JP5026873B2 - 酵素電極、酵素電極の製造方法及び酵素センサ - Google Patents

酵素電極、酵素電極の製造方法及び酵素センサ Download PDF

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Description

本発明は、酵素電極、酵素電極の製造方法及び酵素電極を用いた酵素センサに関する。
従来、環境問題・医療分野への応用といった観点から、特定の微量物質を検出するバイオセンサの研究・開発が盛んに行われている。
特に、酵素センサは、例えば、表面に酵素を固定した電極を用いて標的物質を電気化学的に検出するものである。酵素センサは、酵素が標的物質と特異的に反応するため、混合物の中から標的物質を選択的に比較的高感度で検出できるという特徴を有する。酵素センサとしては、現在までに、例えば、糖尿病検査のためのグルコースセンサ、痛風検査のための尿酸センサ、腎機能検査のための尿素センサ等が医療分野での実用化に至っている。
近年、安全・安心で快適な社会の実現という観点から、例えば、ホルムアルデヒドやトルエンなどの住環境汚染物質、TNT火薬などの爆発物類、コカインやヘロインなどの麻薬類等を高速・高感度で検出する技術が求められている。これらの物質は、気相や液相中に極低濃度で存在するため、検出にはサブppbレベルの検出感度が要求されており、センサの更なる高速・高感度化が望まれている。
酵素は、高分子のタンパク質であり、その立体構造に基づいて活性を示すことから、様々な外的要因によって容易に失活するという欠点を有する。そこで、従来から、この不安定性を除くため、適当な担体に酵素を保持させ、担体と酵素との相互作用を通じて酵素を安定化する方法(酵素固定化法)が開発されてきた(例えば、非特許文献1参照)。
酵素センサにおいては、上記酵素固定化法によって電極表面に酵素を物理的又は化学的に固定化した酵素電極を使用して、電気化学的に出力電流値を計測するようになっている。酵素電極における酵素の固定量を増加させることで、高感度な酵素センサを得ることが可能である。しかしながら、酵素電極における酵素の固定量は、電極の実効表面積に大きく依存する。
ところで、従来、カーボンナノチューブが半導体特性を示すことから、カーボンナノチューブを電子デバイスとして利用する試みがなされている。カーボンナノチューブは化学的に安定で電気伝導度が非常に高いため、電子素子として用いるのに適している。また、カーボンナノチューブの直径は1nm〜20nm程度であるため、微細な回路の素子や電極として利用するにも都合が良い。
また、カーボンナノチューブの電気化学的特性としては、触媒活性が他の電極材料よりも高いことが挙げられる。したがって、カーボンナノチューブを電極として用いると、他の電極材料を用いた場合と比較して、同一電位において酸化電流や還元電流が大きくなるため、検出感度の向上につながる(例えば、非特許文献2参照)。
また、カーボンナノチューブの特徴としては、高いアスペクト比を有することが挙げられる。カーボンナノチューブは、直径が数nmであるのに対して、長さは数μm程度であり、1000倍以上のアスペクト比を有するため、比表面積を増加させることができる。したがって、カーボンナノチューブを酵素固定化担体として利用すると、平面に対する酵素の固定と比較して、より大きな吸着量でより高濃度な酵素の固定が期待できる。また、カーボンナノチューブを電極として用いると、カーボンナノチューブは表面全体で反応するため、感度や応答速度の向上にもつながる(例えば、非特許文献3参照)。
そこで、カーボンナノチューブを利用した酵素センサが提案されている。
具体的には、例えば、ミネラルオイルにカーボンナノチューブや酵素を混合して、それを電極に塗布した酵素電極を用いた酵素センサが提案されている(例えば、非特許文献4参照)。
また、基板上の微細な金属触媒アレイ上にカーボンナノチューブを垂直方向に成長させ、そのカーボンナノチューブの末端に酵素を固定化した酵素センサも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
酵素工学概論(コロナ社)p.16−p.100(1995) Nature,354,56(1991) Science,287,622(2000) Electroanalysis,14,1609(2002) 特開2005−1105号公報
しかしながら、非特許文献4に記載の酵素センサにおいては、カーボンナノチューブを電極上に塗布するため、カーボンナノチューブと電極との間にショットキー障壁が形成されて、大きな抵抗値が計測されてしまう。これでは、カーボンナノチューブの特性を活かすことができず、十分な検出感度と応答速度を得ることができない。
また、特許文献1に記載の酵素センサにおいては、カーボンナノチューブの末端にしか、すなわち、カーボンナノチューブ層の表面にしか、酵素が固定されないため、カーボンナノチューブの特性を活かすことができず、酵素の高密度固定を図ることができない。さらに、特許文献1に記載の酵素センサにおいては、酵素の立体構造を維持するものがないため、外部環境の変化に伴って酵素の立体構造の変化が生じ、酵素の活性が失われてしまうことになって、安定性に欠け、寿命が短いという問題がある。
本発明の課題は、標的物質を高感度で高速に検出することができる、優れた安定性を有し、且つ、長寿命の酵素電極、当該酵素電極の製造方法及び当該酵素電極を用いた酵素センサを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
酵素電極において、
電極と、
前記電極及び/又は前記電極上に固定された金属触媒から直接延出する複数のカーボンナノチューブを有するカーボンナノチューブ層と、
前記カーボンナノチューブ同士の間に挟まれることによって、前記カーボンナノチューブ層に固定化された酵素と、
前記電極の周囲に設けられた疎水性絶縁部と、
を備え、
前記カーボンナノチューブの間隔は、前記酵素のサイズに応じて制御されており、
前記疎水性絶縁部は、前記カーボンナノチューブ層に酵素を固定化する際に、当該カーボンナノチューブ層上に滴下された前記酵素を含む溶液を、当該カーボンナノチューブ層上のみに接触させて球形を保ちつつ蒸発させ、前記カーボンナノチューブ間に当該酵素を挿入させるために設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の酵素電極において、
前記カーボンナノチューブ層に固定化された酵素の流出を防ぐための流出防止手段を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の酵素電極において、
前記流出防止手段は、前記カーボンナノチューブ層を覆う所定の層であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項2又は3に記載の酵素電極において、
前記流出防止手段は、前記カーボンナノチューブ層に導入された所定の架橋剤であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項2〜4の何れか一項に記載の酵素電極において、
前記流出防止手段は、前記カーボンナノチューブの末端に導入された、前記酵素のアミン基と反応してアミド結合を形成するカルボキシル基であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5の何れか一項に記載の酵素電極において、
前記カーボンナノチューブ層には、前記酵素と前記電極又は前記カーボンナノチューブとの間の電子の受け渡しを促進するための電子伝達体及び/又は前記酵素の活性の発現を触媒する補酵素が導入されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、
電極と、
前記電極及び/又は前記電極上に固定された金属触媒から直接延出する複数のカーボンナノチューブを有するカーボンナノチューブ層と、
