以下に添付図面を参照して、本発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、本発明にかかるぱちんこ遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した例である。
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明にかかる実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の正面図である。図1に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機100は各種入賞口(後述)などが設けられた遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には発射部が配置されている。
発射部の駆動によって発射された遊技球はレール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達する。上部位置に達した遊技球は遊技領域103内を落下する。遊技領域103内には多数の釘が設けられている。遊技球は遊技領域103内を落下する際にこの釘に衝突することで落下軌道が変化し、その結果、不特定な方向に向けて落下する。遊技領域103内には遊技球の落下軌道を変化させる風車などを設けてもよい。
遊技盤101のほぼ中央部分には画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などを採用することができる。画像表示部104は、大当たり抽選の抽選結果をあらわす特別図柄に対応して設けられた装飾図柄(以下「特図装飾図柄」という)を表示する。さらに、画像表示部104は実行された演出に対応する画像(以下「演出画像」)なども表示する。また、画像表示部104は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす普通図柄に対応して設けられた装飾図柄(以下「普図装飾図柄」という)を表示してもよい。
画像表示部104の下方には第1始動口105と第2始動口106とが配設されている。ぱちんこ遊技機100は第1始動口105や第2始動口106に遊技球が入賞した場合に特別図柄用の判定用情報(以下「特図判定用情報」という)を取得する。ぱちんこ遊技機100はこの特図判定用情報を用いて大当たり抽選(特別図柄抽選)をおこなうことになる。
第2始動口106の近傍には可変入賞装置としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は第2始動口106に遊技球が入賞し難くする閉鎖状態と、第2始動口106に遊技球が入賞し易くする開放状態とをとり得る。たとえば、ぱちんこ遊技機100は電動チューリップ107用のソレノイドを制御して、電動チューリップ107を開放したり閉鎖したりする。
電動チューリップ107は通常時には閉鎖されており、所定条件を満たした場合に開放される。具体的に、ぱちんこ遊技機100は、画像表示部104の左右両側に配設されたゲート108を遊技球が通過すると、普通図柄用の判定用情報(以下「普図判定用情報」という)を取得する。ぱちんこ遊技機100はこの普図判定用情報を用いて普通図柄抽選をおこなう。普通図柄抽選において普通図柄当たり(以下「普図当たり」という)に当選すると、ぱちんこ遊技機100は電動チューリップ107を所定期間開放する。
第2始動口106の右側には大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、遊技球が大入賞口109へ入賞不可能な閉鎖状態と、遊技球が大入賞口109へ入賞可能な開放状態とを有する。たとえば、ぱちんこ遊技機100は大入賞口109用のソレノイドを制御して、大入賞口109を開放したり閉鎖したりする。
大入賞口109は通常時には閉鎖されており、所定条件を満たした際に開放される。具体的に、ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105または第2始動口106に遊技球が入賞すると、大当たり抽選をおこなう。大当たり抽選において大当たりに当選すると、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態となる。そして、大入賞口109を所定期間開放する。開放された大入賞口109に遊技球が入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出す。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口となっている。これにより、遊技球が普通入賞口110に入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出す。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、遊技者に特別図柄などの遊技情報を明示する情報表示部112が設けられている。情報表示部112の詳細については後述するが、情報表示部112は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす特別図柄や、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす特別図柄などを表示する。また、情報表示部112は、遊技球がゲート108を通過することによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果をあらわす普通図柄を表示する。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材113が設けられている。枠部材113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材113は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
枠部材113において遊技領域103の上側にはスピーカ114が組み込まれている。また、枠部材113において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)115が設けられている。演出ライト部115は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。演出ライト部115の各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、これらのランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。
枠部材113の下部位置には、操作ハンドル116が配置されている。操作ハンドル116は、発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル116は、枠部材113と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル116は、発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材117を備えている。発射指示部材117は、操作ハンドル116の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、操作ハンドル116には、遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材117が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射させる。
枠部材113において、遊技領域103の下側となる辺には、演出ボタン(チャンスボタン)118や十字キー119、打球供給皿120などが設けられている。演出ボタン118や十字キー119は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。打球供給皿120は、遊技球を収容するとともに、順次発射部へ遊技球を送り出す。
画像表示部104の遊技者から見て前面となる位置には、可動役物130が配置されている。可動役物130は、駆動モータなどからなる駆動部(後述)を備えており、この駆動部によって駆動される。たとえば、可動役物130は可動役物130を用いた演出(以下「役物演出」という)時に、画像表示部104上方より下方へスライドし、画像表示部104の前面に進出する(図3−2参照)。また、可動役物130は、役物演出以外のときには、画像表示部104上方に設けられた収容スペースに収容される(図1に示した状態となる)。また、可動役物130には、装飾用のランプ(後述)などを設けて、役物演出時などに点灯や点滅させるようにしてもよい。
(情報表示部の詳細)
つぎに、情報表示部112の詳細について説明する。図2は、本実施の形態の情報表示部を示す説明図である。図2において、情報表示部112は、特別図柄表示部201と、普通図柄表示部202と、保留数表示部203と、ラウンド数表示部204と、右打ち表示部205とを備える。各表示部201〜205には、それぞれLED(Light Emitting Diode)表示器が採用されている。
第1特別図柄表示部201aは、遊技球が第1始動口105へ入賞することによっておこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす特別図柄を表示するもので、8つのLEDからなる。第2特別図柄表示部201bは、遊技球が第2始動口106へ入賞することによっておこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす特別図柄を表示するもので、第1特別図柄表示部201aと同様に、8つのLEDからなる。
各特別図柄の変動(変動表示)は、たとえば、図中、左から右へ流れるように、各LEDが点灯および消灯を順次繰り返すことによりおこなわれる。なお、特別図柄の変動中には、画像表示部104では特図装飾図柄などを用いた演出がおこなわれる。特別図柄の変動が終了すると、その後のLEDの点灯態様によって、大当たり抽選の抽選結果があらわされるようになっている。
本実施の形態では、16ラウンド長当たりと、16ラウンド短当たりと、4ラウンド短当たりとがある。たとえば、全LEDが点灯した場合は16ラウンド長当たりを示す。左から3つ目、4つ目、6つ目のLEDが点灯した場合は16ラウンド短当たりを示す。左から1つ目、5つ目、6つ目のLEDが点灯した場合は4ラウンド短当たりを示す。また、一番右のLEDのみが点灯した場合はハズレを示す。各大当たりを示すLEDの点灯態様は、一態様のみならず、複数の点灯態様を取り得るようにしてもよい。
なお、特別図柄がハズレを示す図柄で停止した場合、画像表示部104では特図装飾図柄がハズレを示す組み合わせ(いわゆるバラケ目)で停止する。また、特別図柄が4ラウンド短当たりや16ラウンド短当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104では特図装飾図柄が短当たりを示す特定の組み合わせ(いわゆるチャンス目)で停止する。特別図柄が16ラウンド長当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104では特図装飾図柄が長当たりを示す特定の組み合わせ(いわゆるゾロ目)で停止する。
また、特別図柄表示部201の上部には、普通図柄が表示される普通図柄表示部202が配置されている。普通図柄表示部202は、遊技球がゲート108を通過することによっておこなわれる普通図柄抽選をあらわす普通図柄を表示するもので、3つのLEDからなる。普通図柄抽選で当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機100は、所定期間、電動チューリップ107を開放する。普通図柄の変動中は各LEDが順次点滅する。
普通図柄の変動が停止すると、LEDの点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果があらわされるようになっている。たとえば、本実施の形態では、短開放当たりと、長開放当たりとの2つの普通図柄当たり(以下「普図当たり」と略す)があるとする。「△」のLEDが点灯した場合は短開放当たりを示す。「○」のLEDが点灯した場合は長開放当たりを示す。「×」のLEDが点灯した場合はハズレ(普図ハズレ)を示す。
普通図柄表示部202の左側には、特別図柄や普通図柄に対する判定用情報の数(以下「判定用情報数」という。いわゆる「保留数」)を表示する保留数表示部203が配置されている。保留数表示部203は、第1特別図柄保留数表示部203aと、第2特別図柄保留数表示部203bと、普通図柄保留数表示部203cとからなる。
第1特別図柄保留数表示部203aは第1始動口105へ入賞した遊技球に対して取得された特図判定用情報数を表示する。第2特別図柄保留数表示部203bは第2始動口106へ入賞した遊技球に対して取得された特図判定用情報数を表示する。普通図柄保留数表示部203cはゲート108を通過した遊技球に対して取得された普図判定用情報数を表示する。
ぱちんこ遊技機100は特図判定用情報や普図判定用情報を、規定数を上限に保持することができる。第1特別図柄保留数表示部203aと第2特別図柄保留数表示部203bと普通図柄保留数表示部203cとは、上記の規定数を上限として記憶されたものを表示する。
ラウンド数表示部204は大当たりに当選した際にこの大当たりのラウンド数を表示する。前述のように本実施の形態では、16ラウンド長当たりと、16ラウンド短当たりと、4ラウンド短当たりとがある。16ラウンド長当たりと、16ラウンド短当たりとは16ラウンドの大当たりとする。4ラウンド短当たりは4ラウンドの大当たりとする。この場合、16ラウンド長当たりと、16ラウンド短当たりとに当選した場合は「16」のLEDが点灯する。4ラウンド短当たりに当選した場合は「4」のLEDが点灯する。右打ち表示部205は右打ちによって遊技を進行させる際に(たとえば大当たり中に)点灯して、遊技者に右打ちを促すものである。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の基本動作について説明する。ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105または第2始動口106に遊技球が入賞して特図判定用情報を取得すると、大当たり抽選をおこなう。大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は特別図柄表示部201の特別図柄を変動させる(変動表示する)。
たとえば、ぱちんこ遊技機100は第1始動口105へ入賞した遊技球に対して取得された特図判定用情報により大当たり抽選をおこなった場合、第1特別図柄表示部201aで特別図柄を変動させる。第2始動口106へ入賞した遊技球に対して取得された特図判定用情報により大当たり抽選をおこなった場合、第2特別図柄表示部201bで特別図柄を変動させる。
特別図柄の変動を開始して所定期間が経過すると、ぱちんこ遊技機100は大当たり抽選の抽選結果を示すように変動された特別図柄を停止させる(停止表示する)。大当たり抽選で大当たりに当選した場合、ぱちんこ遊技機100は大当たりを示す特別図柄を停止させた後に大当たり遊技状態となる。そして、大入賞口109を当選した大当たりに応じたラウンド数分(たとえば16ラウンド分)開放する。この開放中に遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。
なお、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態では大当たり抽選をおこなわない。ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態の終了後、大当たり抽選をおこなう遊技状態へ復帰する。たとえば、ぱちんこ遊技機100は大当たり後に、大当たりへの当選確率を高めた高確遊技状態としたり、第2始動口106に遊技球が入賞し易くした補助遊技状態としたりする。
また、ぱちんこ遊技機100は、遊技球がゲート108を通過して普図判定用情報を取得すると、普通図柄抽選をおこなう。普通図柄抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は普通図柄表示部202の普通図柄を変動させる。普通図柄の変動を開始して所定期間が経過すると、ぱちんこ遊技機100は普通図柄抽選の抽選結果を示すように変動された普通図柄を停止させる。普通図柄抽選で普図当たりに当選した場合、ぱちんこ遊技機100は普図当たりを示す普通図柄を停止させる。そして、電動チューリップ107を当選した普図当たりに応じた期間開放する。
ぱちんこ遊技機100は、特別図柄を変動させた場合、画像表示部104の表示画面上で特図装飾図柄も変動させる。そして、特別図柄を停止させた場合、画像表示部104の表示画面上で特図装飾図柄も停止させる。また、普通図柄を変動させた場合に画像表示部104の表示画面上で普図装飾図柄も変動させて、普通図柄を停止させた場合に画像表示部104の表示画面上で普図装飾図柄も停止させてもよい。
(可動役物の構成)
つぎに、可動役物130の構成について説明する。図3−1は、本実施の形態の可動役物の構成を示す説明図(その1)である。図3−2は、本実施の形態の可動役物の構成を示す説明図(その2)である。
