JP5029960B2 - 高温部品の内面冷却構造 - Google Patents
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Description
そこでこのような内面冷却構造の性能を把握しその冷却性能を高めるため、多くの研究が従来から行われている(例えば、特許文献1〜3、非特許文献1)。
前記内面の少なくとも一部に内面に沿って一体的に設けられ熱伝達率を高める熱伝達促進部材と、
該熱伝達促進部材と隙間を隔てて対向する平滑面を有する平滑部材とを備え、
前記熱伝達促進部材と平滑部材の間を前記冷却空気が流れ、前記熱伝達促進部材により高温部品の内面を冷却する、ことを特徴とする高温部品の内面冷却構造が提供される。
該中空インサートは、高温部品の内面をインピンジ冷却するためのインピンジ冷却孔を有し、
該インピンジ冷却孔を通してその内側から高温部品の内面をインピンジ冷却した冷却空気が中空インサートと前記内面との隙間を流れる。
前記冷却空気が前記熱伝達促進部材と前記別部分の間を流れる。
前記バンプは、前記冷却空気の流れ方向に対し交叉する2方向にそれぞれ一定のピッチで配置され、
前記ディンプルは、前記バンプに対して千鳥配置に前記2方向にそれぞれ一定のピッチで配置され、
前記リブは、前記2方向に延びかつ前記バンプ間を連結して配置されている。
前記バンプの高さh1は、0.8H〜0.9Hであり、
前記ディンプルの深さh2は、0.5H〜0.7Hであり、
前記リブの高さh3は、0.3H〜0.4Hであり、
前記冷却空気は、バンプに衝突し、リブを乗り越え、ディンプルで減速しながらそれぞれ乱れを形成して熱伝達率を高める。
従って、この構成により、中空インサートが別部品であることから熱伝達促進部材を高温部品の内面に沿って精密鋳造や機械加工により一体的に設けることが容易であり、かつ従来の二重壁構造に匹敵する高い冷却性能を得ることができる。
このように翼の後縁部に用いた場合は、背腹で冷却性能を最適化することが可能で、冷却空気流量の削減に寄与できる。
なお高温部品1は静翼に限定されず、動翼その他の部品であってもよい。
この例において、熱伝達促進部材10は、高温部品1の内面3の全面に設けてもよく、或いは特に高い熱伝達率を必要とする部分のみに設けてもよい。
この例において、平滑部材20は、中空インサート21と高温部品1の別部分22からなる。
中空インサート21の内側に供給した低温空気5は、このインピンジ冷却孔21aを通してその内側から高温部品1の内面3をインピンジ冷却し、次いでインピンジ冷却後の冷却空気5が中空インサート21の外面(平滑面)と高温部品1の内面3との隙間を流れるようになっている。
翼の後縁部の背側内面には上述した熱伝達促進部材10が設けられ、高温部品の別部分22は、熱伝達促進部材10と隙間を隔てて対向し、上述したインピンジ冷却後の冷却空気5が熱伝達促進部材10と別部分22の間を流れるようになっている。
バンプ12は、直径d1の突起部であり、冷却空気5の流れ方向に対し(例えば、45度の角度で)交叉する2方向(この図で左右方向と上下方向)にそれぞれ一定のピッチPで配置されている。
またディンプル14は、直径d2の凹部であり、バンプ12に対して、1/2ピッチずれた千鳥配置に、バンプと同じ2方向(この図で左右方向と上下方向)にそれぞれ一定のピッチPで配置されている。
またリブ16は、バンプと同じ2方向に延び、かつバンプ12間を連結して配置されている。
なおこの例において、上記2方向(この図で左右方向と上下方向)のピッチPは同一であるが、別のピッチにしてもよい。
この図において、6は高温部品1の内面3の基準面、7は平滑部材20(21,22)の平滑面である。基準面6は、例えば熱伝達促進部材10がない部分の高温部品1の内面3に相当する。以下、基準面6と平滑面7との隙間をHとする。
ディンプル14は、直径d2、深さh2の凹部であり、h2/H=0.6である。