前記カーボンナノチューブ同士の間に挟まれることによって、前記カーボンナノチューブ層に固定化された酵素と、
を備え、
前記カーボンナノチューブの間隔が、前記酵素のサイズに応じて制御されている酵素電極の製造方法において、
前記カーボンナノチューブ層は、前記電極上に固定された金属触媒から直接延出するカーボンナノチューブを少なくとも有し、
前記電極上に所望の微小パターンを形成する工程と、
前記微小パターンに金属触媒パターンを担持させる工程と、
前記金属触媒パターンを起点として前記カーボンナノチューブを成長させることによって、前記カーボンナノチューブ層を形成する工程と、
前記カーボンナノチューブ層に前記酵素を固定化する工程と、
を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、
電極と、
前記電極及び/又は前記電極上に固定された金属触媒から直接延出する複数のカーボンナノチューブを有するカーボンナノチューブ層と、
前記カーボンナノチューブ同士の間に挟まれることによって、前記カーボンナノチューブ層に固定化された酵素と、
を備え、
前記カーボンナノチューブの間隔が、前記酵素のサイズに応じて制御されている酵素電極の製造方法において、
前記カーボンナノチューブ層は、前記電極上に固定された金属触媒から直接延出するカーボンナノチューブを少なくとも有し、
前記電極上に細孔を有する陽極酸化膜を作成する工程と、
前記細孔の内部における前記電極上に前記カーボンナノチューブを作成することによって、前記カーボンナノチューブ層を形成する工程と、
前記カーボンナノチューブ層に前記酵素を固定化する工程と、
を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、
酵素センサにおいて、
請求項1〜の何れか一項に記載の酵素電極を用いて電気化学的計測法により標的物質を検出することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、
請求項に記載の酵素センサにおいて、
基板と、
前記基板の上面に設けられた分析部と、
を備え、
前記酵素電極は、前記基板の上面における前記分析部の内部に配置されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、
請求項10に記載の酵素センサにおいて、
前記基板の上面における前記分析部の周囲に設けられた疎水性絶縁膜を備えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、
請求項10又は11に記載の酵素センサにおいて、
前記分析部の上面は開口部となっており、
前記開口部を覆う、液体の透過を抑え且つ気体分子を透過させるための所定の膜を備えることを特徴とする。
本発明によれば、酵素電極、当該酵素電極の製造方法及び当該酵素電極を用いた酵素センサにおいて、酵素電極は、電極と、電極及び/又は電極上に固定された金属触媒から直接延出する複数のカーボンナノチューブを有するカーボンナノチューブ層と、カーボンナノチューブ同士の間に挟まれることによって、カーボンナノチューブ層に固定化された酵素と、電極の周囲に設けられた疎水性絶縁部と、を備え、カーボンナノチューブの間隔は、酵素のサイズに応じて制御されており、疎水性絶縁部は、カーボンナノチューブ層に酵素を固定化する際に、当該カーボンナノチューブ層上に滴下された酵素を含む溶液を、当該カーボンナノチューブ層上のみに接触させて球形を保ちつつ蒸発させ、カーボンナノチューブ間に当該酵素を挿入させるために設けられている。
すなわち、酵素をカーボンナノチューブ同士の間に挟むことによって、カーボンナノチューブ層内に酵素をしっかりと固定することができるため、酵素の立体構造の変化が防止され、優れた安定性を有し、且つ、長寿命の酵素電極、当該酵素電極の製造方法及び当該酵素電極を用いた酵素センサを提供することができる。
また、カーボンナノチューブ層は比表面積が非常に大きいため、大きな吸着量で高濃度に酵素を固定することができるとともに、カーボンナノチューブが電極及び/又は電極上に固定された金属触媒から直接延出しているため、カーボンナノチューブと電極との間にショットキー障壁が形成されないという特徴を有することになって、標的物質を高感度に検出することができる酵素電極、当該酵素電極の製造方法及び当該酵素電極を用いた酵素センサを提供することができる。
さらに、カーボンナノチューブは電極としての役割も担うが、これにより、酵素はカーボンナノチューブ電極(カーボンナノチューブ)同士の間に挟まれていることになるため、酵素とカーボンナノチューブ電極(カーボンナノチューブ)との間の電子の受け渡しが効率よく行えることとなって、標的物質を高速に検出できる酵素電極、当該酵素電極の製造方法及び当該酵素電極を用いた酵素センサを提供することができる。
以下、図を参照して、本発明にかかる酵素電極及び当該酵素電極を用いた酵素センサの最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
本発明にかかる酵素電極1は、例えば、図1に示すように、電極2と、電極2及び/又は電極2上に固定された金属触媒から直接延出する複数のカーボンナノチューブ3…を有するカーボンナノチューブ層Lと、カーボンナノチューブ3同士の間に挟まれることによって、カーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4…と、などを備えて構成される。
酵素4は、例えば、酸化還元酵素である。
しかしながら、酵素4は、酸化還元酵素に限定されるものではなく、酵素(酵素タンパク質)であれば任意であり、例えば、加水分解酵素、転移酵素、異性化酵素などであっても良い。
また、酵素4は、例えば、生来の酵素分子であっても、活性部位を含む酵素の断片であっても良い。当該酵素分子又は当該活性部位を含む酵素の断片は、例えば、動植物や微生物から抽出したものであっても、所望によりそれを切断したものであっても、遺伝子工学的に又は化学的に合成したものであっても良い。
具体的には、酸化還元酵素としては、例えば、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、ホルムアルデヒドオキシダーゼ、ソルビトールオキシダーゼ、フルクトースオキシダーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、アミンオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、グルタメートデヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、ウリカーゼ等を用いることができる。この他に、コレステロールエステラーゼ、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、DNAポリメラーゼ、さらにこれら酵素のミュータント等を用いることができる。
加水分解酵素としては、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、インベルターゼ、マルターゼ、β−ガラクトシダーゼ、リゾチーム、ウレアーゼ、エステラーゼ、ヌクレアーゼ群、ホスファターゼ群等を用いることができる。
転移酵素としては、例えば、各種アシル転移酵素、キナーゼ群、アミノトランスフェラーゼ群等を用いることができる。
異性化酵素としては、例えば、ラセマーゼ群、ホスホグリセリン酸ホスホムターゼ、グルコース6−リン酸イソメラーゼ等を用いることができる。
カーボンナノチューブ層Lに固定化する酵素4は、1種類の酵素であっても、2種類以上の酵素であっても良い。
