JP6101305B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、遊技機には、例えば遊技盤に設けられ、所定の作動範囲内で作動可能な可動役物を備えたものがある。可動役物の作動中に異常(エラー)が発生したとき、例えば、その可動役物を一旦基準位置(原点位置)に戻し、通常の作動状態に復帰させる復帰処理を行う(特許文献1参照)。
特開2009−66196号公報
しかしながら、従来は、可動役物の復帰処理の際に、異常(エラー)が発生した可動役物をその可動役物の作動範囲のうちの一部の範囲で作動させて復帰処理を行っていた。そのため、復帰処理を行って可動役物の異常が解消しなかった場合に、どこかに不具合が発生していることはわかるものの、その不具合が可動役物の作動に関する機械的な不具合なのか、それとも可動役物の作動状態(位置)を検出するセンサの不具合なのか、識別することが困難であった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣低下を抑制できる遊技機を提供しようとするものである。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の構成を採用した。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
本発明の遊技機(1)は、所定の作動範囲内で作動可能な複数の可動役物(211〜218)と、該可動役物の作動を制御する制御手段(320、340)と、前記作動範囲内に配置され、前記可動役物の前記作動範囲内の位置を検出する複数の位置検出手段(344〜347)と、前記可動役物の作動及び前記位置検出手段の異常を前記位置検出手段による検出によって判定する異常判定手段(320、340)と、を備え、前記制御手段は、異常が発生した前記可動役物を正常な状態に復帰させるための復帰処理を行う際に、前記可動役物が前記作動範囲内の前記位置検出手段が配置された位置を通過するように所定の動作順序で前記可動役物を作動させ、前記異常判定手段は、前記復帰処理において、前記制御手段による前記可動役物の作動により、前記可動役物の作動及び複数の前記位置検出手段の異常を判定し、かつ、前記制御手段は、前記異常判定手段による前記可動役物の作動及び前記位置検出手段の異常の判定に基づいて、前記復帰処理後に、前記可動役物を作動又は停止させて前記可動役物同士の接触を回避可能とされる。
このように、本発明によれば、遊技の興趣低下を抑制できる遊技機を提供することができる。
パチンコ遊技機を示す概略正面図である。 遊技盤の構成を示す説明図である。 パチンコ遊技機の概略構成を示すブロック図である。 (A)は第1特別図柄の大当たり判定テーブルを例示し、(B)は第2特別図柄の大当たり判定テーブルを例示し、(C)は普通図柄の当たり判定テーブルを例示する説明図である。 (A)は大当たりにおける図柄決定テーブルを例示し、(B)は確変大当たりとなる割合を例示し、(C)はハズレにおける図柄決定テーブルを例示する説明図である。 変動パターンの決定のためのテーブルを例示する説明図である。 遊技盤の構成を示す説明図である。 第1中央可動役物の構成を示す説明図である。 第1中央可動役物の第1装飾部材及び第2装飾部材を中心とする構成を示す説明図である。 (A)〜(C)は第1中央可動役物の第1装飾部材及び第2装飾部材の移動を示す説明図である。 第1中央可動役物の構成を示す説明図であって、裏面から見た図である。 (A)〜(C)は第1中央可動役物の第1装飾部材及び第2装飾部材の相対的な移動を示す説明図である。 案内部の構成を示す説明図である。 (A)は可動役物が進出位置に位置する場合の説明図であり、(B)は第2中央可動役物が退避位置に位置する場合の説明図である。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される復旧処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される電断監視処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行されるスイッチ処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される第1始動装置スイッチ処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される第2始動装置スイッチ処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行されるゲートスイッチ処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される特別図柄処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される大当たり判定処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される停止中処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される普通図柄処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される電動チューリップ処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される大入賞装置開放制御処理を示すフローチャートである。 主制御基板300のメインCPU301aによって実行される遊技状態設定処理を示すフローチャートである。 演出制御基板320のサブCPU320aによって実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 演出制御基板320のサブCPU320aによって実行されるコマンド処理を示すフローチャートである。 演出制御基板320のサブCPU320aによって実行されるリトライ処理を示すフローチャートである。 演出制御基板320のサブCPU320aによって実行される復帰処理を示すフローチャートである。 演出制御基板320のサブCPU320aによって実行される異常推定処理を示すフローチャートである。 (A)〜(C)は第1中央可動役物211の復帰処理動作の例を示す説明図である。 (A)〜(C)は第2中央可動役物212及び可動役物213〜218の復帰処理動作の例を示す説明図である。 演出制御基板320のサブCPU320aによって実行される保留関連処理を示すフローチャートである。 演出制御基板320のサブCPU320aによって実行される保留処理を示すフローチャートである。 演出制御基板320のサブCPU320aによって実行される稼動状態判定処理を示すフローチャートである。 演出制御基板320のサブCPU320aによって実行されるリトライ処理の別例を示すフローチャートである。 干渉条件判定テーブルを例示する説明図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態としての遊技機1について説明する。
[遊技機1の構成]
図1を用いて、遊技機1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態の遊技機1の概略正面図である。遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すよう構成されたパチンコ遊技機である。なお、本実施形態の遊技機1は、1種タイプと呼ばれるパチンコ遊技機である。
図1に示すように、遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤100と、遊技盤100を囲む枠部材101とを備えている。なお、遊技盤100の詳細構成は、図1では不図示(空白)としており、別途、図2を用いて後述する。
枠部材101は、遊技盤100の盤面と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持するいわゆるガラス枠である。枠部材101が支持するガラス板と遊技盤100とによって、遊技球が流下可能な遊技領域102が形成されている。
枠部材101は、その上部中央に、演出などで発光する枠ランプ103を有している。枠ランプ103の左右両側には、スピーカ104が設けられている。また、枠部材101は、その下部が遊技者側へ突出した構成となっており、その突出部分の上面に、円形の演出ボタン105が設けられている。演出ボタン105の左側手前には、4つの押しボタン
からなる演出キー106が設けられている。さらに、演出ボタン105の奥側には、遊技球を発射装置(不図示)へ案内する皿107が設けられている。枠部材101は、その右側下部に、ハンドル108を有している。ハンドル108には、レバー109が回転可能に取り付けられている。また、ハンドル108には、レバー109の回転にかかわらず一時的に遊技球の発射を停止させるための停止ボタン110が設けられている。
図2を用いて、遊技機1における略中央部に配置される遊技盤100の具体的構成を説明する。図2に示すように、遊技盤100は、その中央に、液晶表示装置201を有している。また、遊技盤100は、入賞や判定に関する役物として、第1始動装置202、第2始動装置203、電動チューリップ204、2つのゲート205、大入賞装置206、4つの一般入賞装置207、及び、表示器208を有している。
また、遊技盤100は、演出用の可動(電動)役物(ギミック)として、第1中央可動役物211、第2中央可動役物212、右下側可動役物213、左下側可動役物214、右中側可動役物215、左中側可動役物216、右上側可動役物217、及び、左上側可動役物218を有している。以降、これらの複数を単に可動役物として記載する場合がある。これら各可動役物211〜218は、それぞれ、ステッピングモータによって個別に駆動される。また、ステッピングモータによる各可動役物211〜218の駆動は、それぞれ、後述するようにランプ制御基板340(図3参照)により制御される演出用駆動装置341により実現される。
液晶表示装置201は、各可動役物211〜218、及び遊技領域102の中央の下寄りに配置される壁部材219により囲まれる領域を含む大きな表示画面を有しており、上述した領域は全て画像が表示可能な領域(前方から遊技者が画像を視認可能な領域)となっている。この領域を、以降、表示領域201aと記載する。
第1始動装置202は、液晶表示装置201の下方で遊技盤100の左右中央に設けられている。第1始動装置202の下方に、第2始動装置203が設けられている。また、第2始動装置203に近接して、普通電動役物としての電動チューリップ204が設けられている。ゲート205は、遊技盤100の右側下部及び左側上部にそれぞれ1つずつ設けられている。液晶表示装置201の下方右寄りに、大入賞装置206が設けられている。4つの一般入賞装置207のうちの3つは遊技盤100の左側下部に設けられ、残りの1つは遊技盤100の右側下部に設けられている。なお、遊技盤100の最下部には、入賞しなかった遊技球を排出する排出装置209が設けられている。
図1及び図2に示したような構成により、遊技者がハンドル108を握ってレバー109を時計方向に回転させると、皿107に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、レバー109の回転角度に応じた打球力で遊技領域102へ向けて発射される。発射装置により発射された遊技球は、遊技盤100の左端側に設けられた外レール210a及び内レール210bの間を上昇し、やがて遊技領域102内の上部へ到達する。遊技領域102内の上部へ到達した遊技球は、その後、遊技領域102内を落下する。このとき、遊技球は、遊技領域102に設けられた複数の釘や風車等に接触することでその移動方向を変化させながら(予測不能に)遊技盤100の盤上を落下する。なお、上述したように遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン110を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がレバー109を回転操作することよって遊技球を発射させる際、遊技者がハンドル108のレバー109を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、図2の波線矢印Aに例示されるように遊技領域102における左側領域を流下する。一方、遊技
者がレバー109を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、図2の波線矢印Bに例示されるように遊技領域102における右側領域を流下する。したがって、右側のゲート205や大入賞装置206へ入賞させる際は「右打ち」が必要となってくる。
第1始動装置202は、常時開放されている始動装置である。この第1始動装置202には、遊技球の入球を検出する第1始動装置検出スイッチ304(図3参照)が設けられている。この第1始動装置検出スイッチ304により遊技球の入球が検出されることによって入賞すると、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かが判定されてその判定結果が表示器208に表示されると共に、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
第2始動装置203は、電動チューリップ204が作動しているときだけ開放される始動装置である。この第2始動装置203には、遊技球の入球を検出する第2始動装置検出スイッチ305(図3参照)が設けられている。この第2始動装置検出スイッチ305により遊技球の入球が検出されることによって入賞すると、上記第1始動装置202と同様に、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かが判定されてその判定結果が表示器208に表示されると共に、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
なお、以下の説明では、第1始動装置202を通過した遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」ということとし、第2始動装置203への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」ということとし、これらの判定を総称して「特別図柄判定」ということとする。
大入賞装置206は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この大入賞装置206の開口部には、大入賞装置206を開閉するプレートが設けられている。大入賞装置206は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器208に停止表示された場合、すなわち大当たりが発生した場合、上記プレートを作動させて大入賞装置206を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
電動チューリップ204は、第2始動装置203に近接配置されており、第2始動装置203における遊技球が入球する開口部を閉塞又は開放するための1つのプレートを有している。この電動チューリップ204は、プレートが第2始動装置203の開口部を開放する開姿勢(図2参照)と、第2始動装置203の開口部を閉塞する閉姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動装置203は、通常は電動チューリップ204によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート205を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動装置203を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動装置203を開放すると判定された場合、電動チューリップ204のプレートが規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数だけ繰り返される。このように、第2始動装置203は、電動チューリップ204が作動していないとき(つまりプレートが閉姿勢のとき)には遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ204が作動する(つまりプレートが開姿勢になる)と遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート205への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
4つの一般入賞装置207は、第1始動装置202と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球がある入賞装置である。なお、第1始動装置202等とは異なり、一般入賞装置207に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
演出用のギミックとしての各可動役物211〜218は、遊技者に様々な期待感を与えるために駆動される役物であり、それぞれ、遊技の進行状況等に応じて予め決められた移動パターンで遊技領域102を移動する。図2には、各可動役物211〜218がいずれも駆動開始前の原点位置に位置している状態が示されている。各可動役物211〜218の詳細な構成及び動作については後述する。
[表示器208の構成]
表示器208は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものである。図3(詳細は後述)に示されるように、表示器208は、より詳しくは、2つの特別図柄表示器371,372、2つの特別図柄保留表示器373,374、普通図柄表示器375、及び、普通図柄保留表示器376を有している。2つの特別図柄表示器371,372のうち、一方は、第1特別図柄表示器371であり、他方は、第2特別図柄表示器372である。2つの特別図柄保留表示器373のうち、一方は、第1特別図柄保留表示器373であり、他方は、第2特別図柄保留表示器374である。
第1特別図柄表示器371は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器371には、第1特別図柄判定の結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器372は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器372には、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第2特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
ところで、特別図柄判定に係る図柄の変動表示や大当たり遊技などが行われている最中に、第1始動装置202に新たに遊技球が入賞した場合は、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機1は、第1始動装置202に遊技球が入賞しても即座に第1特別図柄判定を実行できない場合には第1特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第1特別図柄保留表示器373は、このようにして保留された第1特別図柄判定の保留数を表示する。
同様に、特別図柄判定に係る図柄の変動表示や大当たり遊技などが行われている最中に、第2始動装置203に新たに遊技球が入賞した場合も、この入賞を契機とする第2特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機1は、第2始動装置203に遊技球が入賞しても即座に第2特別図柄判定を実行できない場合には第2特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第2特別図柄保留表示器374は、このようにして保留された第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器375は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。なお、例えば普通図柄表示器375における図柄の変動表示中など、遊技球が
ゲート205を通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、普通図柄判定の権利が保留される。普通図柄保留表示器376は、このようして保留された普通図柄判定の保留数を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器371又は第2特別図柄表示器372に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器375に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[遊技機1の内部構成]
図3は、遊技機1のブロック図である。遊技機1は、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、画像制御基板330、ランプ制御基板340、発射制御基板350、及び電源基板360を備えている。
主制御基板300は、遊技機の基本動作を制御する。主制御基板300は、ワンチップマイコン301を備えており、ワンチップマイコン301は、メインCPU301a、メインROM301bおよびメインRAM301cを含んでいる。また、主制御基板300は、主制御用の入力ポート及び出力ポート(いずれも不図示)を備えている。
この主制御用の入力ポートには、一般入賞装置207に遊技球が入球したことを検知する一般入賞装置検出スイッチ302、普通図柄ゲート205に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ303、第1始動装置202に遊技球が入球したことを検知する第1始動装置検出スイッチ304、第2始動装置203に遊技球が入球したことを検知する第2始動装置検出スイッチ305、大入賞装置206に遊技球が入球したことを検知する大入賞装置検出スイッチ306、及び、払出制御基板310が接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板300に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、第2始動装置203に近接配置された電動チューリップ204のプレートを開閉動作させる始動装置開閉ソレノイド307、大入賞装置206を開閉するプレートを動作させる大入賞装置開閉ソレノイド308、表示器208、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板309、払出制御基板310、及び、演出制御基板320が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。なお、表示器208は、既述の通り、特別図柄を表示する特別図柄表示器371,372、普通図柄を表示する普通図柄表示器375、特別図柄判定の保留数を表示する特別図柄保留表示器373,374、及び、普通図柄判定の保留数を表示する普通図柄保留表示器376を有しており、これら各表示器371〜376がそれぞれ主制御用の出力ポートに接続されている。
遊技情報出力端子板309は、主制御基板300において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板309は主制御基板300と配線接続され、遊技情報出力端子板309には、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
主制御基板300のワンチップマイコン301において、メインCPU301aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づき、メインROM301bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
また、メインROM301bには、遊技制御用のプログラムや各種遊技に必要なテーブルが記憶されている。例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パター
ン決定テーブル等が記憶されている。なお、ここに挙げたテーブルは一部に過ぎず、図示しないテーブルが多数設けられている。
さらにまた、メインRAM301cは、メインCPU301aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM301cには、普通図柄判定の保留数、普通図柄乱数、特別図柄の保留数、ラウンド数R、大入賞装置への入球数、確変遊技フラグ・時短遊技フラグ・役物演出フラグ等の各種フラグなどが記憶される。なお、ここに挙げたものの他にも、多数の情報が記憶される。
