JP5031520B2 - 焼付硬化性鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は焼付硬化性鋼板及びその製造方法に関するものである。
自動車用鋼板としては、車体軽量化による燃費向上と安全性の追求から高強度鋼板が要求される。一方、車体鋼板のプレス成形を容易にするためには、低い降伏強度で良好な成形性を示す鋼板が好ましい。そのため、プレス成型時には低い降伏強度で良好な成形性を示し、塗装焼付後に降伏強度、引張強度の上昇する特性、即ち焼付硬化性を有する鋼板に対する要求が高まっている。
超深絞り性を有する焼付硬化性鋼板の製造方法として、特許文献1に記載の発明が知られている。鋼中のNをTiによってTiNとして析出させ、またCは主としてNbによってNbCとして析出させるが、焼付硬化性を安定して付与するために、ExcessC量(C−12/93×Nb)の値を10〜50ppmの範囲に制御する。
NをAlNあるいはNbNとして析出させると、その析出量が巻取り温度によって大きく左右されるが、TiNは窒化物として極めて高温から安定析出物となるために、熱延以降の工程で変化するものではなく、材質が影響を受けることがない。Ti添加量として、下限はTiで固定できないN量が20ppm以下となるように決まる。一方Ti添加量の上限は、TiをNとの当量以上に添加すると硫化物を形成したり炭化物となって延性及び二次加工性を劣化させたり、焼付硬化性の制御を困難にするので、Nの当量以下の添加量とする。このように、N量に応じてTi量が狭い範囲に限定されているので、例えば、Ti添加時の鋼中Ti歩留まり変化や、Ti添加後のN吸収量を高精度で予測しなければならず、現実の操業でTi量を常にこの範囲内に収めることは困難である。
C量とNb添加量との関係で決まるExcessC量については、50ppm以上になると鋼板内の固溶Cが多くなりすぎ、焼付硬化性は大きくなるが、時効後、降伏点伸びが現れ、ストレッチャーストレインが発生するため、外板用素材として適さない。一方、ExcessC量が10ppm以下になると最終的な固溶C量が少なく成りすぎ、焼付硬化性を十分付与できない。
特許文献2に記載の発明は、上記特許文献1に記載の発明に加え、Bを5〜30ppm添加している。添加Bの作用は、固溶Bによる歪時効現象により焼付硬化性を付与することとしている。
転炉溶製時に溶鋼中に含まれるフリー酸素は、鋳造前に溶鋼中に脱酸剤を添加して酸化除去される。一般的に脱酸剤としては、AlあるいはAlとSiが用いられる。上記特許文献1に記載の発明についても、Al−Si脱酸が用いられている。強力な酸化剤であるAlを添加して脱酸を行った後、Ti及びNbが溶鋼中に添加される。そのため、TiやNbの酸化ロスを少なくし、歩留まりよくTiやNbを含有させることができる。
特公昭61−45689号公報 特公昭60−47328号公報
溶鋼をAlで脱酸すると、脱酸生成物であるアルミナの大部分は溶鋼中を浮上して分離されるが、一部はアルミナクラスターの形で溶鋼中に残存したまま連続鋳造される。連続鋳造においてタンディッシュから鋳型内に溶鋼を注入するに際し、耐火物製の浸漬ノズルを通して溶鋼が注入される。浸漬ノズルは材質としてアルミナグラファイト系耐火物が用いられることが多い。この場合、溶鋼が浸漬ノズルを通過する際、溶鋼中に残存するアルミナが浸漬ノズルの内壁に析出して堆積し、浸漬ノズルの溶鋼通路を狭め、溶鋼注入を困難にする。
浸漬ノズル内壁へのアルミナの析出を防止するためには、Al以外の、例えばTiを用いて脱酸することとすれば良いことがわかっている。そのため、ノズル絞り防止を目的として、Ti脱酸あるいはTi−希土類元素脱酸が行われている。
特許文献1に記載の焼付硬化性鋼板においては、鋼中のNをTiによってTiNとして析出させるが、N当量以上の過剰なTiを含有した場合、鋼中のCをTiCとして固定してしまい、焼付硬化性が損なわれることが懸念されるため、Ti含有量が過剰にならないように非常に狭い範囲に制御することが必要である。しかし、Al脱酸の代わりにTi脱酸を行うと、脱酸に消費されるTi量がばらつくので、脱酸に消費されずに溶鋼に溶けるTi量(sol.Ti)もばらついてしまい、必要な精度でTi含有量を制御することが困難となる。