図3−1に示すように、可動役物130は、駆動部310と、スライドギア320と、装飾部材330とを備える。ここで、駆動部310は、駆動モータ311と、駆動ギア312と、従動ギア313とからなる。駆動モータ311は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、駆動ギア312を駆動回転させる。従動ギア313は、駆動ギア312に歯合連結し、駆動ギア312の回転力によって従動回転する。
スライドギア320は、従動ギア313に歯合連結し、従動ギア313の回転にともなって、可動役物130を図3−1および図3−2における上下方向に往復動作させる。図3−1において、スライドギア320の上方には原点位置センサS1が設けられている。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、役物演出でないとき、可動役物130を原点位置センサS1にスライドギア320の一端(ここの例では上端)が接触する図3−1に示す位置(以下「原点位置」という)としておく。
また、スライドギア320の下方には進出位置センサS2が設けられている。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、役物演出時に、可動役物130を進出位置センサS2にスライドギア320の一端(ここの例では下端)が接触する図3−2に示す位置(以下「進出位置」という)とする。
ここで説明した例では、原点位置センサS1および進出位置センサS2はスライドギア320が接触することにより可動役物130が原点位置となったかを検出することにしたが、原点位置センサS1や進出位置センサS2にはフォトセンサなどを採用してもよい。公知の技術のため詳細な説明を省略するが、フォトセンサは同方向を向いた受光素子と発光素子とを備える。フォトセンサは発光素子が発光した光をスライドギア320に当てて、反射してくる光の有無を受光素子で検知することにより、可動役物130が原点位置や進出位置であるかを検出することができる。
スライドギア320には、装飾部材330が固設される。装飾部材330にはランプ331などが設けられ、たとえば、役物演出時に点灯や点滅をおこなう。また、装飾部材330にはローラ332が設けられ、当該ローラ332が枠体(不図示)に設けられたガイドレール333に沿って移動可能になっている。図示の例では装飾部材330の形状を円形としたがこれに限らず、任意の形状とすることができる。
(可動役物の駆動可能範囲について)
ここで、可動役物130の駆動可能範囲について説明する。図4は、本実施の形態の可動役物の駆動可能範囲について示す説明図である。可動役物130は、可動役物130の機構限界である限界退避位置から限界進出位置までの範囲を駆動することができる。前述の原点位置および進出位置は限界退避位置と限界進出位置との間の位置である。具体的に、原点位置は限界退避位置と進出位置との間の位置であり、進出位置は限界進出位置と原点位置との間の位置である。また、ここで限界退避位置から限界進出位置までの距離を距離Dとする。進出位置は、原点位置から限界進出位置方向に距離d離れた位置とする。
(ぱちんこ遊技機による異常判断の概要)
つぎに、ぱちんこ遊技機100による異常判断の概要について説明する。ぱちんこ遊技機100は、原点位置センサS1または進出位置センサS2の異常(以下「センサ異常」という)が生じているか、可動役物130の異常(以下「役物異常」という。たとえば可動役物130の機構的な異常)が生じているかを判断する異常判断をおこなう。
異常判断に際して、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130が少なくとも1回ずつ原点位置および進出位置となるような所定の制御信号(以下「異常判断用制御信号」という)を駆動モータ311に入力する。そして、これにより原点位置センサS1および進出位置センサS2の出力値が変化したかによって異常判断をおこなう。
ここで異常判断用制御信号は、たとえば、可動役物130を限界退避位置方向へ距離D駆動させ、その後、限界進出位置方向へ距離D駆動させる制御信号とすることができる。これによって、ぱちんこ遊技機100は、正常に可動役物130が駆動すれば、任意の位置にあった可動役物130を限界退避位置とした後に限界進出位置とすることができる。前述のように原点位置および進出位置は限界退避位置と限界進出位置との間の位置であるため、このように駆動させることで可動役物130は少なくとも1回ずつ原点位置および退避位置となる。
図5は、原点位置センサおよび進出位置センサの出力値と異常判断の関係を示す説明図である。異常判断用制御信号を入力した結果、図5中の(1)に示すように、原点位置センサS1と進出位置センサS2との両方の位置センサの出力値が変化した場合(出力値にエッジが検出された場合)、ぱちんこ遊技機100は異常なしと判断する。異常なしと判断した場合、ぱちんこ遊技機100は、たとえば、役物演出などにより可動役物130を駆動させるタイミングとなると、原点位置センサS1および進出位置センサS2の出力値に基づき、通常通りに可動役物130を駆動させる。
異常判断用制御信号を入力した結果、図5中の(2)に示すように、原点位置センサS1または進出位置センサS2の一方の位置センサの出力値のみが変化した場合、ぱちんこ遊技機100はセンサ異常と判断する。この場合には、さらに具体的に出力値の変化しなかったセンサのセンサ異常と判断してもよい。センサ異常と判断した場合、ぱちんこ遊技機100は、たとえば、センサ異常であることを報知する。
また、センサ異常と判断した場合には、役物演出などにより可動役物130を駆動させるタイミングとなると、正常と判断した方のセンサ(出力値にエッジが検出された方のセンサ)の出力値に基づき可動役物130を駆動させてもよい。たとえば、異常なしと判断した後に可動役物130を進出位置とする場合、ぱちんこ遊技機100は進出位置センサS1がONとなるまで可動役物130を駆動させる。一方、進出位置センサS2のセンサ異常と判断した後に可動役物130を進出位置とする場合には、原点位置センサS1がONとなる原点位置とした後、原点位置から進出位置方向に距離dだけ可動役物130を駆動させる。このようにすれば、ぱちんこ遊技機100は一方の位置センサにセンサ異常が生じても、他方の位置センサによって可動役物130の駆動制御をおこなうことができ、可動役物130が駆動しないことによる演出効果の低下を防止して遊技者に役物演出を楽しませることができる。
異常判断用制御信号を入力した結果、図5中の(3)に示すように、原点位置センサS1と進出位置センサS2との両方の位置センサの出力値が変化しなかった場合(出力値にエッジが検出されなかった場合)、ぱちんこ遊技機100は役物異常と判断する。役物異常と判断した場合、ぱちんこ遊技機100は、たとえば、役物異常であることを報知する。また、この場合、役物演出などにより可動役物130を駆動させるタイミングとなっても可動役物130が駆動しないように、可動役物130の駆動を規制してもよい。
このように、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130に対して設けられた複数の位置センサの出力値に基づいて、センサ異常と役物異常とを判断する。そして、センサ異常と判断したか役物異常と判断したかに応じて異なる制御をおこなう。これによって、ぱちんこ遊技機100は、生じた異常に応じた制御をおこなうことができる。このため、ぱちんこ遊技機100は、生じた異常に応じた制御により、ぱちんこ遊技機100の管理者などに生じた異常を示唆することができ、異常原因を特定するための作業を容易化することができる。したがって、ぱちんこ遊技機100は、ぱちんこ遊技機100の保守に要する労力や時間を削減でき、ぱちんこ遊技機100の保守に要するコストを削減することができる。
なお、上記で説明した例では、可動役物130を所定方向に所定距離D駆動させる異常判断用制御信号を入力したが、これに限らない。ぱちんこ遊技機100は、異常判断用制御信号の入力に際して、原点位置センサS1および進出位置センサS2の出力値を用いて制御してもよい。たとえば、この場合、ぱちんこ遊技機100は、限界退避位置方向に向けた可動役物130の駆動中に原点位置センサS1がONとなると、それ以上限界退避位置方向へ駆動させないようにする(図31−1などを参照)。同様に、限界進出位置方向に向けた可動役物130の駆動中に進出位置センサS2がONとなると、それ以上限界進出位置方向へ駆動させないようにする。これによって、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130が駆動限界に達した後も駆動モータ311を回転させてしまうことで駆動モータ311や可動役物130に大きな負荷を与えてしまうことを防止して、駆動モータ311や可動役物130の破損を防止することができる。
(ぱちんこ遊技機の機能的構成)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図6は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。図6に示すように、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130と、原点位置センサS1と、進出位置センサS2と、駆動制御部601と、判定部602と、出力部603とを備えている。
駆動制御部601は、可動役物130の駆動部310の駆動モータ311と接続され、駆動モータ311に対して制御信号を入力することで可動役物130を駆動させる機能を有する。たとえば、駆動制御部601は、前述の異常判断用制御信号を駆動モータ311に入力することで、可動役物130が少なくとも1回ずつ原点位置および進出位置となるように駆動させることができる。
また、駆動制御部601は、可動役物130が原点位置に存在することを検出する原点位置センサS1と、可動役物130が進出位置に存在することを検出する進出位置センサS2と接続されていてもよい。この場合、駆動制御部601は、原点位置センサS1と進出位置センサS2とから検出結果を受け付けて、この検出結果に基づき可動役物130の駆動を制御することができる。駆動制御部601は、制御信号の入力状況を示す情報(たとえば異常判断用制御信号の入力を開始したり終了したりしたことを示す情報)を判定部602へ出力する。
判定部602は、駆動制御部601と、原点位置センサS1および進出位置センサS2と接続される。そして、判定部602は、駆動制御部601が異常判断用制御信号を入力した場合に原点位置センサS1および進出位置センサS2の出力値の変化があったかを判定する機能を有する。また、判定部602は、異常判断部602aを備えてもよい。ここで、異常判断部602aは、出力値の変化から、図5に示した異常判断をおこなう機能を有する。判定部602は、判定結果(異常判断結果)を出力部603へ出力する。
出力部603は、判定部602の判定結果に基づいて所定の出力をおこなう機能を有する。ここで、出力部603は、原点位置センサS1と進出位置センサS2との両方のセンサの出力値が変化しなかった場合と、原点位置センサS1と進出位置センサS2とのうちの一方のセンサの出力値が変化しなかった場合とで、異なる出力をおこなう。たとえば、出力部603は、画像表示部104と接続される。そして、判定部602の判定結果を示すメッセージを画像表示部104に表示する。このようにすることで、ぱちんこ遊技機100は、判定部602の判定結果をぱちんこ遊技機100の管理者などに報知できる。
また、出力部603は、駆動制御部601と接続されてもよい。この場合、出力部603は、判定部602の判定結果に基づき、駆動制御部601によって可動役物130を駆動させたり、駆動を規制したりする(図5などを参照)。
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、前述の動作を実現するためのぱちんこ遊技機100の詳細な内部構成の一例について説明する。図7は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その1)である。図7に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部700は、遊技の進行を制御する主制御部701と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部702と、演出の進行を制御する演出制御部703とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部701は、CPU(Central Processing Unit)711と、ROM(Read Only Memory)712と、RAM(Random Access Memory)713と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU711は、遊技の進行に関する各種プログラムなどをROM712から読み出し、RAM713をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、主制御部701には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略す)が接続されている。たとえば、主制御部701には、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW714aと、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW714bと、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW715と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW716と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW717とが接続されている。
各種SW714〜717は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部701へ入力する。たとえば、各種SW714〜717としては近接スイッチを採用することができる。主制御部701は、各種SW714〜717から入力される検出信号に基づき、大当たり抽選を受けるための特図判定用情報(後述)を記憶したり、普通図柄抽選を受けるための普図判定用情報(後述)を記憶したりする。そして、記憶された特図判定用情報に基づき大当たり抽選をおこなったり、記憶された普図判定用情報に基づき普通図柄抽選をおこなったりする。さらに、主制御部701は、第1始動口105や第2始動口106や大入賞口109や普通入賞口110へ入賞した遊技球に対する賞球の払い出し指示をおこなう。
また、主制御部701には、電動チューリップ107や大入賞口109などの電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。たとえば、主制御部701には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド718と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド719とが接続されている。
主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド718に電流を印加したり、この印加を解除したりする。また、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口ソレノイド719に電流を印加したり、この印加を解除したりする。電動チューリップソレノイド718や大入賞口ソレノイド719は、電気エネルギーを機械的な運動に変換して、電動チューリップ107を開閉動作させたり、大入賞口109を開閉動作させたりする。
また、主制御部701には、特別図柄や普通図柄を表示するための各種図柄表示部が接続される。たとえば、主制御部701には、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部201aと、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部201bと、普通図柄を表示する普通図柄表示部202と、記憶されている特図判定用情報の数(以下「特図判定用情報数」という)や普図判定用情報の数(以下「普図判定用情報数」という)を表示する保留数表示部203などが接続される。
主制御部701は、大当たり抽選の抽選結果に基づき、第1特別図柄表示部201aの表示制御をおこなったり、第2特別図柄表示部201bの表示制御をおこなったりする。また、主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき、普通図柄表示部202の表示制御をおこなう。特図判定用情報数や普図判定用情報数に基づき、保留数表示部203の表示制御をおこなう。
ここで、主制御部701のROM712に記憶されてCPU711が実行するプログラムの一例と、各プログラムを実行することでRAM713に記憶される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態で重要となるもののみを説明している。ROM712には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムが多数記憶されており、RAM713には以下で説明する記憶領域のほかにも不図示の記憶領域が多数設定されている。
ROM712には、メイン処理プログラム712aと、タイマ割込処理プログラム712bとが記憶されている。メイン処理プログラム712aは、ぱちんこ遊技機100への電力の供給にともなって、主制御部701のCTC(タイマカウンタ)などの内蔵デバイスの初期設定をおこなわせ、この設定内容を示す設定情報を設定記憶領域713aに記憶させる。たとえば、ここで、設定情報にはタイマ割込処理プログラム712bを実行する周期などを示す情報が含まれる。
