以下、添付の図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置され、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。前記遊技領域6には遊技球を誘導する誘導釘Rが遊技盤2の表面に設けられている。また、遊技機1の前面側には、装飾ランプ等からなるランプ装置35、発射装置へ供給する遊技球と払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64、遊技者による操作可能な遊技ボタンスイッチ67が設けられている。なお、図1における符号W1は遊技機の外枠、W2は外枠W1に取り付けられた前枠、Gは前記前枠W2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。以下、遊技機1の主要な部分について説明する。
前記遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に表示装置10、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、アウト口48が配置されている。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42の左には左袖入賞口51が配置され、また、大入賞口45の左右には左落とし入賞口53と右落とし入賞口54が配置されている。また、前記表示装置10の左には普通図柄変動開始用ゲート55、その下方には風車76が設けられている。前記上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、左袖入賞口51、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54は、遊技盤2に形成された遊技領域6内を流下する遊技球が入賞(入球)可能な複数の入賞装置に相当する。前記の各入賞口(入賞装置)に遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出されると1入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。前記1入賞球の検出に対する賞品球(遊技球)の払出個数は、前記入賞口(入賞装置)毎に設定されている。
前記表示装置10は、図柄等が表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の画像表示装置からなる。本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。なお、前記表示装置10の前面外周は、前記遊技盤2の前面に設けたセンター飾り枠9で囲まれている。
前記表示装置10は、左下部が普通図柄表示部50とされ、他の部分が特別図柄表示部11となっている。前記特別図柄表示部11は、当否判定の結果を表示するための識別情報を変動表示可能な表示手段に相当する。識別情報は、遊技者が識別可能なものであって、本実施例では特別図柄からなる判定図柄で構成されている。前記特別図柄表示部11には、左右に並ぶ左特別図柄(左判定図柄、左識別情報)と中特別図柄(中判定図柄、中識別情報)と右特別図柄(右判定図柄、右識別情報)が、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、判定結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が確定停止特別図柄(確定停止判定図柄、確定停止識別情報)として停止表示される。また、前記特別図柄表示部11には、前記特別図柄に加えて背景画像(キャラクター,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。
この実施例において変動および停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄は、それぞれ『1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』の11通りの図柄とされている。本実施例では、遊技の当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部11に大当たりの特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せで特別図柄が停止表示され、遊技者に有利な特典を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。遊技者に有利な特典は、本実施例では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大に設定されている。
前記普通図柄表示部50は、記号或いは絵(キャラクター)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。本実施例における普通図柄表示部50に変動及び停止表示される普通図柄は、『0』と『1』の2種類からなり、小当たり(普通図柄当たり)の場合には小当たり普通図柄『1』で停止表示され、一方、小当たり外れ(普通図柄外れ)の場合には小当たり外れ普通図柄『0』で停止表示される。
前記上側始動入賞口41は、上方が開口した形状からなって遊技球が上方から入球(入賞)可能となっている。一方、前記下側始動入賞口42は、2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で遊技球の入賞(入球)困難な閉状態(通常状態)と略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態間を変化可能に制御されている。前記下側始動入賞口42の可動片42a,42b間は入賞(入球)領域に相当する。前記下側始動入賞口42の開状態への移行は、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動した後、小当たりを示す特定の普通図柄(本実施例では『1』)で確定停止表示された時に行われる。
また、前記遊技盤2の背面には、前記上側始動入賞口41に入賞(入球)した遊技球を検出する上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)と、前記下側始動入賞口42へ入賞(入球)した遊技球を検出する下側始動入賞口検出スイッチ(下側始動入賞口センサ)がそれぞれの入賞球用通路に設けられている。本実施例において前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への遊技球の入賞(入球)検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄(識別情報)の変動表示開始の起因とされ、さらには、遊技者にとって有利となる大当たり状態となるか否かを判定する当否判定手段の判定を行うための判定条件の成立に設定され、前記判定条件の成立に起因して当否判定が行われる。また、前記特別図柄表示部11で特別図柄(識別情報)の変動表示中に、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞しても、直ちに新たな特別図柄(識別情報)の変動表示を開始することができないため、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞回数(本発明における判定条件の成立数)を特別図柄変動保留球数として記憶し、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動表示を一旦保留し、前記特別図柄表示部11における前記特別図柄(識別情報)の変動開始によって、あるいは変動終了による当否判定結果の表示によって、前記特別図柄変動保留球数の記憶値(判定条件の成立数の記憶値)を減算するようにしている。なお、本実施例では、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞回数記憶値の上限値(判定条件の成立数の記憶可能な最大記憶数)、すなわち特別図柄変動保留球数の上限値は当該変動中の記憶を除いて4に設定されている。
前記特別図柄変動保留球数が設定上限数(成立数の最大記憶数と同一)まで記憶されている時には、前記上側始動入賞口あるいは下側始動入賞口検出スイッチがそれ以上入賞遊技球を検出しても、特別図柄変動保留球数としては記憶されない無効球とされ、その無効球については特別図柄の変動表示及び当否判定を行うことなく、入賞に対する賞品球(賞品遊技球)が所定数払い出される。
前記普通図柄変動開始用ゲート55は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55を通過する遊技球が検出されることに基づいて前記普通図柄表示部50で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記普通図柄の変動表示中に、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、最高4回普通図柄変動保留球数として記憶し、普通図柄の変動開始により普通図柄変動保留球数を減らすようになっている。さらにまた、前記左袖入賞口51の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチと、前記左落とし入賞口53及び右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチ及び右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
前記大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板46を備えている。この大入賞口45は、通常は開閉板46が閉じた状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に所定ラウンドとして本実施例では15ラウンド(15回)開放される。また、前記大入賞口45内には、大入賞口45に入賞した入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
なお、前記上側始動入賞口検出スイッチ、下側始動入賞口検出スイッチ、左袖入賞口用検出スイッチ、左落とし入賞口用検出スイッチ、右落とし入賞口用検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)は、入賞装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段に相当する。
前記表示装置10の外周を囲む前記センター飾り枠9には、第一の駆動装置80と第二の駆動装置90が設けられている。
前記第一の駆動装置80は図2の(2−A)及び(2−B)に示すように、駆動機構81と該駆動機構81によって第1の位置と第2の位置に変位可能な第一の駆動体87とで構成されている。また、本実施例では、前記第1の位置は、図4に示すように前記表示装置10の特別図柄表示部11の上端に設定され、一方、前記第2の位置は、図5に示すように前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)よりも下方となる特別図柄表示部11の前面側中央付近に設定されている。
第一の駆動装置80における前記駆動機構81は、駆動モータ82と、前記駆動モータ82の回転軸に取り付けられた駆動歯車83と、前記駆動歯車83と噛み合うピニオン歯車84と、前記ピニオン歯車84と噛み合うラック85とよりなり、前記ラック85に第一の駆動体87が取り付けられている。前記駆動機構81は前記センター飾り枠9の左端の内側に殆ど隠れるようにして取り付けられ、前記表示装置10の上下方向に前記ラック85が往復駆動可能にされている。前記ラック85には第一の駆動体87が水平方向に取り付けられ、前記ラック85の移動によって第一の駆動体87が、前記特別図柄表示部11の前面を上下方向に変位可能とされている。本実施例における第一の駆動体87は、雲形状のプレートからなり、前面にロゴが表示されている。
前記第一の駆動装置80では、前記第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)に位置する状態で前記駆動モータ82が一方向へ回転すると、前記駆動歯車83が駆動モータ82の回転と同方向へ回転し、またピニオン歯車84が前記駆動歯車83の回転とは反対方向に回転し、それによって、ラック85が下方へ移動し、前記ラック85に取り付けられている前記第一の駆動体87が、図4に示す前記特別図柄表示部11の上端(第1の位置)から、図5に示すように前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)へ移動(変位)する。一方、前記第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)に位置する状態で前記駆動モータ82が、反対方向へ回転することによって、ラック85が上方へ移動し、前記ラック85に取り付けられている前記第一の駆動体87が、図5に示す前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)から、図4に示す前記特別図柄表示部11の上端(第1の位置)へ移動(変位)する。
