以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
本発明に係る遊技機に好適な実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る遊技機を、旧第一種に属する遊技機(所謂デジパチ)に適用している。
<<遊技機の基本構成>>
図1は、島構造体HSに取り付けられた本実施形態に係る遊技機100の正面図である。図1を参照して遊技機100の基本構成を説明する。島構造体HSは遊技ホールに設けられ、遊技機100を含む複数の遊技機を設置可能な設備であり、各遊技機に対する遊技球の補給手段及び回収手段、遊技球の研磨手段等の遊技に関するシステムを備える設備である。島構造体HSには、島構造体HSに設置される各遊技機に対して1対1に対応したデータランプHTが設けられている。データランプHTは液晶画面を備えており、例えば遊技機100から提供された情報の一部を液晶画面に表示することで、遊技者に所定の情報を提供する。遊技者に提供される所定の情報としては、現在の遊技状態、大当たり回数、継続回数、スタート回数(例えば前回の大当たり後の当たり抽選の回数)が含まれる。また、データランプHTは、遊技ホールの店員を呼び出し可能な呼び出しボタン(図1中のCALLボタンHU)を備えており、当該CALLボタンHUを押下することで島構造体HSの両端部に設けられた呼び出しランプ(不図示)が点灯し、遊技ホールの店員に対して、CALLボタンHUが押下されたことを報知する。データランプHTは一般的に図1に示すように、島構造体HSにおいて、遊技機100の上部に位置するように設置され、遊技者は遊技機100にて遊技中に視線を上方に向けることでデータランプHTに表示された情報を視認することができ、また、手を上方に伸ばすことでCALLボタンHUを押下することができる。尚、上下左右とは、特に記述無き限り、遊技機100に正対する遊技者から見た上下左右を指し、上下方向も左右方向も遊技機100の盤面に平行である。上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向に平行である。
遊技機100は、島構造体HSに取り付けられる外枠10と、外枠10に対して開閉自在に取り付けられる内枠11と、内枠11に対して開閉自在に取り付けられる扉枠12と、を備える。内枠11は外枠10に対して、また、扉枠12は内枠11に対して、共に、左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能(開閉可能)に構成される。扉枠12は内枠11の前面側全体を覆うように内枠11に対して取り付けられるが、扉枠12には後述する遊技領域のほぼ全域を前方(遊技者側)から視認することができるように、透明性を有するガラス板が嵌め込まれてなる窓部12aが形成されている。
遊技機100は、遊技盤101を含む。遊技盤101は内枠11に対して着脱可能に取り付けられ、図1に示された各構成部材を備える。遊技盤101の下部位置には、遊技球を発射するための発射部が配置されている(発射部の詳細構造は図示せず)。
遊技機100において、発射部の駆動により上方に発射された遊技球は、レール102a及び102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技盤101に形成された遊技領域103内を落下(流下)するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に移動方向を変化させながら落下する。また、遊技盤101において、遊技領域103における遊技球の落下経路には、遊技球の落下方向を変化させる風車(不図示)や、第1始動口105、第2始動口106、電動チューリップ107、ゲート108、第1大入賞口110、第2大入賞口111及び普通入賞口112が設置される。
遊技盤101の略中央部分には、液晶ディスプレイパネル等から成る画像表示部104が配置される。画像表示部104は各種の演出画像を表示する。例えば、画像表示部104は、当たり抽選の抽選結果を表すための特別図柄に対応して設けられた装飾図柄を表示すると共に、遊技機100が当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に関する画像を表示する。画像表示部104は、普通図柄抽選の抽選結果を表すための図柄(普通装飾図柄)などをも表示して良い。
