JP5025189B2 - 磁気式トルク伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動軸と被駆動軸の間で磁力によりトルクを伝達するトルク伝達装置に関し、さらに詳しくは、過負荷になった際に、駆動軸と被駆動軸の磁気的結合を速やかに遮断する磁気式トルクリミッタを備えた磁気式トルク伝達装置に関するものである。
例えば、モータで昇降装置、搬送用コンベヤ、シュレッダー等を駆動する場合、例えば、昇降装置や搬送コンベヤにおいては、積載した荷物が重すぎて過大な負荷がモータに掛かって、過大電流がモータに流れることによって、モータが焼損したり、あるいは、シュレッダーにおいては、細断する書類の中に混入しているステープラーの針などを噛み込んで、シュレッダーの刃が欠けたり、過大電流がモータに流れることによって、モータが焼損するというトラブルが懸念されている。
このような問題を解決するものとして、図12に示したように、駆動軸1に固設された駆動円盤3と被駆動軸2に固設された被駆動円盤4を有し、両円盤3、4には、図13に示したように、異極、すなわち、N極、S極の永久磁石が、円周方向に交互に固定されている磁気式トルク伝達装置10が知られている。
なお、図13は、図12で軸心X−Xに対して垂直な仮想面、すなわち、XIII−XIII線で切断したときに被駆動側から駆動側を見た時の駆動円盤3を示した図である。
この磁気式トルク伝達装置10によれば、最大伝達トルクを越えて滑り状態となっても、駆動軸1と被駆動軸2が、磁力を介して接合されており、機械的に接触していないので摩擦熱が生じない。
したがって、大きな負荷が被駆動軸2側に生じた場合であってもモータに過大な負荷が掛からない(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−168222号公報(特に、第3頁第6段落〜同第7段落、第5頁第13段落、図1、図2を参照)
ところが、図12及び図13の記載から分かるように、特許文献1に開示された磁気式トルク伝達装置10では、駆動円盤3と被駆動円盤4の間で対向する永久磁石のS極及び永久磁石のN極による異極間の磁気的吸引力及び隣接する同極間の磁気的反発力により、駆動円盤3の回転に追従回転していた被駆動円盤4は、最大伝達トルクを越えると、駆動円盤3に追従できなくなり、いわゆる、脱調状態となる。
この脱調状態では、回転方向に周期的に磁気的吸引力と磁気的反発力が働くため、それに応じて被駆動軸2には、X−X線で示した軸心方向に前進・後退し、大きな振動が発生する。
また、特許文献1に開示された磁気式トルク伝達装置10では、負荷が最大伝達トルクを越えた状態から、負荷が減少して上述した最大伝達トルク未満になると、駆動軸1側から被駆動軸2側に回転トルクを伝達する状態に復帰する場合がある。
また、脱調状態では、被駆動軸2が駆動軸1の回転に追随できないので、周期的に被駆動軸2側に最大伝達トルクまでの正負のトルクが伝達され、不安定な動作が継続されることになる。
また、装置の寸法精度やガタ等を原因として動力伝達時に駆動円盤3と被駆動円盤4とが磁気的吸引力によって直接接触してしまうことも懸念されていた。
さらに、トルクを調整する際には、図13に記載した永久磁石5S、5Nの取付直径Rを小さくしたり大きくしたりする必要があり、それを実現するためには、非常に複雑な機構が必要になっていた。
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、その第1の目的は、駆動軸の回転に被駆動軸の回転が追随できない脱調状態になった場合に、駆動軸から被駆動軸への伝達トルクを磁気的反発力により駆動円盤と被駆動円盤との間の空隙を広げることで確実に小さくして回転トルクを伝達する状態に復帰することを防止するとともに、軸心方向の前進・後退による被駆動軸の大きな振動を発生させない磁気式トルク伝達装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、簡単な構成で最大伝達トルクを可変する磁気式トルク伝達装置を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、駆動円盤と被駆動円盤とが直接接触しない磁気式トルク伝達装置を提供することにある。
