JP5030925B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両の制御装置、特に車両のパワーオン/オフ(駆動/被駆動)状態に応じて自動変速機の変速制御を変更する車両の制御装置に関するものである。
一般に、自動変速機は車速やスロットル開度などの運転条件に応じて、変速マップから自動的に変速段を決定し、係合側の摩擦係合要素と解放側の摩擦係合要素のかけ替え制御(所謂クラッチツウクラッチ変速)を行って変速を行なう。このような自動変速機の変速モードには、アクセルペダルを踏み込んだ状態で変速を行うパワーオン変速と、アクセルペダルを解放した状態で変速を行うパワーオフ変速とがあり、パワーオン時とパワーオフ時とでは摩擦係合要素への油圧の給排タイミングや油圧特性が異なる。
パワーオン/オフの判定は、予め設定されたパワーオン/オフ判定値に基づいて行なわれる。この判定値はエンジン回転数とスロットル開度とに応じて設定されており、エンジン回転数が同一である場合、スロットル開度が所定値より大きい時にはパワーオン状態、スロットル開度が所定値より小さい時にはパワーオフ状態と判定される。
ところで、パワーオン/オフ判定値は予め車両の変速制御用メモリに設定されたものであり、変更できない。しかし、実際の車両には、エンジン及び変速機の個体ばらつきや経年変化があり、予め設定されたパワーオン/オフ判定値を用いてパワーオン/オフの判定を行うと、適切な変速制御ができない可能性がある。
特許文献1では、スロットル開度と車速の関係で駆動状態/被駆動状態及びその境界を曖昧領域として設定し、車両が曖昧領域にあるとき、動力源の出力を一時的に変更して車両を駆動状態又は被駆動状態のいずれかに移行させる自動変速機の変速制御装置が提案されている。特許文献2には、エンジン負荷と所定値とを比較することで、車両の駆動/被駆動を判定すると共に、エンジン負荷が所定値以下となったときにロックアップクラッチを解放し、ロックアップクラッチが解放されかつエンジン負荷が所定値近傍のときのトルクコンバータのスリップ状態から所定値を学習補正する車両の制御装置が提案されている。さらに、特許文献3には、複数のパワーオン/オフ判定値を設定しておき、シフト信号入力直前の車速に応じて複数のパワーオン/オフ判定値からいずれか1つを選択し、この選択された判定値に基づいて変速制御を行うものが提案されている。
しかしながら、特許文献1では、動力源の出力を一時的に変更して曖昧領域を避けて変速制御するため、違和感が生じる懸念がある。さらに、初期設定した駆動領域、被駆動領域及び曖昧領域自体が実際の車両と適合していない場合には、変速制御ばらつきを回避できない。特許文献2では、エンジン負荷の駆動/被駆動の境界点以下でロックアップクラッチを解放するので、コースト走行でのロックアップ継続時間が短縮される懸念がある。特許文献3では、当初選択していたパワーオン/オフ判定値に誤りがあるかどうかは変速ショックの有無から判断できるが、パワーオン/オフ判定値を直接補正するものではないので、実際の車両の特性に適合したパワーオン/オフ判定が行えるとは限らない。
特開平4−154438号公報 特開平8−178052号公報 特開平8−247271号公報
本発明の目的は、車両のばらつきや経年変化に応じて最適なパワーオン/オフ判定値を学習し、適切な変速制御を行うことができる車両の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、電子スロットル弁を有するエンジンと、複数の摩擦係合要素を有し、変速時に係合側の摩擦係合要素と解放側の摩擦係合要素のかけ替え制御を行う自動変速機とを備え、車両のパワーオン/オフ状態を判別し、各状態に応じた前記自動変速機の変速制御を実施する車両において、エンジン回転数とスロットル開度とに基づいてパワーオン/オフ判定値を初期設定する第1の手段と、前記自動変速機のダウンシフト時に、係合側の摩擦係合要素と解放側の摩擦係合要素とを共に解放して一時的にニュートラル状態とし、変速後の同期回転数を目標値として前記電子スロットル弁の開度をフィードバック制御することにより自動変速機の入力回転数を変速後の同期回転数近傍まで上昇させた後、係合側の摩擦係合要素を急速に係合させる等速シフトを実施する第2の手段と、前記等速シフトの実施時に、前記入力回転数が変速後の同期回転数近傍になった状態が所定時間継続した時点でのスロットル開度とエンジン回転数とを検出する第3の手段と、前記検出されたスロットル開度とエンジン回転数とに基づいて、前記初期設定されたパワーオン/オフ判定値を更新する第4の手段と、を備えたことを特徴とする車両の制御装置を提供する。
