るために切断の量に関連したシグナルを検出すること;0%切断シグナルを得るためにタンパク質分解酵素活性の完全阻害因子の存在下で、接触および検出工程を繰り返すこと;1組の化合物を得ること;切断シグナルを得るために各化合物の存在下で、融合ポリマーの取得、接触および検出工程を個別に繰り返すこと;0%および100%切断シグナルを参照することにより、各化合物切断シグナルを正規化すること、および各化合物にタンパク質分解酵素活性値を付与することによって実施されうる。
上に示される方法は、0%および100%切断シグナルの代わりに、1点切断制御シグナルに対する既知タンパク質分解酵素活性調節因子を用いて接触および検出工程を行うこと;調節因子の非存在下で得られる対応の酵素活性値を参照することにより、タンパク質分解酵素活性値を決定すること;および、対照切断シグナルを参照することにより、各化合物の切断シグナルを正規化し、そして各化合物にタンパク質分解酵素活性値を付与することによって実施されうる。
このような調節因子は、特に、タンパク質分解酵素活性アクチベーターまたは阻害因子を含む。この形態の方法では、その工程の1つまたは複数が、インビトロ、インビボ、エキソビボ、細胞または組織培養物内、細胞または組織抽出物上で行われうる。検出のために観察されうるパラメーターのいくつかは、細胞成長、あるいは色素原、放射性、蛍光、リン光、超音波または化学発光検出シグナルを含む。
この方法の1つの実施態様では、正規化工程は、酵素活性切断値の曲線を参照することにより各化合物切断シグナルを正規化し、各化合物に対するタンパク質分解酵素活性を評価することによって行われ、得られた酵素活性が、カットオフ値より下である場合、化合物は不活性であり、そしてそれがカットオフ値より上である場合、それは活性であると判断される。この方法で、カットオフ値が、50%タンパク質分解酵素活性であり、その化合物の存在下での酵素活性が少なくとも50%まで減少する場合、その化合物は阻害因子であり、その酵素活性が少なくとも50%まで増強される場合、その化合物はエンハンサーであると判断されうる。さらに、その方法は、酵素活性を50%まで阻害する(IC50)および/または増強する(EC50)化合物濃度を決定すること;その化合物のIC50および/またはEC50を比較して、阻害因子および/またはエンハンサーとしてのその酵素活性強度を評価することを含みうる。その方法のこの形態は、化合物のライブラリーに使用でき、全てのIC50および/またはEC50を比較して、互いに関して化合物の相対強度を評価しうる。先に示されるとおり、第一のポリマーは、ユビキチン、SUMO、Nedd8、ISG15、Apg8、Apg12、FAT10、Urm1、Hub、UBi、Rub1、ISG15、またはC末端にαへリックス1およびβストランド3を連結するUBLループ内のアミノ酸を含む、その結合機能性C末端セグメントを含む。後者は、典型的に結合対の一方に結合されうるタンパク質のN末端セグメントも使用しつつ、特に、本発明の「スイッチおよびセンサー」方式に有用であり、結合対の第二の構成要素は、本発明で他のところで示されるとおり互いに対構成要素の結合により対応のC末端セグメントに結合することについてN末端セグメントの放出を促進するコアクチベーターに結合されうる。本発明のこの形態の方法を実施するための残りの要素は、上に記述されるとおりであり、そしてこの特定の用途について繰り返される必要はない。
この形態で、発明は、さらに、そのα−へリックス末端セグメントを連結するUBLループ内のアミノ酸を含むUBLのN末端セグメントを得ること、UBLのN末端セグメントおよびC末端セグメントは、第一および第二結合パートナーの一方に動作可能に連結され、示されるとおり、第二結合パートナーを得ること、融合ポリマー、たとえばタンパク質が、コアクチベーターの助けがあるかないかにかかわらず、第一および第二結合パートナーの結合によって特に切断されることを含む。先に示されるとおり、この形態のアッセイは、上に示される融合ポリヌクレオチドで形質転換された原核生物または真核生物の細胞、あるいはトランスジェニック植物および動物のモデルにかかわらず、現場でそれをコードするポリヌクレオチドの発現により融合タンパク質を取得することによっても実施されうる。そのように得られたタンパク質を、単離し、そして任意に精製しうる。この形態の方法を、自動化もでき、そして核調節因子および対照のために得られる情報の収集、処理および報告作成は、市販で入手可能であるか、または目だった複雑さなしに設計されうる適切なソフトウエアによってコンピュータ処理形態で行われる。
上で示された方法は、ユビキチンあるいはユビキチン様タンパク質(UBL)またはそのC末端セグメントを含む第一のポリマー、および検出のために遊離Nアミノ酸末端を必要とするポリペプチドを含む第二のポリマーを含む融合ポリマー;第一および第二のポリマーは、ユビキチンあるいはUBLのC末端および第二のポリマーのN末端を介して互いに動作可能に連結される;および
タンパク質分解酵素アッセイを行い、第一および/または第二のポリマーの量または活性に関連したシグナルを検出し、そして複数の調節因子および対照について、酵素のタンパク質分解活性に対する検出されるシグナルの相関関係を確立するための取扱説明書;および
任意には、UBLのC末端で切断するタンパク質分解酵素源
を含みうるタンパク質分解酵素活性調節因子スクリーニングキットの助けで行われうる。
この形態のキットは、さらに、1つ以上の第一および第二の結合パートナーであり、第一のパートナーが、UBLのN末端セグメントに動作可能に連結され得、および第一および第二の結合パートナーが互いに結合し、UBLのC末端セグメントが、UBLの立体構造を可能にするUBLのN末端セグメントに結合するとき、タンパク質分解酵素が融合ポリマーを切断する、結合パートナー;融合ポリマーのUBLのC末端酵素切断を行うための1つ以上の試薬;第一および/または第二の切断ポリマーにより発生されるシグナルを検出ための1つ以上の手段;および対照を参照することにより、検出可能なシグナル(類)を、その変化と相互に関連させるための1つ以上の手段をさらに含む。該キットの好ましい形態は、融合ポリマーが融合タンパク質を含むかまたは融合タンパク質であり、キットは、融合ポリマーの代わりに融合ポリマーをコードする融合ポリヌクレオチドをさらに含み;融合ポリマーの代わりに用いる場合、任意にポリヌクレオチド発現のための試薬;および/またはポリヌクレオチドを発現するための細胞(類)またはその分画あるいは抽出物の1つまたは複数を含む。特に重要な形態では、キットは、複数のサンプルを個々に含有する手段、およびアッセイを自動的に行うための取扱説明書も組込み、各サンプルについてのデータを自動的に処理するための手段、およびその用途についての取扱説明書も含みうる。
細胞、植物または動物の染色体に統合されるユビキチンまたはUBL−レポーター融合ポリヌクレオチドを含み、そしてユビキチンまたはユビキチン特異的タンパク質分解酵素、たとえばイソペプチダーゼは、特定の疾患または症状またはそのファミリーに関連するトランスジェニック細胞、植物または動物も、本発明に供される。トランスジェニック細胞、植物または動物も、特定の疾患または症状またはそのファミリーに関連したユビキチンまたはUBL−レポーター融合タンパク質を発現することができる。それは、融合ポリヌクレオチドをベクターにクローニングし、そして細胞、植物または動物をハイブリッドベクターでトランスフェクトすることによりハイブリッドベクターを形成することによって得られる。1つの好ましい実施態様では、ベクターは、プラスミドを含み、そして細胞が、真核生物の細胞を含む。しかし、他のベクターおよび型の細胞は、原核生物の細胞を含めて適切でもある。本発明のトランスジェニック細胞、植物または動物は、さらに、疾患または症状のための細胞、植物または動物モデルとしての役割を果たすように修飾されうる。これが全て包括的リストではないが、特定の疾患または症状を診断するのに適した特定の実施態様では、ユビキチンまたはUBL−イソペプチダーゼが、自己免疫、新生物、代謝、心臓血管または神経変性または他の遺伝子疾患または症状に関連している。シグナルを発生するために特定のユビキチンまたはUBL特異的イソペプチダーゼと相互作用することが知られているか、または決定される全ての他の疾患も本出願に含まれる。疾患および症状の特定の例は、血管芽細胞腫、褐色細胞腫、および嚢胞腺腫のような多数の癌、並びに狼瘡、糖尿病、IBD、パーキンソン病および心臓血管疾患のような他の疾患に罹りやすい癌、たとえば乳癌、前立腺癌、およびバンピッペルリンダウ症候群に関連した癌である。疾患に関連したイソペプチダーゼ/脱ユビキチン化酵素の例は、以下のものを含む。
