以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用したスケーラブルTV(Television)システム(システムとは、複数の装置が論理的に集合した物をいい、各構成の装置が同一筐体中にあるか否かは問わない)の一実施の形態の構成例を示す斜視図であり、図2は、スケーラブルTVシステムの構成例を示す側面図である。
図1の例では、スケーラブルTVシステム1は、スタンド10と、スタンド10に着脱可能な9台のテレビジョン受像機21−1乃至21−9により構成されている。
なお、テレビジョン受像機21−1乃至21−9は、符号の枝番が異なるだけであり、同様の構成とされる。したがって、以下、適宜、テレビジョン受像機21−1を用いて説明するが、その説明は、その他のテレビジョン受像機21−2乃至21−9の説明としても適用される。
スタンド10には、縦3列×横3段に装着部11−1乃至11−9が設けられている。装着部11−1乃至11−9には、それぞれ、テレビジョン受像機21−1乃至21−9が装着されている。なお、説明の便宜上、装着部11−1乃至11−9の中には、図1または図2において図示がされていないものもある。
すなわち、スタンド10の最左列には、装着部11−1、装着部11−4、および装着部11−7が3段に設けられており、それぞれテレビジョン受像機21−1、テレビジョン受像機21−4、およびテレビジョン受像機21−7が装着されている。スタンド10の中央列には、図示せぬ装着部11−2、装着部11−5、および装着部11−8が3段に設けられており、それぞれテレビジョン受像機21−2、テレビジョン受像機21−5、およびテレビジョン受像機21−8が装着されている。スタンド10の最右列には、装着部11−3、装着部11−6、および装着部11−9(図2)が3段に設けられており、それぞれテレビジョン受像機21−3、テレビジョン受像機21−6、およびテレビジョン受像機21−9が装着されている。
なお、装着部11−1乃至装着部11−9は、符号の枝番が異なるだけであり、同様の構成とされる。したがって、以下、ある装着部(例えば、装着部11−1)を用いて説明したとしても、その説明は、その他の装着部(例えば、装着部11−2乃至11−9)の説明としても適用される。
図1の例においては、装着部11−1は、スタンド10に接するように閉じられている(固定されている)。この場合に、ユーザにより、装着部11−1に装着されたテレビジョン受像機21−1(または装着部11−1の前面自体)がスタンド10側に押し込まれることにより、装着部11−1は、図3に示されるように、スタンド10から解放され、スタンド10の手前に押し出され、スタンド10から突出する。また、スタンド10から突出した状態の装着部11−1は、再度、ユーザにより、スタンド10側に押し込まれることにより、スタンド10に対して接するように閉じられる。
以上のように装着部11−1乃至11−9を構成することで、図1に示されるように、各テレビジョン受像機21−1乃至21−9がより密接に配置されていたとしても、ユーザが、装着部11−1をスタンド10側に押し込むことにより、図3に示されるように、装着部11−1が、スタンド10から解放され、スタンド10の手前に押し出され、スタンド10に装着されている他のテレビジョン受像機21から突出した状態となる。これにより、ユーザは、装着部11−1からテレビジョン受像機21−1を簡単に取り外すことができる。
また、スタンド10から解放され、突出した状態の装着部11−1に、テレビジョン受像機21−1を装着し、再度、スタンド10側に押し込むことで、装着部11−1は、図1に示されるように、スタンド10に閉じられて固定される。
なお、図3の例においては、スタンド10から解放された装着部11−4に、テレビジョン受像機21−4が装着されることなく、再度、装着部11−4がスタンド10側に押し込まれて、スタンド10に固定された状態が示されている。
以上により、ユーザは、装着部11−1からのテレビジョン受像機21−1の着脱を簡単に行うことができる。
図1に戻って、スタンド10の3段目の装着部11−7乃至11−9の下段には、さらに、スケーラブルTVシステム1を構成するテレビジョン受像機の音声を出力するスピーカ(図示せぬ)が収納されるラック12−1乃至12−3がそれぞれ設けられ、その下段には、スケーラブルTVシステム1の電気系統(すなわち、スタンド10における各列の電気系統)がまとめられた電気ボックスが収納されるボックス13−1乃至13−3がそれぞれ設けられている。