予めメモリに車両のパワーオン/オフ判定値を初期設定しておく。パワーオン/オフ判定値は、例えばスロットル開度とエンジン回転数とに基づいたマップデータとして設定しておけばよい。しかし、車両の個体バラツキや経年変化によって、初期設定された判定値と実際の車両の特性との間にずれが生じることがある。そこで、本発明では等速シフト制御を利用して、その時検出されたスロットル開度とエンジン回転数とからパワーオン/オフ判定値を学習するものである。等速シフトとは、公知のように、ダウンシフト時にエンジン回転数を増大させる制御である。すなわち、ダウンシフト時に係合側の摩擦係合要素と解放側の摩擦係合要素とを共に解放して一時的にニュートラル状態とし、電子スロットル弁を制御してアクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)以上にスロットル開度を開くことにより、自動変速機の入力回転数(タービン回転数)を変速後の同期回転数まで上昇させた後、係合側の摩擦係合要素を急速に係合させる制御である。
このように自動変速機を一時的にニュートラル状態(変速機以降の駆動伝達部をエンジンから切り離した状態)で、かつ入力回転数が変速後の回転数と同期した状態でのエンジン回転数とスロットル開度とを検出し、この検出値を新たなパワーオン/オフ判定値として更新するので、エンジン単体のメカロスだけでなく、実車でのトルクコンバータの引きずり、オイルポンプのメカロス、エンジン補機のメカロス等を考慮して、真のパワーオン/オフ境界値を知ることができる。つまり、エンジンが駆動力を付加する境界の運転状態でのパワーオン/オフ境界値を知ることができ、この境界値を新たなパワーオン/オフ判定値として用いるので、個体ばらつきや経年変化に対応したその車両にとって最適な変速制御を実現できる。
等速シフトを実施する場合、最初から同期回転数を目標値として電子スロットル弁をフィードバック制御してもよいが、最初は電子スロットル弁の開度を一定開度に保持して入力回転数を急速に上昇させ、入力回転数が同期回転数を含む所定範囲内に入った後、同期回転数を目標値として電子スロットル弁をフィードバック制御してもよい。この場合には、入力回転数を変速後の回転数へ短時間で同期させることができる。そして、入力回転数が変速後の回転数近傍になった状態が所定時間継続した時点でのスロットル開度とエンジン回転数とを検出すれば、過渡的な変動値をパワーオン/オフ境界値として検出する恐れがなく、正確な学習制御を実施できる。
前述では入力回転数(例えばタービン回転数)が変速後の回転数と同期した状態でのエンジン回転数とスロットル開度とを検出するようにしたが、同期判定のために入力回転数に代えてエンジン回転数を用いてもよい。すなわち、等速シフト時には自動変速機がニュートラル状態であるため、エンジン回転数とタービン回転数とはほぼ一致しているからである。
パワーオン/オフ判定値はマップで設定してもよいし、演算式によって求めてもよい。パワーオン/オフ判定値の補正又は更新は、検出値とパワーオン/オフ判定値との差が所定範囲内の場合のみ実施してもよい。その理由は、検出値とパワーオン/オフ判定値との差が僅かな場合に更新すると、パワーオン/オフ判定値が頻繁に変更され、変速制御が不安定になる可能性があり、一方、検出値とパワーオン/オフ判定値とが大きくかけ離れている場合に更新すると、判定値が大きく変化するため、運転者に違和感を与える可能性があるからである。