また、メイン処理プログラム712aは、ぱちんこ遊技機100への電源の遮断を監視させ、電源が遮断された場合にはバックアップ情報を生成させて、このバックアップ情報をバックアップ記憶領域713bに記憶させる。RAM713にはバックアップ電源(不図示)などにより、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されても一定期間(たとえば1日)電源が供給されるようになっている。このため、RAM713は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されても一定期間、バックアップ記憶領域713bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
また、RAM713には、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などの不揮発性のRAMや、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを採用することもできる。この場合、RAM713は、バックアップ電源がなくともバックアップ記憶領域713bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
タイマ割込処理プログラム712bは、メイン処理プログラム712aにより設定記憶領域713aに記憶された周期で、メイン処理プログラム712aに対して割り込み実行される。タイマ割込処理プログラム712bは、乱数更新処理プログラム712cや、スイッチ処理プログラム712d、図柄処理プログラム712i、電動役物制御処理プログラム712l、賞球処理プログラム712p、出力処理プログラム712qなどのサブプログラムを順次実行させる。
乱数更新処理プログラム712cは、特別図柄用当たり乱数(以下「特図当たり乱数」と略す)、特別図柄用図柄乱数(以下「特図図柄乱数」と略す)、変動パターン乱数、普通図柄用当たり乱数(以下「普図当たり乱数」と略す)、普通図柄用図柄乱数(以下「普図図柄乱数」と略す)など、主制御部701が管理する各種乱数取得用のカウンタのカウント値を更新させる。たとえば、乱数更新処理プログラム712cは、1回実行されるごとに、カウンタ記憶領域713cに記憶された各乱数カウンタの各カウント値に「1」を加算させる。
(カウンタ記憶領域)
図8は、カウンタ記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。カウンタ記憶領域713cには、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3、普図当たり乱数カウンタC4、普図図柄乱数カウンタC5など、主制御部701が管理する乱数カウンタのカウント値が記憶されている。
乱数更新処理プログラム712cは、乱数更新処理プログラム712cが実行されるごとに各乱数カウンタC1〜C5のカウント値を「+1」カウントアップした内容で、カウンタ記憶領域713cを更新させる。また、乱数更新処理プログラム712cは、各乱数カウンタC1〜C5のカウント値が所定値に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。
本実施の形態においては一例として、特図当たり乱数を「0〜299」の範囲内でカウントさせるものとする。特図図柄乱数および変動パターンを「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。普図当たり乱数および普図図柄乱数を「0〜9」の範囲内でカウントさせるものとする。
また、乱数更新処理プログラム712cはさらに初期値乱数をカウントさせてもよい。ここで、初期値乱数は、特図当たり乱数や普図当たり乱数が所定値(本実施の形態では特図当たり乱数は「299」、普図当たり乱数は「9」)に達した際に、特図当たり乱数カウンタC1や普図当たり乱数カウンタC4をいずれの値に戻すかを決定するための乱数とすることができる。たとえば、この場合、乱数更新処理プログラム712cは、特図当たり乱数カウンタC1のカウント値が所定値に達した際には、初期値乱数と同値となるような値に特図当たり乱数カウンタC1のカウント値を戻す。
スイッチ処理プログラム712dは、始動口スイッチ処理プログラム712e、ゲートスイッチ処理プログラム712f、大入賞口スイッチ処理プログラム712g、普通入賞口スイッチ処理プログラム712hなどのサブプログラムを順次実行させる。
始動口スイッチ処理プログラム712eは、第1始動口SW714aにより第1始動口105に入賞した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域713cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値を特図判定用情報として取得させ、取得された特図判定用情報をRAM713の特図判定用情報記憶領域713dに記憶させる。
また、始動口スイッチ処理プログラム712eは、第2始動口SW714bにより第2始動口106に入賞した遊技球が検出された際も同様に、カウンタ記憶領域713cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値を特図判定用情報として取得させる。そして、取得された特図判定用情報をRAM713の特図判定用情報記憶領域713dに記憶させる。
(特図判定用情報記憶領域)
図9は、特図判定用情報記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。特図判定用情報記憶領域713dは、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8からなる。特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、第1始動口105や第2始動口106に遊技球が入賞したタイミングで取得された、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値が関連づけられ、特図判定用情報として記憶される。
また、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、それぞれの特図判定用情報取得の契機となった入賞が、第1始動口105に対するものであったか第2始動口106に対するものであったかも記憶される(入賞始動口)。特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、第1始動口105および第2始動口106のそれぞれの始動口ごとに4つを上限として、最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができるようになっている。
また、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、特図当たり判定を受けるための優先順位が設定されている。図示の例では、特図判定用情報格納領域TJ1から特図判定用情報格納領域TJ2、特図判定用情報格納領域TJ3…特図判定用情報格納領域TJ8といったように、番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶された特図判定用情報ほど、特図当たり判定を受けるための優先順位が高く設定されている。
本実施の形態では、時系列的に、先に入賞して取得された特図判定用情報の方から、番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶される。また、本実施の形態では、第2始動口106への入賞を契機として取得された特図判定用情報が、第1始動口105への入賞を契機として取得された特図判定用情報よりも番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶される。
ゲートスイッチ処理プログラム712fは、ゲートSW715によりゲート108を通過した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域713cの普図当たり乱数カウンタC4、普図図柄乱数カウンタC5のカウント値を普通図柄判定用情報として取得させ、取得された普通図柄判定用情報をRAM713の普図判定用情報記憶領域713fに記憶させる。
(普図判定用情報記憶領域)
図10は、普図判定用情報記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。普図判定用情報記憶領域713fは、普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4からなる。普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、ゲート108を遊技球が通過したタイミングで取得された、普図当たり乱数カウンタC4と普図図柄乱数カウンタC5とのカウント値が普図判定用情報として関連づけられて記憶される。普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、4つを上限として普図判定用情報を記憶することができるようになっている。
また、普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、普図当たり判定を受けるための優先順位が設定されている。図示の例では、普図判定用情報格納領域FJ1から普図判定用情報格納領域FJ2…普図判定用情報格納領域FJ4といったように、番号が若い普図判定用情報格納領域に記憶された普図判定用情報ほど、普図当たり判定を受けるための優先順位が高く設定されている。本実施の形態では、時系列的に、先に取得された普図判定用情報の方から、番号が若い普図判定用情報格納領域に記憶される。
大入賞口スイッチ処理プログラム712gは、大入賞口SW716により大入賞口109に入賞した遊技球を検出させ、普通入賞口スイッチ処理プログラム712hは、普通入賞口SW717により普通入賞口110に入賞した遊技球を検出させる。
図柄処理プログラム712iは、特別図柄処理プログラム712j、普通図柄処理プログラム712kを順次実行させる。特別図柄処理プログラム712jは、特図判定用情報記憶領域713dに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定、特図変動パターン判定を順次おこなわせ、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域713eに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、特別図柄表示部201に表示させた特別図柄の変動表示および停止表示をおこなわせる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図判定用情報記憶領域713dに複数の特図判定用情報が記憶されている場合、もっとも優先順位の高く設定された特図判定用情報格納領域TJ1に記憶された特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定、特図変動パターン判定を順次おこなわせる。
具体的に、特別図柄処理プログラム712jでは、まず、ROM712に記憶された特図当たり判定テーブルTAtと特図判定用情報の特図当たり乱数とを比較させる。ここで、ROM712に記憶された特図当たり判定テーブルTAtについて説明する。
(特図当たり判定テーブル)
図11−1は、特図当たり判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図11−2は、特図当たり判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。特図当たり判定テーブルTAtは、図11−1に示す低確特図当たり判定テーブルTAt1と、図11−2に示す高確特図当たり判定テーブルTAt2とから構成される。
低確特図当たり判定テーブルTAt1および高確特図当たり判定テーブルTAt2は、大当たり(特図当たり)に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、低確特図当たり判定テーブルTAt1および高確特図当たり判定テーブルTAt2の判定値は、特図当たり判定における大当たりに対する当選確率を定めている。
具体的に、特図当たり判定において、大当たりに対する当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。低確特図当たり判定テーブルTAt1では大当たりに対して判定値「0(1個)」を割り当てている。一方、高確特図当たり判定テーブルTAt2では大当たりに対して判定値「0〜9(10個)」を割り当てている。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定時に、高確率遊技状態(確変遊技状態および特殊遊技状態)であることを示す高確遊技フラグがOFFに設定されていた場合には、低確特図当たり判定テーブルTAt1を用いて特図当たり判定をおこなわせる。特図当たり判定時に高確遊技フラグがONに設定されていた場合には、高確特図当たり判定テーブルTAt2を用いて特図当たり判定をおこなわせる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定において、特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定させる。一方、特図当たり乱数が大当たりの判定値にも一致しない場合には大当たりに落選した(ハズレ)と判定させる。
前述したように、ぱちんこ遊技機100で取得される特図当たり乱数は0〜299までのいずれかの数値となる。このため、低確特図当たり判定テーブルTAt1を用いて特図当たり判定をおこなった場合、1/300の確率で大当たりに当選するようになる。高確特図当たり判定テーブルTAt2を用いて特図当たり判定をおこなった場合、10/300(=1/30)の確率で大当たりに当選するようになる。
また、特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定で大当たりに当選した場合、つづいて、ROM712に記憶された特図図柄判定テーブルTZtと特図判定用情報の特図図柄乱数とを比較させる。ここで、ROM712に記憶された特図図柄判定テーブルTZtについて説明する。
(特図図柄判定テーブル)
図12−1は、特図図柄判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図12−2は、特図図柄判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。特図図柄判定テーブルTZtは、図12−1に示す第1特図図柄判定テーブルTZt1と、図12−2に示す第2特図図柄判定テーブルTZt2とから構成される。
第1特図図柄判定テーブルTZt1および第2特図図柄判定テーブルTZt2は、各大当たりの種別(図示の例では16R長当たり、16R短当たり、4R短当たり)に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、第1特図図柄判定テーブルTZt1および第2特図図柄判定テーブルTZt2の判定値は、特図図柄判定における各大当たりの種別に対する当選確率を定めている。
具体的に、特図図柄判定において、それぞれの種別の大当たりに対する当選確率は、それぞれの大当たりに対応づけられた判定値の個数によって定められる。第1特図図柄判定テーブルTZt1では16R長当たりに対して判定値「0〜19(20個)」を割り当てている。また、第1特図図柄判定テーブルTZt1では16R短当たりに対して判定値「20〜49(30個)」を割り当て、4R短当たりに対して判定値「50〜99(50個)」を割り当てている。
一方、第2特図図柄判定テーブルTZt2では16R長当たりに対して判定値「0〜49(50個)」を割り当てている。また、第2特図図柄判定テーブルTZt2では16R短当たりに対して判定値の割り当てがなく、4R短当たりに対して判定値「50〜99(50個)」を割り当てている。
特別図柄処理プログラム712jは、判定対象の特図判定用情報の入賞始動口が第1始動口105であった場合には、第1特図図柄判定テーブルTZt1を用いて特図図柄判定をおこなわせる。判定対象の特図判定用情報の入賞始動口が第2始動口106であった場合には、第2特図図柄判定テーブルTZt2を用いて特図図柄判定をおこなわせる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図図柄判定において、特図判定用情報の特図図柄乱数が16R長当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、16R長当たりに当選したと判定させる。特図判定用情報の特図図柄乱数が16R短当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、16R短当たりに当選したと判定させる。4R短当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、4R短当たりに当選したと判定させる。
