JPH08338203A - ガスタービン静翼 - Google Patents
ガスタービン静翼Info
- Publication number
- JPH08338203A JPH08338203A JP14293995A JP14293995A JPH08338203A JP H08338203 A JPH08338203 A JP H08338203A JP 14293995 A JP14293995 A JP 14293995A JP 14293995 A JP14293995 A JP 14293995A JP H08338203 A JPH08338203 A JP H08338203A
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- Japan
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- cooling
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 インピンジ冷却性能の高いガスタービン静翼
を提供する。 【構成】 内部に翼スパン方向に延びる空洞を有する翼
本体2と、この空洞内に設置され、空洞内面に倣う外周
壁を有し、この外周壁に囲われた内部空間10から翼本
体の空洞内面に対して冷却媒体を噴射する冷却孔5を翼
スパン(S)方向および翼コード(C)方向に行列して形成
されたインサート3,4とから構成されるガスタービン
静翼において、翼本体2の空洞内面に翼スパン(S)方向
に延びる突堤片9を行列して設け、かつ冷却孔5から噴
射する冷却媒体が隣あう突堤片9間に噴射するように配
し、翼スパン方向に隣合う突堤片9の端部間の一連の間
隙が翼コード方向からみて冷却媒体の流路を形成してい
ることを特徴とする。 【効果】 冷却媒体のクロスフローの影響を軽減でき、
インピンジメント冷却性能を向上できる。
を提供する。 【構成】 内部に翼スパン方向に延びる空洞を有する翼
本体2と、この空洞内に設置され、空洞内面に倣う外周
壁を有し、この外周壁に囲われた内部空間10から翼本
体の空洞内面に対して冷却媒体を噴射する冷却孔5を翼
スパン(S)方向および翼コード(C)方向に行列して形成
されたインサート3,4とから構成されるガスタービン
静翼において、翼本体2の空洞内面に翼スパン(S)方向
に延びる突堤片9を行列して設け、かつ冷却孔5から噴
射する冷却媒体が隣あう突堤片9間に噴射するように配
し、翼スパン方向に隣合う突堤片9の端部間の一連の間
隙が翼コード方向からみて冷却媒体の流路を形成してい
ることを特徴とする。 【効果】 冷却媒体のクロスフローの影響を軽減でき、
インピンジメント冷却性能を向上できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンにおける
タービン静翼の改良に係り、特にその冷却構造に関する
ものである。
タービン静翼の改良に係り、特にその冷却構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンは、圧縮機により圧縮され
た高圧力の空気を酸化剤として燃料を燃焼させ、発生し
た高温高圧ガスによりタービンを駆動し、例えば電力等
のエネルギーに変換するものである。消費された燃料に
たいして得らる電気エネルギーは出来るだけ多い方が望
ましく、すなわちガスタービンの性能向上が期待されて
おり、その手段の一つとして作動ガスの高温高圧化が進
められている。一方、ガスタービン作動ガスの高温化を
図り、高温排気ガスを利用した蒸気タービンシステムと
のコンバインドプラントによって、ガスタービンと蒸気
タービンとを含めた総合エネルギー変換効率向上方法も
提案されている。
た高圧力の空気を酸化剤として燃料を燃焼させ、発生し
た高温高圧ガスによりタービンを駆動し、例えば電力等
のエネルギーに変換するものである。消費された燃料に
たいして得らる電気エネルギーは出来るだけ多い方が望
ましく、すなわちガスタービンの性能向上が期待されて
おり、その手段の一つとして作動ガスの高温高圧化が進
められている。一方、ガスタービン作動ガスの高温化を
図り、高温排気ガスを利用した蒸気タービンシステムと
のコンバインドプラントによって、ガスタービンと蒸気
タービンとを含めた総合エネルギー変換効率向上方法も
提案されている。
【0003】ガスタービンの作動ガス温度は、タービン
