JP5524137B2 - ガスタービン翼 - Google Patents

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Description

本発明はガスタービンに使用されるガスタービン翼に関する。
ガスタービンは、圧縮機で圧縮された圧縮空気を燃焼器で燃料と混合して燃焼して高温高圧の作動媒体(燃焼ガス)を発生させ、この作動媒体を複数のタービン動翼及びタービン静翼を備えたタービンに導いてタービンを駆動させてタービンの回転動力(運動エネルギー)を得る熱機関である。したがって、ガスタービン翼は、その表面を高温の作動媒体に晒されるため、翼材料の高温腐食や構造強度の低下を抑制して健全性を確保するために、強制的に冷却する必要がある。
ガスタービン翼の冷却技術としては、(1)翼の内部に設けた冷却流路において冷却媒体を強制対流させる内部冷却の方法と、(2)翼表面に細孔(フィルム冷却孔)を設けて冷却媒体を翼内部から噴出させ、当該冷却媒体で翼表面を覆うことにより作動媒体からの入熱を抑制するフィルム冷却(外部冷却)の方法がある。
近年、ガスタービンの熱効率を向上するために燃焼温度が上昇しており、動翼の冷却では熱負荷が高い翼前縁部分に複数列のフィルム冷却孔を配列したシャワーヘッド冷却と呼ばれる冷却構造が採用されている。動翼前縁部分の冷却構造に関する先行技術として、下記のような特許文献が公開されている。
米国特許第5387086号明細書には、動翼内部に対流冷却用の2つの蛇行流路、前縁部にはフィルム孔のあるキャビティが設けられた冷却構造が示されている。前縁側の蛇行流路の最下流(翼前縁)側流路にはインピンジメント冷却孔が設けられており、蛇行流路を流れて翼内部を冷却してきた空気(冷却媒体)は当該冷却孔からキャビティへ噴き出され、翼前縁部を内面からインピンジメント冷却する。その後、キャビティ内の冷却空気はフィルム冷却孔から噴き出され、翼前縁から外表面を覆って高温の作動媒体からの入熱を抑制する構造となっている。
特開平11−257005号公報には、インピンジメント冷却ではない内部冷却の方法として、動翼内部に対流冷却用の蛇行流路を設け、当該蛇行流路の内壁にタービュレータ(リブ)を設け、当該タービュレータ間にフィルム冷却孔を配置した冷却構造が示されている。このガスタービン翼では、タービュレータとフィルム冷却孔の相対位置を規定して、タービュレータ下流側での剥離領域の発生を抑えて低熱伝達領域をなくし、対流冷却流路における内部冷却性能の向上を図る構造となっている。
米国特許第5387086号明細書 特開平11−257005号公報
しかし、小型ガスタービンのように比較的小さな翼の場合、多数の冷却流路を翼内部に設けることができず、特許文献1で示されているようなインピンジメント冷却のためのキャビティを設けることが難しい。すなわち、この種の冷却構造では、ガスタービン翼の大きさによっては内部冷却性能を確保することが困難になる。
一方、インピンジメント冷却のためのキャビティを備えない特許文献2の構造では、対流冷却流路内におけるタービュレータとフィルム冷却孔の相対位置を規定することで剥離抑制による内部冷却性能の向上は見込めるものの、インピンジメント冷却と比較すると依然として内部冷却性能が劣ってしまう。そのため、翼全体の冷却としては、冷却空気の量を増やす等して外部冷却(フィルム冷却)を強化する必要がある。圧縮機から抽気した圧縮空気を冷却空気として利用している場合に冷却空気量を増加すると、ガスタービン効率が低下するおそれがある。
なお、特許文献1及び特許文献2のガスタービン翼の冷却流路にはリブ(タービュレータ)が設けられているが、当該リブは冷却流路内での乱流発生を促進させることで専ら内部冷却性能の向上を図ったものである。
