JP5030377B2 - 変性ラテックス、及び天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品 - Google Patents

変性ラテックス、及び天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品 Download PDF

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本発明は、天然ポリイソプレノイドラテックスをラテックス状態のまま水素添加して構造変性し、飽和度を高めた高分子体とした変性ラテックスと、前記変性ラテックスを用いて調製又は作製された天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品に関する。
天然ポリイソプレノイドはヘベアブラジリエンシス種(ヘベア種ゴムノキ)の樹木から採取される天然ゴムに代表される、ある種の植物やキノコが生合成により作り出すイソプレン単位(C58)で構成される重合体の総称である。天然ポリイソプレノイドは、ヘベア種ゴムノキのほか、インドゴムノキ、トチュウ、チチタケなどのラクタリウス(Lactarius)属キノコ等の多くの植物やキノコから産生されることが知られている。しかし、天然ゴム以外の天然ポリイソプレノイドはほとんど工業的に利用されていない。これは、ゴムとして利用するには、多くのポリイソプレノイドの立体構造が天然ゴムほど規則的でないこと、重合度が小さく分子量が十分大きくないこと、多量に産出させることが経済的に難しいことなどの理由による。
一方、天然ゴムは、その栽培方法、品質の安定化など長年の研究と努力により、安定に、しかも安価に供給されるようになっており、タイヤをはじめとする種々のゴム製品に用いられている最も汎用的なゴム材料である。この天然ゴムは、ゴム弾性や強度に優れるが、耐油性、耐薬品性、耐熱性、耐候性に劣る特徴がある。このため、優れたエコマテリアルであるにもかかわらず、用途は限られ、いわゆる高性能、多機能材料としては使用されない。
また、天然ポリイソプレノイドラテックスは、樹木からラテックス状態で採取され、手袋、カテーテル、コンドームなどの浸漬製品や、水系塗料及びコーティング剤の原料として利用されている。しかし、これらのラテックス製品においても、耐熱性、耐候性等が十分でなく、これらの特性の向上が求められている。
ジャーナル オブ アプライド ポリマー サイエンス(Journal of Applied Polymer Science)、第66巻、第1647頁〜第1652頁(1997年)には、天然ゴムを有機溶媒中、ロジウム錯体触媒の存在下、100℃の温度で水素と反応させて、天然ゴムの水素添加物を得る方法が記載されている。しかし、この文献における研究は水素化反応の速度論的研究とポリマーの熱的物性の研究にとどまっている。
ジャーナル オブ アプライド ポリマー サイエンス(Journal of Applied Polymer Science)、第66巻、第1647頁〜第1652頁(1997年)
本発明の目的は、天然ポリイソプレノイドラテックスを原料として製造でき、高い耐熱性及び耐候性を備えた製品を得る上で有用な変性ラテックスと、該変性ラテックスより得られる製品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、天然ポリイソプレノイドラテックスをラテックス状態のまま水素添加して得られる変性ラテックスから得られる製品が高い耐熱性及び耐候性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は天然ポリイソプレノイドラテックスを水素添加して得られる変性ラテックスを用いて調製又は作製された天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品を提供し、ここで、上記変性ラテックス中の天然ポリイソプレノイド水素添加物の水素添加率は95%以上であり、この天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品は加熱加硫により成形加工され、上記天然ポリイソプレノイド水素添加物は、溶媒中、水素化触媒の存在下で、天然ポリイソプレノイドを水素と反応させて得られる高分子であり、天然ポリイソプレノイド水素添加物の重量平均分子量が20万以上であり、且つ分子量分布が2.0以上である。
1つの実施形態において、該天然ポリイソプレノイドラテックスは、ヘベア種ゴムノキ、インドゴムノキ、トチュウ又はラクタリウス(Lactarius)属キノコ由来のラテックスである。
