JP5027961B2 - ポリプロピレン樹脂組成物及びレトルト食品包装フイルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン樹脂組成物及びレトルト食品包装フイルムに関し、詳しくは、アンチブロッキング性と透明性と耐屈曲白化性のバランスに優れ、低温耐衝撃性、ヒートシール強度、耐熱性等のバランスにも優れるレトルト食品包装フイルムを与えるポリプロピレン樹脂組成物及びそれを成形して得られるレトルト食品包装フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
レトルト食品包装用フイルムとしては、通常、貼り合わせフイルムが用いられており、その代表的な仕様は、PET(外側)/アルミ箔(中間)/キャストPP(内側)、PET/NY/アルミ箔/キャストPP、PET/アルミ箔/NY/キャストPP、NY/キャストPP等である。このレトルト食品包装用フイルムとして用いられるキャストPPに適する樹脂として、これまでに多くの提案がなされてきた。例えば(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体、(2)プロピレン−エチレンランダム共重合体、(3)エチレン系共重合体等が挙げられる。(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体は、融点が高く130℃以上の加熱、加圧殺菌(いわゆるハイレトルト)に耐えられ、かつ低温での耐衝撃性にも優れるため広く使われているが、透明性が低く、屈曲白化性(折り目の白化)が生じる欠点がある。(例えば特開平6−93062号公報)(2)プロピレン−エチレンランダム共重合体は、透明性には優れるものの低温での耐衝撃性に劣るので、EPR等のゴム成分を配合することが行われている。しかしながら、なお低温での耐衝撃性は十分とはいえず、ゴム成分の配合によりヒートシール強度が低下する欠点がある。(3)エチレン系共重合体は、透明性と低温での耐衝撃性に優れるが、耐熱性が不十分で120℃以上のレトルトには耐えられないという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、透明性と耐屈曲白化性のバランスに優れ、低温耐衝撃性、ヒートシール強度、耐熱性のバランスにも優れるレトルト食品包装フイルムを与える新規なポリプロピレン樹脂組成物として、
(A)下記(a1)〜(a3)の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体が90〜99質量%及び(B)下記(b1) 〜(b3)の性状を有するエチレン/α−オレフィン共重合体からなるポリプロピレン樹脂組成物
(a1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、
(a2) 沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン不溶部の割合が60〜90質量%で、その不溶部の極限粘度( [η]H )が1.5〜2.8dl/gであり、及び
(a3) 沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン可溶部の割合が10〜40質量%で、その可溶部の極限粘度( [η]EP)が1.5〜2.8dl/gであり、且つ [η]EP≦ [η]H +0.5であり、同可溶部のエチレン含有率が10〜50質量%である
(b1) メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、
(b2) 極限粘度( [η]EPR )が2.8dl/g以下であり、且つ [η]EPR ≦ [η]H +0.5であり、及び
(b3) エチレン含有率が30〜90質量%である
及び
前記ポリプロピレン樹脂組成物を押出成形したレトルト食品包装フイルムを開発したが、本発明は、さらに実用性を高めるため、アンチブロッキング性と透明性と耐屈曲白化性のバランスに優れ、低温耐衝撃性、ヒートシール強度、耐熱性のバランスにも優れるレトルト食品包装フイルムを与えるポリプロピレン樹脂組成物及びそれを成形して得られるレトルト食品包装フイルムを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題についてさらに鋭意検討した結果、以下に示す本発明を完成させた。
〔1〕下記(a1)〜(a3)の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体と表面処理合成シリカを含有するポリプロピレン樹脂組成物。
(a1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、(a2)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン不溶部の割合が60〜90質量%で、その不溶部の極限粘度([η]H)が1.5〜2.8dl/gであり、及び(a3)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン可溶部の割合が10〜40質量%で、その可溶部の極限粘度([η]EP)が1.5〜2.8dl/gであり、且つ[η]EP≦[η]H+0.5であり、同可溶部のエチレン含有率が10〜50質量%である
〔2〕プロピレン−エチレンブロック共重合体100質量部に前記表面処理合成シリカを0.1〜2.0質量部添加してなる上記〔1〕記載のポリプロピレン樹脂組成物。
〔3〕(A)下記(a1)〜(a3)の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン/α−オレフィン共重合体及び(C)表面処理合成シリカを含有するポリプロピレン樹脂組成物。
(a1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、(a2)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン不溶部の割合が60〜90質量%で、その不溶部の極限粘度([η]H)が1.5〜2.8dl/gであり、及び(a3)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン可溶部の割合が10〜40質量%で、その可溶部の極限粘度([η]EP)が1.5〜2.8dl/gであり、且つ[η]EP≦[η]H+0.5であり、同可溶部のエチレン含有率が10〜50質量%である
〔4〕(B)エチレン/α−オレフィン共重合体が下記(b1)及び(b3)の性状を有する上記〔3〕記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(b1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、及び(b3)エチレン含有率が30〜90質量%である