画像表示部104の下方には、第1始動口105及び第2始動口106が設置される。始動口105及び106は、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。所定の第1始動条件又は第2始動条件が成立することによって、当たり抽選を受けるための権利が取得される。第1、第2始動条件は、夫々、遊技球が始動口105、106を通過することによって、即ち始動口105、106に遊技球が入賞(入球)することによって成立する。また、遊技機100は、始動口105又は106に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば3個)の遊技球を払い出す。払い出される遊技球を賞球とも呼ぶ。なお、第1始動口105は、常時開放されている始動口であるのに対して、第2始動口106は電動チューリップ107が作動しているときのみ開放される始動口である。以下の説明では、第1始動口105への遊技球の入賞により成立した第1始動条件に基づく当たり抽選を「第1特別図柄抽選」と称し、第2始動口106への遊技球の入賞により成立した第2始動条件に基づく当たり抽選を「第2特別図柄抽選」と称することがあり、また、両者を区別する必要がない場合には単に「当たり抽選」と称する。尚、入賞を入球と読み替えてもよい。
電動チューリップ107は第2始動口106の近傍に設けられる。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を第2始動口106へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、電動チューリップ107が備えるソレノイド420(図6参照)によって行われる。実質的には、電動チューリップ107が閉状態であるとき、遊技球の第2始動口106への入賞は不可能であり、電動チューリップ107が開状態であるときにのみ、遊技球の第2始動口106への入賞が可能となる。電動チューリップ107が開状態となることを、電動チューリップ107の開放とも言う。電動チューリップ107は、画像表示部104の右側に配置されたゲート108を遊技球が通過したことにより行われる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108も、始動口105及び106と同様、遊技球が通過可能な始動領域を形成する。
第1始動口105及び第2始動口106の右側上部には第1大入賞口110が設けられ、第1大入賞口110の下部には第2大入賞口111が設けられる。第1大入賞口110及び第2大入賞口111も、電動チューリップ107のように開閉動作が可能となっている。第1大入賞口110は、遊技球を第1大入賞口110へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を第1大入賞口110へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。また、第2大入賞口111は、遊技球を第2大入賞口111へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を第2大入賞口111へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。各大入賞口の状態の切り替えは、各大入賞口が夫々備えるソレノイド421a、421b(図6参照)によって行われる。実質的には、各大入賞口が閉状態であるとき、遊技球の各大入賞口への入賞は不可能であり、各大入賞口が開状態であるときにのみ、遊技球の各大入賞口への入賞が可能となる。第1大入賞口110、第2大入賞口111が開状態となることを、夫々、第1大入賞口110の開放、第2大入賞口111の開放とも言う。第1大入賞口110及び第2大入賞口111は、通常、閉鎖されており、当たり抽選にて大当たりに当選した場合に、所定条件(例えば、30秒経過又は遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを所定回数(例えば15回)だけ繰り返す。遊技機100は、第1大入賞口110又は第2大入賞口111に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば15個)の賞球を払い出す。第1大入賞口110と、第2大入賞口111とはその内部構造が異なっており、第1大入賞口110の内部には第2大入賞口111が備えていない構成が設けられる。
<<第1大入賞口の内部構造>>
図2は、第1大入賞口110の内部構造を示す模式図である。図2における上下方向及び左右方向は、図1における上下方向及び左右方向に対応している。第1大入賞口110の内部領域は、第1大入賞口110が開状態である場合に遊技球が進入可能な領域である。なお、図1において第1大入賞口110は閉状態であり、図2において第1大入賞口110は開状態である。第1大入賞口110の内部領域には、特定領域141、非特定領域142、第1大入賞口110の内部領域に進入した遊技球を特定領域141に導く第1案内部材143、振分部材144、及び、第1大入賞口110の内部領域に進入し、特定領域141に入球しなかった遊技球を非特定領域142に導く第2案内部材145が設けられている。
