JP5029189B2 - 化学機械的研磨スラリー - Google Patents

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本発明は、半導体デバイスの製造工程における研磨に用いられる化学機械的研磨(以下、CMPと記載する)用の研磨スラリーに関するものである。
携帯電話やパーソナルコンピュータなどの爆発的な普及により、半導体デバイスの高集積化、高速化は目覚ましい発展を遂げている。これに伴い、デバイスの回路パターンは年々微細化が進み、半導体市場では微細化に対応した製造技術が常に要求されている。微細化された回路パターンの製造技術の一つであるCMPは、絶縁膜上に配線用の金属を形成する際、余分な金属の除去や、金属配線や絶縁膜の平坦化、埋め込み配線の形成などに用いられる製造技術である(例えば特許文献1)。一般的にCMPには、研磨砥粒を分散した研磨スラリーが用いられている。この研磨砥粒には、その性状が、研磨速度や仕上がり面の状態に大きく影響し、生産性を向上するため、一般的にはアルミナ、シリカ、ジルコニア、セリアなどの金属酸化物や、ダイヤモンドなどの比較的硬度の高い物質が選択される。しかし、これらの物質を研磨砥粒として用い、銅などの研磨砥粒よりも硬度の低い金属膜を研磨する場合、スクラッチ(金属表面に発生する研磨傷)、ディッシング(金属研磨面が凹状に形成される現象)、あるいは金属層の剥離などを引き起こし、配線形成を阻害する問題がある。これは、今後、より微細化された回路パターンの製造において、改善すべき問題である。特に、ダイヤモンドはすべての物質中で最も高いモース硬度を持つ物質であるため、研磨速度の面では研磨砥粒として最も期待される物質であるが、上記スクラッチ発生などの問題により、CMP用の研磨砥粒として現在までほとんど使用されていない。
トリニトロトルエン(TNT)、ヘキソゲン(RDX)などの酸素欠乏型爆薬を用いた衝撃加圧の爆射法(衝撃法)により得られるダイヤモンド、通称ナノダイヤモンド(ND)は、一次粒子の大きさが3〜20nmであり、現状での回路パターンのサイズと比較しても極端に小さいことから、上記スクラッチなどの問題が発生しにくい、あるいは発生しても無視できるほど小さいと考えられ、今後、より微細化された回路パターンのCMP用研磨砥粒としての利用が期待される。しかし、ND微粒子表面は、非黒鉛質、黒鉛質皮膜などが融着し、粒子径が50nm〜7500nm程度の二次、三次凝集体、さらに、これらの凝集体からなる数十μmの巨大な集合体として製造されているため、クラスターダイヤモンド(CD)とも呼ばれている(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。このNDをCMP研磨砥粒として工業的に利用する場合には、CDの凝集体を解砕し、粒子径がナノオーダーから数百ナノオーダーの微細な粒子で液体中に分散した分散液としての提供が求められる。しかし、このCDの凝集体は非常に強固であり、凝集体を解砕して、一次粒子まで解砕したNDを得ることは容易ではない。また、解砕したND粒子を溶液中に分散して取り扱う場合、粒径が小さいほど粒子同士の凝集が起こりやすく、凝集した粒子が沈降するため、安定な分散液を得ることは非常に難しい。これを解決するため、CDをビーズミル湿式解砕機などで、液体中に一次粒子のNDのまま安定に分散させる方法が種々検討されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。この方法で処理したCDは、凝集体の殆どが解砕し、平均粒径4〜8nm程度のND分散液として得ることが可能であり、分散液の長期的な安定性にも優れていると報告されている。しかし、この方法で用いる装置は一回の処理量が少なく、また、装置の原理上、スケールアップは困難であることから、生産性が低いことが課題となっている。また、この処理方法では、装置の原理上、CDに含まれるND微粒子表面の非黒鉛質、黒鉛質皮膜や、ND以外のジルコニアやシリカなど成分が不純物として混入するため、純度の低下を招く恐れがあり、市場の要求には十分に応えられていない。