VDU1/2および癌
バンピッペルリンダウ症候群は、VHL遺伝子の生殖系列突然変異により引起される遺伝性癌症候群である。シムズ(Sims)(2001年)を参照。それは、その疾患を示す者を、CNSおよび網膜における血管芽細胞腫、腎臓明細胞癌、副腎の褐色細胞腫、膵臓腫瘍、精巣上体の嚢胞腺腫、および内耳の腫瘍を含めた種々の腫瘍に罹りやすくする。リーら(2002年);マハー(Maher)およびカエリン(Kaelin)(1997年)を参照。VHLタンパク質(pVHL)は、エロンギンC、エロンギンB、およびクリン−2と結合して、複合体VCB−CUL2を形成し、そしてそれは、ユビキチンE3リガーゼとして作用する。リッツワン(Lisztwan)ら(1999年)を参照。突然変異したpVHLが悪性腫瘍と関連しているので、リガーゼは、腫瘍抑制剤およびその基質潜在性癌遺伝子分子と見なされうる。VCB−CUL2の基質として知られる低酸素症誘発性因子(HIF−α)は、血管芽細胞腫の発生、そして腫瘍でのように、一般に、VEGF誘導を介して血管形成に役割を果たす。オー(Ohh)ら(2000年);タイヤーズ(Tyers)およびベンジャミン(Benjamin)ら(1997年)を参照。さらに、その基質の中でも、pVHLと相互作用する酵母2ハイブリッドスクリーニングによって見出されたユビキチンイソペプチダーゼ、VDU1である。非常に相同性のプロテアーゼVDU2も知られている;それは、pVHL関連の点で研究されていないが、VDU2は、VDU1と共介して生理学上の基質を有する。クルシオ−モレリ(Curcio-Morelli)ら(2003年)を参照。天然に生じる突然変異の部位であるpVHLのβ−ドメイン領域は、VDU1相互作用の遺伝子座であり、そしてVDU1は、VCB−CUL2複合体における共免疫沈澱されうる。pVHL依存性経路によるVDU1のユビキチン化および分解は、VDU1との相互作用を中断するVHL突然変異により阻止される。したがって、pVHLによるVDU1の標的化分解は、腫瘍形成および/または維持を抑制する上で重要であり、そしてVDU1は、機能性リガーゼの非存在下で明らかにされる癌遺伝子活性を有しうる。したがって、VDU1は、突然変異されたpVHL(VHL(常染色体優勢)疾患)を有する患者の100%)によって特徴づけられる新生物疾患で、そして突発性腎臓明細胞癌を有する非常に多数の患者の50〜80%で重要である。たとえば、ストレ(Stolle)ら(1998年);グナラ(Gnarra)ら(1994年)を参照。VDU1の阻害は、野生型腫瘍抑制剤pVHLの活性を機能的に擬態する。
USP7、USP2aおよび癌
脱ユビキチン化酵素は、当初のユビキチンタグを除去し、それによりプロテアソームの分解を避けることによって、所定のタンパク質を控えるか、または少なくともそれらの細胞寿命を延長する役割を果たしうる。HAUSPとしても知られるこのようなイソペプチダーゼの1つUSP7は、腫瘍抑制剤p53を安定化させることが知られている。リーら(2002年)を参照。別のイソペプチダーゼであるUSP2aは、前立腺癌の分子特徴である脂肪酸シンターゼ(FAS)の制御に関与した。ロッシ(Rossi)ら(2003年);アゴスチニ(Agostini)ら(2004年);クラナー(Graner)ら(2004年)を参照。USP2aは、アンドロゲンで制御され、そして前立腺癌で過剰発現され、そしてしたがって、癌遺伝子タンパク質である。したがって、それらの基質の役割によって、脱ユビキチン化酵素は、治療効果を達成するために活性化されるか、または阻害されるかのいずれかでありうる。
イソペプチダーゼTおよび心臓血管疾患
脱ユビキチン化酵素イソペプチダーゼTは、染色体22q11欠失症候群を示す患者で下方制御され、そしてそれは、多様な心臓欠陥を含む。ヤマギシ(Yamagishi)ら(1999年)を参照。UFD1と一緒に、イソペプチダーゼTは、心不全を示す患者から得られる筋細胞で下方制御される。コスチン(Kostin)ら(2003年)を参照。このイソペプチダーゼは、ユビキチン−タンパク質接合体からポリユビキチン鎖を除去し、そしてタンパク質分解を刺激することが知られており、そしてその欠乏は、ポリユビキチン化タンパク質の蓄積、およびユビキチン−プロテアソーム分解経路の崩壊を引き起こし、それにより自食作用性の細胞死を導く。ハダリ(Hadari)ら(1992年);ジョンソン(Johnson)ら(1995年);ステファニス(Stefanis)ら(2001年)を参照。
JAMMモチーフイソペプチダーゼAMSHおよび肺疾患および癌
JAMMドメイン含有タンパク質は、EGF受容体(EGFR)のエンドソームの選別、すなわち膜とエンドソーム/リソソームの区分とのあいだのトラフィキングに関連したシグナルトランスダクションに関連する。このタンパク質AMSH(エンドソームでの受容体選別を制御するタンパク質であるSTAMのSH3ドメインと結合した分子)。マククルーフ(Mccullough)ら(2004年);クラーグ(clague)およびウルベ(Urbe)(2001年)を参照。EGFRは、シグナルトランスダクションカスケードを開始させることによって、膨大な細胞機能を制御する。ロックハート(Lockhart)およびベルリン(Berlin)(2005年);バンアーセン(vonAhsen)およびボーマー(Bomer)(2005年);リロイおよびウラナ(Wrana)(2005年);スパノ(Spano)ら(2005年)を参照。EGFRの細胞寿命のあいだに、それが酸プロテアーゼにより分解される後期エンドソームおよびリソソームに選別するために最終的に選択される前に、それは、膜から初期(選別)エンドソームに再利用する。EGFRは、膜でと、そして初期エンドソーム区分での両方でシグナルトランスダクションに関与する。シグナル発生の大半が、細胞成長と他の機能の制御で考慮される一方で、シグナルトランスダクションの1つの構成要素は、それ自身のGFFRのトラフィキングを制御する。E3リガーゼCb1は、リン酸化EGFRのユビキチン化に介入する。連続シグナル発生事象は、後期エンドソーム/リソソームにおける受容体の分解を生じる。Ub−EGFRは、エンドソーム表面でタンパク質Hrsによって識別され、そしてさらに、ユビキチンにより介在される輸送のために要求されるエンドソーム関連複合体(ESCRT)と相互作用は、複数小胞体(MVB)の内部小胞への転位を生じ、そしてEFGRがリソソームでのプロテアーゼ分解に投入される。EGFRのCb1介在ユビキチン化の最終的結果である分解は、ユビキチンイソペプチダーゼAMSHによって阻止され、siRNAを用いた細胞のインキュベーションによるAMSH活性の除去は、EGFR分解が増大されることを導く;精製AMSHは、インビトロでEGFR−Ubを脱ユビキチン化する。マククルーフ(Mccullough)ら(2004年)を参照。GFRキナーゼ阻害剤および受容体結合拮抗剤は、最近、種々の癌について治験中である。シアルジエロ(Ciardiello)およびトルトラ(Tortora)(2001年);ロルッソ(LoRusso)ら(2003年)を参照。まだ対処されていない重要な必要性を示す他の疾患領域は、EGFR活性にも関連し、1つは、気管支喘息に関連した気道炎症および粘液過剰分泌である。喘息が、白血球細胞浸入と関連した気管支上皮の多因性疾患損傷であり、そして気道応答性が増大したことは、不変の特性である。プティコンベ(Puddicombe)ら(2000年)を参照。EFGRシステムは、肺における上皮および結合組織細胞型の成長および分化に重要な役割を果たすことが要求された。EGFRおよびそのリガンドは、喘息の病気発生のあいだに上昇され、そしてこのシステムの導入は、喘息性気道でのゴブレット細胞の過形成と相互に関連する。タケヤマら(2001年)を参照。当初の上皮細胞損傷のいずれかの試みられた修復は、EGFRおよびEGFR活性化に関連した過剰増幅および分化応答を導く。ボナール(Bonner)(2002年)を参照。喘息患者は、未損傷の上皮組織でさえ高レベルのEGFRを慢性的に発生させるように見える。これは、一定の炎症症状を受け、そして喘息、COPD、および他の肺疾患における気道梗塞、死亡率および致死に関連した繊維症および粘液過剰分泌に導く。