振分部材144は特定領域141の近傍に設けられ、特定領域141は振分部材144が作動しているときのみ開放される領域である。振分部材144は、遊技球を特定領域141へ入球し難くさせる閉状態(図2(a)に示す状態)と、閉状態よりも遊技球を特定領域141へ入球しやすくさせる開状態(図2(b)に示す状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、振分部材144が備えるソレノイド422(図6参照)によって行われる。実質的には、振分部材144が閉状態であるとき、遊技球の特定領域141への入球は不可能であり、振分部材144が開状態であるときにのみ、遊技球の特定領域141への入球が可能になる。振分部材144が開状態となることを、振分部材144の開放とも言う。
振分部材144が閉状態であるとき、遊技球は特定領域141に入球することなく第2案内部材145により非特定領域142に導かれる。非特定領域142は常時開放されている領域であり、非特定領域142に導かれた遊技球は非特定領域142に入球する。詳細は後述するが特定領域141は確率変動機能作動スイッチであり、特定領域141に遊技球が入球した場合、その後の遊技機100の遊技状態が高確率遊技状態に制御される。
画像表示部104の側方や下方などには、1以上の普通入賞口112が設置される。遊技機100は、普通入賞口112への入賞を検出した場合に所定個数(例えば10個)の賞球を払い出す。尚、第1始動口105、第2始動口106、ゲート108、第1大入賞口110、第2大入賞口111、普通入賞口112は、図1に示した位置に限らず遊技領域103内の任意の位置に配置されて良い。遊技領域103の最下部には、第1始動口105、第2始動口106、第1大入賞口110、第2大入賞口111及び普通入賞口112の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する回収口113が設けられている。遊技盤101の右下部分には情報表示部114が設けられている(詳細は後述)。尚、回収口113、情報表示部114の設置位置は任意に変更することができる。
上述したように扉枠12には、窓部12aが形成されており、窓部12aの周囲(扉枠12の外周部分)には、遊技機100が当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に用いられる各種演出部材等が組み込まれている。演出部材としては、第1のスピーカ115a、第2のスピーカ115b、第3のスピーカ115c(以下、いずれのスピーカであるかを区別する必要がない場合は、単に「スピーカ115」と称することもある。)、演出ライト部116、第1枠可動役物117、及び、第2枠可動役物118a(図1及び図4参照)が組み込まれている。スピーカ115からは演出に用いられる音声が出力される。演出ライト部116は複数のランプ及び複数のモータを有しており、各モータの駆動により各ランプによる光の照射方向を上下又は左右方向に変更することができる。各枠可動役物は、基本的に基準位置で待機しており、演出に用いられるときに作動位置に移動して演出の一部を構成する部材である。各枠可動役物の基準位置及び作動位置の詳細については後述する。
ところで、演出に用いられる可動役物は、遊技盤101上にも設けられており、本実施形態において遊技盤101上には盤可動役物130(図1及び図4参照)が設けられる。可動役物130は、基本的に基準位置(図1に示した位置)で待機しており、演出に用いられるときに作動位置(図4に示す基準位置から下方へスライドして画像表示部104の前面へ進出した位置)に移動して演出の一部を構成する。演出に用いられないときには、図1に示すように画像表示部104の上部に設けられた収納スペースに退避することで、遊技者による画像表示部104の視認を妨げることが防がれる。
扉枠12の右下位置には、操作ハンドル119が配置されている。操作ハンドル119は遊技者側に突出するような形状を有しており、その外周部には発射指示部材120が設けられている。発射指示部材120は、操作ハンドル119により回転可能に支持されている。遊技者は遊技球を発射させる場合、発射指示部材120を時計回りに回転させる。このとき、発射指示部材120を回転させる角度により、遊技者は遊技球の発射強度を調整できるようになっている。遊技者は後述する右打ち遊技を行う場合、左打ち遊技を行う場合に比べて、発射指示部材120を回転させる角度を大きくすればよい。また、操作ハンドル119には、遊技者が発射指示部材120を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。発射指示部材120が遊技者によって直接操作されていることを当該センサが検出した場合にのみ、遊技機100は遊技球を発射する。