本発明はまた、95%以上の水素添加率を有する天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体を含むゴム組成物を、架橋を伴った成形加工に付す工程を包含し、該成形加工が、浸漬法による皮膜成形であり、該天然ポリイソプレノイド水素添加物が、水素化触媒の存在下で、天然ポリイソプレノイドを水素と反応させて得られる高分子であり、該天然ポリイソプレノイド水素添加物の重量平均分子量が20万以上であり、且つ分子量分布が2.0以上である、天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品の製造法を提供する。
本発明の変性ラテックスより得られる天然ポリイソプレノイド水素添加物含有製品は、高い耐熱性と耐候性を備える。また、耐薬品性、耐寒性、機械的特性等の点でも優れている。さらに、植物由来の原料を用いるため、資源、環境の面でも好ましい。
本発明の変性ラテックスは天然ポリイソプレノイドラテックスをラテックス状態(水性乳濁液状態)のまま水素添加して得られる。天然ポリイソプレノイドラテックスとしては、イソプレン単位(C58)を構成単位とする重合体のラテックスであれば特に限定されないが、代表的な例として、ヘベア種ゴムノキ、インドゴムノキ、トチュウ等の植物由来のポリイソプレノイドラテックス、チチタケなどのラクタリウス(Lactarius)属キノコ等のキノコ由来のポリイソプレノイドラテックスが挙げられる。天然ポリイソプレノイドラテックスとしては、植物やキノコから採取したものをそのまま用いてもよく、また、それを適当な濃度にまで希釈又は濃縮したもの、脱蛋白処理等の適宜な処理を施したものを用いてもよい。
天然ポリイソプレノイドラテックスの水素添加反応は、例えば、天然ポリイソプレノイドラテックスを、水素化触媒の存在下、水素と反応させることにより行われる。反応で使用する水素化触媒としては、炭素−炭素二重結合の水素添加に一般に用いられる均一系又は不均一系触媒を用いることができる。均一系触媒としては、例えば、RhCl(PPh33等のロジウム錯体触媒などの金属錯体触媒(特に、周期表第8族、第9族又は第10族金属元素を含む錯体触媒);カルボン酸ニッケル−トリアルキルアルミニウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウムなどの金属塩或いは金属を含むイオン性化合物(特に、周期表第8族、第9族又は第10族金属元素を含む金属塩)などが挙げられる。また、不均一系触媒としては、例えば、Pd/CaCO3、Pd/C等のパラジウム触媒などの固体触媒(特に、周期表第8族、第9族又は第10族金属元素を含む触媒活性成分を担体に担持した触媒)などが用いられる。触媒の使用量は、触媒の種類等によっても異なるが、一般には、原料として用いる天然ポリイソプレノイドラテックス中の天然ポリイソプレノイドに対して0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%程度である。
触媒として塩化パラジウム等の金属塩を用いる場合、触媒の可溶化のため、塩化ナトリウムなどの塩を系内に添加してもよい。なお、触媒として塩化パラジウム等の金属塩を用いた場合には、該金属塩は反応系中で還元されて、高い触媒活性を有する金属超微粒子が生成する。
反応温度は、触媒の種類等によって異なるが、例えば、前記金属錯体触媒などを用いる場合には、例えば0〜100℃、好ましくは10〜70℃程度の範囲から選択できる。また、塩化パラジウム等の金属塩などを用いる場合には、例えば0〜100℃、好ましくは10〜60℃程度である。反応温度が高すぎると、ラテックスが凝固しやすくなるとともに、分子切断(低分子量化)などの副反応が多く進行し、所望の特性(機械的強度や熱的特性)が得られにくくなる。また、反応温度が低すぎると反応速度が低下し、生産性の点で不利である。
反応圧力としては、反応効率、操作性、装置のコスト等を考慮して適宜選択でき、触媒の種類や反応温度等によっても異なるが、例えば前記金属錯体触媒などを用いる場合には、通常0.1〜15MPa、好ましくは2〜10MPaである。また、塩化パラジウム等の金属塩などを用いる場合には、通常大気圧〜15MPa、好ましくは大気圧〜10MPaである。反応時間は、反応温度や反応圧力に応じて適宜選択できる。