払出制御基板310は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板310は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板300に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計測スイッチ311、扉開放スイッチ312、及び、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板300に送信する。また、払出制御基板310の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ313が接続されている。払出CPUは、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ313を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板320は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板320は、サブCPU320a、サブROM320b、サブRAM320cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から演出制御基板320への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU320aは、主制御基板300から送信されたコマンド、演出ボタン検出スイッチ321、演出キー検出スイッチ322、及び、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM320bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。サブRAM320cは、サブCPU320aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板320におけるサブCPU320aは、主制御基板300から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置201、音声出力装置331、演出用駆動装置341、演出用照明装置342に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、これら各データを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。
演出制御基板320のサブROM320bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板300から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する装飾図柄の組み合わせを決定するための装飾図柄決定テーブル等がサブROM320bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板320のサブRAM320cは、複数の記憶領域を有している。これらの記憶領域には、遊技状態、演出モード、演出パターン、装飾図柄、計数カウンタ、発射操
作情報等が記憶される。なお、この他にも多数の情報が記憶される。
画像制御基板330は、液晶表示装置201の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、制御ROM、制御RAM、CGROM、VRAM、VDPと、音声CPU、音声ROM、及び、音声RAMを備えている。この画像制御基板330は、演出制御基板320に双方向通信可能に接続されており、その出力側に液晶表示装置201および音声出力装置331が接続されている。
画像CPUは、演出制御基板320から受信したコマンドに基づいて、VDPに所定の画像を表示させる制御を行う。制御RAMは、画像CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ROMから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。また、制御ROMには、画像CPUの制御処理のプログラムや、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報などが記憶されている。
CGROMには、液晶表示装置201に表示される装飾図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板320から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、CGROMに格納された所定の画像データをVRAMに展開させ、VRAMに展開された画像データを液晶表示装置201に表示させる制御を行う。
また、音声ROMには、音声出力装置331から出力するための音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板320から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置331における音声出力制御を行う。
ランプ制御基板340は、遊技盤100に設けられた不図示の盤ランプを点灯制御したり、枠部材101に設けられた枠ランプ103を制御したりする。また、ランプ制御基板340は、演出用駆動装置341を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板340は、演出制御基板320に接続されており、演出制御基板320から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。なお、役物演出フラグが「ON」のときには可動役物211〜218の演出的な動作を実行するが、役物演出フラグが「OFF」のときには演出的な動作は実行しない。
また、演出用駆動装置341には、可動役物211〜218を個別に駆動するための可動役物駆動装置343が含まれる。演出制御基板320は、主制御基板300から受信した変動パターン指定コマンドに基づき、サブROM320bに記憶されている駆動パターン決定テーブルを参照して、可動役物211〜218毎に個別にこれらの動作を制御するためのデータを生成して、ランプ制御基板340へ出力する。
可動役物211〜218の近傍には、それぞれ各可動役物211〜218が原点位置(基準位置)にあることを検出する原点位置検出センサ344が設けられている。また、可動役物211の近傍には、可動役物211が後述する特定基準位置にあることを検出する特定基準位置検出センサ345及び後述する進出位置にあることを検出する進出位置検出センサ346が設けられている。また、可動役物212〜218の近傍には、それぞれ各可動役物212〜218が後述する進出位置にあることを検出する進出位置検出センサ346及び後述する退避位置にあることを検出する退避位置検出センサ347が設けられている。
各位置検出センサ344〜347からの検出信号は、ランプ制御基板340に入力される。各位置検出センサ344〜347の出力値が、各可動役物211〜218が所定の位
置にあるときの出力値と異なる場合に、各可動役物211〜218が所定の位置に位置しないと判断できる。なお、各位置検出センサ344〜347の構成は、特に限定されるものではなく、例えば可動役物が所定の位置にあることを検出する光学センサや、可動役物が所定の位置にあるときに押圧されるスイッチ式のセンサなどを利用することが考えられる。
発射制御基板350は、タッチセンサ351からのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム352から供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド353や玉送りソレノイド354に対する通電制御を行う。
タッチセンサ351は、遊技者がハンドル108に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成され、遊技者がハンドル108に触れたことを検知すると、発射制御基板350に発射用ソレノイド353の通電を許可するタッチ信号を出力する。
発射ボリューム352は、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム352に印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板350へ供給する。
ここで、発射用ソレノイド353の回転速度は、発射制御基板350に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間に発射される遊技球の個数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
なお、タッチセンサ351からのタッチ信号及び発射ボリューム352からの電圧信号は、演出制御基板320へ入力されるようになっている。これにより、演出制御基板320において遊技球の発射を検出可能となる。
電源基板360は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1内の各部に電源電圧を供給する。具体的には、電源基板360は、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、発射制御基板350へ電源電圧を供給する。また、電源基板360は、遊技機1内に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板300に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU301aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU301aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
[各種テーブル]
図4〜図6を用いて、メインROM301bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図4(A)及び(B)は、「大当たりの判定」に用いられる大当り判定テーブルを示している。図4(A)は、第1特別図柄の大当り判定テーブルであり、図4(B)は、第2特別図柄の大当り判定テーブルである。
大当り判定テーブルは、遊技状態及び取得された大当たり乱数に基づいて、「大当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。大当たり乱数は、「0」〜「598」のいずれかの数値として、第1始動装置202又は第2始動装置203への入球時に取得される。
ここで図4(A)及び(B)に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態においては、大当たりの判定に関する状態として「通常遊技状態」と「確変遊技状態」とを有する。
「通常遊技状態」というのは、第1始動装置202または第2始動装置203に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当たりとなる確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「確変遊技状態」というのは、上記大当たりとなる確率が1/29.9に設定された遊技状態をいう。したがって、「確変遊技状態」では、「通常遊技状態」よりも、大当たりに当選し易いこととなる。なお、この確変遊技状態のときには、後述する確変遊技フラグが「ON」にセットされており、通常遊技状態のときには、確変遊技フラグが「OFF」になっている。また、通常遊技状態から確変遊技状態に移行するのは、確変大当たり遊技を終了した後である。
なお、「大当たり」とは、大入賞装置206を開放させる特別遊技である。具体的には、第1始動装置202または第2始動装置203に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当りに当選したときに実行される遊技をいう。
「大当たり」においては、大入賞装置206が開放されるラウンド遊技を合計15回又は合計8回行う。各ラウンド遊技における大入賞装置206の最大開放時間は最大29.5秒に設定されており、この間に大入賞装置206に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。「大当たり」は、大入賞装置206に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能である。また、大入賞装置206は、遊技盤100の右側の下部に設けられていることから、「大当たり」のときには、ハンドル108のレバー109を大きく回転させる、いわゆる「右打ち」で遊技を行うこととなる。
図4(A)に示す第1特別図柄の大当り判定テーブルによれば、通常遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「7」又は「8」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の大当たり乱数が大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。
大当たり乱数の乱数範囲が「0」〜「598」であるから、通常遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。
図4(C)は、「普通図柄の当たり判定」に用いられる当り判定テーブルを例示する説明図である。
当たり判定テーブルは、遊技状態及び取得された普通図柄乱数に基づいて、「当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。普通図柄乱数は、「0」〜「65535」のいずれかの数値として、ゲート205の通過時に取得される。
ここで図4(C)に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態では、第2始動装置203に近接して配置された電動チューリップ204に関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。上述した大当たりの判定に関する状態(通常遊技状態、確変遊技状態)と電動チューリップ204に関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「通常遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されている。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、ゲート205を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の当たり判定において、その判定結果に対応する普通図柄の変動時間が12秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動装置203の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、ゲート205を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示器375において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから12秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、電動チューリップ204の作動により第2始動装置203が約0.2秒間開放される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、ゲート205を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の当たり判定において、その判定結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動装置203の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグが「ON」にセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグが「OFF」になっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、ゲート205を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動装置203が開放状態に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技の進行において遊技球の消費が抑えられる。
なお、普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
図4(C)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「0」のときに当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「0」〜「65534」のいずれかであるときに当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
普通図柄乱数の範囲が「0」〜「65535」であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
図5は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを例示する説明図である。
図5(A)は、大当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図5(B)は、15R大当たりとなる確率を示す説明図であり、図5(C)は、ハズレのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。
図5(A)では、「特別図柄」の種別(遊技球が第1始動装置202及び第2始動装置203のいずれに入球したか)と、第1始動装置202または第2始動装置203に遊技球が入球したときに取得される「大当たり図柄用乱数値」に基づいて、大当たりの「種別」及び停止図柄データが決定される。なお、大当たり図柄用乱数は、その範囲が「0」〜「99」に設定されている。また、確変大当たりとなるか通常大当たりとなるかの確率は
、それぞれ1/2(50%)となっている。
図5(A)に示すように、第1特別図柄において大当たりのときには大当たり図柄用乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「0」〜「49」のいずれかであれば、1/2の確率で「確変15R大当たり」となり、1/2の確率で「通常15R大当たり」となる。このときは、停止図柄データがそれぞれ「01」、「02」となる。
同様に、大当たり図柄用乱数が「50」〜「99」のいずれかであれば、1/2の確率で「確変8R大当たり」となり、1/2の確率で「通常8R大当たり」となる。このときは、停止図柄データがそれぞれ「03」、「04」となる。
第2特別図柄において大当たりのときにも大当たり用図柄乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「0」〜「74」のいずれかであれば、1/2の確率で「確変15R大当たり」となり、1/2の確率で「通常15R大当たり」となる。このときは、停止図柄データがそれぞれ「05」、「06」となる。
同様に、大当たり図柄用乱数が「75」〜「99」のいずれかであれば、1/2の確率で「確変8R大当たり」となり、1/2の確率で「通常8R大当たり」となる。このときは、停止図柄データがそれぞれ「07」、「08」となる。
図5(B)に示すように15R大当たりとなる割合は、第1特別図柄で大当たりとなった場合が50%であるのに対し、第2特別図柄で大当たりとなった場合は、75%となっている。
図5(C)に示すように、第1特別図柄においても第2特別図柄においても判定結果がハズレのときには、停止図柄データは「00」となる。
なお、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり終了後の遊技状態、大当たり態様が決定される。
[変動パターン決定テーブル]
図6は、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを例示する説明図である。
図6に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動パターン決定テーブルは共通となっている。変動パターンは、判定結果、遊技状態、保留球数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数に基づいて決定される。なお、リーチ乱数及び変動パターン乱数は「0」〜「99」の値をとる。
図6に例示されるように、判定結果が確変大当たりである場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。具体的には、変動パターン乱数が「0」〜「29」のときは、変動パターン1が選択される。このとき、変動時間は20秒であり、リーチAによって大当たりとなる。そして、大当たり終了後、確変遊技状態で遊技が制御される。また、変動パターン乱数が「30」〜「99」のときは、変動パターン2が選択される。このとき、変動時間は30秒であり、リーチBによって大当たりとなる。そして、大当たり終了後、確変遊技状態で遊技が制御される。
判定結果が通常大当たりである場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。具体的には、変動パターン乱数が「0」〜「29」のときは、変動パターン1が選択される。このとき、変動時間は20秒であり、リーチAによって大当たりとなる。そ
して、大当たり終了後、通常遊技状態で遊技が制御される。また、変動パターン乱数が「30」〜「99」のときは、変動パターン2が選択される。このとき、変動時間は30秒であり、リーチBによって大当たりとなる。そして、大当たり終了後、通常遊技状態で遊技が制御される。
判定結果がハズレである場合、遊技状態、保留球数、リーチ判定用乱数、及び、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。
具体的には、遊技状態が「非時短遊技状態」で保留球数が「0〜2」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン3,4,5のいずれかが選択される。変動パターン3は変動時間が10秒の通常変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン5は変動時間が30秒でありリーチBでハズレとなる。
遊技状態が「非時短遊技状態」で保留球数が「3〜4」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン4,5,6のいずれかが選択される。変動パターン6は変動時間が5秒の短縮変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン5は変動時間が30秒でありリーチBでハズレとなる。
遊技状態が「時短遊技状態」で保留球数が「0〜1」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン3,4,5のいずれかが選択される。変動パターン3は変動時間が10秒の通常変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン5は変動時間が30秒でありリーチBでハズレとなる。
遊技状態が「時短遊技状態」で保留球数が「2〜4」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン4,6,7のいずれかが選択される。変動パターン4は変動時間が5秒の短縮変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン7は変動時間が5秒でありリーチCでハズレとなる。変動パターン7は、リーチであるにもかかわらず、変動時間の短い変動パターンである。
なお、図6に例示する特別図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、判定結果がハズレの場合に時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が「2」のときには、時短遊技状態であればリーチ乱数に基づいて95%の確率で変動時間が5秒の変動パターン6(短縮変動)が決定されるが、非時短遊技状態であれば変動時間が10秒を超える変動パターンが決定される。このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
[可動役物]
図7〜図14を用いて、第1中央可動役物211及び第2中央可動役物212の詳細について説明する。なお以下の説明における前後、上下、左右の方向は遊技者が当該遊技機1にて遊技を行う場合の方向であり、遊技者が位置する側を遊技機1における前方として説明する。
図7は、第1中央可動役物211が図2に示した原点位置から上方向の進出位置へと駆動され、且つ、第2中央可動役物212が図2に示した原点位置から上方向の退避位置へと駆動された状態を示す図である。他の可動役物213〜218は原点位置にある。第1中央可動役物211は、液晶表示装置201における装飾図柄等の演出に合せた所定の駆動タイミングで進出位置へと駆動され、それと同時に第2中央可動役物212が退避位置へ移動する。
図8は、第1中央可動役物211及びその第1駆動装置801を示す図である。第1中央可動役物211は、意匠的に特徴を有する複数の装飾部材802〜805を有しており、これらが連動して移動する。本実施形態において、第1装飾部材802はカップをイメージした形状であり、第2装飾部材803はカップの台座をイメージした形状である。第2装飾部材803は第1装飾部材802の前側(遊技者側)に位置しており、第1装飾部材802のカップの脚に一部が重なるように配置される。第3装飾部材804、第4装飾部材805はそれぞれ向かい合う人の形をイメージした形状であり、カップの台座を支えるように見える位置関係で移動する。