また、前記第一の駆動装置80には、前記第一の駆動体87の位置を検出する第一の駆動体位置検出装置86が設けられている。前記第一の駆動体位置検出装置86は、前記ラック85の基部の側面に該ラック85に沿って形成された突部86Aと、前記突部86Aの有無を検出する位置検出器86Bとからなる。前記位置検出器86Bは、本実施例ではフォトセンサで構成され、前記第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の前記上端位置(第1の位置)に位置する際にフォトセンサの受光部と発光部間に前記突部86Aが位置せず、かつ前記第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)から特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)に位置する際にフォトセンサの受光部と発光部間に前記突部86Aの一部が存在するように設けられている。この構成により、本実施例では、前記第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)に位置するか、あるいはその他の位置に位置するかを検出することが可能になっている。
前記第二の駆動装置90は図3の(3−A)及び(3−B)に示す構成からなり、駆動機構91と該駆動機構91によって第3の位置と第4の位置に変位可能な第二の駆動体97とよりなる。本実施例では、図4に示すように第3の位置は前記表示装置10における特別図柄表示部11の右端位置とされ、一方、第4の位置は図6に示すように前記特別図柄表示部11の前記右端位置(第3の位置)より左方位置となる特別図柄表示部11の前面側中央付近に設定されている。
第二の駆動装置90における前記駆動機構91は、駆動モータ92と、前記駆動モータ92の回転軸に取り付けられた駆動歯車93と、前記駆動歯車93と噛み合う歯94が弧状に形成されて揺動可能に軸支された揺動板95とよりなり、前記揺動板95に第二の駆動体97が基部で取り付けられ、前記揺動板95と共に前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の右端(第3の位置)と前記特別図柄表示部の前面側中央付近(第4の位置)間を揺動可能に構成されている。前記駆動機構91は前記表示装置10の右端のセンター飾り枠9の内側に殆ど隠れるように設けられている。本実施例における第二の駆動体97は、鞘に収納された刀形状の物体からなる。
前記第二の駆動装置90では、図4に示すように前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の右端位置(第3の位置)に位置する状態で前記駆動モータ92が一方向へ回転すると、前記駆動歯車93が駆動モータ92の回転と同方向へ回転し、また前記駆動歯車93と噛み合う歯94と一体の前記揺動板95が揺動(左向きに揺動)し、それによって前記第二の駆動体97が、前記特別図柄表示部11の右端(第3の位置)から、図6に示すように前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)へ揺動(変位)する。一方、前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)に位置する状態で前記駆動モータ92が反対方向へ回転すると、前記揺動板95が前記とは反対方向へ揺動(右向きに揺動)し、それによって前記第二の駆動体97が、前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)から前記特別図柄表示部11の右端(第3の位置)へ移動(変位)する。
また、前記第二の駆動装置90には、前記第二の駆動体97の位置を検出する第二の駆動体位置検出装置96が設けられている。前記第二の駆動体位置検出装置96は、前記揺動板95の側面に前記歯94と略平行な弧状に形成された突部96Aと、前記突部96Aの有無を検出する位置検出器96Bからなる。前記位置検出器96Bは、本実施例ではフォトセンサで構成され、前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の右端位置(第3の位置)に位置する際にフォトセンサの受光部と発光部間に前記突部96Aが位置せず、かつ前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の右端位置(第3の位置)から特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)に位置する際にフォトセンサの受光部と発光部間に前記突部96Aの一部が存在するように設けられている。この構成により、本実施例では、前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の右端位置(第3の位置)に位置するか、あるいはその他の位置に位置するかを検出することが可能になっている。
また、本実施例では、図7に示すように、前記第一の駆動体87は、前記特別図柄表示部11の上端(第1の位置)から前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)へ前記特別図柄表示部11の前面側を上下方向へ移動(変位)し、一方、前記第二の駆動体97は、前記特別図柄表示部11の右端(第3の位置)から前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)へ前記特別図柄表示部11の前面側を横方向へ移動(変位)するように構成されており、何れか一方の駆動体が変位する際に他方の駆動体の変位軌跡内に他方の駆動体の一部が入って前記他方の駆動体の変位軌跡内の一部を通過するようになっている。なお、変位軌跡とは、駆動対の変位経路(変位する際に通る経路)と同じ意味である。
また、図8に示すように、前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)に位置している状態にあって、かつ第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)と前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)の間に位置する場合には、前記第一の駆動体87が、前記第二の駆動体97における前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)から特別図柄表示部11の右端(第3の位置)への変位軌跡上に位置することになり、前記第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)に変位するまで前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の右端(第3の位置)へ変位できないように構成されている。本実施例では、前記第一の駆動体87の下端外周に形成されている凹形状部87aに前記第二の駆動体97の上端コーナー部97aが嵌った(係合した)状態となり、その状態から第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の右端(第3の位置)へ向けて変位できない構成になっている。
なお、本実施例では、図8の状態とは逆に、前記第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)に位置している状態で、かつ前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の右端位置(第3の位置)と前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)の間に位置する場合には、前記第二の駆動体97が、前記第一の駆動体87における前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)から特別図柄表示部11の上端(第1の位置)への変位軌跡上に位置することになるが、この場合には、前記第一の駆動体87を前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)へ強引に変位させることにより、前記第二の駆動体97の先端側が押し上げられて右へ揺動し、前記特別図柄表示部11の右端(第3の位置)へ変位させることが可能に構成されている。
前記発射装置64は、操作ハンドル65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤2の表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口48から遊技盤2の裏側へ排出される。
前記遊技機1の裏側には、図9に示すように、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、サブ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等がある。符号265は外部端子、281は払出装置、283は球無し検出スイッチ、289は球貯留タンク、291は球誘導樋である。なお各制御基板には制御回路が設けられている。また、各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、図10のブロック図を用いて簡略に示す。
主制御基板(主制御回路)200は、遊技情報に従って遊技を制御すると共に、遊技情報を記憶する記憶手段を備えた遊技制御装置に相当し、CPU、RAM、ROMおよび複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを少なくとも備え、サブ制御基板205、払出制御基板240と接続され、また中継回路を介して上側始動入賞口41、下側始動入賞口42及び大入賞口45等と接続されている。前記主制御基板200のCPUは制御プログラムを実行して遊技情報に従って遊技に関わる主制御を行う。遊技情報は、前記入賞装置への入賞情報や、払出情報、ラウンド状態等、遊技の進行に必要な情報である。前記主制御基板200は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
前記主制御基板200におけるCPUは、制御部,演算部,各種カウンタ、各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、乱数値も生成し、また制御信号を接続されている各基板等へ出力(送信)可能に構成されている。なお、前記主制御基板200のCPUは、小当たり(普通図柄当たり)の当否判定や、大当たりの当否判定を行う当否判定手段としても機能する。
前記主制御基板200から出力される制御信号(コマンド)として、大当たり判定結果に基づく態様により前記特別図柄表示部11で特別図柄(識別情報)を変動表示させるための変動コマンド、前記特別図柄表示部11で特別図柄(識別情報)を停止表示させる大当たり判定結果データ、小当たり判定結果に基づく態様で前記普通図柄表示部50に表示させるための小当たり判定結果データや、電源投入時、異常時、大当たりラウンド時等のデータを挙げることができる。
前記RAMは、前記特別図柄変動保留球数(判定条件の成立数に相当する)の記憶領域、前記普通図柄変動保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、遊技に必要な遊技データ等の各種データを一時的に記憶する記憶領域や、遊技情報を記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。前記主制御基板200のRAMは、前記判定条件の成立数を記憶する記憶手段にも相当する。
前記ROMは、前記CPUのための制御プログラムや制御データ、前記特別図柄表示部11での変動表示に関する変動態様や図柄データ等が書き込まれている他、大当たり及び小当たりの判定値等が書き込まれている。
サブ制御基板205は、前記主制御基板と共に本発明における制御手段に相当し、前記主制御基板200から出力された制御信号に従って遊技の制御を行う。さらに、前記サブ制御基板205は、本発明において第一の駆動装置80及び第二の駆動装置90を各々制御する制御手段に相当し、前記第一の駆動体87及び第二の駆動体97の駆動を制御するように構成されている。また、本実施例では、前記サブ制御基板205はランプ制御基板を兼ねている。