翼材が主にガス温度に起因する熱応力に耐え得る能力に
よって制限される。作動ガス温度の高温化にさいし、タ
ービン翼の耐用温度を満足させるため、タービン翼の内
部に1つあるいはそれ以上の通路を形成させ、冷却空気
を通過させることによってタービン翼を内部から冷却す
る方法が良く採られている。かかる従来のガスタービン
静翼の構造例および作動を図5により説明する。図5は
従来のガスタービン静翼30の断面図を示し、図5におい
て31は翼部、3および4は翼部31内に挿入されたインサ
ートであり、5はインサート3,4の表面に複数個設け
られた冷却孔である。インサート3,4の内部空間10に
供給された冷却空気は冷却孔5から噴射し、翼部31の内
面をインピンジメント冷却する。翼を冷却したインピン
ジメント噴射空気11は翼部とインサート3,4との間隙
13を、通常は翼前縁側より翼後縁方向に流れ、翼部の表
面に設けられたフィルム孔6a、6b、6cおよび後縁排出孔
8より翼外部に放出される。ここで翼部とインサート
3,4との間隙13を流れるインピンジメント冷却空気
は、冷却孔5から噴出するインピンジメント冷却空気と
クロスする方向に流れることから、一般にクロスフロー
とよばれる。
翼材が主にガス温度に起因する熱応力に耐え得る能力に
よって制限される。作動ガス温度の高温化にさいし、タ
ービン翼の耐用温度を満足させるため、タービン翼の内
部に1つあるいはそれ以上の通路を形成させ、冷却空気
を通過させることによってタービン翼を内部から冷却す
る方法が良く採られている。かかる従来のガスタービン
静翼の構造例および作動を図5により説明する。図5は
従来のガスタービン静翼30の断面図を示し、図5におい
て31は翼部、3および4は翼部31内に挿入されたインサ
ートであり、5はインサート3,4の表面に複数個設け
られた冷却孔である。インサート3,4の内部空間10に
供給された冷却空気は冷却孔5から噴射し、翼部31の内
面をインピンジメント冷却する。翼を冷却したインピン
ジメント噴射空気11は翼部とインサート3,4との間隙
13を、通常は翼前縁側より翼後縁方向に流れ、翼部の表
面に設けられたフィルム孔6a、6b、6cおよび後縁排出孔
8より翼外部に放出される。ここで翼部とインサート
3,4との間隙13を流れるインピンジメント冷却空気
は、冷却孔5から噴出するインピンジメント冷却空気と
クロスする方向に流れることから、一般にクロスフロー
とよばれる。
【0004】かかる冷却空気は一般に圧縮機から抽気し
た空気の一部を利用するため、冷却空気の多量の消費は
ガスタービン効率の低下をきたし、より少ない空気によ
り効率良く冷却することが重要である。しかし前記従来
構造では冷却孔5より噴射されたインピンジメント噴射
空気がクロスフローによりその噴射速度を弱められ、ま
た後流方向に靡かされ、十分な速度で翼部冷却面14に衝
突することをさまたげられて、十分な冷却効果を得るこ
とができない欠点がある。冷却効果を得るために冷却孔
5の数を増やし、あるいは孔径を大きくしてインピンジ
噴射空気量を増加させてもそれに比例してクロスフロー
流速が速くなり、空気量の増加に見合った冷却効果が得
られない。
た空気の一部を利用するため、冷却空気の多量の消費は
ガスタービン効率の低下をきたし、より少ない空気によ
り効率良く冷却することが重要である。しかし前記従来
構造では冷却孔5より噴射されたインピンジメント噴射
空気がクロスフローによりその噴射速度を弱められ、ま
た後流方向に靡かされ、十分な速度で翼部冷却面14に衝
突することをさまたげられて、十分な冷却効果を得るこ
とができない欠点がある。冷却効果を得るために冷却孔
5の数を増やし、あるいは孔径を大きくしてインピンジ
噴射空気量を増加させてもそれに比例してクロスフロー
流速が速くなり、空気量の増加に見合った冷却効果が得
られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記説明のごとく従来
のガスタービン静翼においては、冷却孔から噴射された
インピンジメント噴射空気がクロスフローにより弱めら
れるために、十分なインピンジメント冷却性能が得られ
ない欠点がある。本発明の目的は、従来の欠点を解決す
ることによって、冷却性能の良いガスタービン静翼を提
供し、ひいてはこのガスタービン静翼を用いたガスター
ビン及び発電プラントの効率を向上させるものである。
のガスタービン静翼においては、冷却孔から噴射された