第1駆動装置801は演出用駆動装置341の一部であって、装飾部材802〜805を支持するための複数の柱状のリンク部材を有しており、そのうちの一部のリンク部材(第1リンク部材806、第2リンク部材807)を図示しないステッピングモータにより回転軸808、809を中心に回転駆動させることにより各装飾部材802〜805の移動を実現する。第1装飾部材802、第2装飾部材803は原点位置から進出位置までの間で上下方向に移動する。第3装飾部材804は右斜め下方向に下がり、左斜め上方向に上がる(図中矢印方向)。また第4装飾部材805は左斜め下方向に下がり、右斜め上方向に上がる(図中矢印方向)。また、第1駆動装置801には案内部810が設けられており、第1中央可動役物211の移動を案内する。
図7に説明を戻る。第1中央可動役物211は、液晶表示装置201の表示領域201a上を移動する。より詳細には、第1装飾部材802の中心部分802aが、遊技者側(すなわち前方側)表示領域201aの外縁上の間隔を空けた2点(第1通過点201b、第2通過点201c)を通過するように移動する。
第1通過点201b及び第2通過点201cは、表示領域201aの中心部201dに対して略反対側の位置に設定されている。第1装飾部材802の中心部分802aがこれら2点の間を移動する際には、第1装飾部材802は直線的に移動する。すなわち、第1中央可動役物211はその一部の領域が表示領域201aを跨ぐように真っ直ぐに移動する。
図9は、第1装飾部材802、第2装飾部材803とそれらを支持する柱状のリンク部材を示す図である。第1装飾部材802、第2装飾部材803を第3リンク部材901、第4リンク部材902が支持し、それらのリンク部材の下端を第1リンク部材806、第2リンク部材807が支持している。すなわち、第1装飾部材802及び第2装飾部材803は、左右の二つのリンク機構により保持される。それらのリンク機構は、一端が第1駆動装置801の本体部を介して遊技盤100に連結され、他端が第1装飾部材802、第2装飾部材803に連結されるものであるといえる。
図10(A)〜(C)は、第1装飾部材802、第2装飾部材803の動作を説明する図である。図9に示す状態から第1リンク部材806、第2リンク部材807を回転軸808、809を中心に下方向に回転させると、図10(A)のように、第1装飾部材802、第2装飾部材803は真っ直ぐに下方に移動する。このとき、第1装飾部材802、第2装飾部材803は、遊技者から見て表示領域201aの外縁と重ならない位置にある。
第1装飾部材802、第2装飾部材803がさらに下方に移動すると、図10(B)に示すように第1装飾部材802、第2装飾部材803が第1駆動装置801の上に移動する。このとき、第1装飾部材802と第2装飾部材803との重複部分が大きくなる。またこのとき、案内部810によって第1装飾部材802、第2装飾部材803の移動がガ
イドされる。案内部810の詳細は後述する。
第1装飾部材802、第2装飾部材803がさらに下方に移動すると、図10(C)に示すように、第1装飾部材802が表示領域201aと略平行に回転する。このように回転することによって、第1装飾部材802の表示領域201aに突出する部分の面積を、上記回転が行われないと仮定した場合に表示領域201aに突出する部分の面積と比較して小さくすることができる。この図10(C)とき、装飾部材802は遊技者から見て表示領域201aの外縁と重なる位置にある。
図10(A)〜(C)のように第1装飾部材802と第2装飾部材803との位置関係が変化する理由を図11、図12にて説明する。
図11は、図9に示す装飾部材とリンク部材とを裏面から見た図である。第3リンク部材901、第4リンク部材902は、下端が第1リンク部材806、第2リンク部材807に対して、前後方向に長さを有する回転軸を中心として回動可能(屈曲可能)に連結しており、上端が第1装飾部材802に連結している。
装飾部材802及び装飾部材803は、補助リンク部材1101、1102により互いに連結される。補助リンク部材1101、1102の上端は、第3リンク部材901及び第4リンク部材902の上方寄りの位置に連結されており、下端は第2装飾部材803の裏面に固定された連結具1103に連結されている。連結具1103の下部には、左右方向に回転軸を有するローラー1104が形成されている。ローラー1104は全体として左右方向に長さを有する円柱形状であるが、先端の一部分が回転軸から離れる方向に突出した突起状(フランジ状)に形成されている。
第1装飾部材802の裏面には溝1105が設けられている。溝1105は、下方側の領域は下方向に延びており、上方側の領域は図11における左方向に緩やかに屈曲して第1装飾部材802の左右方向の中心からずれる。連結具1103には突起1106が設けられており、溝1105内に進入している。
なお、電線束1107がリンク部材806、901に沿って配置されているが、電線束1107の詳細は後述する。またリンク部材806、901には電線束1107を保護する透明なカバーが設けられているが、理解を容易にするために図11では電線束1107を実線で示している。
図12(A)〜(C)は、第1装飾部材802、第2装飾部材803の近傍の拡大図である。図11に示す状態では、図12(A)のように突起1106が溝1105の下方側の領域に位置している。第1装飾部材802、第2装飾部材803下方に移動すると、第3リンク部材901の下端及び第4リンク部材902の下端は当初わずかに接近するが、その後は徐々に離れていく。
すると、図12(B)に示すように、第3リンク部材901、第4リンク部材902と補助リンク部材1101、1102の傾斜が徐々に大きくなっていき、それにより連結具1103が第1装飾部材802側に引き寄せられる。その結果、第1装飾部材802と第2装飾部材803との重複する重複面積が大きくなる。すなわちこの重複面積は、第1装飾部材802が下方に移動して表示領域201aの外縁に重なる位置にある場合において、第1装飾部材802が上記外縁と重ならない程度に上方に位置する場合よりも大きい。また、突起1106は溝1105を上方側の領域に向かって移動していく。
さらに第3リンク部材901と第4リンク部材902が傾斜していくと、図12(C)
に示すように、第2装飾部材803が第1装飾部材802側に最も近づく。そのとき、突起1106は溝1105の上方側の領域に進入する。溝1105は屈曲しており上方側が第1装飾部材802の左右方向の中心からずれているため、突起1106が溝1105にガイドされて第1装飾部材802と第2装飾部材803との位置関係が変化し、第2装飾部材803に対して第1装飾部材802が傾いた位置関係となる。
説明を図11に戻る。第1リンク部材806、第3リンク部材901の背面には、帯状に並べられた複数の電線からなる電線束1107が第1リンク部材806、第3リンク部材901に沿って配置されている。この電線束1107により、ランプ制御基板340からの電気信号(制御信号及び電力の少なくともいずれか一方)が、第1装飾部材802に設けられた電子部品1111(本実施例においてはライト)に送信される。これにより、ライトが遊技状態に応じて作動する。
電線束1107は、電線束1107を長さ方向に区分した領域として、複数の電線を並べて接着してなる接着領域と、複数の電線がそれぞれ分離してなる非接着領域と、を有する。第1リンク部材806裏面に固定される電線束1107のうち、第1リンク部材806と第3リンク部材901とが屈曲する屈曲部分1108寄りの領域と、屈曲部分1108に沿って配置される領域は非接着領域1107aである。一方、非接着領域1107a以外の部分、具体的には、第1リンク部材806裏面に固定される電線束1107のうち第1駆動装置801寄りの領域と、非接着領域1107aよりも上側の部分は全て接着領域1107bである。
第3リンク部材901の上端は、第1装飾部材802に対して前後方向に延びる回転軸901aを中心として回動可能に連結されている。電線束1107は、第3リンク部材901の上部の第1折り返し部1109にて折り返されてリンク部材901の側方に飛び出し、第2折り返し部1110にて再度折り返され、第1装飾部材802に備えられる電子部品1111に接続される。
第2折り返し部1110では折り返した後の電線束1107は、第3リンク部材901と第1装飾部材802との連結部分(回転軸901a)に沿って配置されており、その部分の電線束1107における複数の電線の並びは、回転軸901aの軸方向と略同じ方向となる。換言すると、電線束1107の幅方向が回転軸901aの軸方向と略同じ方向となる。
図13は、案内部810の拡大斜視図である。案内部810は遊技盤100に固設されて第2装飾部材803の移動を案内するものである。図13では第2装飾部材803の図示は省略し、連結具1103とローラー1104を示す。図10(A)から図10(B)のように連結具1103(第2装飾部材803)が下方に移動し、原点位置と進出位置との間に位置する所定の位置(ガイド開始位置)まで下がると、ローラー1104のフランジ部分がガイド溝1301に挿入される。これにより、所定の位置から原点位置までの範囲に位置するときの連結具1103の移動が案内される。案内部810の上端には傾斜面1302が形成されており、連結具1103が下方に移動して所定の位置に移動したときにローラー1104が傾斜面1302に乗ることでスムーズにガイド溝1301に進入する。またガイド溝1301の前方にはカバー1303が設けられており、これによってローラー1104が前方へ移動することも抑制される。
図14(A)は、可動役物212〜218が進出位置にある状態を示す図であり、図14(B)は、可動役物212〜218が退避位置にある状態を示す図である。可動役物212〜218は、図2の原点位置から、液晶表示装置201における装飾図柄等の演出に合せた所定の駆動タイミングで、図14(A)のように遊技機1の中央側の領域に移動し
た進出位置、及び図14(B)のように遊技機1の外周側の領域に移動した退避位置の間で移動可能である。
まず、第2中央可動役物212の動作をより具体的に説明する。第2中央可動役物212は、当該遊技機1の遊技状態に応じて定まる動作モードである第1動作モード、第2動作モード、及び第3動作モードにて動作可能であり、各動作モードに応じてそれぞれ異なる領域へ移動する。
動作モードとは、本実施形態においては可動役物212〜218の動作タイミングを区別するために定義されたものである。第1動作モードは各可動役物212〜218が動作を行わず待機する動作モードである。第2動作モードは煽り演出等を行うときの動作モードである。また第3動作モードは煽り演出等を行うとき、及び異常が発生したときの動作モードである。これらの動作モードは主制御基板300から受信する制御信号に応じて演出制御基板320が切り替える。
第1動作モードのときには、第2中央可動役物212は原点位置に移動する。第2動作モードのときには、第2中央可動役物212は原点位置よりも遊技機1の中央側の領域(進出位置)に移動する。第3動作モードのときには、第2中央可動役物212は原点位置よりも遊技機1の外周側の領域(退避位置)に移動する。
なお、第3動作モードとなる状況として、第1中央可動役物211が演出動作の1つである特定演出動作で動作し、図7に示すように第1中央可動役物211が上方に移動して第2中央可動役物212と前後方向に重なる状況がある。第1中央可動役物211の特定演出動作を簡単に説明すると、第1中央可動役物211は、特定演出動作が開始されると原点位置から所定量上方に移動し、その位置(図10(A)と図10(B)との間の位置)で上下方向に揺動する。次いで、所定量下方に移動して特定基準位置(図10(B)の位置)に到達する。このとき、特定基準位置検出センサ345によりその特定基準位置への到達が検出される。次いで、特定基準位置から所定量下方に移動して停止した後、進出位置まで上方に移動する。このとき、第2中央可動役物212は、退避位置に移動する。
ここで、第2中央可動役物212の退避位置とは、第1中央可動役物211が上方に移動したときに第1中央可動役物211、及び、第1駆動装置801の各部位が通過しない領域である。したがって、第2中央可動役物212は第1中央可動役物211が上方に移動したときに第1中央可動役物211やそれを支持するリンク部材等に接触することを抑制できる。但し、本実施形態においては第2中央可動役物212が原点位置にあっても設計上は第1中央可動役物211と第2中央可動役物212とは接触しない。第2中央可動役物212が退避位置に移動することによって、接触してしまう危険をより低減することができる。
次に、可動役物213〜218を説明する。右下側可動役物213は、第2動作モードのときには、所定の駆動タイミングで、原点位置(図2参照)から左方向の進出位置(図14(A)参照)へと駆動される。一方、第3動作モードのときには、原点位置から右方向の退避位置(図14(B)参照)へと駆動される。
また、左下側可動役物214は第2動作モードのときには、所定の駆動タイミングで、原点位置(図2参照)から右方向の進出位置(図14(A)参照)へと駆動される。一方、第3動作モードのときには、原点位置から左方向の退避位置(図14(B)参照)へと駆動される。
また、右中側可動役物215は、第2動作モードのときには、所定の駆動タイミングで
、原点位置(図2参照)から左方向の進出位置(図14(A)参照)へと駆動される。一方、第3動作モードのときには、原点位置から右方向の退避位置(図14(B)参照)へと駆動される。
また、左中側可動役物216は、第2動作モードのときには、所定の駆動タイミングで、原点位置(図2参照)から右方向の進出位置(図14(A)参照)へと駆動される。一方、第3動作モードのときには、原点位置から左方向の退避位置(図14(B)参照)へと駆動される。
また、右上側可動役物217は、第2動作モードのときには、所定の駆動タイミングで、原点位置(図2参照)から左斜め下方向の進出位置(図14(A)参照)へと駆動される。一方、第3動作モードのときには、原点位置から右斜め上方向の退避位置(図14(B)参照)へと駆動される。
また、左上側可動役物218は、第2動作モードのときには、所定の駆動タイミングで、原点位置(図2参照)から右斜め下方向の進出位置(図14(A)参照)へと駆動される。一方、第3動作モードのときには、原点位置から左斜め下方向の退避位置(図14(B)参照)へと駆動される。
ところで、可動役物212〜218の退避位置とは、各可動役物212〜218を遊技盤100に固定するための固定具を装着可能な位置である。固定具とは、スポンジやクリップ型の装置であって、遊技盤100に取り付けることで可動役物212〜218の移動を抑制する装置である。
[主制御基板のメイン処理]
図15を用いて、主制御基板300において実行されるメイン処理について説明する。ここで、図15は、主制御基板300において実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。主制御基板300は、電源投入時に、このメイン処理を実行する。主制御基板300のメイン処理は、メインROM301bに記憶されているプログラムに基づいてメインCPU301aが実行するものである。
最初のS1501では、メインRAM301cへのアクセスを許可する。この処理は、例えば電源投入後、1000msを待機した後に行われる。
S1502では、RAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判断する。ここでRAMクリアスイッチが「ON」であると判断された場合(S1502:YES)、S1511へ移行する。一方、RAMクリアスイッチが「ON」でないと判断された場合(S1502:NO)、すなわちRAMクリアスイッチが「OFF」である場合には、S1503へ移行する。
S1503では、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判断する。バックアップフラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、遊技機1への電源が遮断された状態になるとセットされて「ON」となる。ここでバックアップフラグが「ON」であると判断された場合(S1503:YES)、S1504へ移行する。一方、バックアップフラグが「ON」でないと判断された場合(S1503:NO)、すなわちバックアップフラグが「OFF」である場合には、S1511へ移行する。
S1504では、チェックサムが正常であるか否かを判断する。チェックサムとは、バックアップ情報に対して作成されるものであり、データの加算値が一致することでバックアップ情報の正当性を判断しようというものである。ここでチェックサムが正常であると
判断された場合(S1504:YES)、S1505へ移行する。一方、チェックサムが正常でないと判断された場合(S1504:NO)、S1511へ移行する。
S1505では、復旧処理を実行する。復旧処理の詳細については後述する。
S1506では、CTC周期の設定を行う。この処理は、内蔵されているタイマカウンタであるCTCの周期を設定するものである。例えば4msに設定するという具合である。これにより、メインCPU301aは、CTCの周期で、後述するタイマ割込処理を実行する。
S1507では、電断監視処理を実行する。電断監視処理の詳細については後述する。
S1508では、割込禁止設定を行う。この処理は、メインCPU301aによるタイマ割込処理を禁止するものである。
S1509では、乱数更新処理を行う。この処理は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数値を更新するものである。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「1」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻される。
S1510では、割込許可設定を行う。この処理は、メインCPU301aによるタイマ割込処理を許可するものである。そして、S1510の処理終了後、S1507からの処理を繰り返す。
S1511には、S1502で肯定判断された場合、S1503で否定判断された場合、及び、S1504で否定判断された場合に移行する。S1511では、RAMクリアを行う。RAMクリアとは、主制御基板300が設定する各種フラグやカウント値を初期化するものである。例えば各種フラグには、確変フラグや時短フラグが挙げられる。カウント値には、時短変動回数Wなどが挙げられる。
S1512では、周辺部初期設定を行う。この処理は、主制御基板300から払出制御基板310及び演出制御基板320へ初期設定コマンドを送信するものである。これにより、払出制御基板310及び演出制御基板320にて、初期設定が行われる。S1512の処理終了後、上述したS1506へ移行する。
[復旧処理]
図16を用い、主制御基板300において実行される復旧処理について説明する。この復旧処理は、図15のS1505にて実行されるものである。
最初のS1601では、作業領域を設定する。この処理は、作業領域は、復旧処理に用いられる領域であり、メインRAM301cに設定される。
S1602では、復旧コマンドを作成する。この復旧コマンドには、遊技状態に関するコマンドが含まれる。すなわち、確変遊技フラグ及び時短遊技フラグなどである。また、これらフラグに関するカウンタのカウント値が含まれる。さらに、保留表示に関連する保留情報が含まれる。
S1603では、復旧コマンドを送信する。この処理は、S1602にて作成した復旧コマンドを演出制御基板320へ送信するものである。
S1604ではバックアップフラグを「OFF」とし、その後、復旧処理を終了する。
[電断監視処理]
図17を用い、主制御基板300において実行される電断監視処理について説明する。この電断監視処理は、図15のS1507にて実行されるものである。
最初のS1701では、割込禁止設定を行う。この処理は、この処理は、メインCPU301aによるタイマ割込処理を禁止するものである。
S1702では、電源が遮断されたか否かを判断する。この処理は、遊技機1への電源供給が遮断されたか否かを判断するものである。ここで電源が遮断されたと判断された場合(S1702:YES)、S1703へ移行する。一方、電源が遮断されていないと判断された場合(S1702:NO)、S1706へ移行する。
S1703では、バックアップ情報を作成して格納する。バックアップ情報はメインRAM301cに格納される。このとき、チェックサムを作成しバックアップ情報とともに格納する。バックアップ情報は上述したように、復旧コマンドの作成に用いられる。
S1704では、バックアップフラグを「ON」にする。バックアップフラグは、メインRAM301cに格納される。
S1705ではRAMアクセスを禁止し、その後、メイン処理(図15参照)を終了する。
S1706には、S1702で電源が遮断されていないと判断された場合に移行する。S1706では、割込許可設定を行う。この処理は、メインCPU301aのタイマ割込処理を許可するものである。S1706の処理終了後、図15のS1508へ移行する。
[タイマ割込処理]
図18を用いて、主制御基板300において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図18は、主制御基板300において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。主制御基板300は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図18に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図18以降のフローチャートに基づいて説明する主制御基板300の処理は、メインROM301bに記憶されているプログラムに基づいてメインCPU301aが実行するものである。
まず、S1801では、乱数更新処理を実行する。この処理は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数値を更新するものである。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「1」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻される。
S1802では、スイッチ処理を行う。この処理は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に実行されるものである。なお、スイッチ処理の詳細については後述する。
S1803では、特別図柄処理を行う。この処理は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す停止図柄を停止表示させる処理等を含む。なお、特別図柄処理の詳細については後述する。
S1804では、普通図柄処理を行う。この処理は、普通図柄判定を実行し、普通図柄
表示器205に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む。この普通図柄処理の詳細については後述する。
S1805では、電動チューリップ処理を行う。この処理は、普通図柄判定を行った結果、第2始動装置124を開放すると判定した場合に、電動チューリップ125を作動させるものである。電動チューリップ処理の詳細については後述する。
S1806では、大入賞装置開放制御処理を行う。この処理は、S1803において大当たりであると判定した場合、大入賞装置開閉ソレノイド308を制御して大入賞装置127を開放するものである。大入賞装置開放制御処理の詳細については後述する。
S1807では、賞球処理を実行する。この処理は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御するものである。
S1808では、送信処理を実行する。この処理は、S1807以前の処理ステップにおいてメインRAM301cにセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板320に送信するものである。
[スイッチ処理]
図19は、図18のS1802におけるスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1901では、第1始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号の入力の有無を監視して、S1801の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第1始動装置スイッチ処理については、さらに後述する。
続くS1902では、第2始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号の入力の有無を監視して、S1801の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第2始動装置スイッチ処理についてはさらに後述する。
次のS1903では、ゲートスイッチ処理を実行する。この処理は、ゲート検出スイッチ303からの検知信号の入力の有無を監視して、S1801の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲート検出スイッチ303からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。ゲートスイッチ処理についてはさらに後述する。
[第1始動装置スイッチ処理]
図20は、図19のS1901における第1始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2001では、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったか否かを判定する。この処理は、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号(第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったか否かを判定するものである。ここで第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったと判定した場合(S2001:YES)、S2002へ移行する。一方、第1始動装置検出スイッチ304が「ON