〔5〕(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体が90〜99質量%及び(B)エチレン/α−オレフィン共重合体が1〜10質量%からなる重合体組成物100質量部に(C)表面処理合成シリカ0.1〜2.0質量部を添加してなる上記〔3〕または〔4〕記載のポリプロピレン樹脂組成物。
[6]前記α−オレフィンの炭素数が3〜10である上記3〜5のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物を押出成形して得られるレトルト食品包装フイルム。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリプロピレン樹脂組成物及びレトルト食品包装フイルムについて詳細に説明する。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、以下に述べる〔ポリプロピレン樹脂組成物(I)〕及び〔ポリプロピレン樹脂組成物(II)〕である。
〔ポリプロピレン樹脂組成物(I)〕
本発明のポリプロピレン樹脂組成物(I)は、下記(a1)〜(a3)の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体とアンチブロッキング剤を含有する樹脂組成物である。
(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体
本発明に用いるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、下記(a1)〜(a3)の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体である。
(a1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、
(a2) 沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン不溶部の割合が60〜90質量%、好ましくは70〜90質量%で、その不溶部の極限粘度( [η]H )が1.5〜2.8dl/gであり、及び
(a3) 沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン可溶部の割合が10〜40質量%、好ましくは10〜30質量%で、その可溶部の極限粘度( [η]EP)が1.5〜2.8dl/gであり、且つ [η]EP≦ [η]H +0.5であり、同可溶部のエチレン含有率が10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%である
すなわち、メルトフローレート(MFR)は、0.5g/10分より小さければキャスト成形が困難であり、20g/10分より大きければ耐衝撃性の低下、ゲル、フィッシュアイの発生が懸念される。
【0006】
沸騰パラキシレン不溶部の極限粘度( [η]H )が1.5dl/gより小さければ耐衝撃性、透明性、耐屈曲白化性が不充分となり、2.8dl/gより大きければキャスト成形性が困難になる。
【0007】
また、沸騰パラキシレン可溶部の極限粘度( [η]EP)が1.5dl/gより小さければフイルムがベタつくなど耐ブロッキング性が悪化し、2.8dl/gより大きければ透明性が悪化すると共にゲル、フィッシュアイ等が発生する懸念がある。更に、沸騰パラキシレン可溶部の極限粘度( [η]EP)が( [η]H +0.5)より大きければ透明性が悪化するなど不充分である。
【0008】
また、沸騰パラキシレン可溶部のエチレン含有率が10質量%より小さければ耐衝撃性が不充分であり、50質量%より大きければ透明性が悪化し、耐屈曲白化性が不充分となる。
【0009】
そして沸騰パラキシレン不溶部と沸騰パラキシレン可溶部の割合が前者が60質量%より小さければ耐ブロッキング性、耐熱性、剛性、透明性、耐屈曲白化性が低下するし、前者が90質量%より大きければ耐衝撃性が不足する。
【0010】
なお、本発明に用いるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、通常の方法により製造することが出来る。すなわち、例えばチグラー系固体触媒と分子量調製剤水素ガス等と共に原料プロピレンガスを第一段の反応器に投入し、気相状態で反応を進め、更に当該生成物に原料プロピレンとエチレンガスおよび分子量調製剤水素ガスを第二段目の反応器に追加投入して製造することができる。
(2)アンチブロッキング剤
アンチブロッキング剤としては、フィルム表面に存在して効果的に凹凸を付与し、密着を防止できるものであれば特に制限はないが、好ましくは下記のものが挙げられる。
▲1▼平均粒径3μm以上10μm以下の非晶質アルミノシリケート系アンチブロッキング剤。例えば、シルトンAMT,シルトンJC50等(共に、水澤化学(株)製)が挙げられる。
▲2▼平均粒径3μm以上10μm以下のケイソウ土
例えば、ジョン・マンビル(株)製のケイソウ土が挙げられる。
▲3▼平均粒径3μm以上10μm以下の合成シリカ。
【0011】
例えば、不定形(サイリシア:富士シリシア(株)製、ミズカシル:水澤化学(株)製)等や球状(ミズパール:水澤化学(株)製)等が挙げられる。
なお、平均粒径はいずれもコールターカンター法により測定した値である。
【0012】
また、前記▲3▼の合成シリカとしては、表面処理が施され、シラノール基量を示すDBA値が表面処理前の70%以下、好ましくは50%以下、更に好ましくは40%以下であるものがブロッキングの改良効果が大きく、レトルト前後の透明性の変化が小さいため特に好ましい。本発明において、アンチブロッキング剤のシラノール基量を示すDBA値は下記の方法により測定される。すなわち、アンチブロッキング剤を180℃で2時間焼成し、デシケータ中で放冷した後に1g秤量し、0.01Nジ−n−ブチルアミン(DBN)トルエン溶液を100ミリリットル加える。次いで、これをスターラーで1時間攪拌した後に一晩放置する。上澄み液5ミリリットルをとり、50ミリリットルの水/メタノール=1/1溶液を加え、pHメーターでpHを測定しながら0.01N塩酸で滴定を行い、その滴定量を測定する。
【0013】
合成シリカの表面処理としては、例えば脂肪酸金属塩やワックス等をシリカ表面にコーティングする方法、あるいはシラン系等のカップリング剤やシリコーンオイル、変性シリコーンオイル等を用いてシリカ表面を有機物で被覆する方法等種々の方法により行うことができる。
【0014】
上記シランカップリング剤やシリコーンオイル等を用いたアンチブロッキング剤の表面処理方法としては、特に限定されるものではなく公知の種々の方法が使用できるが、例えば下記の方法で実施できる。
(イ)シランカップリング剤の場合
▲1▼シランカップリング剤の水、有機溶媒等の溶液を調製し、この溶液にアンチブロッキング剤を攪拌しながら含浸した後、ろ過、圧搾、遠心分離等により溶媒を除去し、乾燥する。
【0015】
