JP5023228B2 - 医療業務管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、X線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴診断装置、核医学診断装置、超音波診断装置等の医用画像診断装置、医用画像処理装置、医用ワークステーション、医療情報装置等の医療業務に関わる装置の動作を、ネットワークを利用して総合的に管理する医療業務管理システムに関する。
近年の情報産業の発展に伴う医療技術の革新は著しい。この技術革新は、新たな診断情報を提供し、高度な医療行為を容易ならしめ、サービスとしての医療業務の質を向上させ、医療行為及び医療事務を含めた医療業務を効率化する等、多方面に影響を与えている。
具体的には、新たな診断情報の提供、高度な医療行為を容易にする技術例としては、各種画像診断装置(X線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴診断装置、核医学診断装置、超音波診断装置)、超音波治療装置等がある。
また、医療業務を効率化させる技術として、医療業務に関する情報を統括的に管理するためのシステムがある。病院内の事務的な情報を統括的に管理する病院情報システム(Hospital Information System:以下、「HIS」と称する。)、放射線部門内における医療情報を統括的に管理する放射線部門情報システム(以下、「RIS」と称する。)等は、その代表的な例である。
さらに、医療行為の効率化等は、院内LAN、医用ワークステーション等の情報技術の導入によって実現されている。
しかしながら、上述した近年の医療分野への影響は、同時に次のような問題を引き起こすこととなった。
まず第1に、近年医療分野に導入されている多くの情報機器は、多種多様であるばかりか、一般的に様々なメーカのシステムが導入されていたり、あるいは同一メーカ製品で構成されていても、装置毎の操作性が統一されていないことが多い。従って、操作に時間がかかり、誤操作を行う危険性がある。また、導入時、新規メンバーの追加時の操作方法修得時間が長いなどの問題点もある。特に、医師、技師の使用者が、これら多種多様な装置の操作方法を修得するための負担は、多大なものといえる。
第2に、HISやRIS等に代表される技術は、個々の装置内或いは一の装置内の処理に限定されたものである。従って、病院内外、部門内外などのネットワークシステム全体を通した管理を可能とする技術ではなく、よりグローバルな範囲において自動化、省力化、状態可視化等の技術を提供し得るものはない。特に、従来の技術では、機器間での作業引き継ぎ、並行処理を整合するしくみが無いため、従来の技術によってただ単純にシステムのグローバル化を図るのみでは、個々の機器において2重作業を発生させる等の問題が避けられない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、使用者が容易に操作することができ、単一の装置のみならず複数の装置を使用したグローバルなシステムにおける医療業務の流れを、適切且つ容易に把握することができる情報を迅速に提供することができる医療業務管理システムを提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
X線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴診断装置、核医学診断装置、超音波診断装置、超音波治療装置、検体検査装置、レポート作成装置のうちの少なくとも2つの装置を用いた医療業務について、業務を定義するプロセスを所定の順番に配列して構成される複数の業務手順を、前記業務手順を構成するプロセスを実行可能な実行条件とともに記憶する記憶手段と、入力手段に入力された情報に基づいて、複数の患者の順序を決定すると共に、選択された前記業務手順及びその業務手順のプロセスに対応する実行条件を記憶手段から読み出して、前記各患者毎の前記プロセスの実行順序を決定する管理手段と、前記管理手段によって決定された実行順序に基づいて、前記業務手順を構成するプロセスを並列的に実行する制御手段と、ネットワークを介して前記少なくとも2つの装置において発生したイベント情報を受け取り、前記イベント情報に基づいて当該イベントに対応するプロセスが実行されたか否かを前記複数の業務手順に反映させる監視手段と、前記進捗状況が反映された前記複数の業務手順に基づいて、前記複数の患者の順序と前記各患者毎の前記プロセスの実行順序とを示すストリームリストを生成するストリームリスト生成手段と、前記ストリームリストを表示する表示手段と、を具備することを特徴とする医療業務管理システムである。
以上本発明によれば、使用者が容易に操作することができ、単一の装置のみならず複数の装置を使用したグローバルなシステムにおける医療業務の流れを、適切且つ容易に把握することができる情報を迅速に提供することができる医療業務管理システムを実現することができる。
図1は、ストリーム制御モジュール20のブロック構成図を示している。 図2は、放射線科のCT検査の医療業務の流れを定義するストリームリストを表示したコンソール画面例である。 図2は、放射線科のCT検査の医療業務の流れを定義するストリームリストを表示したコンソール画面の他の例である。 図4は、放射線部門に本医療業務管理システムを適用した例を示した図である。 図5は、放射線部門に本医療業務管理システムを適用した例を示した図である。 図6は、放射線部門に本医療業務管理システムを適用した例を示した図である。 図7は、放射線部門に本医療業務管理システムを適用した例を示した図である。 図8は、放射線部門に本医療業務管理システムを適用した例を示した図である。 図9は、病院で1つのストリーム制御モジュールを置き、病院全体のストリームを制御するシステム例を示した図である。 図10は、部門内を管理するサブ・モジュールを置く構成のシステム例を示した図である。 図11は、病院内に本医療業務管理システムを適用してストリームに従った医療業務を行った場合の、病院内の外来患者及びデータの流れを概略的に示している。 図12は、本医療業務管理システムを複数病院に適用した例である。
本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
本実施形態に係る医療業務管理システムの重要な点は、対象とするシステムにおいて患者に関する医療業務を実行する場合に、ストリームと称する形態によって各装置の動作状況を総括的に管理することにより、当該システムにて実行される全ての医療業務の流れを管理する着想にある。
