JP5029296B2 - 温度検出装置及び記録装置 - Google Patents

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本発明は、検知対象物の温度を検出する温度検出装置、及び、これを備えた記録装置に関する。
被記録媒体である記録用紙にインク滴を吐出することによって記録用紙上に画像を印刷するインクジェットプリンタがある。このようなインクジェットプリンタとしては、インク滴を吐出するノズル及びノズルに連通する圧力室が形成された流路ユニットと、圧力室内のインクに吐出エネルギーを付与するアクチュエータとを有する記録ヘッドと、アクチュエータを駆動するためのパルスを生成するドライバICとを有するものが知られている。アクチュエータは、圧力室の容積を変化させることにより圧力室に吐出エネルギーを付与する。このアクチュエータは、ドライバICからパルス状の駆動信号が付与されることによって駆動する。
このようなインクジェットプリンタにおいては、ドライバICが出力する駆動信号のパルス周波数を高くしてインク滴の吐出周期を短くすることによって、印刷の高速化を図っている。しかしながら、駆動信号のパルス周波数を高くすると、ドライバICの発熱量が大きくなる。そこで、ドライバICの熱破壊を防止するため、ドライバICの温度が所定の温度以上となったときに、ドライバICが冷却されるまでドライバICの駆動を停止して、ドライバICの温度が高くなりすぎるのを抑制する技術が知られている(特許文献1参照)。さらに、ドライバICの温度を検出するため、温度に応じて出力電圧が変化するダイオードと、ダイオードからの出力電圧と検出温度に対応する基準電圧とが一致したことを検知するコンパレータとを有する温度検出回路が知られている(特許文献2参照)。この技術によると、ダイオードからの出力電圧が基準電圧と一致したことをコンパレータが検知したときに、ドライバICの温度が検出温度となっていることを検出することができる。なお、基準電圧をのこぎり波或いは三角波で出力してスイープするという技術が知られていた。これを応用することで、広い範囲でドライバICの温度を検出できる。
特開2005−22294号公報(図4) 特開2003−075264号公報(図2)
上述した技術によると、スイープ範囲が常に一定の広い温度範囲であることから、スイープ時間が長くなり、温度検出の応答性が低くなる。つまり、ドライバICの温度が検出されても、その検出温度が次のスイープ期間に出力されるので、1スイープが完了するまでにドライバICの温度がさらに上昇してしまう虞がある。そのため、ドライバICの温度が急激に上昇する場合を見越して検出温度を低く設定する必要がある。この場合、温度の変化率とは無関係に、ドライバICを低い温度で駆動することになるため駆動効率が低下する。
そこで、本発明の目的は、温度検出の応答性が高い温度検出装置及び記録装置を提供することである。
本発明の温度検出装置は、検知対象物の温度変化に伴って電圧が変化する出力信号を出力する温度センサと、前記検知対象物の温度に関連付けられる参照信号を生成する参照信号生成回路と、前記参照信号の電圧の変化範囲を規定した第1電圧及び第2電圧を記憶する電圧記憶回路と、前記参照信号の電圧が、前記電圧記憶回路に記憶された前記第1電圧から前記第2電圧に変化するように前記参照信号生成回路を制御する制御回路と、前記参照信号の電圧と前記出力信号の電圧とが一致するか否かを判断する判断回路と、前記電圧記憶回路に記憶された前記第1電圧及び第2電圧の少なくともいずれか一方を書き換える電圧書換回路とを備えている。そして、前記制御回路は、前記判断回路が前記参照信号の電圧と前記出力信号の電圧とが一致すると判断したとき、当該一致したときの前記参照信号の電圧に基づいて前記検知対象物の温度を検出するとともに、検出された前記検知対象物の温度に対応して前記参照信号の電圧の変化範囲が変更されるように前記電圧書換回路を制御する。
別の観点において、本発明の温度検出装置は、検知対象物の温度変化に伴って出力信号のレベルが変化する温度センサと、レベルが変化可能な参照信号を生成する参照信号生成回路と、前記参照信号のレベルが変化する範囲を規定した第1信号レベル及び第2信号レベルを書換え可能に記憶するレベル記憶部と、前記参照信号のレベルが、前記レベル記憶部に記憶された前記第1信号レベルから前記第2信号レベルに変化するように前記参照信号生成回路を制御する制御ユニットと、前記参照信号のレベルと前記出力信号のレベルとを比較する比較回路と、前記レベル記憶部に記憶された第1信号レベルおよび第2信号レベルの少なくとも一方を書き換えるレベル書換部とを備えている。そして、前記制御ユニットは、前記比較回路の比較結果に従って前記参照信号のレベルが前記出力信号のレベルに達したことを判断し、前記参照信号のレベルが前記出力信号のレベルに達したときに前記参照信号生成回路が生成した前記参照信号のレベルに相当する信号を前記検知対象物の現在の温度を表す検出温度信号として発生するとともに、前記検知対象物の温度を表す信号に対応して前記参照信号のレベルの変化範囲が変更されるように前記レベル書換部を制御する。
また、本発明の記録装置は、記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの温度変化に伴って出力信号の電圧が連続的に変化する温度センサと、前記記録ヘッドの温度に関連付けられる参照信号を生成する参照信号生成回路と、前記参照信号の電圧が変化する範囲を規定した第1電圧及び第2電圧を記憶する電圧記憶回路と、前記参照信号の電圧が、前記電圧記憶回路に記憶された前記第1電圧から前記第2電圧に変化するように前記参照信号生成回路を制御する制御回路と、前記参照信号の電圧と前記出力信号の電圧とが一致するか否かを判断する判断回路と、前記電圧記憶回路に記憶された第1電圧及び第2電圧の少なくともいずれか一方を書き換える電圧書換回路とを備えている。そして、前記制御回路は、前記判断回路が前記参照信号の電圧と前記出力信号の電圧とが一致すると判断したとき、当該一致したときの前記参照信号の電圧に基づいて前記記録ヘッドの温度を検出するとともに、検出された前記記録ヘッドの温度に対応して前記参照信号の電圧の変化範囲が変更されるように前記電圧書換回路を制御する。
別の観点において、本発明の記録装置は、被記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの温度変化に伴って出力信号のレベルが変化する温度センサと、レベルが変化可能な参照信号を生成する参照信号生成回路と、前記参照信号のレベルが変化する範囲を規定した第1信号レベル及び第2信号レベルを書換え可能に記憶するレベル記憶部と、前記参照信号のレベルが、前記レベル記憶部に記憶された前記第1信号レベルから前記第2信号レベルに変化するように前記参照信号生成回路を制御する制御ユニットと、前記参照信号のレベルと前記出力信号のレベルとを比較する比較回路と、前記レベル記憶部に記憶された第1信号レベルおよび第2信号レベルの少なくとも一方を書き換えるレベル書換部とを備えている。そして、前記制御ユニットは、前記比較回路の比較結果に従って前記参照信号のレベルが前記出力信号のレベルに達したことを判断し、前記参照信号のレベルが前記出力信号のレベルに達したときに前記参照信号生成回路が生成した前記参照信号のレベルに相当する信号を前記記録ヘッドの現在の温度を表す検出温度信号として発生するとともに、前記記録ヘッドの温度を表す信号に対応して前記参照信号のレベルの変化範囲が変更されるように前記レベル書換部を制御する。
これら本発明の温度検出装置又は記録装置によると、電圧記憶回路またはレベル記憶部に記憶された第1電圧または第1信号レベル及び第2電圧又は第2信号レベルの値を、制御回路又は制御ユニットによって検出された温度に対応して電圧書換回路又はレベル書換部が書き換えることにより、参照信号の電圧変化範囲を温度センサの出力信号の電圧又はレベルに対応した範囲に容易に変更することができる。これにより、温度検出の応答性を高くすることができる。
前記参照信号生成回路が、所定周期のパルス信号を生成するパルス信号生成回路、及び、前記パルス信号生成回路が生成した前記パルス信号を平滑化して前記参照信号として出力する平滑回路を有しており、前記制御回路が、前記パルス信号生成回路が生成する前記パルス信号のパルス幅を変更することによって、前記参照信号の電圧を変化させることが好ましい。これによると、参照信号生成回路を安価に構成することができる。
このとき、前記パルス信号生成回路が一定のパルス幅を有する前記パルス信号を生成している間、前記パルス信号のパルス数をカウントするカウンタと、前記パルス信号に関するパルス数を記憶するパルス数記憶回路とをさらに備えており、前記制御回路は、前記カウンタの値が、前記パルス数記憶回路に記憶されたパルス数と一致する毎に、前記パルス信号のパルス幅を変更することが好ましい。これによると、パルス数記憶回路に記憶されたパルス数の値を書き換えることにより、参照信号の電圧変化率を容易に変更することができる。これにより、温度検出の応答性をさらに高くすることができる。