」になっていないと判定した場合(S2001:NO)、以降の処理を実行せず、第1始動装置スイッチ処理を終了する。
S2002では、保留数U1が最大保留数Umax1未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めメインROM301bに記憶されている最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここで、U1<Umax1であると判断された場合(S2002:YES)、S2003へ移行する。一方、U1≧Umax1であると判断された場合(S2002:NO)、以降の処理を実行せず、第1始動装置スイッチ処理を終了する。
S2003では、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する。
S2004〜S2007では、各種乱数を取得する。この処理は、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM301cに格納するものである。
S2008では、事前判定を行う。ここでは、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択を事前に行う。これらの処理は、後述する特別図柄処理で行われるものと同様のものである。したがって、詳細な処理については、後述する。
ここでは最初に、S2004にて取得した大当たり用乱数に基づいて大当たりであるか否かを判定する。
大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S2005にて取得した大当たり図柄乱数に基づいて大当たり図柄(停止図柄データ)を決定する。図5(A)に示したように、大当たり図柄乱数が「0〜49」のときは15R大当たりとなり、大当たり図柄乱数が「50〜99」のときは8R大当たりとなる。また、15R大当たりのうち1/2の割合で確変15R大当たりとなり、1/2の割合で通常15R大当たりとなる。このときはそれぞれ、停止図柄データが「01」、「02」となる。また、8R大当たりのうち1/2の割合で確変8R大当たりとなり、1/2の割合で通常8R大当たりとなる。このときはそれぞれ、停止図柄データが「03」、「04」となる。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、ハズレ図柄(停止図柄データ)が選択される。ハズレのときの停止図柄データは「00」である。
また、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S2007にて取得した変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する。具体的には、図6に示すように、大当たりの場合には、変動パターン1又は変動パターン2が選択される。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、S2006にて取得したリーチ乱数、S2007にて取得した変動パターン乱数、遊技状態、及び、保留数に基づいて、変動パターンを選択する。この場合は、変動パターン3〜変動パターン6のいずれかが選択される。
上述したように、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択は、後述する特別図柄処理で行われる。したがって、変動パターンは、特別図柄処理を実行する時点での保留数に応じて、変更されることがあり得る。
S2009では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U1)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
なお、S2009でセットされた保留コマンドは、図18のS1808にて演出制御基板320へ送信される。
[第2始動装置スイッチ処理]
図21は、図19のS1902における第2始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。第2始動装置スイッチ処理は、上述した第1始動装置スイッチ処理と同様のものである。
最初のS2101では、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったか否かを判定する。この処理は、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号(第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったか否かを判定するものである。ここで第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったと判定した場合(S2101:YES)、S2102へ移行する。一方、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になっていないと判定した場合(S2101:NO)、以降の処理を実行せず、第2始動装置スイッチ処理を終了する。
S2102では、保留数U2が最大保留数Umax2未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている第2特別図柄保留数U2が、予めメインROM301bに記憶されている最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここで、U2<Umax2であると判断された場合(S2102:YES)、S2103へ移行する。一方、U2≧Umax2であると判断された場合(S2102:NO)、以降の処理を実行せず、第2始動装置スイッチ処理を終了する。
S2103では、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する。
S2104〜S2107では、各種乱数を取得する。この処理は、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM301cに格納するものである。
S2108では、事前判定を行う。ここでは、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択を事前に行う。これらの処理は、後述する特別図柄処理で行われるものと同様のものである。したがって、詳細な処理については、後述する。
ここでは最初に、S2104にて取得した大当たり用乱数に基づいて大当たりであるか否かを判定する。
大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S2105にて取得した大当たり用図柄乱数に基づいて大当たり図柄(停止図柄データ)を決定する。図5(A)に示したように、大当たり用図柄乱数が「0〜74」のときは15R大当たりとなり、大当たり図柄乱数が「75〜99」のときは8R大当たりとなる。また、15R大当たりのうち1/2の割合で確変15R大当たりとなり、1/2の割合で通常15R大当たりとなる。このときはそれぞれ、停止図柄データが「05」、「06」となる。また、8R大当たりのうち1
/2の割合で確変8R大当たりとなり、1/2の割合で通常8R大当たりとなる。このときはそれぞれ、停止図柄データが「07」、「08」となる。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、ハズレ図柄(停止図柄データ)が選択される。ハズレのときの停止図柄データは「00」である。
また、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S2107にて取得した変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する。具体的には、図6に示すように、大当たりの場合には、変動パターン1又は変動パターン2が選択される。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、S2106にて取得したリーチ乱数、S2107にて取得した変動パターン乱数、遊技状態、及び、保留数に基づいて、変動パターンを選択する。このときは、変動パターン3〜変動パターン6のいずれかが選択される。
上述したように、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択は、後述する特別図柄処理で行われる。したがって、変動パターンは、特別図柄処理を実行する時点での保留数に応じて、変更されることがあり得る。
S2109では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U2)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
なお、S2109でセットされた保留コマンド及び先読みコマンドは、図18のS1808にて演出制御基板320へ送信される。
[ゲートスイッチ処理]
図22は、図19のS1903におけるゲートスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2201では、ゲート検出スイッチ303が「ON」となったか否かを判断する。この処理は、ゲート検出スイッチ303からの検知信号(ゲート検出スイッチ303が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲート検出スイッチ303が「ON」になったか否かを判断するものである。ここでゲート検出スイッチ303が「ON」になったと判断された場合(S2201:YES)、S2202へ移行する。一方、ゲート検出スイッチ303が「ON」になっていないと判断された場合(S2201:NO)、以降の処理を実行せず、ゲートスイッチ処理を終了する。
S2202では、保留数Tが最大保留数Tmax未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている普通図柄判定の保留数Tが、メインROM301bに予め記憶されている普通図柄判定の最大保留数Tmax(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここでT<Tmaxであると判断された場合(S2202:YES)、S2203へ移行する。一方、T≧Tmaxであると判断された場合(S2202:NO)、以降の処理を実行せずに、ゲートスイッチ処理を終了する。
S2203では、保留数Tを「1」加算した値に更新する。続くS2204では、普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、メインRAM301cに格納する。
[特別図柄処理]
図23を用いて、主制御基板300によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。図23は、図18のS1803の特別図柄処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2301では、大当たり遊技中であるか否かを判断する。大当たり遊技中である場合には、メインRAM301cに記憶される大当たり遊技フラグが「ON」にされる。この処理は、メインRAM301cに記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断するものである。ここで大当たり遊技中であると判断された場合(S2301:YES)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。一方、大当たり遊技中でないと判断された場合(S2301:NO)、S2302へ移行する。
S2302では、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。ここで特別図柄の変動表示中でないと判断された場合(S2302:NO)、S2303へ移行する。一方、特別図柄の変動表示中であると判断された場合(S2302:YES)、S2311へ移行する。
S2303では、第1特別図柄判定の保留数U1又は第2特別図柄判定の保留数U2のうちいずれか一方が「0」よりも大きいか否かを判断する。ここでU1>0又はU2>0であると判断された場合(S2303:YES)、S2304へ移行する。一方、U1=U2=0であると判断された場合(S2303:NO)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。
S2304では、U2>0ならば、保留数U2を「1」減算した値に更新する。また、U2=0ならば、保留数U1を「1」減算した値に更新する。すなわち、第2特別図柄の保留が優先的に消化される。
S2305では、記憶領域のシフト処理を行う。この処理は、メインRAM301cの記憶領域に対するシフト処理を実行するものである。具体的には、S2304で減算した第1又は第2特別図柄判定の大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの(最も古いもの)を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。
S2306では、大当たり判定処理を実行する。この処理は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行するものである。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果がメインRAM301cにセットされる。そして、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類を示す大当たり図柄(停止図柄データ)が決定される。大当たり判定処理の詳細については後述する。
S2307では、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、メインROM301bに予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、S2306における大当たり判定の判定結果、メインRAM301cにセットされた停止図柄データ、現在の遊技状態、特別図柄判定の保留数U1又はU2、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このS2307の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。変動パターン選択処理の詳細については後述する。
S2308では、変動開始コマンドをセットする。この処理は、S2306の処理で設定した停止図柄データ、S2307の処理で設定した変動パターンを示す変動パターンデ
ータ、遊技機1の遊技状態を示す遊技状態データ等を含む変動開始コマンドをメインRAM301cにセットするものである。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、S1808の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
これに対して、演出制御基板320は、主制御基板300から受信した変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、遊技機1の遊技状態を特定する。そして、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202における特別図柄の変動表示に伴って、液晶表示装置121にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、音声出力装置331からどのような音を出力するか、枠ランプ103をどのような発光パターンで発光させるか等を決定し、決定した内容の演出を画像制御基板330及びランプ制御基板340に実行させる。
S2309では、変動表示を開始する。この処理は、S2308の処理でセットした変動開始コマンドに含まれているデータに基づいて、特別図柄の変動表示を開始するものである。なお、この特別図柄の変動表示は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202を用いて行われる。
S2310では、変動時間の計測を開始する。この処理は、変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始するものである。
次のS2311では、変動時間が経過したか否かを判断する。この処理は、S2310における変動時間の計測開始から、S2307の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判断するものである。ここで、変動時間が経過していないと判断された場合(S2311:NO)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判断された場合(S2311:YES)、S2312へ移行する。
S2312では、図柄確定コマンドをセットする。この処理は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM301cにセットするものである。図柄確定コマンドは、S1808における送信処理によって演出制御基板320に送信される。これにより、液晶表示装置121に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
S2313では、変動表示を終了する。この処理は、S2309の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了するものである。その際、S2306の処理で設定した停止図柄データ(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器201,202に停止表示させる。具体的には、第1特別図柄表示器201において特別図柄が変動表示されていた場合には第1特別図柄表示器201に大当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示器202において特別図柄が変動表示されていた場合には第2特別図柄表示器202に大当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させる。
S2314では、計測した変動時間をリセットする。この処理は、S2310の処理で計測を開始した変動時間をリセットするものである。
続くS2315では、停止中処理を実行する。この処理は、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む。停止中処理の詳細については後述する。
[大当たり判定処理]
図24は、図23のS2306における大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2401では、大当たり判定を行う。ここで、第1始動装置123への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、メインROM301bに予め記憶されている第1特別図柄の大当たり判定テーブル(図4(A)参照)を用いる。一方、第2始動装置124への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、メインROM301bに予め記憶されている第2特別図柄の大当たり判定テーブル(図4(B)参照)を用いる。
第1特別図柄及び第2特別図柄の大当たり判定テーブルには、大当たり乱数が記述されている。そこで、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり判定テーブルに記述されている値と一致するか否かで大当たりを判定する。一致しない場合はハズレと判定する。このとき、遊技状態が通常遊技状態である場合、大当たり乱数は「7」又は「8」のいずれかであり、遊技状態が確変遊技状態である場合、大当たり乱数は「7」〜「26」のいずれかである。
続くS2402では、大当たりであるか否かを判断する。この処理は、S2401の判定結果に基づき、大当たりであるか否かを判断するものである。ここで大当たりであると判断された場合(S2402:YES)、S2403へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S2402:NO)、すなわちハズレである場合には、S2405にてハズレ図柄(停止図柄データ「00」)をセットし、大当たり判定処理を終了する。
S2403では、大当たりの種類を決定する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている大当たりにおける図柄判定テーブル(図5(A)参照)を用い、大当たりの種類を決定するものである。ここでは、判定用記憶領域に記憶されている大当たり用図柄乱数に基づき、15R大当たりか8R大当たりかを決定する。第1特別図柄の場合には、図5(A)の上段に示した値を用い、第2特別図柄の場合には、図5(A)の下段に示した値を用いる。これにより、図5(B)に示した大当たりの内訳を実現することが可能となる。
S2404では、大当たり図柄をセットする。この処理は、S2403の処理で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄(停止図柄データ)をメインRAM301cにセットするものである。これにより、上述したS2313の処理の際、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に停止図柄として停止表示されて、大当たり遊技が実行されることになる。S2404の処理終了後、大当たり判定処理を終了する。
[変動パターン選択処理]
図25は、図23のS2307における変動パターン選択処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2501では、大当たりか否かを判断する。この処理は、図24のS2401における大当たり判定に基づくものである。ここで大当たりであると判断された場合(S2501:YES)、S2502へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S2501:NO)、すなわちハズレである場合には、S2505へ移行する。
S2502では、確変大当たりであるか否かを判断する。この処理は、図24のS2403にて決定される大当たりの種類(停止図柄データ)に基づくものである。ここで確変大当たりであると判断された場合(S2502:YES)、S2503にて確変大当たり
用の変動パターンテーブルをセットし、その後、S2509へ移行する。一方、確変大当たりでないと判断された場合(S2502:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、S2504にて通常大当たり用の変動パターンテーブルをセットし、その後、S2509へ移行する。
大当たりでないと判定された場合に移行するS2505では、遊技状態及び保留数を判定する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている時短遊技フラグに基づいて、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかを判定するものである。また、現在の特別図柄判定の保留数を判定するものである。これにより対応する変動パターンテーブルが絞り込まれる。
S2506では、リーチであるか否かを判断する。この処理は、ハズレである場合、遊技者に対して大当たりを期待させるためのリーチ演出を行うか否かを判断するものである。具体的には、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数が、変動パターンテーブルに記述されている値と一致するか否かを判定する。ここでリーチであると判断された場合(S2506:YES)、S2507へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(S2506:NO)、S2508へ移行する。
S2507では、リーチ用の変動パターンテーブルをセットする。この処理は、S2505で判定された遊技状態及び保留球数に基づいて、リーチ用の変動パターンテーブルをメインROM301bから読み出し、メインRAM301cにセットするものである。その後、S2509へ移行する。
S2508では、リーチなしの変動パターンテーブルをセットする。この処理は、S2505で判定された遊技状態及び保留球数に基づいて、リーチなしの変動パターンテーブルをメインROM301bから読み出し、メインRAM301cにセットするものである。その後、S2509へ移行する。
S2509では、変動パターン乱数判定処理を行う。この処理は、S2503、S2504、S2507、又は、S2508の処理でセットされた変動パターンテーブルを用いて変動パターン乱数の判定を行うものである。具体的には、メインRAM301cにセットされた変動パターンテーブルを参照して、判定用記憶領域に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを選択する。このS2509の処理が行われることにより、特別図柄の変動パターン(変動時間)が決定されることとなる。
S2510では、変動パターンをセットする。この処理は、S2509にて選択した変動パターンを示す変動パターンデータをメインRAM301cにセットするものである。変動パターンデータは、大当たり判定処理によって設定された図柄(停止図柄データ)と共に、図23中のS2308の処理でセットされる変動開始コマンドに含まれ、S1808の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
[停止中処理]