UCHL1およびパーキンソン病
UCHL1、またはユビキチンカルボキシ末端加水分解酵素は、遺伝子でパーキンソン病(PD)に関連している。チャンら(2003年);トダら(2003年);マラガノル(Maraganore)ら(2004年)を参照。UCHL1での突然変異は、常染色体優性PDを引起し、ユビキチンプロテアソーム経路における混乱は、PDにおけるドーパミンニューロンの消滅に重要な役割を果たすという考えと一致する。他のタンパク質分解酵素は、当業界で知られるとおり他の疾患に関連する。種々の例は、下に示される表3に含まれる。
Figure 0005031560
下に示される本発明のハイブリッド細胞、植物および動物は、
細胞、植物または動物を取得すること;
ユビキチン−、UBL−、またはそれらのC末端結合機能性フラグメント−レポーター融合ポリヌクレオチドを取得すること;ベクターに動作可能に連結したハイブリットポリヌクレオチドを担持するハイブリットベクターを取得すること;および、ハイブリットベクターを細胞、植物または動物に安定にトランスフェクトすることによることを含めて、多くの方法によって発生される。
1つの実施態様では、融合ポリヌクレオチドが、細胞、植物または動物の染色体に集積するようになり、そして十分に安定になる。別の実施態様では、融合ポリヌクレオチドは、融合デオキシリボヌクレオチドを含む。
本細胞、植物および動物は、たとえば、請求項71の細胞、植物または動物、またはその分画または組織を取得すること、レポーターは疾患または症状に関連する;その疾患および症状に罹っていることが推測される対象から取得したサンプルを、細胞、植物または動物と接触させるか、または投与すること;サンプルの存在下でレポーターにより発生されるあらゆるシグナルを検出し;および、0%と100%シグナルのための対照とそのシグナルを、比較することにより疾患または症状を診断するのに使用されうる。
ここで本発明を全般的に記述して、同じものは、所定の特定の実施例を参照することにより、よりよく理解され、そしてそれは、例示のみの目的でここに含まれ、そして特定されない限り、本発明またはそのいずれかの実施態様の限定を意図しない。
以下の実施例は、本発明の例示であり、それらに限定されることを意図するものではない。特に別段の指示のない限り、全ての割合は、最終組成物生物の100重量%に基づく。
実施例1: ポリオウイルスプロテアーゼ
以下の実施例は、本発明による好ましいイソペプチダーゼアッセイを説明するものである。レポーター酵素であるRNA依存性RNAポリメラーゼ(3Dpol)は、活性のための遊離N末端を必要とする。ゴハラ(Gohara)ら(1999年)を参照。ポリメラーゼをSmt3と融合させ、それによりそのN末端を遮断した。この融合タンパク質を、SUMOイソペプチダーゼで処理した場合、遊離3DpolN末端を生じた。前記ゴハラら(1999年)。融合物の切断に続いて、以下に記載されたようなポリメラーゼアッセイを用いて、3Dpol活性を定量化することができる。したがって、ポリオウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼのイソペプチダーゼ介在性切断は、インビトロにおけるポリメラーゼ活性のために必要とされ、ポリオウイルスRdRp活性は、イソペプチダーゼ活性の代理的測定値である。
プラスミドの構築、発現および精製
Smt3−3Dpol(マホニー株)融合物を、マラコフ(2004年、7番)によって記載されたのと同様の方法で構築、発現および精製した。
簡潔には、ポリオウイルス(マホニー株)3Dpol遺伝子セグメントを、pET24−6H−SUMOベクターへのクローニングを円滑に行うため、5’端にBsaI部位をそして3’端にBamHI部位を組み込んだ合成プライマーを使用して、ゴハラら(1999年)に記載された前述のpET26b−Ub−3D−GSSG−6HプラスミドからPCR増幅した。プライマーの配列は以下のとおりであった:
5’−GCAGGTCTCAAGGTGGTGAAATCCAGTGGATGAG−3’
5’−GCAGGATCCCTAGTGGTGGTGGTG− 3’
最終構築物であるpET24−6H−SUMO−3Dpolの構造は、DNA配列決定により確認した。
酵母ULP1酵素を使用した切断
C末端Higタグ付SUMOプロテアーゼ1、ULP1(403−621)pを、ロゼッタ−(DE3)pLysS(ノバジェン(Novagen))中のpET24dから発現させ、Ni−NTA樹脂で精製した。リーおよびホエストラッセル(1999年)およびモセソバ(Mossessova)およびリーマ(Lima)(2000年)を参照。Ulpおよび切断反応は、マラコフ(Makakhov)ら(2004年、7番)に記載されているように標準条件下で完了させた。反応を終結させ、サンプルを5分間沸騰させ、SDS−PAGEにかけた。SDS−PAGEによる切断された融合物の定量によって活性を評価した。活性を定量的に評価するためシオン画像ソフトウエアを使用して、得られたゲルを走査した。
3Dpol(ポリメラーゼ)活性アッセイ
ヌクレオチド組込みまたはプライマー伸長のいずれかによって、3Dpolおよびその融合誘導体のプロテアーゼ活性を評価した。アーノルド(Arnold)およびキャメロン(Cameron)(1999年)を参照。ヌクレオチド組込みアッセイは、以下の反応混合物と共に放射性ヌクレオチドを用いて行った:50mM HEPES(pH7.5)、10mMβ−メルカプトエタノール、5mM MgCl2、60μM ZnCl2、500μM UTP、0.4μCi/μL[α−32P]UTP、1.8μM dT15/0.15μMポリ(rA)400プライマー/テンプレートおよび3Dpol。すべての反応は、総量25μLで、250ngの精製3Dpolを使用し、5分間、30℃で行った。83mMに対して0.5M EDTAの添加により反応を止め、10μLの停止された反応物を、DE81ろ紙ディスクにスポットし、完全に乾燥させた。ディスクを、その後3回、10分間、250mLの5%二塩基性リン酸ナトリウムを用いて洗浄し、無水エタノールで洗った。5mLのシンチレーション流体において液体シンチレーション分光測定法によって各フィルターに結合した放射活性を定量した。プライマー伸長反応は、50mM HEPES(pH7.5)、10mM β−ME、5mM MgCl2、500μM ATP、1μM sym/sub−U、0.14μg/μLの3D酵素および+/−1μL ULP1(総反応容量25μL)を含有した。
ULP1によるインビトロ切断
Smt3−3Dpol Ulp−1融合物を、1、2、4、10、20、30および60分間、標準条件下でインキュベートし、そしてSDS−PAGEおよびクーマシーブルー染色によって確認されるとおり3Dpolの100%の切断を生じた。前述のアッセイを使用して、放射性ヌクレオチド組込みにより、3Dpolの活性を分析した。得られた結果を下記表4に示す。
Figure 0005031560
前記表4に見られるとおり、3Dpol活性は、Ulplと融合物との同時インキュベーションおよび放射性ヌクレオチドアッセイの実施により上昇し、さらにUlp1と融合物のプレインキュベーションと続く放射性ヌクレオチド組込みアッセイにより増強された。酵母Ulp1SUMOプロテアーゼを用いた3Dpol融合物の処理が、3Dpolを活性化することは表Xから明らかである。
実施例2:グルタミンホスホリボシルピロリン酸アミドトランスフェラーゼ(GPATase)
この実施例は、GPATaseを使用する本発明による好ましいイソペプチダーゼアッセイを説明する。酵素グルタミンホスホリボシルピロリン酸アミドトランスフェラーゼ(GPATase)は、プリンヌクレオチド生合成の初期工程を触媒する、その経路の主要な制御酵素である。GPATaseは、グルタミンアミドの窒素(遊離NH3)を、ホスホリボシルピロリン酸塩(PRPP)に転移させ、そしてリン光体リボシルアミン、ピロリン酸塩およびグルタミン酸塩を生じる。GPATaseは、生合成の目的のためにグルタミンのアミド窒素の利用に関与する16種類のグルタミンアミドトランスフェラーゼのファミリーに属する。ザルキン(1993年);トソ(Tso)(1982年)を参照。大腸菌のGPATaseは、同一のサブユニットから形成されるが、鳥類、哺乳類またはBサブチリスGPATaseとは異なり鉄を含有しないテトラマーまたはトリマーの形態のいずれかにありうる。マントサラ(Mantosala)およびサルキン(1976年)を参照。活性部位システインは、グルタミンアミドの転移のために必要とされ、触媒機構の重要な工程である。このシステインは、成熟GPATaseのN末端残基でもあるので、酵素が、触媒活性のために遊離N末端を必要とすることは明らかである。トソ(Tso)ら(1982年)を参照。反応は、反応NAD+−>NADHにつながり、そしてそれは、下に示されるとおりλ=363nmでのNADH反応生成物の吸光度を測定することによって、GPATase活性の評価を可能にする。