一方、CDの二次、三次凝集体の解砕を目的に、CDとフッ素ガスとを反応させる方法が報告されている。例えば、CDを反応温度:300〜500℃、フッ素ガス圧:0.1MPa、反応時間:5〜10日にてフッ素と接触させると、ダイヤモンド構造を保持したままで、F/Cモル比が0.2程度(XPS、元素分析)のフッ素化CDが得られる(非特許文献3)。このフッ素処理により、二次、三次凝集体の粒子径が50nm〜7500nm程度のCDは、その凝集が部分的に解けて粒子径が200nm程度になることがTEMにより観測されており、さらには、このフッ素化CDをエタノール中に入れ、超音波を照射すると、粒径10nm前後の粒径からなる分散液が得られるため、CDの凝集体が解砕したフッ素化NDが生成したと考えられる。フッ素化によるCDの凝集体解砕方法では、反応器のスケールアップが比較的容易であり、上記ビーズミル湿式解砕機による解砕方法よりも生産性に優れると考えられる。また、TEM観察において、NDの格子模様が明瞭になっていることから、高温での反応によりND表面の非黒鉛質炭素も除去されていることが明らかであり、さらには、ビーズミル湿式解砕機による解砕方法の様なND以外の不純物が混入する可能性も極めて低い。また、フッ素化NDの摩擦係数は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)との混合粉末での回転式摩擦試験により、著しく低下することが確認されている(非特許文献4)。これは、ND表面のCF基、CF基、CF基などの形成により表面エネルギーが低下したためと報告されている(非特許文献5)。この表面エネルギーの低下はCMPにおいては、スクラッチなどの発生を抑止する効果が期待できる。しかし、一般的に無機の炭素系材料とフッ素との化合物は撥水性であり、フッ素化NDも例外なく撥水性を示す。そのため、一般的にCMP用の研磨スラリーに用いられている水性媒質とフッ素化NDを混合し、強力に撹拌しても濡れることすらない。
米国特許第4944836号明細書 特開2005−1983号公報 特開2005−97375号公報 大澤映二:砥粒加工学会誌,47,414(2003). 花田幸太郎:砥粒加工学会誌,47,422(2003). 大井辰巳、米本暁子、川崎晋司、沖野不二雄、東原秀和:第26回フッ素化学討論会要旨集(2002年11月) 米本暁子、大井辰巳、川崎晋司、沖野不二雄、片岡文昭、大澤映二、東原秀和:日本化学会第83回春季年会予稿集(2003年3月) H.Touhara, K.Komatsu, T.Ohi, A.Yonemoto, S.Kawasaki, F.Okino and H.Kataura: Third French-Japanese Seminar on Fluorine in Inorganic Chemistry and Electrochemistry (April, 2003)
上述のように、CMPにおいて研磨速度をより速くするためにダイヤモンドなどの硬度の高い材料を研磨砥粒とするには、スクラッチや、ディッシングなどの発生を伴うため、配線形成を阻害する問題がある。一方、スクラッチなどの発生を抑制するため、被研磨材と同等の硬度を持つ材料を研磨砥粒とした場合、研磨砥粒自身が摩耗し、安定した研磨効果(一定の研磨速度、面の平坦性など)が得られない。
本発明の目的は、このスクラッチなどの発生を抑制し、かつ、安定した研磨効果が得られる研磨スラリーを提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、水性媒質に、フッ素化NDと分散させるための界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を添加した分散液が、研磨スラリーとして、200時間以上の長期にわたり沈殿を生じることなく安定に存在し、スクラッチなどのCMPにおける問題を殆ど発生しないことを見いだし、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、CMP用の研磨スラリーであって、水性媒質にフッ素化ナノダイヤモンドとフッ素系界面活性剤を含有させることを特徴とする研磨スラリーを提供するものである。また、フッ素系界面活性剤の含有量が、水性媒質とフッ素系界面活性剤の合計重量に対し0.1〜5重量%であり、かつ、フッ素化ナノダイヤモンドの含有量が、研磨スラリーの総重量に対して0.1〜5重量%である研磨スラリーを提供するものである。
本発明のCMP用の研磨スラリーは、既存のCMP装置との互換性を有しつつ、研磨速度を向上させ、かつスクラッチなどの問題をほとんど発生せず、安定した研磨効果が得られることが可能となる。また、本発明により、半導体デバイスにおける、金属配線部分以外の絶縁膜材料においても研磨が効率よく行える。
以下、本発明をさらに詳述する。