インピンジメント噴射空気がクロスフローにより弱めら
れるために、十分なインピンジメント冷却性能が得られ
ない欠点がある。本発明の目的は、従来の欠点を解決す
ることによって、冷却性能の良いガスタービン静翼を提
供し、ひいてはこのガスタービン静翼を用いたガスター
ビン及び発電プラントの効率を向上させるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、内部に翼スパン方向に延びる空洞を有す
る翼本体と、この翼本体の空洞内に設置され、空洞内面
に倣う外周壁を有し、この外周壁に囲われた内部空間か
ら翼本体の空洞内面に対して冷却媒体を噴射する冷却孔
を翼スパン方向およびスパン方向と交わる翼コード方向
に行列して形成されたインサートとから構成され、そし
て翼本体の後縁から冷却媒体を排出するガスタービン静
翼であって、翼本体の内部空洞面に翼本体と一体構造で
翼スパン方向に延びる突堤片を行列して設け、かつイン
サートの冷却孔から噴射する冷却媒体が翼コード方向に
隣あう突堤片の間に噴射されるように配したことを特徴
とする。そしてこのガスタービン静翼においては、翼ス
パン方向に隣合う突堤片の端部間の一連の間隙が翼コー
ド方向からみて冷却媒体の流路を形成している。
に、本発明は、内部に翼スパン方向に延びる空洞を有す
る翼本体と、この翼本体の空洞内に設置され、空洞内面
に倣う外周壁を有し、この外周壁に囲われた内部空間か
ら翼本体の空洞内面に対して冷却媒体を噴射する冷却孔
を翼スパン方向およびスパン方向と交わる翼コード方向
に行列して形成されたインサートとから構成され、そし
て翼本体の後縁から冷却媒体を排出するガスタービン静
翼であって、翼本体の内部空洞面に翼本体と一体構造で
翼スパン方向に延びる突堤片を行列して設け、かつイン
サートの冷却孔から噴射する冷却媒体が翼コード方向に
隣あう突堤片の間に噴射されるように配したことを特徴
とする。そしてこのガスタービン静翼においては、翼ス
パン方向に隣合う突堤片の端部間の一連の間隙が翼コー
ド方向からみて冷却媒体の流路を形成している。
【0007】
【作用】本発明のガスタービン静翼においては、インサ
ートの冷却孔から噴出した冷却媒体は、翼本体の空洞内
面に衝突して翼本体をインピンジメント冷却した後に突
堤片と突堤片で仕切られた領域から、翼コード方向に形
成された流路を通り、クロスフローとして翼の前縁から
後縁へと流れ翼外へ排出される。このようにインピンジ
メント冷却のために冷却孔から噴出した冷却媒体はクロ
スフローに対して突堤片によってブロックされ、高速で
冷却面に衝突させることが出来、高い冷却熱伝達率を得
ることが出来る。
ートの冷却孔から噴出した冷却媒体は、翼本体の空洞内
面に衝突して翼本体をインピンジメント冷却した後に突
堤片と突堤片で仕切られた領域から、翼コード方向に形
成された流路を通り、クロスフローとして翼の前縁から
後縁へと流れ翼外へ排出される。このようにインピンジ
メント冷却のために冷却孔から噴出した冷却媒体はクロ
スフローに対して突堤片によってブロックされ、高速で
冷却面に衝突させることが出来、高い冷却熱伝達率を得
ることが出来る。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図1から図3によりま
ず構成を説明する。図1は本発明を実施したガスタービ
ン静翼1の横断面図であり、図2は図1のA−A断面
図、図3はB−B断面図を示す。図1〜図3においては
図5に示す従来構造と同一部品は同一番号で示してあ
る。タービン静翼1は、翼のスパン(S)方向に並行して
延びる2つの空洞を内部に有する翼本体2と、かかる空
洞にそれぞれ挿入したインサート3,4により構成され
る。翼本体2の空洞内面には、翼本体2と一体構造で翼
スパン方向に延びた複数の突堤片9が、翼スパン方向に
適当な間隔15で、また翼コード方向に適当な間隔16をも
って、行列して設けられている。インサート3,4は外
形が翼1の空洞内面に倣うように相似し、かつ内部に空
間10を有しており、内部空間10より冷却媒体としての冷
却空気をインサート外側に噴射する複数の冷却孔5を殻
壁に有している。インサート3,4は翼本体2の空洞内
に、空洞内面である冷却面14と間隙13を隔てて設置され
るが、インサート3,4と突堤片9の先端とは接する程
度に設置される。またインサート3,4の冷却孔5は、
翼本体2の突堤片9の翼スパン方向のほぼ中間位置、突