なお、図示されないが、スタンド10の内部には、外側の支柱2本の他に、内部に2本の支柱が設けられ、さらに、上面と設置面の他に、内部に4段の台が設けられることにより、装着部11−1乃至11−9、ラック12−1乃至12−3、並びに、ボックス13−1乃至13−3にそれぞれ対応する縦3列×横5段の枠組みが構成されている。
したがって、以下、スタンド10を、装着部11−1乃至11−9、ラック12−1乃至12−3、並びに、ボックス13−1乃至13−3に対応させて個別に説明する際には、装着部11−1乃至11−9、ラック12−1乃至12−3、並びに、ボックス13−1乃至13−3に対応する枠組みを、適宜、それぞれ、スタンド枠10−1乃至10−15とも称する。
ここで、スケーラブルTVシステム1を構成するテレビジョン受像機の数は、9台に限定されるものではなく、また、スケーラブルTVシステム1を構成するテレビジョン受像機の配置も、図1に示したように、縦×横が、3×3に限定されるものではない。すなわち、スケーラブルTVシステム1は、装着部の列や段の数を変更して構成することにより、任意の複数台のテレビジョン受像機によって構成することが可能であり、スケーラブルTVシステム1を構成するテレビジョン受像機の配置は、その他、例えば、縦×横が、1×3や、2×3、2×5などとすることも可能である。
このようにスケーラブルTVシステム1は、任意の複数台のテレビジョン受像機を、横と縦それぞれに、任意の台数だけ配置して構成することができることから、「スケーラブル」なシステムであるということができる。
スケーラブルTVシステム1には、赤外線IR(Infrared Ray)を出射する図示せぬリモートコマンダが付随しており、ユーザは、このリモートコマンダを操作することにより、受信チャンネルや音量の変更、その他各種のコマンドを、スケーラブルTVシステム1の各テレビジョン受像機21−1乃至21−9に与えることができるようになっている。なお、リモートコマンダからの赤外線IRの受光部は、スケーラブルTVシステム1に一箇所に設けるようにしてもよいし、各テレビジョン受像機21−1乃至21−9毎に設けるようにしてもよい。
なお、リモートコマンダは、赤外線通信を行うものに限定されるものではなく、例えば、BlueTooth(商標)その他の無線通信を行うものを採用することが可能である。
スケーラブルTVシステム1を構成するテレビジョン受像機21−1乃至21−9は、それぞれ独立して動作を行う独立したテレビジョン受像機であり、図2に示されるように、薄型で構成される。すなわち、テレビジョン受像機21−1乃至21−9は、それぞれ、リモートコマンダからのコマンドを判断する制御ブロック、信号処理ブロック、およびチューナなどを内蔵しており、その前面には、例えば、14インチ(inch)や15インチなどのサイズで構成される薄型のLCD(Liquid Crystal Display)などで構成されるディスプレイが設けられている。
したがって、テレビジョン受像機21−1乃至21−9は、スタンド10から外され、他の場所に移動されたとしても、それぞれ1台のテレビジョン受像機として機能する。すなわち、テレビジョン受像機21−1乃至21−9は、それぞれ設置された場所において、図示せぬアンテナで受信されたテレビジョン放送信号のチャンネルをそれぞれ内蔵するチューナで選択し、選択したチャンネルの放送コンテンツの映像を、それぞれのディスプレイに表示させる。
一方、スケーラブルTVシステム1においては、各テレビジョン受像機21−1乃至21−9は、各装着部11−1乃至11−9に装着され、各装着部11−1乃至11−9がスタンド10に固定されたとき、スタンド10における自身の配置位置を認識することができる。
したがって、スタンド10に装着されているテレビジョン受像機21−1乃至21−9は、リモートコマンダからのコマンドと自身の配置位置に応じて、それぞれに設けられたディスプレイに、1つの放送コンテンツの映像を大きく表示させることができる。また、例えば、テレビジョン受像機21−1乃至21−9のうちの2×2だけが、自己のディスプレイに、1つの放送コンテンツの映像を大きく表示させ、その他のテレビジョン受像機は、別の放送コンテンツの映像を、自己のディスプレイに表示させるというようなことも可能である。
なお、このとき、例えば、スタンド10から、テレビジョン受像機21−1乃至21−9のいずれかが取り外されていたとしても、スタンド10に装着されている各テレビジョン受像機は、独立して動作を行うため、リモートコマンダからのコマンドと自身の配置位置に応じた映像を表示させることができる。