(ストリーム)
ストリームとは、対象とするネットワーク・システム全体の医療業務の流れを、コンピュータ、コンピュータ機能を備えた医療機器等の動作に基づいて把握・管理するものであり、プロセスと呼ばれる所定の業務単位を所定の順序(例えば、実施予定の順序)に配列して定義される。ストリームは、管理を対象とする部門内、病院内、あるいは病院間での医療業務の流れを定義する。フォーマット、スクリプトなど手段は問わないが、単一装置内のみならず、複数の装置をまたがって適応できる。一つの診療部門のネットワーク及びそれに接続された装置からなるネットワーク・システムに適用する場合を想定すれば、例えば、患者登録、スキャン、再構成、画像処理、フィルミング、アーカイビングなど、実施が予定される複数の業務単位によって定義される。なお、実施予定の医療業務が一つである場合には、ストリームは、単一のプロセスによって構成される場合もある。また、プロセスは所定の業務単位であり、その内容は、必ずしも単一業務である必要はない。例えば、再構成、画像処理、フィルミング、アーカイビング等の複合的な業務を全て行うものを、「診断画像生成」といった一のプロセスとして、定義することも可能である。
ストリームによる医療業務の管理を対象とするシステムは、種々のものが考えられる。例えば、単一装置内において複数の患者に関する医療業務を並列的に実行するシステム、或いは、ネットワークを使用して、病院内外の複数の装置を利用したグローバルなシステム等である。種々のシステムへの適用は、後述する各実施例において詳しく説明する。
本医療業務管理システムにおいては、上記ストリームに従って医療業務のスケジュール、及び接続された装置の動作等が一元的に管理される。これは、次に述べるストリーム制御モジュールによって実現される。
(ストリーム制御モジュール)
ストリームを使用した医療業務の管理は、ストリームを管理するストリーム制御モジュールを装備することで、電子計算機を備えたエンジニアリングワークステーションや、パーソナルコンピュータなどをベースにした装置であれば、どの装置にいても適用可能である。
また、このストリーム制御モジュールを、独立した専用サーバとしてシステム上に設置する構成であってもよい。当該構成は、ネットワークを利用して複数の装置の動作を管理するシステムに主に適用される。この場合の当該モジュールは、ストリーム制御サーバと称されることもある。後述する各実施例では、独立したストリートリーム制御モジュール(ストリーム制御サーバ)を置き、病院全体のストリームを制御する例、部門内を管理するサブ・モジュールを置き、当該部門内でストリームを制御する例、例えばどこか1つの病院にグローバル・ストリーム制御モジュールを置き、他の病院にはローカル・ストリーム制御モジュールを置くことで、複数病院間で横断的にテンプレート管理や、ストリーム管理を実施する例等が説明される。
なお、ストリーム制御機能を既存の装置に組み込むか或いは専用サーバを設けるかは、適用する装置の範囲の規模や、検査数、装置の処理能力の余裕、コストなどを含めて総合的に判断される。
(ストリーム制御モジュールの構成)
まず、本実施形態に係るシステムに設けられるストリーム制御モジュールのブロック構成を、図1を参照しながら説明する。
図1は、ストリーム制御モジュール20のブロック構成図を示している。
ストリーム制御モジュール20は、ストリーム・テンプレート保持部200、ストリーム実行部201、ストリーム、ストリームリスト保持部202、状態監視、ストリーム操作受付部203、状態表示部204、ID・セキュリテイ情報保持部205、表示情報保持部206、接続装置情報保持部207を有している。
ストリーム・テンプレート保持部200は、当該ストリーム制御モジュール20がコントロールする全ての機器に関するストリーム・テンプレートを、各機器からの要求に応じて記憶する。ここで、ストリーム・テンプレートとは、ストリームを各種目別(例えば、症例、診断部位、操作者、患者、読影者或いは観察者、検査機器、読影機器或いは画像機器、医療協会等の種目別)にテンプレート化(定型フォーマット化)したものである。
また、ストリーム・テンプレート保持部200は、プロセス毎のテンプレートをストリーム・テンプレート内に保持している。
ここで、プロセス毎のテンプレートについて説明する。プロセスとは、CT検査の例では、スキャン、画像処理、フィルミングといった、処理単位を指す。ストリームは、これら、処理単位の流れ、接続といったことを規定するものである。各プロセスでは、スキャンにおいては、例えば当社では、エキスパート・プランというスキャンの自動化、テンプレートがあり、患者体型、症例などに合わせたスキャン・プランがテンプレートとして保存、選択できる。フィルミングにおいては、オートフィルミング、画像処理では、3Dテンプレートなど、従来技術ではプロセス毎にテンプレートが用意されている。本発明のストリームでは、単に、プロセスの流れを定義するだけでなく、それぞれのプロセスで使用されるプロセス・テンプレートや、その中で用いられるパラメータも保存できるので、適切な内容でストリームを作成すれば、全自動、あるいは、半自動で(処理の区切りで、“OKボタン”や、“次ボタン”を押すだけで検査を進めることができる。例えば、頭部単純CT検査というストリームの場合、スキャン、再構成・プロセスでは、大人用頭部単純スキャンテンプレート、画像処理・プロセスでは、コロナルMPRバッチ処理テンプレートフィルミング・プロセスでは、5×4コマ2枚のテンプレートのように設定する。
ストリーム実行部201は、選択されたストリームを自動実行する制御部であり、主に実行するストリームの中で、対話操作を要しない処理を実行する。また、ストリーム実行部201は、複数のストリームを並列的に実行する場合、所定の装置において所定のプロセスが他のプロセスと干渉せずに実行されるために、接続装置情報保持部207が記憶する情報と時間情報とに基づいて、プロセスの装置への排他的な割り当てを行う(以下、「排他的処理」と称する。)。
ストリーム・ストリームリスト保持部202は、本ストリーム制御モジュール20がコントロールする全ての機器のストリームを記憶する記憶部である。ここで、ストリームリストとは、例えば図2に示すように患者毎のストリームを所定の順序(同図では、受付順)に並列的に配列したリストであり、医療業務の総合的な進行状況を管理するためのものである。