本発明の目的は、翼の大きさに関わらず適用できる高性能な翼冷却構造を有するガスタービン翼を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、ガスタービン翼の内部に設けられ冷却媒体を流すための冷却流路と、当該冷却流路における前記ガスタービン翼の腹側の壁面に対して前縁側から後縁側に架け渡されたリブであって、当該後縁側の端部が当該前縁側の端部よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜した腹側リブと、前記冷却流路における前記ガスタービン翼の背側の壁面に対して前縁側から後縁側に架け渡されたリブであって、当該後縁側の端部が当該前縁側の端部よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜した背側リブと、前記冷却流路を流れる冷却媒体を前記ガスタービン翼の外部に流出させるためのフィルム冷却孔とを備え、前記フィルム冷却孔は、翼表面側の開口端が翼内部側の開口端よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜し、
前記フィルム冷却孔における前記冷却流路側の開口部は、冷却媒体の流通方向において隣り合う2つのリブの間に位置するものとする。
本発明によれば、冷却媒体が翼面から剥れ難くなってフィルム冷却効率が向上するので、翼の大きさに関わらず翼冷却性能を向上できる。
本発明の実施の形態に係るガスタービン動翼のC−C断面に沿った展開図。 本発明の実施の形態に係るガスタービン動翼のD−D断面における断面図。 本発明の実施の形態に係る流路41の内壁に設けられたリブ2とフィルム冷却孔1cの構造図。 本発明の実施の形態に係る流路41cについての腹側フィルム冷却孔1aに沿ったA−A断面図。 本発明の実施の形態に係る流路41cについての背側フィルム冷却孔1bに沿ったB−B断面図。 図2の流路41c部分を拡大した断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態に係るガスタービン動翼のC−C断面(図2参照)に沿った展開図であり、図2は本発明の実施の形態に係るガスタービン動翼のD−D断面(図1参照:ガスタービンロータの略周方向の面)における断面図である。すなわち、図1はガスタービン動翼における背側の内部壁面を示している。
これらの図に示すガスタービン動翼50は、ガスタービンロータ(以下、ロータと称することがある)の外周に環状に複数個配列されており、ロータの回転中心側に位置する翼付け根部57と、翼付け根部57からロータ径方向外側に向かって翼先端部59まで至る翼部58を備えている。翼部58は、ガスタービンにおいて作動媒体(燃焼ガス)30が流通する流路(ガスパス)に配置されており、高温高圧環境下に曝される。
本実施の形態におけるガスタービン動翼50の内部には2系統の冷却流路41,42が設けられており、当該冷却流路41,42の一部となる複数の隔壁60が前縁51から後縁52にかけて設けられている。本実施の形態では、前縁51から後縁52に向かって、5つの隔壁60a,60b,60c,60d,60eが設けられている(この5つの隔壁60a〜60eを区別する必要が無いときは添字(a〜e)を省略して「隔壁60」と示す。以下では、その他の部分についても同様に示すことがある)。
冷却流路41は、ガスタービン動翼50内部における前縁51側に形成された蛇行した流路であり、ガスタービン動翼50の腹側53の壁面と、ガスタービン動翼50の背側54の壁面と、当該2つの壁面を区画する3つの隔壁60a、60b、60cによって形成されている。冷却流路41は、翼部58における翼弦方向の略中央部に位置する流路41aと、前縁51側に位置する流路41cと、2つの流路41a、41cの間に位置する流路41bを備えている。各流路41a,41b,41cは、ガスタービン動翼50の翼長方向(ロータ径方向)に延びており、これら流路41a,41b,41cのうち隣接した流路同士は翼先端部59又は翼付け根部57で連結しており、当該連結部において冷却媒体の流通方向を転向させている。
冷却流路41の入口40aは翼付け根57側における翼中央部付近に設けられており、流路入口40aから冷却媒体15aが翼内部に導入される。冷却媒体15aとしては、ガスタービン圧縮機から抽気した圧縮空気が利用できる。また、空気以外にも、蒸気などの冷媒を使用しても良い。
流路41cを形成する翼内部壁面には、冷却流路41を流れる冷却媒体15aをガスタービン翼50の外部に流出させるためのフィルム冷却孔1が複数設けられている。冷却媒体15aは流路41c内を翼付け根部57側から翼先端部59側に向かって流れ、フィルム冷却孔1を介して冷却媒体11として翼外部に噴出される。
