JP5024049B2 - 真空コンデンサ - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、可動電極を取付けた可動側導体のねじ溝を軸受に回転自在に挿入した調節ナットのねじ溝に装着し、調節ナットを回転するのに応じて、可動側導体が軸方向に移動する摺動面を改良した真空コンデンサ及び真空バルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の真空コンデンサの構造は大別すると、静電容量値が固定されている静電容量固定形真空コンデンサと、静電容量値が可変できる静電容量可変形真空コンデンサの2つがある。後者の真空コンデンサを図3及び図4により説明する。
【0003】
図3において、セラミック部材からなる絶縁筒12の両端側に銅製の円筒管11a,11bを接合し、この円筒管11a,11bの両端に固定側端板13と可動側端板14と取付け、容器10を形成している。
【0004】
固定側端板13の内側には、半径の異なる複数の円筒状電極板F1,F2,…Fnを同心円状に一定間隔をもって取付けて固定電極15を形成している。また、この固定電極15の各電極板間の間隙内に、非接触状態で出入できるように、内径の異なる複数の円筒状電極板M1,M2,…Mnを、取付導体18に設けて可動電極16を形成している。固定電極15及び可動電極16によりコンデンサ部を構成している。
【0005】
取付導体18には、可動リード2が設けられ、この可動リード2にベローズ19の一端がロー付けされ、ベローズ19の他端は可動側端板14にロー付けされている。ベローズ19により可動リード2を上下方向に移動できるようにしている。ベローズ19に包囲された固定電極15側及び可動電極16側は、真空状態つまり真空室を形成している。この可動リード2が円滑に軸方向に移動できるように、固定側端板13の固定側電極軸心部には、容器10の内方に向かって伸びるガイドピン1が設けられている。ガイドピン1は絶縁部材により形成されている。ガイドピン1は可動リード2に設けられたガイド部5に挿入され、このガイド部5を案内として可動リードボルト32を軸方向に案内する。可動リードボルト32の電極と反対側端は軸受部34に挿入されている。
【0006】
軸受部34は次のように構成されている。ねじ受部31の一端は可動側端板14の内側に取付けられ、ねじ受部31の他端は電極側に突出した端部を可動リードボルト32側に折り曲げ鍔部31aを形成している。鍔部31aの中心部には図番号を付していないが貫通孔を形成している。鍔部31aの外側にはスラストベアリングの軸受部34を介して調節ナット33を配置している。軸受部34の中心部は前述の貫通孔と連通する貫通孔を形成している。
【0007】
調節ナット33と反対側である可動リードボルト32の接続部37の終端部32bには、ガイドピン1と空間部を介した可動リード2の端面2aに固定支持されている。可動リードボルト32の他端側外周部に形成されたねじ溝32xは軸受部34及び調節ナット33の貫通孔を貫通し、調節ナット33の内面に形成されたねじ孔33c(図4に示す)に螺合している。ねじ溝32x側の可動リードボルト32先端には、ねじ孔32aを形成している。ねじ孔32aには、調整ねじ36を挿入する。
【0008】
図4は最大静電容量調整部35の詳細を示す拡大図で、この最大静電容量調整部35は、可動リードボルト32の先端にねじ孔32aと、このねじ孔32aに螺入する調整ねじ36と、調節ナット33と可動リードボルト32との螺合部分の調節ナット33内に可動リードボルト32が螺合するねじ孔33cより大径で調整ねじ36が挿入されるように穿設された大径部33aと、この大径部33aとねじ孔33cとの境の段部33bとから形成される。
【0009】
上記のように構成された真空コンデンサにおいて、その最大静電容量調整値を調整する場合は、まず調整ねじ36を螺入して固定する前に、調節ナット33を若干右に回し(右ねじの場合)、ガイドピン1の先端部1aと可動リードボルト32の接続部37の終端面32bが突き当たる最大静電容量の位置より若干可動リード2を下側に移動させ、最大静電容量調整値に調整する。この若干の調整量は真空コンデンサの静電容量のばらつきの程度で決まる。