状態監視・ストリーム操作受付部203は、本モジュール20がコントロールする全ての機器で行われるストリームに対する操作要求等動作に関する情報を受け付け、関連する機能ブロック(すなわち、モジュール20の各構成要素)へ情報を送る。また、状態監視・ストリーム操作受付部203は、更新情報を本モジュール20へ自動送信しない機器から、予め指定されたタイミングで状態情報を取得する。
状態表示部204は、状態監視・ストリーム操作受付部203が受け取った操作要求等を反映して、ストリーム実行部201によって変更されたストリームの状態の最新情報を、本モジュール20がコントロールする全ての機器に送信する。
ID・セキュリテイ情報保持部205は、本モジュール20がコントロールする全ての機器に関して、セキュリティを目的とする操作、表示に関する制限を、個人やグループ単位で行うための情報を記憶する。また、ID・セキュリテイ情報保持部205は、システム上の各機器から、セキュリティ関連の登録、変更、削除等の送信があった場合には、送信された内容を新たに記憶する。
このID・セキュリテイ情報保持部205内の情報に基づいて、ストリーム実行部201は、各システムに対応したストリームに関する情報を特定する。例えば、所定の部門内で展開されるシステム上の所定の機器からストリーム作成要求(後述する)あった場合、ストリーム実行部201は、ID・セキュリテイ情報保持部205内の情報に基づいてIDチェックを実行し、当該所定システム、所定機器に対応する情報を選択し送信する。
なお、本モジュール20が、この様な構成によってセキュリティを重視するのは、一元管理される複数の機器についての情報、或いは複数のグループについての情報が、対象とするシステム外に漏洩することを防止するためである。
表示情報保持部206は、例えば個人、グループ、装置毎の表示内容を記憶する。この表示情報保持部206が記憶する情報は、後述するストリームリストのフィルタ表示に使用される。また、表示情報保持部206は、各機器から表示方法に関する登録、変更、削除等要求が送信された場合には、送信された内容を新たに記憶する。
接続装置情報保持部207は、本モジュール20がコントロールする全ての機器固有の情報を記憶する。この接続装置情報保持部207に記憶された情報に基づいて、ストリーム実行部201は、ストリームに従った種々の接続装置の制御、或いはストリームの並列処理を行う場合にはストリーム間で重複が生じないように各ストリームの管理及び接続装置の制御を行う。
(ストリーム制御モジュールの機能)
ストリーム制御モジュール20は、代表的な2つの機能を持つ。一つは、ストリームテンプレート管理機能であり、もう一つは、ストリーム実行管理機能である。
ストリームテンプレート管理機能とは、ストリームテンプレートの新規作成、参照、変更、複製などの管理を行う機能である。ここで、ストリームテンプレートの新規作成は、所定の項目毎(症例、部位、操作者、患者種別、読影者、検査機器、読影機器など)のストリームを新規にテンプレート化するものである。この新規作成されたストリームテンプレートは、登録保存し、ネットワーク上の端末から任意のタイミングで呼び出すことができる。ストリーム参照(選択読み出し)は、ストリーム実行開始の際に、使用するテンプレートを選択する処理である。ストリームの変更は、選択して読み出されたテンプレートの内容を、任意のタイミングで変更する処理である。これらのストリームテンプレートの新規作成、参照、変更、複製は、ネットワーク上の全ての装置から、任意のタイミングで実行することが可能である。
このストリームテンプレート管理機能は、主にストリーム制御モジュール20の状態監視・ストリーム操作受付部203、ストリームテンプレート保持部200、ストリーム実行部201によって実行される。すなわち、状態監視・ストリーム操作受付部203は、ネットワーク上の装置から新規作成・変更等されたストリームテンプレートを受信し、ストリームテンプレート保持部200に記憶する。また、ストリーム参照の際には、ストリーム実行部201が、ストリーム制御モジュール20中のストリーム・テンプレート保持部200を読み出して、状態監視・ストリーム操作受付部203が要求を受信したネットワーク上の装置に送信する。
なお、ストリーム、ストリーム・テンプレートの保存先は、モジュール20内のストリームテンプレート保持部200に限定する必要はなく、ローカル機器、関連システム機器、リムーバブルメディア、サーバ(画像サーバ、HIS/RISサーバ、WWWサーバなど)等に保存する構成であってもよい。すなわち、病院内、病院間で共用、複製、販売等できる構成であれば、目的を達成することが可能である。
なお、ストリームテンプレート保持部200内のストリーム、ストリーム・テンプレートには、原則としてネットワーク上からどこでもアクセスできる。しかし、セキュリティの観点から、本モジュール20は、アクセス権を設定することが可能である。これは、ID・セキュリティ情報保持部205によって実現される。
また、変更・修正されたストリームテンプレートは、その変更・修正後の内容をシステム全体に波及させることができる。これは、状態表示部204による、各接続装置への最新の送信によって達成される。さらに、ストリーム、ストリームテンプレートをネットワーク接続された機器間で共有する、或いは処理引き継ぎすることができる。モジュール20によって医療業務に関する情報が一元的に管理されているからである。なお、新たな処理引き継ぎがあった場合には、引き継ぎ先の装置では、中断前の状態が再現できることが好ましい。
一方、ストリーム実行管理とは、ストリームに従ってネットワーク上の各装置の動作を管理・制御するものである。当該機能によって、具体的に次のような処理が実現される。
(1)ストリームの進行状況に関する情報の提供
ネットワークに接続された各装置において、各ストリームがどこまで進んでいるか簡単に確認できるようにするため、ストリームの進行状況が判断可能な情報を提供する。例えば、ストリームによる制御が、複数の装置を対象とする場合には、どの装置で(場所)、何時(時間情報)、どの程度医療業務が進行しているか(進行状況)の情報が提供される。これらの情報は、状態表示部204がストリームに従った医療業務の最新情報をネットワーク上の各装置に送信することで実現される。各装置では、例えば図2或いは図3に示す形態によって、進行状況が判断できる形態(例えば、検査済み、実行中、予約(検査待ち)の各状態がわかりやすい表示)にてストリームを一覧表示する。
図2は、放射線科のCT検査の医療業務の流れを定義するストリームリストを表示したコンソール画面例である。検査ストリームを新規登録、テンプレートとして登録、テンプレート呼び出し、ストリームのクリア、オールクリア、元に戻す(操作取り消し)のボタンがあり、テンプレートに対する操作を行う。