前述したように、ぱちんこ遊技機100で取得される特図図柄乱数は0〜99までのいずれかの数値となる。このため、第1特図図柄判定テーブルTZt1を用いて特図図柄判定をおこなった場合、20/100で16R長当たりに当選するようになる。第2特図図柄判定テーブルTZt2を用いて特図図柄判定をおこなった場合、50/100で16R長当たりに当選するようになる。つまり、ぱちんこ遊技機100では第2始動口106へ入賞することにより、第1始動口105に入賞するよりも、16R長当たり(もっとも多くの賞球を獲得可能な大当たり)に当選し易くした大当たり抽選がおこなわれるようにしている。
(特図変動パターンテーブル)
つづいて、特別図柄処理プログラム712jは、特図変動パターンテーブルTHtと、特図判定用情報の変動パターン乱数とを比較させる。図13−1は、特図変動パターンテーブルの一例を示す説明図(その1)である。図13−2は、特図変動パターンテーブルの一例を示す説明図(その2)である。
特図変動パターンテーブルTHtは、図13−1に示すハズレ用特図変動パターンテーブルTHt1と、図13−2に示す大当たり用特図変動パターンテーブルTHt2とから構成される。ハズレ用特図変動パターンテーブルTHt1および大当たり用特図変動パターンテーブルTHt2は、各特図変動パターンTHp1〜THp7に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、特図変動パターンTHp1〜THp7は、特別図柄の変動態様を定めたものである。たとえば、特図変動パターンTHp1〜THp7は、特別図柄の変動時間(変動させる時間尺)を定めたものとすることができる。
ハズレ用特図変動パターンテーブルTHt1および大当たり用特図変動パターンテーブルTHt2の判定値は、特図変動パターン判定における各特図変動パターンTHp1〜THp7に対する当選確率を定めている。具体的に、特図変動パターン判定において、各特図変動パターンTHp1〜THp7の当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合には、ハズレ用特図変動パターンテーブルTHt1を用いて特図変動パターン判定をおこなわせる。特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、大当たり用特図変動パターンテーブルTHt2を用いて特図変動パターン判定をおこなわせる。
ハズレ用特図変動パターンテーブルTHt1および大当たり用特図変動パターンテーブルTHt2において、時間尺の長い変動時間を定めた特図変動パターンほど、大当たり時には判定され易く、ハズレ時には判定され難くなっている。換言すれば、ぱちんこ遊技機100では、時間尺の長い変動時間を定めた特図変動パターンほど、大当たりに対する期待度が高くなるように、各特図変動パターンTHp1〜THp7の判定値を定めている。
また、特図変動パターンTHp1と特図変動パターンTHp2とには、判定条件が対応づけられている。この判定条件は、変動パターン乱数が「0〜69」の場合に、特図変動パターンTHp1を特図変動パターン判定の判定結果として導出するか、特図変動パターンTHp2を特図変動パターン判定の判定結果として導出するかを定めている。
たとえば、ここで、判定条件としては特図判定用情報数Uが用いられ、特図変動パターンTHp1には特図判定用情報数Uが「2」未満(U<2)となるような判定条件が定められている。特図変動パターンTHp2には特図判定用情報数Uが「2」以上(U≧2)となるような判定条件が定められている。
このため、ぱちんこ遊技機100では、変動パターン乱数が「0〜69」の場合、特図判定用情報数Uが「2」未満であれば特図変動パターンTHp1が特図変動パターン判定の判定結果として導出される。一方、そのときの特図判定用情報数Uが「2」以上であれば特図変動パターンTHp2が特図変動パターン判定の判定結果として導出される。
ぱちんこ遊技機100では、特に電チューサポート機能付きの遊技状態において、特図判定用情報数Uが「2」以上となる状態が往々にして発生する。このような場合、特図変動パターンTHp1の変動時間(10秒間)よりも短い特図変動パターンTHp2の変動時間(4秒間)により変動をおこなうことで、迅速な遊技の進行を可能にしている。一方、特図判定用情報数が少ないときには、特図変動パターンTHp1の変動をおこなうことで、遊技球が始動口へ入賞するための時間を稼ぐようにしている。
また、ここでの図示および詳細な説明は省略するが、たとえば、電チューサポート機能付きの遊技状態と、電チューサポート機能なしの遊技状態とで、それぞれ異なる特図変動パターンテーブルを設けてもよい。この場合、遊技状態に応じて、特図変動パターン判定に用いる特図変動パターンテーブルを切り替える。また、第1始動口105に入賞して取得された特図判定用情報に対して用いる特図変動パターンテーブルと、第2始動口106に入賞して取得された特図判定用情報に対して用いる特図変動パターンテーブルとで、それぞれ異なる特図変動パターンテーブルを設けてもよい。
(特図判定結果記憶領域)
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定、特図図柄判定、特図変動パターン判定をおこなわせると、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域713eに記憶させる。図14は、特図判定結果記憶領域の一例を示す説明図である。特図判定結果記憶領域713eには、特図当たり判定の判定結果、特図図柄判定の判定結果、特図変動パターン判定の判定結果が対応づけられて記憶される。
なお、特図判定結果記憶領域713eには、特図当たり判定の判定結果および特図図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄を示す情報を記憶するようにしてもよい。たとえば、この場合、16R長当たりでは「1」という図柄を記憶し、16R短当たりでは「2」という図柄を記憶する。また、4R短当たりでは「3」という図柄を記憶し、ハズレでは「−」という図柄を記憶する。
特別図柄処理プログラム712jは、特図判定結果記憶領域713eに記憶された判定結果を用いて、特別図柄の表示制御をおこなわせる。ここでは、特図変動パターンが定めた変動時間だけ特別図柄の変動をおこなった後、特図当たり判定の判定結果および特図図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄で特図図柄を停止させる。
普通図柄処理プログラム712kは、普図判定用情報記憶領域713fに記憶されている普図判定用情報を用いて、普図当たり判定、普図図柄判定、普図変動パターン判定を順次おこなわせ、これらの判定結果を普図判定結果記憶領域713gに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、普通図柄表示部202に表示させた普通図柄の変動表示および停止表示をおこなわせる。
普通図柄処理プログラム712kは、普図判定用情報記憶領域713fに複数の普図判定用情報が記憶されている場合、もっとも優先順位の高く設定された普図判定用情報格納領域FJ1に記憶された普図判定用情報を用いて、普図当たり判定、普図図柄判定、普図変動パターン判定を順次おこなわせる。
具体的に、普通図柄処理プログラム712kでは、まず、ROM712に記憶された普図当たり判定テーブルFAtと普図判定用情報の普図当たり乱数とを比較させる。ここで、ROM712に記憶された普図当たり判定テーブルFAtは、普通図柄当たり(以下「普図当たり」と略す)に対して、普図当たりの当選確率を定めた所定の判定値を対応づけて構成される。
普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり乱数が普図当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には普図当たりに当選したと判定させる。一方、普図当たり乱数が普図当たりに対応づけられた判定値と一致しない場合には普図当たりに落選した(ハズレ)と判定させる。また、普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり判定時に、電チューサポート機能なし遊技状態であることを示す時短フラグがOFFに設定されているときと、時短遊技フラグがONに設定されているときとで、異なる普図当たり判定テーブルを用いて普図当たり判定をおこなわせてもよい。
また、普通図柄処理プログラム712kは、普図当たりに当選した場合、つづいて、ROM712に記憶された普図図柄判定テーブルFZtと普図判定用情報の普図図柄乱数とを比較させる。ここで、普図図柄判定テーブルFZtは、各普図当たりの種別(本実施の形態の例では長開放当たり、短開放当たり)に対して、各普図当たりの種別の当選確率を定めた所定の判定値を対応づけて構成される。
普通図柄処理プログラム712kは、普図判定用情報の普図図柄乱数が長開放当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、長開放当たりに当選したと判定させる。普図判定用情報の普図図柄乱数が短開放当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、短開放当たりに当選したと判定させる。
つづいて、普通図柄処理プログラム712kは、普図変動パターンテーブルFHtを参照して、普図変動パターンを判定させる。ここで、普図変動パターンテーブルFHtは、異なる普図変動パターン(たとえば普図変動パターンFHp1と普図変動パターンFHp2とする)に対して、各普図変動パターンが判定結果として導出されるための判定条件を対応づけて構成される。
ここで、普図変動パターンFHp1およびFHp2は、普通図柄の変動態様を定めたものである。たとえば、普図変動パターンFHp1およびFHp2は、普通図柄の変動時間を定めている。たとえば、普図変動パターンFHp1は変動時間「30秒」を定めており、普図変動パターンFHp2は変動時間「10秒」を定めているものとする。
たとえば、普通図柄処理プログラム712kは、電チューサポート機能なし遊技状態であるとき、普図変動パターン判定において、普図変動パターンFHp1(長い変動時間を定めた普図変動パターン)と判定させる。一方、普通図柄処理プログラム712kは、電チューサポート機能付き遊技状態であるとき、普図変動パターン判定において、普図変動パターンFHp2(短い変動時間を定めた普図変動パターン)と判定させる。
普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり判定、普図図柄判定、普図変動パターン判定をおこなわせると、これらの判定結果を普図判定結果記憶領域713gに記憶させる。そして、普通図柄処理プログラム712kは、普図判定結果記憶領域713gに記憶された判定結果などを用いて、普通図柄の表示制御をおこなわせる。ここでは、普図変動パターンが示す変動時間で普通図柄の変動をおこなった後、普図当たり判定の判定結果および普図図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄で普通図柄を停止させる。
電動役物制御処理プログラム712lは、大入賞口処理プログラム712m、電動チューリップ処理プログラム712oなどのサブプログラムを順次実行させる。大入賞口処理プログラム712mは、特別図柄処理プログラム712jの処理結果に基づき大入賞口開放パターンを設定させ、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。
大入賞口開放パターンテーブルKPt1は、各大当たりに対して、各大当たりによる大入賞口109の開放態様を定めた大入賞口開放パターンにより構成される。前述したように、ぱちんこ遊技機100は、16R長当たりと16R短当たりと4R短当たりとの3つの大当たりを有する。このため、大入賞口開放パターンテーブルKPt1は、16R長当たり用の大入賞口開放パターンと、16R短当たり用の大入賞口開放パターンと、4R短当たり用の大入賞口開放パターンとにより構成される。
たとえば、本実施の形態において、16R長当たり用の大入賞口開放パターンは、30秒間の大入賞口109の開放を16ラウンド分おこなわせることを定めた大入賞口開放パターンとなっている。16R短当たり用の大入賞口開放パターンは、0.5秒間の大入賞口109の開放を12ラウンド分おこなわせた後、30秒間の大入賞口109の開放を4ラウンド分おこなわせることを定めた大入賞口開放パターンとなっている。また、4R短当たり用の大入賞口開放パターンは、30秒間の大入賞口109の開放を4ラウンド分おこなわせることを定めた大入賞口開放パターンとなっている。
大入賞口処理プログラム712mは、16R長当たりに当選した場合は、16R長当たり用の大入賞口開放パターンを設定させて、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。16R短当たりに当選した場合は、16R短当たり用の大入賞口開放パターンを設定させて、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。4R短当たりに当選した場合は、4R短当たり用の大入賞口開放パターンを設定させて、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。
また、大入賞口処理プログラム712mは、サブプログラムとして遊技状態設定処理プログラム712nを実行させる。遊技状態設定処理プログラム712nは、当選した大当たりに応じて高確フラグや時短フラグなどの遊技フラグを遊技フラグ記憶領域713hに設定させる。
電動チューリップ処理プログラム712oは、普通図柄処理プログラム712kの処理結果や遊技フラグの設定に基づき電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。
電動チューリップ開放パターンテーブルKPt2は、各普図当たりに対して、各普図当たりによる電動チューリップ107の開放態様を定めた電動チューリップ開放パターンにより構成される。前述したように、ぱちんこ遊技機100は、長開放当たりと短開放当たりとの2つの普図当たりを有する。このため、電動チューリップ開放パターンテーブルKPt2は、長開放当たり用の電動チューリップ開放パターンと、短開放当たり用の電動チューリップ開放パターンとにより構成される。
たとえば、本実施の形態において、長開放当たり用の電動チューリップ開放パターンは、6秒間の電動チューリップ107の開放をおこなわせることを定めた電動チューリップ開放パターンとなっている。短開放当たり用(且つ電チューサポート機能なし遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンは、0.5秒間の電動チューリップ107の開放をおこなわせることを定めた電動チューリップ開放パターンとなっている。短開放当たり用(且つ電チューサポート機能付き遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンは、3秒間の電動チューリップ107の開放をおこなわせることを定めた電動チューリップ開放パターンとなっている。
電動チューリップ処理プログラム712oは、長開放当たりに当選した場合は、長開放当たり用の電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。短開放当たりに当選して時短遊技フラグがOFFであると、短開放当たり用(且つ電チューサポート機能なし遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。短開放当たりに当選して時短遊技フラグがONであると、短開放当たり用(且つ電チューサポート機能付き遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。
賞球処理プログラム712pは、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110の各入賞口への入賞に対して、所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示(賞球コマンド)を、賞球情報記憶領域713iに設定させる。
出力処理プログラム712qは、RAM713に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報などを主制御部701に接続された各制御部(たとえば賞球制御部702、演出制御部703)に対して出力させる。
また、上述した始動口スイッチ処理プログラム712eは、サブプログラムとして事前判定処理プログラム(不図示)を実行してもよい。ここで、事前判定処理プログラムは、特図判定用情報記憶領域713dに記憶された各特図判定用情報に対する、特図当たり判定、特図図柄判定、特図変動パターン判定を順次実行させ、これらの判定結果を事前判定記憶領域(不図示)に記憶させる。
また、主制御部701は、RAM713に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報を、盤用外部情報端子基板791を介して外部(たとえば遊技場のホールコンピュータ)に出力してもよい。主制御部701は、たとえば、主制御基板によりその機能を実現することができる。
(2.賞球制御部)