前記サブ制御基板205は、CPU、ROM、RAM、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記主制御基板200とを結ぶ入出力回路と、表示制御基板210やランプ中継基板、音声制御基板220、第一の駆動体87の駆動モータ82、第一の駆動体87の位置検出器86B、第二の駆動体97の駆動モータ92、第二の駆動体97の位置検出器96Bとを結ぶ入出力回路を備えている。前記サブ制御基板205は、前記主制御基板200から出力された制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて、ランプ中継基板や表示制御基板210、第一の駆動体87の駆動モータ82及び第二の駆動体97の駆動モータ92へ制御信号を出力している。前記主制御基板200からの制御信号には、前記特別図柄表示部11に対する変動データや前記ランプ装置35に対する制御信号等が含まれ、その制御信号の内容に合わせて遊技の制御を行っている。また、前記サブ制御基板205は、前記第一の駆動体87の位置検出器86B及び第二の駆動体97の位置検出器96Bからの検出信号によって、前記第一の駆動体87及び第二の駆動体97の位置を検出するように構成されている。
前記サブ制御基板205のROMは制御用のプログラムやデータ定数、前記特別図柄表示部11で表示される複数の演出のデータ等が記憶され、また前記RAMは各種データの記憶領域とCPUによる作業領域を有している。前記ランプ中継基板には装飾ランプ等のランプ装置35が接続され、前記サブ制御基板205からランプ中継基板に送信された制御信号によって、ランプ装置35の作動を制御する。前記サブ制御基板205は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
表示制御基板210は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、前記サブ制御基板205を結ぶ入力回路と前記表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記サブ制御基板205から出力される制御信号に基づいて、前記表示装置10における表示の制御を行う。前記表示制御基板210のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記表示制御基板210は、前記サブ制御基板205からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示部11に出力される。
音声制御基板220は、前記サブ制御基板205から出力される信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは音声信号を増幅してスピーカ38に出力する。
払出制御基板240は、遊技球の払出を制御する払出制御手段に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有する。前記払出制御基板240は前記主制御基板200と電気的接続手段で接続され、前記主制御基板200から出力される制御信号を受信して払出装置281を制御する。前記払出制御基板240は電源基板250から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板240のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記払出制御基板240のRAMは、種々の入賞口(入賞装置)への入賞検出に基づき前記払出装置281により払い出される賞品球(遊技球)の払出個数を、1入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。
電源基板250は、遊技機1の外部より供給される主電源から遊技機1に適する所定電圧の遊技機用電源を生成して主制御基板(遊技制御装置)200やサブ制御基板205、払出制御基板240等に供給するものであり、電源装置に相当する。前記主電源は、遊技店側で所要の電圧、本実施例では直流(AC)24Vに変換されて供給される。
発射制御基板260は、前記発射装置64における発射モータの制御を行う。
前記主制御基板200に設けられる乱数用カウンタとして、大当たり乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、変動態様乱数用カウンタ、普通図柄乱数用カウンタ等がある。
大当たり乱数用カウンタは、当否判定手段による大当たりの判定に用いられ、‘0’〜‘629’の乱数からなる。前記大当たり乱数用カウンタの乱数(大当たり乱数)は、遊技機の電源投入時に‘0’から始まって後述の主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘629’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり乱数値は前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、その取得値が低確率状態時には大当たり成立数値として設定されている‘3’,‘397’の何れかと一致すれば大当たりとなり、一方高確率状態時には、大当たり成立数値として設定されている‘3’,‘33’‘53’,‘59’,‘113’,‘173’,‘227’,‘281’,‘337’,‘397’,‘449’,‘503’の何れかと一致すれば大当たりとなる。
大当たり図柄乱数用カウンタは、大当たりの当否判定結果が当たりの場合に、前記特別図柄表示部11に確定停止して揃う大当たり図柄組合せを決定するものであり、‘0’〜‘10’の乱数からなる。この大当たり図柄乱数値は、電源投入時に‘0’から始まって後述の主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘10’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり図柄乱数値は前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。前記大当たり図柄乱数値には、大当たりの当否判定結果が当たりの場合に、前記特別図柄表示部11で停止表示される大当たり図柄組合せが割り当てられている。本実施例では、‘0’の場合には大当たり図柄組合せが‘1,1,1’となる1のぞろ目(全図柄同一)、‘1’の場合には‘2,2,2’となる2のぞろ目、‘2’の場合には‘3,3,3’となる3のぞろ目、‘3’の場合には‘4,4,4’となる4のぞろ目、‘4’の場合には‘5,5,5’となる5のぞろ目、‘5’の場合には‘6,6,6’となる6のぞろ目、‘6’の場合には‘7,7,7’となる7のぞろ目、‘7’の場合には‘8,8,8’となる8のぞろ目、‘8’の場合には‘9,9,9’となる9のぞろ目、‘9’の場合には‘10,10,10’となる10のぞろ目、‘10’の場合には‘11,11,11’となる11のぞろ目からなる大当たり図柄組合せが割り当てられている。
リーチ乱数用カウンタは、前記大当たり乱数値による大当たりの当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、‘0’〜‘126’の乱数からなる。本実施例におけるリーチ状態は、前記特別図柄表示部11で変動停止表示される左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄のうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中特別図柄)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄と右特別図柄)が同一となる状態(最終停止図柄を除いて大当たりの特別図柄組合せと等しくなる状態であり、最終的に大当たりの特別図柄組合せとなる場合と外れの特別図柄組合せとなる場合が含まれる状態)をいう。このリーチ乱数用カウンタの乱数(リーチ乱数)は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘126’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。リーチ乱数は、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、当否判定結果が外れの場合に、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ有無が判断される。本実施例ではリーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’に設定されている。
特別図柄データ乱数用カウンタは、前記大当たり乱数値による大当たり判定結果が外れとなる場合において、前記特別図柄表示部11に停止表示する外れの特別図柄組合せの決定に用いられるものであり、前記特別図柄表示部11に停止表示する左特別図柄を決定する特別図柄データ1の乱数用カウンタと、中特別図柄を決定する特別図柄データ2の乱数用カウンタと、右特別図柄を決定する特別図柄データ3の乱数用カウンタとより構成され、各特別図柄データ乱数用カウンタは、‘1’〜‘11’の乱数からなる。
前記特別図柄データ1の乱数は、電源投入時に、‘1’から始まって後述の主要乱数更新処理ごとに‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘1’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。また、前記特別図柄データ2の乱数は、電源投入時に‘1’から始まって、前記特別図柄データ1の乱数が‘1’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘1’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。さらに、前記特別図柄データ3の乱数は、電源投入時に‘1’から始まって、前記特別図柄データ2の乱数が‘1’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘1’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。これによって、特別図柄データ1〜3の乱数範囲が同一であっても、当該特別図柄データ1〜3の乱数が同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
前記特別図柄データ1〜3の各乱数は‘1’の場合には1、‘1’の場合には1、‘2’の場合には2というように、当否判定結果の外れ時に前記特別図柄表示部11に停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が割り当てられている。前記特別図柄データ1〜3の乱数は、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、取得した特別図柄データ1〜3の乱数の組合せによって、外れ時に前記特別図柄表示部11に表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる識別情報が定まる。
変動態様乱数用カウンタは、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動態様を変動態様テーブルから選択する際に用いられると共に、前記第一の駆動体87及び第二の駆動体97の駆動有無を選択する際に用いられるものであり、‘0’〜‘198’の変動態様乱数値を備える。この変動態様乱数値は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘198’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。前記変動態様乱数用カウンタの乱数値(変動態様乱数値)は、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。
変動態様テーブルは複数設けられ、各変動態様テーブルは、前記特別図柄表示部11に表示する特別図柄の変動態様の複数で構成されており、前記主制御基板200のROMに記憶されている。前記変動態様テーブルからの変動態様の選択は、本実施例では、当否判定結果が当たりか外れかに応じて選択された変動態様テーブルから、変動態様乱数値に基づいて1つの変動態様が選択されるように構成されている。変動態様テーブル内の各変動態様には変動態様乱数値が割り当てられており、取得した変動態様乱数値と対応する変動態様が選択される。また、各変動態様には特別図柄を所定の態様で変動表示させる変動時間がそれぞれ設定されており、変動開始時に予め変動時間が定められる。