【0010】
次に、この状態で調整ねじ36をその頭部の当接面が段部33bに当接するまで調整ねじ36をねじ孔32aに螺入し、当接したところで調整ねじ36を可動リードボルト32に接着剤で固定し、可動リードボルト32の上昇位置を規制する(調節ナット33とは接着しない)。
【0011】
このように可動リードボルト32の上昇位置を規制することにより、製作された真空コンデンサの最大静電容量調整値にばらつきがあっても、各真空コンデンサごとに最大静電容量調整値が調整でき、最大静電容量調整値に合致した品質の真空コンデンサが得られる。
【0012】
調整ねじ36は、その最大静電容量調整値の位置よりも調節ナット33を左に回そうとしても調整ねじ36が段部33bに当たり、それ以上左に回らないので、調節ナット33が可動リードボルト32から抜けるのを防止するストッパの機能を併せ持つ。
【0013】
真空コンデンサの静電容量の調整は、調節ナット33を回転することにより、例えば右回転では可動リードボルト32が下方に移動し、左回転では上方に移動し、可動電極16を上下に移動させ、固定電極15との対向総面積を可変して静電容量値を任意に調整する。この静電容量調整手段は、例えば、図示しない電動手段等にて行われる。
【0014】
上記のように構成された静電容量可変形真空コンデンサに要求される特性としては、静電容量調整用の調節ナット33や調整ねじ36の長寿命化が要望されている。真空コンデンサでは、調節ナットや調整ねじの材質と形状が、上記長寿命化に大きな影響力を与える。特に半導体製造装置用の高周波電源回路に使用される真空コンデンサの場合には、静電容量値を頻繁に可変するために、調節ナットを高速かつ総回転数も多いことから調節ナット、調整ねじの損傷も激しく、それらの耐久性の低下を招いている。この種の技術として下記特許文献1及び特許文献2の公報を挙げることができる。
【0015】
【特許文献1】
特許第3263992号
【特許文献2】
特許第3365082号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
真空コンデンサの静電容量を可変させるには、容器内の真空圧力に打ち勝って可動電極を移動させるため、調節ナットを回転させて行っている。このため、調節ナットの回転に応じて、一方のねじ部に沿って他方のねじ溝が移動する際、調整のねじ部には、摩擦抵抗力、面圧が働いて、使用しているうちにねじ部が摩耗、変形してしまう恐れがあった。
【0017】
また、ねじ部が摩耗、変形すると、ねじ部の摩擦抵抗力がさらに高まり、回転トルクが上昇してしまう恐れもあり、更に、ねじ部が摩耗、変形すると、回転位置に対する可動電極の位置がねじ部の摩耗、変形分だけ変位するため、静電容量に変化が生じてしまう恐れがある。特に対向電極間の面積が減少する真空圧力と反対方向にモータが回転する場合には、真空容器内の真空圧力に逆らって取付導体18を移動させるので、大きな面圧が働く恐れがあった。
【0018】
また、高周波電源回路では、インピーダンス調整を迅速に行う必要があるため、時間当たりの静電容量移動時間を短くするために、高速、高加速度で回転されるため、より大きな負担がねじ部に働く恐れがあった。特に半導体製造装置用の高周波電源回路用では、今までは、600rpm程度のステッピングモータにて調節ナット33を制御する手段を講じていたが、近年ではサーボモータにて調節ナットを制御する手段を採用している。このため、上述した調節ナット33、調整ねじ36では、高速化、高加速度化には対応できず短期間でそれらは摩耗して使用できなくなってしまう問題がある。
【0019】
また、従来では、上記電源回路の運転間隔は、停止時間が比較的長く、回転する間隔も比較的長かったが、近年では常に回転、微動ハンチングしている動作が使われてきている。このため、上述したような調節ナットや調整ねじでは、同じ箇所を微動ハンチングすることには対応できず、短期間でそれらが摩耗して真空コンデンサの使用ができなくなってしまう問題もある。
【0020】