具体的には、カーボンナノチューブ層Lに固定化される酵素4は、例えば、1種類の酵素であっても、分子量及び/又はサイズ(径)が略同一の2種類以上の酵素であっても、分子量及び/又はサイズが異なる2種類以上の酵素であっても良い。また、カーボンナノチューブ層Lに固定化される酵素4が2種類以上である場合、酵素4は、例えば、同種の標的物質(基質)に作用する2種類以上の酵素であっても、異種の標的物質に作用する2種類以上の酵素であっても、同種及び/又は異種の標的物質に作用する2種類以上の酵素であっても良い。
また、カーボンナノチューブ層Lに固定化される酵素4が2種類以上である場合、その2種類以上の酵素は、カーボンナノチューブ層Lにおける別々のカーボンナノチューブ3同士の間に挟まれていても、同一のカーボンナノチューブ同士3の間に挟まれていても良い。
ここで、特に、カーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4が2種類以上であって、その2種類以上の酵素が異種の標的物質に作用する場合、酵素センサ100は、その異種の標的物質(2種類以上の標的物質)を同時に検出することができる。
本発明にかかる酵素センサ100は、例えば、酵素電極1を用いて電気化学的計測法により標的物質を検出するセンサである。
具体的には、酵素センサ100は、例えば、図2に示すように、基板200と、基板200の上面に設けられた、上面に開口部を有する分析部200aと、基板200の上面における分析部200aの周囲に設けられた疎水性絶縁膜200bと、基板200の上面における分析部200aの内部に配置された作用電極(酵素電極1)、対電極300及び参照電極400と、作用電極(酵素電極1)、対電極300及び参照電極400と配線を介して接続するパッド500,500,500と、などを備えて構成される。
<酵素センサの製造方法>
酵素センサ100の製造方法について、図3を参照して説明する。
まず、例えば、図3(a)に示すように、基板200上に、作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の三極構造のパターンを作製する。
具体的には、例えば、公知のフォトリソグラフィー法とリフトオフ又はエッチング法とによって、基板200上に、作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の三極構造のパターンを作製する。
より具体的には、例えば、基板200上にスピンコーター等を用いてフォトレジストを適量塗布する。次いで、紫外露光装置にて数秒間露光し、作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の三極構造のフォトマスクパターンを転写する。次いで、ポストベーク処理を行い、その後、現像液にて現像を行って、フォトレジストのパターンを形成する。次いで、スパッタ法によって、例えば、膜厚が数百nm程度の金属薄膜を成膜し、その後、リフトオフ法によって、レジストを剥がして三極電極を形成する。
ここで、基板200は、例えば、絶縁性であれば特に制限されるものではないが、カーボンナノチューブ3の合成を行うことを考慮して、例えば、耐熱ガラス、シリコン、石英、サファイア等の耐熱性のある平滑な基板であることが望ましい。
また、スパッタ法によって成膜される金属薄膜としては、例えば、金、白金、銅等の貴金属を挙げることができる。
なお、基板200上に、作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の三極構造のパターンを作製する方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、金属薄膜の成膜法は、スパッタ法に限定されるものではなく、例えば、蒸着法を用いても良い。
次に、例えば、図3(b)に示すように、作用電極(電極2)上に、複数のカーボンナノチューブ3…を有するカーボンナノチューブ層Lを形成する。
ここで、カーボンナノチューブ3は、電極2上及び/又は電極2上に形成した金属触媒上に直接合成される。これにより、酵素電極1は、電極2とカーボンナノチューブ3との間にショットキー障壁を持たない、接触抵抗が小さいという特徴を有することになる。
また、カーボンナノチューブ3の間隔は、カーボンナノチューブ3同士の間に酵素4を挟むことができる大きさに設定されている。すなわち、カーボンナノチューブ3の間隔は、酵素4のサイズ(直径)に応じて制御するようになっている。具体的には、カーボンナノチューブ3は、例えば、1nmから100nmの範囲内にある所望の間隔(固定化する酵素4のサイズ(直径)に応じた間隔)で密度を制御されている。ここで、酵素4が多量体を形成する場合には、固定化される酵素4のサイズ(直径)は、多量体のサイズ(直径)とすることができる。ここで、多量体とは、2以上の酵素(タンパク質)が、直接に、又は水などの低分子を介して結合してなる化合物をいい、結合には、共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合が含まれる。しかし、これらの結合の種類は、特に制限されない。
なお、カーボンナノチューブ層Lは、単層であっても良いし、多層であっても良いし、或いは、両者が混在してもよい。
具体的には、例えば、フォトリソグラフィー法やナノインプリント法などによって、作用電極(電極2)上に所望の微小パターンを形成し、そのパターンに含浸法等によって金属触媒パターンを担持させる。次いで、この金属触媒パターンを起点として化学蒸着法(CVD法)等によってカーボンナノチューブ3を成長させる。
ここで、金属触媒としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の活性金属が望ましい。
なお、作用電極(電極2)上に、複数のカーボンナノチューブ3…を有するカーボンナノチューブ層Lを形成する方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、金属触媒からのカーボンナノチューブ3の成長方法は、プロセスの温度等を考慮し、できれば熱化学蒸着法(熱CVD法)であることが望ましいが、特にこれに限るものではない。
また、カーボンナノチューブ3を、作用電極(電極2)上に固定された金属触媒から直接延出させるようにしたが、この限りではなく、例えば、電極2から直接延出させるようにしても良いし、金属触媒から直接延出されたカーボンナノチューブ3と電極2から直接延出されたカーボンナノチューブ3とが混在していても良い。
カーボンナノチューブ3を、電極2から直接延出させる方法としては、例えば、作用電極(電極2)を金属触媒として機能する金属で形成する方法が考えられる。
具体的には、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の鉄族金属、これらの鉄族金属を少なくとも1種類以上含有する合金、或いは、これらの鉄族金属又は当該合金を好ましくは熱による強酸化を行うことによって酸化させた金属酸化物を、基板200として用い、そして、基板200上における、作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400以外の領域を、スパッタ法等を用いてシリコンやガラスなどの絶縁膜でコーティングすることによって、三極電極が形成された基板200を作製する。そして、金属触媒として機能する金属(鉄族金属、当該合金、或いは、鉄族金属又は当該合金を酸化させた金属酸化物)で形成された作用電極(電極2)を起点として、化学蒸着法(CVD法)等によってカーボンナノチューブ3を成長させることによって、カーボンナノチューブ3を電極2から直接延出させる。
また、作用電極(電極2)上に、カーボンナノチューブ3のみを作成するようにしたが、この限りではなく、例えば、図4に示すように、アルミニウムやシリコンなどの陽極酸化によって、作用電極(電極2)上に細孔を有する陽極酸化膜21を作成し、その細孔の内部における作用電極(電極2)上に、カーボンナノチューブ3を作成しても良い。