▲2▼アンチブロッキング剤をミキサーやブレンダーを用いて攪拌しながらシランカップリング剤やその水、有機溶媒等の溶液をスプレーし、乾燥する。
(ロ)シリコーンオイル等の場合
▲1▼シリコーンオイルの溶液(トルエン,キシレン,石油エーテル,イソプロピルアルコール,揮発性シリコーンオイル等に希釈)にアンチブロッキング剤を攪拌しながら含浸した後、溶媒を除去し、加熱焼付処理する。
【0016】
▲2▼アンチブロッキング剤をミキサーやブレンダーを用いて攪拌しながらシリコーンオイルやその溶液をスプレーし、加熱焼付処理する。
アンチブロッキング剤に対するシランカップリング剤やシリコーンオイル等の使用量は、表面処理の程度とアンチブロッキング剤の比表面積によるため一概には決定できないが、アンチブロッキング剤100質量部に対して0.5〜20質量部程度で実際に表面処理を行い、最適量を決定するすることができる。
【0017】
シリコーンオイル等を使用する場合の加熱焼付処理としては、ジメチルシリコーンオイルの場合で200〜350℃/5〜30分程度、メチルハイドロジエンシリコーンオイルの場合で120〜150℃/1〜2時間程度の条件で行われる。
【0018】
上記アンチブロッキング剤の表面処理に用いることのできるシリコーンオイルや変性シリコーンオイルとしては、特に限定されないが、シリコーンオイルとしては例えば、ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,メチルハイドロジエンポリシロキサン,フロロポリシロキサン等が挙げられ、変性シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサンの側鎖に有機官能基を有するもの、分子鎖の末端に有するもの、また側鎖と末端の両方に有するものがあるが、例えば、カルビノール変性ポリシロキサン,ポリエーテル変性ポリシロキサン,アミノ変性ポリシロキサン,エポキシ変性ポリシロキサン,カルボキシル変性ポリシロキサン,メタクリル変性ポリシロキサン,メルカプト変性ポリシロキサン,フェノール変性ポリシロキサン,アルキル基変性ポリシロキサン,メチルスチリル基変性ポリシロキサン,フッ素変性ポリシロキサン等が挙げられる。これらのうち、メチルハイドロジエンポリシロキサン,カルビノール変性ポリシロキサン,アミノ変性ポリシロキサン,エポキシ変性ポリシロキサン,カルボキシル変性ポリシロキサン,メタクリル変性ポリシロキサン又はメルカプト変性ポリシロキサンが好ましく用いられる。
【0019】
アンチブロッキング剤の表面処理に用いることのできるシランカップリング剤としては、特に限定されないが例えば、ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン,ビニルトリアセトキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,イソブチルトリメトキシシラン,デシルトリメトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0020】
本発明のポリプロピレン樹脂組成物(I)としては、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体100質量部に前記アンチブロッキング剤を0.1〜2.0質量部、好ましくは0.25〜1.0質量部添加添加して得られるものが好ましい。アンチブロッキング剤が0.1質量部未満ではアンチブロッキング性の改良効果が充分ではないことがある。また、2.0質量部を超えると透明性が阻害され低下したり、アンチブロッキング剤自身の吸水性によりレトルト後のフィルムの白化や、異味・異臭等が発生し好ましくない場合がある。本発明のポリプロピレン樹脂組成物(I)は、上記の要件を満たし、アンチブロッキング性と透明性と耐屈曲白化性のバランスに優れ、低温耐衝撃性、ヒートシール強度、耐熱性のバランスにも優れるレトルト食品包装フイルムが得られる。
〔ポリプロピレン樹脂組成物(II)〕
本発明のポリプロピレン樹脂組成物(II)は、(A)下記(a1)〜(a3)の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン/α−オレフィン共重合体及び(C)アンチブロッキング剤を含有する樹脂組成物である。
(a1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、
(a2) 沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン不溶部の割合が60〜90質量%で、その不溶部の極限粘度( [η]H )が1.5〜2.8dl/gであり、及び
(a3) 沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン可溶部の割合が10〜40質量%で、その可溶部の極限粘度( [η]EP)が1.5〜2.8dl/gであり、且つ [η]EP≦ [η]H +0.5であり、同可溶部のエチレン含有率が10〜50質量%である
すなわち、本発明のポリプロピレン樹脂組生物(II)は、基本的には、上記(A)成分と(B)成分からなる重合体組成物に、(C)成分としてのアンチブロッキング剤を含有させたものである。
【0021】
以下、本発明のポリプロピレン樹脂組成物(II)における各成分について説明する。
(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体
プロピレン−エチレンブロック共重合体は、前記ポリプロピレン樹脂組成物(I)におけるプロピレン−エチレンブロック共重合体である。
【0022】
(B)エチレン/α−オレフィン共重合体
エチレン/α−オレフィン共重合体としては、低結晶性のゴム状重合体であることが好ましく、そのようなものとしては主成分としてのエチレンと共重合モノマーのα−オレフィンとのランダム共重合体が好ましく挙げられる。α−オレフィンとしては、炭素数が3〜10のものが使用でき、具体的にはエチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、エチレン−オクテン−1ランダム共重合体、より具体的には、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−ブテンゴム等が挙げられる。中でも好ましくは、エチレン−プロピレンゴム(EPR)とエチレン−ブテンゴムを用いることができる。
【0023】
エチレン/α−オレフィン共重合体としては、下記(b1) 〜(b3)の性状を有するものが特に好ましい。
(b1) メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、
(b2) 極限粘度( [η]EPR )が2.8dl/g以下であり、且つ [η]EPR ≦ [η]H +0.5であり、及び
(b3) エチレン含有率が30〜90質量%である
メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分より小さければポリプロピレン中の分散が悪く、透明性、屈曲白化性が悪化したり、20g/10分より大きければ耐衝撃性が不足することがある。また、極限粘度( [η]EPR )が2.8dl/gより大きければ透明性、屈曲白化性が悪化したり、( [η]H +0.5)より大きければ透明性、屈曲白化性が不足することがある。更に、エチレン含有量が30質量%より少なければ耐衝撃性が低下したり、90質量%を超えれば耐衝撃性が低下したり、外観不良となることがある。
【0024】
前記エチレン/α−オレフィン共重合体の製造法としては、特に限定されない。連続法でもバッチ法でもよく、更に溶液法、スラリー法、気相法もしくはこれらの組み合わせであってもよい。触媒系も特に限定されないが、典型的にはチーグラー系触媒により製造されるものが挙げられるがこれに限定されるものでなく、メタロセン系触媒により製造できるものであってよい。共重合に際しては、エチレンとα−オレフィンが均一に共重合していることが好ましい。不均一に共重合すると、エチレン濃度の高い共重合体とエチレン濃度の低い共重合体が混在することになり、透明性が低下する。従って、バナジウム系触媒あるいはメタロセン系触媒等の均一系触媒を用いることが好ましい。メタロセン系触媒としては、一般的にはシクロペンタジエニル環を有する周期律表第4族の遷移金属化合物及びメチルアルミノキサンあるいは周期律表第4族の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒が挙げられる。
【0025】
更に、重合条件としては、重合温度は通常、−50〜250℃、好ましくは、0〜200℃の範囲であり、重合時間は通常、1分間〜10時間の範囲であり、圧力は通常、常圧〜30MPa・Gの範囲で行えばよい。
(C)アンチブロッキング剤
アンチブロッキング剤としては、特に制限はないが前記アンチブロッキング剤を用いることが好ましい。
【0026】
本発明のポリプロピレン樹脂組成物(II)としては、前記(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体が90〜99質量%及び前記(B)エチレン/α−オレフィン共重合体が1〜10質量%からなる重合体組成物100質量部に前記(C)アンチブロッキング剤0.1〜2.0質量部を添加してなるものが好ましい。さらに好ましくはアンチブロッキング剤0.25〜1.0質量部添加する場合である。前記(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体が90質量%より少なければ、ヒートシール強度が低下したり、99質量%より多ければ、耐衝撃性が低下することがある。また、アンチブロッキング剤が0.1質量部未満ではアンチブロッキング性の改良効果が充分ではないことがある。2.0質量部を超えると透明性が阻害され低下したり、アンチブロッキング剤自身の吸水性によりレトルト後のフィルムの白化や、異味・異臭等が発生し好ましくないことがある。
【0027】
前記ポリプロピレン樹脂組成物(I)及び(II)の製造方法としては特に制限はない。例えば、各成分を公知の種々の方法で混合する方法、あるいは押出機内で溶融混練、造粒して製造する方法等が挙げられる。また、各成分を実際に使用する濃度より高い濃度であらかじめ溶融混練、造粒しておき(所謂マスターバッチを作製しておき)、この組成物を必要量添加して用いることもできる。
【0028】
本発明の樹脂組成物(II)は、上記の要件を満たし、アンチブロッキング性と透明性と耐屈曲白化性のバランスに優れ、低温耐衝撃性、ヒートシール強度、耐熱性のバランスにも優れるレトルト食品包装フイルムが得られる。(B)エチレン/α−オレフィン共重合体の添加により低温耐衝撃性がさらに向上する。
【0029】
前記ポリプロピレン樹脂組成物(I)及び(II)には、必要に応じて各種添加剤、充填剤等が含有されていてもよい。
添加剤としてはフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などが挙げられる。これらの添加剤は、1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
例えば、フェノール系酸化防止剤の具体例としては、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、スミライザーBHT(住友化学(株))、ヨシノックスBHT(吉富製薬(製))、アンテージBHT(川口化学(株))、イルガノックス1076(チバスペシャルティケミカルズ社(株))、イルガノックス1010(チバスペシャルティケミカルズ社(株))、アデカスタブAO−60(旭電化(株))、スミライザーBP−101(住友化学(株))、トミノックスTT(吉富製薬(株))、TTHP(東レ(株))、イルガノックス3114(チバスペシャルティケミカルズ社(株))、アデカスタブAO−20(旭電化(株))、アデカスタブAO−40(旭電化(株))、スミライザーBBM−S(住友化学(株))、ヨシノックスBB(吉富製薬(株))、アンテージW−300(川口化学(株))、イルガノックス245(チバスペシャルティケミカルズ社(株))、アデカスタブAO−70(旭電化(株))、トミノックス917(吉富製薬(株))、アデカスタブAO−80(旭電化(株))、スミライザーGA−80(住友化学(株))等が挙げられる。
【0031】
リン系酸化防止剤の具体例としては、
トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、アデカスタブ1178(旭電化(株))、スミライザーTNP(住友化学(株))、JP−135(城北化学(株))、アデカスタブ2112(旭電化(株))、JPP−2000(城北化学(株))、Weston618(GE(株))、アデカスタブPEP−24G(旭電化(株))、アデカスタブPEP−36(旭電化(株))、アデカスタブHP−10(旭電化(株))、SandstabP−EPQ(サンド(株))、フォスファイト168(チバスペシャルティケミカルズ社(株))等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤の具体例としては、
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、スミライザーTPL(住友化学(株))、ヨシノックスDLTP(吉富製薬(株))、アンチオックスL(日本油脂(株))、スミライザーTPM(住友化学(株))、ヨシノックスDMTP(吉富製薬(株))、アンチオックスM(日本油脂(株))、スミライザーTPS(住友化学(株))、ヨシノックスDSTP(吉富製薬(株))、アンチオックスS(日本油脂(株))、アデカスタブAO−412S(旭電化(株))、SEENOX 412S(シプロ化成(株))、スミライザーTDP(住友化学(株))等が挙げられる。なかで好ましいフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましい。