また、前記第一の駆動体87及び第二の駆動体97の駆動有無の選択は、当否判定結果が大当たりの場合、取得された変動態様乱数値が‘0’〜‘29’のときに駆動有りとされ、さらに‘0’〜‘9’の場合には第一の駆動体87の駆動有り、‘10’〜‘19’の場合には第二の駆動体97の駆動有り、‘20’〜‘29’の場合には前記特別図柄がリーチ状態で停止する前に第二の駆動体97を駆動し、第二の駆動体97が原点位置(本実施例では第3の位置)に戻っていることを前提にリーチ状態後に第一の駆動体87を駆動するように設定されている。一方、取得した変動態様乱数値が‘30’〜‘198’のときには駆動無しに設定されている。
また、当否判定結果が外れでリーチ有りの場合、取得された変動態様乱数値が‘0’〜‘12’の場合に駆動有りとされ、さらに‘0’〜‘4’の場合には第一の駆動体87の駆動有り、‘5’〜‘10’の場合には第二の駆動体97の駆動有り、‘11’〜‘12’の場合には前記特別図柄がリーチ状態で停止する前に第二の駆動体97を駆動し、第二の駆動体97が原点位置(本実施例では第3の位置)に戻っていることを前提にリーチ状態後に第一の駆動体87を駆動するように設定されている。一方、取得した変動態様乱数値が‘13’〜‘198’のときに駆動無しに設定されている。
また、当否判定結果がリーチ無し外れの場合、前記第一の駆動体87と第二の駆動体97は何れも駆動無しに設定されている。
なお、前記変動態様乱数値によって設定される第一の駆動体87の駆動は、前記特別図柄表示部11の上端(第1の位置)から特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)へ移動した後に特別図柄表示部11の上端(第1の位置)へ戻る往復駆動とされている。また、前記変動態様乱数値によって設定される第二の駆動体97の駆動は、前記特別図柄表示部11の右端(第3の位置)から前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)へ移動した後に特別図柄表示部11の右端(第3の位置)へ戻る往復駆動とされている。
取得された大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値については、それぞれ最大4個、前記主制御基板200のRAMにおける該当領域に、前記保留球数と対応させて格納され、順次使用される。
普通図柄乱数用カウンタは、小当たり(普通図柄当たり)を判定するもので、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まって後述の主要乱数更新処理ごとに‘1’ずつ加算され、‘299’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。この普通図柄乱数値は、前記普通図柄変動開始用ゲート55を通過した遊技球を前記普通図柄変動開始スイッチで検出するごとに取得され、最大4個まで前記主制御基板200のRAMの普通図柄乱数値記憶領域に格納される。前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することに起因して取得された普通図柄乱数値が、低確率状態時には小当たり成立数値として設定されている‘5’と一致すれば小当たり(普通図柄当たり)となり、一方高確率状態時には小当たり成立数値として設定されている‘5’〜‘24’、‘105’〜‘124’、‘205’〜‘224’と一致すれば、小当たり(普通図柄当たり)となる。
ここで前記遊技機1における遊技について簡略に説明する。前記遊技領域6へ向けて発射装置64により発射された遊技球が、種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過すると、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、普通図柄の当たり判定結果が小当たりの場合には、小当たり普通図柄、この例では『1』で停止し、前記下側始動入賞口42の2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞困難な閉状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態に変化する。前記下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
前記小当たりの確率及び小当たり時における下側始動入賞口42の開放時間及び開放回数は、小当たり時における大当たりに対する確率状態によって異なる。大当たりに対する確率が、1/315の通常確率(低確率)状態の場合には、小当たりの確率が1/300、下側始動入賞口42の開放時間1秒、下側始動入賞口42の開放回数1回に設定され、一方、大当たりに対する確率が、6/315の確変(高確率)状態の場合には、小当たりの確率が1/5、下側始動入賞口42の開放時間2秒、下側始動入賞口42の開放回数3回に設定されている。大当たりに対する確率は、後述のように、前記特別図柄表示部11で停止表示された特別図柄が奇数のぞろ目の場合に確変(高確率)状態となり、一方、停止表示された特別図柄が偶数のぞろ目の場合に通常(低確率)状態に設定され、その確率が次の大当たりまで維持される。
また、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞(判定条件が成立)すると、大当たり乱数値及び大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値等の乱数値を取得し、入賞回数(判定条件の成立数)が1加算され、すなわち本実施例では特別図柄変動保留球数が1加算されて、前記主制御基板200のRAMに、最大4となるまで記憶される。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が1以上であれば、先に取得された大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動態様乱数値に基づいて変動態様テーブルから1つの変動態様が選択される。そして選択された変動態様に基づいて前記表示装置10の特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示(可変表示)が開始される。前記特別図柄変動保留球数は、本実施例では前記当否判定結果に基づく特別図柄(識別情報)の変動表示が行われることにより前記主制御基板200のRAMから1減算される。
選択された変動態様に設定されている変動時間の経過(変動時間の終了)により、前記特別図柄表示部11で特別図柄が停止表示される。その際、外れの場合には前記特別図柄表示部11に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が外れ図柄組み合わせ(ぞろ目以外の状態)で停止し、大当たり遊技(特別遊技)に移行することがない。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が1以上であれば、再び前記と同様に大当たり乱数値等が取得され、取得された大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動態様乱数値に基づいて変動態様テーブルから1つの変動態様が抽選で選択され、選択された変動態様に基づいて前記表示装置10の特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示が開始される。なお、主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が0の場合には、その後に前記始動入賞口42に遊技球が入賞(判定条件が成立)して、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が1以上となるまで、前記当否判定及び特別図柄の変動表示が行われない。
一方、当否判定結果が大当たりの場合には、前記特別図柄表示部11に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄組み合わせ(本実施例ではぞろ目)で停止し、大当たり遊技(特別遊技)に移行する。
大当たり遊技状態になると、前記大入賞口45の開閉板46が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口45へ入賞可能にし、該大入賞口45への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板46は、所定時間(例えば30秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、15ラウンド、前記開閉板46の開閉を繰り返す。
前記大当たりには通常大当たりと確変大当たりとがある。通常大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後、次の大当たりの確率が低確率(本実施例では1/315)とされるのに対して、確変大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後に次の大当たりの確率が高確率(本実施例では6/315)に設定される。前記特別図柄表示部11に『2,2,2』等、偶数のぞろ目からなる通常大当たり図柄(通常大当たり識別情報)が表示されると通常大当たりとなり、一方、前記特別図柄表示部11に『1,1,1』等、奇数のぞろ目からなる確変大当たり図柄(確変大当たり識別情報)が表示されると確変大当たりとなる。
大当たり遊技の終了後、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が1以上であれば、再び前記と同様に取得された大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動態様乱数値に基づいて変動態様テーブルから1つの変動態様が抽選で選択され、選択された変動態様に基づいて前記表示装置10の特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示が開始される。一方、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が0の場合には、その後に前記始動入賞口42に遊技球が入賞して、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が一旦1以上となるまで、前記当否判定及び特別図柄の変動表示が行われない。
また、本実施例では、当否判定結果が当たりの場合、あるいはリーチ有り外れの場合には、前記変動態様カウンタの欄で説明したように、取得した変動態様乱数値によっては、前記特別図柄の変動表示の際に、前記第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97の何れか一方、又は両方が駆動することがある。このように、前記特別図柄が大当たりの態様で停止する場合、あるいは特別図柄がリーチ状態を経て外れ態様で停止する場合に第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97が駆動するように構成されているため、第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97が駆動を開始することによって、遊技者の大当たりに対する期待感が高まることになる。
さらに前記のように、前記第一の駆動体87と第二の駆動体97は、何れか一方が変位する際、他方の変位軌跡内に駆動体の一部が入って前記他方の変位軌跡内の一部を通過するように構成されていると共に、前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)に変位し(位置し)、かつ前記第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)から特別図柄表示部11の前面側中央付近(第2の位置)へ変位する際には前記第一の駆動体87と前記第二の駆動体97が干渉するように構成されている。そのため、前記第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97の何れか一方を駆動する際には、駆動体相互の干渉を防ぐ目的で、最初に駆動開始時手段が実行される。前記駆動開示時実行手段は、前記第一の駆動体87を原点位置である前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)に変位させた(戻した)後に、前記第二の駆動体97を原点位置である前記特別図柄表示部11の右端位置(第3の位置)に変位させる(戻す)。また、前記駆動開始時手段の実行後、前記第一の駆動体87の位置検出器86B及び第二の駆動体97の位置検出器96Bからの検出信号によって、他方の駆動体(これから変位させる駆動体とは異なる駆動体)が前記駆動開始時手段で変位させた位置に位置することを確認した後に、一方の駆動体を変位させるようになっている。これによって、一方の駆動体が変位途中で他方の駆動体と干渉して変位できなくなったり、それによって駆動装置が故障したりするのを抑制することができる。