特許文献1、2に記載の発明は、いずれもC濃度0.003質量%以上、N濃度0.003質量%超の鋼板を用いて確認されている。
近年、プレス成形性を向上させるために、C濃度0.005質量%以下、N濃度0.003質量%以下の極低炭素極低窒素とすることが要求されている。そして、真空脱ガス技術の進歩、極低窒素鋼溶製技術の進歩に伴い、これら極低炭素極低窒素を実現する鋼の量産化が可能となってきた。そこで、本発明者らは、N濃度0.003質量%以下の極低窒素の焼付硬化性鋼板においてTi脱酸の適用を検討したところ、sol.TiとNが当量の場合でも、sol.Tiと当量のNよりも少ない量しかTiNとして固定されず、固溶Nが残存し、しかも、その固溶N量が変動するために焼付硬化性が不安定になる現象が見られることが判明した。このため、残存する固溶N量が予測できないことから残存する固溶N量と当量のsol.Tiを上乗せして、Nと当量以上のsol.Tiを添加することは困難である。また、固溶Nの発生を防止するためにsol.TiをN当量を超えて過剰に含有させると、本来焼付硬化性を確保すべきExcessCをTiCとして固定してBH量が不足してしまうことが懸念される。
従って、上述の通り、Ti脱酸を行うと、sol.Tiもばらついてしまい、必要な精度でsol.Ti含有量を制御することが困難となることに加えて、残存する固溶N量が予測できないことから残存する固溶N量と当量のsol.Tiを上乗せして、Nと当量以上のsol.Tiを添加することは困難であることから、従来は焼付硬化性鋼板をTi脱酸法で製造することができなかった。
本発明は、C濃度0.005質量%以下、N濃度0.003質量%以下の極低炭素極低窒素とする焼付硬化性鋼板において、Ti脱酸を可能にする鋼板を提供することを目的とする。
BやVは、鋼中で窒化物を形成することが知られているが、同様に炭化物も形成する。焼付硬化性鋼板において、Nを固定するためにTiとともにBやVを含有させた場合、Ti含有量がばらついてTi、B、Vの総量がN当量よりも多くなった場合、たとえTi含有量単独ではN当量以下であっても、過剰なBやVが固溶炭素と結合して炭化物を形成するので、焼付硬化性発現に必要なExcessCを消費してしまうという問題があった。そのため、焼付硬化性鋼板においてNを固定する目的でBやVを含有させることはなされていなかった。
本発明において、C含有量が0.005質量%以下の極低炭素であれば、Ti、B、Vの総量がN当量よりも多く、BやVが過剰になっても、過剰なBやVが炭化物を形成しないことが明らかになった。
そこで本発明においては、C濃度0.005質量%以下、N濃度0.003質量%以下の極低炭素極低窒素とする焼付硬化性鋼板において、Nを固定せずに残存するTi量を最小に抑えるようにTi含有量の上限を定めるが、Ti脱酸を適用することによってsol.Ti含有量がばらついてNを固定するTiが不足し、さらにはsol.Tiと当量のNよりも少ない量のNしかTiNとして固定されず、固溶Nが残存するというTi脱酸特有の問題が存在するので、BとVの一方又は両方を含有させ、これによってNを固定して焼付硬化性を発現させ、焼付硬化性鋼板においてTi脱酸を適用することを可能とした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、即ちその要旨とするところは以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.0050%以下、Si:0.05%以下、Mn:1.0%以下、P:0.08%以下、S:0.02%以下、T.Al:0.020%以下、N:0.0030%以下であり、Ti含有量を下記(1)式を満たす条件とし、B:0.0025%以下とV:0.02%以下の一方又は両方を下記(2)式を満たすように含有し、Nb含有量が下記(3)式を満たし、さらに、Cu:0.06%以下、Ni:0.06%以下、Cr:0.06%以下の1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可避不純物であることを特徴とする焼付硬化性鋼板。
Ti ≦ 48/14×(N+0.0005) (1)
N/14 ≦ B/11+V/51 (2)
0.0003 ≦ C−12/93×Nb ≦ 0.0025 (3)