賞球制御部702は、CPU721と、ROM722と、RAM723と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU721は、主制御部701からの払い出し指示(たとえば賞球コマンド)に基づき、賞球の払い出し制御に関する各種プログラムをROM722から読み出し、RAM723をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、賞球制御部702には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。たとえば、賞球制御部702には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW724と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW725と、枠体前面に設けられた打球供給皿120内の遊技球の有無を検出する球有り検出SW726と、打球供給皿120が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW727とが接続されている。
各種SW724〜727は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部702へ入力する。たとえば、各種SW724〜727としては近接スイッチを採用することができる。賞球制御部702は、主制御部701から出力された払い出し指示や、各種SW724〜727から入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部702は、各種SW724〜727から入力される検出信号を主制御部701へ出力してもよい。
また、賞球制御部702には、発射部728や払出部729が接続される。発射部728は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による発射操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部702は、発射部728に対する遊技者の発射操作を検出すると、遊技球を発射するように発射部728を制御する。この際に、賞球制御部702は、遊技球を間欠的(たとえば1分間に100発)に遊技盤101の遊技領域103に向けて発射させるように制御する。
払出部729は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数を払い出すものであり、払出駆動モータなどを備える。賞球制御部702は、払出部729の払出駆動モータを駆動させることで、各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出すように払出部729を制御する。
また、賞球制御部702は枠用外部情報端子基板792と接続され、賞球制御部702の処理結果をあらわす情報などを、枠用外部情報端子基板792を介して外部(たとえば遊技場のホールコンピュータ)に出力してもよい。たとえば、賞球制御部702は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
(3.演出制御部)
(3−1.演出統括部)
図15は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その2)である。演出制御部703は、演出制御部703全体を統括する演出統括部703aと、画像表示部104の表示制御やスピーカ114の音声出力制御などをおこなう画像・音声制御部703bと、可動役物130の駆動制御や演出ライト部115のランプの点灯制御などをおこなうランプ制御部703cとを備えている。
演出統括部703aは、CPU731と、ROM732と、RAM733と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU731は、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の制御に関する各種プログラムをROM732から読み出し、RAM733をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
たとえば、演出統括部703aは、入出力I/Oを介して、主制御部701から出力されたコマンドを受信して、特図判定用情報に基づく判定の判定結果や普図判定用情報に基づく判定の判定結果を取得する。そして、取得された情報に基づき、実行対象の演出を決定して、この演出の開始を指示するコマンド(特図演出開始コマンドや普図演出開始コマンド)をRAM733に設定する。演出統括部703aは、これらのコマンドを入出力I/Oを介して、画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する。
また、演出統括部703aには、遊技者からの操作を受け付けるための演出ボタン118や十字キー119が接続されている。演出ボタン118や十字キー119は、遊技者により操作(たとえば押下)されたキーに対応する制御信号を演出統括部703aへ入力する。演出統括部703aは、演出ボタン118や十字キー119から入力される制御信号に基づき、遊技者による操作を受け付けたことを示す操作コマンド(演出ボタンコマンドや十字キーコマンド)をRAM733に設定する。
ここで、演出統括部703aのCPU731が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM733に設定される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態で重要となるもののみを説明している。ROM732には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムが多数記憶されており、RAM733には以下で説明する記憶領域のほかにも不図示の記憶領域が多数設定されている。
演出メイン処理プログラム732aは、演出統括部703a(ぱちんこ遊技機100)への電源の供給にともなって、演出統括部703aのCTCなどの内蔵デバイスの初期設定をおこなわせて、設定内容を設定記憶領域733aに記憶させる。
演出タイマ割込処理プログラム732bは、演出メイン処理プログラム732aにより設定記憶領域733aに記憶された周期で、演出メイン処理プログラム732aに対して割り込み実行される。演出タイマ割込処理プログラム732bは、コマンド受信処理プログラム732d、操作受付処理プログラム732j、コマンド出力処理プログラム732kなどのサブプログラムを順次実行させる。
演出用乱数更新処理プログラム732cは、演出用乱数など、演出カウンタ記憶領域733bに記憶された演出統括部703aが管理する各種乱数取得用のカウンタのカウント値を更新させる。たとえば、演出用乱数更新処理プログラム732cは、1回実行されるごとに、演出用乱数カウンタのカウント値を「+1」カウントアップした内容で、演出カウンタ記憶領域733bを更新させる。また、演出用乱数カウンタのカウント値が所定値に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。本実施の形態においては一例として、演出用乱数をたとえば「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。
コマンド受信処理プログラム732dは、主制御部701から出力されたコマンドを受信させて、受信されたコマンドに基づき、判定結果記憶領域733cの記憶内容を更新させる。ここで、判定結果記憶領域733cには、主制御部701の特図判定結果記憶領域713eと同期させるための特図対応記憶領域733dと、普図判定結果記憶領域713gと同期させるための普図対応記憶領域733eとが設けられている。
たとえば、コマンド受信処理プログラム732dは、特図変動開始コマンドが受信された場合、この特図変動開始コマンドに基づき特図対応記憶領域733dの記憶内容を特図判定結果記憶領域713eと同期させる。普図変動開始コマンドが受信された場合、この普図変動開始コマンドに基づき普図対応記憶領域733eの記憶内容を普図判定結果記憶領域713gと同期させる。
また、コマンド受信処理プログラム732dは、判定結果記憶領域733cの記憶内容に基づき、特図演出開始処理プログラム732e、特図演出終了処理プログラム732f、普図演出開始処理プログラム732g、普図演出終了処理プログラム732h、大当たり演出処理プログラム732iを実行させる。
特図演出開始処理プログラム732eは、特図対応記憶領域733dの記憶内容に基づき、特別図柄の変動中におこなう演出(以下「特図演出」という)の演出内容を判定させて、この演出内容の特図演出を開始させる。たとえば、特図演出開始処理プログラム732eは、特図対応記憶領域733dの特図変動パターンを示す情報に基づき、複数の特図演出パターンが登録された特図演出パターンテーブルTEtの中から実行対象の特図演出の演出内容を定めた特図演出パターンを判定させる。
(特図演出パターンテーブル)
図16は、特図演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。特図演出パターンテーブルTEtは、各特図演出パターンTEp1〜TEp7に対して、特図変動パターンTHp1〜THp7を対応づけて構成される。ここで、特図演出パターンTEp1〜TEp7は、ノーマルハズレ演出やリーチ演出など、特別演出の演出内容を定めたものである。
たとえば、本実施の形態において、特図演出パターンTEp1は「ノーマルハズレ演出A」を定めており、特図演出パターンTEp2は「ノーマルハズレ演出B」を定めている。また、特図演出パターンTEp3は「低期待度リーチ演出」を定めており、特図演出パターンTEp4は「中期待度リーチ演出(非役物)」を定めており、特図演出パターンTEp5は「中期待度リーチ演出(役物)」を定めている。
そして、特図演出パターンTEp6は「高期待度リーチ演出(非役物)」を定めており、特図演出パターンTEp7は「高期待度リーチ演出(役物)」を定めている。ここでは、特図演出パターンTEp5の「中期待度リーチ演出(役物)」および特図演出パターンTEp7の「高期待度リーチ演出(役物)」が可動役物130を用いる役物演出を定めた特図演出パターンとしている。
また、各特図演出パターンTEp1〜TEp7には、それぞれの特図演出をおこなわせるために、画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する演出中コマンド(画像・音声制御コマンド、ランプ制御コマンド)と、各演出中コマンドを出力するタイミングとが対応づけられている。ここで、画像・音声制御コマンドは、画像・音声制御部703bに対して出力されるコマンドである。ランプ制御コマンドは、ランプ制御部703cに対して出力されるコマンドである。
たとえば、「中期待度リーチ演出(役物)」の特図演出パターンTEp5には、画像・音声制御コマンドCg5やランプ制御コマンドCr11などが対応づけられている。ここで、画像・音声制御コマンドCg5は、特別図柄の変動開始時(特図演出開始時)から所定期間が経過した時期teで画像・音声制御部703bに出力されるように定められている。ランプ制御コマンドCr11は、特別図柄の変動開始時(特図演出開始時)から所定期間が経過した時期tfでランプ制御部703cに出力されるように定められている。また、ランプ制御コマンドCr11は、第1可動役物131を駆動対象とし、第1可動役物131を駆動させるためのコマンドとすることができる。
たとえば、「高期待度リーチ演出(役物)」の特図演出パターンTEp7には、画像・音声制御コマンドCg7やランプ制御コマンドCr11、ランプ制御コマンドCr23などが対応づけられている。ここで、画像・音声制御コマンドCg7は、特図演出開始時(特別図柄の変動開始時)から所定期間が経過した時期thで画像・音声制御部703bに出力されるように定められている。ランプ制御コマンドCr11は特図演出開始時から所定期間が経過した時期tiで、ランプ制御コマンドCr23は特図演出開始時から所定期間が経過した時期tjで、ランプ制御部703cに出力されるように定められている。
また、ランプ制御コマンドCr11は、第1可動役物131を駆動対象とし、第1可動役物131を駆動させるためのコマンドとすることができる。ランプ制御コマンドCr23は、第2可動役物132を駆動対象とし、第2可動役物132を駆動させるためのコマンドとすることができる。
特図演出開始処理プログラム732eは、特図対応記憶領域733dの特図変動パターンを示す情報に基づき、この特図変動パターンに対応づけられた特図演出パターンを特図演出パターンテーブルTEtの中から判定させる。そして、この判定結果(特図演出パターン)を示す情報を含んだ特図演出開始コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。
また、特図演出開始処理プログラム732eは、特図演出パターンに対応づけられた演出中コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。たとえば、「高期待度リーチ演出(役物)」の特図演出パターンTEp7の場合、画像・音声制御コマンドCg7やランプ制御コマンドCr11やランプ制御コマンドCr23などを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。
さらに、特図演出開始処理プログラム732eは、演出用乱数を取得させ、この演出用乱数に基づき、演出用乱数に対応づけられた予告演出パターンを予告演出パターンテーブルYEtの中から判定させてもよい。この場合、たとえば、特図演出開始コマンドには、判定結果の予告演出パターンを示す情報も含まれる。なお、ここで、予告演出パターンは、たとえば、ステップアップ予告や小キャラ予告などの予告演出の演出内容を定めたものである。
特図演出終了処理プログラム732fは、特図演出開始処理プログラム732eにより開始された特図演出を終了させる。また、特図演出終了処理プログラム732fは、演出モードの設定などをおこなわせてもよい。
普図演出開始処理プログラム732gは、普図対応記憶領域733eの記憶内容に基づき、普通図柄の変動中におこなう演出(以下「普図演出」という)の演出内容を判定させて、この演出内容の普図演出を開始させる。たとえば、普図演出開始処理プログラム732gは、普図対応記憶領域733eの普図変動パターンを示す情報に基づき、複数の普図演出パターンが登録された普図演出パターンテーブルFEtの中から実行対象の普図演出の演出内容を定めた普図演出パターンを判定させる。そして、この判定結果(普図演出パターン)を示す情報を含んだ普図演出開始コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。
大当たり演出処理プログラム732iは、主制御部701から出力された大当たりに関するコマンド(たとえばオープニングコマンド)を受信させて、受信されたコマンドに基づき、大当たり中におこなう演出(以下「大当たり演出」という)の演出内容を判定させて、この演出内容の大当たり演出を開始させる。たとえば、大当たり演出処理プログラム732iは、当選した大当たりの種別を示す情報を含むオープニングコマンドに基づき、複数の大当たり演出パターンが登録された大当たり演出パターンテーブルOEtの中から実行対象の大当たり演出の演出内容を定めた大当たり演出パターンを判定させる。
本実施の形態では、16R長当たり用の大当たり演出を定めた長当たり演出パターンと、16R短当たりおよび4R短当たり用の大当たり演出を定めた短当たり演出パターンとがあるものとする。この場合、大当たり演出処理プログラム732iは、16R長当たりに当選した場合は長当たり演出パターンを判定させ、この大当たり演出を開始させる。16R短当たりや4R短当たりに当選した場合は短当たり演出パターンを判定させ、この大当たり演出を開始させる。
また、大当たり演出処理プログラム732iは、主制御部701から出力された大当たりに関するコマンド(たとえばエンディングコマンド)を受信させて、受信されたコマンドに基づき、実行中の大当たり演出を終了させたり、大当たり後の演出モードを設定させたりもする。
操作受付処理プログラム732jは、演出ボタン118や十字キー119からの制御信号を受け付けて、遊技者操作があったことを示す操作コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。コマンド出力処理プログラム732kは、出力コマンド記憶領域733fに設定された各種コマンドを画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに出力させる。たとえば、コマンド出力処理プログラム732kは、出力コマンド記憶領域733fに設定された特図演出開始コマンド、特図演出終了コマンド、演出中コマンドなどを画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに出力させる。
(3−2.画像・音声制御部)
図17は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その3)である。画像・音声制御部703bは、CPU741と、ROM742と、RAM743と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU741は、演出統括部703aにより実行指示された演出を出力(たとえば表示や音声出力)するための各種プログラムをROM742から読み出し、RAM743をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。また、ROM742には、演出用データEdが記憶される。ここで、演出用データEdは、装飾図柄や背景画像やリーチ演出などの画像データや、BGM(Background music)や効果音などの音声データなどを含むデータとすることができる。