そこで、請求項1に係る磁気式トルク伝達装置は、駆動軸に螺設されて円周方向にN極、S極の永久磁石からなる磁極を所定のピッチで交互に配置した駆動円盤と、被駆動軸に軸承されて円周方向にN極、S極の永久磁石からなる磁極を前記所定のピッチで交互に配置した被駆動円盤とを所定の空隙を介して磁極同士が対向するように装備するとともに前記対向する磁極間に作用する異極同士の磁気的吸引力及び同極同士の磁気的反発力とを利用して駆動軸の回転トルクを被駆動軸に伝達する磁気式トルク伝達装置であって、前記被駆動円盤が過負荷時に駆動円盤の回転に追随できなくなって駆動円盤と被駆動円盤がずれて対向するN極とS極とのずれがさらに大きくなることで生じる永久磁石からなる同極同士の磁気的反発力により被駆動円盤を被駆動軸に沿って後退させて前記空隙を広げることで駆動円盤から被駆動円盤への回転トルクの伝達を抑制するとともに前記被駆動円盤を永久磁石からなる異極同士の磁気的吸引力により駆動円盤と再び結合しないように被駆動円盤を駆動円盤から後退させて回転トルクの伝達を抑制する位置で被駆動軸に保持するラッチ機構が、被駆動軸側に設けられていることによって、上述した第1の目的を達成するものである。
なお、駆動円盤の回転に被駆動円盤が追随できなくなることで生じる磁気的反発力とは、次のように詳しく説明することができる。
まず、静止状態にある場合、駆動円盤側に配置されたN極、S極の永久磁石からなる磁極と、被駆動円盤側に配置されたS極、N極の永久磁石からなる磁極とが、ちょうど異極同士(N極とS極)が対向することによって、磁気的吸引力が最大になると共に、駆動軸側から被駆動軸側への回転トルクの伝達は、ゼロになっている。
駆動軸が回転し出すと対向していたN極とS極にずれが生じるが、磁気的吸引力によりN極とS極のずれを戻す力が働き、また、N極とS極のずれと同様に、同極同士が近づくため、磁気的反発力によりずれを戻す力が働く。
このときの力がトルクとなり、駆動軸から被駆動軸に回転トルクが伝達される。
そして、駆動軸側のN極とS極のちょうど中心に被駆動軸側のN極(あるいはS極)がくると、磁気的吸引力と磁気的反発力が釣り合い状態になり、この時、最も大きいトルクが発生する。
ところが、過負荷状態になると、対向していたN極とS極のずれがさらに大きくなり、同極同士(N極とN極、S極とS極)が対向することとなり、反発し、その次に、N極とS極が対向することにより吸引し、さらに、その次にN極とN極が対向することにより反発するというように、磁気的反発力と磁気的吸引力とが繰り返し発生する、いわゆる、脱調状態になる。
本発明では、過負荷状態になって、直後に発生する磁気的反発力によって、駆動円盤と被駆動円盤を引き離し、次に発生する磁気的吸引力によって再び結合しないようにラッチ機構を有していることによって、この脱調状態におけるトルクの伝達を小さくしている。
なお、本発明においては、ラッチ機構を被駆動円盤側に設けることによって、脱調状態におけるトルクの伝達を小さくしているが、ラッチ機構を駆動円盤側に設けても、同様に、脱調状態におけるトルクの伝達を小さくすることが出来ることは、言うまでもない。
また、請求項2に係る磁気式トルク伝達装置は、請求項1に係る磁気式トルク伝達装置が有する構成に加えて、前記駆動円盤を装着する側の駆動軸に螺刻した雄ねじと螺合する雌ねじが、前記駆動円盤の中心に穿孔された軸孔に螺刻されているとともに、前記螺合された駆動円盤及び駆動軸と協働してダブルナット機構を構成するナットが、前記駆動軸に配備されていることによって、上述した第2の目的を解決するものである。
なお、本発明において、「螺設」されるとは、回転する軸(例えば、駆動軸)に被回転板(例えば、駆動円盤)がねじ固定されていることを意味しており、回転方向にも軸方向にも被回転板が動かず、必ず、回転する軸と一緒に被回転板が回転することを意味している。
一方、「軸承」されるとは、回転する軸(例えば、被駆動軸)に被回転板(例えば、被駆動円盤)が回転方向には、固定されており、軸心方向には、前後方向に移動可能になっていること(例えば、スプライン軸)を意味している。
また、「所定のピッチ」及び「所定の空隙」の記載における「所定」とは、特定の値に限定されるわけではなく、例えば、所定のピッチとは、一周に12個の磁石が並ぶ30°ピッチであり、所定の空隙とは、最も結合力を強くするための狭い間隔を意味しており、例えば、0.5〜1.5mm程度である。
また、請求項3に係る磁気式トルク伝達装置は、請求項1または請求項2に係る磁気式トルク伝達装置が有する構成に加えて、前記駆動軸の先端面及び被駆動軸の先端面にそれぞれの軸心方向に螺設するストッパが設けられていることによって、上述した第3の目的を解決するものである。
