JP5028550B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
被検体内を可視の波長帯域をカバーする広帯域の照明光で照明することにより、肉眼観察する場合と同等に近い観察像を得ることができるようにしている。
一方、内視鏡による観察機能を向上するために、可視の波長帯域をカバーする広帯域の照明光の他に、特定の波長帯域のみをカバーする狭帯域の照明光を用いて観察対象部位を照明することにより、通常観察像の場合とは異なる狭帯域光による観察像(表層付近の血管の走行状態の観察像)を得る内視鏡も提案されている。
例えば、日本国特開2003−079571号公報の第1の従来例の内視鏡は、挿入部の先端部に第1の発光素子を設け、この第1の発光素子から出射した出射光を第1の配光レンズを介して生体内部に出射する。
また、日本国特開2003−164417号公報の第2の従来例の内視鏡は、プリズムを有し、このプリズムは、白色光源装置からの白色光と励起用光源からの紫外光とを切り替える等して内視鏡内部の殆ど全長に渡って設けられたライトガイドの後端に導光し、このライトガイドの先端面から配光レンズを介して導光した光を出射する。
一方、上記第2の従来例は、白色光と紫外光とをプリズムにより切り替えることができるが、例えば紫外光は内視鏡内部の殆ど全長に渡って挿通された導光手段としてのライトガイドによる導光ロスが大きく、白色光の場合よりも大きく減衰される。
従って、ライトガイドの先端面から出射される紫外光の光量が、白色光の場合よりも大きく低下するため、得られる蛍光観察像の画質が低下する。画質の低下を防止するためには、内視鏡内部の殆ど全長に渡って挿通されたライトガイドによる減衰を補うような大型の励起用光源が必要になってしまい、コストが嵩む。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、狭帯域光等の光量の低下を少なくでき、かつ広帯域光による観察のための照明も支障なく行うことができる内視鏡を提供することを目的とする。さらに、本発明は、簡単な構成で、可視の波長帯域における短波長側となる狭帯域光の光量の低下を少なくでき、狭帯域光の照明による生体粘膜の表層付近の観察と、可視の波長帯域をカバーする広帯域光の照明による通常観察とを行うのに適した内視鏡を提供することも目的とする。
(第1の実施形態)
図1に示すように本発明の第1の実施形態を備えた内視鏡装置1は、第1の実施形態の内視鏡2と、この内視鏡2が着脱自在に接続される信号処理装置としてのビデオプロセッサ3と、このビデオプロセッサ3から出力される映像信号が入力されることにより、この映像信号に対応する内視鏡画像を表示する表示手段としてのモニタ4とから構成される。
内視鏡2は、体腔内に挿入される細長の挿入部6と、この挿入部6の後端に設けられ、湾曲するための操作手段としての湾曲操作ノブ10が設けられた操作部7と、この操作部7から延出されたケーブル8とを有し、このケーブル8の末端のコネクタ9はビデオプロセッサ3に着脱自在に接続される。
挿入部6の先端部11には、照明窓と観察窓とが隣接して設けられており、照明窓には、被写体側に照明光を出射する照明レンズ15が取り付けられており、観察窓には、照明された被写体の光学像を結像する対物レンズ16が取り付けられている。
これに対して、この青色の狭帯域光の場合程には、ライトガイドでの導光の際の光量ロスによる影響が小さい(低い)可視の波長帯域をカバーする広帯域光としての白色光を発生する第1光源部21を、操作部7に配置し、ライトガイド27により、先端部11側に導光する構成にしている。
第1光源部21は、広帯域光としての白色光を発生する白色発光ダイオード(LEDと略記)23と、この白色LED23が実装されたLED基板24とからなる。
また、第2光源部22は、狭帯域光としての青光を発生する青色LED25と、この青色LED25が実装されたLED基板26とからなる。
白色LED23における白色光を出射する出射面には導光部を構成するライトガイドファイバ(単にライトガイドと略記)27の後端面(基端面)が当接するように配置され、このライトガイド27は、入射された白色光を導光(伝送)して、ライトガイド27の先端面(出射面)から出射する。
また、上記LED基板24、26は、それぞれ内視鏡2内を挿通された電源線31,32を介して、コネクタ9が接続されるビデオプロセッサ3内部の電源回路33に接続される。
電源回路33から駆動電源が供給されると、白色LED23及び青色LED25は、例えば図3に示すように可視の波長帯域をカバーする白色の広帯域光(図3中ではW1で示す)と可視の波長帯域における短波長側となる青色の狭帯域光(図3中ではB1で示す)をそれぞれ発生する。