たとえば、画像・音声制御部703bは、入出力I/Oを介して、演出統括部703aから出力されたコマンドを受信して、実行指示された演出を示す情報を取得する。そして、取得された情報に基づき、演出用データEdから必要な画像データを読み込んで、実行指示された演出の表示用データなどを生成する。そして、この表示用データに基づく表示をおこなう。また、実行指示された演出の音声データを生成して、この音声データに基づく音声出力をおこなう。
ここで、画像・音声制御部703bのCPU741が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM743に設定される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態で重要となるもののみを説明している。ROM742には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムなどが多数記憶されている。
画像・音声制御処理プログラム742aは、表示制御処理プログラム742b、音声出力制御処理プログラム742cなどのサブプログラムを順次実行させる。表示制御処理プログラム742bは、演出統括部703aにより実行指示された演出の画像データを演出用データEdから読み込ませて、表示用データなどを生成させる。そして、この表示用データをVRAM(Video RAM)744に格納させる。VRAM744に格納された表示用データは所定のタイミングで画像表示部104に対して出力されて、この表示用データがあらわす画像が画像表示部104の表示画面上に表示される。
また、たとえば、表示制御処理プログラム742bは、表示画面上において、同一位置に背景画像と特図装飾図柄が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像の表示データのZバッファのZ値を参照することで、特図装飾図柄を優先してRAM743に記憶させることで、特図装飾図柄を背景画像よりも手前に見えるように表示させる。
音声出力制御処理プログラム742cは、演出統括部703aにより実行指示された演出の音声データを演出用データEdから読み込ませて、音声データを生成させる。そして、この音声データをRAM743に格納させる。RAM743に格納された音声データは所定のタイミングでスピーカ114に対して出力されて、この音声データがあらわす音声がスピーカ114から出力される。
(3−3.ランプ制御部)
図18は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その4)である。ランプ制御部703cは、CPU751と、ROM752と、RAM753と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU751は、可動役物130の駆動制御および演出ライト部115や盤ランプLpのランプの点灯制御に関する各種プログラムをROM752から読み出し、RAM753をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、ROM752には、複数の制御データからなる制御データテーブルSDtが記憶される。ここで、制御データは、可動役物130を駆動制御するための駆動制御データや、演出ライト部115や盤ランプLpのランプを点灯制御するための点灯制御データなどからなるデータとすることができる。
たとえば、ランプ制御部703cは、入出力I/Oを介して、演出統括部703aから出力されたランプ制御コマンドを受信する。そして、ランプ制御コマンドにより指定された制御データを読み込み、この制御データの駆動制御データがあらわす制御信号(電気信号)を駆動モータ311に入力する。また、読み込んだ制御データの点灯制御データがあらわす制御信号をランプの発光制御回路に入力する。
また、ランプ制御部703cには、原点位置に位置する可動役物130を検出する原点位置センサS1と、進出位置に位置する可動役物130を検出する進出位置センサS2とが接続されている。原点位置センサS1は、可動役物130が原点位置にあるときに検出信号をランプ制御部703cに入力する。進出位置センサS2は、可動役物130が進出位置にあるときに検出信号をランプ制御部703cに入力する。ランプ制御部703cは、原点位置センサS1や進出位置センサS2からの検出信号に基づき、可動役物130を原点位置に復帰させたり、進出位置に駆動させたりすることができる。
ここで、ランプ制御部703cのCPU751が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM753に設定される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態で重要となるもののみを説明している。ROM752には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムなどが多数記憶されている。
役物・ランプ制御処理プログラム752aは、異常判断処理プログラム752b、演出制御処理プログラム752cなどを順次実行させる。異常判断処理プログラム752bは、ぱちんこ遊技機100の起動時に演出統括部703aから出力される初期設定コマンドや復旧コマンドを受信させ、異常判断をおこなわせる。具体的に、異常判断処理プログラム752bは、異常判断用制御信号を入力させ、この異常判断用制御信号を入力した際の原点位置センサS1および進出位置センサS2の出力値の変化を監視させ、異常判断をおこなわせる。
演出制御処理プログラム752cは、たとえば特図演出の開始時に可動役物130が退避位置であるかを判定させて退避位置でなければ復帰駆動をおこなわせたりする。また、演出制御処理プログラム752cは、ランプ制御コマンドを受信させて、ランプ制御コマンドに指定された制御データを制御データテーブルSDtから読み込ませる。そして、この制御データがあらわす制御信号を駆動モータ311に入力させたり、演出ライト部115や盤ランプLpの発光制御回路に入力させたりする。
なお、前述した駆動制御部601と、判定部602と、出力部603とは、たとえば、ランプ制御部703cのCPU751がROM752に記憶されたプログラムを実行することでその機能を実現することができる。
(ぱちんこ遊技機がおこなう処理)
(1.主制御部がおこなう処理)
つぎに、前述の動作を実現するためにぱちんこ遊技機100がおこなう詳細な処理の一例について説明する。まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部701がおこなう処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部701の各処理は、主制御部701のCPU711がROM712に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(メイン処理)
図19は、メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。たとえば、主制御部701はぱちんこ遊技機100に電源の供給が開始されると、このメイン処理の実行を開始し、起動中は継続的にメイン処理を実行している。
メイン処理において、まず、主制御部701は1000ms待機して(ステップS1901)、RAM713へのアクセスを許可する(ステップS1902)。RAM713へのアクセスを許可すると、RAMクリアスイッチがONであるかを判定する(ステップS1903)。
RAMクリアスイッチがONであれば(ステップS1903:Yes)、主制御部701はRAMクリアをおこなう(ステップS1904)。ここで、RAMクリアとは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、RAM713に記憶された各種情報(たとえば遊技状態を示す情報。補助遊技フラグおよび高確遊技フラグのON/OFF)を所定の初期状態とすることである。
RAMクリアをおこなうと、主制御部701はクリア時の作業領域を設定し(ステップS1905)、周辺部の初期設定をおこなう(ステップS1906)。たとえば、ステップS1906では、主制御部701は賞球制御部702や演出制御部703などの各周辺部に対して、所定の初期設定処理の実行を指示する初期設定コマンドを送信する。
一方、RAMクリアスイッチがONでなければ(ステップS1903:No)、主制御部701はバックアップフラグがONであるかを判定する(ステップS1907)。バックアップフラグがONであれば(ステップS1907:Yes)、主制御部701は、チェックサムが正常であるかを判定する(ステップS1908)。
チェックサムが正常であれば(ステップS1908:Yes)、主制御部701は所定の復旧処理を実行する(ステップS1909)。この復旧処理では、たとえば、RAM713のバックアップ記憶領域713bに記憶されたバックアップ情報に基づき、電源遮断前の状態への復旧をおこなう。また、この復旧処理において、主制御部701はバックアップ情報を演出制御部703へ送信してもよい。
ステップS1907において、バックアップフラグがONでなければ(ステップS1907:No)、またはチェックサムが正常でなければ(ステップS1908:No)、主制御部701はステップS1904へ移行してRAMクリアをおこなう。
つぎに、主制御部701は内蔵されたCTC(タイマカウンタ)の周期(たとえば4ms)を設定し(ステップS1910)、設定記憶領域713aを更新する。なお、主制御部701は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理を実行する。ステップS1910においてCTCの周期を設定すると、主制御部701は、電源遮断を監視する電源遮断監視処理を実行する(ステップS1911)。
電源遮断監視処理を実行すると、主制御部701は変動パターン乱数を更新して(ステップS1912)、タイマ割込処理の割込禁止設定をおこなう(ステップS1913)。そして、主制御部701は初期値乱数を更新して(ステップS1914)、タイマ割込処理の割込許可設定をおこない(ステップS1915)、ステップS1911へ移行する。以降、主制御部701は、ステップS1911からステップS1915の処理を繰り返し実行する。なお、主制御部701が初期値乱数をカウントしない場合、ステップS1912の後にステップS1913〜S1915の各ステップをおこなわず、そのままステップS1911へ移行してもよい。
(タイマ割込処理)
図20は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部701は、上記のメイン処理に対して、タイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
タイマ割込処理において、主制御部701は、まず、主制御部701がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS2001)。主制御部701は、この乱数更新処理において、特図当たり乱数、特図図柄乱数、変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図図柄乱数などの各種乱数の更新をおこない、たとえば、それぞれの乱数取得用カウンタC1〜C5のカウント値を「1」カウントアップする。
つぎに、主制御部701は、各種スイッチにより検出をおこなうスイッチ処理を実行する(ステップS2002)。このスイッチ処理において、主制御部701は、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(後述)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理(省略)、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理などをおこなう。
つづいて、主制御部701は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS2003)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理(後述)と、普通図柄に関する普通図柄処理(省略)とからなる。特別図柄処理で、主制御部701は、大当たり抽選をおこなって特別図柄の表示制御をおこなう。普通図柄処理で、主制御部701は、普通図柄抽選をおこなって普通図柄の表示制御をおこなう。
つづいて、主制御部701は、大入賞口109および電動チューリップ107の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS2004)。ここで、電動役物制御処理は、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(省略)と、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ処理(省略)とを含む。大入賞口処理で、主制御部701は、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口109の動作制御をおこなう。電動チューリップ処理で、主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップ107の動作制御をおこなう。
つづいて、主制御部701は、賞球の払い出し制御に関する賞球処理を実行する(ステップS2005)。賞球処理において、主制御部701は、大入賞口109や普通入賞口110に遊技球が入賞した際に所定個数の賞球を払い出すように賞球制御部702に指示する賞球コマンドをRAM713に設定する。
つづいて、主制御部701は、ステップS2001〜S2005の各処理によりRAM713に設定されたコマンドを賞球制御部702や演出制御部703などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS2006)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部701はメイン処理へ戻る。
(始動口スイッチ処理)
つぎに、始動口スイッチ処理の処理内容について説明する。図21は、始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、主制御部701は、まず、第1始動口SW714aがONになったかを判定する(ステップS2101)。第1始動口SW714aがONになっていなければ(ステップS2101:No)、後述するステップS2105へ移行する。
第1始動口SW714aがONになっていれば(ステップS2101:Yes)、主制御部701は、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図判定用情報数U1が4未満であるか(U1<4)を判定する(ステップS2102)。第1特図判定用情報数U1が4未満でなければ(ステップS2102:No)、すなわち、第1特図判定用情報数U1が4以上であればステップS2105へ移行する。
第1特図判定用情報数U1が4未満であれば(ステップS2102:Yes)、主制御部701は、第1特図判定用情報数U1に「1」を加算した値を、新たな第1特図判定用情報数U1の値とする(ステップS2103)。そして、カウンタ記憶領域713cを参照して、各乱数カウンタC1〜C3のカウント値を特図判定用情報として取得し、これを特図判定用情報記憶領域713dに記憶する(ステップS2104)。
つづいて、主制御部701は、第2始動口SW714bがONになったかを判定する(ステップS2105)。第2始動口SW714bがONになっていなければ(ステップS2105:No)、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2始動口SW714bがONになっていれば(ステップS2105:Yes)、主制御部701は、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図判定用情報数U2が4未満であるか(U2<4)を判定する(ステップS2106)。第2特図判定用情報数U2が4未満でなければ(ステップS2106:No)、すなわち、第2特図判定用情報数U2が4以上であれば、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2特図判定用情報数U2が4未満であれば(ステップS2106:Yes)、主制御部701は、第2特図判定用情報数U2に「1」を加算した値を、新たな第2特図判定用情報数U2の値とする(ステップS2107)。そして、カウンタ記憶領域713cを参照して、各乱数カウンタC1〜C3のカウント値を特図判定用情報として取得し、これを特図判定用情報記憶領域713dに記憶し(ステップS2108)、始動口スイッチ処理を終了する。
ステップS2108で特図判定用情報を取得した場合、主制御部701は、ここで取得した特図判定用情報を、第1始動口105に入賞することにより取得された特図判定用情報よりも、優先順位が高くなるような特図判定用情報格納領域に記憶する。そして、第1始動口105に入賞することにより取得された特図判定用情報を、1つずつ、優先順位が低くなる特図判定用情報格納領域へシフトする。
(特別図柄処理)
図22は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。特別図柄処理において、まず、主制御部701は大当たり中であることを示す大当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2201)。大当たり遊技フラグがONに設定されている場合には(ステップS2201:Yes)、特別図柄処理を終了する。