請求項1に係る磁気式トルク伝達装置によれば、駆動軸に螺設されて円周方向にN極、S極の永久磁石からなる磁極を所定のピッチで交互に配置した駆動円盤と、被駆動軸に軸承されて円周方向にN極、S極の永久磁石からなる磁極を所定のピッチで交互に配置した被駆動円盤とを所定の空隙を介して磁極同士が対向するように装備するとともに前記対向する磁極間に作用する異極同士の磁気的吸引力及び同極同士の磁気的反発力とを利用して駆動軸の回転トルクを被駆動軸に伝達する磁気式トルク伝達装置であって、被駆動円盤が過負荷時に駆動円盤の回転に追随できなくなって駆動円盤と被駆動円盤がずれて対向するN極とS極とのずれがさらに大きくなることで生じる永久磁石からなる同極同士の磁気的反発力により被駆動円盤を被駆動軸に沿って後退させて前記空隙を広げることで駆動円盤から被駆動円盤への回転トルクの伝達を抑制するとともに前記被駆動円盤を永久磁石からなる異極同士の磁気的吸引力により駆動円盤と再び結合しないように被駆動円盤を駆動円盤から後退させて回転トルクの伝達を抑制する位置で被駆動軸に保持するラッチ機構が、被駆動軸側に設けられていることによって、駆動軸の回転に被駆動軸の回転が追随できない、いわゆる、脱調状態に陥った場合であっても、本発明の技術的特徴事項の1つであるラッチ機構によって、磁気的反発力で駆動円盤から離れた被駆動円盤が再び結合しないので、確実に伝達トルクを小さくでき、被駆動軸が軸方向に前進・後退し、大きな振動が発生することがない。それによって、モータが焼損するような事故を未然に防ぐことができる。
なお、本発明におけるモータとは、必ずしも、電動モータに限定されるものではなく、超音波モータ等の小型モータであっても、本発明のようなトルクリミタ機構を内装あるいは外付けすることにより、機器の破損防止が有効に行われる。
また、自動車用昇降窓の駆動源として適用した場合には、誤って、人の指などが挟まれた場合に自動的に駆動源からの回転トルクの伝達が低減され、安全性が向上する。
さらに、本発明は、磁気式トルク伝達装置としてモータに接続して単体で使用することを想定しているが、被駆動円盤が後退したことを、リミットスイッチ又は近接スイッチ等で検出し、モータ制御回路にフィードバックさせることによって、機器の安全性、信頼性を一層高めることが可能である。
請求項2に係る磁気式トルク伝達装置によれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、駆動円盤を装着する側の駆動軸に螺刻した雄ねじと螺合する雌ねじが駆動円盤の中心に穿孔された軸孔に螺刻されているとともに、螺合された駆動円盤及び駆動軸と協働してダブルナット機構を構成するナットが駆動軸に配備されていることによって、駆動円盤と被駆動円盤との距離を本発明の技術的特徴事項の1つであるダブルナット機構を調整することで、駆動円盤側の磁極と被駆動円盤側の磁極との距離を簡単な操作で可変することができ、最大伝達トルクを簡単に可変することができ、操作性が向上する。
請求項3に係る磁気式トルク伝達装置によれば、請求項1又は請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、駆動軸の先端面及び被駆動軸の先端面にそれぞれの軸心方向に螺設するストッパが、設けられていることによって、駆動円盤と被駆動円盤とが直接接触することが防止され、その結果、装置の耐久性が向上する。
本発明の実施の形態を実施例1に基づき、図1乃至図6を参照して説明する。
図1は、本発明の磁気式トルク伝達装置の一例を示す斜視図であり、磁気式トルク伝達装置の内部の構造が分かるように、駆動軸及び被駆動軸の軸心を中心に、その4分の1を切断して示している。
図2は、図1に示した磁気式トルク伝達装置の組立図である。
図3は、磁気式トルク伝達装置100の駆動軸120の側からみた正面図であって、この図において140aを付した部材がベース部材である。
図4は、図3のIV−IV線で切断した時の断面図を示している。この図は、駆動軸120と被駆動軸110とが、駆動軸120に螺刻された雄ねじに螺合している駆動側ナット164とその片側に固設された駆動板162に固設された永久磁石板166の磁極と、スプライン(軸心方向に複数本の溝を刻むことによって、被駆動側スプライン134を軸承する)加工(図2におけるスプライン凸部114)された被駆動軸110にスプライン結合された被駆動側スプライン134に連接された被駆動板132に固設された永久磁石板136の磁極による磁気的吸引力によって結合された状態を示している。