また、前記制御回路が、検出した温度に対応する前記参照信号の電圧に基づいて新たな前記第1電圧及び前記第2電圧の少なくともいずれか一方を決定し、決定された新たな前記第1電圧及び前記第2電圧の少なくともいずれか一方が前記電圧記憶回路に記憶されるように前記電圧書換回路を制御することが好ましい。これによると、参照信号の電圧変化範囲が温度センサの出力信号の電圧に近い範囲に変更されるため、温度検出の応答性をより一層高くすることができる。
さらに、前記参照信号生成回路が、D/Aコンバータであってもよい。これによると、参照信号の精度が高くなるため、温度検出の応答性をより一層高くすることができる。
また、前記第1電圧が検出温度範囲における最高温度に関連付けられており、前記第2電圧が前記検出温度範囲における最低温度に関連付けられており、前記制御回路が、過去に検出した温度に基づいて、前記検知対象物の温度が上昇傾向にあると判断したとき、前記最低温度が高くなるように前記第2電圧が変化してもよい。これによると、スイープ範囲が短くなるため、温度検出の応答性をさらにより一層高くすることができる。
さらに、本発明の記録装置は、前記検出温度信号により表された前記記録ヘッドの現在の温度が、予め定められた上限温度に達したことを判断する判断部と、前記記録ヘッドの現在の温度が、予め定められた上限温度に達したと判断されたとき、前記記録ヘッドによる1つの被記録媒体の記録処理が完了した後に前記記録ヘッドの記録動作を停止させる停止部とをさらに備えていてよい。これによって、無駄な用紙Pが生じることがない。また、印刷中の画像データが失われることもなく確実に印刷ができる。
本発明の記録装置において、前記制御ユニットは、前記現在の温度を表す検出温度信号に加え、現在から遡って発生した複数の検出温度信号の平均レベルに基づいて、新たな前記第1信号レベル及び新たな前記第2信号レベルの少なくともいずれか一方を決定し、決定された新たな前記第1信号レベル及び新たな前記第2信号レベルの少なくともいずれか一方が前記レベル記憶部に記憶されるように前記レベル書換部を制御してよい。これによると、スイープ範囲が短くなるため、温度検出の応答性をさらにより一層高くすることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る温度検出装置を含む記録装置であるインクジェットプリンタの側面図である。図1に示すように、記録装置であるインクジェットプリンタ101は、4つのインクジェットヘッド1、つまり記録ヘッドを有するカラーインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ101は、インクジェットプリンタ101全体の動作を制御する制御装置16を有している。また、このインクジェットプリンタ101には、図中左方に給紙部11が、図中右方に排紙トレイ12がそれぞれ構成されている。
インクジェットプリンタ101の内部には、給紙部11から排紙トレイ12に向かって被記録媒体である用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙部11は、用紙ストッカ11aと、ピックアップローラ11cとを有している。用紙ストッカ11aは、その内部に多数の用紙Pを収容するものであり、上方に開口する開口部が図中右方に向かって傾斜した状態で配置されている。用紙ストッカ11a内には、用紙ストッカ11aの底から開口部に向かって付勢された支持板11bが配置されており、この支持板11b上に多数の用紙Pが積層されている。ピックアップローラ11cは、載置モータ11d(図3参照)に駆動されることによって、積層された用紙Pを上から一枚ずつピックアップすると共に、ピックアップした用紙Pを下流へと送り出す。給紙部11のすぐ下流位置には、用紙検知センサ59が配置されている。用紙検知センサ59は、ピックアップローラ11cによって送り出された用紙Pが搬送ベルト8のすぐ上流に位置する印刷待機位置Aに到達したか否を検知するためのものであり、印刷待機位置Aにある用紙Pの先端を検出することができるように調整されている。ピックアップローラ11cによって用紙ストッカ11aから送り出された用紙Pは、印刷待機位置Aを通過して搬送ベルト8の外周面8aに載置される。
用紙搬送経路の中間部には、搬送装置13が設けられている。この搬送装置13は、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7の間に架け渡されるように巻き回されたエンドレスの搬送ベルト8と、ベルトローラ6を回転させる搬送モータ19(図3参照)と、搬送ベルト8によって囲まれた領域内に配置されたプラテン15とを含む。搬送ベルト8の表面は粘着性を有している。プラテン15は、インクジェットヘッド1と対向する位置において搬送ベルト8が下方に撓まないように搬送ベルト8を支持する。ベルトローラ7と対向する位置には、ニップローラ4が配置されている。ニップローラ4は、用紙Pが搬送ベルト8の外周面8aに載置されたとき、この用紙Pを外周面8aに押さえ付ける。搬送モータ19がベルトローラ6を回転させると搬送ベルト8が駆動される。搬送ベルト8は、その表面に弱粘着性のシリコン樹脂層を有している。これにより、搬送ベルト8が、用紙Pを粘着保持しつつ排紙トレイ12に向けて搬送する。
図1に示すように、搬送ベルト8のすぐ下流には、剥離プレート14が設けられている。剥離プレート14は、搬送ベルト8の外周面8aに粘着されている用紙Pを外周面8aから剥離して、図中右方の排紙トレイ12に向けて導く。
4つのインクジェットヘッド1は、4色のインク(マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(K))に対応して、用紙Pの搬送方向に沿って順に4つ並べて固定されている。つまり、このインクジェットプリンタ101はライン式プリンタである。4つのインクジェットヘッド1は、その下端にヘッド本体2をそれぞれ有している。ヘッド本体2は、搬送方向に直交した方向に長尺な細長い直方体形状となっている。また、ヘッド本体2の底面が搬送ベルト8の外周面8aに対向するインク吐出面2aとなっている。
搬送ベルト8によって搬送される用紙Pが4つのヘッド本体2のすぐ下方を順に通過する際に、この用紙Pの上面すなわち印刷領域に向けてインク吐出面2aから各色のインク滴が吐出される。これにより、用紙Pの印刷領域に所望のカラー画像が形成できるようになっている。以上の給紙、画像形成、排紙という各動作は、後述の制御装置16によって互いに同期して滑らかに行われる。
次に、図2を参照しつつインクジェットヘッド1について詳細に説明する。図2は、インクジェットヘッド1の幅方向に沿った断面図である。図2に示すように、インクジェットヘッド1は、内部に流路が形成された流路部材、流路部材からインクを吐出させる電装部材および電装部材を保護するカバー部材とから構成されている。流路部材は、流路ユニット9とアクチュエータユニット21とを含むヘッド本体2、およびヘッド本体2の上面に配置されているリザーバユニット71を含む。リザーバユニット71は、インクを一時的に貯溜しており、貯溜されたインクをヘッド本体2に供給する。電装部材は、ドライバIC52が実装されたCOF(Chip On Film)50、およびCOF50と電気的に接続された基板54を含む。COF50の一端は、アクチュエータユニット21に接続され、ドライバIC52が生成する駆動信号がアクチュエータユニット21に供給される。カバー部材は、サイドカバー53及びヘッドカバー55で構成されている。カバー部材は、電装部材を収納し、外部からのインクミストの浸入を防ぐ。
ヘッド本体2においては、図2に示すように、アクチュエータユニット21が流路ユニット9の上面に固定されている。流路ユニット9は、金属製のプレート122〜130が積層された積層構造を有しており、下面にインク滴を吐出する多数のノズルが開口しているインク吐出面2aが形成されている。また、流路ユニット9の内部には、インクが供給される図示しない共通インク流路と、共通インク流路から圧力室を介してノズルに至る多数の個別インク流路とが形成されている。