自動変速機は、走行状態から自動的に変速段を選択する自動変速モードの他に、手動切替え手段の操作によって変速段を選択するマニュアル変速モードを備え、等速シフトはマニュアル変速モードでのダウンシフト時に実施してもよい。本発明における等速シフトを自動変速モードにおいて実施すると、クラッチツウクラッチが適正に行われず、運転者にとって意図しないエンジン回転の吹き上がりのような現象が発生する可能性がある。これに対し、マニュアル変速モードの場合には、運転者が意識して変速を行うため、多少の違和感は問題にならないからである。
以上のように、本発明によれば、等速シフトの実施時に入力回転数が変速後の同期回転数近傍になった時点でのスロットル開度とエンジン回転数とを検出し、検出されたスロットル開度とエンジン回転数とによって初期設定されたパワーオン/オフ判定値を更新するようにしたので、初期設定されたパワーオンオフ判定値が実際の車両に適合しない場合でも、運転を経験する間に適正値へと更新され、常に適切なパワーオン/オフ判定を行なうことができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1は本発明にかかる自動変速機を搭載した車両のシステムを示す。エンジン1の出力軸1aはトルクコンバータ3を経て自動変速機2の入力軸(タービン軸)10に接続されている。入力軸10は変速機構4を介してドライブシャフト5と接続されている。この例の変速機構4は、遊星歯車装置11と複数の摩擦係合要素C1〜C3,B1,B2とを組み合わせた有段式の自動変速機構である。
エンジン1はエンジン制御用ECU(電子制御装置)20によって制御され、自動変速機2はAT制御用ECU(電子制御装置)21によって制御される。2つのECU20,21にはそれぞれ個別の信号が入力されると共に、通信用バス22によって相互に接続されている。エンジン制御用ECU20には、エンジン回転数、アクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)、スロットル開度、吸入空気量、その他(エンジン水温、吸入空気温度、エアコン信号など)の信号が入力され、予め設定されたプログラムに従いエンジン1の点火時期制御、燃料噴射量制御などを実施している。また、エンジン1には電子スロットル弁7が設けられており、この電子スロットル弁7を駆動するアクチュエータ8をエンジン制御用ECU20が制御している。
AT制御用ECU21のメモリには、変速マップ、パワーオン/オフ判定マップ、変速制御用プログラムなどが格納されている。AT制御用ECU21には車速,シフトポジション,タービン回転数,マニュアルシフト信号(又は等速シフト信号)などの信号が入力され、これら入力信号に基づき、自動変速機2に内蔵された油圧制御装置6を制御している。すなわち、油圧制御装置6は複数のソレノイドバルブ24〜26を備えており、これらソレノイドバルブ24〜26をAT制御用ECU21で制御することにより、変速機構4に内蔵されている各種摩擦係合要素の油圧を制御し、変速制御を実施している。なお、図1では油圧制御装置6が3個のソレノイドバルブを有する例を示したが、3個以上のソレノイドバルブを備えていてもよいことは勿論である。
図2は自動変速機2の内部構造を示す。変速機構4は、トルクコンバータ3を介してエンジン動力が伝達される入力軸10、摩擦係合要素である3個のクラッチC1〜C3及び2個のブレーキB1,B2、ワンウエイクラッチF、ラビニヨウ型遊星歯車装置11を備えている。遊星歯車装置11のフロントサンギヤ11aと入力軸10とはC1クラッチを介して連結されており、リヤサンギヤ11bと入力軸10とはC2クラッチを介して連結されている。キャリヤ11cはセンタ軸15と連結され、センタ軸15はC3クラッチを介して入力軸10と連結されている。また、キャリヤ11cはB2ブレーキとキャリヤ11cの正転(エンジン回転方向)のみを許容するワンウェイクラッチFとを介して変速機ケース16に連結されている。キャリヤ11cは2種類のピニオンギヤ11d,11eを支持しており、フロントサンギヤ11aは軸長の長いロングピニオン11dと噛み合い、リヤサンギヤ11bは軸長の短いショートピニオン11eを介してロングピニオン11dと噛み合っている。ロングピニオン11dのみと噛み合うリングギヤ11fは出力ギヤ12に結合されている。出力ギヤ12はカウンタ軸13を介して差動装置14と接続されている。