ただし、Tiはsol.Tiを意味し、(1)〜(3)式でTi、N、B、V、C、Nbはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。
(2)下記(4)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の焼付硬化性鋼板。
4.7 ≦ V/B (4)
ただし、(4)式でB、Vはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す
(3)Ce、La、Ndの1種又は2種以上を合計で0.0005〜0.0040%含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の焼付硬化性鋼板。
)Ti添加と同時又はその後に、Ce、La、Ndの一種又は2種以上を添加することを特徴とする、上記()に記載の焼付硬化性鋼板の製造方法。
本発明は、鋼中C濃度0.005質量%以下、N濃度0.003質量%以下の極低炭素極低窒素の焼付硬化性鋼板において、BとVの一方又は両方を添加し、Tiで固定できないNをBあるいはVで固定することにより、焼付硬化性鋼板においてTi脱酸を適用可能とし、連続鋳造におけるノズル詰まりの発生を防止することができる。
本発明は、Ti脱酸あるいはTi−希土類脱酸によって製造することのできる焼付硬化性鋼板を目的とする。Ti脱酸とする目的は、連続鋳造におけるノズルへのアルミナ付着防止であるから、アルミナ付着が防げる範囲である限り、溶鋼中にAlを含有しても良い。本発明において、Al含有量(T.Al)が0.020質量%以下であれば、連続鋳造におけるノズル詰まりを許容できる程度まで低減することが可能である。Al含有量(T.Al)が0.01質量%未満であるとより好ましい。ちなみに、Al含有量(T.Al)の下限値は0質量%を含む。ここで、T.Alとは、酸化物を形成していない溶存Alと、Al23を形成しているAlを合わせた合計量である。形態にかかわらずに含有される全Al量である。T.Alの分析方法には、スパーク放電発光分光分析方法(JIS G1253)を用いることができる。
従って、本発明の焼付硬化性鋼板の溶製にあたっては、Al予備脱酸を行い、次いでTi脱酸あるいはTi−希土類脱酸を行い、Al含有量(T.Al)を上記範囲内に抑えるとともに、Ti脱酸で消費するTiの歩留まりを高くすることが可能である。
本発明の焼付硬化性鋼板は、C濃度0.005質量%以下、N濃度0.003質量%以下の極低炭素極低窒素とする。いずれも鋼板のプレス成形性を良好に確保するためである。C濃度0.003質量%未満とするとより好ましい。また、N濃度0.003質量%未満とするとより好ましい。
焼付硬化性を具備するため、特許文献1に記載の発明では、鋼中のNをTiによってTiNとして析出させ、またCは主としてNbによってNbCとして析出させるが、焼付硬化性を安定して付与するために、ExcessC量(C−12/93×Nb)の値を0.0003〜0.0025質量%の範囲に制御している。
本発明者らは、Ti脱酸でかつN含有量が0.0030質量%以下であり、NをTiと当量あるいは若干多く含有する場合について、TiNとして存在するNの量を評価した。横軸をsol.Ti、縦軸をTiNとしてのNを表示し、図1に示した。図1から明らかなように、sol.Tiに当量のNがすべてTiNとなるわけではなく、当量のNよりも0.0005〜0.0015質量%少ないNがTiNとなっていることが分かる。
Nと結合していないTiが残存すると、Tiが硫化物を形成したり炭化物となって延性及び二次加工性を劣化させたり、焼付硬化性の制御を困難にするので好ましくない。特許文献1に記載の発明においては、Ti含有量をNの当量以下としていた。しかしTi脱酸でかつN含有量が0.0030質量%以下となると、sol.Tiと当量のNがすべてTiNになるのではなく、上述のとおり、sol.Tiに当量のNより少なくとも0.0005質量%少ない量しかTiNにならない。従って、sol.Ti含有量がN当量より低い場合、少なくともN:0.0005質量%当量、最大、N:0.0015質量%当量のTiがNを固定せずに残存することとなる。