アクチュエータユニット21は、流路ユニット9の各圧力室に対応した複数のアクチュエータを含むものであり、圧力室内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する。本実施形態においては、アクチュエータユニット21は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料から形成され、圧電シート(圧電層)を有する圧電式のアクチュエータである。圧電シートは圧力室と対向する個別電極と共通電極とで挟持されている。共通電極は、すべての圧力室に対応する領域において、等しくグランド電位が付与されている。一方、個別電極は、COF50の内部配線を介してドライバIC52の各端子と電気的に接続されており、ドライバIC52からの駆動信号が選択的に入力されるようになっている。
つまり、アクチュエータユニット21において、個別電極と圧力室とで挟まれた部分が、個別のアクチュエータとして働き、圧力室の数に対応した複数のアクチュエータが作り込まれている。個別電極に駆動信号が入力されることによって、アクチュエータユニット21の当該個別電極に対応する領域が圧力室の内側に向かって凸に変位する。これにより、圧力室内のインクに圧力つまり吐出エネルギーが付与され、圧力室内に圧力波が発生する。そして、発生した圧力波が圧力室からノズルまで伝播することによってノズルからインク滴が吐出される。
リザーバユニット71は、4枚の金属製のプレート91〜94が互いに位置合わせされつつ積層されたものであり、その内部に、インクリザーバ61、及び、インク流出流路62を含むインク流路が形成されている。また、リザーバユニット71は、その下面で流路ユニット9内のインク流路と連通している。両ユニット71、9は、接着剤で接合されており、熱的にも結合されている。インクリザーバ61は、図示しないインクタンクから供給されたインクを一時的に貯溜する。インクリザーバ61に貯溜されたインクは、インク流出流路62を介して流路ユニット9の共通インク流路に供給される。
COF50の一方端では、COF50の内部配線がアクチュエータユニット21上面に形成された電極と電気的に接続されている。COF50は、アクチュエータユニット21の上面からサイドカバー53とリザーバユニット71との間を通過するように上方に引き出されており、その他方端がコネクタ54aを介して基板54に接続されている。基板54は、制御装置16からCOF50への信号を中継する。
ドライバIC52は、COF50の配線を介してアクチュエータユニット21に駆動信号を出力するものであり、ドライバIC52の温度(インクジェットヘッド1の温度と実質的に同等)を検知するための温度信号生成回路40(図3参照)を有している。また、ドライバIC52は、リザーバユニット71の側面に貼り付けられたスポンジ79によって、サイドカバー53に向けて付勢されている。ドライバIC52は、放熱シート80を介してサイドカバー53の内側面と密着することによって、サイドカバー53と熱的に結合されている。
サイドカバー53は、金属製の板部材であり、流路ユニット9の上面における幅方向両端部近傍から上方に延在している。サイドカバー53の下端は、流路ユニット9に形成された溝と係合しており、サイドカバー53と流路ユニット9とが熱的に結合されている。上述したように、ドライバIC52とサイドカバー53とが熱的に結合されていると共に、リザーバユニット71と流路ユニット9とが熱的に結合されているため、ドライバIC52とサイドカバー53と流路ユニット9とリザーバユニット71とが全て熱的に結合されている。これにより、ドライバIC52からの熱がサイドカバー53、流路ユニット9及びリザーバユニット71を介して外部に放熱される。
ヘッドカバー55は、リザーバユニット71の上方の空間を封止するように、2つのサイドカバー53の上方にこれらをつなぐように取り付けられている。このように、2つのサイドカバー53とヘッドカバー55とにより囲まれる空間内に、リザーバユニット71、COF50及び基板54が配置されている。サイドカバー53と流路ユニット9との接続部、及び、サイドカバー53とヘッドカバー55との嵌合部にシリコン樹脂材料等からなる封止部材56が塗布されている。これにより、外部からのインクミストの浸入をより確実に防いでいる。
次に、制御装置16について図3を参照しつつ詳細に説明する。図3は、制御装置16のブロック図である。図3に示すように、制御装置16は、印刷データ記憶部63と、ドライバIC駆動部64と、温度検出回路65と、停止部66と、再開部67と、搬送モータ制御部68と、載置制御部69とを有している。
印刷データ記憶部63は、図示しない上位の装置、例えば、ホストコンピュータから転送される印刷データを記憶する。印刷データは、連続して印刷すべき用紙Pの枚数、及び、各用紙Pに印刷すべき画像に関する画像データを含んでいる。
温度検出回路65は、各ドライバIC52の温度信号生成回路40から出力される温度検出信号に基づいて、ドライバIC52の温度Tを検出する。
ドライバIC駆動部64は、印刷すべき画像が用紙Pに形成されるように、印刷データ記憶部63に記憶された印刷データに基づいて、各インクジェットヘッド1のドライバIC52を駆動する。本実施の形態において、ドライバIC駆動部64は、1枚の用紙Pに対して画像を形成する印刷処理を1つの駆動単位としてドライバIC52を駆動する。
停止部66は、ドライバIC52の熱破壊を防止するため、温度検出回路65が予め定められた上限温度Toff(例えば、100℃)以上の温度Tを検知したとき、ドライバIC52における1駆動単位に係る駆動が完了している状態、つまり、用紙Pに対する印刷処理が完了している状態で、ドライバIC駆動部64によるドライバIC52の駆動を停止させる。これによって、無駄に用紙Pを使用することが無く、印刷中の画像データを失う虞もなくなる。ここで、上限温度Toffは、ドライバIC52の熱破壊が起こる温度よりも低い温度に定められている。
再開部67は、停止部66がドライバIC駆動部64によるドライバIC52の駆動を停止した後に、温度検出回路65が検出するドライバIC52の温度Tが、予め定められた再開温度Ton(例えば、80℃)以下となったときに、駆動部64によるドライバIC52の駆動を再開させる。
搬送モータ制御部68は、搬送モータ19を制御することによって、所定の印刷周期に対応する速度で用紙Pが搬送されるように、搬送ベルト8を走行させる。ここで、印刷周期とは、ノズルからインク滴が吐出されるときの吐出周期であり、言い換えれば、用紙Pに印刷される画像の印刷解像度に対応する単位距離だけ、用紙Pが搬送装置13によって搬送されるのに要する時間である。
載置制御部69は、載置モータ11dを制御することによって、ピックアップローラ11cの駆動を制御する。載置制御部69は、用紙検知センサ59の検知結果からピックアップローラ11cによって送り出された用紙Pの先端が印刷待機位置Aに到達したか否かを判断し、用紙Pが印刷待機位置Aに到達したとき、ピックアップローラ11cの駆動を一旦停止させる。このとき、停止部66によりドライバIC52の駆動が停止されている場合、載置制御部69は用紙Pを印刷待機位置Aにそのまま待機させる。この用紙Pの待機は、再開部67によりドライバIC52の駆動が再開可能と判断されるまで継続される。
次に、温度信号生成回路40及び温度検出回路65について図4を参照しつつ詳細に説明する。図4は、本実施の形態の温度検出装置を構成する、温度信号生成回路40及び温度検出回路65のブロック図である。
図4に示すように、温度信号生成回路40は、温度センサ44と、判断回路又は比較回路であるコンパレータ45と、増幅回路46とを有している。温度センサ44について、図5を参照しつつ説明する。図5は、温度センサ44が出力する電圧の温度特性を示すグラフである。温度センサ44は、ドライバIC52を構成する半導体の一部に設けられている。半導体の持つエネルギーギャップあるいはエネルギー障壁は、温度によって変化し、温度の上昇に伴って低くなる。温度センサ44は、このような半導体の特性を利用したものであり、エネルギーギャップあるいはエネルギー障壁に対応した電圧を出力する。図5に示すように、温度センサ44の温度特性は、比較的広い範囲で良好な直線性を示す。上限温度Toffに対しては、電圧Voffを出力し、再開温度Tonに対しては、電圧Vonを出力する。


コンパレータ45は、温度センサ44からの出力電圧と、温度検出回路65からの参照信号である参照電圧とを比較するものであり、両者が一致したとき、つまり参照電圧のレベルが出力電圧のレベルに達したときに、温度検出信号を出力する。温度検出信号は、ドライバIC52及びインクジェットヘッド1の温度情報を持つ信号、より具体的にはその温度の検出タイミングを示す信号である。増幅回路46は、コンパレータ45から出力された温度検出信号を増幅する。増幅回路46により増幅された温度検出信号は、温度検出回路65のPWMコントローラ42に出力される。後述するように、参照電圧は、検出温度範囲の最高温度Tmaxに対応する最低参照電圧V1から最低温度Tminに対応する最高参照電圧V2までの範囲において、段階的に高くなっていくようにスイープされる。参照電圧は可変であるスイープ周期で繰り返してスイープされる(図8参照)。温度検出信号は、各スイープ周期内において、ドライバIC52の温度が検出されたタイミングを示す信号であって、このタイミングを境にローレベルからハイレベルに切り替わるパルス信号である。なお、図8においては、スイープ周期内での参照電圧の変化を解り易くするため、後述するPWM信号を平滑化して得られる参照電圧のデューティーを10%毎にステップアップする例を示している。スイープされる温度範囲には、上限温度Toff及び再開温度Tonが含まれる。