具体的には、例えば、アルミニウムやシリコンなどの陽極酸化によって、作用電極(電極2)上に細孔を有する陽極酸化膜21を作成し、その細孔に金属触媒を埋め込み、この金属触媒を起点としてカーボンナノチューブ3を成長させることによって、細孔の内部における作用電極(電極2)上に、カーボンナノチューブ3を形成しても良い。
また、例えば、白金等の金属薄膜からなる作用電極(電極2)上に、金属触媒からなる金属触媒層を形成し、その金属触媒層の上に、アルミニウムやシリコンなどの膜を形成し、次いで、その膜を陽極酸化することによってその膜の表面から金属触媒層の表面まで貫通する細孔を形成して、作用電極(電極2)上に細孔を有する陽極酸化膜21を作成する。そして、その細孔によって露出された金属触媒層を起点としてカーボンナノチューブ3を成長させることによって、細孔の内部における作用電極(電極2)上に、カーボンナノチューブ3を形成しても良い。
また、例えば、作用電極(電極2)上に、陽極酸化膜21の表面から金属触媒層の表面まで貫通する細孔を有する陽極酸化膜21を作成して、その陽極酸化膜21の上に金属触媒からなる金属触媒層を形成する。そして、例えば、基板200を加熱して金属触媒を拡散させて金属触媒を陽極酸化膜21の表面より消失させ、細孔の内部における作用電極(電極2)の表面のみに、島状に凝集した金属触媒粒子が形成されるようにし、その金属触媒粒子を起点としてカーボンナノチューブ3を成長させることによって、細孔の内部における作用電極(電極2)上に、カーボンナノチューブ3を形成しても良い。
なお、陽極酸化膜21の細孔の内部における作用電極(電極2)上に形成されたカーボンナノチューブ3は、図4に示すように、陽極酸化膜21の細孔の底部から上方に向かって成長するようになっている。そして、カーボンナノチューブ3は、その成長時間によって、2種類の異なる形状を採ると考えられる。すなわち、不十分な成長段階でカーボンナノチューブ3の成長を止めると、例えば、図4(a)に示すように、陽極酸化膜21の細孔の内部に、陽極酸化膜21の細孔にパラレルに形成された配向性の良いカーボンナノチューブ3が得られる。一方、十分な成長を行うことによって、例えば、図4(b)に示すように、陽極酸化膜21の細孔の内部においては、陽極酸化膜21の細孔にパラレルに形成され、陽極酸化膜21の細孔の外部においては、ランダムに形成されたカーボンナノチューブ3が得られる。
また、陽極酸化膜21の厚みによって、陽極酸化膜21の細孔の内部に配置されるカーボンナノチューブ3の長さを制御することも可能である。
ここで、酵素4は、カーボンナノチューブ3同士の間に挟まれている場合もあるし、カーボンナノチューブ3同士の間に挟まっているものとカーボンナノチューブ3に絡まっているものとが混在している場合もある。
また、陽極酸化膜21の細孔の外部におけるカーボンナノチューブ3は、各々が絡み合っている場合もあるし、例えば、図4(b)に示すように、各々が絡み合っていない場合もあるし、各々が絡み合っているものと各々が絡み合っていないものとが混在している場合もある。
次に、スパッタ法等によって、例えば、図3(c)に示すように、作用電極(電極2)の周囲及び分析部200aの周囲に、例えば、SiO等の疎水性薄膜を形成する。以下、作用電極(電極2)の周囲に形成された疎水性薄膜を疎水性絶縁部2aといい、分析部200aの周囲に形成された疎水性薄膜を疎水性絶縁膜200bという。
さらに、前記作成された、作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の三極構造のパターンのうちの、参照電極400のパターンに、例えば、銀/塩化銀インクを塗布してベーキングすることによって、銀/塩化銀電極である参照電極400を作成する。
次に、カーボンナノチューブ層Lに酵素4を固定化する。
具体的には、例えば、図3(d)に示すように、作用電極(電極2)上に形成された、若しくは、作用電極(電極2)上に作成された陽極酸化膜21の細孔の内部に形成されたカーボンナノチューブ層Lの上に、酵素溶液Sをピペットやディスペンサーなどで滴下する。これにより、酵素4は、カーボンナノチューブ層Lに、物理的に固定化される。
この際、作用電極(電極2)の周囲に形成された疎水性絶縁部2aの影響により、ピペットやディスペンサーなどによって滴下された酵素溶液Sは作用電極(電極2)のみに接触して球形を保ちつつ蒸発する。そして、酵素4は、作用電極(電極2)上のカーボンナノチューブ層Lに高濃度に濃縮される。これにより、作用電極(電極2)上のカーボンナノチューブ層Lのみに高密度な酵素4の固定化を達成することが可能となる。
なお、酵素4が固定化されたカーボンナノチューブ層Lは、固定化後に乾燥処理を行うことが好ましい。
次に、例えば、図3(e)に示すように、カーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4の流出を防ぐための流出防止手段として機能する所定の層(以下、固定化層11という。)を、カーボンナノチューブ層Lを覆うように形成することが望ましい。
ここで、固定化層11は、例えば、カーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4の流出を防ぎ、且つ、標的物質が透過する層であれば、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、固定化層11は、親水性であっても、疎水性であっても良く、無機物であっても、有機物であっても良く、多孔体であっても、繊維質物質であっても良く、高分子ゲルを用いても、光架橋性樹脂を用いても、その他の公知の固定化層を用いても良い。
また、タンパク質である酵素4が有するアミン基と反応してアミド結合を形成するカルボキシル基(流出防止手段)を、カーボンナノチューブ3の末端に導入して、酵素4を、カーボンナノチューブ層Lに、化学結合的に固定して、カーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4の流出を防いでも良い。
また、公知の酵素固定化法を用いてカーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4の流出を防いでも良い。
具体的には、例えば、所定の架橋剤(流出防止手段)を、カーボンナノチューブ層Lに導入しても良い。すなわち、例えば、カーボンナノチューブに導電性高分子を導入して、導電性高分子の架橋により酵素4を固定化しても良いし、グルタルアルデヒド等の架橋により酵素4を固定化しても良いし、光架橋性樹脂等の架橋により酵素4を固定化しても良い。
例えば、ポリアニリン等の導電性高分子を用いて、カーボンナノチューブ3を酵素4とともに架橋すると、複数のカーボンナノチューブ3…が複数の架橋部位を介して網目構造の状態となり、カーボンナノチューブ3の電極構造を物理的により強固にすることができると同時に、比表面積を増加できるため、更なる感度向上・応答速度の向上にもつながる。
ここで、カーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4の流出を防ぐために、固定化層11でカーボンナノチューブ層Lを覆っても良く、カーボンナノチューブ3の末端にカルボキシル基を導入しても良く、所定の架橋剤をカーボンナノチューブ層Lに導入しても良い。また、カーボンナノチューブ層Lを覆う固定化層11、カーボンナノチューブ3の末端に導入されたカルボキシル基及びカーボンナノチューブ層Lに導入された所定の架橋剤のうちの何れか2つ又は3つの手段を併用して、カーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4の流出を防いでも良い。
なお、流出防止手段は、固定化層11を用いる手段、カルボキシル基を用いる手段及び所定の架橋剤を用いる手段に限ることはなく、カーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4の流出を防ぐことができる手段であれば任意である。