大当たり遊技フラグがONに設定されていない場合(ステップS2201:No)、つまり、大当たり中でない場合、主制御部701は特別図柄を変動中であるかを判定する(ステップS2202)。特別図柄を変動中である場合には(ステップS2202:Yes)、ステップS2211へ移行する。
特別図柄を変動中でない場合(ステップS2202:No)、つまり、特別図柄が停止中の場合、主制御部701は第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図判定用情報数U2が1以上であるかを判定する(ステップS2203)。
第2特図判定用情報数U2が1以上である場合(ステップS2203:Yes)、主制御部701は第2特図判定用情報数U2から「1」を減算した値を、新たな第2特図判定用情報数U2とし(ステップS2204)、ステップS2207へ移行する。第2特図判定用情報数U2が1以上でない場合には(ステップS2203:No)、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図判定用情報数U1が1以上であるかを判定する(ステップS2205)。
第1特図判定用情報数U1が1以上である場合(ステップS2205:Yes)、主制御部701は第1特図判定用情報数U1から「1」を減算した値を、新たな第1特図判定用情報数U1とし(ステップS2206)、ステップS2207へ移行する。第1特図判定用情報数U1が1以上でない場合には(ステップS2205:No)、特別図柄処理を終了する。
つづいて、主制御部701は大当たり抽選処理(後述)をおこなって(ステップS2207)、特別図柄を変動させておく期間(特図変動時間)を設定する特図変動パターン判定処理をおこなう(ステップS2208)。そして、大当たり抽選処理の処理結果と特図変動パターン判定処理の処理結果とに基づき、特別図柄の変動を開始させる(ステップS2209)。ここで、主制御部701は第2始動口106に入賞した遊技球に対して大当たり抽選をおこなった場合、第2特別図柄表示部201bで特別図柄を変動させる。第1始動口105に入賞した遊技球に対して大当たり抽選をおこなった場合、第1特別図柄表示部201aで特別図柄を変動させる。
つづいて、主制御部701は特図変動開始コマンドをRAM713に設定する(ステップS2210)。ここで、特図変動開始コマンドは、たとえば、大当たり抽選結果、特図変動パターン、遊技状態(補助遊技状態か否か)などを示すコマンドとすることができる。主制御部701はタイマ割込処理における出力処理の実行時にこの特図変動開始コマンドを演出制御部703などに送信する。
つづいて、主制御部701は特別図柄の変動開始時から特図変動パターンが定めた特図変動時間が経過したかを判定する(ステップS2211)。特図変動時間が経過していない場合には(ステップS2211:No)、特別図柄処理を終了する。特図変動時間が経過した場合には(ステップS2211:Yes)、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示すように、変動中の特別図柄を停止させる(ステップS2212)。そして、特図変動停止コマンドをRAM713に設定し(ステップS2213)、停止中処理(後述)をおこなって(ステップS2214)、特別図柄処理を終了する。
(大当たり抽選処理)
図23は、大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。大当たり抽選処理において、まず、主制御部701は高確遊技状態であることを示す高確遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2301)。高確遊技フラグがONに設定されている場合には(ステップS2301:Yes)、高確特図当たり判定テーブルTAt2をRAM713に設定する(ステップS2302)。高確遊技フラグがONに設定されていない場合には(ステップS2301:No)、低確特図当たり判定テーブルTAt1をRAM713に設定する(ステップS2303)。
つづいて、主制御部701は特図当たり判定をおこなう(ステップS2304)。特図当たり判定において、主制御部701はRAM713に設定した特図当たり判定テーブルTAtと、判定対象の特図判定用情報の特図当たり乱数とを比較する。そして、特図当たり乱数が特図当たり判定テーブルTAtにおいて大当たりとされる所定値と一致するかを判定する。一致すれば大当たりと判定し、一致しなければハズレと判定する。
つづいて、主制御部701は特図当たり判定の判定結果が大当たりであるかを判定する(ステップS2305)。大当たりでない場合には(ステップS2305:No)、大当たり抽選の抽選結果がハズレであることを示すハズレ図柄をRAM713に設定して(ステップS2306)、大当たり抽選処理を終了する。
特図当たり判定の判定結果が大当たりである場合(ステップS2305:Yes)、主制御部701は判定対象の特図判定用情報が第1始動口105への入賞に対して取得されたものか否かを判定する(ステップS2307)。第1始動口105への入賞に対して取得されたものである場合には(ステップS2307:Yes)、第1特図図柄判定テーブルTZt1をRAM713に設定する(ステップS2308)。
一方、第1始動口105への入賞に対して取得されたものでない場合(ステップS2307:No)、つまり、第2始動口106への入賞に対して取得されたものであれば第2特図図柄判定テーブルTZt2をRAM713に設定する(ステップS2309)。
つづいて、主制御部701は特図図柄判定をおこなう(ステップS2310)。特図図柄判定において、主制御部701はRAM713に設定した特図図柄判定テーブルTZtと、判定対象の特図判定用情報の特図図柄乱数とを比較する。そして、特図図柄乱数が特図図柄判定テーブルTZt1〜TZt2においてどの種別の大当たりの所定値と一致するかを判定し、一致した種別の大当たりに当選したと判定する。つづいて、主制御部701は特図図柄判定の判定結果に基づき、当選した大当たりをあらわす大当たり図柄をRAM713に設定して(ステップS2311)、大当たり抽選処理を終了する。
(特図変動パターン判定処理)
図24は、特図変動パターン判定処理の処理内容を示すフローチャートである。特図変動パターン判定処理において、まず、主制御部701は、大当たり抽選の抽選結果が大当たりであるかを判定する(ステップS2401)。大当たりでない場合には(ステップS2401:No)、ハズレ用特図変動パターンテーブルTHt1をRAM713に設定する(ステップS2402)。大当たりである場合には(ステップS2401:Yes)、大当たり用特図変動パターンテーブルTHt2をRAM713に設定する(ステップS2403)。
つづいて、主制御部701は特図変動パターン判定をおこなう(ステップS2404)。特図変動パターン判定において、主制御部701はRAM713に設定した特図変動パターンテーブル(THt1またはTHt2)と、判定対象の特図判定用情報の特図変動パターン乱数とを比較する。そして、特図変動パターン乱数が特図変動パターンテーブルにおいてどの特図変動パターンの所定値と一致するかを判定し、一致した特図変動パターンに当選したと判定する。つづいて、主制御部701は特図変動パターン判定の判定結果に基づき、当選した特図変動パターンをRAM713に設定して(ステップS2405)、特図変動パターン判定処理を終了する。
(2−1.演出統括部がおこなう処理)
つぎに、演出制御部703がおこなう処理について詳細に説明する。まず、演出制御部703の演出統括部703aがおこなう処理から説明する。なお、以下に説明する演出統括部703aがおこなう各処理は、たとえば、演出統括部703aのCPU731がROM732に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(演出メイン処理)
図25は、演出メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。演出統括部703aは、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、この演出メイン処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。演出メイン処理において、演出統括部703aは、主制御部701から起動時に出力される初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信するまで待機する(ステップS2501:Noのループ)。
初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信すると(ステップS2501:Yes)、初期設定処理をおこなう(ステップS2502)。この初期設定処理において、たとえば、演出統括部703aは、後述の演出タイマ割込処理の割り込み周期などを設定する。また、初期設定処理において、演出統括部703aは、遊技を開始させる演出モードなどを設定してもよい。
つづいて、演出統括部703aは、初期設定コマンドまたは復旧コマンドをランプ制御部703cや画像・音声制御部703bへ出力し(ステップS2503)、演出用乱数更新処理をおこなって(ステップS2504)、以降、演出用乱数更新処理を繰り返す。たとえば、演出用乱数更新処理において、演出統括部703aは、演出用乱数カウンタのカウント値を「1」カウントアップし、演出用乱数カウンタのカウント値が所定値に達したときには「0」に戻す処理をおこなう。
(演出タイマ割込処理)
図26は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。前述したように、演出統括部703aは、演出メイン処理に対して、この演出タイマ割込処理を、所定の周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
演出タイマ割込処理において、演出統括部703aは、まず、後述のコマンド受信処理をおこなう(ステップS2601)。コマンド受信処理をおこなうと、演出統括部703aは、つづいて、演出ボタン118や十字キー119により遊技者からの操作を受け付けた際に操作コマンドを設定する操作受付処理をおこなう(ステップS2602)。
つづいて、演出統括部703aは、コマンド出力処理をおこなう(ステップS2603)。コマンド出力処理では、コマンド受信処理または操作受付処理などによりRAM733の各記憶領域に設定された情報を示すコマンドを、画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する処理をおこなう。
また、コマンド出力処理において、演出統括部703aは、実行中の特図演出の開始時からの経過時間が所定時間となることにより、演出中コマンドを出力するタイミングとなったかを判定する。前述のように、各特図演出パターンTEp1〜TEp7には演出中コマンドを出力するタイミングが予め定められている。演出中コマンドを出力するタイミングとなっていれば、演出統括部703aは、実行中の特図演出および経過時間に基づき、出力する演出中コマンドを画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する。
(コマンド受信処理)
図27は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。コマンド受信処理において、演出統括部703aは、まず、ランプ制御部703cから異常判断結果を示す異常判断コマンドを受信したかを判定する(ステップS2701)。異常判断コマンドを受信していなければ(ステップS2701:No)、ステップS2703へ移行する。異常判断コマンドを受信していれば(ステップS2701:Yes)、異常判断コマンドをRAM733に設定する(ステップS2702)。ステップS2702でRAM733に設定された異常判断コマンドは、ステップS2603に示したコマンド出力処理において画像・音声制御部703bに対して出力される。画像・音声制御部703bは、異常判断コマンドを受信すると、この異常判断コマンドが示す異常判断結果に応じたメッセージを画像表示部104に表示させる。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701から特別図柄に関するコマンド(以下「特図コマンド」という)を受信したかを判定する(ステップS2703)。ここで、特図コマンドは、たとえば、前述の特図変動開始コマンドや特図変動停止コマンドとすることができる。
特図コマンドを受信していれば(ステップS2703:Yes)、演出統括部703aは、特図演出に関する特図演出処理(後述)をおこなって(ステップS2704)、ステップS2705へ移行する。特図コマンドを受信していなければ(ステップS2703:No)、そのままステップS2705へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701から普通図柄に関するコマンド(以下「普図コマンド」という)を受信したかを判定する(ステップS2705)。ここで、普図コマンドは、たとえば、普通図柄の変動開始時に出力される普図変動開始コマンドや普通図柄の変動停止時に出力される普図変動停止コマンドとすることができる。
普図コマンドを受信していれば(ステップS2705:Yes)、演出統括部703aは、普図演出に関する普図演出処理(詳細な説明および図示は省略)をおこなって(ステップS2706)、ステップS2707へ移行する。普図コマンドを受信していなければ(ステップS2705:No)、そのままステップS2707へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からオープニングコマンドを受信したかを判定する(ステップS2707)。オープニングコマンドを受信していなければ(ステップS2707:No)、ステップS2709へ移行する。オープニングコマンドを受信していれば(ステップS2707:Yes)、演出統括部703aは、大当たり中におこなう大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる大当たり演出開始処理をおこない(ステップS2708)、ステップS2709へ移行する。
たとえば、大当たり演出開始処理において、演出統括部703aは、16R長当たりに当選していれば16R長当たり用の大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる。16R短当たりに当選していれば16R短当たり用の大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる。4R短当たりに当選していれば4R短当たり用の大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からラウンド進行コマンドを受信したかを判定する(ステップS2709)。ラウンド進行コマンドを受信していなければ(ステップS2709:No)、ステップS2711へ移行する。ラウンド進行コマンドを受信していれば(ステップS2709:Yes)、演出統括部703aは、進行したラウンドに対応した演出の制御をおこなうラウンド演出進行処理をおこなって(ステップS2710)、ステップS2711へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からエンディングコマンドを受信したかを判定する(ステップS2711)。エンディングコマンドを受信していなければ(ステップS2711:No)、コマンド受信処理を終了する。エンディングコマンドを受信している場合(ステップS2711:Yes)、演出統括部703aは、大当たり演出を終了させる大当たり演出終了処理をおこなって(ステップS2712)、コマンド受信処理を終了する。
(特図演出処理)
図28は、特図演出処理の処理内容を示すフローチャートである。特図演出処理において、演出統括部703aは、まず、特図変動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS2801)。特図変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS2801:No)、S2808へ移行する。
特図変動開始コマンドを受信していれば(ステップS2801:Yes)、演出統括部703aは受信した特図変動開始コマンドを解析して(ステップS2802)、大当たり抽選の抽選結果、特図変動パターン(特別図柄の変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する。
つづいて、演出統括部703aは、ステップS2802で取得された情報と、特図演出パターンテーブルTEtとを用いて、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに対応づけられた特図演出パターンを判定し(ステップS2803)、この判定結果(特図演出パターン)をRAM733に設定する。
なお、ステップS2803において、特図演出パターンを設定した際に、演出統括部703aは、停止表示させる特図装飾図柄の組み合わせも決定してもよい。たとえば、リーチ演出の特図演出パターンをRAM733に設定し、大当たり抽選の抽選結果が大当たりの場合は、特図装飾図柄をゾロ目となる組み合わせとする。リーチ演出の特図演出パターンをRAM733に設定し、大当たり抽選の抽選結果がハズレの場合は、特図装飾図柄をリーチハズレ目となる組み合わせとする。ノーマルハズレ演出の変動演出パターンをRAM733に設定した場合は、特図装飾図柄をバラケ目となる組み合わせとする。