すなわち、図1に示すように、sol.Ti含有量に対応して、sol.Tiと当量のN量が直線関係にあり、この状態ではTiが一部のNを固定せずに残存することとなる。この状態は、sol.Ti含有量をN当量48/14×Nより増加させても、48/14×(N+0.0005)までは、Tiが一部のNを固定せずに残存することとなる。sol.Ti含有量が48/14×(N+0.0005)の時に固定できるN量は、(N−0.0010質量%)以上、N量全量以下、の範囲となる。しかし、sol.Ti含有量を48/14×(N+0.0005)を超えて増加させると、焼付硬化性を付与するために必要なCをTiCとして固定してしまう。
このように、sol.Ti含有量がN当量よりも過剰となったとき、Nを固定せずに残存するTi量が増大し始めるのは、sol.Ti含有量が48/14×(N+0.0005)を超えたときからである。そこで本発明では、Nを固定せずに残存するTi量を最少に抑えられる範囲にTi含有量を限定する趣旨で、Ti含有量として下記(1)式を満たすこととした。ただし、Tiはsol.Tiを意味し、(1)〜(3)式でTi、N、B、V、C、Nbはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。
Ti ≦ 48/14×(N+0.0005) (1)
ここで、sol.Tiは、分析上では酸可溶Tiである。Ti酸化物は酸に溶解しないことを利用して、酸に溶解したTi量を測定すればよい。ここで、酸とは、例えば塩酸1、硝酸1、水2の割合(質量比)で混合した混酸が例示できる。この様な酸を用いて、酸に可溶なTiと、酸に溶解しないTi酸化物とに分別でき、酸可溶Ti濃度が測定できる。
本発明の鋼板はTi脱酸あるいはTi−希土類脱酸によって製造するので、sol.Ti含有量のばらつきを避けることができない。sol.Ti含有量の上限が(1)式によって決められるので、狙いとするsol.Ti含有量はばらつきの分だけ低い含有量となる。含有するsol.Tiと当量のNを超えて含有するNの部分については、当然ながらTiによって固定されない。さらに上述のとおり、含有するsol.Tiと当量のNがすべてTiNになるわけではない。Ti脱酸を行うN含有量0.0030質量%以下の本発明においては、Ti当量以下のN量であっても、最低でもN含有量で0.0005質量%、最大で0.0015質量%のNについては、Tiによって固定されない。
これら、Tiによって固定されないNを放置すると、鋼板の焼付硬化性を適正に制御することが困難となる。
BやVは、鋼中で窒化物を形成することが知られているが、同様に炭化物も形成する。焼付硬化性鋼板において、Nを固定するためにTiとともにBやVを含有させ、Ti含有量がばらついてTi、B、Vの総量がN当量よりも多くなった場合、たとえTi含有量単独ではN当量以下であっても、過剰なBやVが固溶炭素と結合して炭化物を形成するので、焼付硬化性発現に必要なExcessCを消費してしまうという問題があった。そのため、焼付硬化性鋼板においてNを固定する目的でBやVを含有させることはなされていなかった。
本発明において、C含有量が0.005質量%以下の極低炭素であれば、Ti、B、Vの総量がN当量よりも多く、BやVが過剰になっても、過剰なBやVが炭化物を形成しないことが明らかになった。
そこで本発明においては、C濃度0.005質量%以下、N濃度0.003質量%以下の極低炭素極低窒素とする焼付硬化性鋼板において、上述の(1)式のようにsol.Ti含有量の上限を定め、Ti脱酸によってsol.Ti含有量がばらついてNを固定するTiが不足し、さらにはsol.Tiと当量のNよりも少ない量のNしかTiNとして固定されず、固溶Nが残存するというTi脱酸特有の問題に対して、BとVの一方又は両方を含有させ、これによってNを固定して焼付硬化性を発現させ、焼付硬化性鋼板においてTi脱酸を適用することを可能とした。
但し、本発明はTi脱酸を前提としていることから、sol.Tiが大きくばらつくので、添加したTiによって含有Nが全く固定されないような場合も想定される。従って、BあるいはVでNの全量を固定できるだけの分量を含有させることとした。即ち、BとVの一方又は両方を下記(2)式を満たすように含有することとした。B、Vのそれぞれについて上限を定める。本発明が対象としているN量の上限の0.003質量%と当量の、B:0.0025質量%以下、V:0.02質量%以下とする。これを超えて添加しても焼付硬化性の安定化効果は増加せず、むしろ鋳造時の割れの懸念が高まるため、この値を上限とした。