ところで、酵素4は、分子量が1万〜20万程度のタンパク質であり、酵素分子内の活性中心が電極2又はカーボンナノチューブ3と速い電子移動を行うことが難しい場合がある。そこで、酵素4と電極2又はカーボンナノチューブ3との間の電子の受け渡しを促進するための電子伝達体をカーボンナノチューブ層Lに導入するのが好ましい。また、反応が溶存酸素濃度に律速され、低濃度の試料しか測定できない場合にも、検出範囲の拡大を目的としてカーボンナノチューブ層Lに電子伝達体を導入することが効果的である。
具体的には、電子伝達体としては、例えば、フェリシアン化カリウム、フェロセン、フェロセン誘導体、ベンゾキノン、キノン誘導体、オスミウム錯体等が用いられる。
また、カーボンナノチューブ層Lに、例えば、酵素4の活性の発現を触媒する補酵素を導入するのも好ましい。
例えば、酵素4と標的物質との反応が、不安的中間体を経由する反応等、酵素4のアミノ酸側鎖の触媒作用では容易に進まない反応の場合には、適当な構造を有し、酵素反応の発現に関与する低分子量の有機化合物である補酵素を使用することが多い。特に、酵素4として、補酵素依存型酵素を用いた場合、カーボンナノチューブ層Lの補酵素を導入することによって、酵素反応を効率よく行わせることができる。
補酵素は、酵素4(補酵素依存型酵素)の種類に応じて、適宜選択することができる。具体的には、補酵素としては、例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、補酵素I、補酵素II、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、リポ酸、補酵素Q等の1種又は2種以上の組み合わせが挙げられる。なかでも、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)等のNAD系の補酵素が用いられる。
カーボンナノチューブ層Lに電子伝達体や補酵素を導入する場合、例えば、グルタルアルデヒドや光架橋性樹脂等の架橋剤を用いて、電子伝達体や補酵素をカーボンナノチューブ層Lに固定化しても良いし、酵素溶液Sの中に電子伝達体や補酵素を溶解させて、酵素4とともに電子伝達体や補酵素をカーボンナノチューブ層Lに固定化しても良いし、電子伝達体や補酵素を導電性高分子としてカーボンナノチューブ3に物理的又は化学的に結合させて固定化しても良い。また、電子伝達体や補酵素を電解液中に溶解・分散させて、それを、酵素電極1の使用時に分析部200a内に滴下等して配置しても良い。
さて、酵素センサ100による電気化学的計測法としては、例えば、酸化電流又は還元電流を測定するクロノアンペロメトリー法、クーロメトリー法、サイクリックボルタンメトリー法等の公知の計測法を用いることができる。測定方式としては、デスポーザブル方式、バッチ方式、フローインジェクション方式等、何れであっても良い。
測定の際に酵素電極1を用いた酵素センサ100を取り付ける測定器本体は、例えば、データをパソコンに有線又は無線で送信できる機能を有し、リアルタイムで測定値を確認できることが好ましい。また、複数種類の酵素センサ100を取り付け可能に構成され、複数種類の酵素センサ100による検出結果を同時に計測して、データを相互比較したり検討したりできる機能を有することが望ましい。
次に、本発明の酵素電極1を用いた酵素センサ100によって、電気化学的計測法により試料中の標的物質の濃度を測定する原理について、図5を参照して説明する。
図5においては、例えば、酸化型酵素(酵素4)が、カーボンナノチューブ3に挟まれて、カーボンナノチューブ層Lに固定化されているとする。固定化されている酸化型酵素は、選択的触媒作用により試料中の標的物質である基質を酸化して、還元型酵素となる。次いで、作用電極(電極2)を正にして、作用電極と参照電極400との間に電圧を印加すると、還元型酵素は、直接的に又は電子伝達体を介して間接的に電子(e)を、作用電極(電極2)又は作用電極(電極2)上に形成されたカーボンナノチューブ電極(カーボンナノチューブ3)に渡して、酸化型酵素に戻る。この際、作用電極(電極2)と参照電極400との間には、還元型酵素又は還元型電子伝達体を再酸化する電流が流れる。この電流値は、酵素反応速度の大きさ、すなわち、試料中に含まれる基質濃度に比例するため、この電流値から試料中に含まれる標的物質の濃度を算出することができる。
具体的には、例えば、グルコースを標的物質としてその濃度を測定する場合、酵素4としてグルコースオキシダーゼ酵素を、電子伝達体としてフェリシアン化カリウムを用いることができる。下記の式(1)に示すように、グルコース(C12)は、酵素4によりグルコン酸(C12)に変えられるが、同時に電子伝達体であるフェリシアンイオン([Fe(III)(CN)]3−)に電子(e)を与えて、フェロシアンイオン([Fe(II)(CN)]4−)に還元する。酵素4により還元されたフェロシアンイオンは、下記の式(2)に示すように、さらに電極2又はカーボンナノチューブ3によりフェリシアンイオンに酸化される。一方、対電極300では、下記の式(3)に示すように、水素イオン(H)が電子を受け取って酸素(O)と共に水(HO)を生成する。このときの電流値を測定することによって、間接的にグルコース濃度を測定することができる。
Figure 0005026873
なお、測定に際しては、参照電極400に対する作用電極(電極2)の電圧を特定の電圧に設定することによって、測定妨害物質の影響を避け、標的物質を高感度かつ選択的に測定することができる。この設定電圧は、標的物質により異なる。
また、本発明の酵素電極1を用いた酵素センサ100では、標的物質によって酵素4の種類を変えることが必要である。具体的には、酵素4としては、例えば、標的物質がグルコースの場合にはグルコースオキシターゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼが、標的物質がエタノールの場合にはアルコールオキシターゼ又はアルコールデヒドロゲナーゼが、標的物質がホルムアルデヒドの場合にはホルムアルデヒドオキシターゼ又はホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼが、標的物質が総コレステロールの場合にはコレステロールエステラーゼとコレステロールオキシダーゼとの混合物等を用いることができる。
以下、具体的な実施例によって本発明を説明する。
実施例1では、基礎基板を作成して、基礎基板に酵素4を固定化することによって酵素電極1を形成して酵素センサ100を作成した。そして、酵素センサ100の評価を行った。
(1)基礎基板の作成
まず、基礎基板を作成した。
(1−1)電極の作成
基板200上に、作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の三極構造のパターンを作成した。
具体的には、例えば、石英ガラス製の基板200を、ホットプレートを用いて95℃にて90秒間プレベークした。その後、スピンコーターを用いてネガ型レジストを50μL塗布し、紫外露光装置を用いて作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の三極構造のフォトマスクパターンを転写した。次いで、120℃で60秒間ポストベークして、その後、現像液にて70秒間現像し、蒸留水で洗浄した。次いで、スパッタ法によって、膜厚が800nmの金属薄膜(白金薄膜)を成膜して、その後、リフトオフ法によって、基板200をアセトンに浸して超音波で30分間洗浄し、レジストを剥がして白金電極を形成した。白金層の成膜条件は、真空度を10−5Pa、基板温度を60℃、アルゴンガスの流量を40sccmとした。
(1−2)陽極酸化膜の作成
次に、作用電極(電極2)上に、細孔を有する多孔質体の陽極酸化膜21を作成した。