方法:Smt3−GPATaseのプラスミド構築、発現および精製
マラコフら(2004年、7番)に記載されたのと同様の方法で、Smt3−GPATase融合物を構築、発現および精製した。グルタミンリン光体リボシルピロリン酸アミドトランスフェラーゼ(GPATase)をコードする大腸菌のpurF遺伝子を、以下の合成プライマーを使用し、ベラ(Bera)らのJ.B.C.275巻、7975〜7979頁(2000年)に記載されたpETpurFプラスミドを使用してPCR増幅させた。
フォワワード:5’−GTCAGGTCTCAAGGTTGCGGTATTGTCGGTATCGC−3’
リバース:5’−GTCAGGATCCTCATCCTTCGTTATGCATTT− 3’
これらのプライマー配列は、purF配列の5’端にBsaI部位を3’端にBamHI部位を組込み、pET24−6H−SUMOベクターへのクローニングを促進する。この構築物は、SUMOのC末端−Gly−Glyアミノ酸配列が、アミノ酸位置2でシステインである成熟GPATaseN末端に結合される融合タンパク質の合成に向けられるように設計された。最終構築物、pET24−6H−SUMO−GPATaseの構造は、DNA配列決定により確認した。
酵母ULP1酵素を使用するSUMO−GPATaseの切断
酵母ULP1タンパク質(SUMOプロテアーゼ触媒ドメイン)を用いた処置により、SUMOタンパク質を、SUMO−GPATase融合タンパク質から切断した。50mMトリス−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、10mM DTTを含有する反応混合物でのULP1酵素の濃度を増大させつつ、およそ5μgのSUMO−GPATaseを、3時間、30℃でインキュベートした。SDS−PAGEサンプル緩衝液の添加により反応を停止させ、加熱し、そして12%SDS−ポリアクリルアミドゲルに直接かけ、電気泳導した。電気泳導の後、ゲルを染色して、タンパク質を可視化した。SDS−PAGE分析は、0.009単位程度の少ないUlp1で融合物の切断を示した;しかし、その切断は、78.3単位程度の多さではけして完全には達成されなかった。融合タンパク質を切断するULP1酵素のこの能力の無さは、切断部位周辺での立体障害、または連結配列のある程度の部分的修飾、たとえばGPATaseのアミノ末端でのシステイン残基の酸化の発生に反映しうる。
インビトロGPATase活性アッセイ
グルタミナーゼ酵素であるGPATaseは、5−ホスホリボシルピロリン酸(PRPP)産生グルタミン、5−ホスホリボシル−(b)−アミン(PRA)およびピロリン酸(PPi)を水酸化する。メッセンジャー(Messenger)およびサルキン(1979年)によって示される標準反応条件下で結合グルタメートデヒドロゲナーゼ(GDH)アッセイの手段によりグルタミンの生成を測定することによって、このグルタミナーゼ反応を監視した。
融合タンパク質を、Ulp1と共に30分間インキュベートし、そして反応物を、GDH基質に添加した場合、増加があったのは、活性グルタメートを示す、言い換えるとGPATase活性を示すOD362読取での吸収であった。Ulp1の非存在下では、吸光度のこの増大は、起こらなかった。さらに、Smt3−GPATase融合物の濃度を増大しているときに、徐々に増大した。
下に示される別の実験は、さらに、ULP1−切断SUMO−GPATaseと未処理融合タンパク質とのあいだのこの差を定量および確立した。
GPATase活性を評価するために使用された結合GDHアッセイは、精密度について試験された。未処理であるか、またはULP1 SUMOプロテアーゼにより切断されるかのいずれかである精製SUMO−GPATase融合タンパク質の増大中の量を、固定時間、グルタミンおよびPRPPの存在下でインキュベートし、そしてその後、完了した反応物を、GDHアッセイで基質として使用した。結果は、GPATase酵素濃度と、363でのGDH反応吸光度読取とのあいだの直線関係があることを示す。これは、1μgまたはそれより少ない酵素濃度で特にそのようになる。したがって、GDH反応で減少されたNAD+の量は、当初の反応での活性GPATase酵素の量と直接相関する。さらに、これまでのところSUMO−GPATaseの部分的な切断のみが観察されたという事実にもかかわらず、ULP1を用いた処理は、GPATaseのグルタミナーゼ活性において少なくとも10倍の増大を引き起こす。
実施例3:トリプターゼアッセイ
以下の実施例は、本発明によって提供される好ましいイソペプチダーゼアッセイを示す。トリプターゼは、134kDaの分子量を示す天然のセリンプロテアーゼである。その酵素は、4つの非共有結合サブユニットから成り、各サブユニットは、単一活性部位を有する。このファミリーには、2つのあいだでおよそ90%配列同一性を示すα−トリプターゼおよびβ−トリプターゼという主に2つのメンバーがある。トリプターゼは、不活性前駆体として合成され、そして他のプロテアーゼと一緒に活性酵素として分泌顆粒中で保存される。さらに、同様にα−プロトリプターゼと称される、構成的に発現および分泌されるバージョンがある。β−トリプターゼの活性化は、それにより当初の切断が、形成されるべきモノマーを生じる自己触媒性分子間切断である2つのタンパク質分解過程であり、そしてN末端でのジペプチドが、必要とされる四量体の形成を阻害する。N末端からジペプチドを切断することが、ジペプチジルペプチダーゼの役割であり、そして成熟トリプターゼ構造の形成を可能にし、そして活性を50倍増大させる。
昆虫細胞でのトリプターゼ遺伝子融合物の発現
組換えヒトトリプターゼは、オレイリー(O'Reilly)(1992年)に記載されるようにバキュロウイルス(オートグラファ・カリフォルニカ・核多面体化ウイルス(AcNPV))昆虫細胞(ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda(Sf9))システムで発現された。cDNAコード化ヒトトリプターゼを、ユビキチン(Ub)またはSUMOのいずれかをコードし、N末端に6つのヒスチジン残基(6×His)タグを担持する配列の3’末端フレーム内で融合した。このハイブリッド遺伝子を、その後、バキュロウイルスで分泌されるエンベロープ糖タンパク質gp67についてのシグナル配列のすぐ下流に挿入した。ポリヘドリンp10または塩基性タンパク質AcNPV遺伝子プロモーターによって、その遺伝子融合物の発現を制御した。遺伝子融合物をバキュロウイルス移行ベクターにクローニングした後、Ub/UBL−トリプターゼ構築物を担持する組換えプラスミドを、AcNPVバキュロウイルスDNAと、昆虫細胞に同時トランスフェクトした。数日後、移行ベクターおよびAcNPVデオキシリボ核酸(DNA)の相同性組換えにより生じた組換えウイルスを選択し、プラーク精製し、そして増幅させた。
精製組換えバキュロウイルスで感染した昆虫細胞は、培養物のリットル当たりミリグラム量の融合タンパク質を生成する能力がある。Ub/SUMO−トリプターゼタンパク質を、gp67シグナル配列なしに、完全融合タンパク質として培地に分泌させた。N末端の6×Hisタグの存在は、Ni−NTAアガロース(金属親和性クロマトグラフィー)におけるタンパク質の連続精製を促進し、そしてサイズをSDS−PAGEにより立証した。適切なイソペプチダーゼを用いた切断により、適切な脱落バンドが生じた。
トリプターゼ酵素的活性アッセイ