N/14 ≦ B/11+V/51 (2)
本発明において、BとVの一方又は両方を含有させるが、BとVの両方を含有させるとより好ましい。Bを単独で添加すると、Bは粒界偏析しやすいため、結晶粒内のNを固定する効率が低下するが、BとVを複合添加すると、Vによって結晶粒内のNを確実に固定できるからである。
Nb含有量については、下記(3)式を満たす条件とする。これにより、ExcessC量(質量%)(C−12/93×Nb)が0.0003〜0.0025質量%の範囲に制御される。ExcessC量が少なすぎると、最終的な固溶C量が少なくなりすぎ、焼付硬化性を十分に付与できない。ExcessC量が0.0003質量%以上であれば、十分な焼付硬化性を付与することができる。逆に固溶C量が多すぎると、焼付硬化性は大きくなるが、時効後、降伏点伸びが現れ、ストレッチャーストレインが発生するため、外板用素材として適さない。ExcessC量が0.0025質量%以下であれば、これらの問題を起こすことなく良好な焼付硬化性鋼板とすることができる。
0.0003 ≦ C−12/93×Nb ≦ 0.0025 (3)
Si、Mnについては、焼付硬化性鋼板の強度を確保する必要がある場合に含有させるが、その上限はSi:0.05質量%以下、Mn:1.0質量%以下とする。Siは溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、めっき密着性が劣化するため、0.05質量%以下とする。Si含有量の下限は0質量%を含む。また、Mnの過剰な添加は、伸びやr値の劣化が懸念されるため、1.0質量%以下とする。Mn含有量下限は熱間脆化を防止するために0.03質量%とすると好ましい。
P含有量は0.08質量%以下とする。Pは鋼板強度向上に有効であるが、過剰添加は溶融亜鉛めっき層の密着性を劣化させるほか、鋳片や熱延時の割れを生じるためP含有量の上限を0.08質量%とする。P含有量の下限は0質量%を含む。S含有量は、加工性低下や熱間脆化を防ぐため0.02質量%以下とする。S含有量の下限は0質量%を含む。
前述の通り、本発明においてBとVの両方を含有させるとより好ましい。Bを単独で添加すると、Bは粒界偏析しやすいため、結晶粒内のNを固定する効率が低下するが、BとVを複合添加すると、Vによって結晶粒内のNを確実に固定できるからである。BとVをともに添加する本発明において、BとVの含有量は下記(4)式を満たすこととすると好ましい。ただし、(4)式でB、Vはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。(4)式の左片の数値4.7は、Vの原子量51をBの原子量11で除した値であり、(4)式を満たすようにBとVを含有させることにより、Vのモル数はBのモル数以上になる。この結果、結晶粒内にVが十分に分布し、結晶粒内のNを確実に固定することができるからである。
4.7 ≦ V/B (4)
本発明においては、Cu:0.06質量%以下、Ni:0.06質量%以下、Cr:0.06質量%以下の1種又は2種以上を含有しても良い。Cuは鋼板の強度やr値の向上に有効であり、0.001質量%以上でその効果を発揮するが、含有量が多すぎると熱間脆化を生じるであるため、0.06質量%以下とする。Niは強度向上のほか、Cu含有による熱間脆化抑制に有効であり、0.001質量%以上でその効果を発揮するが、含有量が多すぎると合金コスト上昇を招くため、Cu含有量上限と同じく0.06質量%以下とする。Crは強度向上に有効であり、0.001質量%以上でその効果を発揮するが、含有量が多すぎると鋼板を硬質化し加工性を劣化させるので、0.06質量%以下とする。
本発明において、Ti脱酸のみならず、Ti−希土類脱酸を適用することができる。Tiと希土類による脱酸を組み合わせることにより、介在物の凝集性をより一層低減することができ、連続鋳造におけるノズル詰まりを低減することができる。希土類脱酸を有効に機能させるためには、鋼板中にCe、La、Ndの1種又は2種以上を合計で0.0005〜0.0040質量%含有することとすればよい。含有量をこの範囲とすることにより、希土類脱酸効果を発揮する。この範囲より少なくても、過剰でもノズル詰まり低減効果が得られなくなる。