図26は、図23中のS2315における停止中処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2601では、大当たりか否かを判断する。この処理は、図24のS2401の判定結果に基づいて、大当たりであるか否かを判断するものである。ここで大当たりであると判断された場合(S2601:YES)、S2602にて大当たり遊技フラグを「ON」に設定し、その後、S2603へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S2601:NO)、S2606へ移行する。
S2603では、時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断するものである。時短遊技フラグは、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグであり、通常遊技状態から時短遊技状態に移行する際に「ON」に設定され、時短遊技状態から通常遊技状態に戻される際に「OFF」に設定される。ここで時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S2603:YES)、S2604にて時短遊技フラグを「OFF」に設定し、その後、S2605へ移行する。一方、時短遊技フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(S2603:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、S2604の処理を実行せず、S2605へ移行する。
S2605では、メインRAM301cに、オープニングコマンドをセットする。オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に大入賞装置127が開放され始めるまでの期間をいう。オープニングコマンドは、これらのオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、S1808の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
S2605から移行する、又は、S2601にて大当たりでないと判定された場合に移行するS2606では、確変遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。確変遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、確変遊技状態となっている場合に「ON」とされ、通常遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。ここで確変遊技フラグが「ON」となっていると判断された場合(S2606:YES)、以降の処理を実行せず、停止中処理を終了する。一方、確変遊技フラグが「OFF」となっていると判定された場合(S2606:NO)、S2607へ移行する。
S2607では、時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。時短遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、時短遊技状態となっている場合に「ON」とされ、非時短遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。ここで時短遊技フラグが「ON」となっていると判断された場合(S2607:YES)、S2608へ移行する。一方、時短遊技フラグが「OFF」となっていると判定された場合(S2607:NO)、以降の処理を実行せず、停止中処理を終了する。
S2608では、時短変動回数Wから「1」を減じ、時短変動回数Wを更新する。時短変動回数Wは、メインRAM301cに記憶される。
S2609では、時短変動回数Wが「0」であるか否かを判定する。ここでW=0であると判定された場合(S2609:YES)、S2610にて時短遊技フラグを「OFF」とし、その後、停止中処理を終了する。一方、W≠0である場合(S2609:NO)、S2610の処理を実行せず、停止中処理を終了する。
[普通図柄処理]
図27は、図18のS1804における普通図柄処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2701では、補助遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定するものである。補助遊技フラグは、電動チューリップ125が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作を規定回数行う補助遊技中であるか否かを示すフラグであり、補助遊技中は「ON」に設定され、補助遊技中でないときは「OFF」に
設定される。ここで補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S2701:YES)、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。この場合、S1005の電動チューリップ処理へ移ることになる。一方、補助遊技フラグが「ON」でないと判断された場合(S2701:NO)、すなわち補助遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、S2702へ移行する。
S2702では、普通図柄が変動中であるか否かを判断する。この処理は、普通図柄表示器205における変動表示が行われているか否かを判断するものである。ここで普通図柄が変動中でないと判断された場合(S2702:NO)、S2703へ移行する。一方、普通図柄が変動中であると判断された場合(S2702:YES)、S2714へ移行する。
普通図柄が変動中でない場合に移行するS2703では、普通図柄判定の保留数Tが「1」以上であるか否かを判定する。ここで保留数Tが「1」以上であると判定された場合(S2703:YES)、S2704へ移行する。一方、保留数Tが「1」以上でないと判定された場合(S2703:NO)、すなわち保留数Tが「0」である場合には、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
S2704では、保留数Tを「1」減算した値に更新する。そして、S2705にて、当たり乱数判定処理を行う。この処理は、図22のS2204にてメインRAM301cに記憶された普通図柄乱数の中で最も古い普通図柄乱数が、予めメインROM301bに記憶されている普通図柄判定に係る当選値のいずれかと一致するか否かを判定するものである。
S2706では、当たりであるか否かを判断する。この処理は、S2705の判定結果に基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断するものである。ここで当たりであると判断された場合(S2706:YES)、S2707にて当たり図柄をメインRAM301cにセットし、その後、S2709へ移行する。一方、当たりでないと判定された場合(S2706:NO)、すなわちハズレである場合には、S2708にてハズレ図柄をメインRAM301cにセットし、その後、S2709へ移行する。
S2709では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。この処理は、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、遊技機1の現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか否かを判定するものである。ここで非時短遊技状態であると判定された場合(S2709:YES)、S2710にて普通図柄変動時間を12秒にセットし、その後、S2712へ移行する。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合(S2709:NO)、すなわち時短遊技状態である場合には、普通図柄変動時間を3秒にセットし、その後、S2712へ移行する。普通図柄変動時間は、普通図柄表示器205に普通図柄を変動表示させる時間である。ここでセットされた普通図柄変動時間は、メインRAM301cに一時的に記憶される。
S2712では、普通図柄表示器205による普通図柄の変動を開始する。そして、S2713では、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する。
一方、普通図柄が変動中である場合に移行するS2714では、普通図柄の変動を終了させるか否かを判断する。具体的には、S2713の処理によって計測を開始した経過時間が、S2710又はS2711でセットした普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判断する。ここで普通図柄の変動を終了させると判断された場合(S2714:YES)、S2715にて普通図柄表示器205における普通図柄の変動表示を終了させ当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させて、その
後、S2716へ移行する。一方、普通図柄の変動を終了させないと判断された場合(S2714:NO)、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
S2716では、経過時間をリセットする。この処理は、S2713の処理で計測を開始した経過時間をリセットするものである。
S2717では、S2706と同様、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断する。ここで当たりであると判断された場合(S2717:YES)、S2718に補助遊技フラグを「ON」に設定し、その後、普通図柄処理を終了する。一方、当たりでないと判断された場合(S2717:NO)、S2718の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
[電動チューリップ処理]
図28は、図18のS1805における電動チューリップ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2801では、補助遊技フラグが「ON」になっているか否かを判断する。ここで補助遊技フラグが「ON」になっていると判断された場合(S2801:YES)、S2802へ移行する。一方、補助遊技フラグが「ON」になっていないと判断された場合(S2801:NO)、すなわち補助遊技フラグが「OFF」になっている場合には、以降の処理を実行せず、電動チューリップ処理を終了する。
S2802では、電動チューリップが動作中であるか否かを判断する。ここで電動チューリップが動作中であると判断された場合(S2802:YES)、S2807へ移行する。一方、電動チューリップが動作中でないと判断された場合(S2802:NO)、S2803へ移行する。
S2803では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。この処理は、図27のS2709と同様のものである。ここで非時短遊技状態であると判断された場合(S2803:YES)、S2804にて動作パターンをセットし、その後、S2806へ移行する。S2804では、電動チューリップ125の動作パターンとして、第2始動装置124を0.1秒間開放する動作を2回行う動作パターンをメインRAM301cにセットする。これにより、合計0.2秒間の開放が実現される。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合(S2803:NO)、すなわち時短遊技状態である場合には、S2805にて動作パターンをセットし、その後、S2806へ移行する。S2805では、電動チューリップ125の動作パターンとして、第2始動装置124を0.5秒間開放する動作を7回行う動作パターンをメインRAM301cにセットする。これにより、合計3.5秒間の開放が実現される。
S2806では、電動チューリップ125の動作を開始する。この処理は、S2804又はS2805でセットした動作パターンで、電動チューリップ125の動作を開始させるものである。
S2807では、動作が完了したか否かを判断する。ここで電動チューリップ125の動作が完了したと判断された場合(S2807:YES)、S2808にて補助遊技フラグを「OFF」に設定し、その後、電動チューリップ処理を終了する。これにより、補助遊技が終了する。一方、電動チューリップ125の動作が完了していないと判断された場合(S2807:NO)、S2808の処理を実行せず、電動チューリップ処理を終了する。
[大入賞装置開放制御処理]
図29は、図18のステップS1806における大入賞装置開放制御処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2901では、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する。ここで大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S2901:YES)、S2902へ移行する。一方、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(S2901:NO)、すなわち大当たり遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2902では、オープニング中であるか否かを判断する。例えばS2605の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技のオープニング中であるか否かを判断するという具合である。ここでオープニング中であると判断された場合(S2902:YES)、S2903へ移行する。一方、オープニング中でないと判断された場合(S2902:NO)、S2911へ移行する。
S2903では、オープニング時間が経過したか否かを判断する。ここでオープニング時間が経過したと判断された場合(S2903:YES)、S2904へ移行する。一方、オープニング時間が経過していないと判断された場合(S2903:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2904では、動作パターンを設定する。この処理は、ラウンド上限数Rmax(「15」又は「8」)や動作パターンを決定してメインRAM301cに格納するものである。S2904の処理によって、ラウンドと次のラウンドとの間のインターバル時間、最終ラウンド終了後のエンディング時間等の大当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
S2905では、大入賞装置127への遊技球の入賞数Yを「0」としてリセットする。続くS2906では、メインRAM301cに記憶される大当たり中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する。ラウンド数Rは、大当たり開始前は「0」に設定されており、S2906の処理が実行される毎に「1」加算される。
S2907では、大入賞装置の開放制御を開始する。続くS2908では、S2907の開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する。次のS2909では、ラウンド開始コマンドをセットする。この処理は、ラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインRAM301cにセットするものである。S2909の処理終了後、S2916へ移行する。
オープニング中でないと判定された場合に移行するS2911では、エンディング中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインRAM301cに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判断するものである。ここでエンディング中であると判断された場合(S2911:YES)、S2924へ移行する。一方、エンディング中でないと判断された場合(S2911:NO)、S2912へ移行する。
S2912では、インターバル中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインRAM301cに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中(ラウンドと次のラウンドとの間)であるか否かを
判断するものである。ここでインターバル中であると判断された場合(S2912:YES)、S2913へ移行する。一方、インターバル中でないと判断した場合(S2912:NO)、S2914へ移行する。
S2913では、インターバル時間が経過したか否かを判断する。この処理は、前回のラウンド終了時に大入賞装置127が閉塞してから、S2904の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判断するものである。ここでインターバル時間が経過したと判断された場合(S2913:YES)、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、S2904へ移行する。一方、インターバル時間が経過していないと判断された場合(S2913:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2914では、大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったか否かを判断する。大入賞装置検出スイッチ306は、大入賞装置への遊技球の入賞を検出するスイッチである。この処理は、ラウンド中に大入賞装置検出スイッチ306からの検知信号の入力の有無に基づいて、大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったか否かを判断するものである。ここで大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったと判断された場合(S2914:YES)、大入賞装置127に1個の遊技球が入賞したと判断して、S2915にて遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新し、その後、S2916へ移行する。一方、大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になっていないと判断された場合(S2914:NO)、S2915の処理を実行せず、S2916へ移行する。
S2916では、規定開放時間が経過したか否かを判断する。この処理は、大入賞装置127の開放開始から規定開放時間が経過したか否かを判断するものである。具体的には、S2908の処理によって計測が開始された開放時間が、予めメインROM301bに記憶されている規定開放時間(本実施形態では29秒)に達したか否かを判断する。ここで規定開放時間が経過したと判断された場合(S2916:YES)、S2917の処理を実行せず、S2918へ移行する。一方、規定開放時間が経過していないと判断された場合(S2916:NO)、S2917へ移行する。
S2917では、入賞数Yが入賞上限数Ymaxとなったか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Yが、予めメインROM301bに記憶されている大入賞装置127の閉塞タイミングを規定する入賞上限数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判断するものである。ここでY=Ymaxであると判断された場合(S2917:YES)、S2918へ移行する。一方、Y≠Ymaxであると判断された場合(S2917:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2918では、大入賞装置127の開放制御を終了する。これにより、大入賞装置127が閉塞される。
S2919では、ラウンド数Rがラウンド上限数Rmaxとなったか否かを判断する。ここでR=Rmaxであると判断された場合(S2919:YES)、S2921へ移行する。一方、R≠Rmaxであると判断された場合(S2919:NO)、S2920にてインターバル時間の計測を開始し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。S2920の処理は、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞装置127が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始するものである。このインターバル時間は、S2913の処理に使用される。
S2921では、エンディング時間の計測を開始する。そして、S2922では、ラウ
ンド数Rを「0」としてリセットする。さらに、S2923では、エンディングコマンドをメインRAM301cにセットする。このエンディングコマンドは、大入賞装置127の最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、ステップS1808の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
S2924では、エンディング時間が経過したか否かを判断する。この処理は、S2921の処理によって計測を開始したエンディング時間が、S2904の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判断するものである。ここでエンディング時間が経過したと判断された場合(S2924:YES)、S2925へ移行する。一方、エンディング時間が経過していないと判断された場合(S2924:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2925では、遊技状態設定処理を実行する。遊技状態設定処理は、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定するものである。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
S2926では大当たり遊技フラグを「OFF」し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。大当たり遊技フラグを「OFF」にすることで、大当たり遊技が終了することになる。
[遊技状態設定処理]
図30は、図29のS2925における遊技状態設定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3001では、大当たり図柄(停止図柄データ)に基づいて確変の有無を判定する。この処理は、図24のS2404にてセットされる大当たり図柄に基づくものである。
S3002では、S3001の判定結果に基づき、確変大当たりであるか否かを判断する。ここで確変大当たりであると判断された場合(S3002:YES)、S3003へ移行する。一方、確変大当たりでないと判断された場合(S3002:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、S3005へ移行する。
S3003では、確変遊技フラグを「ON」にする。確変遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、確変遊技状態となっている場合に「ON」とされ、通常遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。
S3004では、時短遊技フラグを「ON」にする。時短遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、時短遊技状態となっている場合に「ON」とされ、非時短遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。S3004の処理終了後、遊技状態設定処理を終了する。
確変大当たりでないと判定された場合に移行するS3005では、確変遊技フラグを「OFF」にする。
S3006では、時短遊技フラグを「ON」とし、S3007で、時短変動回数Wに「100」をセットする。これにより、低確率状態における遊技球の減少を抑えた遊技(いわゆる時短遊技)が100回付与される。S3007の処理終了後、遊技状態設定処理を終了する。
[演出制御基板320のタイマ割込処理]
図31を用いて、演出制御基板320のタイマ割込み処理の内容について説明する。図31は、演出制御基板320のサブCPU320aによって行われるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、演出制御基板320に設けられた図示しないリセット用クロックパルス発生回路によって、演出制御基板320の電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、所定の周期(例えば2ms)毎に繰り返し実行される。また、図31のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板320で行われる処理は、サブROM320bに記憶されているプログラムに基づいて実行される。さらにまた、本発明に関係しない処理について適宜省略して示す。
電源投入を契機にして、サブCPU320aは起動プログラムを実行し、これによって、メモリ(例えば、サブRAM320c)等の各ユニットの初期化等を行う。初期化が行われた後、サブROM320bに記憶されたプログラムがサブRAM320cに読み込まれ、サブCPU320aによって当該プログラムが実行される。