また、本実施例では、前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)に位置する場合に、前記第一の駆動体87が前面側中央付近(第2の位置)に向かって駆動すると、前記第一の駆動体87が、前記第二の駆動体97における前記特別図柄表示部11の前面側中央付近(第4の位置)から特別図柄表示部11の右端(第3の位置)への変位軌跡上に位置することになって、前記第一の駆動体87が前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)に変位するまで前記第二の駆動体97が前記特別図柄表示部11の右端(第3の位置)へ変位できないように構成されているが、前記駆動開始時手段を設けることによって、前記第一の駆動体87を原点位置である前記特別図柄表示部11の上端位置(第1の位置)に変位させた後に、前記第二の駆動体97を原点位置である前記特別図柄表示部11の右端位置(第3の位置)に互いに支障が出ない予め定めた順序で変位させるため、第二の駆動体97を第一の駆動体87と干渉することなく変位させることができる。
次に、前記遊技機1の制御処理に関して説明する。前記主制御基板(主制御回路)200に設けられる主なフラグとして、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、確変フラグ等が挙げられる。各フラグは初期設定ではOFFに設定されている。なお各フラグは、フラグの値が0の場合にOFFとなり、一方フラグの値が1の場合にONとなる。
前記主制御基板(主制御回路)200は、前記ROMに記憶されている制御用プログラムに従い前記マイクロコンピュータのCPUにより制御処理を行う。図11は前記主制御基板200が行うメイン処理のフローチャートである。
メイン処理では、まずデバイスの初期設定(S10)が行われる。デバイスの初期設定(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。なお、電源投入時のみに必要な処理は、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
次に、割り込み禁止処理(S20)、主要乱数更新処理(S30)、割り込み許可処理(S40)が行われ、その後に再び割り込み禁止処理(S20)に戻るループ処理が行われ、この間に割込処理(S100)が行われる。
前記割り込み禁止処理(S20)では、4msecごとに割込処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。次の主要乱数更新処理(S30)では、種々の乱数が主要乱数更新処理(S30)ごとに1加算され、前記のように各乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻って再び加算が行われる。更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶される。割り込み許可処理(S40)では、4msecごとに入ってくる割込処理(S100)に対して許可をする。
割込処理(S100)では、図12に示すように、出力処理(S101)、入力処理(S102)、主要乱数更新処理(S103)、始動入賞口検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、保留球数処理(S107)、その他の処理(S108)が順に行われる。
出力処理(S101)では、各処理で設定された出力用のコマンド(制御信号)が各制御基板に送信される。
入力処理(S102)では、遊技機1に取り付けられている各種センサ(スイッチ)が検知した場合の信号入力が行われる。
主要乱数更新処理(S103)では、前記メイン処理におけるループ処理内で行われている主要乱数更新処理(S30)と同様の処理が行われる。
始動入賞口検出処理(S104)では、図13に示すように、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が検出された(判定条件が成立した)か判断され(S104−1)、入賞が検出されていない場合には前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出されたか判断される(S104−2)。前記ゲート55への遊技球通過が検出されていない場合には、この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、前記ゲート55への遊技球通過が検出された場合には、前記普通図柄変動保留球数が4以上か判断され(S104−3)、4以上の場合にはこの始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、普通図柄変動保留球数が4未満であれば普通図柄変動保留球数に1加算され(S104−4)、普通図柄乱数値が取得され、取得した普通図柄乱数値が主制御基板200のRAMにおける対応する領域に記憶され(S104−5)。この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。
前記S104−1で上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が検出されたと判断されると、前記特別図柄変動保留球数が4以上か判断され(S104−6)、4以上の場合にはこの始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、前記特別図柄変動保留球数が4未満であれば、特別図柄変動保留球数に1加算され(S104−7)、大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値等が取得されて主制御基板200のRAMの対応する領域に記憶され(S104−8)、この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。
普通動作処理(S105)では、図14に示すように、まず前記下側始動入賞口42が開放中か確認される(S105−1)。前記下側始動入賞口42が閉鎖中であれば、普通図柄変動保留球数が0か確認され(S105−2)、0であればこの普通動作処理(S105)が終了する。一方、普通図柄変動保留球数が0では無い場合には、前記始動入賞口検出処理(S104)の普通図柄乱数取得処理(S104−5)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている取得普通図柄乱数値が読み出され(S105−3)、現在確変中(高確率状態)か確認される(S105−4)。確変中ではない低確率状態の場合、前記取得普通図柄乱数値が低確率状態時の小当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での小当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S105−5)。外れの場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、小当たりの場合には、下側始動入賞口42を開放時間1秒、開放回数1回で開放する始動入賞口開放処理1が行われ(S105−6)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。それに対して、S105−4で確変中(高確率状態)と判断されると、前記取得普通図柄乱数値が高確率状態時の小当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での小当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S105−7)。外れの場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、小当たりの場合には、下側始動入賞口42を開放時間2秒、開放回数3回で開放する始動入賞口開放処理2が行われ(S105−8)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。
また、S105−1で下側始動入賞口42が開放中と判断されると、下側始動入賞口42の開放時間が経過(終了)したか確認され(S105−9)、始動入賞口開放時間が経過していない場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、始動入賞口開放時間が経過した場合には、下側始動入賞口42を閉鎖する処理が行われ(S105−10)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。
特別動作処理(S106)では、図15に示すように、特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S106−1〜S106−3)。前記特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S106−4)が行われ、前記特別動作ステータスが2の場合には変動中処理(S106−5)が行われ、前記特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S106−6)が行われ、前記特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S106−7)が行われる。
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S106−4)では、図16に示すように、特別図柄変動保留球数が0か否か判断され(S106−4−1)、特別図柄変動保留球数が0の場合には前記特別図柄表示部11が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中か否か判断され(S106−4−9)、待機画面(待ち受け画面)中であれば、この特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合には待機中にセットされ(S106−4−10)、その後にこの特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。なお、待機画面にする設定処理は、この設定処理がなされてから所定時間の間、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42に遊技球が入賞しない場合に、待ち受け画面をセットするコマンドが出力されるようにする処理である。
それに対して前記S106−4−1で特別図柄変動保留球数が0ではないと判断された場合には、特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が行われる。
特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)では、図17に示すように、まず、前記始動入賞口検出処理(S104)の特別図柄関係乱数取得処理(S104−8)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている大当たり乱数値が読み出され(S106−4−2−1)、現在確変中(高確率状態)か確認される(S106−4−2−2)。確変中ではない低確率状態の場合、前記取得大当たり乱数値が低確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S106−4−2−3)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S106−4−2−5)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。それに対して、S106−4−2−2で確変中(高確率状態)と判断されると、前記取得大当たり乱数値が高確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S106−4−2−4)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S106−4−2−5)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。この特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)は、当否判定手段に相当する。