【0032】
これらのなかで好ましいフェノール系酸化防止剤としては、
チバスペシャルティケミカルズ社(株)イルガノックス1010:物質名:ペンタエリスリチル−テトラキス[ 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
チバスペシャルティケミカルズ社(株)イルガノックス1076:物質名:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
チバスペシャルティケミカルズ社(株)イルガノックス1330:物質名:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
チバスペシャルティケミカルズ社(株)イルガノックス3114:物質名:トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト等が挙げられる。
【0033】
また、好ましいリン系酸化防止剤としては、
チバスペシャルティケミカルズ社(株)イルガフォス168:物質名:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
チバスペシャルティケミカルズ社(株)P−EPQ:物質名:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4' −ビフェニレン−ジ−フォスファイト
等が挙げられる。
【0034】
中和剤としては、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ハイドロタルサイト類(例えば、協和化学工業(株)のDHT−4A:組成式:Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2 O)、リチウムアルミニウム複合水酸化物(例えば、水澤化学工業(株)のミズカラック:組成式:[Li2 Al4 (OH)12]CO3 ・mH2 O,ただしm≒3)等が特に好ましい。
【0035】
スリップ剤としては、脂肪酸アミド等が好ましく、
エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリルエルカアミド、オレイルパルミトアミドが特に好ましい。
【0036】
紫外線吸収剤、帯電防止剤としては、特に制限はなく公知のものが使用できる。
本発明において各種の添加剤は、通常、前記ポリプロピレン樹脂組成物(I)または(II)の100質量部に対しそれぞれ0.001〜1質量部添加すればよい。好ましくは、それぞれ0.01〜0.2質量部添加すればよい。スリップ剤としては、0.05〜0.5質量部添加することが好ましい。
〔レトルト食品用フイルム〕
本発明のレトルト食品包装フイルムは、上記のいずれかのポリプロピレン樹脂組成物を押出成形して得られる。押出成形法としては、溶融押出成形法が挙げられる。具体的には、キャスト成形法やインフレーション成形法が挙げられる。押出成形法としては、大型フイルム成形機で高速成形が可能なTダイキャスト成形法が特に好ましい。本発明のレトルト食品包装フイルムは、アンチブロッキング性と透明性と耐屈曲白化性のバランスに優れ、低温耐衝撃性、ヒートシール強度、耐熱性等にも優れる。
【0037】
【実施例】
本発明について、更に、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0038】
なお、実施例等で用いた試験方法は、以下のとおりである。
〔樹脂の特性〕
(1)メルトフローインデックス(MFR)の測定
JIS K 7210に準拠し、温度230℃,荷重2160g(21.2N)の条件で測定した値である。
(2)沸騰パラキシレン溶出試験
パラキシレン不溶部の割合は、パラキシレン700ミリリットルに試料5g及び酸化防止剤としての2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)1gを添加し、加熱しながら攪拌して沸騰温度まで昇温し、完全に溶解させたのち、攪拌しながら25℃になるまで8時間以上放冷し、析出した成分をろ紙によりろ取し、不溶部として求めた値である。
【0039】
パラキシレン可溶部の割合は、サンプル総量から上記不溶部の値を除いた値とした。
(3)極限粘度〔η〕の測定
パラキシレン不溶部の極限粘度〔η〕の測定は、上記不溶部量の測定に採取したパウダーをよく乾燥したのち、135℃デカリン中において、極限粘度〔η〕を測定する。
【0040】
同可溶部の極限粘度〔η〕は、以下に示す方法で測定した値である。
すなわち、パラキシレン700ミリリットルに試料5g及び酸化防止剤としての2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)1gを添加し、加熱しながら攪拌して沸騰温度まで昇温し、完全に溶解させたのち、攪拌しながら25℃になるまで8時間以上放冷し、析出した成分をろ紙によりろ別する。得られたろ液を大過剰のメタノールに投入して析出させ、ろ紙によりろ別して、これをパラキシレン可溶部とする。次によく乾燥したのち、135℃デカリン中において、極限粘度〔η〕を測定する。
(4)共重合体中のエチレン含有量の測定
プロピレン−エチレンブロック共重合体中のエチレン含有量を13C−NMRスペクトルの測定により行った。
【0041】
日本電子社製のJNM−EX400型NMR装置を使用して、以下の測定条件にて行った。
(NMR測定条件)
試料濃度:220mg/NMR溶媒3ml
NMR溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン/ベンゼン−d6を90/10(体積比)
測定温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算回数:4000回
(測定)
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体の各シグナルを用いて表1の計算範囲に従い、共重合体のエチレン含有量を求めた。なお、表中、Pはプロピレン単位、Eはエチレン単位を示す。従って、PPPは、プロピレン単位が3個連続していることを、また、EEEは、エチレン単位が3個連続していることを示している。
【0042】
【表1】
【0043】
プロピレン−エチレンブロック共重合体中のエチレン単位の含有量(γ(質量%))は各シグナル強度から次式に従い算出した。
γ=200X/(300―X)
X=(Et/S)×100
Et=IEEE +2/3 (IPEE +IEPE )+1/3 (IPPE +IPEP )
S=IEPE +IPPE +IEEE +IPPP +IPEE +IPEP
IEPE =I(4) IPPP =I(8)
IPPE =I(5) IPEE =I(9)
IEEE =I(7) /2+I(6) /4 IPEP =I(10)
但し、例えばI(1) は表1におけるシグナルの番号(1)のシグナル強度である。
〔キャスト成形によるフイルムの作成〕