色素原または蛍光性酵素的アッセイのいずれか、あるいは両方を使用して、ヒトトリプシダーゼの活性を測定した。トリプターゼを活性化した適切なUBL加水分解酵素/プロテアーゼによって、精製融合タンパク質を切断した。その加水分解が410nmでの吸光度における変化の測定により監視されたペプチジル色素原基質を使用して、トリプターゼ活性を分析した。シェクター(Schechter)ら(1998 1998)を参照。シェクターおよび同僚のプロトコールにしたがって、Ulp1を用いた精製Smt3−トリプターゼの切断により、増大したトリプターゼ活性を測定した。イソペプチダーゼによる切断の前に、ユビキチン−トリプターゼもSUMO−トリプターゼのいずれも、なんらトリプターゼ活性を示さなかった。イソペプチダーゼによる切断によってのみ、トリプシダーゼ活性を見出した。したがって、トリプシダーゼ融合物は、イソペプチダーゼ活性を同定する有用な道具である。
実施例4 ホスホリパーゼA2アッセイ
以下の実施例は、ホスホリパーゼA2を使用する本発明のアッセイの好ましい形態を示す。ホスホリパーゼは、ヘビ毒で最初に同定された酵素のファミリーであり、そして後に、高等生物じゅうで保存されていることが発見された。ホスホリパーゼは、それらのサイズ、発現のパターン、およびコファクターへの依存性によりサブファミリーにグループ分けされる。分泌されたホスホリパーゼA2(sPLA2)酵素サブファミリーは、それらが、ミリモルの濃度の触媒用Ca2+を必要とするジスルフィドの豊富な14〜16kDaタンパク質である点で、細胞質ゾル性細胞間構成要素およびCa2+依存性PLA2異形態のような他のPLA2サブグループから分けられ得る。ゲルブ(Gelb)(1995年)参照。哺乳類系では、11のsPLA2酵素、たとえばIB、IIA、IIC、IID、IIE、IIF、III、V、X、XIIAおよびXIIBが過剰にある。sPLA2は、様々の極性頭部基および脂肪酸アシル鎖を有するリン脂質について広範な特異性を保持する。PLA2ファミリーの酵素は、sn−2位置でリン脂質切断を触媒して、遊離脂肪酸およびリソリン脂質を得る。デニス(Dennis)(1994年)を参照。
sPLA2酵素は、触媒的に不活性であるプロ酵素として産生される。ディジキストラ(Dijkstra)(1981年)を参照。分泌およびトリプシンなどのプロセッシングプロテアーゼによる切断により、N末端プロペチチダーゼを切断し、所望のN末端を有する活性酵素を得る。クピラード(Cupillard)(1997年)を参照。これは、水素結合および界面結合に関与するときに、触媒活性のために必要とされる遊離N末端である。ディジキストラ(1984年);ヤン(Yuan)(1999年);グラタロール(Grataroll)ら(1982年)を参照。
ユビキチン/UBL−PLA2mXプラスミド構築
大腸菌での発現のための全てのプラスミド構築物は、pET24d(+)発現ベクター(ノバジェン)由来であった。ユビキチン/UBL−融合発現ベクターを、マラコフら(2004年)により詳説されるとおり構築した。マウス群XPLA2を、全PLA2酵素群についての例として選択した。処理された活性群XPLA2酵素形態を増幅するのみである指定されるプライマーを用いたネズミのPLA2群X遺伝子のPCR増幅によって、融合構築物を作製した。5’および3’プライマー内に含まれるのは、それぞれ、特徴的なBsaIおよびBamHI制限部位である。これは、ユビキチン/UBL遺伝子の下流で、そしてそれにより、融合タンパク質のフレーム翻訳で挿入を可能にした。使用されたプライマーは以下のとおりであった。
フォアワード:5’−GATCGGTCTCAAGGTGGACTCCTGGAGCTGGCAGGG−3’
リバース:5’−GATCGGATCCTCAATTGCACTTGGGAGAGTC−3’
最終的に、上に詳述されるのと同じプロトコールを使用して、ユビキチン−PLA2mX(酵母SUMO)Smt3−PLA2mX、ヒトSUMO3−PLA2mX、ISG15−PLA2mX、ヒトNedd8−PLA2mXおよび酵母Rub1−PLA2mX融合物を作製した。発現に先立ち、発現プラスミドは、フレーム翻訳生成物として正しいことが立証された配列であった。
大腸菌でのユビキチン/UBL−PLA2mXの発現および精製
BL21(DE3)またはロゼッタ(Rosetta)(DE3)のいずれかの2つの大腸菌宿主株への形質転換に続いて、ユビキチン/UBL融合タンパク質の細菌の発現を行った。SoUBLeおよびinsoUBLe分画を沈着させ、SDS−PAGEゲル上で電気泳動にかけ、そしてクーマシーブルーで染色して、各融合物のサイズおよび発現を立証した。その後、NiNTA樹脂(キアゲン社)でのクロマトグラフィーにより、ユビキチン/UBL−PLA2mXを、insoUBLe分画から精製し、そして48時間、緩衝液交換しながら塩析した。全分画を収集し、そしてその後、SDS−PAGEにより電気泳動にかけ、そしてクーマシーブルーで染色した。各構築物は、下の表5で示されるとおり、予想されるとおり適切にサイズ決めされたバンドを表した。
PLA2アッセイ
脂肪のsn−2位置で接合された発蛍光団を有するホスホチジルコリンを、PLA2活性を分析するための基質として使用した。活性PLA2に結合したsn−2アシルの切断により放出された発蛍光団を、その特定の励起および発生波長で検出した。2つの発蛍光団を使用した:NDB(たとえば:460nm/em:534nm)およびBODIPY FL(たとえば:503nm/em:512nm)(分子プローブ/インビトロゲン)。脂質基質を、5μmの最終濃度までPLA2アッセイ緩衝液(10nMトリス、pH8、100M KClおよび2mM Ca2+)で希釈した。切断反応は、96穴ブラックプレートで、または1.5mlエッフェンドルフ管でのいずれかで行い、そしてその後脂質基質を添加した。切断生成物またはユビキチン/UBL−イソペプチダーゼの添加により、400ミリ秒の読取を、総計30分間、15秒間隔で記録した。使用された別のプロトコールでは、PLA2−融合構築物を集約的に、細胞抽出物またはイソペプチダーゼのいずれか、および基質を添加することによって、切断反応を、96ウェルプレート中で組立てた。30分のような所望の時点まで、継続的読取を行った。融合物の切断は、切断脂質基質の蛍光における増加により検出された。
全細胞および植物抽出物を用いたユビキチン/UBL−PLA2mX切断
種々のユビキチン/UBL−PLA2融合物の切断は、全細胞抽出物の助けで行われた。この切断が、適切または予測されるサイズの脱落バンドを生じたことが確定された。2つのバンドは、クーマシーブルー染色ゲルで見られた。一定な14kDaPLA2mXバンド、およびユビキチン/UBL融合パートナーでサイズ決めされたバンドで、そのサイズは、UBL融合パートナーによる。得られた結果は、下の表5で示される。
Figure 0005031560
切断反応の各々は、5μg融合タンパク質、そして同様の量の昆虫細胞、ウサギの網状赤血球分画II、ヒトU20S骨肉種細胞、結腸癌セルラインDLD1およびHCT116、ヒト非小型細胞肺癌H460細胞、ヒト胚性腎臓293T細胞、ネズミTヘルパーリンパ球クローン、または小麦生殖細胞抽出物を含有した。反応混合物サンプルを一晩インキュベートさせ、除去し、15%SDS−PAGEゲルで電気泳動にかけ、そして切断の分析のためにクーマシーブルーで染色した。結果を以下の表6に示す。
Figure 0005031560
さらに、上に示されるBODIPY FLで標識した脂質基質を使用してPLA2活性を測定するために、上に示されるとおり、PLA2アッセイを行い、そしてそれ自身により融合タンパク質について、抽出物が融合タンパク質に添加される活性の比として表された。結果を以下の表7に示す。
Figure 0005031560
上の表7で供されるデータから見られうるとおり、ユビキチン/UBL−PLA2mX融合タンパク質切断は、PLA2活性と良く相関する。ISG15−PLA2mX活性について、我々は、UBP43、ISG15−特異的イソペプチダーゼを発現するようトランスフェクトしたHEK293T細胞から得た細胞抽出物を使用した。このアッセイでは、ISG15融合物を、UBP43でトランスフェクトされた抽出物および非トランスフェクト対照抽出物とインキュベートし、そして切断および蛍光を実時間、監視した。UBP43トランスフェクト細胞の抽出物内のPLA2活性が、未トランスフェクトの細胞の活性よりも先立って示されたが、両方の条件で蛍光活性があった。これは、ISG15が、最初は、17kDa前駆体(15kDaにプロセッシングされる)であるので、内因性の、構造的に発現されたプロセッシングプロテアーゼに帰することができるであろう。このプロセッシングプロテアーゼは、ISG15−PLA2融合物についてある程度親和性を示しうるが、ISG15に対するUBP43の親和性より非常に低い親和性であり、したがって、PLA2アッセイでは蛍光読取の遅延となる。それにもかかわらず、我々のアッセイは、ISG15融合物に向けられたUBP活性を検出できた。UBP43の存在下では、PLA2活性率で、4倍の増大があり、このことはISG15−イソペプチダーゼ活性を検出するためのISG15−PLA2融合物の利用性を証明している。