次に、温度検出回路65について、図4及び図6を参照しつつ説明する。温度検出回路65は、参照電圧を生成して温度信号生成回路40に出力すると共に、温度信号生成回路40から温度検出信号が出力されたときのドライバIC52の温度Tを検出し、その検出結果を検出温度信号として出力する。図4に示すように、温度検出回路65は、パルス信号生成回路であるPWM信号生成回路41と、PWMコントローラ42と、平滑回路43とを有している。
PWM信号生成回路41は、所定のPWM周期内にパルスを1つだけ有するPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成する。図6は、PWM信号生成回路41が出力するPWM信号と、このPWM信号を平滑化して得られる参照電圧(Vref)との関係について示した図である。図6においては、パルス幅すなわちデューティーが100%、50%、25%及び10%の例を示している。PWM信号生成回路41が生成したPWM信号は、平滑回路43に出力される。
PWMコントローラ42は、PWM信号生成回路41が生成するPWM信号のパルス幅変調を行うと共に、ドライバIC52の温度Tを検出する。ドライバIC52の温度は、温度信号生成回路40からの温度検出信号がローレベルからハイレベルに切り替わるタイミングにおける、PWM信号のパルス幅に基づいて決められる。検出された温度Tは、検出温度信号として出力される(図7参照)。
平滑回路43は、抵抗R1及びコンデンサC1で構成されたCR積分回路であり、PWM信号生成回路41が生成したPWM信号を平滑化する。抵抗R1及びコンデンサC1の値、すなわち、平滑回路43の時定数(CR)は、PWM周期よりも十分短い範囲において、平滑後のリップルが所定の許容変換誤差より小さくなるように、且つ、平滑による応答遅れが系において許される所定の許容応答遅れよりも小さくなるように決定されている。そして、平滑回路43で平滑された信号が、参照電圧として温度信号生成回路40のコンパレータ45に出力される。言い換えれば、PWM信号生成回路及び平滑回路43が参照信号生成回路を構成している。
PWMコントローラ42がPWM信号のパルス幅変調を行うことによって、図6に示すように参照電圧が変化する。PWM信号は、同じパルス幅の複数のパルスを含むパルス列である。同じパルス幅を有する複数のパルスの続く期間が、図8に示す参照電圧における1つのステップの持続時間つまりサンプリング周期に相当する。本実施の形態において、どのサンプリング周期内についてもパルスの個数は同じである。さらに、サンプリング周期内におけるパルス間隔は一定である。1つのサンプリング周期が終了する毎に、PWM信号生成回路41から順次出力されるパルスのパルス幅が変更、つまり徐々に増加又は減少される。その結果、参照電圧が所定の電圧範囲内で段階的に変化することになる。参照電圧が、検出温度範囲に対応した電圧範囲内の上限から下限まで又は下限から上限まで変化し終わると、1回のスイープ動作(これに要する時間を「1スイープ周期」と称する)が完了する。
次に、PWM信号生成回路41及びPWMコントローラ42について図7及び図8をさらに参照しつつ説明する。図7は、PWM信号生成回路41及びPWMコントローラ42のブロック図である。図8は、温度検出回路65からの参照電圧と温度センサ44からの出力電圧との関係を示した図である。
図7に示すように、PWM信号生成回路41は、PWMクロック発生回路81と、PWMカウンタ82と、コンパレータ76と、フリップフロップ(DFF:D Flip Flop)77とを有している。PWMクロック発生回路81は、PWM信号生成回路41が生成するPWM信号の基準クロックつまりPWMクロックを発生する回路である。PWMクロック発生回路81が発生したPWMクロックは、PWMカウンタ82、コンパレータ76、フリップフロップ77及びPWMコントローラ42のリピートカウンタ84に出力される。本実施形態では、PWMクロック発生回路81は、PWM周期毎に最大4096の基準クロックを発生させる。
PWMカウンタ82は、各PWM周期において、所定数のPWMクロックをカウントするカウンタである。例えば、PWMカウンタ82は、PWMクロックをPWM周期毎に0から4096までカウントするリングカウンタである。このように、PWM周期は一定となっている。また、PWMカウンタ82は、カウント値が0から1に変化したとき、フリップフロップ77のデータ(D)端子にパルスを出力する。このとき、フリップフロップ77の出力(Q)端子からの出力信号が、PWMクロックに同期してHighにセットされる。
コンパレータ76は、各PWM周期において、PWMカウンタ82がカウントするPWMクロックのカウント値が、スイープカウンタ83から出力されたパルス幅に対応した制御クロック数に一致すると、フリップフロップ77のリセット(R)端子にパルスを出力する。このとき、フリップフロップ77の出力(Q)端子からの出力信号が、PWMクロックに同期してLowにリセットされる。このLow状態は、次のPWM周期が始まるまで維持される。なお、コンパレータ76では、PWMクロックのカウント値と制御クロック数との一致タイミングの検出が、PWMクロックに同期して行われるようになっている。
このように、PWM信号生成回路41においては、フリップフロップ77の出力(Q)端子から、1PWM周期毎に1つのデューティーパルスつまりPWM信号のパルスが出力される。この動作がリピート回数だけ繰り返され、PWM信号として平滑回路43に出力される。例えば、PWMカウンタ82が、PWM周期毎に4096クロックをカウントする本実施形態の場合、スイープカウンタ83から出力される制御クロックの数が1024であれば、フリップフロップ77が出力するパルスのパルス幅は1024クロック分の幅(デューティー25%)となる(図6参照)。このパルスの出力は、PWM周期の所定数倍に等しいサンプリング周期の間、繰り返される。
PWMコントローラ42は、制御回路又は制御ユニットの一部であるスイープカウンタ83と、制御回路又は制御ユニットの一部であると共にパルス数記憶回路であるリピートカウンタ84と、電圧記憶回路である2つの温度PWMデューティー変換回路85、86と、コンパレータ87と、制御回路又は制御ユニットの一部であるラッチ回路88と、制御回路又は制御ユニットの一部であるPWMデューティー温度変換回路89と、レベル書換部である電圧書換回路90とを有している。また、PWMコントローラ42においては、外部からの最高温度信号Smaxが温度PWMデューティー変換回路85に入力され、最低温度信号Sminが温度PWMデューティー変換回路86に入力され、リピート回数信号Repeatがリピートカウンタ84に入力される。さらに、温度信号生成回路40からの温度検出信号がラッチ回路88に入力される。ここで、最高温度信号Smaxは検出温度範囲の最高温度Tmaxを示すものであり、最低温度信号Sminは検出温度範囲の最低温度Tminを示す。また、リピート回数信号Repeatは、1サンプリング周期中のPWM周期の繰り返し回数を示す。つまり、最高温度信号Smax及び最低温度信号Sminにより、検出温度範囲の上限と下限が決まる。そして、これらを変更することによって、検出温度範囲である参照電圧のスイープ範囲は任意に変更可能である。また、リピート回数信号Repeatにより、サンプリング周期が決まり、これを変更することにより参照電圧のスイープ時間つまりスイープ周期を変更することができる。
リピートカウンタ84は、参照電圧が最小参照電圧から最大参照電圧まで段階的に変化するように、スイープカウンタ83にインクリメント信号を出力する。このインクリメント信号は、サンプリング周期毎に出力される。サンプリング周期は、入力されたリピート回数信号Repeatが示すリピート回数だけPWM周期を繰り返した時間である。
具体的には、リピートカウンタ84は、各サンプリング周期において、出力されるPWMクロックの総数を記憶している。そして、リピートカウンタ84は、PWMクロック発生回路81が発生したPWMクロックの数をカウントする。ここで、記憶したPWMクロック総数とカウント値とが一致したときに、リピートカウンタ84は、スイープカウンタ83にインクリメント信号を出力する。つまり、このインクリメント信号は、PWMクロック発生回路81からのパルス数に基づくサンプリング周期毎に出力される。