なお、プリズム28は、例えば図3に示す青色の狭帯域光(と同じ波長帯域の光)を選択的に反射し、この青色の狭帯域光以外の白色の広帯域光を選択的に透過する特性に設定されたダイクロイックプリズムにより構成されている。
従って、白色LED23により発生した白色の広帯域光は、ライトガイド27により導光され、さらに青色の狭帯域光以外の白色の広帯域光がプリズム28を透過して、照明窓に取り付けられた照明レンズ15を経て出射され、患部等の被写体側を照明する。 一方、先端部11内に配置された青色LED25により発生した青色の狭帯域光は、プリズム28により青色の狭帯域光が反射され、照明窓に取り付けられた照明レンズ15を経て出射され、患部等の被写体側を照明する。
なお、図2に示すように先端部11における先端面側には、弾性を有する先端カバー29が設けられている。
このCCD17は、内視鏡2内を挿通された信号線19、20を介して、コネクタ9が接続されるビデオプロセッサ3内部の駆動回路35と、信号処理回路36とにそれぞれ接続される。
駆動回路35は、CCD17に駆動信号を印加し、CCD17は駆動信号の印加により光電変換した撮像信号(画像信号)を信号処理回路36に出力する。
また、内視鏡2の操作部7には、観察モードを切り替える(又は選択する)指示操作を行う観察モード選択部としての観察モード切替スイッチ(又は観察モード選択スイッチ)37が設けられている。術者は、この観察モード切替スイッチ37を操作することにより、第1光源部21による広帯域光の照明による通常観察モード又は広帯域光観察モード(WLI観察モード)と、第2光源部22による狭帯域光の照明による狭帯域光観察モード(NBI観察モード)を切り替える指示信号が制御回路34に出力される。
制御回路34は、この指示信号に応じて、電源回路33と信号処理回路36の動作を制御する。制御回路34が、駆動回路35の動作も制御するようにしても良い。
一方、青色の狭帯域光の照明のもとでは、色分離フィルタ18によるBの色分離成分に対応したB信号を生成し、B信号のみからなるモノクロの映像信号をモニタ4に出力する。そして、モニタ4は青色の狭帯域光の照明のもとで撮像した狭帯域画像(NBI画像)としてのモノクロの内視鏡画像を表示する。なお、B信号を、モニタ4のBチャンネルに入力する他に、R及びGチャンネルにも入力して白黒の内視鏡画像(NBI画像)を表示するようにしても良い。
この場合、制御部としての制御回路34は、第1光源部21の白色LED23及び第2光源部22の青色LED25に駆動電源が供給されるように電源回路33を制御すると共に、信号処理回路36の動作モードを広帯域光(白色光)のWLI観察モードに対応した信号処理モードとなるように制御する。
なお、白色LED23による白色光は、ダイクロイックプリズムにより形成されたプリズム28によって、青の狭帯域光部分が欠落した照明光となるので、制御回路34は、電源回路33の動作を制御し、WLI観察モードの場合には白色LED23と青色LED25とを同時に発光させる。この場合には、青の狭帯域光部分が殆ど欠落しない白色の照明光が被写体側に出射される。そして、モニタ4にはWLI画像が表示される。
青の狭帯域光は、生体粘膜の内部での減衰が大きいため、その反射光を受光するCCD17には生体粘膜の表層付近からの反射光成分のみが実質的に入射される。従って、青の狭帯域光の照明のもとでCCD17により撮像され、信号処理回路36により生成されるNBI画像は、表層付近の毛細血管の走行状態等を鮮明に表すような画像となり、術者は毛細血管の走行状態等を認識し易い状態で観察することができる。
次のステップS4において制御回路34は観察モードの切替指示がされたか否かを判定する。観察モードの切替指示がされていない場合には、ステップS3の処理に戻る。一方、切替指示がされた場合には、ステップS1のWLI観察モードに設定する処理に移る。
従って、本実施形態によれば、狭帯域光の光源で発生した狭帯域光の光量の低下を少なくでき、かつ広帯域光による観察のための照明も支障なく行うことができる。また、簡単な構成により、広帯域光としての白色光の照明のもとでの通常観察と、狭帯域光の照明による患部等の生体粘膜における表層付近の血管の走行状態を認識し易い状態での観察とを選択できる。
本変形例は、第1の実施形態において第2光源部22をライトガイド27の先端部及びプリズム28に一体化した第2光源ユニット41を形成している。
第2光源ユニット41は、LED外装ブロック42における正面側の中央付近に設けた凹部内にはプリズム28が配置され、このプリズム28の底面(第2の入射面)に出射面が密着するように青色LED25及び青色LED25が搭載されたLED基板26が固定される。