前記特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)の次に特別図柄選択処理(S106−4−3)が行われる。
特別図柄選択処理(S106−4−3)では、前記特別図柄表示部11で停止表示する特別図柄が決定される。前記特別図柄選択処理(S106−4−3)では、図18に示すように、まず大当たりフラグがONか判断され(S106−4−3−1)、大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には前記大当たり図柄乱数に基づく特別図柄が停止特別図柄としてセットされる(S106−4−3−2)。一方、大当たりフラグがONではない、すなわち外れの場合には、特別図柄データ乱数値(特別図柄データ1・特別図柄データ2・特別図柄データ3)を取得し(S106−4−3−3)、前記特別図柄データ1と特別図柄データ2と特別図柄データ3の乱数値が全て一致しているか判断され(S106−4−3−4)、一致している場合にはリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−5)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−6)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−7)。
前記S106−4−3−4で特別図柄データ1と2と3の乱数値が一致していないと判断された場合には、特別図柄データ1と3の乱数値が一致しているか判断される(S106−4−3−8)。特別図柄データ1と3の乱数値が一致している場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−9)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−10)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−7)。
前記S106−4−3−8で特別図柄データ1と3の乱数値が一致していない、すなわち特別図柄データ1,2,3が全て異なると判断された場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−11)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄と停止右特別図柄にセットされると共に、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄にセットされる(S106−4−3−12)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−10)。
前記特別図柄選択処理(S106−4−3)の次に特別図柄変動態様選択処理(S106−4−4)が行われる。
特別図柄変動態様選択処理(S106−4−4)は、変動態様選択手段に相当する。特別図柄変動態様選択処理(S106−4−4)では、図19に示すように、まず、確変中(高確率状態)か確認され(S106−4−4−1)、通常状態(低確率状態)の場合には、大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S106−4−4−2)。
大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、第1変動態様テーブルから変動態様乱数値に基づいて当たりの変動態様が選択されると共に、本実施例では、変動態様乱数値が‘0’〜‘29’のときに第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97の少なくとも何れか一方の駆動有りに決定され、さらに変動態様乱数値が‘0’〜‘9’の場合には第一の駆動体87の駆動データが選択され、‘10’〜‘19’の場合には第二の駆動体97の駆動データが選択され、‘20’〜‘29’の場合には前記特別図柄がリーチ状態で停止する前に第二の駆動体97を駆動する駆動データと、リーチ状態後に第一の駆動体87を駆動する駆動データの両方が選択される(S106−4−4−3)。
それに対し、大当たりフラグがOFF(外れ)の場合には、第2変動態様テーブルから変動態様乱数値に基づいて外れの変動態様が選択されると共に、本実施例では、リーチ乱数値とリーチ成立数値との対比によりリーチ有りと判断され、かつ変動態様乱数値が‘0’〜‘12’の場合に第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97の少なくとも何れか一方の駆動有りに決定され、さらに変動態様乱数値が‘0’〜‘4’の場合には第一の駆動体87の駆動データが選択され、‘5’〜‘10’の場合には第二の駆動体97の駆動データが選択され、‘11’〜‘12’の場合には前記特別図柄がリーチ状態で停止する前に第二の駆動体97を駆動する駆動データと、リーチ状態で停止した後に第一の駆動体87を駆動する駆動データの両方が選択される(S106−4−4−4)。
一方、S106−4−4−1で確変中(高確率状態)と判断されると、次に大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S106−4−4−5)。大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、第3変動態様テーブルから変動態様乱数値に基づいて当たりの変動態様が選択されると共に、本実施例では、変動態様乱数値が‘0’〜‘29’のときに第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97の少なくとも何れか一方の駆動有りに決定され、さらに変動態様乱数値が‘0’〜‘9’の場合には第一の駆動体87の駆動データが選択され、‘10’〜‘19’の場合には第二の駆動体97の駆動データが選択され、‘20’〜‘29’の場合には前記特別図柄がリーチ状態で停止する前に第二の駆動体97を駆動する駆動データと、リーチ状態後に第一の駆動体87を駆動する駆動データの両方が選択される(S106−4−4−6)。
それに対し、大当たりフラグがOFF(外れ)の場合には、第4変動態様テーブルから変動態様乱数値に基づいて外れの変動態様が選択されると共に、本実施例では、リーチ乱数値とリーチ成立数値との対比によりリーチ有りと判断され、かつ変動態様乱数値が‘0’〜‘12’の場合に第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97の少なくとも何れか一方の駆動有りに決定され、さらに変動態様乱数値が‘0’〜‘4’の場合には第一の駆動体87の駆動データが選択され、‘5’〜‘10’の場合には第二の駆動体97の駆動データが選択され、‘11’〜‘12’の場合には前記特別図柄がリーチ状態で停止する前に第二の駆動体97を駆動する駆動データと、前記特別図柄がリーチ状態で停止した後に第一の駆動体87を駆動する駆動データの両方が選択される(S106−4−4−7)。前記変動態様の選択及び駆動の有無決定後、選択された変動態様及び駆動データを含む変動コマンドが送信バッファにセットされ(S106−4−8)、その他の処理(S106−4−4−9)が行われた後にこの特別図柄変動態様選択処理(S106−4−4)が終了する。なお、駆動データと対応する駆動体の動作時間(駆動開始時間)や駆動時間(駆動中となる時間)等が、後述のサブ制御処理における割り込み処理で設定される。
前記特別図柄変動態様選択処理(S106−4−4)に次いで特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)が行われる。
特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)では、前記主制御基板200のRAMにおける特別図柄変動保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄変動保留のデータが、先の処理でロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄変動保留のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図20に示すように、まず、当否判定手段の判定結果に基づく特別図柄の変動表示が行われることにより、前記主制御基板200のRAMに記憶されていた前記特別図柄変動保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S106−4−5−1)、次に各保留に対応するデータが各保留から1減算した保留のRAMアドレスにシフトされ(S106−4−5−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の保留に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S106−4−5−3)。
前記特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)に次いで、特別図柄変動開始処理(S106−4−6)が行われる。特別図柄変動開始処理(S106−4−6)では、特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。
前記特別図柄変動開始処理(S106−4−6)の次に、特別動作ステータスが2に設定され(S106−4−7)、待機中が解除され(S106−4−8)、前記特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。
前記特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S106−5)では図21に示すように、まず特別図柄の変動時間(変動態様の変動時間)が終了したか否か判断され(S106−5−1)、変動時間が終了していなければこの変動中処理(S106−5)が終了する。一方、変動時間が終了していれば変動停止コマンドがセットされる(S106−5−2)。続いて特別動作ステータスが3にセットされ(S106−5−3)、その他必要な処理(S106−5−4)が行われた後に、この変動中処理(S106−5)が終了する。
前記特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S106−6)では図22に示すように、まず大当たりフラグがONか否か、すなわち大当たりか否か判断される(S106−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、ラウンドカウンタがセットされ(S106−6−2)、大当たりコマンドが送信バッファに格納され(S106−6−3)、特別動作ステータスが4にセットされた(S106−6−4)後、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。一方、大当たりフラグがOFF、すなわち外れの場合には、特別動作ステータスが1にセットされた(S106−6−5)後、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。
前記特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S106−7)では、図23及び図24に示すように、確変フラグがOFFにされ(S106−7−1)、前記特別図柄表示部11で大当たりオープニングが実施されたか確認される(S106−7−2)。大当たりオープニングが実施されていない場合には大当たりオープニングが実施され(S106−7−3)、その後に大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)か否か判断される(S106−7−4)。一方、大当たりオープニングが実施済みの場合には、次に大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)か否か判断される(S106−7−4)。
大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技終了ではない場合には現在大入賞口45が開放中か否か判断され(S106−7−5)、開放中ではなく閉鎖中の場合には大入賞口45の開放時間か否か判断される(SS106−7−6)。大入賞口45の開放時間の場合には大入賞口の開放処理が行われ(S106−7−7)、その後にこの特別電動役物処理(S106−7)が終了する。それに対して大入賞口45の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