堤片9のコード方向間隔16のほぼ中間位置に設けられ
る。翼本体2には内部から外周面へと必要に応じてフィ
ルム冷却孔6a、6b、6cが設けられ、また後縁排出孔8が
設けられるが、その孔径,設置位置等はガスタービン翼
の要求仕様により定まるものであり、本発明の主旨では
ない。また翼後縁排出孔8には、単なる孔を開けた構
造、スリット冷却構造、ピンフィン流路構造等があるが
それらいずれの構造でも良く、本発明の主要部に影響を
与えるものではない。
ず構成を説明する。図1は本発明を実施したガスタービ
ン静翼1の横断面図であり、図2は図1のA−A断面
図、図3はB−B断面図を示す。図1〜図3においては
図5に示す従来構造と同一部品は同一番号で示してあ
る。タービン静翼1は、翼のスパン(S)方向に並行して
延びる2つの空洞を内部に有する翼本体2と、かかる空
洞にそれぞれ挿入したインサート3,4により構成され
る。翼本体2の空洞内面には、翼本体2と一体構造で翼
スパン方向に延びた複数の突堤片9が、翼スパン方向に
適当な間隔15で、また翼コード方向に適当な間隔16をも
って、行列して設けられている。インサート3,4は外
形が翼1の空洞内面に倣うように相似し、かつ内部に空
間10を有しており、内部空間10より冷却媒体としての冷
却空気をインサート外側に噴射する複数の冷却孔5を殻
壁に有している。インサート3,4は翼本体2の空洞内
に、空洞内面である冷却面14と間隙13を隔てて設置され
るが、インサート3,4と突堤片9の先端とは接する程
度に設置される。またインサート3,4の冷却孔5は、
翼本体2の突堤片9の翼スパン方向のほぼ中間位置、突
堤片9のコード方向間隔16のほぼ中間位置に設けられ
る。翼本体2には内部から外周面へと必要に応じてフィ
ルム冷却孔6a、6b、6cが設けられ、また後縁排出孔8が
設けられるが、その孔径,設置位置等はガスタービン翼
の要求仕様により定まるものであり、本発明の主旨では
ない。また翼後縁排出孔8には、単なる孔を開けた構
造、スリット冷却構造、ピンフィン流路構造等があるが
それらいずれの構造でも良く、本発明の主要部に影響を
与えるものではない。
【0009】本発明の作動を説明する。冷却空気は、イ
ンサート3,4の空間10に供給される。インサート3,
4の内部空間10に供給された冷却空気は、冷却孔5より
翼本体2の内側冷却面14に向かって高速で噴き出され、
そのインピンジメント冷却により翼本体2を冷却する。
インピンジメント冷却した冷却空気は翼内側冷却面14と
インサート3,4との間隙13を通じて翼コード方向に流
れるが、このとき隣合う2つの突堤片9の間隔15を通っ
て翼のコード(C)方向の空気流17として導かれ、さらに
フィルム孔6a、6b、6cあるいは後縁排出孔8より翼外に
出される。
ンサート3,4の空間10に供給される。インサート3,
4の内部空間10に供給された冷却空気は、冷却孔5より
翼本体2の内側冷却面14に向かって高速で噴き出され、
そのインピンジメント冷却により翼本体2を冷却する。
インピンジメント冷却した冷却空気は翼内側冷却面14と
インサート3,4との間隙13を通じて翼コード方向に流
れるが、このとき隣合う2つの突堤片9の間隔15を通っ
て翼のコード(C)方向の空気流17として導かれ、さらに
フィルム孔6a、6b、6cあるいは後縁排出孔8より翼外に
出される。
【0010】以上のように構成された本発明のガスター
ビンには次の効果が得られる。すなわち、インサート
3,4の冷却孔5より噴射されるインピンジメント噴射
流11は、突堤片9によって間隙13を流れる空気流17に対
してブロックされるため高速で冷却面14に衝突し、高い
冷却熱伝達率を得る。すなわち、インピンジメント冷却
に寄与した冷却空気は突堤片9と突堤片9との間隔15を
翼コード方向に空気流17として流れ、より下流側のイン
ピンジメント噴射流11に対し、その噴射速度を弱めた
り、靡かせることなく高速で冷却面14に衝突させること
ができ、インピンジメント冷却本来の高い熱伝達率が得
られる。
ビンには次の効果が得られる。すなわち、インサート
3,4の冷却孔5より噴射されるインピンジメント噴射
流11は、突堤片9によって間隙13を流れる空気流17に対
してブロックされるため高速で冷却面14に衝突し、高い
冷却熱伝達率を得る。すなわち、インピンジメント冷却
に寄与した冷却空気は突堤片9と突堤片9との間隔15を
翼コード方向に空気流17として流れ、より下流側のイン