反応は、水素の存在下又は水素の流通下で行われ、反応方式は、バッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方式も採用できる。反応終了後、反応混合液から濾過等の手段で触媒を除去することにより変性ラテックスを得ることができる。なお、塩化パラジウム等の金属塩を触媒として用いた場合には、反応終了後、反応混合液を酸素又は空気の存在下で撹拌したり、或いは反応混合液に適当な酸化剤(例えば、過酸化水素等)を添加すると、系内で一旦還元されて生成した金属が酸化されて凝集し、粒径が大きくなり、濾過等による除去が容易になる。
こうして得られる変性ラテックス中の天然ポリイソプレノイド水素添加物の水素添加率は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上(中でも95%以上)である。水素添加率が高いほど、耐熱性、耐老化性、耐候性、耐摩耗性、SET性に優れた製品を得ることができる。なお、水素添加率rは原料である天然ポリイソプレノイド中の炭素−炭素二重結合の水素添加された割合[r=(D0−D)/D0×100(%);D0は天然ポリイソプレノイド中の炭素−炭素二重結合の量(mol/g)、Dは反応後の水素添加物中の炭素−炭素二重結合の量(mol/g)である]を示す。本明細書では、天然ポリイソプレノイド中の炭素−炭素二重結合の量D0は、便宜上、イソプレンのホモポリマーと仮定した場合の値を採用する。反応後の水素添加物中の炭素−炭素二重結合の量Dは、1H−NMR又はヨウ素価測定により求めることができる。なお、水素添加された部位は、通常エチレン−プロピレン交互共重合構造を有している。天然ポリイソプレノイド水素添加物としては、主鎖の少なくとも50%以上(好ましくは70%以上、特に90%以上、とりわけ95%以上)がエチレン−プロピレン交互共重合構造となっているのが望ましい。
天然ポリイソプレノイド水素添加物の重量平均分子量は、例えば20万以上、好ましくは40万以上、さらに好ましくは60万以上である。重量平均分子量が小さすぎると、物理的強度及びクリープ特性が低下し、好ましくない。重量平均分子量の上限については特に制限はないが、例えば300万程度である。なお、前述のように、水素添加反応の反応温度が高すぎると、重量平均分子量が小さくなる。
天然ポリイソプレノイド水素添加物の分子量分布[Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)]は、例えば2.0以上、好ましくは2.3以上、さらに好ましくは2.6以上である。分子量分布が小さすぎると、加工性が低下し、好ましくない。分子量分布の上限については特に制限はないが、例えば7.0程度である。なお、水素添加反応の反応温度が高すぎると、高分子量側のポリマーが切断されやすくなり、分子量分布が小さくなる。
本発明の天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品は、こうして得られた変性ラテックスを用いて調製又は作製されている。例えば、前記変性ラテックス又はその変性体(グラフト変性体、エポキシ変性体、カルボキシル化変性体、架橋体等)に、着色剤(顔料、染料)、可塑剤、分散剤、増粘剤、防かび剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、粘着付与樹脂等の添加剤を添加することにより、ラテックス型塗料(水系塗料)、下塗り剤、コーティング剤、シーリング剤、接着剤などを調製することができる。また、前記変性ラテックスに、必要に応じて、素練り促進剤、軟化剤・可塑剤、架橋用配合剤、老化防止剤、発泡剤、カップリング剤、加工助剤、着色剤、充填剤、補強剤などの各種配合剤を添加、配合し、成形加工(特に、架橋を伴った成形加工)に付すことにより種々の製品を製造できる。
素練り促進剤としては、例えば、芳香族ジスルフィド系化合物、芳香族メルカプタン金属塩系化合物などが挙げられる。軟化剤・可塑剤には、鉱物油系軟化剤、植物油系軟化剤、合成軟化剤などが含まれる。
架橋用配合剤には、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、スコーチリターダ等が使用される。架橋剤としては、硫黄や不溶性硫黄(加硫剤)、ジクミルペルオキシド等の過酸化物(パーオキサイド)、オキシムなどが挙げられる。架橋剤の使用量は、天然ポリイソプレノイド水素添加物100重量部に対して、例えば0.3〜5重量部程度である。加硫促進剤としては、例えば、グアニジン系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバミン酸塩系化合物、チアゾール系化合物、スルフェンアミド系化合物などが挙げられる。加硫促進剤の使用量は、天然ポリイソプレノイド水素添加物100重量部に対して、例えば0.2〜5重量部程度である。加硫促進助剤としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)などが挙げられる。加硫促進助剤の使用量は、天然ポリイソプレノイド水素添加物100重量部に対して、例えば1〜10重量部程度である。スコーチリターダとしては、例えば、無水フタル酸、N−シクロヘキシルチオフタルイミドなどが挙げられる。