つづいて、演出統括部703aは、演出用乱数取得用のカウンタのカウント値を参照して演出用乱数を取得し(ステップS2804)、取得した演出用乱数と予告演出パターンテーブルYEtとを用いて予告演出パターンを判定し(ステップS2805)、この判定結果をRAM733に設定する。そして、ステップS2803で設定された特図演出パターンや特図装飾図柄の組み合わせ、ステップS2805で設定された予告演出パターンが示す予告演出を開始させるための特図演出開始コマンドをRAM733に設定する(ステップS2806)。そして、特図演出開始時からの経過時間の計測を開始して(ステップS2807)、ステップS2808へ移行する。
なお、演出モードごとにそれぞれ異なる演出が用意されている場合、演出統括部703aは、特図演出パターンや予告演出パターンを判定する際に現在の演出モードを示す情報を参照し、現在の演出モードに合致した演出を選択するようにすることで、演出のバリエーションを増加させて、興趣性の高い演出をおこなうことができる。
つづいて、演出統括部703aは、特図変動停止コマンドを受信したかを判定し(ステップS2808)、特図変動停止コマンドを受信していれば(ステップS2808:Yes)、実行中の特図演出を終了させる特図演出終了コマンドをRAM733に設定する(ステップS2809)。そして、特図演出開始時から計測された経過時間をリセットして(ステップS2810)、特図演出処理を終了する。特図変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS2808:No)、そのまま特図演出処理を終了する。
(2−2.ランプ制御部がおこなう処理)
つぎに、ランプ制御部703cがおこなう処理について詳細に説明する。なお、以下に説明するランプ制御部703cがおこなう各処理は、たとえば、ランプ制御部703cのCPU751がROM752に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(役物・ランプ制御処理)
図29は、役物・ランプ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。ランプ制御部703cは、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、この役物・ランプ制御処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。役物・ランプ制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、演出統括部703aから初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信するまで待機する(ステップS2901:Noのループ)。
初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信すると(ステップS2901:Yes)、ランプ制御部703cは、異常判断処理(後述)をおこなう(ステップS2902)。つづいて、ランプ制御部703cは、演出制御処理(省略)をおこなって(ステップS2903)、以降はステップS2903を繰り返す。
(異常判断処理)
図30は、異常判断処理の処理内容を示すフローチャートである。異常判断処理において、ランプ制御部703cは、まず、駆動モータ311に異常判断用制御信号を入力する異常判断用制御信号入力処理をおこなう(ステップS3001)。そして、リトライカウンタのカウント値Nに「1」を加算した値を新たなカウント値Nとする(ステップS3002)。
つづいて、ランプ制御部703cは、異常判断用制御信号を入力したことによって原点位置センサS1の出力値にエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS3003)。原点位置センサS1の出力値にエッジが検出されなかった場合には(ステップS3003:No)、ステップS3005へ移行する。原点位置センサS1の出力値にエッジが検出された場合には(ステップS3003:Yes)、原点位置検出成功フラグをONに設定して(ステップS3004)、ステップS3005へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cは、異常判断用制御信号を入力したことによって進出位置センサS2の出力値にエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS3005)。進出位置センサS2の出力値にエッジが検出されなかった場合には(ステップS3005:No)、ステップS3007へ移行する。進出位置センサS2の出力値にエッジが検出された場合には(ステップS3005:Yes)、進出位置検出成功フラグをONに設定して(ステップS3006)、ステップS3007へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cは、原点位置検出成功フラグと進出位置検出成功フラグとの両方の位置検出成功フラグがONであるかを判定する(ステップS3007)。両位置検出成功フラグがONに設定されていた場合には(ステップS3007:Yes)、ステップS3011へ移行する。原点位置検出成功フラグと進出位置検出成功フラグとの両方の位置検出成功フラグがONでなかった場合には(ステップS3007:No)、原点位置検出成功フラグと進出位置検出成功フラグとの一方の位置検出成功フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS3008)。
一方の位置検出成功フラグがONに設定されていた場合(ステップS3008:Yes)、ランプ制御部703cは、リトライカウンタのカウント値Nが「3」より大きい(N>3)かを判定する(ステップS3009)。カウント値Nが「3」以下であった場合には(ステップS3009:No)、ステップS3001へ移行して、上記の処理を繰り返す。
カウント値Nが「3」より大きかった場合(ステップS3009:Yes)、ランプ制御部703cは、センサ異常フラグをONに設定する(ステップS3010)。そして、異常判断結果を示す異常判断コマンドを演出統括部703aへ送信する(ステップS3011)。異常判断コマンドは、前述のように異常判断結果を示すコマンドで、たとえば、センサ異常フラグのONまたはOFFや役物異常フラグのONまたはOFFをあらわすコマンドとすることができる。
つづいて、ランプ制御部703cは、原点位置検出成功フラグと進出位置検出成功フラグとをOFFに設定し(ステップS3012)、リトライカウンタのカウント値Nを「0」にリセットして(ステップS3013)、異常判断処理を終了する。
また、原点位置検出成功フラグと進出位置検出成功フラグとの両方の位置検出成功フラグがOFFに設定されていた場合(ステップS3008:No)、ランプ制御部703cは、リトライカウンタのカウント値Nが「2」より大きい(N>2)かを判定する(ステップS3014)。カウント値Nが「2」以下であった場合には(ステップS3014:No)、ステップS3001へ移行して、上記の処理を繰り返す。カウント値Nが「2」より大きかった場合には(ステップS3014:Yes)、役物異常フラグをONに設定して(ステップS3015)、ステップS3011へ移行する。
(異常判断の具体的な一例−異常なしと判断する場合)
図31−1は、本実施の形態のぱちんこ遊技機による異常判断の具体的な一例を示す説明図(その1)である。所定のタイミング(たとえば起動時)の時期t11で、ぱちんこ遊技機100は、原点位置センサS1と進出位置センサS2との出力値を取得する。時期t11では、原点位置センサS1と進出位置センサS2との双方がOFFであったため、まず、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130の位置を取得するために可動役物130を所定方向へ向けて駆動させる。図31−1で示す例では、ぱちんこ遊技機100は可動役物130を限界退避位置方向へ向けて駆動させている。
この場合、ぱちんこ遊技機100は、駆動モータ311に図31−1に示す第1制御信号を入力して、駆動モータ311を図3−1および図3−2中、反時計回り(CCW:CounterClockwise)に回転させる。たとえば、ここで第1制御信号は、規定のパルス速度で、可動役物130を限界退避位置方向へ向けて距離D駆動させるためのパルス数(N1パルスとする)の制御信号とすることができる。なお、ぱちんこ遊技機100は、第1制御信号の入力中に原点位置センサS1がONとなった場合には、その時点で第1制御信号の入力を停止する。
図31−1に示す例では、第1制御信号をn1パルス(n1<N1)入力した時期t12で、原点位置センサS1がONとなった。このため、ぱちんこ遊技機100は第1制御信号の入力を停止した。つづいて、ぱちんこ遊技機100は可動役物130を限界進出位置方向へ向けて駆動させる。
この場合、ぱちんこ遊技機100は、駆動モータ311に図31−1に示す第2制御信号を入力して、駆動モータ311を図3−1および図3−2中、時計回り(CW:Clockwise)に回転させる。たとえば、ここで第2制御信号は、規定のパルス速度で、可動役物130を限界進出位置方向へ向けて距離D駆動させるためのパルス数(N2パルスとする)の制御信号とすることができる。なお、ぱちんこ遊技機100は、第2制御信号の入力中に進出位置センサS2がONとなった場合には、その時点で第2制御信号の入力を停止する。
図31−1に示す例では、n21パルス(n21<N2)入力した時期t13で原点位置センサS1がOFFとなり、n22パルス(n21<n22<N2)入力した時期t14で進出位置センサS2がONとなった。このため、ぱちんこ遊技機100は第2制御信号の入力を停止した。この場合には、原点位置センサS1および進出位置センサS2の出力値でエッジを検出できたため、異常なしと判断することになる。
(異常判断の具体的な一例−センサ異常と判断する場合)
図31−2は、本実施の形態のぱちんこ遊技機による異常判断の具体的な一例を示す説明図(その2)である。所定のタイミング(たとえば起動時)の時期t21で、ぱちんこ遊技機100は、原点位置センサS1と進出位置センサS2との出力値を取得する。時期t21では、原点位置センサS1と進出位置センサS2との双方がOFFであったため、まず、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130の位置を取得するために可動役物130を所定方向へ向けて駆動させる。
図31−2で示す例では、ぱちんこ遊技機100は前述の第1制御信号を駆動モータ311に入力して、可動役物130を限界退避位置方向へ向けて駆動させている。また、図31−2で示す例ではN1パルス入力した時期t22となっても原点位置センサS1がONとならなかった。このため、ぱちんこ遊技機100は第1制御信号の入力を停止した。つづいて、ぱちんこ遊技機100は可動役物130を限界進出位置方向へ向けて駆動させる。
この場合、ぱちんこ遊技機100は、前述の第2制御信号を駆動モータ311に入力して、可動役物130を限界進出位置方向へ向けて駆動させている。図31−2に示す例では、n23パルス(n23<N2)入力した時期t23で進出位置センサS2がONとなった。このため、ぱちんこ遊技機100は第2制御信号の入力を停止した。また、進出位置センサS2がONとなる時期t23までに原点位置センサS1がONとなることはなかった。この場合には、進出位置センサS2の出力値でエッジを検出できたものの、原点位置センサS1の出力値にはエッジを検出できなかったため、原点位置センサS1のセンサ異常と判断することになる。
(異常判断の具体的な一例−役物異常と判断する場合)
図31−3は、本実施の形態のぱちんこ遊技機による異常判断の具体的な一例を示す説明図(その3)である。所定のタイミング(たとえば起動時)の時期t31で、ぱちんこ遊技機100は、原点位置センサS1と進出位置センサS2との出力値を取得する。時期t31では、原点位置センサS1と進出位置センサS2との双方がOFFであったため、まず、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130の位置を取得するために可動役物130を所定方向へ向けて駆動させる。
図31−3で示す例では、ぱちんこ遊技機100は前述の第1制御信号を駆動モータ311に入力して、可動役物130を限界退避位置方向へ向けて駆動させている。また、図31−3で示す例ではN1パルス入力した時期t32となっても原点位置センサS1がONとならなかった。このため、ぱちんこ遊技機100は第1制御信号の入力を停止した。つづいて、ぱちんこ遊技機100は可動役物130を限界進出位置方向へ向けて駆動させる。
この場合、ぱちんこ遊技機100は、前述の第2制御信号を駆動モータ311に入力して、可動役物130を限界進出位置方向へ向けて駆動させている。図31−3に示す例では、N2パルス入力した時期t33となっても進出位置センサS2がONとならなかった。このため、ぱちんこ遊技機100は第2制御信号の入力を停止した。また、N2パルス入力するまでに原点位置センサS1がONとなることもなかった。この場合には、原点位置センサS1および進出位置センサS2の両方の位置センサ出力値でエッジを検出できなかったため役物異常と判断することになる。
以上に説明したように、ぱちんこ遊技機100は、異常判断用制御信号を可動役物130に入力した際の原点位置センサS1と進出位置センサS2との出力値の変化に基づき、センサ異常および役物異常を判断する。そして、センサ異常と判断した場合と、役物異常と判断した場合とで、異常判断後、異なる出力をおこなう。これによって、ぱちんこ遊技機100は、異常判断後の出力態様からセンサ異常なのか役物異常なのかをぱちんこ遊技機100の管理者に示唆できる。このため、ぱちんこ遊技機100の管理者は、検証対象が絞り込まれた状態で異常要因を特定する検証をおこなうことができる。したがって、ぱちんこ遊技機100は、異常原因の特定を容易化して、異常原因を特定する際の労力や時間を削減でき、ぱちんこ遊技機100の保守を容易化することができる。また、これによって、ぱちんこ遊技機100の保守に要するコストを削減することができる。
また、ぱちんこ遊技機100は、役物異常と判断する場合には、センサ異常と判断する場合よりも異常判断用制御信号の入力回数が少なくなるようにした。つまり、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130に機構的に大きな負荷がかかってしまうことがありえる役物異常時には、センサ異常時よりも異常を判断する際の可動役物130の駆動回数を少なくした。具体的に、たとえば、本実施の形態では異常判断用制御信号を2回入力した場合に、両方の位置検出成功フラグがOFFであれば役物異常と判断して異常判断処理を終了する。一方の位置検出成功フラグがONとなれば、再度(3回目の)異常判断用制御信号を入力するようにした。これによって、ぱちんこ遊技機100は、役物異常時には可動役物130の障害が拡大してしまうことを防止するとともに、センサ異常時には異常判断時の試行回数を増加させて異常判断の精度を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、原点位置センサS1からの検出信号と、進出位置センサS2からの検出信号とをそれぞれ独立して検出できるようにしたがこれに限らない。一般的に、原点位置センサS1と進出位置センサS2とは、IC(Integrated Circuit)回路の入力ポートに接続されて用いられる。近年では、IC回路で必要となる入力ポート数を削減するために、1つの入力ポートに原点位置センサS1と進出位置センサS2とを接続する場合もある。
このような場合には、原点位置センサS1からの検出信号と、進出位置センサS2からの検出信号とをそれぞれ独立して検出することができなくなる。そこで、このような場合、ぱちんこ遊技機100は、駆動モータ311の回転方向と、駆動モータ311に入力した制御信号のパルス数とから、原点位置センサS1がONとなったのか、進出位置センサS2がONとなったのかを判定してもよい。
具体的には、たとえば、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130を限界退避位置とした後に限界進出位置方向に向けて(CWで)駆動させた場合に、規定のパルス数(たとえばXパルスとする)未満の制御信号を駆動モータ311に入力した場合に可動役物130が検出されれば原点位置センサS1により可動役物130を検出したと判定する。Xパルス以上の制御信号を入力した場合に、可動役物130が検出されれば進出位置センサS2により可動役物130を検出したと判定する。
また、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130を限界進出位置とした後に限界退避位置方向に向けて(CCWで)駆動させた場合に、規定のパルス数(たとえばYパルスとする)未満の制御信号を駆動モータ311に入力した場合に可動役物130が検出されれば進出位置センサS2により可動役物130を検出したと判定する。Yパルス以上の制御信号を入力した場合に、可動役物130が検出されれば原点位置センサS1により可動役物130を検出したと判定する。
以上のように、原点位置センサS1と進出位置センサS2とが同一の入力ポートに接続された場合であっても、ぱちんこ遊技機100は原点位置センサS1からの検出信号か進出位置センサS2からの検出信号かを判定することで本発明を適用することができ、本実施の形態と同様に異常判断をおこなうことができる。
以上に説明したように、本発明にかかるぱちんこ遊技機によれば、可動役物の駆動が正常におこなわれなくなった異常原因の特定を容易化し、ぱちんこ遊技機の保守を容易化できる。