リブ16は、バンプ12間を連結する高さh3の矩形の棒状部材であり、h2/H=0.36である。なお、各部分のエッジ部には丸みを設けている。
なお、本発明はこれらの値に限定されず、任意に拡大/縮小することができる。この場合、レイノルズ数を2500〜10000に設定するのがよい。
また、図中の4本の曲線は、ピンのみ、ピン+ディンプル、ピン+リブ、ピン+ディンプル+リブの場合である。なおこのピンは本発明のバンプに相当するが、ピンは高温側と低温側を直接連結するのに対して、バンプは高温側のみに一体的に設けられ、低温側とは隙間を有する点で相違する。
従って、この構成により、高温部品の製作後に中空インサート21をこの高温部品の内側に設置できることから熱伝達促進部材10を高温部品の内面3に沿って精密鋳造や機械加工により一体的に設けることが容易であり、かつ従来の二重壁構造に匹敵する高い冷却性能を得ることができる。
このように翼の後縁部に用いた場合は、背腹で冷却性能を最適化することが可能で、冷却空気流量の削減に寄与できる。
2 翼面(外面)、3 内面、
4 高温ガス、5 冷却空気、
6 内面の基準面、7 平滑面、
10 熱伝達促進部材、12 バンプ、
14 ディンプル、16 リブ、
20平滑部材、21 中空インサート、
21a インピンジ冷却孔、
22 高温部品の別部分
Claims (3)
- 外面が高温ガスで加熱される高温部品の内面を冷却空気で冷却する高温部品の内面冷却構造であって、
前記内面の少なくとも一部に内面に沿って一体的に設けられ熱伝達率を高める熱伝達促進部材と、
該熱伝達促進部材と隙間を隔てて対向する平滑面を有する平滑部材とを備え、
前記熱伝達促進部材と平滑部材の間を前記冷却空気が流れ、前記熱伝達促進部材により高温部品の内面を冷却するようになっており、
前記平滑部材は、高温部品の内側に設置される中空インサートであり、
該中空インサートは、高温部品の内面をインピンジ冷却するためのインピンジ冷却孔を有し、
該インピンジ冷却孔を通してその内側から高温部品の内面をインピンジ冷却した冷却空気が中空インサートと前記内面との隙間を流れ、
前記熱伝達促進部材は、バンプ、ディンプル、及びリブからなり、
前記バンプは、前記冷却空気の流れ方向に対し交叉する第1および第2の方向にそれぞれ一定のピッチで配置され、
前記ディンプルは、前記第1の方向の位置、および、前記第2の方向の位置が前記バンプからずれるように、第1および第2の方向に一定のピッチで配置され、
前記リブは、前記第1の方向に延びかつ前記バンプ間を連結して配置されているものと、前記第2の方向に延びかつ前記バンプ間を連結して配置されているものと、を有する、ことを特徴とする高温部品の内面冷却構造。 - 高温部品の内面の基準面と前記平滑部材との隙間Hに対して、
前記バンプの高さh1は、0.8H〜0.9Hであり、
前記ディンプルの深さh2は、0.5H〜0.7Hであり、
前記リブの高さh3は、0.3H〜0.4Hであり、
前記冷却空気は、バンプに衝突し、リブを乗り越え、ディンプルで減速しながらそれぞれ乱れを形成して熱伝達率を高める、ことを特徴とする請求項1に記載の高温部品の内面冷却構造。 - 高温部品はタービンの静翼であり、
前記平滑部材は、前記中空インサートと前記静翼の別部分とからなり、この別部分は、前記静翼の後縁部の腹側部分であり、
前記熱伝達促進部材は、前記中空インサートに対向する前記内面と、前記別部分に対向する、前記後縁部の背側の前記内面とに、設けられており、
前記別部分は前記熱伝達促進部材と隙間を隔てて対向し、前記冷却空気が前記熱伝達促進部材と前記別部分の間を流れる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の高温部品の内面冷却構造。
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