また、LED外装ブロック42における背面側の凹部内には、ライトガイド27の先端側が挿入され、凹部の内部に配置されたプリズム28の背面(第1の入射面)に、ライトガイド27の先端面が密着して当接する状態で固定される。
なお、プリズム28の出射面の直前、又は出射面に当接するようにして照明レンズ15が配置される。
本変形例によれば、第2光源部22が設けられた第2光源ユニット41の動作を長期にわたり安定化することができる。
図7Aは第1の実施形態の第2変形例における第1光源部21周辺の構造を示す。本変形例においては、第1光源部21の白色光を出射する端面と、導光部としてのライトガイド27の入射側の端面とを当接する状態を維持して固定する光源固定部を形成している。
また、LG口金43の後端側に段差部を設け、この段差部の後端側には、段差部の外径に嵌合する内径を有する放熱器45を設けている。この放熱器45は、白色LED23及びLG口金43を囲む略円筒形状に設けられ、その端面はLED基板24にねじで固定できるようにしている。
本変形例では、段差部の外周面には付勢手段としてのバネ46を配置し、このバネ46の一端はLG口金43の段差面に当接し、他端は該段差面に対向する放熱器45の内面に当接している。
このため、バネ46は、ライトガイド27の入射側の端面に、白色LED23の端面が当接するように弾性的に付勢した状態で固定する光源固定部を形成している。なお、図7Aにおいては、白色LED23における実際に白色光で発光(又は白色光を出射)する発光部(出射部)を符号23aで示している。そして、この発光部23aの端面にライトガイド27の端面が当接するように付勢された状態で固定されている。
なお、放熱器45には、複数の調整ねじ47(図7Aでは1つのみ示す)が設けられ、この調整ねじ47により、白色LED23の端面の位置に、ライトガイド27の端面が当接するように(LG口金43を押圧することにより)位置決めの調整を行うことができるようにしている。
従って、本変形例によれば、白色LED23で発生した白色光を導光手段としてのライトガイド27により安定して導光する動作を長期間にわたり維持できる。
次に図7Bに示すようにライトガイド27の端面が、LG口金43の端面から僅かに突出するように加工する手順を図8を参照して説明する。
図8(A)に示すように(ライトガイド27の端部側を固定するための)LG口金43の端部側に、このLG口金43と同じ寸法の第2のLG口金43bを固定する。なお、第2のLG口金43bは、LG口金43に比較すると、その全長が短い円環形状である。
研磨後に、図8(C)に示すように第2のLG口金43を取り除く。このようにして、図7Bに示すようにライトガイド27の端面が、LG口金43の端面から僅かに突出するように加工できる。
なお、図7Bのようにライトガイド27の端面が、LG口金43の端面から段差状に突出するように加工する代わりに、図9Aに示すようにライトガイド27の端面が周囲のLG口金43に形成したテーパ面43aから突出するようにしても良い。
図10は、第1の実施形態の第3変形例における挿入部6の先端部11の構成を示す。
本変形例は、図2の構成において、青色LED25の出射面とプリズム28の第2入射面との間に板形状の偏光子50を配置した構成にしている。偏光子50は、青色LED25で発生した青色の狭帯域光における所定方向に偏光した光のみを通過する。また、対物レンズ16とCCD17との間に、板形状の偏光子40を配置した構成にしている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
本変形例によれば、所定方向に偏光した青色の狭帯域光により患部等の被写体を照明した場合の反射光成分によるNBI観察を行うことができる。その他は、第1の実施形態と同様の効果を有する。
なお、上述した実施形態又は変形例においては、共通のプリズム28を用いて、このプリズム28の出射面側から広帯域光又は狭帯域光を出射する構成を示したが、以下に説明する第3変形例のような構成にしても良い。
つまり、本変形例は、WLI観察モードの場合には、第1光源部21により発光し、ライトガイド27により導光して第1の照明窓から広帯域光を出射し、NBI観察モードの場合には、第2光源部22により発光し、長さが短いライトガイド51により導光して第2の照明窓から狭帯域光を出射する。なお、第1の照明窓と第2の照明窓は先端面に隣接して形成されている。
なお、ライトガイド27及びライトガイド51の先端面に、さらに照明レンズをそれぞれ設けるようにしても良い。