本発明において含有させるフッ素化NDは、NDとフッ素ガスとの直接反応、あるいはフッ素プラズマによるフッ素化などにより生成するフッ素化NDを用いる。このフッ素化NDのフッ素含有量は、10重量%以上であることが好ましく、フッ素含有量が10重量%未満である場合、CMP工程において化学的研磨効果が低下し、十分な研磨速度が得られない可能性がある。また、フッ素化はNDの最表面のみが反応し、表面一層にフッ素が付加していることが好ましく、もし、表面一層より内部にフッ素が付加している場合、ダイヤモンド構造の一部、あるいは全体が崩壊している可能性があり、粒径のばらつきや、粒子強度の低下を引き起こす場合がある。表面一層にフッ素が付加した場合の最大フッ素含有量は、一次粒子の粒径によるが、例えばNDの結晶構造が、八面体型の単結晶であると仮定した場合、最大フッ素含有量は、一次粒子の粒径がすべて3nmでは最大フッ素含有量は約34重量%、10nmでは14.5重量%となる。
本発明で用いられるフッ素系界面活性剤は、フッ素化NDの撥水性によって水性媒質に濡れない状態を改善し、さらには媒質中に粒子を均一に分散させるために用いられる。フッ素系界面活性剤とは、疎水性基にハイドロカーボン鎖ではなく、フルオロカーボン鎖を持つ界面活性剤の総称であり、ハイドロカーボン鎖を持つ一般的な界面活性剤(炭化水素系界面活性剤)と比較して、はるかに高い界面活性を示す特徴がある。炭化水素系界面活性剤でも、種類によっては、フッ素化NDの水性媒質へ濡れない状態を改善するものもあるが、得られるスラリーの長期安定性等に乏しいため、フッ素系界面活性剤を用いる必要がある。フッ素系界面活性剤として具体的には、フルオロアルキル(C2〜C10)カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸リチウム、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸カリウム、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸ナトリウム、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシンカリウム、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル、などが挙げられる(括弧内のCと数字の組み合わせは、アルキル鎖の炭素数を示している)。
また、これらの物質を用いた実際の商品名としては、住友3M社製のノベック(FC−4430、FC−4432)及びフロラード(FC−93、FC−95、FC−98)、デュポン社製のゾニール(210、225、321、8834L、FS−300、FS−500、FS−510、FSA、FSO、FSO−100、FSJ、FSE、FTS)、セイミケミカル社製のサーフロン(S−111N、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145、S−381、S−383、SA−100)、大日本インキ社製のメガファック(F−114、F−410、F−494、F−443、F−472SF、F−477、F−479)、ジェムコ社製のエフトップ(EF−101、EF−105、EF−112、EF−122A、EF−122B)、ネオス社製のフタージェント(100C、110、150CH、A−K、501)などが挙げられる。
本発明の研磨スラリーの作製方法は、水にフッ素系界面活性剤を添加した混合液に、フッ素化NDを混合し、超音波照射によりフッ素化NDを水性媒質に懸濁させ、この懸濁液を遠心分離により分級することにより研磨スラリーを作製する。さらに場合によっては、スラリーに含まれるフッ素化NDの含有量を増加させるため、エバポレーターなどによる濃縮工程を追加して研磨スラリーを作製する。
添加するフッ素系界面活性剤の種類や量は、得られるスラリー中のフッ素化ND含有量に大きく影響する。スラリー中のフッ素化ND含有量は、得られるスラリー全量の0.1〜5重量%の範囲内にあることが好ましい。フッ素化ND含有量が0.1重量%未満では、研磨スラリーに含まれるフッ素化NDの粒子数が少ないため、十分な研磨効果が発揮できず、フッ素化ND含有量が5重量%超では、スラリーがゲル状になり、流動性の低下や、沈殿の生成などの現象が発生し、研磨工程でのスクラッチの発生の原因を招く可能性がある。このようなフッ素化ND含有量のスラリーを得るためにフッ素系界面活性剤の含有量は、フッ素系界面活性剤の種類によって異なるが、水性媒質とフッ素系界面活性剤の合計重量に対して、0.1〜5重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.8〜5重量%の範囲である。含有量が水性媒質とフッ素系界面活性剤の合計重量に対し0.1重量%未満では、フッ素化NDの撥水性が大きいために水性媒質に濡れず、十分に分散させることが困難となる。また、5重量%超の場合、含有量が増加してもフッ素化NDの濡れ性はほとんど変化しない。そればかりか、含有量の増加に伴い、水性媒質とフッ素系界面活性剤の混合液の粘性が高くなるため、フッ素化NDの分散性の低下(すなわち、フッ素化ND含有量の低下または平均粒子径の増大)や流動性の低下を引き起こし、研磨工程でのスクラッチの発生の原因となる可能性がある。