図3は、摩擦係合要素であるクラッチC1,C2,C3、ブレーキB1,B2及びワンウェイクラッチFの作動を示し、●は油圧の作用状態を示している。C1クラッチはRレンジのみ係合され、C2クラッチはDレンジの1〜3速で係合され、C3クラッチはDレンジの3,4速で係合され、B1ブレーキはDレンジの2,4速で係合され、B2ブレーキはRレンジとLレンジ(図示せず)で係合される。図3に示すように、2速−3速間、3速−4速間で摩擦係合要素のかけ替え(クラッチツウクラッチ)を実施している。
図4は自動変速機2のシフトレバー9を操作するためのゲート構造の一例を示す。P,R,N,D,Lの各レンジが一列に設けられ、Dレンジの側部にマニュアルシフトレンジであるSレンジが設けられている。Dレンジは走行状態から自動的に変速段を選択する自動変速モードであり、Sレンジはシフトレバー9の手動操作によって変速段を選択するマニュアル変速モードである。シフトレバー9をDレンジからSレンジへ横方向に操作した後、前後(+又は−)方向に操作することにより、1速段ずつアップシフト(+)又はダウンシフト(−)することができる。Sレンジで達成できる変速段はDレンジと同様であり、係合/解放される摩擦係合要素もDレンジと同じである。シフトレバー9には、各レンジ位置を検出するシフトポジションセンサ(図示せず)と、Sレンジでアップシフト方向及びダウンシフト方向に操作した時のマニュアルシフト信号を出力できるスイッチ(図示せず)が設けられている。図4ではマニュアルシフト信号をシフトレバー9をSレンジ内で前後方向に操作することによって出力するようにしたが、これに限らず、例えばアップスイッチ/ダウンスイッチをステアリンホイールやインストルメントパネルなどに設け、これらスイッチを手動操作することによってマニュアルシフト信号を出力するようにしてもよい。
マニュアル変速モード(Sレンジ)でのダウンシフト時であって、所定の条件を満足したとき、等速シフトを実施できるようになっている。等速シフトとは、通常のクラッチツウクラッチを伴う変速制御とは異なり、ダウンシフト時に係合側の摩擦係合要素と解放側の摩擦係合要素とを共に解放して一時的にニュートラル状態とし、電子スロットル弁をアクセル開度以上に制御して、タービン回転数を変速後の同期回転数まで上昇させた後、係合側の摩擦係合要素を急速に係合させる制御である。等速シフトにおいて、タービン回転数が変速後の同期回転数の近傍範囲になった時に検出されたスロットル開度とエンジン回転数とから、後述するパワーオン/オフ判定値を学習補正することができる。
図5の実線はAT制御用ECU21のメモリに初期設定されたパワーオン/オフ判定マップの一例であり、横軸をエンジン回転数、縦軸をスロットル開度にとってある。図5から明らかなように、エンジン回転数が同一の場合、スロットル開度が大きい時にはパワーオン状態、スロットル開度が小さい時にはパワーオフ状態と判定する。パワーオフ領域は、高エンジン回転域において拡大するように設定されている。図5の破線は、等速シフト時にスロットル開度とエンジン回転数とを複数ポイント学習し、これを直線補間することで得られた補正後のパワーオン/オフ判定値を示す。ここでは、高スロットル側へ補正された例を示しているが、実車に応じて低スロットル側へ補正される場合もあれば、パワーオン/オフ判定線の勾配が変化することもある。
ここで、等速シフト中の学習ポイント採取のための方法を図6にしたがって説明する。スタートすると、最初にマニュアルダウン操作がされ、かつ等速シフト制御実行可能フラグF1=1であるかどうかを判定する(ステップS1)。F1=1とは、等速シフト制御が実行可能であることを意味し、これはクラッチツウクラッチを伴うダウンシフト(例えば4→3,3→2変速)である場合を指す。ステップS1が肯定された場合、次に等速制御中フラグF2=1でかつ等速シフト中のフィードバック制御中フラグF3=1であるかどうかを判定する(ステップS2)。F2=1かつF3=1であれば、等速シフトのフィードバック制御中であることを意味するので、次に変速後の目標タービン回転数(targetNT)と実タービン回転数NTとの差が所定値以下であり(条件A)、かつこの条件Aを満足した状態が所定時間経過しているかどうかを判定する(ステップS3)。ステップS3は、実タービン回転数が変速後の同期回転数近傍になり、かつその回転数で安定しているかどうかを判定するものである。ステップS1〜S3のいずれかが否定された場合には、スタートに戻る。