更に、真空コンデンサを製造する際には、容器を750℃〜850℃ぐらいの高温真空ロー付けを行うため、調節ナットや調整ねじがロー付けによる焼きなましで硬度低下を起こしてしまう問題もあり、また、上記とは別に、各素材には高周波通電によっても発熱が発生しにくい、非磁性かつ高硬度化するために熱処理や脱磁処理を施して素材を高硬度化しても、高周波通電による熱で素材の硬度低下を起こしてしまう問題もある。
【0021】
この他、高硬度な調節ナットや調整ねじ素材、コーティングしたものを使用して上記と同様に高温真空ロー付けを行うと、ロー付け中にそれら素材やコーディングからガスが放出され、真空コンデンサとしての機能がなくなってしまう問題もある。
[0022]
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、回転による調節ナット、調整ねじの変形、摩耗を極力低減するとともに、ロー付け中に生じる不具合を解決して、耐久性を向上させた真空コンデンサを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
【0026】
上記課題を解決するために、第1発明の真空コンデンサは、絶縁筒の両端部に固定側端板及び可動側端板を取付けてなる容器と、前記容器内の固定側端板に設けられた固定電極と、前記固定電極との間に静電容量を形成するように配置された可動電極と、一端に可動電極を他端に可動側ねじ溝を設けた可動側導体と、前記可動側導体と可動側端板との間に電極側を真空状態になすように取付けられたベローズと、前記ベローズの外側の可動側ねじ溝と螺合するねじ溝を有する調節ナットと、前記調節ナットを回転自在に挿入すると共に、可動側端板に取付けられた軸受部とを備え、前記調節ナットを回転すると前記可動側ねじ溝を介して可動側導体が静電容量を増減する方向に移動する真空コンデンサにおいて、
前記可動側ねじ溝を窒化チタンでコーティングし、前記調節ナットのねじ溝を無電解ニッケルメッキ被膜中にPTFEの微粒子を均一に分散・共析させたメッキ層を形成したことを特徴とするものである。
【0027】
第2発明の真空コンデンサは、前記可動側ねじ溝のコーティング層に、窒化チタンの硬度より硬い硬度の微粒子を吹付け、当該コーティング層の微小突起を除去して、該コーティング層を平滑面にすることを特徴とするものである。
【0029】
第3発明の真空コンデンサは、前記可動側導体が軸受部と摺動しながら移動する可動側導体の摺動面を、窒化チタンでコーティングした微小突起を有するコーティング層に形成し、前記コーティング層を窒化チタンの硬度より硬い硬度を有する部材に接触させ、該微小突起を除去して当該コーティング層を平滑面にすることを特徴とするものである。
[0030]
発明の効果
[0031]
以上述べたように、本発明によれば、調整ねじと調節ナットの一方には、第1高硬度コーティング層を、他方には、第2高硬度コーティング層を施し、また、調整ねじ、調節ナットのどちらか一方に窒化チタンコーティングを、他方に滑り性及び硬度を保持する無電解メッキコーティングを施して高硬度コーティングのねじ、ナットを構成したので、これら、ねじ、ナットによる回転により、真空圧力に打ち勝って可動電極を低摩擦力で移動させることができるため、ねじ、ナットの摩耗、変形を防止することが可能となり、回転トルクの上昇を抑制し、回転部の長寿命化を図ることができるようになる。
[0032]
また、本発明によれば、高硬度コーティング層の調整ねじ、調節ナットを使用することにより、低摩擦力で回転をしているため、従来のねじ回転よりも高速、高加速に回転しても摩耗、変形が少ないため、静電容量の可変制御がより高速化することができる。
[0033]
さらに、上記高硬度コーティング層は、弱磁性体であるので、高周波通電による真空ロー付けにおいてもヒステリシス損が少なく、高周波環境下でも発熱が発生せず、真空容器内部の温度上昇を抑制でき、また、高硬度コーティング層の耐熱性が高いことから、750℃〜850℃の高温真空ロー付けにおいても高硬度を維持することができ、しかも高温真空ロー付け中に不要なガスを放出することもないので、真空度低下を発生させることも無くすることができる利点がある。
[0034]