なお、フィルム冷却性能を向上させる観点からは、前縁51側に位置する流路41cは、本実施の形態のように翼付け根部57側から翼先端部59側に向かって冷却媒体が流れるように構成することが好ましい。
冷却流路42は、ガスタービン動翼50内部における後縁52側に形成された蛇行した流路であり、ガスタービン動翼50における腹側53の壁面と、ガスタービン動翼50の背側54の壁面と、当該2つの壁面を区画する3つの隔壁60c、60d、60eによって形成されている。冷却流路42は、翼弦方向において、翼部58における翼弦方向の略中央部に位置する流路42aと、後縁52側に位置する流路42cと、2つの流路42a、42cの間に位置する流路42bを備えている。各流路42a,42b,42cは、ガスタービン動翼50の翼長方向(ロータ径方向)に延びており、これら流路42a,42b,42cのうち隣接した流路同士は翼先端部59又は翼付け根部57で連結し、当該連結部において冷却媒体の流通方向を転向させている。
各冷却流路41,42における腹側53及び背側54の壁面には複数のリブ2,3が設けられている。各流路41,42に設けられるリブ2,3の種類は、高温の作動媒体30から翼50への熱負荷分布に対して、翼50の局所温度が高温腐食に対する制限値以下でかつ翼50全体の温度分布が熱応力の制限値以下になるように適宜選択されている。なお、本実施の形態のガスタービン動翼50におけるリブ2,3は、図2の断面図に示されているように背側54だけでなく腹側53にも設けられている。また、図2に示すように各隔壁60にリブ2,3は設けられていない。
流路41a,41b,42aにおける腹側53及び背側54の壁面には、傾斜方向の異なる2つのリブ(前縁側リブ3a及び後縁側リブ3b)を略V字状に組み合わせたV型スタッガードリブ3が設けられている。スタッガードリブ3においてV字を形成する2つのリブのうち、前縁側リブ3aは前縁51側に配置されたリブであり、後縁側リブ3bは後縁52側に配置されたリブである。前縁側リブ3aは、前縁51側の端部が後縁52側の端部よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜している。一方、これとは逆に、後縁側リブ3bは、後縁53側の端部が前縁51側の端部よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜している。例えば、図1中の流路41aを例に挙げると、前縁側リブ3aは左上がりに傾斜しており、後縁側リブ3bは右上がりに傾斜している。
後縁52側に連通する流路43には、ピンフィン冷却のための複数のピンフィン4が設けられている。ピンフィン4は、流路43の強度を確保しつつ、冷却媒体に渦や乱れを発生させることで内部冷却性能の向上に寄与している。
図3は本発明の実施の形態に係る流路41の内壁に設けられたリブ2とフィルム冷却孔1の構造図である。図3中における左側が翼50の腹側53に相当し、右側が背側54に相当している。なお、先の図と同じ部分には同じ符号を付し適宜説明は省略する(後の図についても同様とする)。
この図に示すように、前縁51側に位置する流路41cにおける腹側53の壁面には腹側リブ2aが設けられており、背側54の壁面には背側リブ2bが設けられている。
腹側リブ2aは、流路41の内壁面に対して前縁51側から後縁52側に架け渡されており、リブ2aにおける後縁側の端部72aが前縁側の端部71aよりも冷却媒体10の流通方向の下流側に位置するように1方向に傾斜している。図3の例では、腹側リブ2aは、後縁側の端部72aが前縁側の端部71aよりも翼先端部59側に位置しており、図3中における左上がりに傾斜している。
背側リブ2bは、流路41の内壁面に対して前縁51側から後縁52側に架け渡されており、リブ2bにおける後縁側の端部72bが前縁側の端部71bよりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように1方向に傾斜している。図3の例では、背側リブ2bは、後縁側の端部72bが前縁側の端部71bよりも翼先端部59側に位置しており、図3中における右上がりに傾斜している。