そして、過負荷時に駆動円盤160の回転に被駆動円盤130が追随できなくなることで生じる磁気的反発力によって空隙が広がり、駆動円盤160から被駆動円盤130への回転トルクの伝達が抑制され、且つ、被駆動円盤130が、磁気的吸引力で駆動円盤160と再び結合しないように、被駆動側スプライン134には、ラッチ機構として、ボールプランジャ190が設けられていると共に、被駆動軸110には、磁気的反発力によってスプライン凸部114に沿って後退した被駆動円盤130のボールプランジャ190を保持するプランジャ保持溝116が刻設されている。
一方、駆動側ナット164は、ナット168と協働してダブルナット機構を有しており、駆動板162に固設された永久磁石板166と被駆動板132に固設された永久磁石板136との空隙(間隔)を所定の距離となるように調整している。
ちなみに、本実施例においては、装置の寸法精度を考慮して、1.0mmとしている。
なお、本発明においては、駆動板162、駆動側ナット164及び永久磁石板166を合わせて駆動円盤160と称し、同様に、被駆動板132、被駆動側スプライン134及び永久磁石板136を合わせて被駆動円盤130と称している。
また、駆動板162と駆動側ナット164は、固設あるいは一体成形されており、その軸中心に穿孔した穴を軸孔167と称している。
また、駆動板162及び被駆動板132に固設された永久磁石板166、136における永久磁石の取付パターンとしては、例えば、図10、図11のような配置が考えられる。
上述した従来例(図13)と違って、トルクを調整する際に、2つの永久磁石板166、136の距離を可変することによって行うため、永久磁石の取付直径Rを小さくしたり大きくしたりする必要がなく、磁石部分の面積が比較的大きい(駆動側)永久磁石板166を駆動板162に、(被駆動側)永久磁石板136を被駆動板132に固設することが出来る。その結果、大きな磁気的吸引力及び磁気的反発力を得ることが出来る。
駆動軸120及び被駆動軸110は、それぞれ、外側ベアリング172、182及び内側ベアリング174、184によりベース部材140a、140bに対して回転可能に枢設されている。
そして、駆動軸120の軸方向の略中腹部には、凸部122が設けられており、この凸部122とUナット176とが協働して、駆動軸120を軸心方向前後に移動することなく、ベース140aに枢設させている。
同様に、被駆動軸110の軸方向の略中腹部には、凸部112が設けられており、この凸部112とUナット186とが協働して、被駆動軸110を軸方向前後に移動することなく、ベース部材140bに枢設させている。
また、駆動軸120の先端には、駆動円盤160が駆動軸120から抜けることを防ぐため駆動側ストッパ170が螺設されており、同様に、被駆動軸110の先端には、被駆動円盤130が被駆動軸110から抜けることを防ぐため被駆動側ストッパ180が螺設されている。
したがって、駆動円盤160と被駆動円盤130との間には、必ず所定の空隙が形成され、双方が有する(駆動側)永久磁石板166と(被駆動側)永久磁石板136とが直接吸着することが防止されている。
さらに、1対のベース部材140a、140bが、3本のスペーサ152、154、156により離間されており、6本の皿ねじ152a、154a、156a、152b、154b、156bにより固定されている。
図5は、図3と同じ磁気式トルク伝達装置100の駆動軸120の側からみた正面図であて、この図において140aを付した部材がベース140aである。
図6は、図5のVI−VI線で切断した時の断面図を示している。
この図では、磁気式トルク伝達装置100の被駆動円盤130が磁気的反発力で後退し、ボールプランジャ190の先端がプランジャ保持溝116に係合した図を示している。
この時、磁気的反発力によってできた空隙が再び結合することが妨げられるため、駆動円盤160から被駆動円盤130への回転トルクの伝達が抑制される。
なお、図6に示した図は、上記の点を除けば、図4に示したものと同じであるので、部材番号を一部省略している。
また、実施例1では、被駆動軸110の外周面と被駆動スプライン134の内周面に施したスプライン加工は、図2に示したように被駆動軸110の軸心方向に複数本の溝を刻んだものを使用しているが、被駆動軸110の先端を図9(d)に示したような「すり割り形状」とすると共に、被駆動スプライン134の内周面にすり割り形状と係合する仕切板を設けたものを使用することも可能である。