最初のS3101では、演出用乱数を更新する。この処理は、演出に用いる各種乱数を更新するものである。具体的には、各種乱数に「1」を加算して更新し、所定の値まで到達すると「0」にリセットする。本実施形態では、この演出用乱数に「保留乱数」が含まれる。「保留乱数」は、保留オブジェクトを決定する乱数であり、「0〜99」の整数値をとるものとすることが例示される。
S3102では、コマンド処理を実行する。この処理は、各種コマンドに基づく演出を行うためのものである。ここで処理されるコマンドは、主制御基板300から送信される変動開始コマンド、図柄確定コマンド、オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、及び、エンディングコマンドである。コマンド処理に詳細については、後述する。
S3103では、保留関連処理を実行する。この処理は、保留コマンド等に基づく演出表示を行うためのものである。ここで処理されるコマンドは、主制御基板300から送信される保留コマンド、及び、復旧コマンドである。保留関連処理の詳細については後述する。
S3104では、稼働状態判定処理を行う。この処理は、この処理は、主制御基板300から送信されたコマンドを受信し、受信したコマンドに基づき、遊技機1の稼働状態を判定するものである。稼働状態判定処理については、後述する。
S3105では、送信処理を行う。この処理は、S3104までの処理でセットされたコマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信するものである。
[コマンド処理]
図32は、図31のS3102で実行されるコマンド処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3201では、コマンドを受信したか否かを判断する。主制御基板300から送信されたコマンドは、演出制御基板320のバッファ領域に記憶される。この処理は、当該バッファ領域にコマンドが記憶されているか否かを判断するものである。ここでコマンドを受信したと判断された場合(S3201:YES)、S3202へ移行する。一方、コマンドを受信していないと判断された場合(S3201:NO)、以降の処理を実行せず、コマンド処理を終了する。
S3202では、変動開始コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3201
で受信したと判断されたコマンドが変動開始コマンドであるか否かを判断するものである。変動開始コマンドは、図23のS2308でセットされる。ここで変動開始コマンドであると判断された場合(S3202:YES)、S3203にてリトライ処理を開始する。リトライ処理については後述する。リトライ処理を開始すると、続いてS3204にて変動処理を実行する。S3204の変動処理とは、液晶表示装置121に装飾図柄の変動表示を行わせる処理である。変動処理の後、コマンド処理を終了する。一方、変動開始コマンドでないと判断された場合(S3202:NO)、S3205へ移行する。
S3205では、図柄確定コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3201で受信したと判断されたコマンドが図柄確定コマンドであるか否かを判断するものである。図柄確定コマンドは、図23のS2312でセットされる。ここで図柄確定コマンドであると判断された場合(S3205:YES)、S3206へ移行する。一方、図柄確定コマンドでないと判断された場合(S3205:NO)、S3207へ移行する。
S3206では、図柄確定処理を実行する。図柄確定コマンドは、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知するコマンドである。したがって、図柄確定処理では、液晶表示装置121に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等を行う。S3206の処理終了後、コマンド処理を終了する。
S3207では、オープニングコマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3201で受信したと判断されたコマンドがオープニングコマンドであるか否かを判断するものである。ここでオープニングコマンドであると判断された場合(S3207:YES)、S3208へ移行する。一方、オープニングコマンドでないと判断された場合(S3207:NO)、S3210へ移行する。
S3208では、リトライ処理を開始し、リトライ処理開始後にS3209に移行する。リトライ処理については後述する。
続くS3209では、オープニング処理を実行する。オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に大入賞装置127が開放され始めるまでの期間をいう。オープニングコマンドは、このオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、図26のS2605でセットされる。オープニング処理は、サブROM320bに予め記憶されている映像(例えばアニメーションの映像)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、液晶表示装置121に、当該映像を表示するような処理であることが例示される。また、サブROM320bに予め記憶されている音声データ(例えば「おめでとう」)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、音声出力装置331を介したスピーカ104からの音声出力を行う処理であることが例示される。さらにまた、ランプ制御基板340へコマンドとともに制御データを送信することで、演出用駆動装置341を介した役物の駆動を行ったり、演出用照明装置342を介した枠ランプ103や盤ランプ122の点灯を行ったりする処理であることが例示される。S3209の処理終了後、コマンド処理を終了する。
S3210では、ラウンド開始コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3201で受信したと判断されたコマンドがラウンド開始コマンドであるか否かを判断するものである。ここでラウンド開始コマンドであると判断された場合(S3210:YES)、S3211へ移行する。一方、ラウンド開始コマンドでないと判断された場合(S3210:NO)、S3212へ移行する。
S3211では、ラウンド処理を実行する。ラウンド開始コマンドは、ラウンド遊技が
開始されたことを通知するコマンドであり、図29のS2909でセットされる。したがって、ラウンド処理は、サブROM320bに予め記憶されている映像(例えばアニメーション映像)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、液晶表示装置121に、当該映像を表示するような処理であることが例示される。また、サブROM320bに予め記憶されている音楽データ(例えば、映像に対応する楽曲データ)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、音声出力装置331を介したスピーカ104からの楽曲の出力を行う処理であることが例示される。さらにまた、ランプ制御基板340へコマンドとともに制御データを送信することで、演出用駆動装置341を介した役物の駆動を行ったり、演出用照明装置342を介した枠ランプ103や盤ランプ122の点灯を行ったりする処理であることが例示される。S3211の処理終了後、コマンド処理を終了する。
S3212では、エンディングコマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3201で受信したと判断されたコマンドがエンディングコマンドであるか否かを判断するものである。ここでエンディングコマンドであると判断された場合(S3212:YES)、S3213へ移行する。一方、エンディングコマンドでないと判断された場合(S3212:NO)、コマンド処理を終了する。
S3213では、リトライ処理を開始し、リトライ処理開始後、S3214に移行する。リトライ処理については後述する。
続くS3214では、エンディング処理を行う。エンディングコマンドは、大入賞装置127の最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、図29のS2923でセットされる。したがって、エンディング処理は、サブROM320bに予め記憶されているメッセージ画像(例えばRUSHタイム突入やチャンスタイム突入)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、液晶表示装置121に、当該メッセージ画像を表示するような処理であることが例示される。また、サブROM320bに予め記憶されている音声データ(例えば「RUSHタイム突入」や「チャンスタイム突入」)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、音声出力装置331を介したスピーカ104からの音声出力を行う処理であることが例示される。さらにまた、ランプ制御基板340へコマンドとともに制御データを送信することで、演出用駆動装置341を介した役物の駆動を行ったり、演出用照明装置342を介した枠ランプ103や盤ランプ122の点灯を行ったりする処理であることが例示される。S3214の処理終了後、コマンド処理を終了する。
[リトライ処理]
図33は、図32のS3203、S3208、S3213、及び後述する図40のS4012にて実行されるリトライ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3301では、異常判定を行う。ここでは、原点位置検出センサ344の出力に基づいて、各可動役物211〜218が原点位置にあるか否かを判断し、一つ以上の可動役物が原点位置にない場合は異常と判定し、全ての可動役物が原点位置にある場合には異常でないと判定する。その後、S3302へ移行する。
S3302では、S3301にて異常と判定されているか否かを判断する。異常と判定されていない、すなわち全ての可動役物が原点位置にあると判断された場合(S3302:YES)、S3303へ移行する。S3303では、全ての可動役物の作動を許可する。具体的には演出制御基板320のサブRAM320cに記憶されている役物可動フラグを「ON」とする。その後、リトライ処理を終了する。一方、異常と判定されている、すなわち一つ以上の可動役物が原点位置にないと判断された場合(S3302:NO)、S
3304へ移行する。
S3304では、S3301にて原点位置にないと判断された可動役物を含め、すべての可動役物を対象として復帰処理を実行する。なお、復帰処理の詳細については後述する。
S3305では、役物異常フラグが「ON」であるか否かを判断する。この処理は、演出制御基板320のサブRAM320cに記憶されている役物異常フラグが「ON」に設定されているか否かを判断するものである。役物異常フラグの詳細については後述する。役物異常フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S3305:YES)、S3306へ移行する。一方、役物異常フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(S3305:NO)、すなわち役物異常フラグが「OFF」に設定されている場合、S3303へ移行する。
S3306では、全ての可動役物の動作を停止する。具体的には、役物可動フラグを「OFF」とする。
S3307では、異常推定処理を実行する。なお、異常推定処理の詳細については後述する。
S3308では、ランプ制御基板340を制御して演出用駆動装置341を駆動することにより、可動役物212〜218のうち、退避位置への移動が可能である可動役物を退避位置へ移動させる。その際、演出用駆動装置341は、可動役物212〜218を移動させるためのステッピングモータを、進出位置から退避位置へ移動するために必要な駆動量よりも多く駆動させる。換言すると、進出位置から退避位置までの距離以上の距離分、可動役物212〜218を移動させる。これにより、退避位置への移動の確実性を高めることができる。このS3308の処理終了後、リトライ処理を終了する。
[復帰処理]
図34は、図33のS3304にて実行される復帰処理の詳細を示すフローチャートである。
本実施形態では、予め設定された優先順位に基づいて、その優先順位が高い可動役物から順に復帰処理を行う。予め設定された優先順位を説明すると、優先順位が最も高い「優先順位1」の可動役物(可動役物(1)と図示)は、第2中央可動役物212である。次に優先順位が高い「優先順位2」の可動役物(可動役物(2)と図示)は、第1中央可動役物211である。次に優先順位が高い(最も優先順位が低い)「優先順位3」の可動役物(可動役物(3)と図示)は、可動役物213〜218である。
最初のS3401では、「優先順位1」の可動役物、すなわち第2中央可動役物212の復帰処理を実行する。復帰処理は、第2中央可動役物212が作動範囲内の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)が配置された位置を全て通過するように、第2中央可動役物212を作動させる。第2中央可動役物212の復帰処理動作の例については後述する。
S3402では、作動範囲内の全位置検出センサが可動役物の位置を検出したか否かを判断する。全位置検出センサが検出した場合(S3402:YES)、S3403に移行する。一方、全位置検出センサが検出したわけではない、すなわち作動範囲内の少なくともの一部の位置検出センサが可動役物の位置を検出しなかった場合(S3402:NO)、S3404に移行する。S3404では、演出制御基板320のサブRAM320cに
記憶されている役物異常フラグを「ON」に設定する。その後、復帰処理を終了する。
S3403では、「優先順位2」の可動役物、すなわち第1中央可動役物211の復帰処理を実行する。復帰処理は、第1中央可動役物211が作動範囲内の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、特定基準位置検出センサ345、進出位置検出センサ346)が配置された位置を全て通過するように、第1中央可動役物211を作動させる。第1中央可動役物211の復帰処理動作の例については後述する。なお、本実施形態においては、第2中央可動役物212が原点位置にあっても設計上は第1中央可動役物211と第2中央可動役物212とは接触しないが、第2中央可動役物212を退避位置に移動させた状態で第1中央可動役物211の復帰処理を実行することにより、両者が接触する危険性をより低減することができる。
S3405では、作動範囲内の全位置検出センサが可動役物の位置を検出したか否かを判断する。全位置検出センサが検出した場合(S3405:YES)、S3406に移行する。一方、全位置検出センサが検出したわけではない、すなわち作動範囲内の少なくともの一部の位置検出センサが可動役物の位置を検出しなかった場合(S3405:NO)、S3404に移行する。その後、復帰処理を終了する。
S3406では、「優先順位3」の可動役物、すなわち可動役物213〜218の復帰処理を実行する。復帰処理は、可動役物213〜218が作動範囲内の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)が配置された位置を全て通過するように、可動役物213〜218を作動させる。なお、可動役物213〜218の復帰処理は、同時に行ってもよいし、個別に行ってもよい。可動役物213〜218の復帰処理動作の例については後述する。
S3407では、作動範囲内の全位置検出センサが可動役物の位置を検出したか否かを判断する。全位置検出センサが検出した場合(S3407:YES)、復帰処理を終了する。一方、全位置検出センサが検出したわけではない、すなわち作動範囲内の少なくともの一部の位置検出センサが可動役物の位置を検出しなかった場合(S3407:NO)、S3404に移行する。その後、復帰処理を終了する。
なお、本実施形態では、復帰処理を行う対象を全ての可動役物としたが、異常が発生した可動役物のみを対象として復帰処理を行うようにしてもよい。また、可動役物の優先順位はこれに限定されるものではなく、可動役物の作動範囲等に応じて変更することができる。
[可動役物の復帰処理動作の例]
図35(A)〜(C)は、図34のS3403にて実行される第1中央可動役物211の復帰処理動作の例を示す図である。例えば、図35(A)に示すように、第1中央可動役物211が原点位置にあれば、特定基準位置→進出位置→特定基準位置→原点位置の順に作動させるような復帰処理を行う。図35(B)に示すように、第1中央可動役物211が原点位置と特定基準位置との間にあれば、特定基準位置→進出位置→特定基準位置→原点位置の順に作動させるような復帰処理を行う。図35(C)に示すように、第1中央可動役物211が特定基準位置と進出位置との間にあれば、進出位置→特定基準位置→原点位置の順に作動させるような復帰処理を行う。
なお、第1中央可動役物211の復帰処理動作は、図35(A)〜(C)の例に限定されるものではなく、作動範囲内の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、特定基準位置検出センサ345、進出位置検出センサ346)が配置された位置を全て通過するように第1中央可動役物211を作動させるものであれば、その他の復帰処理動作であって
もよい。
図36(A)〜(C)は、図34のS3401、S3406にて実行される第2中央可動役物212及び可動役物213〜218の復帰処理動作の例を示す図である。例えば、図36(A)に示すように、第2中央可動役物212及び可動役物213〜218が原点位置にあれば、進出位置→原点位置→退避位置→原点位置の順に作動させるような復帰処理を行う。図36(B)に示すように、第2中央可動役物212及び可動役物213〜218が原点位置と進出位置との間にあれば、進出位置→原点位置→退避位置→原点位置の順に作動させるような復帰処理を行う。図36(C)に示すように、第2中央可動役物212及び可動役物213〜218が原点位置と退避位置との間にあれば、退避位置→原点位置→進出位置→原点位置の順に作動させるような復帰処理を行う。
なお、第2中央可動役物212及び可動役物213〜218の復帰処理動作は、図36(A)〜(C)の例に限定されるものではなく、作動範囲内の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)が配置された位置を全て通過するように第2中央可動役物212及び可動役物213〜218を作動させるものであれば、その他の復帰処理動作であってもよい。
[異常推定処理]
図37は、図33のS3307にて実行される異常推定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3701では、未検出センサ判定を行う。未検出センサ判定は、図34のS3402、S3405、S3407にて、作動範囲内の全位置検出センサが可動役物の位置を検出したわけではない(S3402、S3405、S3407:NO)と判断された可動役物について行う。ここでは、作動範囲内の一部の位置検出センサが可動役物の位置を検出しなかったか否かを判断する。
S3702では、S3701にて作動範囲内の一部の位置検出センサが可動役物の位置を検出しなかったと判定されているか否かを判断する。一部の位置検出センサが検出しなかったと判定されている場合(S3702:YES)、S3703にて「センサ異常発生」と推定し、異常推定処理を終了する。一方、一部の位置検出センサが検出しなかったと判定されていない、すなわち作動範囲内の全位置検出センサが検出しなかった場合(S3702:NO)、S3704にて「機械的異常発生」と推定し、異常推定処理を終了する。
なお、上述の「センサ異常発生」とは、可動役物の作動範囲内に配置した複数の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、特定基準位置検出センサ345、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)の少なくとも一部に異常が発生していることをいう。また、「機械的異常発生」とは、可動役物の作動に関する機構、例えば可動役物駆動装置343やこれを含む演出用駆動装置341に異常が発生していることをいう。
[保留関連処理]
図38は、図31のS3103で実行される保留関連処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3801では、コマンドを受信したか否かを判断する。この処理は、図32のS3201と同様のものである。主制御基板300から送信されたコマンドは、演出制御基板320のバッファ領域に記憶される。この処理は、当該バッファ領域にコマンドが記憶されているか否かを判断するものである。ここでコマンドを受信したと判断された場合
(S3801:YES)、S3802へ移行する。一方、コマンドを受信していないと判断された場合(S3801:NO)、以降の処理を実行せず、保留関連処理を終了する。
S3802では、保留コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3801で受信したと判断されたコマンドが保留コマンドであるか否かを判断するものである。保留コマンドは、図20のS2009又は図21のS2109でセットされる。ここで保留コマンドであると判断された場合(S3802:YES)、S3803にて保留処理を実行し、その後、保留関連処理を終了する。保留処理の詳細については後述する。一方、保留コマンドでないと判断された場合(S3802:NO)、S3804へ移行する。
S3804では、復旧コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3801で受信したと判断されたコマンドが復旧コマンドであるか否かを判断するものである。復旧コマンドは、図16のS1603で送信される。ここで復旧コマンドであると判断された場合(S3804:YES)、S3805へ移行する。一方、復旧コマンドでないと判断された場合(S3804:NO)、S3805の処理を実行せず保留関連処理を終了する。
S3805では、保留復旧処理を実行する。復旧コマンドは、上述したように、電源の遮断が起きたときに送信される。この復旧コマンドには保留情報が含まれているため、ここでは、保留情報に基づいて、保留表示などを電源遮断前の状態に戻す。S3805の処理実行後、保留関連処理を終了する。
[保留処理]
図39は、図38のS3803で実行される保留処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3901では、保留コマンドを解析する。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U1、U2)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
S3902では、保留領域にデータを格納する。この処理は、「始動装置データ」に基づいて第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを特定し、また、「保留数データ」に基づいて何番目の保留であるかを特定し、第1特別図柄に係る第1〜第4保留領域及び第2特別図柄に係る第1〜第4保留領域のいずれかにデータを格納するものである。格納されるデータは、保留オブジェクトを特定するための「オブジェクトデータ」、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」及び変動パターンを示す「変動パターンデータ」である。
S3903では、保留表示コマンドをセットする。この保留表示コマンドは、図31のS3105の送信処理によって、画像制御基板330へ送信される。これによって、新たな保留に関し、保留オブジェクトによる保留表示が実現される。S3903の処理実行後、保留処理を終了する。
[稼働状態判定処理]
図40は、図31のS3101における稼働状態判定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS4001では、保留数が「0」となっているか否かを判定する。この処理は、メインRAM301cに記憶される普通図柄判定の保留数T、特別図柄判定の保留数U1
,U2が共に「0」となっているか否かを判定するものである。保留数が「0」である場合には、非稼働状態である可能性が高いためである。ここで保留数が「0」であると判定された場合(S4001:YES)、S4002へ移行する。一方、保留数が「0」でない場合(S4001:NO)、S4006にて非稼働タイマをリセットし、S4007にて稼働状態と判定した後、稼働状態判定処理を終了する。非稼働タイマは、非稼働状態での経過時間を計時するタイマであり、S4009にて作動が開始する。そしてS4001及び以下のS4002〜S4005にて稼働状態と判断できる作動が検出されたときに、S4006にてリセットされる。
S4002では、変動中でないか否かを判断する。この処理は、普通図柄又は特別図柄が変動中でないことを判断するものである。変動中でない場合には、非稼働状態である可能性が高いためである。ここで変動中でないと判断された場合(S4002:YES)、S4003へ移行する。一方、変動中であると判断された場合(S4002:NO)、S4006へ移行する。
S4003では、確変遊技フラグが「OFF」となっているか否かを判定する。この処理は、メインRAM301cに記憶される確変遊技フラグが「OFF」、すなわち通常遊技状態であるか否かを判定するものである。確変遊技状態の場合には非稼働状態である可能性が低い。ここで確変遊技フラグが「OFF」であると判定された場合(S4003:YES)、S4004へ移行する。一方、確変遊技フラグが「ON」であると判定された場合(S4003:NO)、S4006へ移行する。