ピンジメント噴射流11に対し、その噴射速度を弱めた
り、靡かせることなく高速で冷却面14に衝突させること
ができ、インピンジメント冷却本来の高い熱伝達率が得
られる。
【0011】かかる本発明の効果をモデル伝熱試験によ
り確認した。表1に実験供試モデルの形状および実験条
件を示す。実験モデルは冷却孔と冷却面との距離2mm,
冷却孔径1.0mm,冷却孔配置ピッチ8mmとし、冷却面形
状を比較の基準として従来構造である平滑面形状と
本発明である突堤片付構造について実験した。本発明
構造である突堤片の形状と配置は、冷却孔の配置ピッチ
8mmに合致させるため高さ1.5mm,厚さ1.0mm,幅4mmの
突堤片をスパン方向4mmの間隔(ピッチ8mm)、コード方
向に7mmの間隔(ピッチ8mm)で設けた。実験モデルはス
パン方向及びコード方向にそれぞれ10個程度の冷却孔を
設けたものである。
り確認した。表1に実験供試モデルの形状および実験条
件を示す。実験モデルは冷却孔と冷却面との距離2mm,
冷却孔径1.0mm,冷却孔配置ピッチ8mmとし、冷却面形
状を比較の基準として従来構造である平滑面形状と
本発明である突堤片付構造について実験した。本発明
構造である突堤片の形状と配置は、冷却孔の配置ピッチ
8mmに合致させるため高さ1.5mm,厚さ1.0mm,幅4mmの
突堤片をスパン方向4mmの間隔(ピッチ8mm)、コード方
向に7mmの間隔(ピッチ8mm)で設けた。実験モデルはス
パン方向及びコード方向にそれぞれ10個程度の冷却孔を
設けたものである。
【0012】
【表1】
【0013】図4に、伝熱特性実験結果を比較して示し
た。図4では、冷却空気の流れ状況を示す無次元値レイ
ノルズ数を横軸とし、縦軸に本発明(試験体)の熱の
流れ状況を示す無次元値平均ヌセルト数と従来構造であ
る平滑伝熱面(試験体)の平均ヌセルト数との比を示
した。本発明の構造は従来構造に比較して約20%伝熱性
能が高く、本発明構造の効果が明かとなった。
た。図4では、冷却空気の流れ状況を示す無次元値レイ
ノルズ数を横軸とし、縦軸に本発明(試験体)の熱の
流れ状況を示す無次元値平均ヌセルト数と従来構造であ
る平滑伝熱面(試験体)の平均ヌセルト数との比を示
した。本発明の構造は従来構造に比較して約20%伝熱性
能が高く、本発明構造の効果が明かとなった。
【0014】なお、本発明の実施例では、インサートが
2個ある冷却構造について示したが、本発明の適用にイ
ンサートの数の限定を与えるものではなく、1個あるい
は2個以上の数でも良い。さらに、冷却媒体は、空気,
水,蒸気などいかなる冷却媒体にも適用されることは当
然である。なお、本発明構造を採用したガスタービン翼
は、現状の精密鋳造方法により製作可能である。
2個ある冷却構造について示したが、本発明の適用にイ
ンサートの数の限定を与えるものではなく、1個あるい
は2個以上の数でも良い。さらに、冷却媒体は、空気,
水,蒸気などいかなる冷却媒体にも適用されることは当
然である。なお、本発明構造を採用したガスタービン翼
は、現状の精密鋳造方法により製作可能である。
【0015】
【発明の効果】以上説明のごとく本発明によるタービン
翼の冷却構造は、翼の空洞内面に突堤片をスパン方向
に、インサートの各冷却孔に対応して設けたものとした
ので、該冷却孔から噴出するインピンジメント冷却空気
の流れに対する、冷却後の冷却媒体のクロスフローの影
響を低減でき、インピンジメント冷却性能を向上させる
ことができる。従って、本発明により冷却効率の高いガ
スタービン静翼を提供でき、ひいては高温高効率ガスタ
ービンおよびそのガスタービンを利用した効率の高い発
電プラントの実現に寄与できる。
翼の冷却構造は、翼の空洞内面に突堤片をスパン方向
に、インサートの各冷却孔に対応して設けたものとした
ので、該冷却孔から噴出するインピンジメント冷却空気
の流れに対する、冷却後の冷却媒体のクロスフローの影
響を低減でき、インピンジメント冷却性能を向上させる
ことができる。従って、本発明により冷却効率の高いガ
スタービン静翼を提供でき、ひいては高温高効率ガスタ
ービンおよびそのガスタービンを利用した効率の高い発
電プラントの実現に寄与できる。
【図1】本発明の一実施例のガスタービン静翼の横断面
構造図である。
構造図である。
【図2】図1のA-A矢視図である。
【図3】図1のB-B矢視図である。
【図4】本発明にかかるモデルの伝熱特性実験結果を示
すグラフである。
すグラフである。
【図5】従来のガスタービン静翼の横断面構造図であ