また、もちろん、スタンド10に装着されているテレビジョン受像機21−1乃至21−9は、単体で使用されるテレビジョン受像機と同様に、リモートコマンダからのコマンドをそれぞれ判断し、図示せぬアンテナで受信されたテレビジョン放送信号のチャンネルをそれぞれ内蔵するチューナで選択し、図1に示されるように、選択したチャンネルの放送コンテンツの映像を、それぞれのディスプレイに表示させることもできる。
図4および図5は、図1の装着部11−4の詳細な構成例を示す拡大斜視図である。図4の例においては、スタンド10(スタンド枠10−4)から解放され、スタンド枠10−4から突出した状態の装着部11−4が示されており、図5の例においては、スタンド枠10−4に接するように固定された状態の装着部11−4が示されている。
装着部11−4には、テレビジョン受像機21−4の背面に設けられるモニタパイプ41(図6)を引っ掛けて、テレビジョン受像機21−4をスタンド10に装着するためのモニタフック31、テレビジョン受像機21−4の電気的なブロックと、スタンド10(実際には、ボックス13−1に収納される電気ボックス)とを電気的に接続するためのコネクタ32、および、装着部11−4がスタンド10に固定されたときにテレビジョン受像機21−4の下部を装着部11−4に固定するためのモニタロック33が設けられている。
図4に示されるように、装着部11−4がスタンド枠10−4から解放され、スタンド枠10−4から突出した状態の場合、テレビジョン受像機21−4を着脱するため、モニタフック31、コネクタ32、およびモニタロック33は、装着部11−4の手前に突出した開状態となる。
開状態となった装着部11−4にテレビジョン受像機21−4が装着され、テレビジョン受像機21−4が装着された装着部11−4がスタンド枠10−4に固定された場合、モニタフック31およびモニタロック33は、それぞれ、テレビジョン受像機21−4のモニタパイプ41と、テレビジョン受像機21−4の下部を固定する。
これにより、テレビジョン受像機21−4は、装着部11−4の上部に設けられたモニタフック31と、装着部11−4の下部に設けられたモニタロック33により強固に固定される。
このとき、コネクタ32は、テレビジョン受像機21−4に設けられた接続コネクタに接続され、装着部11−4に装着されたテレビジョン受像機21−4に対して、例えば、図示せぬアンテナからのテレビジョン放送信号、ビデオレコーダなどからの映像および音声信号、電力、または所定の情報などを供給する。所定の情報には、スタンド10における配置位置の情報なども含まれる。
これにより、装着部11−4に装着されたテレビジョン受像機21−4は、スタンド10における自身の配置位置を認識することができる。
一方、図5に示されるように、テレビジョン受像機21−4が装着されずに、装着部11−4がスタンド枠10−4に固定された場合、モニタフック31、コネクタ32、およびモニタロック33は、スタンド枠10−4内に収納された閉状態となる。
これにより、装着部11−4にテレビジョン受像機21−4が装着されていなくても、モニタフック31、コネクタ32、およびモニタロック33は装着部11−4から突出したままにならないので、見栄えがよくなり、他のテレビジョン受像機に表示される映像を見る場合にも、ユーザの妨げになることが抑制される。
図6は、図1の装着部11−1とテレビジョン受像機21−1の構成例を示す拡大側面図である。図6の例においては、装着部11−1がスタンド枠10−1から解放され、スタンド枠10−1から突出した状態が示されている。
テレビジョン受像機21−1の背面には、モニタパイプ41が取り付けられており、モニタパイプ41を、装着部11−1に設けられたモニタフック31に引っ掛けることで、テレビジョン受像機21−1は、装着部11−1に装着される。
スタンド枠10−1には、パンタグラフ機構42の一方の端部が取り付けられており、装着部11−1には、パンタグラフ機構42の他方の端部が取り付けられている。すなわち、装着部11−1は、パンタグラフ機構42を介して、スタンド枠10−1に連結されている。
パンタグラフ機構42は、固定部材としてのスタンド枠10−1に対して、可動部材としての装着部11−1を、矢印43に示されるように、スタンド枠10−1と、スタンド枠10−1から所定の距離離れた位置を、平行に往復運動させるように構成されている。
したがって、固定部材としてのスタンド枠10−1から解放された可動部材としての装着部11−1は、スタンド枠10−1に対して、平行に、閉じたり、突出する運動、すなわち、平行往復運動を行うことができるようになる。
図7は、テレビジョン受像機21−1の外観の構成例を示す背面斜視図である。