スクリュウ径が40mmである単軸押出機にダイス幅500mmのコートハンガー型Tダイスを取り付けたキャスト成形機を用いて、ダイス出口温度250℃、スクリュウ回転数80rpm、チルロール温度30℃、引取速度7.5m/分で厚さ60μmのフイルムを成形した。なお、フイルムにはコロナ処理を施した(処理密度80W/m2 /分)。得られたフイルムの特性(フイルムインパクト強度、ヘイズ、耐屈曲白化性等)は以下に述べる方法にて行った。
〔ラミネート及び製袋〕
次いで、このフイルムを外面からPET(東洋紡績(株)製、厚み12μm)/アルミ箔(東洋アルミニウム(株)製、厚み7μm)/当該フイルム(厚み60μm)からなる構成で接着剤を介してドライラミネートした。用いた接着剤は武田薬品製A−536/A−50(主剤/硬化剤)を使用し、ラミネート後接着剤の効果のために40℃/5日間エージングを実施した。
【0044】
ラミネートフイルムは下記条件で製袋を行い、150mm×150mmのサイズの平袋を作成した。
製袋:シール温度はサイドシールが200℃/210℃(2回シール)で、ボトムシールが190℃である。シール圧力は0.3MPa・Gで、シール時間は0.7秒である。製袋速度は36袋/分である。
〔フィルムの特性〕
フィルムの特性は、耐衝撃性を除き、試料を温度23±2℃、湿度50±10%にて16時間以上状態調節したのち、同じ温度,同じ湿度条件下にて測定を行った。
(1)耐衝撃性(フィルムインパクト)
試料を所定の温度(23℃及び0℃)±2℃、湿度50±10%にて16時間以上状態調節したのち、同じ温度,同じ湿度条件下にて、東洋精機製作所製フィルムインパクトテスターにおいて、1/2インチ衝撃ヘッドを用いた衝撃破壊強度により評価した。
(2)透明性(ヘイズ値)
JIS K 7105に準拠し、測定した。
【0045】
また、レトルト処理後のヘイズ値は、フィルム(10cm×10cm)を120℃、2.0気圧(0.2MPa・G)にて30分間レトルト処理を行った後、フィルム表面に付着した水分を乾燥させ、ヘイズ測定に供した。
(3)耐屈曲白化性
フィルムを折り曲げ、目視により確認した。
【0046】
○ :折り曲げても折り目が白くならない。
× :折り曲げた際に折り目が明らかに白くなる。
(4)アンチブロッキング強度の評価
MD方向25cm×TD方向5cmのフィルムの測定面同士を重ね合わせ、60℃の恒温槽に36g/cm2 の荷重下で3時間保持する。その後23℃、湿度50%の室内にて30分間以上状態調節した後、引張速度20mm/分で剥離させたときの剥離強度を測定し、アンチブロッキング強度とした。アンチブロッキング強度が小さいほどアンチブロッキング性が優れる。
(5)ヒートシール強度
上記のように製袋して得た袋に水120ccを充填し、袋の上端をインパルスシーラーにてヒートシールし、120℃、2.0気圧(0.2MPa・G)にて30分間レトルト処理を行った。
【0047】
得られた包装品の実用強度として、レトルト処理前と後のヒートシール強度を測定した。なお、ヒートシール強度については、製袋した袋のサイドシール部を引張試験機にてクロスヘッド速度300mm/分、ロードセル10kgの条件にて剥離する強度を測定する。
(6)耐熱性
水を充填しない製袋品の袋の上端をインパルスシーラーにてヒートシールした後、2.0気圧(0.2MPa・G)、120℃にて30分間レトルト処理を行った。その後袋の内面同士の密着の度合いを目視にて評価した。
○:袋の内部に密着している部分は見当たらず、手で容易に袋を開口することができる。
△:袋の内部は部分的に密着が認められるが、手で袋を開口することができる。
×:袋の内部には部分的、または全面的に融着が認められ、手で袋を開口することはできない。
(7)落下破袋強度
上記のように製袋して得た袋に水120ccを充填し、袋の上端をインパルスシーラーにてヒートシールし、120℃、2.0気圧(0.2MPa・G)にて30分間レトルト処理を行った。
【0048】
得られた包装品の実用強度として、レトルト処理後の落下破袋強度を測定した。落下破袋強度は、レトルト処理後のサンプルを0℃にて24時間状態調節した後、同じサンプルの入った袋を重ねて二段重ねとし、試験する袋を下にして1.0mの高さから金属製の床面に水平に落下させて、袋が破れるまでの平均回数(15回試験した平均)を求めた。
〔製造例1〕
〔ポリプロピレン樹脂組成物の製造〕
(プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造)
(1)マグネシウム化合物の調製
内容積500リットルの攪拌機付き反応槽を窒素ガスで充分に置換し、エタノール97.2kg,ヨウ素640g及び金属マグネシウム6.4kgを投入したのち、攪拌しながら、還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで反応させ、体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧乾燥させることにより目的のマグネシウム化合物(固体生成物)を得た。
(2)固体触媒成分の調製
窒素ガスで充分に置換した内容積500リットルの攪拌機付き反応槽に、上記(1)で得られたマグネシウム化合物(粉砕していないもの)30kg,精製ヘプタン150リットル,四塩化ケイ素4.5リットル及びフタル酸ジエチル4.3リットルを仕込んだ。系内を90℃に保ち、攪拌しながら四塩化チタン144リットルを加えて110℃で2時間反応させたのち、固体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタン228リットルを加え、110℃で2時間反応させたのち、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分を得た。
(3)重合前処理
内容積500リットルの攪拌機付き反応槽に精製ヘプタン230リットルを投入し、さらに、前記(2)で得られた固体触媒成分25kgを加え、次いで、この固体触媒成分中のTi原子1モルに対し、トリエチルアルミニウムを0.6モル及びシクロヘキシルメチルジメトキシシランを0.4モルの割合で加えたのち、プロピレンをプロピレン分圧で0.03MPa・Gになるまで導入し、25℃で4時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分を精製ヘプタンで数回洗浄し、二酸化炭素を供給し24時間攪拌した。
(4)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造