腹側リブ2aにおける前縁側端部71aと、背側リブ2bにおける前縁側端部71bとの間には、前縁51に沿って所定の間隔が設けられており、前縁側端部71aと前縁側端部71bとの間には前縁51に沿ってフィルム冷却孔1cが配列されている。
本実施の形態におけるフィルム冷却孔1は、その開口端の位置の違いに応じて主に3種類(1a,1b,1c(図2、図3等参照))のものが設けられており、それぞれ略円筒状に形成されている。既述のようにフィルム冷却孔(前縁フィルム冷却孔)1cは、前縁51上に開口端が配置されており、図1に示した翼展開図上に断面が表れている。腹側53のフィルム冷却孔1aは、前縁51部分を境界にして腹側53に開口端が配置されており、背側54のフィルム冷却孔1bは、前縁51部分を境界にして背側54に開口端が配置されている。同じ種類のフィルム冷却孔1a,1b,1cは、冷却媒体の流通方向に沿って所定の間隔を介して配列されている。
上記のように構成されるガスタービン動翼50において、冷却流路41の入口40aから翼内部に導入された冷却媒体15aは、翼先端部59又は翼付け根部57で適宜流通方向を転向しながら蛇行した流路41a,41bを進み、作動媒体の熱によって徐々に加熱されながら最も前縁51側に位置する流路41cに導入される。流路41cに導入された冷却媒体10は、流路41c内を翼付け根部57から翼端部59に向かって流れる。このとき、腹側リブ2a及び背側リブ2bによって冷却媒体10に回転成分が与えられ、渦20a,20bが発生する。すなわち、腹側53では、冷却媒体10の流通方向において上流側から下流側を見て(流路41cでは、翼付け根部57から翼先端部59の方向を見て)、右回りの渦20aが発生する。一方、背側54では、これと反対方向の渦20b、すなわち、同様の方向から見て左回りの渦20bが発生する。
この渦20a,20bにより流路41c内に冷却媒体の流れの乱れがつくり出されるので、リブが無い場合と比較して流路41cの内部冷却性能を向上させることができる。さらに、渦20a,20bは下記で説明するようにフィルム冷却性能(外部冷却性能)の向上にも寄与する。
図4は本発明の実施の形態に係る流路41cについての腹側フィルム冷却孔1aに沿ったA−A断面(図3参照)における断面図を示している。この図に示すように、冷却媒体10は、腹側53の翼壁55aに設けられたフィルム冷却孔1aに渦20aを伴って導入され、渦21aを伴った冷却媒体11aとして翼表面から噴出する。
図5は本発明の実施の形態に係る流路41cについての背側フィルム冷却孔1bに沿ったB−B断面(図3参照)における断面図を示している。この図に示すように、冷却媒体10は、背側54の翼壁55bに設けられたフィルム冷却孔1bに渦20bを伴って導入され、腹側53の渦21aとは反対方向に回る渦21bを伴った冷却媒体11bとして翼表面から噴出する。
図6は図2の流路41c部分を拡大したガスタービン動翼50の断面図を示している。この図に示すように、流路41cを流れる冷却媒体には、腹側リブ2aにより腹側53に渦20aが発生しており、背側リブ2bにより背側54に渦20bが発生している。なお、図6は翼先端部59側から翼付け根部57の方向を見た断面図のため、渦20a,20bの回転方向は翼付け根部57側から翼先端部59の方向を見たとき(流路41c内の冷却媒体10の流通方向において上流側から下流側を見た図3,4,5のとき)とは逆方向になっている。
なお、本実施の形態で示したように、フィルム冷却孔1は、その外部開口端(翼表面側の開口端)が内部開口端(翼内部(流路41c)側の開口端)よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜させることが好ましい(図1,4,5参照)。このようにフィルム冷却孔1を傾斜させると、リブ2によって発生された渦20の流れが、フィルム冷却孔1を通過する際に低減することを抑制できる。これによりフィルム冷却孔1から噴出された冷却媒体の渦21の低減が抑制されるので、フィルム冷却性能の低下を抑制できる。