また、本実施例1では、被駆動スプライン134にボールプランジャ190を設けると共に、被駆動軸110にプランジャ保持溝116を設けてラッチ機構を構成しているが、ラッチ機構の構成は、この構成に限定されることなく、例えば、被駆動軸側にプランジャを埋め込み、被駆動スプライン側にラッチ用の溝を切るような構成にすることも可能である。
次に本発明の別の実施の形態を図7に基づいて説明する。
実施例2は、実施例1と比較するとラッチ機構が異なっている以外は、実施例1で示したものと同じであるので、実施例1と共通する部材については、部材番号の百の位を2として、下二桁を実施例1(図4)と同じ番号を付すことによって、詳しい説明を省略している。
図7(a)は、異極の磁石同士が磁気的吸引力で引き合い、トルクを伝達する状態を示している。被駆動軸210にスプライン(軸心方向に複数本の溝を刻むことによって、被駆動側スプライン234を軸承する)を使用することにより、駆動円盤260から被駆動円盤230へ回転方向の力が伝達する(回転トルクが伝わる)が、被駆動円盤230は、軸心方向には拘束されることなく後退する。
また、軸心方向には、駆動側の永久磁石板266と被駆動側の永久磁石板236が磁気的吸引力で接触しないように、駆動側ストッパ270及び被駆動側ストッパ280が設けてある。
被駆動側スプライン234は、実施例1のものに比べて短く、被駆動軸210に施されたスプライン加工も被駆動側スプライン234の長さに対応する長さになっている。
その結果、最大伝達トルクを越えると、同極磁石同士の磁気的反発力で被駆動側スプライン234が後退し、被駆動軸210に設けたスプラインから外れる。
そして、一旦、被駆動側スプライン234が、被駆動軸210に設けたスプライン214から外れると、図7(b)に示すように被駆動側スプライン234が、慣性によって、僅かに回転するため、磁気的吸引力が作用しても、被駆動軸210と被駆動側スプライン234は、再び噛み合うことができないというラッチ機構が働き、被駆動円盤230は、後退したまま制止される。
なお、スプライン方式であれば、図7に示したものに限られることなく、被駆動軸210の先端を、例えば、図9(a)〜(c)のような形状を採用することも可能である。
また、後退した被駆動側スプライン234をより確実に静止するため、実施例1のように、被駆動側スプライン234にボールプランジャを設けると共に、被駆動軸にプランジャ保持溝を設けてダブルラッチ機構とすることもできる。
次に、本発明の別の実施の形態を図8に基づいて説明する。
実施例3は、実施例1と比較すると被駆動軸側に設けたラッチ機構が異なっている以外は、実施例1で示したものと同じであるので、駆動軸側の説明は、省略し、被駆動軸側のラッチ機構を中心に説明する。
また、実施例1と共通する部材については、部材番号の百の位を3とし、下二桁を実施例1(図4)と同じ番号を付すことによって、詳しい説明を省略している。
被駆動軸310の駆動軸と対向する側の一端には、キー溝319が設けられており、このキー溝319に収まるようにキー398が設けられている。
そして、このキー398は、バネ318によって被駆動円盤330の内周面、すなわち、被駆動板332及び被駆動側ナット334の軸心方向に穿孔された軸孔内周面に押圧されている。
そして、通常時は、駆動円盤側の永久磁石板と磁気的吸引力で引き合い、回転トルクが駆動円盤から被駆動円盤330側に伝達される。
キー398が、被駆動円盤330の内周面に設けた溝に係合しているため、回転方向の力は、伝達されるが、軸心方向には、移動可能になっている。
そして、磁気式トルク伝達装置が脱調状態になったとき、磁気的反発力により、被駆動円盤330は、軸心方向に後退する。
それによって、バネ318によって押圧されていたキー398が突出し、永久磁石板336の内周と係合する。
そのため、磁気的吸引力が働いても、一旦、後退した被駆動円盤330は、後退した状態が保持され、(図示されていない)駆動円盤と被駆動円盤330との空隙が狭まることがない。
さらに、通常時においては、キー398は、バネ318によって被駆動円盤330の内周面に設けた溝に予圧を掛けて係合しているため、回転時のガタが少なくなる。