テレビジョン受像機21−1の背面には、背面から突出するように、テレビジョン受像機21−1の制御ブロック、信号処理ブロック、およびチューナなどが収納される収納部51が設置されている。
この収納部51には、テレビジョン受像機21−1をスタンド10の装着部11−1に装着する場合に、装着部11−1のコネクタ32と接続するための接続コネクタ111(図8)が取り付けられるコネクタエリア52が設けられている。
モニタパイプ41は、接続部材61−1乃至61−4を用いて、収納部51が背面から突出する高さよりも高く突出するように、テレビジョン受像機21−1の背面および収納部51の側面に取り付けられている。このモニタパイプ41と収納部51の高さの差は、設計に応じて、接続部材61−1乃至61−4の高さを変えるだけで、変更することが可能である。
なお、接続部材61−1乃至61−4のうち、テレビジョン受像機21−1の下側に用いられる接続部材61−3は、装着部11−1がスタンド10に固定される際に、モニタロック33により引っ掛けられて、装着部11−1に固定される。
すなわち、装着部11−1がスタンド10に固定される際に、テレビジョン受像機21−1の上側は、モニタフック31にモニタパイプ41が引っ掛けられて固定され、テレビジョン受像機21−1の下側は、接続部材61−3にモニタロック33が引っ掛けられて固定される。これにより、テレビジョン受像機21−1は、強固に装着部11−1に固定される。
また、モニタパイプ41の断面は、モニタフック31に引っ掛けられ、かつ、ユーザの手で把持しやすい大きさの直径でなる円の形状で形成されている。さらに、モニタパイプ41は、金属からなる材質で形成され、テレビジョン受像機21−1の大きさに合わせて長方形の四つ角を丸くした形状をなすように形成されている。
これにより、ユーザがテレビジョン受像機21−1を四方八方から手を差し伸べても、モニタパイプ41を手でしっかりと握り締めて持つことができるので、例えば、片手でも持ち運ぶこともでき、持ち運びが容易になる。
なお、モニタパイプ41の断面形状は、円に限定されず、楕円や多角形などとすることもでき、モニタパイプ41の材質も、金属に限定されず、例えば、プラスチック、ガラス、合成ゴム、または木材などから形成されてもよい。
さらに、モニタパイプ41の全体の形状も、長方形に限定されず、円や楕円、その他多角形で構成するようにしてもよい。
図8は、図7のテレビジョン受像機21−1を背面から見た外観の詳細な構成例を示す上面図であり、図9は、図7のテレビジョン受像機21−1を下方向から見た外観の構成例を示す側面図である。
図8の例においては、モニタパイプ41は、実際には、テレビジョン受像機21−1の背面の上下前後の中央に取り付けられる4つのハンドル部101−1乃至101−4と、ハンドル部101−1乃至101−4のうち隣り合うハンドル部101同士を連結する連結部102−1乃至102−4で構成される。
すなわち、テレビジョン受像機21−1の背面において、図中上側に取り付けられているハンドル部101−1と左側に取り付けられているハンドル部101−2は、連結部102−1を介して連結され、左側に取り付けられているハンドル部101−2と下側に取り付けられているハンドル部101−3は、連結部102−2を介して連結されている。また、下側に取り付けられているハンドル部101−3と左側に取り付けられているハンドル部101−4は、連結部102−3を介して連結され、左側に取り付けられているハンドル部101−4と上側に取り付けられているハンドル部101−1は、連結部102−4を介して連結されている。
このように構成することにより、モニタパイプ41は、図7を参照して上述したように、長方形の四つ角を丸くした形状をなすように形成され、ユーザは、テレビジョン受像機21−1を四方八方から手を差し伸べても、モニタパイプ41を手でしっかりと握り締めて持つことができるので、持ち運びが容易になる。
収納部51のコネクタエリア52には、装着部11−1のコネクタ32と接続するための接続コネクタ111が、収納部51の背面から突出しないように、取り付けられている。
なお、この接続コネクタ111は、テレビジョン受像機21−1が単体で使用される場合には、装着部11−1のコネクタ32の代わりに、図示せぬ外部のコネクタと接続され、外部のコネクタを介して、テレビジョン放送信号、ビデオレコーダなどからの映像および音声信号、電力、または所定の情報などが供給される。