る。
る。
1 ガスタービン静翼 2 翼本体 3,4 インサート 5 冷却孔 6a,6b,6c フィルム孔 7 連絡孔 8 後縁排出孔 9 突堤片 10 空間 11 インピンジメ
ント噴射流 12 クロスフロー 13 間隙 14 冷却面 15,16 間隔 17 空気流
ント噴射流 12 クロスフロー 13 間隙 14 冷却面 15,16 間隔 17 空気流
フロントページの続き (72)発明者 和田 克夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 金沢 幸夫 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1号 東北電力株式会社内 (72)発明者 生越 昭男 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1号 東北電力株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 内部に翼スパン方向に延びる空洞を有す
る翼本体と、該翼本体の空洞内に設置され、該空洞内面
に倣う外周壁を有し、該外周壁で囲われた内部空間から
前記翼本体の空洞内面に対して冷却媒体を噴射するため
の冷却孔を翼スパン方向および該翼スパン方向と交わる
翼コード方向に行列して形成されたインサートとから構
成され、前記翼本体の後縁から冷却媒体を排出するガス
タービン静翼において、 前記翼本体の空洞内面に翼本体と一体構造で翼スパン方
向に延びる突堤片を行列して設け、かつ前記インサート
の冷却孔から噴射する冷却媒体が翼コード方向に隣あう
突堤片の間に噴射されるように配したことを特徴とする
ガスタービン静翼。 - 【請求項2】 翼スパン方向に隣合う前記突堤片の端部
間の一連の間隙が翼コード方向からみて冷却媒体の流路
を形成していることを特徴とする請求項1記載のガスタ
ービン静翼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14293995A JPH08338203A (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | ガスタービン静翼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14293995A JPH08338203A (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | ガスタービン静翼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08338203A true JPH08338203A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15327165
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14293995A Pending JPH08338203A (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | ガスタービン静翼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08338203A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002174102A (ja) * | 2000-12-07 | 2002-06-21 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | タービン翼のトランスピレーション冷却伝熱促進構造 |
JP2003532821A (ja) * | 1999-08-03 | 2003-11-05 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 構造部品の冷却装置 |
EP1574669A2 (en) * | 2004-03-10 | 2005-09-14 | Rolls-Royce Plc | Impingement cooling arrangement witin turbine blades |
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