前段として、内容積200リットルの攪拌機付き重合装置(R−1)に、上記(3)の処理済の固体触媒成分をTi原子換算で3ミリモル/hrで、トリエチルアルミニウムを413ミリモル/hr(7.5ミリモル/kg−PP)で、シクロヘキシルメチルジメトキシシランを105ミリモル/hr(1.9ミリモル/kg−PP)でそれぞれ供給し、重合温度75℃、全圧3MPa・Gでプロピレンを重合させた。この際、プロピレン及び水素の供給量を、表2に示すガス組成になるように調整した。次いで、R−1から連続的にパウダーを抜き出し、内容積200リットルの攪拌機付き重合装置(R−2)へ移送した。R−2では重合温度50℃、全圧1.1MPa・Gでプロピレンとエチレンを共重合させた。この際、プロピレン,エチレン及び水素の供給量を、表2に示すガス組成になるように調整した。このようにして得られたポリマーの特性を表2に示す。
〔実施例1〕
アンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)の製造
前記製造例1のプロピレン−エチレンブロック共重合体90質量部、アンチブロッキング剤としてサイロフォービック4004を10質量部、フェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010を0.1質量部,リン系酸化防止剤としてイルガフォス168を0.1質量部、触媒残さ中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.05質量部、ハイドロタルサイト(DHT−4A)を0.05質量部配合し、TEM(二軸押出機:樹脂温度200℃、スクリュウ回転数300rpm、吐出量40kg/hr)にて混練、造粒した。
〔実施例2〕
前記製造例1のプロピレン−エチレンブロック共重合体100質量部(95kg)につき、イルガノックス1010を0.07質量部、イルガフォス168を0.025質量部、ステアリン酸カルシウム0.05質量部、ハイドロタルサイト(DHA−4A)0.05質量部を実施例1と同様の条件で二軸押出機にて混練、造粒した。得られた組成物のペレット9.8kgと前記実施例1にて製造したアンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)0.2kgをタンブラーブレンダーで混合した。この後、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形した。樹脂特性の評価結果および配合割合を表3に、得られたフィルムの特性を表4に示す。
〔実施例3〕
実施例2における組成物のペレットを9.5kg、アンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)を0.5kgに変えたこと以外は実施例2と同様に行った。
〔実施例4〕
実施例2における組成物のペレットを9.0kg、アンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)を1.0kgに変えたこと以外は実施例2と同様に行った。
〔製造例2〕
ガス組成を表2における製造例2に示すように変更したこと以外は製造例1と同様に行いプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。得られたポリマーの特性を表2に示す。
〔実施例5〕
実施例1におけるプロピレン−エチレンブロック共重合体を前記製造例2で得たプロピレン−エチレンブロック共重合体に変えたこと以外は実施例1と同様に行いペレットを製造した。得られたペレットを9.0kgとアンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)を1.0kgをタンブラーブレンダーで混合した。この後、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形した。樹脂特性の評価結果および配合割合を表3に、得られたフィルムの特性を表4に示す。
〔参考例1〕
アンチブロッキング剤入りマスターバッチ(2)の製造
実施例1におけるサイロフォービック4004をサイリシア450に変えたこと以外は実施例1と同様に行い、アンチブロッキング剤入りマスターバッチ(2)を製造した。
〔参考例2〕
実施例4におけるアンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)を前記参考例1で得たアンチブロッキング剤入りマスターバッチ(2)に変えたこと以外は実施例4と同様に行った。
〔参考例3〕
アンチブロッキング剤入りマスターバッチ(3)の製造
実施例1におけるサイロフォービック4004をシルトンJC50に変えたこと以外は実施例1と同様に行い、アンチブロッキング剤入りマスターバッチ(3)を製造した。
〔参考例4〕
実施例4におけるアンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)を前記参考例3で得たアンチブロッキング剤入りマスターバッチ(3)に変えたこと以外は実施例4と同様に行った。
〔実施例10〕
実施例5で得たペレット9.0kg、前記実施例1で得たアンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)0.5kg、エチレン−プロピレン共重合体としてJSR社製EP−913Y(当該樹脂のメルトフローレート(MFR)は3.6g/10分で、極限粘度〔η〕は1.4dl/gであり、エチレン含有量は76質量%である)0.5kgをタンブラーブレンダーで混合した。この後、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形した。樹脂特性の評価結果および配合割合を表3に、得られた結果を表4に示す。
〔実施例11〕
実施例5で作製したプロピレン−エチレンブロック共重合体ペレット8.5kg、前記実施例1で得たアンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)0.5kg、エチレン−プロピレン共重合体として前記JSR社製EP−913Y1.0kgをタンブラーブレンダーで混合した。この後、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形し、さらに前述の〔ラミネート及び製袋〕により製袋した。樹脂特性の評価結果および配合割合を表3に、得られた結果を表4に示す。なお、レトルト後の製袋品の落下破袋強度は9回であった。
〔比較例1〕
実施例2で得たペレット10kgを用いてキャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形した。得られた結果を表4に示す。アンチブロッキング性が実施例2より劣る。
〔比較例2〕
実施例5で得たペレット10kgを用いてキャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形し、さらに前述の〔ラミネート及び製袋〕により製袋した。得られた結果を表4に示す。アンチブロッキング性が実施例5より劣る。さらに、レトルト後の製袋品の落下破袋強度は3回であった。
〔製造例3〕
ガス組成を表2における製造例3に示すように変更したこと以外は製造例1と同様に行いプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。得られたポリマーの特性を表2に示す。