扉枠12において遊技領域103の下方には、演出ボタン121、十字キー122、上皿(打球供給皿)123、上皿レバー124、下皿(余剰球受皿)125及び下皿レバー126などが設けられている。演出ボタン121及び十字キー122は、遊技者からの操作を受け付けるための操作受付部を構成している。上皿123は遊技球を収容可能な形状を有しており、収容している遊技球を発射部へ送り出す。上皿レバー124は上皿123に収納された遊技球を下皿125に送り出す手段である。下皿125は上皿123に収容しきれない遊技球を収容可能な形状を有しており、遊技球を貯留する。下皿レバー126は下皿125の下面の一部を開口する開口手段であり、遊技者が下皿レバー126を操作うすることで下皿125に貯留された遊技球が下皿125の下方に配された箱体(不図示の所謂ドル箱)に落下する。
<<情報表示部>>
図3に示す如く、情報表示部114は、当たり抽選の抽選結果を示す特別図柄を表示する特別図柄表示部201、普通図柄抽選の抽選結果を示す普通図柄を表示する普通図柄表示部202、保留表示部203、ラウンド数表示部204及び右打ち表示部205を備えている。各表示部201〜205をLED(Light Emitting Diode)表示器にて形成することができる。
特別図柄として第1及び第2特別図柄が存在する。特別図柄表示部201は、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部201a及び第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部201bを有する。保留表示部203は、表示部203a、203b及び203cを有する。第1特別図柄抽選の権利(後述の特図判定用情報)は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U1として表示部203aに表示される。第2特別図柄抽選の権利(後述の特図判定用情報)は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U2として表示部203bに表示される。遊技球がゲート108を通過したことによる普通図柄抽選の権利は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U3として表示部203cに表示される。
<<可動役物の構成例>>
図4は枠可動役物117、118a、演出ボタン121、盤可動役物130が作動した(作動位置にある)本実施形態に係る遊技機100の正面図である。
第1枠可動役物117は折畳式可動役物であり、扉枠12の左上部及び右上部に一つずつ設けられている。左上部及び右上部に設けられた第1枠可動役物117は、基準位置において、夫々、第1枠可動役物117の左側及び右側が共に扉枠12に接触するように配される一方、作動位置において、前者は、左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動され、後者は、右側を回動基端側とし左側を回動先端側として前方へ回動されて、第1枠可動役物117の回動先端側は基準位置に比べて遊技者に向かって突出した位置となる。図1は第1枠可動役物117が基準位置にある状態を示し、図4は第1枠可動役物117が作動位置にある状態を示している。
上述したように役物収納部118には、突出型可動役物である第2枠可動役物118aが収納されており、第2枠可動役物118aは基準位置において役物収納部118に収納されている。役物収納部118の上面は開閉可能に構成されており、この上面が開くことによって第2枠可動役物118aが作動位置に移動可能である。第2枠可動役物118aは作動位置において、役物収納部118から上方に突出した位置となる。図1は第2枠可動役物118aが基準位置にある状態を示し、図4は第2枠可動役物118aが作動位置にある状態を示している。なお、図1及び図4に示すように、役物収納部118が扉枠12の上方略中央部に位置すると共に、データランプHTが島構造体HSにおいて役物収納部118の上方に設けられている場合に、第2枠可動役物118aが作動位置に移動すると、遊技者からみて第2枠可動役物118aがデータランプHTの少なくとも一部を覆い隠す状態となり、データランプHTに表示された情報を視認することが困難となり、また、CALLボタンHUを押下することが困難となる。そこで役物収納部118には作動位置にある第2枠可動役物118aを収納位置に戻すための解除ボタン118bが設けられており、解除ボタン118bを押下することで第2枠可動役物118aを作動位置から基準位置に戻すことが可能となる。なお、所定の条件(例えば、大当たり遊技(第1大入賞口110又は第2大入賞口111の開放を伴う遊技を含む)中、或いは、電サポ遊技(電動チューリップ107の開放を伴う遊技)中であること)を満たす場合には、解除ボタン118bを押下して第2枠可動役物118aを作動位置から基準位置に戻した後に、再度解除ボタン118bを押下することで第2枠可動役物118aを基準位置から作動位置に移動させることが可能であることとしてもよい。
第1枠可動役物117及び第2枠可動役物118aは共に、大当たり遊技中及び電サポ遊技(詳細は後述)中に、作動位置にあって、遊技者及び遊技ホールの店員に対して、大当たり遊技中及び/又は電サポ遊技中であることを報知する役割を果たしている。