また、検査ストリームリストで、ストリームの一覧、操作が行える。ここでは、このCT装置での当日1日分のストリームが表示されている。右側のスクロールバーにてスクロールさせて全検査を見ることができる。
リスト表示においては、検査済み(正常終了、異常終了)、検査中、検査予約、などの状態が確認することができる。ここでは、検査済みのものは、緑色、検査中が黄色、検査予約のものが白色で色分けされて表示されている。さらに、検査中のストリームにおいて、プロセスごとにも色分けされており、実行済みのものは、緑色、実行中のプロセスは、赤色、未実行のものは白色で表示されている。
患者情報入力プロセスでは、あらかじめ取得していた情報が表示され、さらに追加情報を入力することができる。このストリームの例では、患者情報入力、スキャン、再構成、画像処理、フィルミング、アーカイブ、転送のプロセスの順で、行うものとなっている。患者情報入力の次のスキャンプロセスに移るには、“次ボタン”(図2には表してない)か、ストリームリストの“スキャン”プロセスボタンを押すことにより行う。
このストリームの内容は、病院、患者種別、部位、症例、操作者、急患などにより、内容は異なる。操作者は、このような複雑な検査手順であっても、ストリームリストでの確認、指定あるいは、“次”と指定するだけである。
また、図2の例では、各プロセスの進行状況も表示できる。
図2のストリームリストの下には、このCT装置の状態や、接続している機器の状況を表示している。ここでは、左から、X線管球のOLP状態、CTスキャナー架台、寝台の状況、ハードディスク容量、リムーバブルメディア容量、サーバーのハードディスクあるいは、リムーバブルメディア容量、バックグランド処理、例えばフィルミング処理、アーカイビング処理、転送処理などの表示を行っている。バックグランドプロセスステータスボタンを押すと、個々のバックグランド処理の詳細表示や、キャンセル処理を行うことができる、ダイアログが出る。
各種状況表示の下には、患者、検査情報表示と、各プロセスの詳細パネルがある。患者、検査情報表示では、HIS/RISから取得した情報や、手入力も行う。また、誤入力を防ぐため、自動的に取得した情報と、この装置で入力した情報をフォントや色で区別して表示できる。
各プロセス表示エリアでは、各プロセスでの入力、選択項目や、処理結果などを表示する。図2では、スキャンプロセスの例なので、スキャンのテンプレート選択画面が表示されている。あらかじめストリームを定義したときに指定されたテンプレートが自動的に表示される。プロセス開始時、実行時に変更できる。
図3は、ストリームリストの別の表示例である。
これは、このCT装置での当日1日の検査スケジュール表示と、検査ストリーム管理を同時に行う例である。通常、検査時間スケジュール表は、HIS/RIS端末や、ペーパーで閲覧、チェックされているが、このような表示形式をとることにより、いちいちHIS/RIS端末や、ペーパーで確認する必要が無くなる。
図2での説明と同様、検査済み、検査中、検査予約などの状態別に、色分けできる。この例では、CT装置にて、スキャン、再構成、画像処理、画像転送のプロセスしかないもので、検査予定時間や、依頼科、担当医師、装置名、操作者も表示するように設定された場合を示す。このようなリストをHIS/RISのみらなず、CT装置、ワークステーションなどにも表示できる。検査予定時間の他、検査終了時間、検査所用時間などの時間も表示できる。
その他、ストリームリストを表示した画面は、例えば次に述べるような内容の表示形態が可能である。
(i)誰が操作しているか、誰に操作させるかなどの入力、あるいは表示。
(ii)処理が滞っていないか、リソース待ちしていないか、問題発生していないかなど表示。
(iii)正常終了か異常終了を判別可能な表示。
(iv)ストリーム関連の状態状況表示:例えば、ローカル機器、ネットワーク機器の状態表示
(v)ストリーム、プロセス単位で、優先度指定、表示。
(vi)操作者毎、機器毎、プロセス毎、読影者毎、検査室毎などに分別あるいはフィルタリングしたストリームのカスタマイズ表示(後述(2)「表示フィルタ」参照)。
(vii)プロセスを実行する場合の、あらかじめ処方内容、及びそのパラメータの表示。
(viii)ストリーム関連の処理状況表示:例えば、フォアグランド処理、バックグランド処理の処理進行状態表示
(ix)OLP待ち、架台位置、角度、HDD容量、リムーバブルメディア容量などの表示。
(2)表示フィルタ
ストリームリストは、広域的な医療業務の流れを定義することがある。この様な場合は、例えばある部門おいては、他の部門のプロセスを表示する必要性がない場合が多い。この点に鑑み、本システムでは、表示フィルタ機能を有し、当該機能によって所定の区分毎にその表示内容を制御することが可能である。なお、この表示フィルタ機能は、表示情報保持部206の内容に従って、状態表示部204が各装置に送信する情報を選別することによって実現される。
図4は、表示フィルタにて表示を限定する機能を説明するための図であり、表示情報保持部206に保持される所定の区分での表示情報を示している。図4に示すように、部門全体、複数のCT装置全体、あるいは、病院全体、複数病院全体など、表示フィルタを変更することで、様々な区分による一覧を閲覧、操作できる。また、新たな区分とそれに対応する表示項目を定義することによって、装置毎にその表示内容編集することができる。なお、新たに定義、変更、更新等された表示情報は、表示情報保持部206に記憶される。
表示情報の区分の例としては、上記以外に次のようなものが挙げられる。
(i)依頼科、依頼病院別
(ii)患者別(過去診療結果も含む)
(iii)時間、日別
(iv)担当医師別
(v)検査室、病棟別
(vi)読影医師別
などである。
(3)モジュール20への要求待ち及び状態監視
複合的な領域に渡る業務手順を統括的にコントロールするため、本モジュール20は、本システム上にある全ての機器の状態を監視する。具体的には、状態監視・ストリーム操作受付部203が、発生したイベント情報を集中管理する。当該受付部203が所定の装置にて発生したイベントを受信した場合には、ストリーム実行部201によって当該イベントを反映したストリームの書き換え(変更)が実行される。変更後の内容は、状態表示部204によってネットワーク上の各装置に送信される。
(4)ストリーム操作