ユビキチン/UBL特異的イソペプチダーゼを使用したユビキチン/UBL−PLA2mX切断は、PLA2活性を得る。
これらの実験で、レポーター融合タンパク質を、ユビキチンまたはUBL部分を標的にするイソペプチダーゼの存在下または非存在下でインキュベートし、そしてSDS−PAGEにより融合切断を監視することによるか、またはPLA2活性を検出することによるかのいずれかによりイソペプチダーゼ活性について分析した。酵母Ulp1イソペプチダーゼは、酵母Smt3遺伝子生成物について特異性を示すので、それは、酵母Smt3融合タンパク質の切断のために使用された。同様に、SENP2イソペプチダーゼを、ヒトSUMO融合タンパク質の切断のために使用し、そして分断USP2生成物の共有コア酵素的ドメイン、USP2aまたはUSP2bのいずれかを、ユビキチン融合タンパク質の切断のために使用した。リン(Lin)ら(2000年)を参照。そして最後に、Den1、Nedd8特異的イソペプチダーゼを、Nedd8−PLA2mX融合タンパク質を切断するために使用した。ガン−エルデン(Gan-Erdene)(2003)を参照。
10μgの酵母Smt3−PLA2mXを、1μgUlp1と1時間インキュベートし、SDS−PAGEによって分析した。ゲルの分析は、レポーター融合タンパク質の完全切断を示し、個々の構成要素Smt3(21kDaで)および14kDaPLA2mXを得た。同じ実験を、ULP1の非存在下で行った場合、自己触媒活性がなかった。完全な32kDa融合物のみが見られた。酵母ULP1酵素は、SUMO融合タンパク質について特異性を示し、ユビキチン−PLA2mX融合タンパク質を切断できなかった。10μgのhSUMO3−PLA2mXを、1μgSENP2とインキュベートし、そしてサンプルを、SDS−PAGEにより監視したとき、適切なサイズのhSUMO3(21kDa)およびPLA2mX(14kDa)バンドが観察され、それにより融合タンパク質の完全な切断を示した。SENP2酵素は、ULP1で先に観察されるとおりユビキチン−PLA2mX融合タンパク質を切断できず、SUMOについてのイソペプチダーゼ活性の特異性を示した。10μgのユビキチン−PLA2mX融合物を、3μgのUSP2のコアドメインとインキュベートした場合、融合Ub−PLA2mXの完全な切断が見られた。親(parental)(融合タンパク質)24kDaバンドは見られなかった一方で、14kDaのPLA2mXバンドおよび9kDaのユビキチンバンドが現れた。Nedd8−PLA2mX融合タンパク質が、Nedd8−特異的イソペプチダーゼDen1とインキュベートした場合、Nedd8−融合タンパク質が切断され、そして14kDa PLA2mXおよび9kDaNedd8が現れる。特定のイソペプチダーゼによりユビキチン−UBL−PLA2mX融合タンパク質の切断についてPLA2mXを評価するために、インビトロPLA2アッセイを行った。ユビキチン/UBL−PLA2mX融合物と特異的イソペプチダーゼの同時インキュベーションが、14kDa PLA2mXバンドの切断および発生にいたる全ての場合で、蛍光強度増大により可視化されたとおり、増大したPLA2活性があった。UBL−特異的イソペプチダーゼが融合物を切断した前述のすべての例で、PLA2活性がよく監視され、UBL特異的イソペプチダーゼと一緒に、またはなしにインキュベートされた融合物から得られるPLA2活性の比は、下の表8で示される。
Figure 0005031560
本実施例は、タンパク質分解、たとえばイソペプチダーゼ活性に対するユビキチン/UBL−PLA2融合タンパク質の利用性を示す。あらゆるイソペプチダーゼ活性の非存在下で、融合タンパク質単独では、発生されるシグナルはない。イソペプチダーゼ活性、またはより特異的な精製組換えイソペプチダーゼを含む細胞抽出物の存在下で、融合タンパク質は、切断され、定量化できるレベルのPLA2活性を生じる。
多量の酵素は、それらの標的タンパク質または線状融合タンパク質からユビキチンまたはUBLを切断する能力があることが知られている。系統発生を介してのゲノム配列決定は、他の例を生成している。現時点まで、これらの酵素の高速の、正確でそして選択的スクリーニングに、またはそれらの活性を調節する化合物のスクリーニングに適切な、簡単な機能性アッセイは存在しなかった。最近入手可能なアッセイは扱いにくく、タンパク質分解酵素、たとえばイソペプチダーゼまたは加水分解酵素(プロテアーゼ)活性を都合よく分析するためにユビキチンまたはUBLを含有するイソペプチダーゼ連結基質を生じる多くの工程を必要とする。本発明により標的タンパク質からユビキチンまたはUBLの除去は、ウエスタンブロッティングにより監視されうるが、しかし、先行のアッセイは、低感受性および処理量により特徴づけられる。ユビキチンおよびUBLのようなUBLは、GSTのようなタンパク質ドメインに融合させることができ、そしてそれは、連続的に、固形支持体上に固定され、そして切断され得て、そして生成物の内の1つは、修飾ハイスループットELISAアッセイによりろ過または分析されうる。しかし、先行の方法は比較的低い感受性をもたらし、多工程を含み、そしてそれらがELISA試薬を必要とするので高価である。さらに、たとえば、GST−融合物または任意の他の酵素を有する融合物が使用された場合、先行技術のアッセイは、タンパク質が、抗体および/またはUBL−融合状態においてさえ活性なままである酵素により識別されるであろう製品になりがちである。
本発明はこのように説明されており、本発明が多くの方法で修飾または変更されうることは明らかであろう。このような修飾および変更は、本発明の概念および範囲からの逸脱と見なされるべきではなく、すべてのこのような修飾および変更は、以下の請求項の範囲内に含まれることが意図される。
以下の参考文献は、当技術の一般的状態を示すものとして、および適切な文脈中における発明の主題を理解する助けとして引用される。本出願における参考文献の引用は、発明の主題の特許性への具体性の是認として解釈されるものではなく、またあらゆるこのような参考文献が先行技術であるという是認として解釈されるものではない。重要な参考文献は、情報開示供述書で引用されるであろう。本明細書および以下で引用される全ての参考資料は、本明細書にそれらの全体を参照することにより組込まれる。
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Claims (38)

  1. タンパク質分解酵素活性の評価方法であって、
    a)ユビキチン、ユビキチン様タンパク質(UBL)および第一ポリペプチドのC末端で切断するタンパク質分解酵素によって切断されるアミノ酸配列を有するユビキチンまたはUBLのC末端セグメントからなる群より選択されるポリペプチドを含む第一のポリペプチドであって、該UBLがSUMO、Nedd8、ISG15、Apg8、Apg12、FAT10、Urm1、Hub、UBiおよびRub1からなる群より選択される第一のポリペプチド、および
    酵素活性および検出のために他のポリペプチドが連結していない全長ポリペプチドの遊離N末端アミノ酸を必要とするアミノ酸配列を含みかつ酵素である第二のポリペプチド
    を含有する融合ポリペプチドであり、
    該第一および第二のポリペプチドが第一のポリペプチドのC末端と第二のポリペプチドのN末端とを介して互いに動作可能に連結されており、該第二のポリペプチドは、該融合ポリペプチドにおいて該第一のポリペプチドに動作可能に連結されている場合酵素的に不活性である融合ポリペプチドを供給すること;
    b)該融合ポリペプチドを該タンパク質分解酵素と接触させ、切断された第一のポリペプチドおよび切断された第二のポリペプチドを生産すること;
    c)切断された第二のポリペプチドの量もしくは活性のいずれかと関連するシグナルを検出すること;および