また、テレビジョン受像機21−1の背面の左下には、例えば、左から順に、左音声端子、右音声端子、映像端子、および電源端子が設けられており、テレビジョン受像機21−1の背面(すなわち、テレビジョン受像機21−1の本体)は、各端子に接続されているコネクタ121乃至コネクタ124と、各コネクタのケーブル121a乃至124aを介して、収納部51内の所定のブロック(制御ブロック、信号処理ブロック、およびチューナなど)に接続されている。
したがって、テレビジョン受像機21−1の本体や前面に設けられるディスプレイ151(図10)には、コネクタ121乃至コネクタ124と、各コネクタのケーブル121a乃至124aを介して、収納部51内の所定のブロックから、映像および音声信号や電源などが供給される。すなわち、テレビジョン受像機21−1には、コネクタ121乃至コネクタ124、収納部51、接続コネクタ111、および装着部11−1のコネクタ32(または、外部のコネクタ)を介して、映像および音声信号や電力などが供給される。
なお、テレビジョン受像機21−1の収納部51には、図9に示されるように、コネクタ121乃至コネクタ124の一部とケーブル121a乃至124aを収納する空間51aが設けられている。このため、図8の点線で示されているように、コネクタ121乃至コネクタ124の一部とケーブル121a乃至124aは、その空間51aに収納されており、収納部51の上からは見えない。
この空間51aには、コネクタ121乃至コネクタ124の一部に限らず、テレビジョン受像機21−1の背面に設けられる端子位置に応じて、コネクタ121乃至コネクタ124すべてが収納されてもよい。
ここで、従来の一般的なテレビジョン受像機においては、上述したように、収納部51を介して信号や電力などが供給されるテレビジョン受像機21−1とは異なり、その背面に設けられる端子は、コネクタやケーブルを介して、外部の装置や電源タップなどから映像および音声信号や電力などが供給されることが多いため、コネクタやケーブル類は、背面から突出している場合が多い。
したがって、従来の一般的なテレビジョン受像機においては、収納部51を下にして、所定の場所(机の上や床の上など)に設置したり、壁などに立て掛けたり、あるいは、壁に設置する場合には、背面から突出したコネクタやケーブル類により、その設置が不安定になることがあったり、背面から突出したコネクタやケーブル類がテレビジョン受像機の背面で押され、故障してしまうことがある。
このような場合であっても、すなわち、ディスプレイ受像機21−1の背面に、例えば、外部とのコネクタとそのケーブルが背面から突出して接続されていたとしても、本発明のディスプレイ受像機21−1においては、外部とのコネクタが接続されるディスプレイ受像機21−1の背面から、モニタパイプ41の外部と接する面(図中上面)までは、モニタパイプ41が取り付けられたことにより、所定の距離が設けられている。
したがって、テレビジョン受像機21−1を、図10に示されるように、ディスプレイ151を上に、収納部51を下にして、所定の場所(机の上や床の上など)に設置するようにしても、あるいは、背面で、壁などに立て掛けるように設置するようにしても、コネクタやケーブルがテレビジョン受像機21−1の背面で押し潰されることはない。
以上のように、テレビジョン受像機21−1の背面に、背面から突出するようにモニタパイプ41を取り付けることで、テレビジョン受像機21−1を背面側で設置するようにしても、背面に接続されるコネクタやケーブル類により不安定な設置になることはなく、安定して設置することができる。
また、背面に接続されるコネクタやケーブル類が、テレビジョン受像機21−1の重みにより故障してしまうことが抑制される。
なお、図8のハンドル部101−1乃至101−4は、必ずしも連結部102−1乃至102−4で連結されている必要はなく、例えば、モニタパイプ41を、ハンドル部101−1乃至101−4だけで構成するようにしてもよい。
また、モニタパイプ41を、ハンドル部101−1だけで構成するようにしてもよく、あるいは、ハンドル部101−1とハンドル部101−3だけで構成するようにしてもよい。すなわち、いまの場合、少なくともモニタフック31に引っ掛けるためのハンドル部101−1があればよく、他のハンドル部101−2乃至101−4や、連結部102−1乃至102−4は、必要に応じて設けるようにしてもよい。
したがって、例えば、装着部11−1に、左右のハンドル部101−2と101−4で装着される機構の場合には、その機構に応じて、ハンドル部101−2と101−4だけで構成することも可能である。
次に、図11および図12を参照して、テレビジョン受像機21−1を、スタンド10の装着部11−1に装着した場合の配線について説明する。