ネットワーク上の各装置においては、ストリーム及びストリームリストの表示だけでなく、操作も行えるようになっている。この様な現行のストリームの内容を実行等するためのネットワーク上の各装置における入力を、ストリーム操作と称する。例えば、画面上のストリーム、あるいは、プロセスのところをクリックすると、その処理が行える。このストリームリストは、CTコンソールや、HIS/RIS端末、画像処理ワークステーション、読影ワークステーションなどで、一件一件手入力もできるし、HIS/RISなどの病院/部門/患者情報システムから患者情報、検査オーダー、過去情報などを一括あるいは個別に取得することもできる。その他、ネットワーク上の各装置においては、例えば次に述べる各操作も実施可能である。なお、各装置において、ストリーム等に対して実行された動作は、上記(2)で述べた様に受付部203において受信され、現行のストリーム或いはストリームリストに反映される。
(i)終了したストリーム、プロセスに対し、やり直し、戻しを指示、実行できる。
(ii)・ストリーム、プロセスの処理に影響を与えずに、画像閲覧などの処理を平行して行える。
(iii)ストリーム、プロセスの区切りに、承認待ちコマンドを設けることができる。
(iv)ストリームあるいはプロセスを選択することで、ファイルリスト使用を不要とする。
(v)ストリーム、プロセスの順番変更。例えば、ストリームあるいはプロセスに対して一時停止、中止、パスを指示できる。
(vi)ストリーム削除、追加
(vii)ストリーム実行中に、規定外の操作を割り込み的に行うことができる。
(viii)割り込み処理と、処理終了後、割り込み前の状態に簡単に戻る。
(ix)個々の機器、あるいはシステム全体で複数のストリームを同時に実行できる。
(実施例1)
以上述べたシステムによる医療業務管理の実施例1について説明する。
まず、単一部門、例えば放射線部門でのストリームに従った医療業務管理の実施例について説明する。
図5乃至図8は、放射線部門に本医療業務管理システムを適用した例を示した図である。なお、図6又は図8に示すシステムは、RISにおいて放射線部門全体の患者、検査情報を網羅しており、RISにおいて、検査ストリームを作成し、患者情報入力プロセスまで行うものである。また、図5に示すシステムは、ストリーム制御モジュール20をCT1に搭載したものであり、図7に示すシステムは、ストリーム制御モジュール20をストリーム制御サーバとして設けたものである。
また、図9のように、病院で1つのストリーム制御モジュールを置き、病院全体のストリームを制御する構成や、図10のように、部門内を管理するサブ・モジュールを置く構成であってもよい。いずれのシステムにおいても、以下に述べる動作を実現することができる。
先ず、患者が来院する。受付にて登録され、IDを発行する。過去の通院歴もチェックされ、通院歴がある場合は、過去カルテ、過去画像、過去レポート等とのリンクがとれるよう、設定する。ここで、ストリームが発行する。まだ、診察前のため、ここで入力されるのは、患者の基本的な情報(名前、ID、性別、生年月日、など)である。過去データがある場合は、そこからデータを引き継ぐこともできる。
各診療科では、診察予定をストリームリストにて確認できる。この場合、通常は、各診療科ごと、あるいは、各医師など毎に、フィルタリングして見る。もちろん、病院内の全リストも見ることもできるし、リンクされた他の病院もしかりである。ストリームは、中央サーバにて管理されているので、LANに接続されている機器であれば、どれでもアクセスできる。他病院とのアクセスの際には、インターネットあるいは、WANなどの限定されたネットワークを通じてアクセスすることとなる。このとき、患者情報、診断結果など、プライバシーに関わる情報を扱うため、厳重なセキュリティを施す必要がある。ここの場合、操作者一人一人にアカウントを設け、パスワードによるアクセス権利を施す。アカウントには、全ての資源にアクセスできる、管理者アカウントや、病院、病棟、部門など、エリアによるグルーピングや、医師、技師、看護婦、事務担当者など、職種や、地位などによるグルーピング、あるいは、個人個人ごとに、アクセス制限を設けることで、不必要なアクセスをさせないようなしくみを講じ、患者情報の保護をする。
診察の順番もストリームリストで、管理できるので、看護婦は、それを見ながら、順番に、診察医師へ患者を通す。ここで、緊急患者に合わせて、リストへの割り込みや、順番の変更も行うことができる。もちろん、その操作を行うことができる権限を所持する者に限る。診察医師は、ストリームから、過去データ(があれば)を参照する。診察後、なんらかの検査が必要な場合や、投薬、注射などの処方も電子カルテや、本ストリームに入力して指示、記録できる。電子カルテもストリームに取り込むか、リンクできる。
ここで、CT検査を行う場合について述べる。医師は、放射線科へのオーダーを行う。ストリームに、オーダー内容をテンプレートからの選択や、手入力や修正を行い、オーダーを発行する。この内容は、放射線科情報システム(RIS)にも自動的、あるいは手動で送られる。
オーダー内容には、例えば、頭部の通常スキャンなどといったような簡単な指示から、CT装置における、スキャンテンプレートや、MPR,3D作成のテンプレート、フィルミング、アーカイビングなどといったような細かいプロセスのテンプレートや、その中で使用されるパラメータなどもストリームに載せて指示できる。
放射線科では、RISからの情報、あるいは、病院全体でのストリームスケジュールに従い、検査スケジュールを自動あるいは手動にて作成され、実行される。
CT装置では、その装置で検査する当日の検査を一覧表示して、スケジュールに沿って検査を進めていく。
先ず、患者、検査情報入力プロセスでは、ストリームに既に、患者の基本情報や、検査オーダー情報が入っているので、内容を確認し、必要に応じて作業者名や、造影剤などの投薬情報を自動あるいは、手動にて入力する。これらの入力情報は、テンプレート化されて、保持しているので、簡単な選択処理で済む。
次に、スキャンであるが、依頼科で既にスキャンプランが選択されている場合は、その確認、入っていなければ、プランを選択して、パラメータをセットする。
また、造影検査や、腹部造影3相スキャンなどのように、複数のスキャンなどの複雑なスキャンを行う場合、スキャンプランにその全ての内容をプランするか、複数のスキャンプロセスを組み合わせるなど、の実現手段がある。
さらに、リアルタイムCT透視、リアルタイム3D,MPR,4D表示なども組み入れることができる。