研磨スラリーのフッ素化ND含有量が少なくとも0.1重量%以上の分散液を得るためには、超音波の出力は400W以上、照射時間は0.5時間以上の照射が好ましい。超音波の出力が400W未満あるいは照射時間が0.5時間未満である場合や、超音波照射を行わずスターラーなどによる撹拌で分散を行った場合、フッ素化NDの分散が不十分なため、分散粒子濃度が0.1重量%以上の分散液を得られにくい。
さらに、水性媒質中にフッ素化NDを分散させた懸濁液を分級処理して作製したスラリー中の粒子径は最大でも300nm程度で、かつ平均粒子径は10〜150nm程度が好ましい。スラリー中の最大粒子径お及び、平均粒子径がこの範囲を超えると。研磨の際にスクラッチやディッシングを引き起こす可能性がある。
超音波照射後の懸濁液は、相対遠心加速度が1800G以上で、0.5時間以上の遠心分離による分級処理を行うことが好ましい。相対遠心加速度が1800G未満または0.5時間未満の場合、粒子径300nm超の粒子が十分に除去できず、良好な分散液が得られない。また、その他の分級処理方法としてフィルターなどを用いて濾過する方法があるが、この方法では、粒子径が300nm以下の粒子もフィルターで除去され、分散粒子濃度が0.1重量%以上の分散液を得られにくい。
また本発明の研磨スラリーは、場合によっては研磨特性改善のための添加剤を含んでもよい。添加剤とは、例えばpH調整剤、酸化剤、消泡剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防腐剤、着色剤などである。これらの種類、添加量については、本発明の目的を達成することができる限り、特に限定されない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
研磨スラリーの作製
実施例1〜6
あらかじめ、ND(甘粛凌云納米材料有限公司製、ナノダイヤモンド精製粉、粒径:3〜10nm)を圧力1kPaで3時間、400℃に加熱して、NDに含まれる水分を除去した。乾燥処理を行ったNDを20g、ニッケル製の反応管に入れ、これに20℃で、フッ素ガスを流量20ml/min、アルゴンガスを流量380ml/minで流通した。そして、試料を400℃に加熱し、140時間、アルゴンガスとフッ素ガスの流通を継続し、NDとフッ素ガスを反応させ、フッ素化NDを作製した。なお、作製したフッ素化NDのフッ素含有量は元素分析により12重量%であった。
超純水に添加するフッ素系界面活性剤として、ゾニールFSO(デュポン社製、実施例1〜3)、FC−4430(住友3M社製、実施例4、5)、またはFC−4432(住友3M社製、実施例6)を用いた。これらフッ素系界面活性剤を、超純水と添加するフッ素系界面活性剤の合計重量に対する含有量が、ゾニールFSOを用いる場合0.2重量%(実施例1)、0.8重量%(実施例2)、4.0重量%(実施例3)、FC−4430を用いる場合0.8重量%(実施例4)、4.0重量%(実施例5)、FC−4432を用いる場合0.8重量%(実施例6)となるように超純水に添加した混合液をそれぞれ100ml作製した。
作製した各混合液100mlにそれぞれフッ素化NDを1g投入し、超音波ホモジナイザー(VCX-750、Sonics&materials社製)によって、出力400Wの超音波照射を0.5時間行い、フッ素化NDが分散した懸濁液を作製した。次に、得られた懸濁液を遠心機(CN−2060、HSIANGTAI社製)により、回転数4300rpm(相対遠心加速度2000G)で1時間分級処理し、遠心分離後の上澄み液を採取して研磨スラリーを得た。この研磨スラリーについて、粒子濃度は、分散液を10g秤量し、乾燥機により50℃で乾燥して分散媒を除去後、残存した粒子の重量を秤量した値から算出し、最大粒子径と平均粒子径は動的光散乱法による粒度分布測定器(FPAR1000、大塚電子製)により測定した。
実施例7
超純水にフッ素系界面活性剤として、ゾニールFSO(デュポン社製)を用い、このフッ素系界面活性剤を、超純水と添加するフッ素系界面活性剤の合計重量に対する含有量が5.5重量%となるように超純水に添加した混合液を100ml作製した。
作製した混合液100mlに、上記実施例1〜6と同様に、フッ素化NDを1g投入し、超音波照射、遠心分離を行い、遠心分離後の上澄み液を採取して研磨スラリーを得た。得られた研磨スラリーの粒子濃度は0.4重量%、最大粒子径は310nm、平均粒子径は189nmであった。