さらに、本実施の形態のように、フィルム冷却孔1における流路41c側の開口端が、冷却媒体10の流通方向において隣り合う2つのリブ2の間に位置するように、フィルム冷却孔1を配置することが好ましい。これはリブ2による渦20の発生効果を保持する観点に基づくものである。
ところで、一般的なフィルム冷却では、フィルム冷却孔から噴き出した冷却媒体を作動媒体(燃焼ガス)の流れに沿って翼表面上に流しており、当該冷却媒体でもって翼表面を覆うことで作動媒体から翼への入熱量を低減している。しかし、このようにフィルム冷却孔から冷却媒体を噴き出しただけでは、他の部分と比較して翼表面から冷却媒体が剥がれやすい傾向がある場所(例えば、翼腹側)が発生し、当該箇所では冷却性能が充分に得られないことがあった。
これに対して、本実施の形態では、流路41cにおける腹側53で渦20aを発生させ、冷却媒体11aに渦21aを伴わせている。このように冷却媒体11aに渦21aを伴わせると、その渦21aの作用により冷却媒体11aをフィルム冷却孔1aから後縁52方向に流れさせるとともに腹側53の翼表面に向かって流れさせることができる。すなわち、ガスタービン動翼50の腹側53では、後縁52側に向かいながら腹側53の翼表面に巻き込むような流れが形成される。これにより冷却媒体11aが腹側53の翼表面から剥がれにくくなるので、従来のものと比較してフィルム冷却性能を向上することができる。
またさらに、本実施の形態では、上記のように流路41cにおける背側54で渦20bを発生させており、冷却媒体11bに渦21bを伴わせている。このように冷却媒体11bに渦21bを伴わせると、その渦21bの作用により冷却媒体11bをフィルム冷却孔1bから後縁52方向に流れさせるとともに背側54の翼表面に向かって流れさせることができる。すなわち、ガスタービン動翼50の背側54では、後縁52側に向かいながら背側54の翼表面に巻き込むような流れが形成される。これにより冷却媒体11bが背側54の翼表面から剥がれにくくなるので、従来のものと比較してフィルム冷却性能を向上することができる。
したがって、本実施の形態によれば、腹側53及び背側54の翼表面から冷却媒体11a,11bを剥がれ難くすることができるので、フィルム冷却性能を向上できる。また、本実施の形態に係る翼内部構造によれば、フィルム冷却性能が向上するので、翼前縁に位置する流路にインピンジメント冷却用のキャビティを設けることなく冷却性能を向上することができる。これにより、特に、内部冷却流路を増やすことが難しいガスタービン動翼(例えば、小型のガスタービン動翼)の前縁冷却を容易に強化することができる。
一方、本実施の形態に係る翼内部構造を大型翼に適用すれば、インピンジメント冷却孔の製作が不要になり、内部冷却構造をシンプルにすることができる。通常、ガスタービン動翼は精密鋳造によって製作されるため、インピンジメント冷却孔をはじめとして翼内部に孔を設ける場合には中子を利用する必要が生じる。しかし、上記のようにインピンジメント冷却孔の製作が不要になると、インピンジメント冷却孔の製作時に生じやすい中子の破損による歩留まり低下を避けることができるので、翼の製作コストを低減することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、翼前縁部51の冷却性能を強化でき、翼材料の高温腐食や構造強度の低下を抑制してガスタービンの稼働率を向上することができる。また、翼の寿命延長により運転コストを低減できる。さらに、圧縮機から抽気した圧縮空気をガスタービン動翼の冷却媒体として利用する場合には、上記のフィルム冷却性能の向上に伴い圧縮空気の抽気量を削減することができるのでガスタービンの熱効率向上を図ることができる。
また、本実施の形態に係るフィルム冷却孔1における流路41c側の開口部は、図3等に示すように、冷却媒体10の流通方向において隣り合う2つのリブ2の間に位置しているため、特許文献2のようにリブ2(タービュレータ)とフィルム冷却孔1の相対位置に配慮して剥離領域を低減することもできる。しかし、このようにリブ2とフィルム冷却孔1の配置にこだわらなくても、渦20a,20bの効果によって翼外部からのフィルム冷却性能を向上できるので、冷却性能に優れたガスタービン動翼を容易に製造できる。