図11は、装着部11−1がスタンド枠10−1から突出した状態の構成例を示す側面図であり、図12は、図11のスタンド枠10−1の構成例を示す背面図である。
なお、図6を参照して上述したパンタグラフ機構42は、実際には、図12の例に示されるように、左右対称のパンタグラフ機構42−1および42−2で構成されているが、パンタグラフ機構42−1および42−2は、左右が異なるだけであり、基本的に同様な構成であるので、図11の例においては、パンタグラフ機構42−2を用いて説明する。
また、図12の例のパンタグラフ機構42−1および42−2は、位置だけを明示するためのものであるため、説明の便宜上、簡易的に長方形で示されている。さらに、実際には、スタンド10(スタンド枠10−1乃至10−15)の内部が見えないように、スタンド10の背面には、図示せぬカバーが取り付けられている。
図11の例においては、装着部11−1のモニタフック31には、テレビジョン受像機21−1に設けられたモニタパイプ41(のハンドル部101−1)が引っ掛けられて、テレビジョン受像機21−1が装着されている。このとき、テレビジョン受像機21−1の背面の接続コネクタ111と、装着部11−1のコネクタ32が接続されている。
装着部11−1は、パンタグラフ機構42−2を介してスタンド枠10−1に連結されている。パンタグラフ機構42−2は、アーム221およびアーム222により構成される。アーム221およびアーム222は、平行ピン223で連結されており、平行ピン223を軸として、回動自在に構成されている。なお、連結部分の剛性を向上させるために、平行ピン223にベアリングを取り付けるようにしてもよい。
アーム221の一方の固定端は、装着部11−1の上端に平行ピン231を用いて取り付けられ、他方の固定端は、スタンド枠10−1に設けられているレール213上のインナ214に、平行ピン232を用いて取り付けられている。
アーム222の一方の固定端は、スタンド枠10−1の上端に平行ピン233を用いて取り付けられ、他方の固定端は、装着部11−1に設けられているレール211上のインナ212に、平行ピン234を用いて取り付けられている。
すなわち、インナ214とアーム221は、平行ピン232で取り付けられているため、アーム221は、インナ214に対して、平行ピン232を軸に回動自在となり、インナ214は、レール213上を上下に移動可能となる。同様に、インナ212とアーム222は、平行ピン234で取り付けられているため、アーム222は、インナ212に対して、平行ピン234を軸に回動自在となり、インナ212は、レール211上を上下に移動可能となる。
以上のようなパンタグラフ機構42−2により連結されることにより、固定部材としてのスタンド枠10−1に対して、可動部材としての装着部11−1は、平行運動、かつ、往復運動をすることができる。
また、同様にして、図12に示されるように、パンタグラフ機構42−2と左右対称の位置に、固定部材としてのスタンド枠10−1に対して、可動部材としての装着部11−1を、平行運動、かつ、往復運動可能にする、パンタグラフ機構42−2と左右対称の構成を有するパンタグラフ機構42−1が連結される。
このように、装着部11−1の左右に2つのパンタグラフ機構42−1および42−2が設けられることにより、可動部材としての装着部11−1の動きのバランスを取ることができる。
さらに、パンタグラフ機構42−2のアーム221には、図12のシャフト271を保持するためのシャフトホルダ241、および、シャフト273を保持するためのシャフトホルダ242が設けられており、パンタグラフ機構42−1のアーム221にもシャフトホルダ241およびシャフトホルダ242が設けられている。これらのシャフトホルダ241およびシャフトホルダ242が、シャフト271およびシャフト273を保持することで、パンタグラフ機構42−1と42−2は、シャフト271およびシャフト273を介して連結される。
また、パンタグラフ機構42−2のアーム222には、シャフト272を保持するためのシャフトホルダ243が設けられており、パンタグラフ機構42−1のアーム222にもシャフトホルダ243が設けられている。これらのシャフトホルダ243がシャフト272を保持することで、パンタグラフ機構42−1と42−2は、シャフト272を介して連結される。
これにより、パンタグラフ機構42−1および42−2の剛性は向上され、可動部材としての装着部11−1は、左右で支持されるので、固定部材としてのスタンド枠10−1に対して、安定した状態で、平行に往復運動を行うことができる。