具体的には、例えば、スパッタ法によって、作用電極(電極2)上に膜厚100nmのTi層を下地として成膜し、その上に500nmのAl層を成膜した。次いで、17℃のシュウ酸水溶液(0.3M)に浸漬し、作用電極(電極2)にDC40Vを印加することによって、陽極酸化処理を行った。陽極酸化処理の間、陽極酸化がTi膜まで進行したことを検知するため、陽極酸化電流をモニタした。陽極酸化処理によって、Alが酸化され絶縁層のアルミナになると同時に、貫通ナノホール(細孔)が形成される。そして、陽極酸化処理の後、蒸留水及びイソプロピルアルコールにより洗浄した。作用電極(電極2)上に作成された陽極酸化膜21の表面を、TEM(Transmission Electron Microscope)を用いて観察したところ、直径約60nmの細孔が、約300nmの間隔で形成されていることが確認できた。
(1−3)カーボンナノチューブの作成
次に、作用電極(電極2)上に、カーボンナノチューブ3を作成した。
具体的には、例えば、基板200を硝酸コバルト水溶液(0.2M)に10分間浸漬した。基板200を引き上げた後、400℃で3時間、空気中で基板200を加熱し、陽極酸化膜21の細孔の内部における作用電極(電極2)の表面上に、コバルト粒子を担持させ、金属触媒パターンを形成した。その後、熱化学気相成長炉を用いて、熱化学蒸着反応(熱CVD法)を行い、作用電極(電極2)上にコバルトを触媒として直接カーボンナノチューブ3を形成した。供給ガスは、流量360sccmのアルゴンガス、流量120sccmの炭素源としてのプロピレンであり、反応温度700℃、反応時間8分間、圧力0.1MPaとした。反応により作用電極(電極2)上に直接形成されたカーボンナノチューブは、直径約10nmであり、約8nmの間隔でパターン化されて形成された。
(1−4)基礎基板の仕上げ
次に、基礎基板の仕上げを行った。
具体的には、スパッタ法によって、作用電極(電極2)の周囲と分析部200aの周囲に、膜厚が500nmのSiO薄膜を形成することによって、作用電極(電極2)の周囲に疎水性絶縁部2aを作成するとともに、分析部200aの周囲に疎水性絶縁膜200bを作成した。次いで、参照電極400のパターンに、銀/塩化銀インク(BAS社製)を塗布して、120度で焼結し、銀/塩化銀電極である参照電極400を作成した。
以上のようにして、基礎基板を作成した。
(2)酵素センサ400の作成
次に、基礎基板が有するカーボンナノチューブ層Lに酵素4を固定化することによって酵素電極1を形成し、酵素センサ400を作成した。
酵素4としては、補酵素(NAD)依存型酵素であるホルムアルデヒド脱水素酵素を用いた。
具体的には、例えば、まず、10μmolのナフサキノンを、1000μLのリン酸緩衝液(pH7.5)中へ溶解して、溶液Aを作成した。また、0.25μmolのNAD及び0.5Uのホルムアルデヒド脱水素酵素を、100μLのリン酸緩衝液(pH7.5)中で混合し、4℃で30分間、攪拌・溶解させて溶液Bを作成した。さらに、50mLの光架橋性樹脂(東洋合成製)を、50mLのリン酸緩衝液中へ溶解して、pH=7.5に調整し、溶液Cを作成した。
そして、溶液Aを20μLマイクロピペットで採取して、作用電極(カーボンナノチューブ層L)上に滴下し、室温(25℃)で3時間自然乾燥させた。次いで、溶液Bを20μLマイクロピペットで採取して、作用電極(カーボンナノチューブ層L)上に滴下し、室温(25℃)で3時間自然乾燥させた。滴下された溶液は作用電極(電極2)周囲の疎水性絶縁部2aによって、作用電極(カーボンナノチューブ層L)上のみに接触して球形を保ちつつ蒸発した。さらに、溶液Cを10μLマイクロピペットで採取して、作用電極(カーボンナノチューブ層L)上に滴下し、波長360nmの紫外線照射によって光架橋して、室温(25℃)で2時間静置した。このようにして、酵素電極1を形成して、酵素センサ100を得た。
なお、溶液Cを10μLマイクロピペットで採取して、作用電極(カーボンナノチューブ層L)上に滴下する代わりに、2%(v/v)グルタルアルデヒド溶液を1μLマイクロピペットで採取して、作用電極(カーボンナノチューブ層L)上に塗布しても良い。
(3)酵素センサ100の評価
次に、対照実験を行って、酵素センサ100の評価を行った。
まず、対照実験のために、ミネラルオイルにカーボンナノチューブと酵素(ホルムアルデヒド脱水素酵素)を混合して白金電極(作用電極)に塗布することによって、酵素を固定化した従来の酵素センサ[1]と、酵素(ホルムアルデヒド脱水素酵素)のみを白金電極(作用電極)に塗布することによって、酵素を固定化した従来の酵素センサ[2]と、を作成した。
具体的には、従来の酵素センサ[1]は、例えば、10mgのカーボンナノチューブ、1μmolのナフサキノン、0.25μmolのNAD、0.5Uのホルムアルデヒド脱水素酵素を、50μLのミネラルオイルを添加した100μLのリン酸緩衝液(pH7.5)中で混合し、4℃で30分間、攪拌・溶解させた。この溶液を20μLマイクロピペットで採取し、上記「(1−1)電極の作成」で作成した作用電極(電極2)上に滴下して作用電極上に濃縮固定した。さらに、溶液Cを10μLマイクロピペットで採取して、作用電極上に滴下し、波長360nmの紫外線照射により光架橋した。このようにして、従来の酵素センサ[1]を得た。
また、従来の酵素センサ[2]は、例えば、1μmolのナフサキノン、0.25μmolのNAD、0.5Uのホルムアルデヒド脱水素酵素を、100μLのリン酸緩衝液(pH7.5)中で混合し、4℃で30分間、攪拌・溶解させた。この溶液を20μLマイクロピペットで採取し、上記「(1−1)電極の作成」で作成した作用電極(電極2)上に滴下して作用電極上に濃縮固定した。さらに、溶液Cを10μLマイクロピペットで採取して、作用電極上に滴下し、波長360nmの紫外線照射により光架橋した。このようにして、従来の酵素センサ[2]を得た。
次に、本発明の酵素センサ100と、従来の酵素センサ[1]と、従来の酵素センサ[2]と、を評価する測定装置Dについて、図6を参照して説明する。
測定装置Dは、例えば、標準空気生成器D1と、ガス生成器D2と、水蒸気バブラーD3と、マイクロチャンバーD4と、ポテンショスタットD5と、A/D変換器D6と、コンピュータD7と、等を備えて構成される。
マイクロチャンバーD4は、疎水性多孔質膜を介して液相用マイクロセルD41と気相用マイクロセルD42とを有している。
液相用マイクロセルD41のサイズは分析部200aの上面に設けられた開口部のサイズと合致しており、酵素センサ100(酵素センサ100、従来の酵素センサ[1]及び従来の酵素センサ[2])は、分析部200aの上方がOリングを介して液相用マイクロセルD41の下側に配置されるよう、設置されている。
気相用マイクロセルD42には、ガス生成器D2から規定濃度のホルムアルデヒド気体が導入されるようになっている。
これにより、酵素4(ホルムアルデヒド脱水素酵素)の基質(標的物質)であるホルムアルデヒドが、気相用マイクロセルD42から、疎水性多孔質膜及び液相用マイクロセルD41を介して、分析部200aの内部に供給される。
作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400は、それぞれ対応するパッド500からリード線によって、ポテンショスタットD5(BAS製:BAS−100B)に接続されている。
測定装置Dにおいて、液相用マイクロセルD41に30μLのリン酸緩衝液(0.1mM、pH7.5)を電解液として滴下し、参照電極400に対して作用電極に+100mVの電位を印加した。そして、室温(25℃)でガス生成器D2によって連続的に濃度を変化させたホルムアルデヒド気体を気相用マイクロセルD42へ導入し、アンペロメトリー法による電流計測により測定を行った。その結果を、図7〜図9に示す。