本発明は、モータ等の駆動源の回転トルクを被駆動装置に伝達する磁気式トルク伝達装置において、過負荷が掛かった際に確実に駆動側から被駆動側への伝達トルクを小さくすることができ、また、簡単な構成で最大伝達トルクを可変することができ、さらに、駆動円盤と被駆動円盤が直接接触することを防止することができるものであって、昇降装置、搬送コンベヤやシュレッダーなどを駆動する際にきわめて再現性良く効果が得られる点で、産業上の利用可能性は、きわめて大きい。
実施例1の磁気式トルク伝達装置の一部を切り欠いた状態を示す斜視図。 図1の磁気式トルク伝達装置の組み立て図。 結合状態にある本発明の磁気式トルク伝達装置の正面図。 図3のIV−IVで切断したときの断面図。 遮断状態にある本発明の磁気式トルク伝達装置の正面図。 図5のVI−VIで切断したときの断面図。 結合状態(a)及び遮断状態(b)にある実施例2の磁気式トルク伝達装置の断面図。 結合状態(a)及び遮断状態(b)にある実施例3の磁気式トルク伝達装置の断面図。 被駆動軸の先端に使用されるスプラインの変形例を示す斜視図。 本発明の駆動円盤及び被駆動円盤に用いられる永久磁石のパターン図。 本発明の駆動円盤及び被駆動円盤に用いられる別の永久磁石のパターン図。 従来の磁気式トルク伝達装置の断面図。 図12のXIII−XIII線で切断したときの断面図。
100、200 ・・・ 磁気式トルク伝達装置
110、210、310 ・・・ 被駆動軸
114、214 ・・・ スプライン
112、122、212、222 ・・・ 凸部
116 ・・・ プランジャ保持溝
120、220 ・・・ 駆動軸
130、230、330 ・・・ 被駆動円盤
132、232、332 ・・・ (被駆動円盤の)被駆動板
134、234、334 ・・・ (被駆動円盤の)被駆動側スプライン
136、236、336 ・・・ (被駆動円盤の)永久磁石板
140a、140b、240a、240b ・・・ ベース部材
152、154、156 ・・・ スペーサ
152a、152b、154a、154b、156a、156b ・・・ 皿ねじ
160、260 ・・・ 駆動円盤
162、262 ・・・ (駆動円盤の)駆動板
164、264 ・・・ (駆動円盤の)駆動側ナット
166、266 ・・・ (駆動円盤の)永久磁石板
168 ・・・ ナット
170、270 ・・・ 駆動側ストッパ
172、182 ・・・ 外側ベアリング
174、184 ・・・ 内側ベアリング
176、186 ・・・ Uナット
180、280 ・・・ 被駆動側ストッパ
190 ・・・ ボールプランジャ
315 ・・・ キー溝
318 ・・・ バネ
395 ・・・ キー

Claims (3)

  1. 駆動軸に螺設されて円周方向にN極、S極の永久磁石からなる磁極を所定のピッチで交互に配置した駆動円盤と、被駆動軸に軸承されて円周方向にN極、S極の永久磁石からなる磁極を前記所定のピッチで交互に配置した被駆動円盤とを所定の空隙を介して磁極同士が対向するように装備するとともに前記対向する磁極間に作用する異極同士の磁気的吸引力及び同極同士の磁気的反発力とを利用して駆動軸の回転トルクを被駆動軸に伝達する磁気式トルク伝達装置であって、
    前記被駆動円盤が過負荷時に駆動円盤の回転に追随できなくなって駆動円盤と被駆動円盤がずれて対向するN極とS極とのずれがさらに大きくなることで生じる永久磁石からなる同極同士の磁気的反発力により被駆動円盤を被駆動軸に沿って後退させて前記空隙を広げることで駆動円盤から被駆動円盤への回転トルクの伝達を抑制するとともに前記被駆動円盤を永久磁石からなる異極同士の磁気的吸引力により駆動円盤と再び結合しないように被駆動円盤を駆動円盤から後退させて回転トルクの伝達を抑制する位置で被駆動軸に保持するラッチ機構が、被駆動軸側に設けられていることを特徴とする磁気式トルク伝達装置。
  2. 前記駆動円盤を装着する側の駆動軸に螺刻した雄ねじと螺合する雌ねじが、前記駆動円盤の中心に穿孔された軸孔に螺刻されているとともに、
    前記螺合された駆動円盤及び駆動軸と協働してダブルナット機構を構成するナットが、前記駆動軸に配備されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気式トルク伝達装置。
  3. 前記駆動軸の先端面及び被駆動軸の先端面にそれぞれの軸心方向に螺設するストッパが、設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気式トルク伝達装置。
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