次に本発明の焼付硬化性鋼板の製造方法について説明する。
本発明の焼付硬化性鋼板は、C濃度0.005質量%以下、N濃度0.003質量%以下の極低炭素極低窒素とする。真空脱ガス装置を用いた脱炭により、C濃度0.005質量%以下を実現することができる。また、真空脱ガス装置による精錬以降、鋳造までの工程で溶鋼中へのNの吸収を防ぐシール技術等を適用することにより、N濃度0.003質量%以下を実現することができる。
本発明では、鋼板を溶製するに際し、Ti脱酸あるいはTi−希土類脱酸を適用することができる。Ti脱酸あるいはTi−希土類脱酸に際しては、Al予備脱酸を全く行わないことも可能であるが、Al予備脱酸を行えば、Tiの酸化ロスを低減して経済的な溶製を可能にし、また製品sol.Tiのばらつきを低減することができるので好ましい。Al予備脱酸を行う場合、Alを添加して予備脱酸を行ったのちにTiを添加する。T.Al含有量が本発明範囲内となるようにAl添加量を調整すればよい。
Ti−希土類脱酸を適用する場合には、Ti添加と同時又はその後に、Ce、La、Ndの一種又は2種以上を添加すると良い。これにより、Ce、La、Ndの添加歩留まりを高め、経済的な溶製を行うことが可能となる。
成分調整した溶鋼を連続鋳造によって鋳片とし、一般的な常法によって、スラブを加熱、熱延、冷延、焼鈍することにより、本発明の焼付硬化性鋼板とすることができる。
転炉で脱炭精錬し、還流式真空脱ガス装置で成分調整を行い、表1に示す成分の溶鋼を溶製した後、幅1800mm×厚み250mmのスラブに連続鋳造した。鋳造した鋳片は8500mm長さに切断し、常法によって、スラブを加熱、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍し、幅1800mm×厚み0.8mmの冷延鋼板1コイルを作成した。
脱酸については、真空脱ガス装置で脱炭を完了した後、まずAlを添加して予備脱酸を行い、そのあとにTiを添加してTi脱酸を行った。Ti−希土類脱酸を適用する場合には、Ti添加の後に、Ce、La、Ndを添加した。
Figure 0005031520
BH量は以下の方法で評価した。試験片はJIS5号引張試験片を同一箇所から複数採取し、その一方を用いて引張試験を行い、他方については、2%の予ひずみを加えた後、170℃×20分間の焼付処理相当の熱処理を加え、その後引張試験を行った。両者の引張強度を比較し、強度増加量をBH量とした。鋼板幅方向のBH量の均一性を測るために、1/4幅、1/2幅、3/4幅から試験片を採取し、それぞれ、BH量(1)、BH量(2)、BH量(3)とした。評価基準は、(a)幅方向3ヶ所のそれぞれのBH量が5MPa以上、50MPa以下(BH量が5MPa未満ではBH量の増加効果がほとんど認められず、一方BH量が50MPaを超えるとストレッチャストレインが発生するため)であること、(b)幅方向3ヶ所のBH量の標準偏差σが、3ヶ所のBH量の平均値に対して10%以内であること、好ましくは5%以内であることとした。
鋼板の表面品質については、冷間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥の発生個数を測定した。評価基準は(c)1コイル当たり5個以下、好ましくは発生ゼロであることとした。
表2に試験結果を示す。No.1から12が本発明の実施例であり、No.13から18は比較例である。
Figure 0005031520
No.1から3は、Bを添加した場合であり、式(1)から(3)を満たしている。幅方向それぞれのBH量は、5.0MPa以上、50.0MPa以下であり、幅方向3ヶ所のBH量の標準偏差σは平均値に対して10%以内であるため、BH量についての評価基準(a)と(b)を満足しており、BH量についての評価は○であった。また、1コイルあたりの表面欠陥個数は5個以下、特に希土類元素を添加したNo.1と3では発生ゼロであり、表面品質に関する評価基準(c)を満足し、表面品質についての評価は○、または◎であった。