本発明は上記の利点の他に、調整ねじを高硬度コーティングするだけなので、真空コンデンサ内部の配置を変更することなく同じ形状で長寿命化ができ、しかも、そのねじの素材を選ばないので、加工性に制約なくねじを製造することができ、また、調節ナット内径側のコーティング処理が可能なため、そのナットも高硬度化することにより、摩耗、変形を抑制することができる。
[0035]
さらにまた、本発明によれば、可動側導体と調節ナットとのいずれか一方側のねじ溝側を、窒化チタンでコーティングした微小突起を有するコーティング層に形成し、前記コーティング層を窒化チタンの硬度より硬い硬度を有する部材にてコーティング層に接触し、微小突起を除去してコーティング層を平滑面にしたので、ねじ溝が平滑面にて摺動し、コーティング層を破損しなくなり、可動側導体及び真空コンデンサの歩留まりが向上した。
[0036]
また、本発明によれば、可動側導体が軸受部と摺動する際に、可動側導体を窒化チタンのコーティング層を被覆した摺動面を、平滑面にしたので、可動側導体の歩留まりが向上した。
発明を実施するための最良の形態
[0037]
以下本発明の第1実施形態及び第2実施形態と第3実施形態を図面に基づいて説明する。
[0038]
[第1実施形態]
図1は実施形態を示す拡大断面図で、図1(a)は調整ねじ36、図1(b)は調節ナット33である。調整ねじ36には、母材としてSUS304を使用し、このSUS304で形成された調整ねじ36の可動リードボルト32の外周側に形成された可動側ねじ溝32xに第1高硬度コーティング層41を被覆した。この第1高硬度コーティング層41には、窒化チタン(TiN)[硬度:2200HV]を、厚み3μmにコーティングした。
[0039]
また、図1(b)の調節ナット33には、母材として上記と同様のSUS304を使用し、このSUS304で形成された調節ナット33のねじ孔33cは、内面にネジ溝33xを形成し、ネジ溝33xに第2高硬度コーティング層42を被覆した。この第2高硬度コーティング層42には、滑り性及び硬度を保持させるため無電解ニッケルメッキ皮膜中にPTFEの微粒子を均一に分散・共析させたメッキ、例えば、Ni−P−PTFE(PTFE含有量5%)、[硬度:750〜900HV]を有し、厚み10μmにコーティングする。このときの摩擦係数は0.10〜0.12である。
[0040]
[第2実施形態]
第1実施形態と同様に、調整ねじ36には、母材としてSUS304を使用し、このSUS304で形成された調整ねじ36には可動リードボルト32の外周側に可動側ねじ溝32xを形成している。可動側ねじ溝32xには第1高硬度コーティング層41を被覆している。この第1高硬度コーティング層41には、窒化チタン(TiN)[硬度:2200HV]を、厚み3μmにコーティングする。
【0041】
また、調節ナット33には、母材として上記と同様のSUS304を使用し、このSUS304で形成された調節ナット33には、第2高硬度コーティング層42であるNi−P−PTFE(PTFE含有量20%タイプ)、[硬度:400〜600HV]を、厚み10μmにコーティングする。このときの摩擦係数は0.08〜0.10である。
【0042】
なお、上記第1、第2実施形態に示す第1、第2高硬度コーティング層41,42は、調節ナット33に第1高硬度コーティング層41を、調整ねじ36に第2高硬度コーティング層42をそれぞれ被覆しても良い。
【0043】
上記第1、第2実施形態に示す調節ナット33、調整ねじ36に第1、第2高硬度コーティング層42を被覆し、最大回転速度1200rpm,最大加速度/減速度100rpm/ms(1ms毎に100rpm変化)の場合で、回転トルクが規定値を超えたときに寿命と定義した時の寿命特性を調べた結果を図2に示した。
【0044】
この図2から、SUS304だけでは、20万サイクルであったが、調節ナット33に無電解メッキ(Ni−P−PTFE)を被覆した第1、第2実施形態の場合には、80万サイクルまでも寿命が延びたことになる。
【0045】
図2に示す寿命特性の結果から、第1、第2実施形態に示すように高硬度化されたコーティングの調節ナット33、調整ねじ36を真空コンデンサに適用することにより、機械的性質として引っ張り強さが高く、耐熱性が高いことから高温ロー付けにも耐えることができるようになる。