<<演出ボタンの構成例>>
演出ボタン121は上述したように遊技者からの操作を受け付けるための操作受付部を構成すると共に、可動役物としての性質を備えている。図1は演出ボタン121が基準位置にある状態を示し、図4は演出ボタン121が作動位置にある状態を示している。演出ボタン121は作動位置において上方に突出し、遊技者に対して演出ボタン121を操作するように促すことが可能である。本明細書において、演出ボタン121を可動役物の一種として扱うことがある。
<<遊技機の背面構成>>
図5を参照して、遊技機100の背面構成を説明する。図5は、遊技機100の背面構成を示す、遊技機100の背面斜視図である。遊技機100の裏面には、主制御基板301、賞球制御基板302、演出制御基板303、遊技機100内の各基板に電源を供給する電源基板304、及び、出力端子基板305等が設けられている。それらの基板(特に演出制御基板303)は複数のプリント基板から形成されていても良い。また、遊技機100の裏面には、電源基板304に電力を供給するための電源プラグ315や、電源スイッチ(不図示)も設けられている。また、主制御基板301にはRAMクリアスイッチ(不図示)が設けられている。遊技機100の電源がオフ状態であるときに、RAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチを押して電源をオンにすることで、遊技機100に電力が供給されると共にRAMクリア準備状態となり、再度RAMクリアスイッチを押すことで遊技機100の遊技情報を初期化(RAMクリア)することができる。なお、RAMクリアスイッチが押さずに電源スイッチを押して電源をオンにすると、電源オフ前の遊技機100の遊技情報に基づいて遊技機100が制御される。
<<電源基板に関する補足>>
電源基板304には、電源スイッチに接続され、電源スイッチのON/OFFの切り替えに応じて主制御基板301に電源ON信号又は電源OFF信号を出力する電源断監視回路(不図示)が設けられる。主制御基板301は、電源基板304から入力された電源ON信号及び電源OFF信号に基づいて、遊技機100への電源の遮断の有無を監視可能である。また、電源基板304には、RAMクリアスイッチに接続され、RAMクリアスイッチがON操作されるとLレベルのRAMクリア信号を主制御部301に出力し、RAMクリアスイッチがOFF操作される(ON操作されない)とHレベルのRAMクリア信号を主制御部301に出力するRAMクリアスイッチ監視回路(不図示)が設けられる。主制御基板301は、電源基板304から入力された電源ON信号及びRAMクリア信号に基づいて後述するメイン処理(図7参照)において、電源投入時処理を実行する。
<<遊技機の基本動作>>
次に、遊技機100の基本動作について説明する。遊技機100は、第1又は第2始動条件が成立すると、その成立タイミングに応じた特図判定用情報を取得し、特図判定用情報に基づく当たり抽選を行う。特図判定用情報の取得は、当たり抽選の権利の取得に相当する。当たり抽選では、当たりに当選したか否か(大当たりに当選したか或いはハズレであるか)が判定される。尚、大当たりの当選を大当たりの発生と表現することがある。第1特別図柄抽選をおこなった場合、遊技機100は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、第1特別図柄抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第1特別図柄を停止表示させる。一方、第2特別図柄抽選をおこなった場合、遊技機100は、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、第2特別図柄抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第2特別図柄を停止表示させる。
遊技機100は、特別図柄(第1又は第2特別図柄)を変動表示させると、それに合わせて画像表示部104上で装飾図柄を変動表示させ、特別図柄の停止表示に合わせて装飾図柄を停止表示させる。画像表示部104に表示される装飾図柄は、第1〜第3装飾図柄を含み、各装飾図柄には数値又は記号等が対応付けられている。
当たり抽選の結果が大当たりの場合、大当たりを示す組み合わせ(例えば「7・7・7」といった所謂ゾロ目)で第1〜第3装飾図柄を停止表示させる。当選した大当たりの種類に応じて、停止表示される第1〜第3装飾図柄の組み合わせは異なる。例えば、後述の13Rの確変長当たり又は16R確変長当たり(図9参照)に当選した場合には、各装飾図柄を13R確変長当たり又は16R確変長当たりを示す赤色の装飾図柄(例えば、「3,3,3」又は「7,7,7」の数字図柄のゾロ目)で停止表示させる。後述の13Rの通常長当たりに当選した場合には、各装飾図柄を13R通常長当たりを示す青色の装飾図柄(例えば、「3,3,3」又は「7,7,7」以外の数字図柄のゾロ目)で停止表示させる。尚、13R確変長当たり又は16R確変長当たりに当選した場合であっても、画像表示部104上に上記青色の装飾図柄を停止表示させ、その後(例えば大当たり遊技移行前や大当たり遊技移行後)において、13R確変長当たり又は16R確変長当たりであることを明示する昇格演出を行うこともある。