老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、硫黄系二次老化防止剤、リン系二次老化防止剤、トリブチルチオウレア、ワックスなどが挙げられる。発泡剤には、無機発泡剤及び有機発泡剤が含まれる。カップリング剤としては、白色充填剤用カップリング剤、カーボンブラック用カップリング剤などが用いられる。加工助剤としては、パラフィン、炭化水素樹脂、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ステアリン酸ブチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリルアルコールなどの高級脂肪族アルコール、グリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸金属塩などの滑剤;クマロン樹脂、フェノール樹脂・テルペン系樹脂、石油系炭化水素樹脂、ロジン誘導体等の粘着付与剤などが挙げられる。加工助剤の使用量は、天然ポリイソプレノイド水素添加物100重量部に対して、例えば0.1〜10重量部程度である。
着色剤としては、無機顔料、有機顔料が使用される。また、充填剤としては、カーボンブラック、シリカなどの補強性充填剤;補強用短繊維;クレー・タルク類、炭酸塩類、アルミナ水和物、硫酸バリウムなどの非補強性充填剤;導電性物質などの機能性充填剤などが挙げられる。充填剤の使用量は、天然ポリイソプレノイド水素添加物100重量部に対して、例えば1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部程度である。
前記成形加工としては、特に制限はなく、ラテックスを原料として成形品を作製する際に通常行われる方法を採用できる。ラテックスを用いる代表的な成形加工として、浸漬法による皮膜成形が挙げられる。浸漬法による皮膜成形は、例えば、前記変性ラテックスに、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等を配合して変性ラテックス組成物を調製し、これに、アノード浸漬法により、内面に凝固液を均一に付着させた型を浸漬して皮膜を形成した後、適当な温度で加熱加硫することにより行われる。このような皮膜成形により得られる製品(浸漬製品)として、例えば、ゴム手袋、カテーテル、コンドーム、指サックなどが挙げられる。
こうして得られた本発明の天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品は、天然ゴム製品と比較して、特に耐熱性及び耐候性に優れる。また、機械的特性、耐寒性、加工性、疲労耐久性、耐薬品性等にも優れている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、ポリマーの平均分子量及び分子量分布の測定は、ゲル浸透クロマトグラフィー装置(GPC)を用い、以下の条件で行った。
検出器:示差屈折計(RI)
注入液:サンプルの0.1重量%テトラヒドロフラン溶液
溶離液:テトラヒドロフラン
定量 :標準ポリスチレン換算
実施例1
塩化パラジウム0.3g、塩化ナトリウム0.5g及び水10gをビーカーに入れ、完全に溶解するまで撹拌混合して触媒水溶液を調製した。内容積200mlのオートクレーブに、脱蛋白天然ゴムラテックス(固形ゴム分60重量%)50gと上記の触媒水溶液を入れ、容器内部を水素置換した後、水素により加圧し(10atm=1.01MPa)、撹拌しながら30℃で24時間反応させた。容器内を除圧し、開放系のまま空気雰囲気下で引き続き12時間撹拌した。反応混合液を濾過して触媒を除去した。
得られた水素化天然ゴムラテックス(変性ラテックス)166.7重量部に、ボールミルで粉砕した硫黄1重量部、亜鉛華0.5重量部、及び加硫促進剤[商品名「ノクセラーBZ」、大内新興化学工業(株)製]1重量部を添加してゴムラテックス組成物を調製した。このゴムラテックス組成物に、アノード浸漬法により、凝固液(30重量%硝酸カルシウム水溶液)を均一に付着させた50℃に加温した陶器製板を浸漬し、直ちに引き上げ、100℃で30分間オーブン中で加熱加硫して加硫シート(厚さ:100μm)を得た。