No.4から7は、BとVを複合添加した場合であり、式(1)から(3)を満たしている。BH量の測定結果は評価基準(a)と(b)を満足しており、BH量に関する評価は○であった。そして、表面品質に関する評価基準(c)を満足したため、表面品質についての評価は○、または◎であった。
No.8から10は、BとVを複合添加した場合であり、式(1)から(3)、および式(4)を満たしている。BH量の測定結果は評価基準(a)と(b)を満たし、更に、幅方向3ヶ所のBH量の標準偏差σは平均値に対して5%以内と良好であるため、BH量についての評価は◎であった。表面品質について評価基準(c)を満たし、評価は○または◎であった。
No.11と12は、Vを添加した場合であり、式(1)から(4)を満足している。式(4)については、分母が0となり無限大であるので条件を満たしている。BH量の測定結果は評価基準(a)と(b)を満たし、更に、幅方向3ヶ所のBH量の標準偏差が平均値に対して5%以内であるため、BH量の評価は◎である。表面品質についての評価は○または◎であった。
No.13から18は比較例である。No.13はAl脱酸である。そのため、表面欠陥が多く発生し、評価基準(c)を満たさないため、表面品質についての評価は×であった。No.14から18はTi脱酸、またはTi脱酸を行って、希土類元素を添加したものである。No.14は式(1)の上限を超えてTiを含有しているため、Nだけでなく、BH量発現のために残存させるべき一部のCをTiで固定してしまったため、BH量が5.0MPa未満の場合が現れた。このため、BH量についての評価は×である。No.15はBとVを添加した場合、No.16はVを添加した場合であるが、式(2)を満たさないため、Tiに固定されないNが残存し、BH量が50MPaを超える箇所が出現した。このため、BH量についての評価は×であった。No.17と18は、式(3)を満たしていない。このため、No.17ではBH量が5.0MPa未満、No.18では50MPaを超える箇所が出現したため、評価は×であった。
Ti脱酸であり、NをTi当量より多く含有する場合において、TiNとしてのN含有量とTi含有量との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.0050%以下、Si:0.05%以下、Mn:1.0%以下、P:0.08%以下、S:0.02%以下、T.Al:0.020%以下、N:0.0030%以下であり、
    Ti含有量を下記(1)式を満たす条件とし、
    B:0.0025%以下とV:0.02%以下の一方又は両方を下記(2)式を満たすように含有し、
    Nb含有量が下記(3)式を満たし、さらに、Cu:0.06%以下、Ni:0.06%以下、Cr:0.06%以下の1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可避不純物であることを特徴とする焼付硬化性鋼板。
    Ti ≦ 48/14×(N+0.0005) (1)
    N/14 ≦ B/11+V/51 (2)
    0.0003 ≦ C−12/93×Nb ≦ 0.0025 (3)
    ただし、Tiはsol.Tiを意味し、(1)〜(3)式でTi、N、B、V、C、Nbはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。
  2. 下記(4)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の焼付硬化性鋼板。
    4.7 ≦ V/B (4)
    ただし、(4)式でB、Vはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。
  3. Ce、La、Ndの1種又は2種以上を合計で0.0005〜0.0040%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の焼付硬化性鋼板。
  4. Ti添加と同時又はその後に、Ce、La、Ndの一種又は2種以上を添加することを特徴とする、請求項に記載の焼付硬化性鋼板の製造方法。
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