【0046】
また、高硬度化されたコーティングを被覆したことにより、摩耗・変形を緩和することができ、しかもそのコーティングにより摺動摩擦を低減することができるようになり、摩耗を緩和することが可能になる。
【0047】
更に、調節ナット33、調整ねじ36のどちらか一方だけのみに、無電解メッキ(Ni−P−PTFE)を、他方には、異なる材質のコーティング層を被覆しても良く、或いはどちらか一方だけのみに無電解メッキ(Ni−P−PTFE)を被覆しても同様な効果が得られる。
【0048】
なお、上記第1、第2実施形態において、コーティングの厚み、多数コーティング、コーティングの製法や厚み方向は任意に使用しても良い。また、1条ねじ、多状ねじ、台形ねじ、角ねじ等のねじ形状は何れのものでも使用可能であり、ねじ母材もステンレス鋼、銅合金、鉄鋼等が使用できる。更に、真空コンデンサのガイドピンの有無、静電容量調節手段のボルト、ナットの雄・雌等の構成は何れでも良く、ねじ部へのグリース、潤滑油の種類や量も任意に使用できることは勿論である。
【0049】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を図5から図7により説明する。図5は可動側導体である可動リードボルト32の可動側ねじ溝32xと調節ナット33側のネジ溝33xとが螺合状態で装着された拡大図であり、顕微鏡で見た図を模写した図である。
【0050】
調節ナット33のねじ孔33cの内面には、ネジ溝33xを形成し、ネジ溝33xにコーティング層である第2高硬度コーティング層42を被覆した。この第2高硬度コーティング層42には、滑り性及び硬度を保持させるため無電解ニッケルメッキ皮膜中にPTFEの微粒子を均一に分散・共析させたメッキ、例えば、Ni−P−PTFE(PTFE含有量5%)、[硬度:750〜900HV]を有し、厚み10μmにコーティングする。このときの摩擦係数は0.10〜0.12である。
【0051】
調整ねじ36の可動リードボルト32の外周側に可動側ねじ溝32xを形成し、この可動側ねじ溝32xには窒化チタン(TiN)を溶射して硬度の硬いコーティング層である第1高硬度コーティング層41を形成している。第1高硬度コーティング層41を顕微鏡で観察すると、第1高硬度コーティング層41には無数の突起部32yを形成している。この突起部32yは特に可動側ねじ溝32xの底に多く存在し、突起部32yはドロップレットとも称される。
【0052】
次に、突起部32yを除去する場合を図6により説明する。調整ねじ36及び可動リードボルト32を作業台(図示せず)に載せ、調整ねじ36の真上に吹付け装置のノズル45を配置する。ノズル45は矢印方向Xに移動する。ノズル45から第1高硬度コーティング層41の硬度より硬い硬度を有する微粒子46、例えば、ダイヤモンド砥粒を矢印方向にある可動側ねじ溝32xを被覆した第1高硬度コーティング層41に吹き付ける。これにより図7のように突起部32yが除去されて第1高硬度コーティング層41の表面が平滑面に形成される。
【0053】
この平滑面47を有する可動側ねじ溝32xと調節ナット33側のネジ溝33xとを螺合した状態で、調節ナット33を回転すると、ネジ溝33xが可動側ねじ溝32xの平滑面47をスムーズに摺動回転する。この際、突起部32yが無いので、摩擦抵抗は突起部32yが無い分だけ小さくなり、第1高硬度コーティング層41が破損するのを防止し、真空コンデンサの歩留まり及び寿命を向上させることが出来るようになった。
【0054】
また、突起部32yを有する可動側ねじ溝32xと調節ナット33側のネジ溝33xとを螺合した状態で、調節ナット33を回転すると、突起部32yがネジ溝33xを押圧しながら、調節ナット33が回転するので、突起部32yがある分だけ負荷が増加し、モータは大きな電力消費量を必要とするが、本発明では平滑面47にした分だけ、負荷が減少し、モータの電力消費量を少なく出来る。つまり、省エネ化を図ることが出来る。
【0055】
更に、突起部32yを除去するには、この実施例の吹付け以外にダイヤモンド砥粒を付着した布で突起部32yを擦っても良いが、吹付けの場合は可動側ねじ溝32xの底まで吹付け力が及ぶので、可動側ねじ溝32x全体を均一な平滑面に仕上げることが出来る利点がある。