また、第3変形例のように第1の照明窓と第2の照明窓を設けた場合には、図12に示す第4変形例のような構成にしても良い。
図12に示す内視鏡2は、図11に示す第1の照明窓に第1の照明レンズ53を取り付け、ライトガイド27の先端面から出射される広帯域光をこの先端面に対向する第1の照明レンズ53を経て出射する構成にしている。
図13Aは図12における先端部11の正面図を示す。
本変形例では、白色光による広帯域光と、狭帯域光とを異なる照明窓から出射する構成となっている。
本変形例においては、青色LED25で発光した光を導光手段を用いること無く、第2の照明レンズ54を経て出射することができる。
図13BはWLI/NBI観察モードを実現する第6変形例における信号処理回路36の構成を示す。また、図13Cは、動作説明用のタイミング図を示す。
Rメモリ38a,Gメモリ38b,Bメモリ38cは、広帯域のR,G,B信号を格納するメモリであり、Bメモリ38dは、狭帯域のB信号を格納するメモリである。
これらのRメモリ38a,Gメモリ38b,Bメモリ38c,Bメモリ38dに格納された画像信号は、メモリ制御回路36eにより、各フレーム期間において読み出され、D/A変換回路36dに入力される。
但し、Rメモリ38a,Gメモリ38b,Bメモリ38cから同時に読み出されるR,G,B信号に比較して、Bメモリ38dから読み出されるB信号は、1水平期間の1/2程度遅れたタイミングで読み出されるように制御回路34はメモリ制御回路36eの動作を制御する。
D/A変換回路36dは入力されたデジタルの画像信号をアナログの映像信号(画像信号)に変換した後、モニタ4のR,G,Bチャンネンルに出力する。そして、モニタ4はWLI画像(WLIと略記)4aとNBI画像(NBIと略記)4bとを水平方向に隣接して同時に表示する。
第1フレーム期間T1の終了タイミングにおいて駆動信号がCCD17に印加され、第1フレーム期間T1で撮像されたR,G,B信号(図13CにおいてはR(T1),G(T1),B(T1))は、R,G,Bメモリ38a−38cにそれぞれ格納される。これらの画像信号は、次のWLI期間(第3フレーム期間T3)で撮像された信号が入力される(上書きされる)までメモリ内に保持される。
各フレーム期間において、R,G,Bメモリ38a−38cと、Bメモリ38dに格納された画像信号は読み出され、モニタ4の表示面にはWLI画像4aとNBI画像4bとが同時に表示される。
本変形例によれば、WLI画像4aとNBI画像4bとを同時に表示できるようにしているので、NBI画像4bで観察している部分をWBI画像4aから確認することができ、診断等を行い易くなる。また、WLI画像4aを取得しない期間においては、白色LED23を発光させないようにしているので、省電力化できる。
また、WLI/NBI観察モードに設定する場合、1フレーム期間で交互に切り替える場合に限らず、術者等のユーザがWLI期間とNBI期間とを変更設定できるように内視鏡内の操作部7等に期間設定部39a(図13B参照)を設けるようにしても良い。
このようにWLI期間とNBI期間とを変更設定できるようにすると、術者が使用する場合における操作性を向上できる。
図14Aは本発明の第2の実施形態を備えた内視鏡装置1Bの構成を示す。本実施形態における内視鏡2Bは、図1に示した内視鏡2における操作部7内の第1光源部21を変形した構成にしている。
この内視鏡2Bにおいては、第1光源部21の白色LED23の出射面とライトガイド27の(光が入射される)端面との間に、プリズム61を配置すると共に、さらに緑色の波長帯域における狭帯域光、つまり緑色の狭帯域光を発生する第3光源部62を設けている。なお、第1光源部21が第3光源部62を含むように定義しても良い。また、後述する図18で説明するように、第1光源部21が白色光から緑色の狭帯域光を選択的に発生することを可能にする構成にすることもできる。
白色LED23の出射面は、ダイクロイックプリズムにより構成されたプリズム61の第1の入射面に密着し、この第1の入射面に対向する出射面はライトガイド27の端面が密着するように当接している。
また、プリズム61の第2の入射面には緑色LED63の出射面が密着するように第3光源部62を設けられている。図15は、第3光源部62の緑色LED63により発生される緑色の狭帯域光(図15中ではG1)の特性を示す。
具体的には、プリズム61を構成する2つの3角プリズムにおける斜面の接合面には、図15の点線で示した緑色の狭帯域光を選択的に反射する特性Pgを持つように設定された誘電体膜61aが形成されている。第1光源部21の白色LED23及び第2光源部22の青色LED25による発光特性に関しては、第1の実施形態と同様である。なお、緑色の狭帯域光は、青色の狭帯域光に比較すると長波長側となるため、導光部としてのライトガイド27により導光した場合、(ライトガイド27として特殊なものを採用しないでも)青色の狭帯域光の場合程には光量ロスが大きくなくできる。