S4004では、時短遊技フラグが「OFF」であるか否かを判定する。この処理は、メインRAM301cに記憶される時短遊技フラグが「OFF」、すなわち非時短遊技状態であるか否かを判定するものである。時短遊技状態の場合には非稼働状態である可能性が低い。ここで時短遊技フラグが「OFF」であると判定された場合(S4004:YES)、S4005へ移行する。一方、時短遊技フラグが「ON」であると判定された場合(S4004:NO)、S4006へ移行する。
S4005では、遊技球の発射があるか否かを判断する。この処理は、発射制御基板350から入力されるタッチセンサ351及び発射ボリューム352に基づき、遊技球が現に発射されているか否かを判断するものである。ここで遊技球の発射がないと判断された場合(S4005:NO)、S4008へ移行する。すなわちS4008には、S4001〜S4005にて稼働状態であると判断できる作動が検出されなかったときに移行する。一方、遊技球の発射があると判断された場合(S4005:YES)、S4006へ移行する。
S4008では、非稼働タイマが作動中であるか否かを判断する。ここで非稼働タイマが作動中であると判断された場合(S4008:YES)、S4009の処理を実行せず、S4010へ移行する。一方、非稼働タイマが作動中でないと判断された場合(S4008:NO)、S4009にて非稼働タイマの作動を開始し、S4010へ移行する。
S4010では、所定時間が経過したか否かを判断する。この処理は、S4009にて非稼働タイマの作動が開始されてから所定時間が経過したか否かを判断するものである。ここで所定時間が経過したと判断された場合(S4010:YES)、S4011にて非稼働状態と判定し、次にS4012にて図33に示すリトライ処理を実行し、その後、稼働状態判定処理を終了する。一方、所定時間が経過していないと判断された場合(S4010:NO)、S4011、S4012の処理を実行せず、稼働状態判定処理を終了する。
なお、S4011にて非稼働状態と判定されると、演出制御基板320のサブCPU320aは、図示しないデモ表示コマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信する。これにより、液晶表示装置121等を介してデモ表示が行われる。また、このとき、液晶表示装置121の輝度及び音声出力装置331に制御されるスピーカ104の音量などが抑制されるエコモードとなる。このエコモードは、S4007にて稼働状態と判定されるまで継続する。
[本実施形態の遊技機1が発揮する第1の効果]
従来、可動役物の復帰処理の際に、異常(エラー)が発生した可動役物をその可動役物の作動範囲のうちの一部の範囲で作動させて復帰処理を行っていた。そのため、復帰処理を行って可動役物の異常が解消しなかった場合に、どこかに不具合が発生していることはわかるものの、その不具合が可動役物の作動に関する機械的な不具合なのか、それとも可動役物の作動状態(位置)を検出するセンサの不具合なのか、識別することが困難であった。
この点、本実施形態の遊技機1は、所定の作動範囲内で作動可能な可動役物211〜218と、可動役物211〜218を作動させる演出用駆動装置341(可動役物駆動装置343)と、演出用駆動装置341(可動役物駆動装置343)を制御する演出制御基板320及びランプ制御基板340と、作動範囲内に配置され、可動役物211〜218の作動範囲内の位置を検出する複数の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、特定基準位置検出センサ345、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)とを備えている。
そして、演出制御基板320及びランプ制御基板340は、可動役物211〜218を正常な状態に復帰させるための復帰処理(図34、S3401、S3403、S3406)を行う際に、可動役物211〜218が作動範囲内の複数の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、特定基準位置検出センサ345、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)が配置された位置をすべて通過するように可動役物211〜218を作動させる(図35、図36)。
すなわち、本実施形態の遊技機は、所定の作動範囲内で作動可能な可動役物と、該可動役物を作動させる作動手段と、該作動手段を制御する制御手段と、前記作動範囲内に配置され、前記可動役物の前記作動範囲内の位置を検出する複数の位置検出手段とを備え、前記制御手段は、異常が発生した前記可動役物を正常な状態に復帰させるための復帰処理を行う際に、前記可動役物が前記作動範囲内の少なくとも前記複数の位置検出手段が配置された位置をすべて通過するように前記可動役物を作動させるよう構成されている。
そのため、各可動役物の復帰処理(S3401、S3403、S3406)の際に、作動範囲内の一部の位置検出センサが可動役物の位置を検出しなかったか否かを判断することにより(S3702)、可動役物の位置を検出する位置検出センサに異常が発生しているのか、可動役物を作動させる機構である演出用駆動装置341(可動役物駆動装置343)に機械的な異常が発生しているのかを推定することが可能となる。これにより、可動役物の復帰処理を実行することによって、発生している不具合(センサ異常、機械的異常)の推定が可能となる。
また、本実施形態の遊技機1において、演出制御基板320及びランプ制御基板340は、各可動役物の復帰処理(S3401、S3403、S3406)において、作動範囲内の複数の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、特定基準位置検出センサ345、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)の一部が可動役物211〜218の位置を検出しなかった場合(S3702:YES)に位置検出センサに異常が発生
していると推定し(S3703)、作動範囲内の複数の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、特定基準位置検出センサ345、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)の全部が可動役物211〜218の位置を検出しなかった場合(S3702:NO)に可動役物を作動させる機構である演出用駆動装置341(可動役物駆動装置343)に機械的な異常が発生していると推定する(S3704)。
すなわち、本実施形態の遊技機は、前記復帰処理において、前記作動範囲内の前記複数の位置検出手段の一部が前記可動役物の位置を検出しなかった場合に前記位置検出手段に異常が発生していると推定し、前記作動範囲内の前記複数の位置検出手段の全部が前記可動役物の位置を検出しなかった場合に前記作動手段に異常が発生していると推定する推定手段をさらに備えている。
そのため、可動役物の位置を検出する位置検出センサに異常が発生しているのか、可動役物を作動させる機構である演出用駆動装置341(可動役物駆動装置343)に機械的な異常が発生しているのかを推定することが容易となる。特に、作動範囲内の複数の位置検出センサの一部が可動役物の位置を検出しなかった場合(S3702:YES)、可動役物の位置を検出しなかった位置検出センサがわかれば、どの位置検出センサに異常が発生しているかを推定することが容易となる。
[本実施形態の遊技機1が発揮する第2の効果]
従来、複数の可動役物に異常(エラー)が発生した場合、例えば、これらの可動役物が互いに干渉(接触)するおそれのないように連動して動く可動役物であるとき、復帰処理を実行してこれらの可動役物を作動させると、可動役物同士が干渉する危険性が高まるという問題があった。
この点、本実施形態の遊技機1は、複数の可動役物211〜218と、可動役物211〜218を作動させる演出用駆動装置341(可動役物駆動装置343)と、演出用駆動装置341(可動役物駆動装置343)を制御する演出制御基板320及びランプ制御基板340とを備えている。そして、演出制御基板320及びランプ制御基板340は、可動役物の復帰処理(図34)を行う際に、予め定められた優先順位に基づいて、その優先順位が高い可動役物211〜218から順に復帰処理(S3401、S3403、S3406)を行うよう構成されている。
すなわち、本実施形態の遊技機は、複数の可動役物と、該複数の可動役物を作動させる作動手段と、該作動手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、異常が発生した前記可動役物を正常な状態に復帰させるための復帰処理を行う際に、予め定められた優先順位に基づいて、その優先順位が高い前記可動役物から順に前記復帰処理を行うよう構成されている。
そのため、可動役物の復帰処理(図34)時に、可動役物同士が干渉(接触)することを防止することができる。具体的には、第2中央可動役物212の優先順位を第1中央可動役物211の優先順位よりも高くすることにより、第1中央可動役物211に異常が発生している状態で先に第2中央可動役物212の復帰処理を行い、両者が干渉してしまうことを防止することができる。これにより、可動役物の故障、損傷等を防止することができる。
また、本実施形態の遊技機1において、演出制御基板320及びランプ制御基板340は、復帰処理(図34)の際に、優先順位の高い可動役物を復帰処理によって正常な状態に復帰させることができなかったとき、つまり作動範囲内の全位置検出センサが可動役物の位置を検出したわけではない(作動範囲内の少なくともの一部の位置検出センサが可動
役物の位置を検出しなかった)場合(S3402、S3405:NO)に、S3404にて演出制御基板320のサブRAM320cに記憶されている役物異常フラグを「ON」に設定し(S3404)、それよりも優先順位の低い可動役物の復帰処理を行わずに、図34に示す復帰処理を終了する。
すなわち、本実施形態の遊技機において、前記制御手段は、優先順位の高い前記可動役物を前記復帰処理によって正常な状態に復帰させることができなかったときに、それよりも優先順位の低い前記可動役物の前記復帰処理を行わないよう構成されている。
そのため、可動役物の復帰処理(図34)時に、可動役物同士の干渉(接触)をより確実に防止することができる。具体的には、第1中央可動役物211に異常が発生している状態で第2中央可動役物212の復帰処理を行い、両者が干渉してしまうことを防止することができる。これにより、可動役物の故障、損傷等を防止することができる。
[本実施形態の遊技機1が発揮する第3の効果]
本実施形態の遊技機1において、第1中央可動役物211を構成する第1装飾部材802は、液晶表示装置201における装飾図柄等の演出に合せた所定の駆動タイミングで図2に示す退避位置から図7に示す進出位置へ移動する。その際、第1装飾部材802の中心部分802aは、液晶表示装置201の表示画面における遊技者が視認可能である表示領域201aの外縁上の間隔を空けた第1通過点201b及び第2通過点201cを通過するように移動する。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、表示領域を有する表示装置(液晶表示装置201)と、その表示領域上を移動する装飾部材(第1装飾部材802)と、を備えるものであって、上記装飾部材は、少なくとも該装飾部材の一部の領域(中心部分802a)が表示領域の外縁上の間隔を空けた第1位置(第1通過点201b)及び第2位置(第2通過点201c)を通過するように移動する。
このように構成された遊技機1は、装飾部材が表示領域を跨いで横切るように移動するため、これまでの遊技機にはない装飾部材の移動により遊技の趣向性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては第1装飾部材802の中心部分802aが表示領域201aを跨いで移動する構成を例示したが、中心部分802aに限定されることなく、第1装飾部材802のいずれかの領域が表示領域201aを跨いで移動していれば、同様の効果を奏するものとなる。
また本実施形態では、第1通過点201b及び第2通過点201cは、表示領域201aの中心部201dを基準として、反対側に位置する。
すなわち、本実施形態の遊技機1において、上記第1位置(第1通過点201b)及び第2位置(第2通過点201c)は、表示領域の中心部(201d)に対して略反対側の位置に設定されている。
このように構成された遊技機1は、装飾部材が表示領域を大きく横切ることとなるため、装飾部材の移動によって遊技者の興趣を大きく向上させることができる。
また本実施形態では、第1装飾部材802の中心部分802aが第1通過点201b及び第2通過点201cを通過する際には、その間において第1装飾部材802は真っ直ぐに移動する。
すなわち、本実施形態の遊技機1において、装飾部材の一部の領域が上記第1位置(第1通過点201b)及び第2位置(第2通過点201c)の間を移動する際、装飾部材は直線的に移動する。
このように構成された遊技機1は、装飾部材が直線的に移動することにより装飾部材が表示領域を跨いで移動したことを遊技者に対して強く印象づけることができ、遊技者の興趣を大きく向上させることができる。特に、本実施例のように表示領域201aの中心部201dを第1装飾部材802の中心部分802aが通過することで、より高度に遊技者の興趣を向上させることができる。
なお本実施形態では、第1通過点201b及び第2通過点201cが表示領域201aの中心部201dを基準として反対側に位置する構成を例示したが、第1通過点201b及び第2通過点201cが中心部201dを基準として反対側に位置していないように構成してもよい。また、本実施形態では第1装飾部材802が直線的に移動する構成を例示したが、第1装飾部材802が直線的に移動せず、曲線的に、またはジグザグに移動する構成であってもよい。
上述したように第1通過点201b及び第2通過点201cの位置や第1装飾部材802の移動態様が設定されていても、遊技の趣向性を向上する効果を奏することができる。但し、上述した本実施形態の構成を採用する場合には、より高い効果を奏する。
また、本実施形態においては液晶表示装置201におけるユーザが視認可能な領域を表示領域201aとし、装飾部材802の中心部分802aが表示領域201aをまたぐように移動する構成を例示した。しかしながら液晶表示装置201の表示画面が、ユーザが視認可能な領域よりも小さい場合もある。そのような場合には、可動役物が表示画面の外縁の間隔を空けた2点を通過するように構成してもよい。このように構成された遊技機であれば、上記実施形態と同様に遊技の趣向性を向上させることができる。また、表示画面が演出可能な領域であると考えると、液晶表示装置201の表示画面が本実施形態のように表示領域201aよりも大きい場合であっても、第1装飾部材802がその表示画面の外縁の間隔を空けた2点を通過するように構成してもよい。このように構成することで、可動役物が非常に広い範囲で移動するため、顕著に遊技の趣向性を向上させることができる。
[本実施形態の遊技機1が発揮する第4の効果]
本実施形態の遊技機1は、演出制御基板320が主制御基板300から受信する制御信号に応じた3つの動作モードで可動役物212〜218を動作させる。第1動作モードは各可動役物212〜218が動作を行わない動作モードであり、原点位置に移動して原点位置で待機する。第2動作モードは煽り演出等を行うときの動作モードであり、各可動役物212〜218が遊技機1の中央側の進出位置へ移動する。第3動作モードも第2動作モードと同様に煽り演出等を行うときの動作モードであり、各可動役物212〜218が遊技機1の外周側よりの退避位置へ移動する。動作モードは主制御基板300から受信する制御信号に応じて演出制御基板320が切り替え、ランプ制御基板340が演出制御基板320からの制御信号に基づいて演出用駆動装置341を駆動させることで可動役物212〜218の移動を実現する。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、遊技領域(遊技領域102)を移動可能である装飾部材(可動役物212〜218)を備え、当該遊技機の遊技状態に応じて定まる動作モードである第1動作モード、第2動作モード、及び第3動作モードにて動作可能であり、各動作モードに応じてそれぞれ異なる領域へ上記装飾部材を移動させる移動制御機構(演
出制御基板320,ランプ制御基板340,演出用駆動装置341)を備える。この移動制御機構は、第2動作モードのときには第1動作モードのときよりも装飾部材を当該遊技機の中央側の領域に移動させ、第3動作モードのときには第1動作モードのときよりも装飾部材を当該遊技機の外周側の領域に移動させる。
このように構成された遊技機1は、単純に装飾部材が遊技盤の端から中央部に向かう移動を行うだけでなく、装飾部材が待機する位置から更に遊技盤の外周に向かって移動するため、これまでの遊技機にはない装飾部材の移動により遊技の趣向性を向上させることができる。
特に本実施形態では、装飾部材(可動役物213〜218)が左右に分散して配置されており、それらが同時に遊技盤の中央から外周側に同時に移動するため、遊技盤全体を使った演出が可能となる。よって、一つの装飾部材や左右及び上下のいずれか一方に集めて配置された二つ以上の装飾部材が同一の方向に移動する場合と比較して、より高度に遊技者の興趣を向上させることができる。
また本実施形態では、第2中央可動役物212の退避位置とは、第1中央可動役物211が進出位置に移動する際に第1中央可動役物211及び第1駆動装置801が通過しない領域である。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技領域において所定の移動を行う可動部材(第1中央可動役物211、第1駆動装置801)を備え、上記移動制御機構が、上記第3動作モードにあっては、可動部材が上記所定の移動を行った際に通過しない領域に、装飾部材を移動させるように構成されている。
このように構成された遊技機1は、可動部材が移動するときに動作モードを第3モードとして装飾部材を外周側の領域に移動させることで、可動部材と装飾部材とが接触してしまうことを抑制でき、接触による遊技機の破損や異常状態の発生の危険を低減することができる。
なお、可動部材とは上記実施形態に示す第1中央可動役物のように装飾目的の部材でなくともよい。
[本実施形態の遊技機1が発揮する第5の効果]
本実施形態の遊技機1は、第1駆動装置801が第1中央可動役物211を遊技領域102内で移動可能に支持している。第1中央可動役物211は、図10(A)に示すように表示領域201aの外縁と重ならない位置と、図2に示すように表示領域201aの外縁と重なる位置と、に移動可能である。そして図12(A)〜(C)に示すように、第1中央可動役物211の上方側を構成する第1装飾部材802に設けられた溝1105に、第1中央可動役物211の下方側を構成する第2装飾部材803に設けられた突起1106が進入しており、溝1105は上方側がカーブしていることから第1装飾部材802と第2装飾部材803とが接近した際に第1装飾部材802が回転する。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、遊技領域(遊技領域102)を移動可能である装飾部材(第1中央可動役物211)と、遊技者が画像を視認可能である表示領域(表示領域201a)を有する表示装置(液晶表示装置201)と、上記装飾部材を、装飾部材が表示領域の外縁と重なる第1位置(図2等参照)と、装飾部材が表示領域上であって表示領域の外縁と重ならない第2位置(図10(A)参照)と、に移動可能に支持する移動機構(第1駆動装置801)と、装飾部材が第2位置から第1位置に移動する際に、装飾部材を表示領域と略平行に回転させる回転機構(溝1105、突起1106)と、を備える
このように構成された遊技機1は、装飾部材が表示領域の外縁と重ならない位置から重なる位置に移動する際に装飾部材が回転することで、遊技者が視認可能な表示領域の範囲を調整することができる。したがって、表示領域に表示されるオブジェクトの見やすさの改善や、表示領域においてオブジェクト等を表示させる位置の自由度の向上などを図ることができる。
また本実施形態においては、第1装飾部材802が回転することによって、第1装飾部材802の表示領域201aに突出する部分の面積を、上記回転が行われないと仮定した場合に表示領域201aに突出する部分の面積と比較して小さくしている。
すなわち、本実施形態の遊技機1における回転機構は、装飾部材の回転によって、第1位置に位置する装飾部材の表示領域上に突出する部分の面積を、上述した回転が行われないと仮定した場合の第1位置に位置する装飾部材の上記面積と比較して小さくするように構成されている。
このように構成された遊技機1は、第1位置に位置する装飾部材によって隠される表示領域上の範囲が小さくなるため、遊技者が表示画面において視認できる表示領域の面積を大きくできる。
また本実施形態においては、上述したように第1中央可動役物211は第1装飾部材802及び第2装飾部材803を有しており、第1装飾部材802が下方に移動して表示領域201aの外縁に重なる場合において、第1装飾部材802が上記外縁と重ならない程度に上方に位置する場合よりも大きいように構成されている。
すなわち、本実施形態の遊技機1において、装飾部材は、互いに連結する第1部材(第1装飾部材802)及び第2部材(第2装飾部材803)を備えている。これら第1部材及び第2部材は、一部が前後に重なるとともにその重なる部分の面積である重複面積が変更可能に連結されており、装飾部材が前記第1位置に位置する場合の重複面積は、装飾部材が第2位置に位置する場合の重複面積よりも大きい。
このように構成された遊技機1は、第1位置に位置するときに第1部材と第2部材とが大きく重複するため、第1位置に位置する装飾部材を小さく収納することができる。本実施形態においては、遊技盤100の下方に第1装飾部材802と第2装飾部材803とを収納するときに、全体として第1中央可動役物211を小さくできるため表示領域201a上に突出する面積を小さくすることができる。
また本実施形態においては、上述したように第1中央可動役物211が収納位置に移動する際に、第1装飾部材802が第2装飾部材803に対して回転する。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、回転機構(溝1105、突起1106)が、装飾部材(第1中央可動役物211)が第2位置から第1位置に移動する際に第1部材(第1装飾部材802)を回転させる。
このように構成された遊技機1は、装飾部材全体を回転させる必要がなく、一部のみを回転させることで遊技者が視認可能な表示領域の範囲を調整することができる。
なお本実施形態では、第1装飾部材802のみが第1位置(収納位置)へ移動したときに回転する構成を例示したが、第1中央可動役物211全体が回転する構成であってもよ
い。よって、回転機構も本実施形態で示した溝1105及び突起1106のような構成に限定されることはなく、表示領域201aに沿って回転可能となるような機構であれば様々な構成を採用することができる。
[本実施形態の遊技機1が発揮する第6の効果]
本実施形態の遊技機1において、第2装飾部材803に固定される連結具1103の下部には、左右方向に回転軸を有するローラー1104が形成されている。ローラー1104の先端の一部分は回転軸から離れる方向に突出した突起状(フランジ状)に形成されている。また案内部810にはガイド溝1301が形成されている。第1中央可動役物211が下方に下がりそれに伴い連結具1103(第2装飾部材803)が原点位置と進出位置との間に位置する所定の位置まで下がると、ローラー1104のフランジ部分がガイド溝1301に挿入される。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、遊技領域(遊技領域102)を移動可能である装飾部材(第2装飾部材803)と、その装飾部材を、第1位置(原点位置)から第2位置(進出位置)までの間で移動可能に支持する移動機構(第1駆動装置801)と、上記装飾部材が、第1位置と第2位置の間に位置する第3位置(ガイド開始位置)から第1位置までの範囲に位置するときに、装飾部材の移動を案内するガイド機構(案内部810、ローラー1104)と、を備える。そしてガイド機構は、遊技盤(遊技盤100)及び装飾部材のいずれか一方に設けられる突起部(ローラー1104)と、一方とは異なる他方に設けられ、突起部が挿入される溝部(ガイド溝1301)と、を有しており、突起部が溝部に挿入されることで装飾部材の移動の案内をする。
このように構成された遊技機1は、ガイド機構によって装飾部材の第3位置から第1位置までの移動が案内される。したがって、装飾部材のガタツキを抑制することができ、位置を検出するセンサ(原点位置検出センサ344)による誤検出を抑制できるため、装飾部材が異常を検出することによって装飾部材の動作が停止され、それにより遊技の趣向性が低下してしまうことを抑制できる。
なお本実施形態においては遊技盤100側にガイド溝1301が設けられ、第2装飾部材803側に突起部を有するローラー1104を設ける構成を例示しているが、遊技盤100側に突起が設けられ、第2装飾部材803側に溝が設けられる構成であってもよい。また本実施形態のように、案内部810により案内がなされる範囲(第3位置から第1位置までの範囲)に第2装飾部材803が位置するときにセンサによる位置検出を実行することで、センサによる誤検出の抑制をより高度に実現することができる。
また本実施形態においては、案内部810の上端には傾斜面1302が形成されており、連結具1103が下方に移動して所定の位置に移動したときにローラー1104が傾斜面1302に乗ることでスムーズにガイド溝1301に進入する。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、装飾部材が第2位置の側から、第3位置から第1位置までの範囲に移動する際に、突起部(ローラー1104)を溝部(ガイド溝1301)に案内するガイド補助機構(傾斜面1302)を備える。