なお、上記水素化天然ゴムラテックス中の高分子体(水素化天然ゴム)の水素添加率は95%であり、重量平均分子量(Mw)は100万、分子量分布(Mw/Mn)は3.2であった。
実施例2
実施例1において、反応時間を48時間とした以外は実施例1と同様の操作を行って、水素化天然ゴムラテックス(変性ラテックス)を得た。得られた水素化天然ゴムラテックス166.7重量部に、ボールミルで粉砕した硫黄1重量部、亜鉛華0.5重量部、及び加硫促進剤[商品名「ノクセラーBZ」、大内新興化学工業(株)製]1重量部を添加してゴムラテックス組成物を調製した。このゴムラテックス組成物に、アノード浸漬法により、凝固液(30重量%硝酸カルシウム水溶液)を均一に付着させた50℃に加温した陶器製板を浸漬し、直ちに引き上げ、100℃で30分間オーブン中で加熱加硫して加硫シート(厚さ:100μm)を得た。
なお、上記水素化天然ゴムラテックス中の高分子体(水素化天然ゴム)の水素添加率は99%であり、重量平均分子量(Mw)は90万、分子量分布(Mw/Mn)は3.0であった。
比較例1
脱蛋白天然ゴムラテックス(固形ゴム分60重量%)166.7重量部に、ボールミルで粉砕した硫黄1重量部、亜鉛華0.5重量部、及び加硫促進剤[商品名「ノクセラーBZ」、大内新興化学工業(株)製]1重量部を添加してゴムラテックス組成物を調製した。このゴムラテックス組成物に、アノード浸漬法により、凝固液(30重量%硝酸カルシウム水溶液)を均一に付着させた50℃に加温した陶器製板を浸漬し、直ちに引き上げ、100℃で30分間オーブン中で加熱加硫して加硫シート(厚さ:100μm)を得た。
なお、上記脱蛋白天然ゴムラテックス中の天然ゴムの重量平均分子量(Mw)は120万、分子量分布(Mw/Mn)は5.7である。
物性評価試験
実施例及び比較例で得られたシートにつき、耐熱性試験及び耐候性試験を行った。その結果を表1に示す。
(耐熱性試験)
シートを1号ダンベル(10mm幅短冊状;JIS)で打ち抜き、100℃で96時間ギアオーブン中で熱老化後、シート表面の状態を調べ、以下の基準で耐熱性を評価した。
○:変化無し
△:表面が若干粘着性を帯びている
×:表面の粘着性が著しい
(耐候性試験)
JIS K 6259に準拠し、シートを1号ダンベル(10mm幅短冊状)で打ち抜き、50%伸長させ、専用ホルダーに固定し、40℃、オゾン濃度50pphmの雰囲気下に96時間置き、オゾンクラックを調べた。
○:変化無し
△:細かな亀裂が少量発生した
×:大きな亀裂が多数発生した
Figure 0005030377

Claims (3)

  1. 天然ポリイソプレノイドラテックスを水素添加して得られる変性ラテックスを用いて調製又は作製された天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品であって、
    該変性ラテックス中の天然ポリイソプレノイド水素添加物の水素添加率が95%以上であり、
    該天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品が加熱加硫により成形加工され、
    天然ポリイソプレノイド水素添加物が、溶媒中、水素化触媒の存在下で、天然ポリイソプレノイドを水素と反応させて得られる高分子であり、天然ポリイソプレノイド水素添加物の重量平均分子量が20万以上であり、且つ分子量分布が2.0以上である、
    天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品。
  2. 天然ポリイソプレノイドラテックスが、ヘベア種ゴムノキ、インドゴムノキ、トチュウ又はラクタリウス(Lactarius)属キノコ由来のラテックスである請求項1記載の天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品
  3. 95%以上の水素添加率を有する天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体を含むゴム組成物を、架橋を伴った成形加工に付す工程を包含し、
    該成形加工が、浸漬法による皮膜成形であり、
    該天然ポリイソプレノイド水素添加物が、水素化触媒の存在下で、天然ポリイソプレノイドを水素と反応させて得られる高分子であり、
    該天然ポリイソプレノイド水素添加物の重量平均分子量が20万以上であり、且つ分子量分布が2.0以上である、
    天然ポリイソプレノイド水素添加物又はその変性体含有製品の製造法。
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