本実施形態においては、NBI観察モードに設定された場合には、第2光源部22と第3光源部62とを発光させて、両方の狭帯域光を用いたNBI画像を得ることができるようにしている。
また、本実施形態においてはNBI観察モードの場合において、プリズム28を経て照明窓から出射される青色LED25による青色の狭帯域光と緑色LED63による緑色の狭帯域光とが所定の分光特性(より具体的には両照明光の光量比が所定の値又は一定値)を維持するように調整又は制御する機能を有する。
術者は第1スイッチ又は第2スイッチをON/OFFすることにより、制御回路34を介して、照明窓から出射される青色LED25による青色の狭帯域光又は緑色LED63による緑色の狭帯域光の光量を増減することができ、両狭帯域光における少なくとも一方の光量を増減することにより両狭帯域光が所定の光量比を維持するように電源回路33から両光源部22及び62に供給する駆動電源の電力を調整する。
このように、制御回路34は、青色の狭帯域光と緑色の狭帯域光とが所定の光量比にする(換言すると光量比を一定にする)ように調整する光量調整部34aの機能を持つ。
また、この制御回路34は、後述する図19A等において説明するように観察モードの切替(選択)の際に、所定の期間、同時に点灯(又は発光)するようにタイミング制御する点灯タイミング制御部34bの機能を持つ。
図16の上側の図は、初期の状態での青色LED25による青色の狭帯域光の強度(初期強度)及び緑色LED63による緑色の狭帯域光の強度(初期強度)の特性を示す。
また、斜線は、青色の狭帯域光の強度及び緑色の狭帯域光の強度の面積を示し、前者及び後者の両面積がSbi、Sgiであるとするとその面積比はSbi:Sgiとなる。
そして、長期の使用のために図16の下側に示すように(青色LED25と緑色LED63による)強度が低下した場合には、両狭帯域光の強度比が図16の上側に示す場合と同じ光量比となるように光量調整部34aは、青色LED25を発光駆動する(電源回路33による)駆動電力と緑色LED63の駆動電力を調整する。
光量比が一定となるように調整する場合、面積比で調整する他に、ピーク値が一定となるように調整しても良い。例えば、図16の上の図における青色の狭帯域光及び緑色の狭帯域光の各強度のピーク値をPbi、Pgiとした場合、長期の使用のために図16の下側に示すように強度が低下した場合、両強度のピーク値の比がPbi:Pgiとなるように調整しても良い。
また、図14Aにおけるプロセッサ3内の点線で示すように信号処理回路36においてB信号及びG信号からそれぞれの平均輝度Bav、Gavを生成し、両平均輝度の比Bav/Gavを調整信号として電源回路33に出力し、予め設定された光量比を維持するように青色LED25及び緑色LED63を発光する駆動電力を調整するようにしても良い。この場合、適切な明るさの画像が得られるように調光しても良い。
また、ライトガイド27が折れた場合に対しても、上記のように光量比が一定となるように調整するようにしても良い。また、ライトガイド27の透過率は、白色LED21,緑色LED63の発光波長に合わせたものを使用しても良い。また、透過率の異なるライトガイドファイバをランダムに束ねてライトガイド27を形成しても良い。
図17は本実施形態の内視鏡装置1Bによる動作説明図を示す。第1変形例を備えた内視鏡装置1B′の場合も図17Bに示す動作説明図となる。本実施形態の動作は、図4に類似している。
電源が投入されるとステップS11において図4のステップS1と同様に、制御回路34は初期設定の所定の観察モードとして例えばWLI観察モードに設定する。
本実施形態においては、制御回路34は、第1光源部21の白色LED23、第2光源部22の青色LED25及び第3光源部62の緑色LED63に駆動電源が供給されるように電源回路33を制御すると共に、信号処理回路36の動作モードを広帯域光に対応した信号処理モードとなるように制御する。
一方、切替指示がされた場合には、ステップS13に示すように制御回路34は、NBI観察モードに設定する。この場合、制御回路34は、第2光源部22の青色LED25と第3光源部62の緑色LED63とに駆動電源が供給されるように電源回路33を制御すると共に、信号処理回路36の動作モードを狭帯域光に対応した信号処理モードとなるように制御する。
術者は、このNBI観察モードにより、患部の表層における毛細血管及びこの毛細血管よりも若干深部側の血管の走行状態等を鮮明に認識し易い状態で観察することができる。