ステップS3が肯定された場合には、所定時間経過した時点を学習ポイントと判定し、その時点のエンジン回転数Ne1と電子スロットル弁の開度TA1とを検出する(ステップS4)。次に、学習ポイントにおけるエンジン回転数Ne1と初期設定されたパワーオン/オフ判定マップmTALINEとから、スロットル開度TA2を算出する(ステップS5)。次に、等速シフトで検出されたスロットル開度TA1とパワーオン/オフ判定マップから算出されたスロットル開度TA2との差を所定値Kmin,Kmaxと比較する(ステップS6)。これら所定値Kmin,Kmaxは、エンジン回転数Ne1とスロットル開度TA1とを学習ポイントとして採用するかどうかを判定するための基準値である。TA1−TA2<Kminであれば、検出値TA1と初期設定値TA2との差が僅かであり、パワーオン/オフ判定値が頻繁に変更されるのを回避するため、学習ポイントとして採用しない。一方、Kmax<TA1−TA2の場合には、検出値TA1と初期設定値TA2とが大きくかけ離れ、補正量が大き過ぎるので、学習ポイントとして採用しない。Kmin≦TA1−TA2≦Kmaxである場合のみ、学習ポイントとしてスロットル開度TA1とエンジン回転数Ne1をメモリし(ステップS7)、フローを終了する。
図7は、図6でメモリした学習ポイントにおけるエンジン回転数Ne1とスロットル開度TA1を学習値として反映させる方法を示す。スタートすると、学習回数が所定回数以上成立したかどうかを判定する(ステップS8)。学習回数が所定回数以上成立したかどうかを判定する理由は、エンジンならし状態のような新車における学習を除外し、学習回数が所定回数以上になってから判定値を更新するためである。学習回数が所定回数以上の場合、学習値から直線補間してパワーオン/オフ判定マップmTALINEの格子点毎のスロットル開度TAを算出することで学習値を反映する(ステップS9)。つまり、車両の個体ばらつきや経年変化によって、初期設定されたパワーオン/オフ判定値が実際の車両に適合しない場合でも、等速シフト時に検出されたエンジン回転数Ne1,スロットル開度TA1に基づいてパワーオン/オフ判定値を更新するので、運転時間が経過するに従い最適なパワーオン/オフ判定値に近づけることができる。
図8は、3速→2速への等速シフト時におけるエンジン回転数,タービン回転数、解放側指令圧(解放側係合要素の油圧)、係合側指令圧(係合側係合要素の油圧)、電子スロットル弁の開度の時間変化を示す。時刻t1で3速から2速へのマニュアルダウン指令が出ると、解放側指令圧を即座にドレーンし、係合側指令圧の油圧の立ち上がりを延期する。時刻t2で等速シフトを開始するために電子スロットル弁を所定開度まで開き、エンジン回転を所定勾配で上昇させる(フィードフォワード制御)。このとき、両方の係合要素の油圧が共に解放されているため、自動変速機2はニュートラル状態となる。そのため、変速機以降の駆動伝達部がエンジンから切り離され、タービン回転数はエンジン回転数の上昇につれて上昇する。やがて、時刻t3でタービン回転数(又はエンジン回転数)が変速後の同期回転数より所定値だけ低い値まで上昇すると、それまでのフィードフォワード制御を終了し、変速後の同期回転数を目標値として電子スロットル弁をフィードバック制御する。なお、ニュートラル期間中、係合準備のために係合側係合要素にトルクを発生させない程度の低い油圧を供給しておくのがよい。時刻t4でタービン回転数(又はエンジン回転数)が変速後の回転数に同期すると、その時点(学習ポイント)におけるエンジン回転数Ne1とスロットル開度TA1とをメモリし、フィードバック制御を終了する。フィードバック制御の終了とほぼ同時に、係合側指令圧を急速に上昇させて係合側係合要素を締結する。係合側指令圧を一気に上昇させても、既にエンジン回転数(タービン回転数)が変速後の回転数に同期しているので、ショックは発生しない。