一方、前記S106−7−5で大入賞口45が開放中と判断されると、大入賞口45に10個遊技球が入賞(S106−7−8)、若しくはラウンド終了時間(本実施例では30秒)経過(S106−7−9)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S106−7)が終了し、それに対して大入賞口45に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S106−7−10)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S106−7−11)が行われる。なお、前記大入賞口閉鎖処理(S106−7−10)では、大入賞口閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S106−7−12)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S106−7)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了処理(S106−7−13)が行われる。その後、大当たり終了フラグがONにされ(S106−7−14)、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
それに対し、前記S106−7−4で大当たり終了フラグがON、すなわち大当たり終了と判断されると、大当たり終了フラグをOFFにセットする処理(S106−7−15)と、大当たりフラグをOFFにする処理(S106−7−16)が行われ、その後に停止特別図柄が確変図柄(本実施例では奇数のぞろ目)であるか判断される(S106−7−17)。そして、停止特別図柄が確変図柄の場合には、確変フラグがONにされ(S106−7−18)、一方、停止特別図柄が確変図柄(奇数のぞろ目)ではないと判断されると、確変フラグがOFFにされ(S106−7−19)、確変フラグのセット後に特別動作ステータスが1にセットされ(S106−7−20)、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
前記特別動作処理(S106)の次に保留球数処理(S107)が行われる。保留球数処理(S107)では、図25に示すように現在の保留球数がロードされ(S107−1)、保留球数が出力バッファにセットされる(S107−2)。
前記保留球数処理(S107)の次にその他の処理(S108)が行われる。その他の処理(S108)では、遊技制御に必要なその他の処理が行われる。
前記サブ制御基板205が行う処理について説明する。前記サブ制御基板205が行うサブ制御メイン処理Jでは、図26に示すように、遊技機1の電源投入時にサブ制御基板205において割り込み処理の禁止が行われる(S201)。割り込み処理の禁止(S201)では、割り込み処理の実行が禁止される。次にCPU設定処理が行われる(S202)。CPU設定処理(S202)では、スタックの設定、CPUの設定、SIO、CTC、割り込み設定等のCPU初期化設定等が行われる。次に、電源断信号がONでRAMの内容が正常か判断される(S203)。電源断信号が入力した際にRAMの内容が正常ではない場合、RAMの初期化が行われ(S204)、その後に割り込み処理の許可が行われる(S205)。一方、RAMの内容が正常である場合、RAMの初期化を行うことなく割り込み処理の許可が行われる(S205)。割り込み処理の許可(S205)後、ループ処理が行われる。このループ処理が行なわれている間に、前記主制御基板200からのコマンド(制御信号)受信時に外部INT割り込み処理(S300)が行われ、また、1ms毎に1msタイマ割り込み処理(S400)、10ms毎に10msタイマ割り込み処理(S500)がそれぞれ行われる。
外部INT割り込み処理(S300)では、図27に示すように、前記主制御基板200からのストローブ(STB)信号がONか確認され(S301)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、前記主制御基板200から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S302)。ここで主制御基板200から受信するコマンド(制御信号)には、変動コマンド(変動態様データ、停止図柄データ、駆動データ等を含む)、大当たり判定データ等が含まれる。それに対し、ストローブ信号がONになっていなければ、その時点でこの外部INT割り込み処理(S300)が終了する。
1msタイマ割り込み処理(S400)では、図28に示すように、入力処理(S401)、ランプデータ出力処理(S402)、駆動制御処理(S403)、その他の処理(S404)、ウォッチドックタイマ処理(S405)が行われる。入力処理(S401)では、例えば前記遊技ボタンスイッチ67の操作状況が入力される。ランプデータ出力処理(S402)では、10msタイマ割り込み処理で作成したランプ点灯パターンデータを出力する処理が行われる。
駆動制御処理(S403)では、第一の駆動体87及び第二の駆動体97を駆動させるための駆動制御データのセット等が行われる。この駆動制御処理(S403)では、図29に示すように、まず駆動制御フラグF4が1か確認(すなわち、駆動データがあるかが確認)される(S403−1)。駆動制御フラグF4が1ではない(駆動データが無い)場合、この駆動制御処理(S403)が終了し、一方、駆動制御フラグF4が1の場合には、駆動開始時設定処理(S403−2)と駆動実行処理(S403−3)等が行われる。
駆動開始時設定処理(S403−2)は、本発明における駆動開始時手段に相当する。この駆動開始時設定処理(S403−2)では、図30に示すように、第一の駆動体動作データが有るか確認される(S403−2−1)。なお、第一の駆動体動作データは、後述の10msタイマ割り込み処理(S500)におけるコマンド監視処理(S501)において設定されるものであり、前記第一の駆動体87を原点位置へ戻す動作を行わせるためのデータである。第一の駆動体動作データが有る場合、第二の駆動体設定契機か確認される(S403−2−2)。第二の駆動体設定契機は、第二の駆動体97を原点位置(第3の位置、本実施例では特別図柄表示部11の右端位置)へ戻してよい時間となっていること、すなわち第一の駆動体87が原点位置(第1の位置、本実施例では特別図柄表示部11の上端位置)に戻っている時間が経過していることである。第二の駆動体設定契機ではない場合、前記第一の駆動体87の駆動モータ82を駆動させて第一の駆動体87を原点位置(第1の位置)へ復帰(変位)させる(S403−2−3)。一方、第二の駆動体設定契機であれば、第二の駆動体駆動作開始設定が行われる(S403−2−4)。第二の駆動体駆動作開始設定では、第二の駆動体の動作データセットと第一の駆動体の動作データクリアが行われる。なお、前記第二の駆動体の動作データは、前記第二の駆動体97を原点位置へ戻す動作を行わせるためのデータである。
前記S403−2−1で第一の駆動体動作データが無いと判断された場合、あるいは前記S403−2−3又はS403−2−4の処理が終了した場合、次に前記S403−2−4で設定された第二の駆動体動作データが有るか確認される(S403−2−5)。第二の駆動体動作データが無い場合には、この駆動開始時設定処理(S403−2)が終了する。一方、第二の駆動体動作データが有る場合、前記第二の駆動体97の駆動モータ92を駆動させて第二の駆動体97を原点位置(第3の位置、本実施例では特別図柄表示部11の右端位置)へ復帰(変位)させる(S403−2−6)。次に、第二の駆動体97が原点位置(第3の位置)へ復帰(変位)する動作の時間(復帰するのに必要な時間)が経過したか確認される(S403−2−7)。原点位置(第3の位置)へ復帰(変位)する動作時間が経過していない場合にはこの駆動開始時設定処理(S403−2)が終了し、一方、原点位置(第3の位置)へ復帰(変位)する動作時間が経過している場合には、駆動開始処理済フラグF7が1に設定され、第二の駆動体動作データがクリアされ(S403−2−8)、その後にこの駆動開始時設定処理(S403−2)が終了する。つまり、前記第一の駆動体87を駆動させてから前記第二の駆動体97を駆動させるという予め定めた順序が設定されている。
駆動実行処理(S403−3)では、図31に示すように、駆動開始処理済フラグF7が1か(前記駆動開始時設定処理(駆動開始時手段)S403−2が実行済みか)確認され(S403−3−1)、駆動開始処理済フラグF7が0の場合(前記駆動開始時設定処理(駆動開始時手段)S403−2が実行されていない場合)には、この駆動実行処理(S403−3)が終了する。
一方、S403−3−1で駆動開始処理済フラグF7が1と判断された場合には、第一の駆動体87の動作時間(駆動開始時間)か確認される(S403−3−2)。なお、前記第一の駆動体87の動作時間(駆動開始時間)及び後述する第二の駆動体97の動作時間(駆動開始時間)は、前記主制御基板200における前記特別図柄変動態様選択処理(S106−4−4)で選択された駆動データにより設定される。第一の駆動体87の動作時間の場合には、第二の駆動体97が前記駆動開始時設定処理(駆動開始時手段、S403−2)で変位させた原点位置(第3の位置)にあるかが、前記第二の駆動体97に対する位置検出装置96における位置検出器96Bからの検出信号によって確認され(S403−3−3)、原点位置にある場合には第一の駆動体87の駆動が実行される(S403−3−4)。その後、第二の駆動体97の動作時間(駆動開始時間)か確認される(S403−3−5)。なお、前記S403−3−2で第一の駆動体87の動作時間ではないと判断された場合、あるいは前記S403−3−3で第二の駆動体97が原点位置にいないと判断された場合は、前記第一の駆動体87を駆動しないで次に第二の駆動体97の動作時間(駆動開始時間)か確認される(S403−3−5)。
S403−3−5において第二の駆動体97の動作時間ではないと判断された場合、この駆動実行処理(S403−3)が終了する。一方、第二の駆動体97の動作時間であると判断された場合には、第一の駆動体87が前記駆動開始時設定処理(駆動開始時手段、S403−2)で変位させた原点位置(第1の位置)にあるかが、前記第一の駆動体87に対する位置検出装置86における位置検出器86Bからの検出信号によって確認される(S403−3−6)。第一の駆動体87が原点位置にある場合には第二の駆動体97の駆動が実行され(S403−3−7)、その後にこの駆動実行処理(S403−3)が終了する。それに対して、S403−3−6で第一の駆動体87が原点位置にいないと判断されると、前記第二の駆動体97を駆動しないでその時点でこの駆動実行処理(S403−3)が終了する。なお、前記駆動実行処理(S403−3)におけるS403−3−3及びS403−3−6は、請求項1における位置確認手段による位置の確認に相当する。
前記駆動実行処理(S403−3)の次に、図29に示すように、設定された駆動時間(駆動開始から駆動終了までの時間)が終了したか確認され(S403−4)、設定された駆動時間が終了していない場合には、この駆動制御処理(S403)が終了する。一方、設定された駆動時間が終了している場合には、駆動制御フラグF4が0にセットされる(S403−5)と共に、変動開始処理済フラグF7が0にセットされ(S403−6)、その後にこの駆動制御処理(S403)が終了する。
前記駆動制御処理(S403)の次に行われるその他の処理(S404)では、その他必要な処理が行われるが、本発明とは直接関係ないため省略する。
また、前記その他の処理(S404)の次に行われるウォッチドックタイマ処理(S405)では、ウォッチドックタイマのクリア(リセット)処理が行われる。
10msタイマ割り込み処理(S500)では、図32に示すように、コマンド監視処理(S501)、電飾制御処理(S502)、その他の処理(S503)が行われる。
コマンド監視処理(S501)では、図33に示すように、前記主制御基板200からのコマンドを受信しているか確認される(S501−1)。コマンドを受信していない場合、このコマンド監視処理(S501)が終了し、一方、コマンドを受信している場合、受信したコマンド(受信コマンド)が前記変動コマンドか確認される(S501−2)。受信コマンドが変動コマンドとは異なる場合、受信コマンドに対応する処理が実行されると共にその受信コマンドがクリアされ(S501−3)、その後にこのコマンド監視処理(S501)が終了する。一方、受信コマンドが前記変動コマンドの場合、変動コマンドの中身に前記第一の駆動体87及び第二の駆動体97に関する駆動データが有るか確認される(S501−4)。受信した変動コマンドの中身に駆動データが無い場合、受信コマンドに対応する処理が実行されると共にその受信コマンドがクリアされ(S501−5)、その後にこのコマンド監視処理(S501)が終了する。一方、受信した変動コマンドの中身に駆動データが有る場合、駆動制御フラグF4が1にセットされ(S501−6)、受信コマンドに対応した駆動動作データの設定(例えば、駆動開始時設定処理において用いられる第一の駆動体の動作データのセット、第一の駆動体87や第二の駆動体97の動作時間等の設定)が行われる(S501−7)。その後、受信コマンドに対応する処理が実行されると共にそのコマンドがクリアされ(S501−5)、このコマンド監視処理(S501)が終了する。