なお、このパンタグラフ機構42−1および42−2を動かす力、すなわち、装着部11−1をスタンド枠10−1から突出する方向への力の作用は、シャフト273に取り付けられるガススプリング251により実現される。また、その力の制御は、シャフト273に取り付けられるエアシリンダ252により実現される。なお、図12の例においては、ガススプリング251およびエアシリンダ252の図示は、省略されている。
具体的には、シャフト273には、連結用部材253が接続され、連結用部材253には、図示せぬ平行ピンが用いられて、固定端がスタンド枠10−1の下部に固定されたガススプリング251の上端部が取り付けられており、さらに、図示せぬ細シャフトを介して、固定端がスタンド枠10−1の下部に固定されたエアシリンダ252の上端部が取り付けられている。
ガススプリング251は、内部に窒素などのガスが充填されており、装着部11−1をスタンド枠10−1から離す方向(図中左方向)に対して伸張能力を有している。
エアシリンダ252は、ガススプリング251の伸張能力(すなわち、図中左方向への力)に対して反力として働くため、エアシリンダ252を設けることにより、ガススプリング251の伸張速度(装着部11−1が図中左方向に移動する速度)を低減させることができる。さらに、エアシリンダ252は、実際には、スピードコントロール機構を有することで、スピードコントロール機構によって、ガススプリング251に対する反力を調整することがきる。
したがって、パンタグラフ機構42−1および42−2に、ガススプリング251およびエアシリンダ252を取り付けることにより、ガススプリング251だけでは制御できないガススプリング251の伸張速度(装着部11−1が図中左方向に移動する速度)が、ガススプリング251の伸張能力とエアシリンダ252の反力により制御される。すなわち、スタンド10から、装着部11−1が押し出される際の速度が制御される。
これにより、スタンド10に設けられた複数の装着部11−1乃至11−9が突出する際の速度を略一定に調整することができる。
また、図11の例において、コネクタ32からのケーブル配線201は、以上のように構成されるパンタグラフ機構42−2が取り付けられるスタンド10の内部を通過して、スタンド枠10−1の背面に取り付けられる仲介基板202に接続される。
実際には、図12に示されるように、スタンド枠10−1の背面には、2本の配線用部材281−1および281−2が設けられており、仲介基板202は、配線用部材281−1および281−2に取り付けられている。仲介基板202からのケーブル配線203は、スタンド枠10−4、スタンド枠10−7、およびスタンド枠10−10を介して、ボックス13−1に収納される電気ボックスに接続される。
以上のように、テレビジョン受像機12−1の背面に、背面から突出したモニタパイプ41を取り付けるように構成したので、ユーザは、テレビジョン受像機12−1のモニタパイプ41を、スタンド10の装着部11−1のモニタフック31に引っ掛けるだけで、簡単にテレビジョン受像機12−1をスタンド10に装着することができる
また、ユーザは、スタンド10の装着部11−1のモニタフック31から、モニタパイプ41を取り外すだけで、簡単にテレビジョン受像機12−1を、スタンド10から取り外すことができる。
さらに、モニタパイプ41は、テレビジョン受像機12−1の背面から突出されているので、モニタパイプ41をしっかりと把持することができ、テレビジョン受像機12−1を、両手で、あるいは片手でも、容易に持ち運ぶことができる。
そして、テレビジョン受像機12−1を単体で視聴する場合に、テレビジョン受像機12−1の背面を下にして設置したり、あるいは、壁に立て掛けたりしても、モニタパイプ41により、テレビジョン受像機12−1の背面と設置場所との距離を常に確保できるため、コネクタやケーブルなどの突起物の圧迫を抑制することができる。
なお、上記説明においては、テレビジョン受像機12−1乃至12−9を用いて説明したが、チューナなどは内蔵されていなくてもよく、本発明は、ディスプレイを有するディスプレイ装置にも適用される。
1 スケーラブルTVシステム,10 スタンド,10−1 スタンド枠,11−1乃至11−9 装着部,21−1乃至21−9 テレビジョン受像機,41 モニタ42,42−1,42−2 パンタグラフ機構 ,61−1乃至61−4 接続部材,51 収納部,101−1乃至101−4 ハンドル部,102−1乃至102−4 連結部,111 接続コネクタ,121乃至124 コネクタ,201 ケーブル配線,202 仲介基板,203 ケーブル配線