例えば、1つのサンプリング周期がPWM周期の5倍であるとき、サンプリング周期毎に、PWMクロック発生回路81は20480(=4096×5)個のPWMクロックをリピートカウンタ84に対して出力することになる。リピートカウンタ84は、PWMクロックのカウント総数が20480に達したとき、インクリメント信号を出力することになる。なお、リピートカウンタ84のカウンタ機能は、プリセット式のダウンカウンタで実現されている。そして、カウント値が0となったときに出力されるダウンカウンタのボロー信号つまり桁下がり信号が、インクリメント信号として利用される。
ボロー信号が出力されると、次のサンプリング周期のリピート回数が、図示しない記憶手段(例えば、ROM)から制御回路又は制御ユニットの一部である図示しないCPUによってリピートカウンタ84にロードされる。本実施形態においては、リピート回数は固定されている。しかしながら、ロードされるリピート回数がCPUによって変更可能となっていてもよい。これによって、サンプリング周期の長さを変えることができる。リピート回数は検出温度の変化率に応じて変えられてもよく、例えば、変化率が高いつまり温度が急激な変化を示すときには、リピート回数を減らしてサンプリング周期を短くする。変化率はCPUによって計算される。
温度PWMデューティー変換回路85、86は、入力された温度信号(Smax、Smin)から当該温度信号が示す温度に対応するPWM信号のパルス幅を決め、このパルス幅を対応したPWMクロックの数に変換し、得られたクロック数を書き換え可能に記憶する。したがって、温度PWMデューティー変換回路85は、入力された最高温度信号Smaxを、検出温度範囲の最高温度Tmaxに対応するPWM信号のパルス幅を示す最小クロック数(第1電圧又は第1信号レベルの値に相当)に変換して記憶する。そして、温度PWMデューティー変換回路85に記憶された最小クロック数の情報は、スイープカウンタ83に出力される。一方、温度PWMデューティー変換回路86は、入力された最低温度信号Sminを、検出温度範囲の最低温度Tminに対応するPWM信号のパルス幅を示す最大クロック数(第2電圧又は第2信号レベルの値に相当)に変換して記憶する。そして、温度PWMデューティー変換回路86に記憶された最大クロック数の情報は、コンパレータ87に出力される。
なお、温度PWMデューティー変換回路85、86には、電圧書換回路90からの書換信号が入力される。書換信号は温度を示す温度信号であり、温度PWMデューティー変換回路85、86は、書換信号が入力されたときに、温度信号(Smax、Smin)が入力されたときと同じ動作を行う。
ここで、温度PWMデューティー変換回路85、86が、温度信号をPWM信号のパルス幅に変換する構成を簡単に説明する。温度センサ44の持つ直線的な温度−電圧特性から、検出温度Tと出力電圧Vとの関係を、V=a−bTと表すことができる。aおよびbは定数であって、最高温度Tmaxを検出すると出力電圧がV=0[v]となり、最低温度Tminを検出すると出力電圧がV=3.3[v]となる値である。例えば、a=1.341、b=0.0042である。V=3.3[v]は、温度検出回路65のPWM信号生成回路41に用いられている論理素子の出力電圧である。この電圧値をもつPWM信号を平滑化して参照電圧としており、出力電圧V=0[v]はPWM信号のデューティー0%に相当し、出力電圧V=3.3[v]はデューティー100%に相当する。また、本実施形態では、0〜3.3[v]の間の任意の電圧vは、3.3×D(デューティー)と表され、デューティーに依存している。さらに、電圧vに対応するPWMクロック数をnとしたとき、D=n/4096という関係があるので、3.3×n/4096=a−bTとなる。これを整理すると、n=c−dT(ただし、c、dは定数)という関係が得られる。
温度PWMデューティー変換回路85、86は、それぞれ、図11に示すような加算回路202、減算回路204および乗算回路206からなるパルス数算出回路200を有している。乗算回路206には、T値(実際は、T値に対応した温度信号S)およびd値が入力される。乗算回路206からの出力は、減算回路204で符号を反転されて加算回路202に入力される。この加算回路202にはc値が入力されて、n値すなわちPWM信号のパルス幅を示すクロック数が得られる。このクロック数は、温度PWMデューティー変換回路85、86の図示しない記憶手段(例えば、ラッチ回路)に一旦記憶されることになる。得られたクロック数は、最高温度信号Smaxが入力される温度PWMデューティー変換回路85では、上述の最小クロック数として記憶され、温度PWMデューティー変換回路86では、最大クロック数として記憶される。
本実施の形態では、1サンプリング周期経過毎に、PWMコントローラ42がPWM信号のパルス幅を一定幅ずつ広げ、これに対応して、PWM信号生成回路41および平滑回路43が参照電圧を順次高くする。
スイープカウンタ83は、この参照電圧の変化率に対応して、生成すべき制御クロックの数を導出する。制御クロックは、PWM信号生成回路41が出力するPWM信号のパルス幅を制御するために用いられる。そして、制御クロックは、スイープカウンタ83から、PWM信号生成回路41のコンパレータ76、コンパレータ87及びラッチ回路88にそれぞれ出力される。スイープカウンタ83には、インクジェットプリンタ101の起動時及びコンパレータ87から後述するロード信号が出力される毎、つまりスイープ周期毎に、温度PWMデューティー変換回路85から出力された最小クロック数が、制御クロック数の初期値としてロード(LD)される。その後、スイープカウンタ83は、リピートカウンタ84からインクリメント信号が出力される毎に、参照電圧の変化率に従って制御クロック数をインクリメントしていく。
なお、スイープカウンタ83は、参照電圧の変化率に対応した制御クロック数の増分、すなわちインクリメント信号が入力されたときの新規の制御クロック数を、リピート回数信号Repeatに基づいて算出する増分算出回路を含んでいる。起動時には、予め設定されている検出温度の最大範囲に対応して、予め決められたリピート回数信号Repeatが入力される。
コンパレータ87は、スイープ周期を決める。具体的には、コンパレータ87は、温度PWMデューティー変換回路86から出力された最大クロック数と、スイープカウンタ83から出力される制御クロック数とが一致したときに、スイープカウンタ83にロード(LD)信号を出力する。すなわち、コンパレータ87は、スイープカウンタ83から出力された制御クロック数が、検出温度範囲の最低温度Tminに対応する最大クロック数までインクリメントされたときにロード信号を出力する。このとき、1回のスイープが完了する。
これに続いて、スイープカウンタ83においては、温度PWMデューティー変換回路85から出力された最小クロック数が、再度スイープカウンタ83にロードされる。これにより、スイープカウンタ83から出力される制御クロック数が、最小クロック数にリセットされる。その後、スイープカウンタ83は、再び、リピートカウンタ84からのインクリメント信号に基づいて、制御クロック数をインクリメントしていく。例えば、パルス幅を10%ずつ増やす図8の例では、インクリメント動作毎に、制御クロック数が約409(≒4096×0.1)個増えることになる。
これにより、図8に示すように、温度検出回路65が出力する参照電圧が、最低電圧0Vから最高電圧3.3Vまで段階的にスイープされる。言い換えれば、最高温度信号Smaxから最低温度信号Sminに対応する範囲で参照電圧がスイープされる。このように、参照電圧を、高い温度に対応する電圧からスイープすることにより、ドライバIC52が高温になっている場合に素早く温度Tを検出することができる。
ラッチ回路88は、ドライバIC52の温度信号生成回路40から温度検出信号が出力されたときに、スイープカウンタ83から出力される制御クロック数の情報をラッチする。ラッチされた制御クロック数の情報は、PWMデューティー温度変換回路89に出力される。PWMデューティー温度変換回路89は、ラッチ回路88から出力された制御クロック数の情報を、当該制御クロック数のパルス幅を有するPWM信号によって生成される参照電圧に相当する温度、つまり、ドライバIC52の温度Tに変換する。