電飾制御処理(S502)では、出力するランプ点灯パターンデータの作成及び演出時間の管理が行われる。
その他の処理(S503)では、その他の処理が行われるが、本発明に特に関わりのない処理であるため説明を割愛する。
前記実施例における駆動開始時設定処理(S403−2)では、第一の駆動体87を原点(第1の位置)へ復帰(変位)させた後に、第二の駆動体97を原点(第3の位置)へ復帰(変位)させる駆動開始時手段の実行に際し、予め第一の駆動体87及び第二駆動体97の位置を確認することなく、経過時間で実行しているが、第一の駆動体87及び第二駆動体97の位置を確認して第一の駆動体87が原点(第1の位置)に位置してなく、かつ第二の駆動体97が原点(第3の位置)に位置していないときにのみ、原点復帰動作を実行するようにしてもよい。このようにすれば、駆動体を駆動させる際に、駆動体が異常状態の位置となっているときにのみ、予め定めた順序に従って駆動体を駆動させるため、効率よく駆動体同士の干渉による駆動装置の故障の原因を抑制することが可能となる。
図34及び図35に、予め第一の駆動体87及び第二駆動体97の位置を確認した後に駆動開始時手段を実行する場合の駆動開始時設定処理(S403−2A)について説明する。この駆動開始時設定処理(S403−2A)は、図30に示した前記駆動開始時設定処理(S403−2)に代えて行われる。この駆動開始時設定処理(S403−2A)では、まず、駆動開始処理済フラグF7が1か確認され(S403−2A−1)、駆動開始処理済フラグF7が1(前記駆動開始時設定処理(駆動開始時手段)S403−2が実行済み)の場合には、この駆動開始時設定処理(S403−2A)が終了する。
一方、駆動開始処理済フラグF7が1ではない(前記駆動開始時設定処理(駆動開始時手段)S403−2が実行されていない)場合、駆動動作時確認カウンタの値が0か確認される(S403−2A−2)。なお、駆動動作時確認カウンタの値は0,1,2の3種類あり、基本的には最初は0に設定されている。駆動動作時確認カウンタの値が0の場合、第一の駆動体87が原点(第1の位置)に位置するかが、前記第一の駆動体87に対する位置検出装置86における位置検出器86Bからの検出信号によって確認される(S403−2A−3)。第一の駆動体87が原点(第1の位置)に位置しない場合には、前記第一の駆動装置80の駆動モータ82を駆動させて第一の駆動体87を原点(第1の位置)へ戻す動作を行い(S403−2A−4)、一方、第一の駆動体87が原点(第1の位置)に位置する場合、駆動動作時確認カウンタの値が1にセットされ(S403−2A−5)、その後にこの駆動開始時設定処理(S403−2A)が終了する。
それに対して、S403−2A−2で駆動動作時確認カウンタの値が0ではないと判断された場合、次に駆動動作時確認カウンタの値が1か確認され(S403−2A−6)。駆動動作時確認カウンタの値が1の場合、第二の駆動体97が原点(第3の位置)に位置するかが、前記第二の駆動体97に対する位置検出装置96における位置検出器96Bからの検出信号によって確認される(S403−2A−7)。第二の駆動体97が原点(第3の位置)に位置しない場合、前記第二の駆動装置90の駆動モータ92を駆動させて第二の駆動体97を原点(第3の位置)へ戻す動作を行い(S403−2A−8)、一方、第二の駆動体97が原点(第3の位置)に位置する場合、駆動動作時確認カウンタの値が2にセットされ(S403−2A−9)、その後にこの駆動開始時設定処理(S403−2A)が終了する。
また、S403−2A−6で駆動動作時確認カウンタの値が1ではない、すなわち2と判断されると、第一の駆動体87及び第二の駆動体97が原点復帰したと判断し、前記駆動開始時処理済フラグF7が1にセットされる(S403−2A−10)と共に、駆動動作時カウンタの値が0にセットされ(S403−2A−11)、その後にこの駆動開始時設定処理(S403−2A)が終了する。なお、駆動開始時設定処理(S403−2A)におけるS403−2A−2、S403−2A−3、S403−2A−6、S403−2A−7、S403−2A−11は、位置確認手段による位置の確認に相当し、S403−2A(S403−2A−4及びS403−2A−8)が駆動開始時手段に相当する。
また、前記の実施例では、変動コマンドによって特別図柄が変動表示される場合において、駆動データによって第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97が変位する際、予め第一の駆動体87を原点(第1の位置)へ変位させ、次に第二の駆動体97を原点(第3の位置)へ変位させる駆動開始時手段を実行しているが、前記第一の駆動体87及び第二の駆動体97が変動コマンドの駆動データで駆動しない状態の時に、例えば、特別図柄が変動表示していない状態等の時に、前記第一の駆動体87及び第二の駆動体97が原点(第1の位置、第3の位置)に位置しない異常状態となっているかを確認して、異常状態の場合には第一の駆動体87及び第二の駆動体97を原点位置に変位させたり、異常報知を表示手段(例えば前記表示装置10等)や音声手段(例えば前記スピーカ38等)あるいは発光手段(例えば前記装飾ランプ35等)等の異常報知手段で行う駆動状態確認処理を行うようにしてもよい。この駆動状態確認処理を行うことによって、第一の駆動体87及び第二の駆動体97の異常状態を解消または、報知することが可能となる、駆動装置の破損となる原因を抑制することがより容易に可能となる。
図36は前記駆動状態確認処理(S403−A)を、前記1msタイマ割り込み処理(S400)におけるランプデータ出力処理(S402)の次に行うようにした場合の1msタイマ割り込み処理のフローチャート、図37及び図38はその場合における駆動状態確認処理(S403−A)のフローチャートである。
駆動状態確認処理(S403−A)では、前記駆動制御フラグF4が1か(すなわち駆動データ有りか)確認され(S403−A−1)、駆動制御フラグF4が1の場合、すなわち変動コマンドに含まれた駆動データにより第一の駆動体87あるいは第二の駆動体97の少なくとも一方が駆動する場合、この駆動状態確認処理(S403−A)が終了する。
それに対して、駆動制御フラグF4が1ではない場合、すなわち、変動コマンドに含まれた駆動データによっては第一の駆動体87及び第二の駆動体97の何れも駆動しない場合、第一の駆動体87が原点位置(第1の位置)に位置するかが、前記第一の駆動体87に対する位置検出装置86の位置検出器86Bからの検出信号によって確認される(S403−A−2)。第一の駆動体87が原点(第1の位置)に位置しない場合には、異常状態であるため、異常1フラグF5が1か確認される(S403−A−7)。異常1フラグF5が1ではない場合、第一の駆動体異常タイマーがセットされると共に異常1フラグF5が1にセットされる(S403−A−8)。その際、例えば、第一の駆動体87の往復駆動時間を約6秒とした場合、片道約3秒となるため、第一の駆動体87が原点位置へ戻るのにかかる時間として、片道約3秒よりも幾分余裕のある5秒が第一の駆動体異常タイマーの値としてセットされる。その後、前記第一の駆動装置80の駆動モータ82を駆動させて第一の駆動体87を原点(第1の位置)へ戻す動作を行うと共に、第一の駆動体異常タイマーの値が減算される(S403−A−10)。一方、S403−A−7で異常1フラグF5が1と判断されると、第一の駆動体異常タイマーの値が0か確認される(S403−A−9)。第一の駆動体異常タイマーの値が0ではないと判断されると、前記第一の駆動体87を原点(第1の位置)へ戻す動作を継続して行うと共に、第一の駆動体異常タイマーの値が減算される(S403−A−10)。それに対して、S403−A−9において第一の駆動体異常タイマーの値が0と判断されると、すなわち、前記第一の駆動体異常タイマーに設定された時間内に第一の駆動体87が原点(第1の位置)へ戻っていない場合、異常報知設定が行われる(S403−A−11)。異常報知設定では、表示・ランプ・音声等によって異常を報知するように設定される。
前記S403−A−10あるいはS403−A−11の処理が行われた後に、異常1フラグF5が0にセットされているかを確認し(S403−A−4)、セットされていれば前記第一の駆動体87が原点(第1の位置)に戻っていると判断して、第二の駆動体97Aが原点(第3の位置)に位置するかが、前記第二の駆動体97に対する位置検出装置96における位置検出器96Bからの検出信号によって確認される(S403−A−5)。S403−A−4で異常1フラグF5が0にセットされていないと判断された場合、前記第一の駆動体87がまだ原点(第1の位置)に戻っていないと判断してこの駆動状態確認処理(S403−A)は終了する。第二の駆動体97が原点(第3の位置)に位置しない場合、異常状態であるため、異常2フラグF6が1か確認される(S403−A−12)。異常2フラグF6が1ではない場合、第二の駆動体異常タイマーがセットされると共に異常2フラグF6が1にセットされる(S403−A−13)。その際、例えば、第二の駆動体97の往復駆動時間を約3秒とした場合、片道約1.5秒となるため、第二の駆動体97が原点位置へ戻るのにかかる時間として、片道約1.5秒よりも幾分余裕のある2秒が第二の駆動体異常タイマーの値としてセットされる。その後、前記第二の駆動装置90の駆動モータ92を駆動させて第二の駆動体97を原点(第3の位置)へ戻す動作を行うと共に、第二の駆動体異常タイマーの値が減算される(S403−A−15)。一方、S403−A−12で異常2フラグF6が1と判断されると、第二の駆動体異常タイマーの値が0か確認される(S403−A−14)。第二の駆動体異常タイマーの値が0ではないと判断されると、前記第二の駆動体97を原点(第3の位置)へ戻す動作を継続して行うと共に、第二の駆動体異常タイマーの値が減算される(S403−A−15)。それに対して、S403−A−14において第二の駆動体異常タイマーの値が0と判断されると、すなわち、前記第二の駆動体異常タイマーに設定された時間内に第二の駆動体97が原点(第3の位置)へ戻っていない場合、異常報知設定が行われる(S403−A−16)。異常報知設定では、表示・ランプ・音声等によって異常を報知するように設定される。その後にこの駆動状態確認処理(S403−A)が終了する。
一方、前記S403−A−2において第一の駆動体87が原点(第1の位置)に位置すると判断された場合には、第一の駆動体87が正常状態であるため、前記第一の駆動体異常タイマーがリセットされると共に異常1フラグF5が0にセットされる(S403−A−3)。その後、異常1フラグF5が0にセットされているかを確認し(S403−A−4)、セットされていれば前記第一の駆動体87が原点(第1の位置)に戻っていると判断して、第二の駆動体97が原点位置(第3の位置)に位置するか確認される(S403−A−5)。第二の駆動体97が原点(第3の位置)に位置しない場合には、第二の駆動体97が異常状態であるため、前記S403−A−12〜S403−A−16の処理が行われ、この駆動状態確認処理(S403−A)が終了する。それに対して、S403−A−5で第二の駆動体97が原点(第3の位置)に位置すると判断されると、第二の駆動体97が正常状態であるため、第二の駆動体異常タイマーがリセットされると共に異常2フラグF6が0にセットされ(S403−A−6)、この駆動状態確認処理(S403−A)が終了する。
このように本発明の遊技機においては、予め定めた順序で複数の駆動体を駆動させるため、複数の駆動装置が互いに干渉する場合であっても、駆動装置の故障の原因を抑制することが可能となる。
なお、前記実施例では、第一の駆動体は直線往復駆動をするタイプ、第二の駆動体は揺動駆動をするタイプとされているが、本発明の駆動体の駆動方法はそれに限定されるものではなく、他の駆動方法であってもよい。そして、本実施例では大当たりやリーチ有外れ時に駆動する構成であるが、リーチ無し外れ時にも駆動する構成があってもよい。更に、本実施例では2つの駆動体で行っているが2つ以上の複数の駆動体の場合に適用してもよいとする。また、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、さらにはパチンコ遊技機に限定されるものでもなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。