図7においては、横軸にホルムアルデヒド濃度、縦軸に応答電流を示し、実線及び四角(■)プロットで本発明の酵素センサ100、破線及び菱形(◆)プロットで従来の酵素センサ[1]、1点鎖線及び三角(▲)プロットで従来の酵素センサ[2]を示した。
図7によれば、本発明の酵素センサ100は、ホルムアルデヒド濃度が0.5ppmの場合、従来の酵素センサ[1]と比較して15倍の検出感度を有し、従来の酵素センサ[2]と比較して117倍の検出感度を有することが分かった。すなわち、本発明の酵素センサ100は、従来の酵素センサ[1]及び従来の酵素センサ[2]と比較して大幅に検出感度が向上することが分かった。また、高濃度領域での線形応答領域も顕著に向上していることが分かった。これにより、本発明の酵素センサ100は、標的物質を高感度に検出することができることが分かった。
図8においては、横軸に時間、縦軸に応答電流を示し、実線で本発明の酵素センサ100、破線で従来の酵素センサ[1]、1点鎖線で従来の酵素センサ[2]を示し、50秒の時点で1ppmのホルムアルデヒドを導入した時の、出力された応答電流の変化を示した。
図8によれば、従来の酵素センサ[1]は、ホルムアルデヒドを導入してから100秒後に応答を示し、従来の酵素センサ[2]は、ホルムアルデヒドを導入してから150秒後に応答を示すのに対し、本発明の酵素センサ100は、ホルムアルデヒドを導入してから30秒後には応答を示すことが分かった。すなわち、本発明の酵素センサ100は、従来の酵素センサ[1]及び従来の酵素センサ[2]と比較して大幅に応答時間が短いことが分かった。また、本発明の酵素センサ100は、従来の酵素センサ[1]及び従来の酵素センサ[2]と比較して出力応答電流の傾きも大きいことが分かった。これにより、本発明の酵素センサ100は、標的物質を高速に検出することができることが分かった。
図9においては、横軸に時間、縦軸に相対応答(すなわち、初日の応答電流を100%とした場合の応答電流)を示し、実線及び四角(■)プロットで本発明の酵素センサ100、破線及び菱形(◆)プロットで従来の酵素センサ[1]、1点鎖線及び三角(▲)プロットで従来の酵素センサ[2]を示した。
図9によれば、本発明の酵素センサ100は、従来の酵素センサ[1]及び従来の酵素センサ[2]と比較して、応答電流の経時変化は極めて小さく、20日後であっても、相対応答が90%であった。これにより、本発明の酵素センサ100は、優れた安定性を有し、且つ、長寿命であることが分かった。
以上説明した本発明の酵素電極1及び酵素電極1を用いた酵素センサ100によれば、酵素電極1は、電極2と、電極2及び/又は電極2上に固定された金属触媒から直接延出する複数のカーボンナノチューブ3…を有するカーボンナノチューブ層Lと、カーボンナノチューブ3同士の間に挟まれることによって、カーボンナノチューブ層Lに固定化された酵素4と、を備えている。
すなわち、酵素4をカーボンナノチューブ3同士の間に挟むことによって、カーボンナノチューブ層L内に酵素4をしっかりと固定することができるため、酵素4の立体構造の変化が防止され、優れた安定性を有し、且つ、長寿命の酵素電極1及び酵素電極1を用いた酵素センサ100を提供することができる(例えば、図9の結果参照)。
また、カーボンナノチューブ層Lは比表面積が非常に大きいため、大きな吸着量で高濃度に酵素4を固定することができるとともに、カーボンナノチューブ3が電極2及び/又は電極2上に固定された金属触媒から直接延出しているため、カーボンナノチューブ3と電極2との間にショットキー障壁が形成されないという特徴を有することになって、標的物質を高感度に検出することができる酵素電極1及び酵素電極1を用いた酵素センサ100を提供することができる(例えば、図7の結果参照)。
また、例えば、図7の結果から、本発明の酵素センサ100は、低濃度領域であっても、高濃度領域であっても極めて高感度に標的物質を検出することができる、すなわち、幅広い検出領域を有するセンサであることが分かった。
さらに、カーボンナノチューブ3は電極2としての役割も担うが、これにより、酵素4はカーボンナノチューブ電極(カーボンナノチューブ3)同士の間に挟まれていることになるため、酵素4とカーボンナノチューブ電極(カーボンナノチューブ3)との間の電子の受け渡しが効率よく行えることとなって、標的物質を高速に検出できる酵素電極1及び酵素電極1を用いた酵素センサ100を提供することができる(例えば、図8の結果参照)。
また、例えば、電子伝達体としてキノンを用いて、電極2として金電極を用いた場合、酵素電極1及び酵素電極1を用いた酵素センサ100は、更なる効果を有する。
具体的には、キノン系の電子伝達体は金電極では全く還元されず、電子伝達体として機能しない。しかしながら、金電極(電極2)上に形成したカーボンナノチューブ層Lに電子伝達体としてキノンを導入すると、キノンは速やかにハイドロキノンに還元される。すなわち、キノンは優れた電子伝達体として働くことになる。
したがって、本発明の酵素電極1及び酵素電極1を用いた酵素センサ100を用いると、電極2が金電極であっても、キノン系の電子伝達体は十分な機能を果たすことが可能となる。
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、実施例1では、電極2上に陽極酸化膜21を設けて、その陽極酸化膜21の細孔の内部における電極2上にカーボンナノチューブ3を形成するようにしたが、必ずしも電極2上に陽極酸化膜21を設ける必要はない。
この場合の具体的な基礎基板の作成方法について、以下に例示する。
(A)電極の作成
まず、基板200上に、作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の三極構造のパターンを作成した。
具体的には、例えば、石英ガラス製の基板200を、ホットプレートを用いて95℃にて90秒間プレベークした。その後、スピンコーターを用いてネガ型レジストを50μL塗布し、紫外露光装置を用いて作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の三極構造のフォトマスクパターンを転写した。次いで、120℃で60秒間ポストベークして、その後、現像液にて70秒間現像し、蒸留水で洗浄した。次いで、スパッタ法によって、膜厚が800nmの金属薄膜(白金薄膜)を成膜して、その後、リフトオフ法によって、基板200をアセトンに浸して超音波で30分間洗浄し、レジストを剥がして白金電極を形成した。白金層の成膜条件は、真空度を10−5Pa、基板温度を60℃、アルゴンガスの流量を40sccmとした。
(B)カーボンナノチューブの作成
次に、作用電極(電極2)上に、カーボンナノチューブ3を作成した。
具体的には、作用電極(電極2)上にスピンコーターを用いて50μLのネガ型レジストを塗布し、紫外露光装置を用いて作用電極(電極2)上に金属触媒パターンとなる形状のフォトマスクパターンを転写した(例えば、パターンのサイズは、孔径が2μm、孔間隔が4μm)。次に、120℃で60秒間ポストベークをして、その後、現像液にて70秒間現像し、蒸留水で洗浄した。
次に、真空蒸着装置を用いて膜厚が100nmのニッケル薄膜を成膜し、その後、リフトオフ法によって、基板200をアセトンに浸して超音波で30分間洗浄し、レジストを剥がして作用電極(電極2)上にニッケル薄膜の金属触媒パターンを形成した。成膜条件は、真空度を10−5Pa、基板温度を60℃、アルゴンガスの流量を40sccmとした。
次に、熱化学気相成長炉を用いて、熱化学蒸着反応(熱CVD法)を行い、ニッケルを金属触媒として作用電極(電極2)上に直接カーボンナノチューブ3を形成した。
(C)基礎基板の仕上げ
次に、基礎基板の仕上げを行った。
具体的には、スパッタ法によって、作用電極(電極2)の周囲と分析部200aの周囲に、膜厚が500nmのSiO薄膜を形成することによって、作用電極(電極2)の周囲に疎水性絶縁部2aを作成するとともに、分析部200aの周囲に疎水性絶縁膜200bを作成した。次いで、参照電極400のパターンに、銀/塩化銀インク(BAS社製)を塗布して、120度で焼結し、銀/塩化銀電極である参照電極400を作成した。