実施例8
超純水にフッ素系界面活性剤として、ゾニールFSO(デュポン社製)を用い、このフッ素系界面活性剤を、超純水と添加するフッ素系界面活性剤の合計重量に対する含有量が1.0重量%となるように超純水に添加した混合液を100ml作製した。
作製した混合液100mlにフッ素化NDを1g投入し、出力400Wの超音波照射を0.1時間行い、上記実施例1〜6と同様の条件で遠心分離を行い、遠心分離後の上澄み液を採取して研磨スラリーを得た。得られた研磨スラリーの粒子濃度は0.03重量%、最大粒子径は255nm、平均粒子径は104nmであった。
比較例1
超純水に炭化水素系界面活性剤として、アデカノール(ADEKA社製)を用い、この炭化水素系界面活性剤を、超純水と添加する炭化水素系界面活性剤の合計重量に対する含有量が0.8重量%となるように超純水に添加した混合液を100ml作製した。
作製した混合液100mlに、上記実施例1〜6と同様に、フッ素化NDを1g投入し、超音波照射、遠心分離を行い、遠心分離後の上澄み液を採取して研磨スラリーを作製した。作製直後の研磨スラリーの粒子濃度は0.2重量%であった。しかし、その後24時間以内に、沈殿が発生し粒子が分散状態を保持した研磨スラリーは得られなかった。
比較例2
ND1gを超純水100mlに投入し、上記実施例1〜6と同条件で、超音波照射、遠心分離を行い、遠心分離後の上澄み液を採取して研磨スラリーを作製した。得られた研磨スラリーの粒子濃度は0.8重量%、最大粒子径は280nm、平均粒子径は79nmであった。
比較例3
市販のダイヤモンド粉末(ニラコ社製、#4000)0.5gを超純水100mlに投入し、上記実施例1〜6と同じ条件で超音波照射を行った。得られた懸濁液は0.1時間以内に殆どの粒子が沈殿し、その上澄み部を研磨スラリーとして採取し粒子濃度を確認したところ0.01重量%以下であり、粒子が分散状態を保持した研磨スラリーは得られなかった。
上記の結果については、表1にまとめて記載した。
Figure 0005029189
研磨試験
Si基板上にスパッタ法で銅を堆積させた試料を作製し、あらかじめコロイダルシリカを砥粒とする市販のCMPスラリー(最大粒子径700nm、平均粒子径120nm)で、研磨面の表面粗さ(Ra)が10nmとなるように予備研磨を行ったものを被研磨物とした。この被研磨物に対して、CMP装置により、上記実施例1〜8と比較例2で得られた研磨スラリー、及び上記予備研磨で使用したコロイダルシリカを砥粒とする市販のCMPスラリー(比較例4)を用いて研磨試験を行った。
研磨試験は、被研磨物を、研磨加重150gf/cm、スラリー供給量25ml/分、定盤回転速数120rpm、基板側回転120rpmで30分間研磨を行い、研磨速度及び表面粗さ(Ra)を測定し、スクラッチの有無を観察した。
研磨速度は、原子間力顕微鏡(AFM)により、研磨試験前後の膜厚変化を観察し、研磨試験時間で割ることで算出した。また、同条件での研磨試験を10回行い、それぞれの研磨速度を算出し、その平均を平均研磨速度とし、さらに研磨速度の変動を測定した。研磨速度の変動は、10回中の最大研磨速度と最小研磨速度の差により以下の基準で評価した。
◎:最大研磨速度と最小研磨速度の差が10nm/分未満
○:最大研磨速度と最小研磨速度の差が10nm/分以上20nm/分未満
×:最大研磨速度と最小研磨速度の差が20nm/分以上200nm/分未満
また、研磨表面の表面粗さ(Ra)は、AFM及び、光干渉法による表面形状測定器により測定した(測定範囲:2μm×2μm)。また、研磨試験後の被研磨物について、走査型電子顕微鏡(SEM)で任意の10カ所を観察し(1カ所の観察範囲:100μm×100μm)、スクラッチの有無を目視により確認して、以下の基準で評価した。
◎:スクラッチ0〜2個
○:スクラッチ3〜5個
×:スクラッチ多数により、計測不能
結果を表2にまとめて記載する。
Figure 0005029189
本発明の研磨スラリー(実施例1〜8)は、一定の研磨速度を持ち、スクラッチを殆ど発生することなく平坦性に優れた研磨が可能であることがわかる。

Claims (2)

  1. 化学機械的研磨用の研磨スラリーであって、水性媒質にフッ素化ナノダイヤモンドとフッ素系界面活性剤を含有させることを特徴とする研磨スラリー。
  2. フッ素系界面活性剤の含有量が、水性媒質とフッ素系界面活性剤の合計重量に対し0.1〜5重量%であり、かつ、フッ素化ナノダイヤモンドの含有量が、研磨スラリーの総重量に対して0.1〜5重量%である、請求項1に記載の研磨スラリー。
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