図8では、等速シフトの開始直後は電子スロットル弁の開度をフィードフォワード制御し、タービン回転数が目標値近傍になってからフィードバック制御するようにしたが、等速シフトの開始直後からフィードバック制御を実施してもよい。フィードフォワード制御、フィードバック制御のほか、制御方法は任意に選択できる。
パワーオン/オフ判定値(マップ)は、エンジン本体だけでなく、エアコンやオルタネータのような補機の作動状況によっても変化する。本発明の制御装置は、補機の影響も含んだパワーオン/オフ境界値を検出することが可能であるため、例えば補機の作動時と非作動時のパワーオン/オフ判定値を個別に設定しておき、補機の作動/非作動に応じてそれぞれのパワーオン/オフ判定値を学習補正するようにしてもよい。
本発明の自動変速機は、図2に示すような3個のクラッチC1〜C3と2個のブレーキB1,B2を有する自動変速機に限るものではないことは勿論であり、等速シフト時にある係合要素を係合させ、別の係合要素を解放するものであれば適用できる。前記実施例では、シフトレバーをマニュアル変速モードとし、クラッチツウクラッチを行うダウンシフト時に等速シフトを自動的に実施するようにしたが、このような条件に関係なく、例えば専用の等速シフトスイッチを設け、この等速シフトスイッチを操作することによって、初めて等速シフトを実施するようにしてもよい。
本発明における車両用自動変速機を搭載したシステム図である。 図1の自動変速機の変速機構のスケルトン図である。 図2に示す変速機構の各摩擦係合要素の作動表である。 シフトレバーの操作ゲート図である。 車両のパワーオン/オフ判定マップである。 本発明にかかる等速シフト時の学習点を採取するためのフローチャート図である。 学習値の反映方法を示すフローチャート図である。 3速→2速への等速シフト時におけるエンジン回転数,タービン回転数、解放側指令圧、係合側指令圧、及び電子スロットル弁開度の時間変化図である。
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
3 トルクコンバータ
4 変速機構
6 油圧制御装置
7 電子スロットル弁
8 アクチュエータ
C1〜C3 摩擦係合要素
B1,B2 摩擦係合要素
20 エンジン制御用ECU
21 AT制御用ECU
24〜26 ソレノイドバルブ

Claims (2)

  1. 電子スロットル弁を有するエンジンと、複数の摩擦係合要素を有し、変速時に係合側の摩擦係合要素と解放側の摩擦係合要素のかけ替え制御を行う自動変速機とを備え、車両のパワーオン/オフ状態を判別し、各状態に応じた前記自動変速機の変速制御を実施する車両において、
    エンジン回転数とスロットル開度とに基づいてパワーオン/オフ判定値を初期設定する第1の手段と、
    前記自動変速機のダウンシフト時に、係合側の摩擦係合要素と解放側の摩擦係合要素とを共に解放して一時的にニュートラル状態とし、変速後の同期回転数を目標値として前記電子スロットル弁の開度をフィードバック制御することにより自動変速機の入力回転数を変速後の同期回転数近傍まで上昇させた後、係合側の摩擦係合要素を急速に係合させる等速シフトを実施する第2の手段と、
    前記等速シフトの実施時に、前記入力回転数が変速後の同期回転数近傍になった状態が所定時間継続した時点でのスロットル開度とエンジン回転数とを検出する第3の手段と、
    前記検出されたスロットル開度とエンジン回転数とに基づいて、前記初期設定されたパワーオン/オフ判定値を更新する第4の手段と、を備えたことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記自動変速機は、走行状態から自動的に変速段を選択する自動変速モードの他に、手動切替え手段の操作によって変速段を選択するマニュアル変速モードを備え、前記等速シフトは前記マニュアル変速モードでのダウンシフト時に実施されることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
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