患者、部位、症例に合わせたスキャン、再構成が終了すると、次に画像確認を行う。これも、スキャン内容や、操作者などに応じた確認方法がプリセットされているので、それをそのまま使用するか、変更して画像確認を行う。結果にもとずき、再スキャン、あるいは、再構成リトライを行う。確認作業を終了したら、“次”ボタンにて、再びプロセスへ移行する。このように、ストリームにおいては、ストリーム発行時より、最後まで、ストリームに定義されたプロセスの流れに沿って作業を進めることができる。
次の画像処理プロセスでは、画像フィルタ処理と、MPR自動作成と、3D自動作成が行われる。画像フィルタ種や、MPR作成条件(断面角度、作成位置、作成間隔、画像厚み、枚数など)、3D作成条件(レンダリングタイプ(ボリュームレンダリング、MIP、Xray表示など)、不透明度、カラー、作成角度、作成位置、画像厚み、枚数など)は、テンプレートやプロトコルとしてあらかじめ定義してあるものが、ストリームに保持されているか、画像処理プロセスに入った段階で、インタラクティブに、操作者が選択するか、既に、ストリームに保持してある患者、検査情報をもとに、テンプレート、プロトコルを自動選択するか、それら情報と、画像の内容を調査しての自動調整あるいは、手動調整にて、画像が作成される。ここで、画像を作成する場合と、作成条件の模索のみの場合がある。作成条件の模索とは、例えば、CT装置やワークステーションで、操作者1がある程度画像処理条件を調整し、その後、同じ装置あるいは別の装置にて、操作者2が操作者1が作成した画像処理条件で画像を表示あるいは、出力するなどの操作を可能とする。ここで、一般的には、操作者1は、放射線科技師で、操作者2は放射線科医師となる場合が多い。MPR作成や、3D像作成には、診断行為自体も含まれる場合があるので、基本的には医師による作成がよいが、時間的都合や、操作性などの理由で、技師に全部あるいは一部を作成させる場合がある。本発明は、これに対応するべく、医師が作成あるいは承認したテンプレート、プロトコルを用いての技師による作成や、技師がおおまかなところまで、作成条件を定め、医師が見るときに微調整を可能とすることを、同一装置あるいは別装置でシームレスに行うことを可能とする。
このとき、作成された画像、あるいは作成条件は、フィルミングプロセスや、アーカイビングプロセスや、画像転送プロセスとも連動させることができる。
このように、ストリームにおいては、各プロセス終了時に次のプロセスへの自動、あるいは手動にて移行し、また、プロセス開始時には、あらかじめ設定されたテンプレート、プロトコルによる自動実行か、その都度、操作者が指示を与えるようなインタラクティブ操作も行える。
次のフィルミングプロセスでは、画像処理と同様、ストリームに定義された、あらかじめ定義されたテンプレート、プロトコルに沿って、自動あるいは、手動で実行される。
例えば、患者タイプ、部位、症例などや、読影医師、依頼科医師などの要求通りのフィルム枚数や、コマレイアウト、コマサイズや、輝度、コントラストが定義されている。
これらは、ストリームを作成するときに、その検査種やオーダーに沿って、自動、あるいは、手動にてセットされる。
次の、アーカイブプロセスや、転送も同様である。画像枚数や、画像選別、画像保存先、画像転送先なども定義されている。あとで変更もできる。
また、フィルミングやアーカイビング、画像転送などのように、全処理終了まで処理時間がかかるようなものについては、自動、あるいは手動による指示の後、バックグランド処理させることができる。
バックグランド処理は、単に、フォアグランド処理との並行処理や、フォアグランド処理より優先度を下げての処理や、操作者が指示を与えたときのみ処理するなどの処理モードを備える。また、バックグランド処理の詳細あるいは、概略状態を表示することができる。
以上、CT装置における患者情報入力から画像転送までのプロセスを説明したが、ストリームによっては、以上の一部のプロセスしか行わないものや、別のプロセスが組み込まれるものもある。
CT装置から、画像が出力された後は、フィルムやモニタによる画像読影が行われる。PACSが導入されていて、読影用ワークステーションにてモニタ読影、レポート作成する例で説明する。
読影用ワークステーションでは、読影医師が、自分が読影するデータのみのストリームリストを表示する。ここでも、CT装置と同様、スケジュール表示のように、ストリームリストが表示される。ここで、読影プロセスを選択すると、あらかじめ作成された画像の表示、あるいは、あらかじめ作成された作成条件にしたがった表示により画像を閲覧できる。
表示条件には、輝度、コントラスト、フィルタ条件、コマレイアウト、モダリティ、シリーズなどのグルーピングによるレイアウト、操作画面、操作形式などが含まれているので、読影医師は、自分好みの内容や、患者タイプ、検査、部位、症例などに合わせた条件を自動、あるいは、手動で選択できる。
また、画像処理プロセスに入ると、別の操作者が作成していた条件にしたがった表示が行え、即座に適切な表示、作成条件のもとで、それらの画像を見ることができるし、さらに、自ら調整も行える。
さらに、フィルミングやアーカイビング、転送プロセスを行う。ここでは、読影時に抽出したキー画像に対して行われる。もちろん、場合によっては、全画像にも行える。
ここでのキー画像とは、患者がわかりやすく、診断のもとになったもので、主に、依頼科へ渡すものである。
レポート作成は、読影プロセスに含む場合や、独立したプロセスにする場合がある。読影、レポート作成プロセスでは、自動あるいは手動で、過去情報、過去画像、過去レポート、過去カルテなどの情報を取得することもできる。
レポートは、読影医師により、手書き、タイピング、ディクテーションなどで行われ、最終的に依頼科医師へ送られる。
依頼科医師では、ストリームリストを参照することで、どの検査がどこまで進行しているかわかる。例えば、自分が依頼したもので、検査終了したもののみ表示させることができる。検査は、複数の部門へ依頼する場合がある。通常は、診断に必要な全ての検査結果が得られてから診断を行うが、緊急の場合など、終了したものだけでも見る場合がある。リスト表示条件を変更して見ることもできる。
ストリーム、あるいは、診断プロセスを選択すると、検査結果が表示される。読影プロセスと同様、所望の条件が自動あるいは手動で選べる。
(サブストリーム)
図10に示すサブストリームについて説明する。例えば、図9では、放射線部門や検体検査部門などの複数部門で実行されるものでも、1つのストリームで行うものである。それに対し、図10では、放射線部門が独立してストリームを管理できるようになっており、病院全体でのメインストリームの中で、放射線部門に依頼して実行される部分のみを放射線部門のストリーム制御モジュールに委ねる形となっている。病院全体で、ストリーム(ワークフロー)を流す際に複雑な分岐、並列作業が発生する事が予想されるが、この複雑なストリームを実現するための他の実施例の1つである。