〔比較例3〕
実施例1におけるプロピレン−エチレンブロック共重合体を前記製造例3で得たプロピレン−エチレンブロック共重合体に変えたこと以外は実施例1と同様に行いペレットを製造した。得られたペレットを10kgを用いてキャスト成形機にてキャストフィルムを成形した。樹脂特性の評価結果および配合割合を表3に、得られたフィルムの特性を表4に示す。低温耐衝撃性が劣る。
〔比較例4〕
実施例5で得たペレット9.5kg、エチレン−プロピレン共重合体として前記JSR社製EP−913Y0.5kgをタンブラーブレンダーで混合した。この後、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形し、さらに前述の〔ラミネート及び製袋〕により製袋した。得られたフィルムの特性を表4に示す。アンチブロッキング性が劣る。なお、レトルト後の製袋品の落下破袋強度は9回であった。
〔比較例5〕
実施例5で得たペレット9.0kg、エチレン−プロピレン共重合体として前記JSR社製EP−913Y1.0kgをタンブラーブレンダーで混合した。この後、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形した。得られたフィルムの特性を表4に示す。アンチブロッキング性が劣る。
〔比較例6〕
出光ブロックPP(出光石油化学(株)製ポリプロピレン、グレード名:F−454NP)10kgを用いて、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形した。樹脂特性の評価結果および配合割合を表3に、得られたフィルムの特性を表4に示す。透明性、耐屈曲白化性が劣る。
〔比較例7〕
前記製造例3で得たプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kg、アンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)0.5kgをタンブラーブレンダーで混合した。この後、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形した。樹脂特性の評価結果および配合割合を表3に、得られた結果を表4に示す。低温耐衝撃性が劣る。
〔比較例8〕
前記製造例3で得たプロピレン−エチレンブロック共重合体8.5kg,アンチブロッキング剤入りマスターバッチ(1)0.5kg、エチレン−プロピレン共重合体として前記JSR社製EP−913Y1.0kgをタンブラーブレンダーで混合した。この後、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形した。樹脂特性の評価結果および配合割合を表3に、得られた結果を表4に示す。ヒートシール強度が劣り、低温耐衝撃性も劣る。
〔比較例9〕
出光ブロックPP(出光石油化学(株)製ポリプロピレン、グレード名:F−454NP)ペレット9.5kg、エチレン−プロピレン共重合体として前記JSR社製EP−913Y0.5kgをタンブラーブレンダーで混合した。この後、キャスト成形機にて前述の方法でキャストフィルムを成形した。得られたフィルムの特性を表5に示す。なお、表中の計算値とは、([η]H+0.5)の値を示す。透明性、耐屈曲白化性が劣る。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】
本発明によればアンチブロッキング性と透明性と耐屈曲白化性のバランスに優れ、低温耐衝撃性、ヒートシール強度、耐熱性等のバランスにも優れるレトルト食品包装フィルムが得られる。
Claims (7)
- 下記(a1)〜(a3)の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体と表面処理合成シリカを含有するレトルト包装用ポリプロピレン樹脂組成物。
(a1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、
(a2)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン不溶部の割合が60〜90質量%で、その不溶部の極限粘度([η]H)が1.5〜2.8dl/gであり、及び
(a3)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン可溶部の割合が10〜40質量%で、その可溶部の極限粘度([η]EP)が1.5〜2.8dl/gであり、且つ[η]EP≦[η]H+0.5であり、同可溶部のエチレン含有率が10〜50質量%である - 前記プロピレン−エチレンブロック共重合体100質量部に前記表面処理合成シリカを0.1〜2.0質量部添加してなる請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- (A)下記(a1)〜(a3)の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン/α−オレフィン共重合体及び(C)表面処理合成シリカを含有するレトルト包装用ポリプロピレン樹脂組成物。
(a1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、
(a2)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン不溶部の割合が60〜90質量%で、その不溶部の極限粘度([η]H)が1.5〜2.8dl/gであり、及び
(a3)沸騰パラキシレンに溶解後、25℃まで放冷した後のパラキシレン可溶部の割合が10〜40質量%で、その可溶部の極限粘度([η]EP)が1.5〜2.8dl/gであり、且つ[η]EP≦[η]H+0.5であり、同可溶部のエチレン含有率が10〜50質量%である - (B)エチレン/α−オレフィン共重合体が下記(b1)及び(b3)の性状を有する請求項3記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(b1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であり、及び
(b3)エチレン含有率が30〜90質量%である - (A)プロピレン−エチレンブロック共重合体が90〜99質量%及び(B)エチレン/α−オレフィン共重合体が1〜10質量%からなる重合体組成物100質量部に(C)表面処理合成シリカ0.1〜2.0質量部を添加してなる請求項3または4記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 前記α−オレフィンの炭素数が3〜10である請求項3〜5のいずれか1項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物を押出成形して得られるレトルト食品包装フイルム。
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