この変換の具体的構成について、温度信号をPWM信号のパルス幅に変換する上述した場合と同様に、温度センサ44の直線性に基づいて説明する。上述のように、PWM信号のパルス幅を表すPWMクロック数nと検出温度Tとの間には、n=c−dTの関係がある。これから、T=e−fn(ただし、eおよびfは定数)という関係が得られる。PWMデューティー温度変換回路89は、温度PWMデューティー変換回路85、86と同構造の温度算出回路を有している。この温度算出回路の構造を図12に示す。図12に示すように、温度算出回路300は、加算回路302、減算回路304および乗算回路306から構成されている。乗算回路306には、n値(この場合は、出力された制御クロック数)およびf値が入力される。乗算回路306からの出力は、減算回路304で符号を反転されて加算回路302に入力される。この加算回路302にe値も入力されることで、T値すなわちドライバIC52の温度が得られる。
PWMデューティー温度変換回路89において検出された温度Tは、検出温度信号として電圧書換回路90に出力される。検出温度信号は、ドライバIC52の温度信号生成回路40から温度検出信号が出力される毎に出力される。例えば、図8の例では、検出温度1〜3をそれぞれ示す検出温度信号が順に出力される。この検出温度信号は、電圧書換回路90の他、停止部66および再開部67にも出力される。
検出温度信号を受信した電圧書換回路90は、温度PWMデューティー変換回路85、86の少なくともいずれか一方に対して、これらに記憶された最小クロック数及び最大クロック数を変更するための書換信号を出力する。書換信号は、以下に述べるように、検出温度信号に基づいて求められた信号である。
図示しない記憶手段(例えば、RAM)には、現時点よりも所定スイープ回数だけ遡った検出温度が記憶されている。電圧書換回路90は、これら所定スイープ回数分の検出温度を使った直線近似(例えば、移動平均に基づく)で、次のスイープで検出される温度を予測する。電圧書換回路90は、この予測温度に基づいて、書換信号を生成する。
例えば、図8に示すように、時間とともに検出温度が上昇している場合、この上昇に合わせて書換信号の最低温度を順次高い温度に変更していく。新たに設定される最低温度Tminは、先に計測された検出温度よりも2〜3割低い温度にすればよい。インクリメント毎の制御クロック数の増分を変えなければ、1スイープ周期中のサンプリング回数が減ることになる。これにより、1回のスイープにかかる時間が短縮され、且つ、ヘッド温度つまりドライバIC52の温度の検出速度が向上する。このとき、参照電圧の変化率は変化しないので、検出温度に対する分解能は変化しない。
なお、リピート回数を多くすれば、スイープ時における分解能が向上するが、サンプリング回数が同じならばスイープ時間が長くなる。一方、リピート回数を少なくすれば、スイープ時における分解能が低下するが、サンプリング回数が同じでもスイープ時間が短くなる。ここでは、サンプリング回数が少なくなるので、リピート回数を多くした分解能重視の構成にしても、スイープ時間が必要以上に長くならない。リピート回数を少なくした検出時間重視の構成であれば、検出時間のさらなる短縮が望める。本実施の形態は、分解能が維持され検出時間が短縮するというバランスがとれた構成と言える。
電圧書換回路90は、現在から遡った一又は複数の検出温度信号から次のスイープ期間における検出温度を予測し、予測値が余裕を持って含まれる範囲を次のスイープの最低温度及び最高温度とする。この結果、スイープされる温度範囲が狭くなる。そして、最低温度及び最高温度のうち少なくともいずれか一方の変更される温度を示す書換信号を生成する。
このように、検出温度を時系列で把握することによって、次のスイープで検出される温度Tを予測し、対応する検出温度範囲を絞ることができる。つまり、検出された温度Tに基づいて、新たな最高温度(温度PWMデューティー変換回路85に記憶される最小クロック数に相当する)及び最低温度(温度PWMデューティー変換回路86に記憶される最大クロック数に相当する)の少なくともいずれか一方を温度Tの予測値に合わせて決定することによって、次に参照電圧をスイープする範囲を狭くすることができる。
以上のように、温度センサ44によるヘッド温度の検出結果に基づいて、電圧書換回路90が温度の検出範囲を変更する。検出結果が、温度の上昇傾向を示しておれば、検出範囲を決める最低温度を順次高めに変更し、検出範囲を狭める。これにより、スイープ周期が短くなり、温度の検出時間も短くなる。これにより、ドライバIC52の熱的破損を未然に防ぐことができる。一方、検出結果が温度の下降傾向を示している場合にも応用可能で、一旦温度が上昇した後の下降であれば、最低温度を順次低めに変更すればよい。仮に、起動時から温度の下降傾向を示しておれば、検出範囲を決める最高温度を順次低めに変更する。一般に、温度が低くなるとインクの粘度は上昇し、吐出特性が悪化する。適正な吐出特性を示す温度範囲のうち、その下限温度をTlowとしたとき、短時間でヘッド温度がこのTlowに達することを検出できる。これを検出したとき、CPUは図示しない表示手段を用いたユーザへの警告指令を発するとともに、ドライバIC52の駆動を停止しても良い。
次に、制御装置16の動作について図9を参照しつつ説明する。図9は、制御装置16の動作を示すフローチャートである。図9に示すように、印刷が開始されると、ステップS101(以下、S101と称する。他のステップも同様)に移行し、用紙Pが印刷待機位置Aに配置されるように載置制御部69がピックアップローラ11cを駆動させて、印刷準備を行う。その後、S102に移行し、温度検出回路65が、インクジェットヘッド1のドライバIC52の温度Tを検出する。
そして、S103に移行し、温度検出回路65が上限温度Toff以上の温度Tを検知していないときは(S103:NO)、S106に移行する。一方、温度検出回路65が上限温度Toff以上の温度Tを検知したときは(S103:YES)、S104に移行し、停止部66が駆動部64によるドライバIC52の駆動を停止させると共に、搬送モータ制御部68が搬送ベルト8を停止させる。そして、S105に移行し、温度検出回路65が再開温度Ton以下の温度Tを検知していないときは(S105:NO)、再開温度Ton以下の温度Tを検知するまで待機する。ドライバIC52が自然冷却されて、温度検出回路65が再開温度Ton以下の温度Tを検知したときは(S105:YES)、S106に移行する。
S106においては、次の用紙Pに対する印刷処理を行う。このとき、停止部66によりドライバIC52の駆動が停止しているときは、再開部67がドライバIC52の駆動を再開させる。印刷処理を行うときは、所定のタイミングで、印刷待機位置Aで待機している用紙Pが搬送ベルト8の外周面8aに載置されるように載置制御部69がピックアップローラ11cを駆動させる。印刷処理が完了すると、S107に移行し、全ての印刷が完了したか否かを判断する。印刷が完了していないときは(S107:NO)、S101に移行し、次の用紙Pに対する印刷処理に関して上述した処理を繰り返す。印刷が完了しているときは(S107:YES)、図9に示すフローチャートの処理を完了させる。
以上説明した本実施形態によると、ドライバIC52の温度をリアルタイムで検出できるとともに、電圧書換回路90から出力された書換信号によって温度PWMデューティー変換回路85、86に記憶された最小クロック数及び最大クロック数の少なくともいずれか一方を変更することにより、参照信号の電圧変化範囲を温度センサ44の出力信号の電圧に近い適切な範囲に容易に変更することができる。これにより、スイープ時間を効率よく短縮することができ、温度検出の応答性を高くすることができる。
さらに、リピートカウンタ84に入力されるリピート回数信号Repeatを変更することにより、参照電圧の変化率を変更することができる。これにより、サンプリング時間が短くなり、スイープ時間をさらに効率よく短縮することができる。
また、温度検出回路65が、PWM信号を生成するPWM信号生成回路41と、PWM信号を平滑して参照電圧を生成する平滑回路43と、PWM信号のパルス幅変調を行うPWMコントローラ42とで構成されているため、温度検出回路65を安価に構成することができる。さらに、リピートカウンタ84に記憶されたパルス数の値を書き換えることにより、参照信号の電圧変化率を容易に変更することができるので、温度検出の応答性をさらに高くすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について図10を参照しつつ説明する。図10は、PWM信号生成回路41及びPWMコントローラ142のブロック図である。なお、第2実施形態においては、PWMコントローラ142のリピートカウンタ184のみが第1実施形態と異なるため、以下、リピートカウンタ184を中心に説明し、他の部分については第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
リピートカウンタ184は、入力されたリピート回数信号Repeatが示すリピート回数だけ参照電圧が最小参照電圧から最大参照電圧まで段階的に変化するように、スイープカウンタ83にインクリメント信号を出力する。このインクリメント信号は、PWM信号のパルス数に基づくサンプリング周期毎に出力される。