このように動作する本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、青色の狭帯域光を発生する第2光源部22を挿入部6の先端部11内に配置しているため、第2光源部22により発生した青色の狭帯域光を導光の際に殆どロスすることなく、照明窓から出射することができる。
従って、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に狭帯域光の光源で発生した狭帯域光の光量の低下を少なくでき、かつ広帯域光による観察のための照明も支障なく行うことができる。
そして、本実施形態によれば、青色の狭帯域光により生体粘膜の表層付近の毛細血管等の細かい血管の走行状態の他に、緑色の狭帯域光による表層付近ではあるがより深部側のより太い血管の走行状態を識別し易い状態で観察することができる。
また、本実施形態においては青色の狭帯域光と緑色LED63による緑色の狭帯域光とが所定の光量比(又は一定の光量比)を維持するように調整又は制御するので、長期にわたりNBI観察モードを使用する場合においても、光量比が変化しないため、得られるNBI画像の色調等の特性が変化しないようにできる。
なお、本実施の形態においては、NBI観察モードの場合に、青色の狭帯域光のみによる観察と、緑色の狭帯域光のみによる観察を選択できるようにしても良い。
図18は第2の実施形態の第2変形例の内視鏡2B″における第2光源部付近の構成を示す。図14Aに示した第2光源部21における青色LED23の出射面とライトガイド27の後端面との間に空隙部が形成され、この空隙部には緑色の狭帯域光のみを選択的に透過する緑色狭帯域フィルタ71が挿脱自在に配置される。
WLI観察モードに設定する場合には、制御回路34は、緑色狭帯域フィルタ71を退避した状態に設定する(図18において、緑色狭帯域フィルタ71は一点鎖線で示す状態となる)。この場合には、白色LED23の白色光としての広帯域光がライトガイド27の後端面に入射し、その先端面から導光した広帯域光が出射される。
また、NBI観察モード設定する場合には、制御回路34は、緑色狭帯域フィルタ71を空隙部に配置した状態に設定する。この場合には、白色LED23の白色光としての広帯域光が緑色狭帯域フィルタ71に入射される。
その他の構成は、第2の実施形態と同様の構成である。
本変形例は、上述した第2の実施形態における効果とほぼ同様の効果を有する。
なお、本変形例の場合には、図16において説明した青色の狭帯域光及び緑色の狭帯域光の光量比を一定になるように調整する場合には以下のような値に調整しても良い。例えば面積比で調整する場合には、上述した面積比Sbi:Sgiを4:1に、又ピーク比で調整する場合には、上述したピーク値の比Pbi:Pgiを6:1に調整しても良い。
従来例においては観察モードを切り替えた場合に一瞬ブラインド(観察画像が得られない状態)になることがあったのに対して、本変形例は、ブラインドを発生しないで、観察できるようにするものである。このため、観察モードを切り替えた場合、所定の期間同時に点灯(発光)するようにタイミングを制御する構成にしている。以下に説明するタイミング制御は、例えば内視鏡2B′に設けた制御回路34が行うが、プロセッサ3に設けた制御回路34が行うこともできる。
図19Aは、WLI観察モードの状態から時間t1のタイミングでNBI観察モードに切り替える操作を行った場合と、NBI観察モードの状態から時間t2のタイミングでWLI観察モードに切り替える操作を行った場合の動作説明図を示す。
なお、上記画像処理切替の時間tiでは、白色LED23の点灯による画像と、緑色LED63の点灯による画像とを合成してモニタ4に表示する。
従って、時間t1において切替操作を行った場合にも、白色LED23の点灯による画像と、緑色LED63の点灯による画像とが合成してモニタ4に表示されるので、ブラインドが発生しない。
従って、時間t2において切替操作を行った場合にも、時間t1の場合と同様に、ブラインドが発生しない。
本変形例によれば、切替中においてもブラインドが発生することなく、観察像が得られるので、例えば注目する観察領域を一瞬、見失うようなことを解消できる。
図19Aに示す制御方法の変形例として、図19Bに示すように制御しても良い。
また、白色LED23の代わりに、図19Dに示すように黄色の波長帯域で発生する黄色LED(図19C,図19D中ではY−Lと略記)を採用しても良い。
そして、図19Aと同じタイミングで切替操作がされた場合、図19Cに示すよう制御回路34が制御するようにしても良い。