(実施例2)
次に、病院内に本システムを導入し、ストリームに従って外来患者に対して施す所定の医療行為に伴う一連の医療業務の実施例について説明する。
図11は、病院内に本医療業務管理システムを適用してストリームに従った医療業務を行った場合の、病院内の外来患者及びデータの流れを概略的に示している。同図が示す具体的な実施内容を以下説明する。
まず、患者が来院し、受付すると、ストリームを作成する。この段階では、患者入力プロセスのみであり、以降のフローはブランク状態である。操作は、ストリームサーバを参照できる端末であれば、どれでも操作できる。基本的には、HIS端末が使用される。
例えば、新規患者の場合、患者の基本情報や、保険証などの情報を入力する。一方、再来患者の場合、過去の診療データを参照し、さらに変更事項を入力する。
上記入力内容に基づいて、診療科ごとに、診療順、時間のスケジューリングが行われる。この段階で、これ以降のストリームに関しては、それぞれの診療科のデフォルトのストリームテンプレートが適用される。基本的には、入力された順にスケジューリングされるが、緊急などの場合に、マニュアル操作にて変更できる。こうしてストリームが作成されると、ストリームに従ったスケジュールに沿って、以後の医療業務が実行される。患者が診察室に呼ばれる。
続いて、患者を呼ぶ看護婦は、手近の端末にて、担当する診察科のみの患者スケジュールを表示して、受付を行う。必要に応じて患者の情報、過去病歴などもストリームから選択して閲覧できる。
続いて、医師による診察が実行される。診断が終了すると、医師は、検査、処置などを、ストリーム上でオーダーする。このとき、それぞれの検査オーダーに適した、ストリームテンプレートを選択して適用する。このように、ストリームテンプレートは、診療全体を定義したものや、ある、プロセス以降などの一部を定義したものもある。例えば、放射線部門にCT検査をオーダーする際、撮影部位や、症例に合わせたテンプレートを選択し、必要に応じてパラメータ等や、細かい指示をストリームに入力することができる。
検査結果待ちになった段階で、看護婦は、ストリームリストで確認できるので、次の患者を診察室に入れる。また、その情報は患者待ち合い室にある表示板にも表示される。
続いて、患者は、検体検査部門に行き、血液検査、尿検査などを受ける。検査部門においても、検査を受ける患者の状況をストリームリストにて、見ることができる。オーダーされた、あるいは予約された順番の検査患者リストをストリームリストで見ることができ、ここで行うべき検査の内容も表示される。検査を終了すると、その旨がストリームリストへ入力される。
なお、診察科医師は、必要に応じて、ストリーム表示を見ることで、検査の進行状況を確認することもできる。
続いて、患者は、検体検査が終了すると、次に放射線部門に行き、画像撮影を受ける。CT検査室では、CT検査を受ける患者が、待ち合い室に来ているかどうかなどもストリームにて確認できる。基本的には、予約されたスケジュールに沿って検査が行われるが、予約していた患者が遅れていたり、緊急患者が入ったりした場合もストリーム上で確認できるので、臨機応変に検査順を変更できる。
現実には、検査室には、複数の人が作業している。そのそれぞれの人物が、手近の端末で、検査スケジュールを見ることが可能である。ストリームに沿って、検査を行い、検査が終了すると、検査済みの項目の表示が変わり、終了したことが確認できる。
画像診断では、撮影、画像処理、画像出力、読影、レポートなどのプロセスが行われる。これらは、その内容に応じてストリームが作成されており、ストリームに沿って実行される。このとき、撮影装置、画像処理装置、画像読影装置、レポート作成装置など、複数の装置が使用されることもある。
診察科医師は、必要に応じて、ストリーム表示を見ることで、検査の進行状況を確認することもできる。
このとき、例えば別室の診察科医師は、オーダーした検査がすべて終了したかどうかをストリームで確認できる。検査済み患者のリストをストリームリストで表示できるので、終了した時間、あるいは、予約された時間順に、検査結果をもとに、診断を下す。
ところで、必要に応じて、患者への説明のため、検査結果や、画像を患者に見せる場合がある。このとき、ストリーム上の操作にて、LISやPACSを参照して、即座に結果や画像を端末に表示させることができる。必要に応じて、処置室、や調剤部門に、オーダーを出す。
最後に、会計、薬受け取り、次回予約について述べる。患者は、会計を行い、薬を受け取る。この情報もストリームに入力される。必要に応じて次回の診察、検査予約を行う。次回のためのデフォルトストリームが作成される。この段階で、受付時に発生したストリームが終了ステータスとなる。
(実施例3)
次に、複数の患者に関する複数のストリームに従って、当該複数の患者に関する医療業務を並列的に実行する実施例(例えば、図2、3参照)を、CT検査を例に説明する。
CT検査では、昨今のスキャナーの性能向上に、再構成、画像処理、フィルミングなどの処理性能が追随できない場合や、大量の画像に対して確認作業、調整作業を行わなければならないなど、コンソール上での行うプロセスに係る時間が増大する傾向にある。
そこで、CT検査の一連のプロセスをシリアルに処理するのでは、検査のスループットを下げてしまうことになるので、複数の検査をパラレルに処理することがある。
例えば、ある検査(患者)の検査室への出入りや、スキャン準備などを行っているときに、その前にスキャンした検査(患者)の画像処理やフィルミングなどを行うなどである。このときの、例えばスキャンとフィルミング処理を手動にて、しかも並行に行う場合には、それぞれの操作、表示画面を1つづつだけ、あるいは、両方を表示した状態で処理できる。1つづつだけ表示の場合の、スキャンとフィルミングの選択は、ストリームリストでのストリームの選択で行える。両方表示している場合は、ストリームでの選択か、操作、表示画面の選択で行える。このとき、スキャン画面とフィルミング画面との識別のため、色分けや、アイコン、ID表示などできる。
また、時間以内に、フィルミング作業を終わらせられない場合は、複数のフィルミング作業が、積み残し状態になる場合がある。これらは、ストリームリストにて、積み残しのストリームのフィルミングプロセスの状態が未終了であることから確認できる。