    d)切断された第二のポリペプチドのシグナルとタンパク質分解酵素の活性との相関関係を確立すること
    を含む方法。
  2. 酵素またはサンプルの切断シグナルを正規化すること、および各酵素またはそのサンプルにタンパク質分解酵素活性値を付与することをさらに含み、得られた酵素活性がカットオフ値より下である場合、酵素またはサンプルは不活性であり、カットオフ値より上である場合、それは活性であると判断され得る請求項1記載の方法。
  3. さらに、タンパク質分解酵素活性の完全切断および完全阻害に関して、請求項1記載のb)〜d)工程を繰り返すことを含む請求項2記載の方法。
  4. サンプルが、生理学的流動体、組織サンプル、細胞または細胞分画を含む請求項1記載の方法。
  5. タンパク質分解酵素活性調節因子を含むことが推測されるサンプルの存在下で、請求項1記載のb)〜d)工程を繰返すこと;および
    e)サンプルシグナルとサンプルの非存在下で得られる対応の酵素活性シグナルとを参照することによりタンパク質分解酵素活性におけるサンプルの影響に関する値を決定すること
    を含む請求項1記載の方法。
  6. 請求項1記載のb)〜d)工程および請求項5記載のe)工程が、タンパク質分解酵素活性調節因子を含むことが推測される複数のサンプルについて別個に行われ、タンパク質分解酵素活性に対するサンプルの影響に関する値を得る請求項5記載の方法。
  7. 各サンプルおよび対照について得られる情報を収集、処理および報告する請求項6記載の方法。
  8. ユビキチン、ユビキチン様タンパク質(UBL)および第一ポリペプチドのC末端で切断するタンパク質分解酵素によって切断されるアミノ酸配列を有するユビキチンまたはUBLのC末端セグメントからなる群より選択されるポリペプチドを含む第一のポリペプチドであって、該UBLがSUMO、Nedd8、ISG15、Apg8、Apg12、FAT10、Urm1、Hub、UBiおよびRub1からなる群より選択される第一のポリペプチド、および
    酵素活性および検出のために他のポリペプチドが連結していない全長ポリペプチドの遊離N末端アミノ酸を必要とするアミノ酸配列を含む第二のポリペプチド
    を含有する融合ポリペプチドであり、該第一および第二のポリペプチドが第一のポリペプチドのC末端と第二のポリペプチドのN末端とを介して互いに動作可能に連結されており、該第二のポリペプチドは、該融合ポリペプチドにおいて該第一のポリペプチドに動作可能に連結されている場合酵素的に不活性である融合ポリペプチドを供給すること;
    切断が起こるのに有効な条件下で、融合ポリペプチドを、該タンパク質分解酵素と接触させ、切断された第一のポリペプチドおよび切断された第二のポリペプチドを生産すること;
    断された第二のポリペプチドの量に関連するシグナルを検出すること;
    ンパク質分解酵素活性の完全阻害因子の存在下で、融合ポリペプチドをタンパク質分解酵素と接触させ、そして切断された第二のポリペプチドの量と関連したシグナルを検出すること
    1組の化合物を提供すること;
    化合物の存在下で、融合ポリペプチドをタンパク質分解酵素と接触させ、そして切断シグナルを得るために切断された第二のポリペプチドの量に関連したシグナルを検出すること;
    各化合物切断シグナルを正規化すること、および各化合物にタンパク質分解酵素活性値を付与すること
    を含む、タンパク質分解活性におけるそれらの効果について化合物をスクリーニングする方法。
  9. 断対照シグナルを得るため、融合ポリペプチドを既知タンパク質分解酵素活性調節因子と共にタンパク質分解酵素と接触させ、そして切断された第二のポリペプチドの量と関連したシグナルを検出すること;
    該調節因子の非存在下で得られる対応する酵素活性値を参照することにより、タンパク質分解酵素活性値を決定すること;および
    対照切断シグナルを参照することにより、各化合物の切断シグナルを正規化し、各化合物にタンパク質分解酵素活性値を付与すること
    を含む請求項8記載の方法。
  10. カットオフ値が、50%タンパク質分解酵素活性であり、化合物の存在下での酵素活性が少なくとも50%まで減少する場合、前記化合物は阻害因子であり、そして酵素活性が少なくとも50%まで増強される場合、前記化合物はエンハンサーであると判断されうる請求項8記載の方法。
  11. 酵素活性を50%まで阻害する化合物濃度(IC50)および/または増強する化合物濃度(EC50)を決定すること;および
    該化合物のIC50および/またはEC50を比較して、阻害因子および/またはエンハンサーとしてのその酵素活性強度を評価することをさらに含む請求項8記載の方法。
  12. 調節因子が、タンパク質分解酵素活性アクチベーターを含む請求項8記載の方法。
  13. 調節因子が、タンパク質分解酵素活性阻害因子を含む請求項8記載の方法。
  14. 正規化工程が、酵素活性切断値の曲線を参照することにより各酵素またはサンプル切断シグナルを正規化し、各その酵素またはサンプルにタンパク質分解酵素活性を付与することによって行われ、得られた酵素活性がカットオフ値より下である場合、酵素またはサンプルは不活性であり、カットオフ値より上である場合、それは活性であると判断され得る請求項2または8記載の方法。
  15. 検出可能なシグナルが、放射活性、蛍光、リン光、色素原、超音波、化学発光シグナルを含む請求項1または8記載の方法。
  16. 第一および第二のポリペプチドが、互いに共有結合で連結されている請求項1または8記載の方法。
  17. 第一および第二のポリペプチドが、リンカーを介して動作可能に連結されている請求項1または8記載の方法。
  18. リンカーが、少なくとも1つのアミノ酸を含む請求項17記載の方法。
  19. 融合ポリペプチドが、融合タンパク質を含む請求項1または8記載の方法。
  20. タンパク質分解酵素が、イソペプチダーゼまたはイソペプチダーゼ活性を有するその機能性フラグメントを含む請求項1または8記載の方法。
  21. タンパク質分解酵素が、ユビキチンC末端加水分解酵素、ユビキチン特異的プロテアーゼまたは加水分解酵素、またはユビキチン特異的プロテアーゼ活性を有するユビキチンC末端加水分解酵素、ユビキチン特異的プロテアーゼもしくは加水分解酵素の機能性フラグメントを含む請求項1または8記載の方法。
  22. タンパク質分解酵素が、ULP1、ULP2、SENP1、SENP2、酵母YUH1、哺乳類UCHL1、UCH−L3、UCH37、Bap1、USP−M、USP7、UNP、CYLD、CYLD1、KIAA0849、USP9X、DFFRX、USP9、FAFX、USP9Y、DFFRY、USP10、FAFY、OTUB1、OTB1、OTU1、HSPC263、OTUB2、C14orf137、OTB2、OTU2、KIAA0190、USP11、UHX1、USP12、UBH1m、USP12L1、USP13、ISOT3、USP14、TGT、USP15、KIAA0529、USP16、UBPM、USP18、UBP43、USP19、KIAA0891、ZMYND9、USP20、KIAA1003、LSFR3A、USP21、USP23、NEDD8特異的プロテアーゼ、USP22、KIAA1063、USP24、KIAA1057、USP25、USP26、USP28、USP29、USP30、USP32、USP33、KIAA1097、VDU1、USP35、KIAA1372、USP34、USP36、KIAA1453、USP37、KIAA1594、USP38、KIAA1891、USP40、USP42、USP44、USP46、USP49、USP51、UBP1、USP1、UBP2、USP2、UBP41、UBP3、USP3、UBP4、USP4、UNPH、UBP5、USP5、ISOT、UBP6、USP6、TRE2、UBP7、USP7、HAUSP、UBP8、USP8、KIAA0055、UBPY、VCIP、VCIP135、KIAA1850、Cezanne1、Cezanne2、A20、UCH−L1、Park5、UCH−L5、UCH−37、ATXN3、ATX3、MJD、MJD1、SCA3、POH1、PSMD14、CSN5、COPS5、JAB1、SENP3、SSP3、SUSP3、SENP5、FKSG45、SENP6、FKSG6、KIAA0797、SSP1、SUSP1、SENP7、KIAA1707、SSP2、SUSP2、SENP8、FKSG8、PRSC2、DUB1、DUB2、DUB3、DUB4、および全長タンパク質の活性を有するそれらの機能性フラグメントからなる群より選択されるタンパク質を含む請求項1または8記載の方法。