図19Cに示すように黄色LED、青色LED25,緑色LED63を発光させた状態の場合には白色光に近い特性となる。従って、黄色LEDを用いた場合には、図19CのようにON,OFFを制御する。
図20は、NBI観察モードにおいては、緑色LED63と青色LED25とを発光させることができる構成の場合であり、制御回路34は術者の選択に対応してCCD17が実際に撮像を行う露光期間又は撮像期間T(受光して電荷蓄積を行う期間)、緑色LED63と青色LED25との一方のみ、又は両方を同時に発光させる。
図20における期間Taでは、術者により青色LED25によるNBI観察モードが選択された場合であり、期間Tbでは、術者により緑色LED63によるNBI観察モードが選択された場合であり、期間Tcでは、術者により青色LED25及び緑色LED63によるNBI観察モードが選択された場合である。
なお、期間Tcのように制御し、モニタ4での表示モードの選択により図21A又は図21Bの表示を選択することもできるが、選択されない方の照明が無駄になる。
図20ではNBI観察モードの場合における制御方法を説明したが、WLI観察モードの場合にも適用することができる。
図20に示したように制御することによって、CCD17が撮像を行っていない期間、発光させないようにできるため、省電力化できる。また、先端部11の発熱を低減できる。
図22Aに示すブロック83はNBI用の光源部を備えたものであるが、蛍光観察用の光源部を備えたブロックを用意して、交換使用できるようにしても良い。
図22Aの構成の場合には、術者は、NBI観察、蛍光観察などから実際に使用したいと望むブロックを装着して、NBI観察、蛍光観察等を行うことができる。
また、図22Bに示すように、第2光源部を有しない内視鏡において、先端部11にNBI用光源ユニット(以下、光源ユニットと略記)85を着脱自在に取り付けることができるようにしても良い。
また、この内視鏡は、交流電源88からの交流電力を伝送線により伝送し先端部11内に設けた給電部91に供給する。
また、光源ユニット85は、給電部91に対向する位置に配置された(接点の接触無し、つまり)接点レスで交流電力を受ける給電受け部92を有し、給電受け部92はその内部に設けた整流回路により、直流電源に変換して、B光源部86とG光源部87とに駆動電力を供給する。この内視鏡においては、光源ユニット85を装着することによりNBI観察ができる効果を有する。
なお、上述した実施形態等を部分的に組み合わせることにより構成される実施形態も本発明に属する。
なお、上述した実施形態又はその変形例において、プリズム28又は61をダイクロイックプリズムで形成する代わりに、例えば白色光と、青色光又は緑色光とを所定割合で透過及び反射して出射面側に導光するハーフミラーを用いたものも本発明に属する。
Claims (17)
- 被検体内に挿入される挿入部と、
前記挿入部の基端に設けられ、操作手段が設けられた操作部と、
前記操作部内に設けられ、可視の波長帯域を含む波長特性を有する第1の光を発生する第1の光源部と、
前記挿入部の基端側に設けられた入射部及び前記挿入部の先端側に設けられた出射部を有し、前記入射部に入射された前記第1の光を導光し前記出射部から出射する導光部と、
前記第1の光が前記導光部によって導光される際に減衰する波長帯域の光を第2の光として発生する第2の光源部と、
前記導光部の出射部から出射される光及び前記第2の光を合成して照明窓から出射させる光学素子と、
を備えることを特徴とする内視鏡。 - 前記第1の光源部は、前記第1の光として前記可視の波長帯域をカバーする白色光を実質的に発生する白色発光ダイオードを用いて構成され、
前記導光部によって導光される際に減衰する波長帯域は青色の狭帯域であり、
前記第2の光源部は、前記第2の光として、前記青色の狭帯域の光を発生する青色発光ダイオードを用いて構成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。 - 前記第1の光源部は、さらに緑色の狭帯域光を発生する緑色発光ダイオードを有し、
前記光学素子を経て出射される前記青色の狭帯域光及び前記緑色発光ダイオードによる緑色の狭帯域光の光量比を調整する光量調整部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。 - 前記光学素子は、前記導光部の出射部から出射される光のうち、前記導光部によって導光される際に減衰する波長帯域以外の光を選択的に前記第2の光と合成することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