具体的には、リピートカウンタ184は、各サンプリング周期に含まれるPWM周期の数を記憶している。そして、図10に示すように、リピートカウンタ184は、フリップフロップ77のQ端子から出力されるパルスの数をカウントする。リピートカウンタ184のカウンタ機能は、プリセット式のダウンカウンタで実現されている。例えば、Q端子の出力信号がLowからHighとなるとき、つまり、PWM周期が開始される度に、リピートカウンタ184は初期のパルス数からダウンカウントしていく。そして、カウント値が0となったときにダウンカウンタのボロー信号がインクリメント信号としてスイープカウンタ83に出力される。
例えば、サンプリング周期がPWM周期の5倍であるとき、サンプリング周期毎に、フリップフロップ77のQ端子から5つのパルスが出力される。リピートカウンタ184は、5つのパルスをダウンカウントしたとき、スイープカウンタ83にインクリメント信号を出力することになる。ボロー信号が出力されると、次のサンプリング周期のリピート回数が、図示しない記憶手段(例えば、ROM)から制御回路又は制御ユニットの一部である図示しないCPUによってリピートカウンタ184にロードされる。本実施形態においては、リピート回数は固定されている。しかしながら、ロードされるリピート回数がCPUによって変更可能となっていてもよい。これによって、サンプリング周期の長さを変えることができる。リピート回数は検出温度の変化率に応じて変えられてもよく、例えば、変化率が高いつまり温度が急激な変化を示すときには、リピート回数を減らしてサンプリング周期を短くする。変化率はCPUによって計算される。
スイープカウンタ83は、予め決められた参照電圧の変化率に対応して、PWM信号生成回路41が出力するPWM信号のパルス幅を制御するための制御クロック数をカウントするプリセットカウンタである。
インクジェットプリンタ101の起動時には、温度PWMデューティー変換回路85から出力された最小クロック数が、制御クロック数の初期値としてスイープカウンタ83にプリセットされる。その後、スイープカウンタ83は、リピートカウンタ184からインクリメント信号が出力される毎に、参照電圧の変化率に従って制御クロック数をカウントアップする。例えば、図8の例では、インクリメント動作毎に、先のサンプリング時より約409個多い制御クロック数がカウントアップされる。
スイープカウンタ83のカウント値、すなわち制御クロック数は、コンパレータ76に出力されており、制御クロック数とPWMカウンタ82のカウント値とが一致したとき、フリップフロップ77がLowにリセットされる。Lowの期間は、PWMカウンタ82が1PWM周期分としての4096パルスをカウントするまで維持される。これにより、所定のデューティーを有するPWM信号の1PWM周期分の波形が形成される。
また、スイープカウンタ83から、制御クロックが、ラッチ回路88、及び、コンパレータ87に出力される。コンパレータ87は、スイープカウンタ83からの制御クロック数と、温度PWMデューティー変換回路86に記憶されている最大クロック数(Sminに相当)とが一致すると、スイープカウンタ83にLD信号を出力する。このとき、温度PWMデューティー変換回路85に記憶されている最小クロック数(Smaxに相当)が、再度スイープカウンタ83にプリセットされる。これにより、SmaxからSminの間で繰り返しPWM信号のデューティーがスイープされる。一方、ラッチ回路88に、温度信号生成回路40から温度検出信号が出力されたとき、スイープカウンタ83からの現在の制御クロック数がラッチされる。ラッチされた制御クロック数が、PWMデューティー温度変換回路89によって温度値に変換され、検出温度として外部に出力される。
以上、説明した本実施形態によると、ドライバIC52の温度をリアルタイムで検出できるとともに、電圧書換回路90から出力された書換信号によって温度PWMデューティー変換回路85、86に記憶された最小クロック数及び最大クロック数の少なくともいずれか一方を変更することにより、参照信号の電圧変化範囲を温度センサ44の出力信号の電圧に近い適切な範囲に容易に変更することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、上述した実施形態においては、リピートカウンタ84に入力されるリピート回数信号Repeatを変更することにより、参照電圧の変化率を変更する構成であるが、参照電圧の変化率は固定であってもよい。
また、上述した実施形態においては、温度検出回路65が、PWM信号のパルス幅変調により参照電圧を変化させる構成であるが、温度検出回路は、参照電圧を変化させる他の回路を用いる構成であってもよい。例えば、D/Aコンバータを用いて参照電圧を変化させる構成であってもよい。これにより、参照電圧を正確に制御することができるため、温度検出の応答性をより一層高くすることができる。
加えて、上述した実施形態においては、アクチュエータユニット21が圧電シートを用いたユニモルフタイプのアクチュエータとなっているが、圧力室に吐出エネルギーを付与する他のアクチュエータであってもよい。
上述した実施形態においては、インクジェットプリンタ101に本発明を適用し、温度検出回路65がインクジェットヘッドのドライバIC52の温度Tを検出する構成となっているが、温度検出が必要な他のあらゆる装置に対して本発明は適用可能である。
本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンタの外観側面図である。 図1に示すインクジェットヘッドの幅方向に沿った断面図である。 図1に示す制御装置のブロック図である。 図3に示す温度信号生成回路及び温度検出回路のブロック図である。 図4に示す温度センサが出力する電圧の温度特性を示すグラフである。 図4に示すPWM信号生成回路が出力するPWM信号と、参照電圧との関係について示した図である。 図4に示すPWM信号生成回路及びPWMコントローラのブロック図である。 図3に示す温度信号生成回路における参照電圧と温度センサからの出力電圧との関係を示した図である。 図1に示す制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るPWMコントローラを説明するためのブロック図である。 図7に示す温度PWMデューティー変換回路に含まれるパルス数算出回路のブロック図である。 図7に示すPWMデューティー温度変換回路に含まれる温度算出回路のブロック図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 ヘッド本体
16 制御装置
40 温度信号生成回路
41 PWM信号生成回路
42 PWMコントローラ
43 平滑回路
44 温度センサ
45 コンパレータ
46 増幅回路
54 基板
63 印刷データ記憶部
64 駆動部
65 温度検出回路
66 停止部
67 再開部
68 搬送モータ制御部
69 載置制御部
71 リザーバユニット
76 コンパレータ
77 フリップフロップ
81 PWMクロック発生回路
82 PWMカウンタ
83 スイープカウンタ
84 リピートカウンタ
85、86 温度PWMデューティー変換回路
87 コンパレータ
88 ラッチ回路
89 PWMデューティー温度変換回路
101 インクジェットプリンタ
52 ドライバIC
C1 コンデンサ
R1 抵抗

Claims (15)

  1. 検知対象物の温度変化に伴って電圧が変化する出力信号を出力する温度センサと、
    前記検知対象物の温度に関連付けられる参照信号を生成する参照信号生成回路と、
    前記参照信号の電圧が変化する範囲を規定した第1電圧及び第2電圧を記憶する電圧記憶回路と、
    前記参照信号の電圧が、前記電圧記憶回路に記憶された前記第1電圧から前記第2電圧に変化するように前記参照信号生成回路を制御する制御回路と、
    前記参照信号の電圧と前記出力信号の電圧とが一致するか否かを判断する判断回路と、
    前記電圧記憶回路に記憶された前記第1電圧及び第2電圧の少なくともいずれか一方を書き換える電圧書換回路とを備えており、
    前記制御回路は、前記判断回路が前記参照信号の電圧と前記出力信号の電圧とが一致すると判断したとき、当該一致したときの前記参照信号の電圧に基づいて前記検知対象物の温度を検出するとともに、検出された前記検知対象物の温度に対応して前記参照信号の電圧の変化範囲が変更されるように前記電圧書換回路を制御することを特徴する温度検出装置。
  2. 前記参照信号生成回路が、所定周期のパルス信号を生成するパルス信号生成回路、及び、前記パルス信号生成回路が生成した前記パルス信号を平滑化して前記参照信号として出力する平滑回路を有しており、