  23. 第二のポリペプチドが、セリンプロテアーゼ、サブチリシン/ケクシン様プロホルモン変換酵素、カルボキシペプチダーゼ、トロンボスポンジンI型モチーフを有するジスインテグリン様およびメタロプロテアーゼドメイン(レプロリシン型)(ADAMTS)、ジスインテグリンおよびメタロプロテアーゼドメイン(ADAM)、システインアスパラターゼ、アスパラギン酸プロテイナーゼ、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、RNA依存性RNAポリメラーゼ、N末端求核原子(Ntn)加水分解酵素、4−オキサロクロトン酸互変異性化酵素、コリスミン酸シンターゼ、β−ラクタムアシラーゼ、逆転写酵素、ホスホリパーゼ、ならびに全長タンパク質の活性を有するそれらの機能性フラグメントからなる群より選択されるタンパク質を含む請求項1または8記載の方法。
  24. 第二のポリペプチドが、ウイルス性逆転写酵素、グルタミンホスホリボシルピロリン酸(PRPP)アミドトランスフェラーゼ(GPATase)、3DpolRNA依存性RNAポリメラーゼ、グルタミン5−ホスホリボシル−1−ピロリン酸アミドトランスフェラーゼ、ペニシリンアシラーゼ、逆転写酵素、コリスミン酸シンターゼ、トリプターゼ、キマーゼ、エンテロキナーゼ、トロンビン、ジペプチジルペプチダーゼ、HtrA2、ニューロフィシン、バソプレシン、フリン、カルボキシペプチダーゼB、カルボキシペプチダーゼY、vWF−切断プロテアーゼ/ADAMTS13、ADAM1、ADAM2、カスパーゼ、ペプシン、レニン、カテプシンD、マソン−ファイザー・サルウイルスプロテイナーゼ、MMP20、MMP26、グリコシルアスパラギナーゼ、20Sプロテアソームβサブユニット、グルタミンPRPPアミドトランスフェラーゼ、YdcE、YwhB、セファロスポリンアシラーゼ、CaMV逆転写酵素、ホスホリパーゼA2、および全長タンパク質の活性を有するそれらの機能性フラグメントからなる群より選択されるタンパク質を含む請求項1または8記載の方法。
  25. 第二のポリペプチドが、3DpolRNA依存性RNAポリメラーゼ、GPATase、トリプターゼおよびホスホリパーゼA 2 からなる群より選択されるタンパク質を含む請求項24記載の方法。
  26. 融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの発現に有効な条件下で、該ポリヌクレオチドを発現することをさらに含む請求項1または8記載の方法。
  27. ポリヌクレオチドが、真核生物の細胞、またはその分画あるいは抽出物に発現される請求項26記載の方法。
  28. 融合タンパク質を単離することをさらに含む請求項26記載の方法。
  29. 1つ以上の工程が、インビトロ、インビボ、エキソビボ、細胞もしくは組織培養物内、または細胞もしくは組織抽出物上で行われ、インビボの場合はヒト以外の動物が使用される請求項1または8記載の方法。
  30. 検出工程が、細胞増殖の、または色素原、放射性、蛍光、リン光もしくは化学発光シグナルの検出を含む請求項1または8記載の方法。
  31. 自動化されている請求項1または8記載の方法。
  32. 各サンプルおよび対照について得られる情報を収集、処理および報告する請求項31記載の方法。
  33. ユビキチン、ユビキチン様タンパク質(UBL)および第一ポリペプチドのC末端で切断するタンパク質分解酵素によって切断されるアミノ酸配列を有するユビキチンまたはUBLのC末端セグメントからなる群より選択されるポリペプチドを含む第一のポリペプチドであって、該UBLがSUMO、Nedd8、ISG15、Apg8、Apg12、FAT10、Urm1、Hub、UBiおよびRub1からなる群より選択される第一のポリペプチド、および酵素活性および検出のために他のポリペプチドが連結していない全長ポリペプチドの遊離Nアミノ酸末端を必要とするアミノ酸配列を含む第二のポリペプチドを含み、第一および第二のポリペプチドが、第一のポリペプチドのC末端および第二のポリペプチドのN末端を介して互いに動作可能に連結されており、該第二のポリペプチドは、該融合ポリペプチドにおいて該第一のポリペプチドに動作可能に連結されている場合酵素的に不活性である融合ポリペプチド;
    タンパク質分解酵素アッセイを行い、切断された第二のポリペプチドの量または活性に関連したシグナルを検出し、そして切断された第二のポリペプチドの検出されるシグナルとタンパク質分解酵素活性との相関関係を確立するための取扱説明書;および
    UBLのC末端で切断された第一のポリペプチドおよび切断された第二のポリペプチドを生産するタンパク質分解酵素源
    を含むタンパク質分解酵素活性を評価するためのキットであって、
    第二のポリペプチドが、グルタミンホスホリボシルピロリン酸(PRPP)アミドトランスフェラーゼ(GPATase)、3DpolRNA依存性RNAポリメラーゼ、トリプターゼおよびホスホリパーゼA 2 からなる群より選択されるキット
  34. ユビキチン、ユビキチン様タンパク質(UBL)および第一ポリペプチドのC末端で切断するタンパク質分解酵素によって切断されるアミノ酸配列を有するユビキチンまたはUBLのC末端セグメントからなる群より選択されるポリペプチドを含む第一のポリペプチドであって、該UBLがSUMO、Nedd8、ISG15、Apg8、Apg12、FAT10、Urm1、Hub、UBiおよびRub1からなる群より選択される第一のポリペプチド、および酵素活性および検出のために他のポリペプチドが連結していない全長ポリペプチドの遊離Nアミノ酸末端を必要とするアミノ酸配列を含む第二のポリペプチドを含み、第一および第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドのC末端および第二のポリペプチドのN末端を介して互いに動作可能に連結されており、該第二のポリペプチドは、該融合ポリペプチドにおいて該第一のポリペプチドに動作可能に連結されている場合酵素的に不活性である融合ポリペプチド;および
    タンパク質分解酵素アッセイを行い、切断された第二のポリペプチドの量または活性に関連したシグナルを検出し、そして切断された第二のポリペプチドの検出されるシグナルと、複数の調節因子および対照に対するタンパク質分解酵素活性との相関関係を確立するための取扱説明書;および
    ユビキチンまたはUBLのC末端で切断された第一のポリペプチドおよび切断された第二のポリペプチドを生産するタンパク質分解酵素源
    を含むタンパク質分解酵素活性調節因子スクリーニングキットであって、
    第二のポリペプチドが、グルタミンホスホリボシルピロリン酸(PRPP)アミドトランスフェラーゼ(GPATase)、3DpolRNA依存性RNAポリメラーゼ、トリプターゼおよびホスホリパーゼA 2 からなる群より選択されるキット
  35. 酵素切断工程を行うための試薬;
    検出工程を行うための手段;および
    検出可能なシグナルを、タンパク質分解酵素活性またはその変化と相互に関連させるための手段
    の1つ以上をさらに含む請求項33または34記載のキット。
  36. 融合ポリペプチドが融合タンパク質を含み;
    キットがさらに、
    該融合ポリペプチドに代わる該融合タンパク質をコードする融合ポリヌクレオチド;および
    1つ以上の
    ポリヌクレオチドを発現するための試薬;および/または
    融合タンパク質の代わりに使用される場合、ポリヌクレオチドを発現するための細胞またはその細胞分画もしくは抽出物
    を含む請求項33または34記載のキット。
  37. 複数のサンプルを別個に含有するための手段;および
    アッセイを自動的に行うための取扱説明書
    をさらに含む請求項33または34記載のキット。
  38. 各サンプルについてのデータを自動的に処理するための手段;および
    その使用に関する取扱説明書
    をさらに含む請求項33または34記載のキット。
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