- さらに、前記第1の光の照明による第1の光観察を行う第1の光観察モードと、前記第2の光の照明による第2の光観察を行う第2の光観察モードとの一方の観察モードの選択を行う観察モード選択部と、前記観察モード選択部による選択に基づいて前記第1の光源部と、前記第2の光源部との発光動作を制御する制御部とを有することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡。
- 前記制御部は、前記第1の光観察モードの選択の場合には、前記第1の光源部と、前記第2の光源部とを同時に発光させるように制御し、前記第2の光観察モードの選択の場合には、前記第1の光源部を発光させないで、前記第2の光源部のみを選択的に発光させるように制御することを特徴とする請求項5に記載の内視鏡。
- さらに、前記第1の光による第1の光照明と前記第2の光による第2の光照明とを交互に行い、前記第1の光照明による第1の光画像と前記第2の光照明による第2の光画像との取得とを行うための第1の光/第2の光観察モードを選択する第1の光/第2の光観察モード選択部を有し、
前記第1の光/第2の光観察モード選択部の選択に基づいて前記制御部は、前記第1の光源部と、前記第2の光源部との発光動作を制御することを特徴とする請求項6に記載の内視鏡。 - 前記制御部は、前記第1の光照明を行う第1の光照明期間においては、前記第1の光源部及び前記第2の光源部とを同時に発光させるように制御し、前記第2の光照明を行う第2の光照明期間においては、前記第1の光源部を発光させないで、前記第2の光源部のみを選択的に発光させるように制御することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡。
- 前記制御部は、前記第2の光照明期間においては、前記第1の光照明期間よりも発光量を増大させるように前記第2の光源部を構成する前記青色発光ダイオードの発光動作を制御することを特徴とする請求項8に記載の内視鏡。
- さらに、前記挿入部の先端部に配置され、前記第1の光照明及び前記第2の光照明のもとで被写体を撮像する撮像素子を備え、
前記制御部は、前記内視鏡が接続される外部装置に設けられ、前記撮像素子に対する信号処理を行う信号処理回路に対して、
前記第1の光照明の際に前記撮像素子で撮像された信号から前記第1の光画像を生成するように制御し、さらに
前記第2の光照明の際に前記撮像素子で撮像された信号から前記第2の光画像を生成するように制御することを特徴とする請求項8に記載の内視鏡。 - さらに、前記制御部は、前記信号処理回路に対して、前記第1の光画像と前記第2の光画像とを隣接して同時に表示する合成画像を生成するように制御することを特徴とする請求項10に記載の内視鏡。
- さらに、前記第1の光照明と、前記第2の光照明とを交互に行う各期間の値を設定する期間設定部を有することを特徴とする請求項9に記載の内視鏡。
- 前記第1の光源部は、前記白色発光ダイオードと、
緑色の狭帯域光を発生する緑色発光ダイオードと、
前記白色発光ダイオードの白色光及び前記緑色発光ダイオードの緑色の狭帯域光がそれぞれ入射される第1の入射面及び第2の入射面を有し、
前記第1の入射面から入射される前記白色光に対しては、前記緑色の狭帯域光の波長帯域以外の光を選択的に前記導光部の入射部に入射させ、かつ
前記第2の入射面から入射される前記緑色の狭帯域光に対しては、前記緑色の狭帯域光の波長帯域の光を選択的に前記導光部の入射部に入射させる第2の光学素子と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡。 - さらに、前記第1の光源部と前記導光部の入射部とを当接させて固定する光源固定部を備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
- 前記第1の光源部と前記第2の光源部における各々の光の照射を切り替える際に、所定の期間、同時点灯するようにタイミング制御するタイミング制御部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
- 前記第2の光源部と前記光学素子の間に偏光子を配置したことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
- 前記第2の光は、前記光学素子によって前記導光部の出射部から出射される光と合成されることにより前記第1の光を生成する光であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
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