    前記制御回路が、前記パルス信号生成回路が生成する前記パルス信号のパルス幅を変更することによって、前記参照信号の電圧を変化させることを特徴とする請求項1に記載の温度検出装置。
  3. 前記制御回路は、
    前記パルス信号生成回路が一定のパルス幅を有する前記パルス信号を生成している間、前記パルス信号のパルス数をカウントするカウンタと、
    前記パルス信号に関するパルス数を記憶するパルス数記憶回路とを含んでおり、
    前記制御回路は、前記カウンタの値が、前記パルス数記憶回路に記憶されたパルス数と一致する毎に、前記パルス信号のパルス幅を変更することを特徴とする請求項2に記載の温度検出装置。
  4. 前記制御回路が、検出した温度に対応する前記参照信号の電圧に基づいて新たな前記第1電圧及び前記第2電圧の少なくともいずれか一方を決定し、決定された新たな前記第1電圧及び前記第2電圧の少なくともいずれか一方が前記電圧記憶回路に記憶されるように前記電圧書換回路を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の温度検出装置。
  5. 前記参照信号生成回路が、D/Aコンバータであることを特徴とする請求項1に記載の温度検出装置。
  6. 前記第1電圧が検出温度範囲における最高温度に関連付けられており、
    前記第2電圧が前記検出温度範囲における最低温度に関連付けられており、
    前記制御回路は、過去に検出した温度に基づいて、前記検知対象物の温度が上昇傾向にあると判断したとき、前記最低温度が高くなるように前記第2電圧を変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の温度検出装置。
  7. 検知対象物の温度変化に伴って出力信号のレベルが変化する温度センサと、
    レベルが変化可能な参照信号を生成する参照信号生成回路と、
    前記参照信号のレベルが変化する範囲を規定した第1信号レベル及び第2信号レベルを書換え可能に記憶するレベル記憶部と、
    前記参照信号のレベルが、前記レベル記憶部に記憶された前記第1信号レベルから前記第2信号レベルに変化するように前記参照信号生成回路を制御する制御ユニットと、
    前記参照信号のレベルと前記出力信号のレベルとを比較する比較回路と、
    前記レベル記憶部に記憶された第1信号レベルおよび第2信号レベルの少なくとも一方を書き換えるレベル書換部とを備えており、
    前記制御ユニットは、前記比較回路の比較結果に従って前記参照信号のレベルが前記出力信号のレベルに達したことを判断し、前記参照信号のレベルが前記出力信号のレベルに達したときに前記参照信号生成回路が生成した前記参照信号のレベルに相当する信号を前記検知対象物の現在の温度を表す検出温度信号として発生するとともに、前記検知対象物の温度を表す信号に対応して前記参照信号のレベルの変化範囲が変更されるように前記レベル書換部を制御することを特徴する温度検出装置。
  8. 前記制御ユニットは、
    所定周期の信号をカウントするスイープカウンタと、
    前記参照信号のレベルが前記出力信号のレベルに達したときに前記スイープカウンタの計数内容を記憶保持するラッチ回路とを含み、
    前記スイープカウンタには、前記第1信号レベルが初期値としてロードされ、その計数内容が前記第2信号レベルに達したとき前記第1信号レベルが初期値として再度ロードされ、
    前記制御ユニットは、前記ラッチ回路の記憶保持内容に相当する信号を前記検出温度信号として発生することを特徴とする請求項7に記載の温度検出装置。
  9. 前記第1信号レベルから前記第2信号レベルまでの温度検出範囲は、複数のサンプリング周期からなり、各サンプリング周期は、複数の前記所定周期をそれぞれ含む複数のパルス幅変調周期からなっており、
    前記スイープカウンタは、前記サンプリング周期内に発生する前記所定周期の信号をカウントすることを特徴とする請求項8に記載の温度検出装置。
  10. 前記制御ユニットは、前記パルス幅変調周期より短い一定の繰返し周期を有するクロックをカウントするリピートカウンタを含み、
    前記リピートカウンタには、前記各サンプリング周期を構成する前記パルス幅変調周期の数を記憶可能であり、前記リピートカウンタは、その記憶された数の前記パルス幅変調周期に相当する期間を前記クロックによりカウントしたとき、インクリメント信号を前記スイープカウンタに供給することを特徴とする請求項9に記載の温度検出装置。
  11. 前記制御ユニットは、前記パルス幅変調周期で発生するパルス幅変調信号をカウントするリピートカウンタを含み、
    前記リピートカウンタには、前記各サンプリング周期を構成する前記パルス幅変調周期の数を記憶可能であり、前記リピートカウンタは、その記憶された数の前記パルス幅変調周期に相当する期間を前記パルス幅変調信号によりカウントしたとき、インクリメント信号を前記スイープカウンタに供給することを特徴とする請求項9に記載の温度検出装置。
  12. 被記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの温度変化に伴って出力信号の電圧が連続的に変化する温度センサと、
    前記記録ヘッドの温度に関連付けられる参照信号を生成する参照信号生成回路と、
    前記参照信号の電圧が変化する範囲を規定した第1電圧及び第2電圧を記憶する電圧記憶回路と、
    前記参照信号の電圧が、前記電圧記憶回路に記憶された前記第1電圧から前記第2電圧に変化するように前記参照信号生成回路を制御する制御回路と、
    前記参照信号の電圧と前記出力信号の電圧とが一致するか否かを判断する判断回路と、
    前記電圧記憶回路に記憶された第1電圧及び第2電圧の少なくともいずれか一方を書き換える電圧書換回路とを備えており、
    前記制御回路は、前記判断回路が前記参照信号の電圧と前記出力信号の電圧とが一致すると判断したとき、当該一致したときの前記参照信号の電圧に基づいて前記記録ヘッドの温度を検出するとともに、検出された前記記録ヘッドの温度に対応して前記参照信号の電圧の変化範囲が変更されるように前記電圧書換回路を制御することを特徴する記録装置。
  13. 被記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの温度変化に伴って出力信号のレベルが変化する温度センサと、
    レベルが変化可能な参照信号を生成する参照信号生成回路と、
    前記参照信号のレベルが変化する範囲を規定した第1信号レベル及び第2信号レベルを書換え可能に記憶するレベル記憶部と、
    前記参照信号のレベルが、前記レベル記憶部に記憶された前記第1信号レベルから前記第2信号レベルに変化するように前記参照信号生成回路を制御する制御ユニットと、
    前記参照信号のレベルと前記出力信号のレベルとを比較する比較回路と、
    前記レベル記憶部に記憶された第1信号レベルおよび第2信号レベルの少なくとも一方を書き換えるレベル書換部とを備えており、
    前記制御ユニットは、前記比較回路の比較結果に従って前記参照信号のレベルが前記出力信号のレベルに達したことを判断し、前記参照信号のレベルが前記出力信号のレベルに達したときに前記参照信号生成回路が生成した前記参照信号のレベルに相当する信号を前記記録ヘッドの現在の温度を表す検出温度信号として発生するとともに、前記記録ヘッドの温度を表す信号に対応して前記参照信号のレベルの変化範囲が変更されるように前記レベル書換部を制御することを特徴する記録装置。
  14. 前記検出温度信号により表された前記記録ヘッドの現在の温度が、予め定められた上限温度に達したことを判断する判断部と、
    前記記録ヘッドの現在の温度が、予め定められた上限温度に達したと判断されたとき、前記記録ヘッドによる1つの被記録媒体の記録処理が完了した後に前記記録ヘッドの記録動作を停止させる停止部とをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
  15. 前記制御ユニットは、
    前記現在の温度を表す検出温度信号に加え、現在から遡って発生した複数の検出温度信号の平均レベルに基づいて、新たな前記第1信号レベル及び新たな前記第2信号レベルの少なくともいずれか一方を決定し、決定された新たな前記第1信号レベル及び新たな前記第2信号レベルの少なくともいずれか一方が前記レベル記憶部に記憶されるように前記レベル書換部を制御することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の記録装置。
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