【0056】
また、平滑面47の平滑度は、ネジ溝33xが可動側ねじ溝32xを摺動回転する際に第1高硬度コーティング層41を破損しない程度の平滑面であれば良い。
【0057】
なお、可動側ねじ溝32x側に第2高硬度コーティング層42を、ネジ溝33x側に第1高硬度コーティング層41を被覆しても良いが、第3実施形態のように可動側ねじ溝32x側に第1高硬度コーティング層41を、ネジ溝33x側に第2高硬度コーティング層42を被覆した方が良い。それは第1高硬度コーティング層41側の周方向への伸縮が第2高硬度コーティング層42側のそれより小さく、第1高硬度コーティング層41が破損し難いからである。
【0058】
また、可動リードボルト32は、一端に可動電極を取付け、他端に軸受部に挿入する可動側ねじ溝を有する可動側導体を使用しても良い。
【0059】
更に、前記可動側導体が軸受部と摺動しながら移動をする可動側導体の摺動面を、窒化チタンでコーティングした微小突起を有するコーティング層に形成し、前記コーティング層を窒化チタンの硬度より硬い硬度を有する部材にてコーティング層に吹付け、微小突起を除去してコーティング層を平滑面にすることにも適用できる。
[0060]
[0061]
以上のように、本発明によれば、コーティング層を被覆した摺動面を平滑面にすることにより、コーティング層が破損するのを防止し、真空コンデンサの歩留まり及び寿命を向上させることが出来ようになった。
【図面の簡単な説明】
[0062]
[図1]第1実施形態の調節ナット及び調整ねじを示す拡大断面図。
[図2]図1に使用した調節ナット及び調整ねじを使用した時の寿命特性図。
[図3]真空コンデンサの断面図。
[図4]最大静電容量調節部の拡大図。
[図5]本発明の第3実施形態を示す調節ナットと調整ねじとを組合わせた時の拡大断面図。
[図6]本発明の第3実施形態を示す調整ねじ側の第1高硬度コーティング層を平滑面にする作業を説明する断面図。
[図7]図6により第1高硬度コーティング層を平滑面にした断面図。
符号の説明
[0063]
1…ガイドピン
2…可動リード
32…可動リードボルト
32a…ねじ孔
32x…可動側ねじ溝
32y…突起部
33…調節ナット
33a…大径部
33b…段部
33c…ねじ孔
33x…ネジ溝
34…軸受部
35…最大静電容量調節部
36…調整ねじ
41…第1高硬度コーティング層
42…第2高硬度コーティング層
46…微粒子
47…平滑面
Claims (3)
- 絶縁筒の両端部に固定側端板及び可動側端板を取付けてなる容器と、前記容器内の固定側端板に設けられた固定電極と、前記固定電極との間に静電容量を形成するように配置された可動電極と、一端に可動電極を他端に可動側ねじ溝を設けた可動側導体と、前記可動側導体と可動側端板との間に電極側を真空状態になすように取付けられたベローズと、前記ベローズの外側の可動側ねじ溝と螺合するねじ溝を有する調節ナットと、前記調節ナットを回転自在に挿入すると共に、可動側端板に取付けられた軸受部とを備え、前記調節ナットを回転すると前記可動側ねじ溝を介して可動側導体が静電容量を増減する方向に移動する真空コンデンサにおいて、
前記可動側ねじ溝を窒化チタンでコーティングし、前記調節ナットのねじ溝を無電解ニッケルメッキ被膜中にPTFEの微粒子を均一に分散・共析させたメッキ層を形成した
ことを特徴とする真空コンデンサ。 - 前記可動側ねじ溝のコーティング層に、窒化チタンの硬度より硬い硬度の微粒子を吹付け、当該コーティング層の微小突起を除去して、該コーティング層を平滑面にする
ことを特徴とする請求項1に記載の真空コンデンサ。 - 前記可動側導体が軸受部と摺動しながら移動する可動側導体の摺動面を、窒化チタンでコーティングした微小突起を有するコーティング層に形成し、前記コーティング層を窒化チタンの硬度より硬い硬度を有する部材に接触させ、該微小突起を除去して当該コーティング層を平滑面にする
ことを特徴とする請求項1に記載の真空コンデンサ。
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