このように構成された遊技機1は、ガイド補助機構が突起部の溝部への進入を補助するため、ガイド機構による案内が無い状態から案内が行われる状態へスムーズに移行することができる。
また上述したように、本実施形態における第2装飾部材803は、第1リンク部材806及び第3リンク部材901を有するリンク機構と、第2リンク部材807及び第4リン
ク部材902を有するリンク機構と、によって左右から支持されている。
すなわち、移動機構(第1駆動装置801)は、一端が遊技盤(遊技盤100)に連結され、他端が装飾部材(第2装飾部材803)に連結される少なくとも2つのリンク機構(806、807、901、902)によって装飾部材を支持するように構成されている。
このように構成された遊技機1は、2つ以上のリンク機構によって支持され、複雑な動作を行う装飾部材であっても、その移動を案内することができ、センサの誤検出を抑制して遊技の趣向性低下を抑制できる。本実施形態では2つのリンク機構により支持される構成を例示したが、3つ以上のリンク機構により支持される構成としてもよい。
なお、本実施形態では突起部としてローラー1104のフランジ部を採用する構成を例示したが、ローラーではなく単に突起状のものが配置されていてもよい。但し、ローラーとすることで突起部の溝部への進入をスムーズに行うことができるようになる。
[本実施形態の遊技機1が発揮する第7の効果]
本実施形態の遊技機1は、第1駆動装置801が第1中央可動役物211の装飾部材802〜805を移動可能に支持している。第1駆動装置801は第1リンク部材806、第2リンク部材807、第3リンク部材901、第4リンク部材902、により第1装飾部材802、第2装飾部材803を支持している。第1リンク部材806、第3リンク部材901の背面には、帯状に並べられた複数の電線からなる電線束1107が第1リンク部材806、第3リンク部材901に沿って配置されている。
電線束1107は、電線束1107を長さ方向に区分した領域として、複数の電線を並べて接着してなる接着領域1107bと、複数の電線がそれぞれ分離してなる非接着領域1107aと、を有する。この電線束1107により、ランプ制御基板340からの電気信号が、第1装飾部材802に設けられた電子部品1111に送信される。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、遊技機の遊技状態に応じて作動する電子部品(電子部品1111)が設けられる装飾部材(第1中央可動役物211)と、装飾部材を支持する支持部材(第1リンク部材806、第3リンク部材901)を備え、該装飾部材を所定の領域内で移動可能とする移動機構(第1駆動装置801)と、上記支持部材に沿って配置され、電子部品に対して制御信号及び電力の少なくともいずれか一方を送信する複数の電線からなる電線束(電線束1107)と、を備える。この電線束は、該電線束を長さ方向に区分した領域として、複数の電線を並べて接着してなる接着領域(接着領域1107b)と、複数の電線がそれぞれ分離してなる非接着領域(1107a)と、を有する。
このように構成された遊技機1は、複数の電線が並べて接着されることで強度が高められるとともに複数の電線を密集させる接着領域と、複数の電線が分離することで屈曲の自由度が高められた非接着領域と、を有しているため、電線束が接着領域のみで形成されている場合よりも電線束を自由に屈曲させることができ、また電線束が非接着領域のみで形成されている場合よりも各電線が集まっており容易に扱うことができる。したがって、電線束の断線が抑制されるため装飾部材の異常の発生を抑制でき、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また上述したように、本実施形態において電線束1107は帯状に並べられた複数の電線からなるものである。また第3リンク部材901は第1装飾部材802に対して所定の回転軸901aを中心に回動可能に連結しておりこの連結部分に沿って配置される部分は接着領域1107bである。また連結部分に沿って配置される電線束1107は、複数の
電線の並びが回転軸の軸方向と略同じ方向(前後方向)となっている。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、支持部材(第3リンク部材901)は所定の回転軸(回転軸901a)を中心として回動可能に連結されており、また電線束(電線束1107)は、複数の電線が帯状に並べられたものであり、また、電線束のうち連結部分に沿って配置される部分は接着領域(1107b)であり、該接着領域は、複数の電線の並ぶ方向が上記回転軸の軸方向と略同じ方向となるように配置される。
帯状に並べられた接着領域は、その並びの方向(幅方向)への折り曲げは難しいが、並び方向と直交する方向(厚さ方向)への折り曲げは比較的容易に行うことができる。支持部材が連結部分に沿って回転すると、連結部分に沿って配置される電線束は並び方向と直交する方向(厚さ方向)に対して折り曲げられるため、このように構成された遊技機1では電線束の破損を抑制することができる。
なお上述した帯状とは、全体として幅に対して小さな厚みで大きな長さを有する略長板形状のことを意味しており、各電線の長さ方向が帯の長さ方向となる。厚みが大きいと折り曲げが困難になるが、幅に対して十分に小さければ電線を複数重ねて厚みを有していてもよい。
また上述したように、本実施形態においては第1リンク部材806と第3リンク部材901はそれぞれ柱状であって、屈曲部分1108にて屈曲可能に連結している。
すなわち、本実施形態の遊技機1において、支持部材(第1リンク部材806、第3リンク部材901)は、屈曲部分(屈曲部分1108)を有する柱状の部材であって、電線束(電線束1107)のうち屈曲部分に沿って配置される部分は、非接着領域である。
このように構成された遊技機1は、支持部材が屈曲する部分において電線束の各電線が分離しているため、支持部材の屈曲の影響を受けにくく、電線束の破損を抑制することができる。
また本実施形態の遊技機1では、電線束(電線束1107)は、支持部材(第1リンク部材806、第3リンク部材901)の背面に配置される。
このように構成された遊技機1は、電線束が遊技者から見えにくくなっているため、電線束が見えることで興趣を低下させてしまう危険を低減できる。
なお、本実施形態の遊技機1では、第1リンク部材806と第3リンク部材901との連結する屈曲部分1108においては、電線束1107を電線の並び方向(帯の幅方向)に折り曲げるため、その部分を非接着領域1107aとしている。一方、第3リンク部材901と第1装飾部材802との連結部分に沿った領域(第2折り返し部1110より電子部品1111側)においては、電線束1107を電線の並び方向と直交する方向に折り曲げるため、その部分を接着領域1107bとしている。
これらはいずれも電線束1107の破損を抑制するための方策であって、どのような部位にいずれの方策を採用するかは特に限定されない。例えば、支持部材の構成や装飾部材の大きさ、形状などにより適宜設定することができる。
[本実施形態の遊技機1が発揮する第8の効果]
本実施形態の遊技機1は、S3301、S3305にて演出制御基板320が原点位置検出センサ344の出力に基づいて可動役物212〜218が原点位置にあるか否かを判
定する。そしてS3301及びS3305において異常と判定したときは、S3306において演出制御基板320がランプ制御基板340を制御して演出用駆動装置341を駆動させ、可動役物212〜218を退避位置へ移動させる。一方、異常と判定していないときは、演出制御基板320はランプ制御基板340を制御して演出用駆動装置341を駆動させ、可動役物212〜218を原点位置と進出位置との間で移動させる。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、装飾部材(可動役物212〜218)と、装飾部材を、第1位置(退避位置)から第2位置(進出位置)までの間で移動させる駆動手段(演出用駆動装置341)と、駆動手段に制御信号を出力して駆動手段の動作を制御する制御手段(ランプ制御基板340)と、当該遊技機が所定の状態であることを検出する検出手段(原点位置検出センサ344、S3301、S3305)と、検出手段の検出結果に応じて当該遊技機を異常と判定する判定手段(演出制御基板320、S3301、S3305)と、を備え、上記制御手段は、判定手段が異常と判定していないときは、第1位置(退避位置)と第2位置(進出位置)との間に位置する原点位置から第2位置までの間を装飾部材が移動するように駆動手段を制御し、判定手段が異常と判定したときは、第1位置へ装飾部材が移動するように駆動手段を制御することを特徴とする遊技機である。
このように構成された遊技機1は、遊技機の異常、一例として装飾部材の位置の異常が検出されたときに、原点位置を基準として進出位置と反対側の退避位置へ装飾部材を移動させる。また本実施形態において退避位置とは遊技機1の外縁側に位置している。これにより、装飾部材に異常が生じても、他の装飾部材に接触してしまう危険が低減できる。また、装飾部材が退避位置へ移動していることによりメンテナンス等のために遊技機を搬送する場合にも他の装飾部材との接触を抑制できる。このように、遊技機1は異常が発生したときの不都合を抑制することができる。
また上述したように、本実施形態における検出手段(原点位置検出センサ344、S3205)は、装飾部材(可動役物212〜218)が所定の位置に存在することを検出するものであり、判定手段(演出制御基板320、S3301、S3305)が、所定のタイミングにおいて装飾部材が上記所定の位置に存在することを検出手段が検出しないときに異常と判定する。
このように構成された遊技機1は、装飾部材の異常を高い精度で検出することができ、装飾部材同士の接触によるトラブルをより回避しやすくなる。なお、検出手段が検出する異常は装飾部材の位置に関する異常に限定されることなく、遊技や良好な演出を妨げる遊技機1の他の異常、例えば電源系のトラブル、遊技球の詰まり、部品の破損や異常を検出した際に装飾部材を退避位置へ移動させるように構成されていてもよい。
また上述したように、本実施形態における第1位置(退避位置)が、装飾部材(可動役物212〜218)を遊技盤に固定する固定具を装着可能な位置とすることができる。
このように構成された遊技機1は、退避位置をブリスタ等の固定具により可動役物を固定可能な位置とすることで、異常が検出されれば可動役物は固定具を取り付ける位置に自動的に移動するため固定具の取り付け作業が容易になる。
[本実施形態の遊技機1が発揮する第9の効果]
本実施形態の遊技機1は、演出制御基板320がランプ制御基板340を制御して演出用駆動装置341を駆動させ、可動役物211〜218を移動させる。また遊技機1は、変動処理(S3204)を開始するタイミング(S3203)、オープニング処理(S3209)を開始するタイミング(S3208)、エンディング処理(S3214)を開始するタイミング(S3213)、及び、非可動状態と判定された(S3611)後のタイ
ミング(S3612)において、図33に示すリトライ処理を実行する。リトライ処理では、S3301において、演出制御基板320が原点位置検出センサ344の出力に基づいて可動役物211〜218が原点位置にあるか否かを判定する。そしてS3301において異常と判定したときは、S3304において復帰処理を行う。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、遊技領域を移動可能である装飾部材(可動役物211〜218)と、装飾部材を移動させる移動制御機構(演出制御基板320、ランプ制御基板340、演出用駆動装置341)と、装飾部材が所定の位置に存在することを検出する検出手段(原点位置検出センサ344)と、装飾部材が所定の位置に存在することを検出手段が検出しないときに上記移動制御機構の動作を異常と判定する判定動作を、所定のタイミングにおいて実行する判定手段(演出制御基板320)と、を備える。そして、移動制御機構は、判定手段が異常と判定したときには、所定のタイミングにおいて装飾部材に所定の動作を実行させる復帰処理を行うように構成されている。
このように構成された遊技機1は、所定のタイミングにおいて復帰処理を実行するため、装飾部材の異常が発見されたタイミングで復帰処理を行う場合と比較して無理なく復帰処理を実行でき、復帰処理を簡便に行うことができる。
また本実施形態の遊技機1は、S2004、S2014にて取得された大当たり乱数に基づいて、S2401にて大当たりか否かを判定し、大当たりであれば図29に示す大入賞装置開放制御処理にて複数回のラウンド遊技を実行する。また、ラウンド遊技に前後してオープニング演出(S3209)とエンディング演出(S3214)を実行する。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、始動条件の成立に際し取得される判定情報に基づき、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(主制御基板300)と、その特別遊技判定手段により特別遊技を実行すると判定されたときに、特別遊技を実行する特別遊技実行手段(主制御基板300)と、を備えている。そして上記特別遊技は、大入賞装置の開放を行う複数回のラウンド遊技と、該複数回のラウンド遊技を開始する前の演出であるオープニング演出(S3209)と、上記複数回のラウンド遊技の終了に伴う演出であるエンディング演出(S3214)と、から構成されるものであり、判定手段が異常と判定したときには、少なくとも特別遊技のオープニング演出又はエンディング演出を実行するタイミングにおいて、復帰処理を行うように構成されている。
このように構成された遊技機1では、特別遊技のオープニング演出またはエンディング演出を実行するタイミングにおいて復帰処理を行うことができる。復帰処理は、オープニング演出またはエンディング演出を実行するタイミングにおいて少なくとも一部が実行されていればよい。すなわち、各演出が開始される前のタイミング、各演出の開始タイミング、各演出が開始された後のタイミング、のいずれのタイミングに復帰処理が開始される構成であってもよい。
また本実施形態の遊技機1は、各可動役物211〜218それぞれに対応する原点位置検出センサ344を備えており、S3305にて一つでも可動役物が原点に位置していなければ異常と判定し、S3307にて全ての可動役物の動作を停止する。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、移動制御機構(演出制御基板320、ランプ制御基板340、演出用駆動装置341)により移動させられる複数の装飾部材(可動役物211〜218)と、該複数の装飾部材それぞれに対応する複数の検出手段(原点位置検出センサ344)と、を備えており、判定手段(演出制御基板320)は上記複数の検出手段に対して判定動作を行うものであって、移動制御機構(演出制御基板320、ランプ制御基板340、演出用駆動装置341)は、複数の装飾部材のうち1つ以上が異常と判定
手段が判定した場合に、複数の装飾部材全ての動作を停止するように構成されている。
装飾部材に異常が発生したとき、その装飾部材の位置は不明であるため、異常が発生していない装飾部材が動作を実行すると異常が発生した装飾部材と接触してしまうおそれがあるが、上述したように構成された遊技機1は、一つでも装飾部材に異常が生じると全ての装飾部材の動作を停止することから、異常が生じたときに装飾部材同士が接触してしまうことを抑制でき、装飾部材の故障や破損を抑制できる。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、図32のコマンド処理においてS3204の変動処理、S3209のオープニング処理、S3214のエンディング処理を開始する前、及び図40のS4011にて非稼働状態と判定されたときに、図33のリトライ処理のS3301にて可動役物の異常判定を行う構成を例示したが、異常判定を行うタイミングは上述したタイミングに限定されることなく、様々なタイミングで行うことができる。
ただし、少なくとも上述した4つのタイミングのうち、少なくとも3つのタイミングにおいてリトライ処理(異常判定)を実行することで、迅速に異常状態からの復帰や可動役物の退避位置への移動を実行することができる。また、少なくとも上述した4つのタイミングにおいて全てリトライ処理を実行することとすれば、更に迅速な処理が可能となる。
また、上記実施形態においては、図33のリトライ処理におけるS3304にて復帰処理を行った後に異常が継続していると、S3306にて全可動役物を停止する構成を例示したが、複数回復帰処理を実行しても異常が継続している場合に全可動役物を停止する構成としてもよい。
また、S3306にて停止する可動役物は全ての可動役物でなくともよく、一部の可動役物のみ停止する構成であってもよい。例えば、第1中央可動役物211及び第2中央可動役物212を組として、それらのいずれか一方が役物異常と判定された場合に両方の作動を停止するように構成することが考えられる。
また、S3308における退避位置への移動も同様に、第1中央可動役物211を除く全ての可動役物が退避位置へ移動する構成に限定されず、役物異常と判定された可動役物に予め対応づけられた可動役物のみ退避位置へ移動するように構成してもよい。また、退避位置への移動は実行しないように構成されていてもよい。
また、S3308では、可動役物212〜218を移動させるためのステッピングモータを、進出位置から退避位置へ移動するために必要な駆動量よりも多く駆動させる構成を例示したが、その構成に限定されることはない。例えば、進出位置から退避位置までの距離分駆動させる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、図34に示すような復帰処理を実行したが、これに限定されるものではなく、他の態様で復帰処理を実行してもよい。
図41は、図33のS3304にて実行される復帰処理の別例の詳細を示すフローチャートである。
最初のS4101では、「優先順位1」の可動役物、すなわち第2中央可動役物212の復帰処理を実行する。復帰処理は、第2中央可動役物212が作動範囲内の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)が配置された位置を全て通過するように、第2中央可動役物212を作動させる。第
2中央可動役物212の復帰処理動作の例については、上述した図36に示すとおりである。
S4102では、作動範囲内の全位置検出センサが可動役物の位置を検出したか否かを判断する。全位置検出センサが検出した場合(S4102:YES)、S4104に移行する。一方、全位置検出センサが検出したわけではない、すなわち作動範囲内の少なくともの一部の位置検出センサが可動役物の位置を検出しなかった場合(S4102:NO)、S4103に移行する。S4103では、演出制御基板320のサブRAM320cに記憶されている役物異常フラグを「ON」に設定する。その後、S4104に移行する。
S4104では、干渉条件判定を行う。ここでは、優先順位1の可動役物(第2中央可動役物212)の状態に基づいて、優先順位1の可動役物(第2中央可動役物212)と次に優先順位の高い優先順位2の可動役物(第1中央可動役物211)との干渉条件について、「干渉条件あり」又は「干渉条件なし」を判定する。ここで、干渉条件とは、優先順位の低い可動役物(優先順位2の第1中央可動役物211)の復帰処理を実行した場合に優先順位の高い可動役物(優先順位1の第2中央可動役物212)に干渉(接触)する危険性のことをいう。この例では、優先順位2の第1中央可動役物211の復帰処理を実行した場合に優先順位1の第2中央可動役物212に干渉(接触)する危険性のことをいう。
図42は、干渉条件判定に用いられる干渉条件判定テーブルを示したものである。これによれば、優先順位1の可動役物(第2中央可動役物212)が正常な状態である場合(S4102:YES)、それよりも優先順位が低い優先順位2の可動役物(第1中央可動役物211)との干渉条件について「干渉条件なし」と判定される。一方、優先順位1の可動役物(第2中央可動役物212)が異常な状態である場合(S4102:NO)、それよりも優先順位が低い優先順位2の可動役物(第1中央可動役物211)との干渉条件について「干渉条件あり」と判定される。
図41に説明を戻る。S4104にて「干渉条件あり」と判定された場合(S4104:YES)、優先順位2の第1中央可動役物212の復帰処理(後述するS4105)等を行わずに、S4108に移行する。一方、「干渉条件なし」と判定された場合(S4104:NO)、S4105に移行する。
S4105では、「優先順位2」の可動役物、すなわち第1中央可動役物211の復帰処理を実行する。復帰処理は、第1中央可動役物211が作動範囲内の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、特定基準位置検出センサ345、進出位置検出センサ346)が配置された位置を全て通過するように、第1中央可動役物211を作動させる。第1中央可動役物211の復帰処理動作の例については、上述した図35に示すとおりである。なお、本実施形態においては、第2中央可動役物212が原点位置にあっても設計上は第1中央可動役物211と第2中央可動役物212とは接触しないが、第2中央可動役物212を退避位置に移動させた状態で第1中央可動役物211の復帰処理を実行することにより、両者が接触する危険性をより低減することができる。
S4106では、作動範囲内の全位置検出センサが可動役物の位置を検出したか否かを判断する。全位置検出センサが検出した場合(S4106:YES)、S4108に移行する。一方、全位置検出センサが検出したわけではない、すなわち作動範囲内の少なくともの一部の位置検出センサが可動役物の位置を検出しなかった場合(S4106:NO)、S4107に移行する。S4107では、演出制御基板320のサブRAM320cに記憶されている役物異常フラグを「ON」に設定する。その後、S4108に移行する。
S4108では、「優先順位3」の可動役物、すなわち可動役物213〜218の復帰処理を実行する。復帰処理は、可動役物213〜218が作動範囲内の位置検出センサ(原点位置検出センサ344、進出位置検出センサ346、退避位置検出センサ347)が配置された位置を全て通過するように、可動役物213〜218を作動させる。可動役物213〜218の復帰処理動作の例については、上述した図36に示すとおりである。なお、本例では、優先順位3の可動役物213〜218については、他の可動役物、すなわち優先順位1の第2中央可動役物や優先順位2の第1中央可動役物との干渉条件を考慮する必要がないため、事前にS4104のような干渉条件判定を行わずに復帰処理を行う。
S4109では、作動範囲内の全位置検出センサが可動役物の位置を検出したか否かを判断する。全位置検出センサが検出した場合(S4109:YES)、復帰処理を終了する。一方、全位置検出センサが検出したわけではない、すなわち作動範囲内の少なくともの一部の位置検出センサが可動役物の位置を検出しなかった場合(S4109:NO)、S4110に移行する。S4110では、演出制御基板320のサブRAM320cに記憶されている役物異常フラグを「ON」に設定する。その後、復帰処理を終了する。
図41に示す復帰処理の場合、演出制御基板320及びランプ制御基板340は、優先順位1の第2中央可動役物212の復帰処理(S4101)を実行した後、第2中央可動役物212の状態(S4102の判定結果)に基づいて、優先順位1の第2中央可動役物212と優先順位2の第1中央可動役物211との干渉条件を判定(S4104の干渉条件判定)する。そして、優先順位2の第1中央可動役物211の復帰処理(S4105)を行うかどうかを決める。
すなわち、本例の遊技機において、前記制御手段は、優先順位の高い前記可動役物を前記復帰処理によって正常な状態に復帰させることができなかったときに、それよりも優先順位の低い前記可動役物の前記復帰処理を予め定められた他の前記可動役物との干渉条件を考慮して行うよう構成されている。
そのため、可動役物の復帰処理(S3304)時に、可動役物同士の干渉(接触)をより確実に防止することができる。具体的に、本例では、第1中央可動役物211に異常が発生している状態で第2中央可動役物212の復帰処理を行い、両者が干渉してしまうことを防止することができる。これにより、可動役物の故障、損傷等を防止することができる。
1…遊技機
211〜218…可動役物
320…演出制御基板(制御手段、異常判定手段)
340…ランプ制御基板(制御手段、異常判定手段)
341…演出用駆動装置(作動手段)
343…可動役物駆動装置(作動手段)
344…原点位置検出センサ(位置検出手段)
345…進出位置検出センサ(位置検出手段)
346…特定基準位置検出センサ(位置検出手段)
347…退避位置検出センサ(位置検出手段)

Claims (1)

  1. 所定の作動範囲内で作動可能な複数の可動役物と、
    該可動役物の作動を制御する制御手段と、
    前記作動範囲内に配置され、前記可動役物の前記作動範囲内の位置を検出する複数の位置検出手段と、
    前記可動役物の作動及び前記位置検出手段の異常を前記位置検出手段による検出によって判定する異常判定手段と、を備え、
    前記制御手段は、異常が発生した前記可動役物を正常な状態に復帰させるための復帰処理を行う際に、前記可動役物が前記作動範囲内の前記位置検出手段が配置された位置を通過するように所定の動作順序で前記可動役物を作動させ、
    前記異常判定手段は、前記復帰処理において、前記制御手段による前記可動役物の作動により、前記可動役物の作動及び複数の前記位置検出手段の異常を判定し、かつ、前記制御手段は、前記異常判定手段による前記可動役物の作動及び前記位置検出手段の異常の判定に基づいて、前記復帰処理後に、前記可動役物を作動又は停止させて前記可動役物同士の接触を回避可能とされたことを特徴とする遊技機。
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