また、CT装置では、スループットの向上などの理由で、1つのスキャナーに対し、複数のコンソール、WSを使用する場合がある。このとき、コンソール1では、患者、検査情報入力、スキャン、再構成、画像確認まで行い、コンソール2では、画像処理、フィルミング、アーカイビング、画像転送を行うなどのように、それぞれのコンソールにて、プロセスの役割分担を行う。
このとき、一方の装置で作業中のプロセス、あるいは、ストリームを、別の装置では、選択できないなどの排他的制御を行うことができる。また、それらが、どの装置で、誰が操作していて、どこまで処理が進んでいるかを確認できる。
(実施例4)
次に、本医療業務管理システムを複数病院に適用し、ストリームに従って当該複数の病院に渡った複合的な医療業務を実行する実施例を説明する。
図12は、本医療業務管理システムを複数病院に適用した例である。当該システムでは、病院間をまたがり、テンプレート管理や、ストリーム管理が行われる。本システムでは、どこか1つの病院にグローバル・ストリーム制御モジュールが置かれ、他の病院には、ローカル・ストリーム制御モジュールが置かれる。
テンプレート管理を複数の病院で共用したい場合は、各病院に設置されているネットワーク上の各装置は、グローバルストリーム制御モジュールから読み出し、あるいは、登録を行う。また、ネットワーク接続に問題が生じた場合に備えるため、及びグローバル・ストリーム制御モジュールのバックアップのために、ローカルストリーム制御モジュールにも定期的に情報がコピーされる。このように、ローカル・ストリーム制御モジュールは、ローカルでのパフォーマンス確保、グローバルストリーム制御モジュールへの接続に問題が発生したときのためのバックアップ、グローバル・ストリーム制御モジュールのデータを保持するためのバックアップの役割を持つ。
ストリームを病院間で流す場合には、グローバル・ストリーム制御モジュールが、複数の病院をまたがるストリームの制御、管理を行う。
なお、図12示したシステムは、複数の病院の関係を示すものであるが、当該システムの構成は、1つの病院の中での、複数部門や、複数病棟などの間の関係にも適用できる。すなわち、例えば、HIS部門に、グローバル・ストリーム制御モジュールを置き、各部門に、ローカル・ストリーム制御モジュールを置くようなシステムも同様の構成によって実現することができる。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
第1に、患者、検査の流れをシステム全体で、ストリームとして操作できる。これにより、様々な装置において、統一された操作性を提供できる。
第2に、ストリームは、ネットワーク・システム全体へ展開できるため、複数の装置をまたがったワークフロー、スケジュール管理、指示を簡単に実現できる。
第3に、ストリームをリスト表示などすると、ワークフローという検査の流れという横の流れと、複数患者、検査のスケジューリングという縦の流れをまとめて制御、表示、操作ができる。この、縦、横の流れを統括的に扱えるので、間違いの低減、スループットの向上、無駄作業の減少が期待できる。
第4に、ストリームを複数の装置に適用すると、患者情報入力操作は、1度行えば済む場合が多い。これにより、無駄作業と間違いの低減を期待できる。
第5に、ストリーム、プロセスをダイレクトに選択するだけで、所望の処理を行うことができるので、操作時間や間違いの低減、操作方法取得の容易さが期待できる。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解され、その要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
20…ストリーム制御モジュール、200…ストリーム・テンプレート保持部、201…ストリーム実行部、202…ストリーム・ストリームリスト保持部、203…状態監視・ストリーム操作受付部、204…状態表示部、205…ID・セキュリティ情報保持部、206…表示情報保持部、207…接続装置情報保持部

Claims (5)

  1. X線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴診断装置、核医学診断装置、超音波診断装置、超音波治療装置、検体検査装置、レポート作成装置のうちの少なくとも2つの装置を用いた医療業務について、業務を定義するプロセスを所定の順番に配列して構成される複数の業務手順を、前記業務手順を構成するプロセスを実行可能な実行条件とともに記憶する記憶手段と、
    入力手段に入力された情報に基づいて、複数の患者の順序を決定すると共に、選択された前記業務手順及びその業務手順のプロセスに対応する実行条件を記憶手段から読み出して、前記各患者毎の前記プロセスの実行順序を決定する管理手段と、
    前記管理手段によって決定された実行順序に基づいて、前記業務手順を構成するプロセスを並列的に実行する制御手段と、
    ネットワークを介して前記少なくとも2つの装置において発生したイベント情報を受け取り、前記イベント情報に基づいて当該イベント情報に対応するプロセスが実行されたか否かを前記複数の業務手順に反映させる監視手段と、
    前記進捗状況が反映された前記複数の業務手順に基づいて、前記複数の患者の順序と前記各患者毎の前記プロセスの実行順序とを示すストリームリストを生成するストリームリスト生成手段と、
    前記ストリームリストを表示する表示手段と、
    を具備することを特徴とする医療業務管理システム。
  2. 前記ストリームリストに示された複数の前記業務手順の内容を変更する変更情報を入力するための入力手段をさらに具備し、
    前記管理手段は、前記変更情報の内容に従って前記各プロセスの実行順序を変更すること、
    を特徴とする請求項1記載の医療業務管理システム。
  3. 前記表示手段は、予め設定された条件に基づいて、前記ストリームリストに示される各プロセスの表示数を制御することを特徴とする請求項1記載の医療業務管理システム。
  4. 前記業務手順は、スキャン処理に係るプロセス及び画像生成処理に係るプロセスを含むものであることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の医療業務管理システム。
  5. 前記管理手段は、患者毎の前記業務手順を構成する前記プロセスが同一の装置において時間的に重複しないように、前記各プロセスの実行順序を決定することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の医療業務管理システム。
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