以上のようにして、電極2上にカーボンナノチューブ層Lのみが形成された基礎基板を作成した。この基礎基板が有するカーボンナノチューブ層Lに酵素4を固定化することによって、酵素センサ400は作成される。
また、本発明の酵素センサには、例えば、図10に示す酵素センサ100Aに示すように、分析部200aの開口部を覆う、液体の透過を抑え且つ気体分子を透過させるための所定の膜としての気体透過膜100aを備えても良い。
気体透過膜100aを備えることで、分析部200aに溜まっている電解液の透過(分析部200a内部から分析部200a外部への透過)を抑えつつ、気体分子(ガス分子)のみを酵素電極1側に透過(分析部200a外部から分析部200a内部への透過)させて、酵素電極1においてその気体分子を検出することができることになる。
作用電極(電極2)、対電極300及び参照電極400の一例として、例えば、図1等に示すように、フォトリソグラフィーにより作製した微小電極を用いたが、これらの電極は、その大きさ、形状、構成に特に制限されるものではない。
具体的には、例えば、これらの電極は、市販の電解セル、測定セル等で使用する大きな電極であっても良いし、ディスク電極、回転リングディスク電極、ファイバー電極等であっても良いし、例えば、フォトリソグラフィー等の公知の微細加工技術により作製した微小電極(円盤電極、円筒電極、帯状電極、配列帯状電極、配列円盤電極、リング電極、球状電極、櫛型電極、ペア電極等)であっても良い。
本発明の酵素電極の要部を模式的に示す図である。 本発明の酵素センサの平面図(a)と、側面断面図(b)と、を示す図である。 本発明の酵素センサの作製方法を説明するための図である。 陽極酸化膜を有する場合の本発明の酵素電極の側面断面図である。 本発明の酵素電極を用いた酵素センサによって、電気化学的計測法により試料中の標的物質の濃度を測定する原理について説明するための図である。 実施例1の酵素センサを評価するための測定装置を示す模式図である。 実施例1の酵素センサを用いて測定して得た結果(ホルムアルデヒド濃度に対する応答電流)を示す図である。 実施例1の酵素センサを用いて測定して得た結果(ホルムアルデヒド導入に伴う応答電流の変化)を示す図である。 実施例1の酵素センサを用いて測定して得た結果(時間に対する相対応答)を示す図である。 気体透過膜を有する場合の本発明の酵素センサの側面断面図である。
符号の説明
1 酵素電極
2 電極
2a 疎水性絶縁部
3 カーボンナノチューブ
4 酵素
11 固定化層(流出防止手段、所定の層)
100,100A 酵素センサ
100a 気体透過膜(所定の膜)
200 基板
200a 分析部
200b 疎水性絶縁膜
L カーボンナノチューブ層

Claims (12)

  1. 電極と、
    前記電極及び/又は前記電極上に固定された金属触媒から直接延出する複数のカーボンナノチューブを有するカーボンナノチューブ層と、
    前記カーボンナノチューブ同士の間に挟まれることによって、前記カーボンナノチューブ層に固定化された酵素と、
    前記電極の周囲に設けられた疎水性絶縁部と、
    を備え、
    前記カーボンナノチューブの間隔は、前記酵素のサイズに応じて制御されており、
    前記疎水性絶縁部は、前記カーボンナノチューブ層に酵素を固定化する際に、当該カーボンナノチューブ層上に滴下された前記酵素を含む溶液を、当該カーボンナノチューブ層上のみに接触させて球形を保ちつつ蒸発させ、前記カーボンナノチューブ間に当該酵素を挿入させるために設けられていることを特徴とする酵素電極。
  2. 請求項1に記載の酵素電極において、
    前記カーボンナノチューブ層に固定化された酵素の流出を防ぐための流出防止手段を備えることを特徴とする酵素電極。
  3. 請求項2に記載の酵素電極において、
    前記流出防止手段は、前記カーボンナノチューブ層を覆う所定の層であることを特徴とする酵素電極。
  4. 請求項2又は3に記載の酵素電極において、
    前記流出防止手段は、前記カーボンナノチューブ層に導入された所定の架橋剤であることを特徴とする酵素電極。
  5. 請求項2〜4の何れか一項に記載の酵素電極において、
    前記流出防止手段は、前記カーボンナノチューブの末端に導入された、前記酵素のアミン基と反応してアミド結合を形成するカルボキシル基であることを特徴とする酵素電極。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の酵素電極において、
    前記カーボンナノチューブ層には、前記酵素と前記電極又は前記カーボンナノチューブとの間の電子の受け渡しを促進するための電子伝達体及び/又は前記酵素の活性の発現を触媒する補酵素が導入されていることを特徴とする酵素電極。
  7. 電極と、
    前記電極及び/又は前記電極上に固定された金属触媒から直接延出する複数のカーボンナノチューブを有するカーボンナノチューブ層と、
    前記カーボンナノチューブ同士の間に挟まれることによって、前記カーボンナノチューブ層に固定化された酵素と、
    を備え、
    前記カーボンナノチューブの間隔が、前記酵素のサイズに応じて制御されている酵素電極の製造方法において、
    前記カーボンナノチューブ層は、前記電極上に固定された金属触媒から直接延出するカーボンナノチューブを少なくとも有し、
    前記電極上に所望の微小パターンを形成する工程と、
    前記微小パターンに金属触媒パターンを担持させる工程と、
    前記金属触媒パターンを起点として前記カーボンナノチューブを成長させることによって、前記カーボンナノチューブ層を形成する工程と、
    前記カーボンナノチューブ層に前記酵素を固定化する工程と、
    を有することを特徴とする酵素電極の製造方法。
  8. 電極と、
    前記電極及び/又は前記電極上に固定された金属触媒から直接延出する複数のカーボンナノチューブを有するカーボンナノチューブ層と、
    前記カーボンナノチューブ同士の間に挟まれることによって、前記カーボンナノチューブ層に固定化された酵素と、
    を備え、
    前記カーボンナノチューブの間隔が、前記酵素のサイズに応じて制御されている酵素電極の製造方法において、
    前記カーボンナノチューブ層は、前記電極上に固定された金属触媒から直接延出するカーボンナノチューブを少なくとも有し、
    前記電極上に細孔を有する陽極酸化膜を作成する工程と、
    前記細孔の内部における前記電極上に前記カーボンナノチューブを作成することによって、前記カーボンナノチューブ層を形成する工程と、
    前記カーボンナノチューブ層に前記酵素を固定化する工程と、
    を有することを特徴とする酵素電極の製造方法。
  9. 請求項1〜の何れか一項に記載の酵素電極を用いて電気化学的計測法により標的物質を検出することを特徴とする酵素センサ。
  10. 請求項に記載の酵素センサにおいて、
    基板と、
    前記基板の上面に設けられた分析部と、
    を備え、
    前記酵素電極は、前記基板の上面における前記分析部の内部に配置されていることを特徴とする酵素センサ。
  11. 請求項10に記載の酵素センサにおいて、
    前記基板の上面における前記分析部の周囲に設けられた疎水性絶縁膜を備えることを特徴とする酵素センサ。
  12. 請求項10又は11に記載の酵素センサにおいて、
    前記分析部の上面は開口部となっており、
    前記開口部を覆う、液体の透過を抑え且つ気体分子を透過させるための所定の膜を備えることを特徴とする酵素センサ。
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