さらに、本実施の形態のように、前縁51において1対の腹側リブ2aと背側リブ2bとを組合せて略V字型にすると、前縁51においてV型リブと同様の効果を発揮することができる。V型リブでは、V字を形成する1対のリブ間に形成される狭隘部の伝熱性能を向上させることができるが、本実施の形態では当該狭隘部が前縁51部に位置するようにリブ2a,2bを配置しているので、他の部分に比較して相対的に熱負荷の高い前縁51部の内部冷却性能を向上することができる。
なお、上記の説明では、前縁51側に位置する流路41cのみにフィルム冷却孔1を設けたが、その他の流路41a,41b,42における腹側53又は背側54の内壁面(すなわち、リブ3を設けた内壁面)に対して、上記説明と同じ方向に傾斜したリブ2とフィルム冷却孔1を設けても、上記と同様の渦を発生することができるので、フィルム冷却性能を向上させることができる。また、上記の説明ではガスタービン動翼を例に挙げて説明したが、本発明はガスタービン静翼にも適用可能である。
1 フィルム冷却孔
2a 腹側リブ
2b 背側リブ
4 ピンフィン
10 冷却媒体
11 冷却媒体
12 冷却媒体
15 冷却媒体
20 冷却媒体渦
21 冷却媒体渦
30 作動媒体
41 前縁側冷却流路
42 後縁側冷却流路
43 後縁冷却流路
50 動翼
51 前縁
52 後縁
53 腹側
54 背側
55 翼壁
71 リブ2における前縁側の端部
72 リブ2における後縁側の端部

Claims (4)

  1. ガスタービン翼の内部に設けられ冷却媒体を流すための冷却流路と、
    当該冷却流路における前記ガスタービン翼の腹側の壁面に対して前縁側から後縁側に架け渡されたリブであって、当該後縁側の端部が当該前縁側の端部よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜した腹側リブと、
    前記冷却流路における前記ガスタービン翼の背側の壁面に対して前縁側から後縁側に架け渡されたリブであって、当該後縁側の端部が当該前縁側の端部よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜した背側リブと、
    前記冷却流路を流れる冷却媒体を前記ガスタービン翼の外部に流出させるためのフィルム冷却孔とを備え
    前記フィルム冷却孔は、翼表面側の開口端が翼内部側の開口端よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜し、
    前記フィルム冷却孔における前記冷却流路側の開口部は、冷却媒体の流通方向において隣り合う2つのリブの間に位置することを特徴とするガスタービン翼。
  2. ガスタービン翼における前縁の内部に設けられ、翼付け根部から翼先端部へ向かって冷却媒体を流すための冷却流路と、
    当該冷却流路における前記ガスタービン翼の腹側の壁面に対して前縁側から後縁側に架け渡されたリブであって、当該後縁側の端部が当該前縁側の端部よりも前記翼先端部側に位置するように傾斜した腹側リブと、
    前記冷却流路における前記ガスタービン翼の背側の壁面に対して前縁側から後縁側に架け渡されたリブであって、当該後縁側の端部が当該前縁側の端部よりも前記翼先端部側に位置するように傾斜した背側リブと、
    前記冷却流路を流れる冷却媒体を前記ガスタービン翼の外部に流出させるためのフィルム冷却孔とを備え
    前記フィルム冷却孔は、翼表面側の開口端が翼内部側の開口端よりも冷却媒体の流通方向の下流側に位置するように傾斜し、
    前記フィルム冷却孔における前記冷却流路側の開口部は、冷却媒体の流通方向において隣り合う2つのリブの間に位置することを特徴とするガスタービン翼。
  3. 請求項2に記載のガスタービン翼において、
    前記腹側リブと前記背側リブの間には前記前縁に沿って間隔が設けられていることを特徴とするガスタービン翼。
  4. 請求項3に記載のガスタービン翼において、
    前記腹側リブの前縁側端部と前記背側リブの前縁側端部との間に設けられた前記間隔に、前記前縁に沿って配置されたフィルム冷却孔が設けられていることを特徴とするガスタービン翼。
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