当たり抽選の結果がハズレの場合(即ち、当たり抽選に落選した場合、換言すれば、大当たりに当選していない場合)、第1〜第3装飾図柄は、例えば、ハズレを示す所謂バラケ目で停止表示させる。バラケ目とは、第1装飾図柄と第2装飾図柄とを関連性のない図柄で停止させることに相当し、リーチ演出に発展することのない装飾図柄の停止態様である。
大当たりを示す組み合わせで特別図柄を停止表示させると、遊技機100は、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態では、当選した大当たりに応じたラウンド分(例えば16ラウンド)、第1大入賞口110又は第2大入賞口111のいずれか一方又は双方を組み合わせてを開放させる大当たり遊技が行われる。いずれかの大入賞口の開放中に遊技球が開放中の大入賞口へ入賞すると、遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。大当たり遊技中は、当たり抽選を行わない。大当たり遊技状態は、当選したラウンド分の第1大入賞口110又は第2大入賞口111の開放が完了すると終了する。大当たり遊技状態では、右打ちによって遊技が行われる。右打ちとは、遊技領域103の内、遊技領域103を左右に分断する中心線の右側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。これに対し、左打ちとは、遊技領域103の内、上記中心線の左側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指し、左打ちでは第2始動口106、第1大入賞口110及び第2大入賞口111に対して遊技球を入賞させることができない。大当たり遊技状態は、通常遊技状態よりも、遊技者にとって有利な遊技状態である(換言すれば、大当たり遊技は、通常遊技状態における遊技よりも遊技者にとって有利である)。大当たり遊技における有利とは、通常遊技状態での遊技と比べて、第1大入賞口110及び第2大入賞口111の開放に伴い、遊技者がより多くの賞球を得やすい(得られる賞球の期待値が大きい)ことを意味する。
大当たり遊技の終了後、遊技機100は、当たり抽選を行う状態へ復帰する。その際、遊技機100は遊技状態を変更できる。
<<遊技機の遊技状態>>
遊技機100は、第1大入賞口110及び/又は第2大入賞口111の開放を伴う遊技状態(大当たり遊技状態を含む)を除いて、低確率非電サポ遊技状態である通常遊技状態、低確率電サポ遊技状態、及び、確変遊技状態とも言うべき高確率電サポ遊技状態の内、何れか1つの遊技状態をとる。電サポとは、電チューサポート機能の略であり、詳細については後述する。
通常遊技状態及び低確率電サポ遊技状態は、低確率遊技状態に属する。低確率遊技状態において、遊技機100は、低確率特図当たり判定テーブル(後述の図8のテーブルTAt1参照)を用いた当たり抽選を行う。本実施形態では例として、11/4399の確率で大当たりに当選する当たり抽選を行うものとする。
高確率電サポ遊技状態は、高確率遊技状態に属する。高確率遊技状態において、遊技機100は、高確率特図当たり判定テーブル(後述の図8のテーブルTAt2参照)を用いた当たり抽選を行う。本実施形態では例として、40/4399の確率で大当たりに当選する当たり抽選を行うものとする。つまり、高確率遊技状態では、低確率遊技状態に比べて、4倍近く高い確率で大当たりに当選するようになっている。従って、大当たりの当選に関して高確率遊技状態は低確率遊技状態よりも遊技者に有利である。
低確率電サポ遊技状態及び高確率電サポ遊技状態は、電サポ遊技状態に属する。電サポ遊技状態において、遊技機100は、電動チューリップ107の開閉を伴う遊技サポート機能(以下「電サポ」という)を付与する(即ち電サポを発動させる)。電サポの具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、例えば、電サポが付与されたとき、そうでない時と比べて、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄抽選の当選確率の増加(従って、電動チューリップ107の開放頻度の増加)、及び、電動チューリップ107の開放時間の増加が図られ、結果、電サポ遊技状態では、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞しやすくなる。電サポ遊技状態では、上述した右打ちによって遊技が行われ、当たり抽選の契機は第2始動口106への入賞となる。なお、遊技領域103には、右打ち遊技中に打ち出された遊技球が第1始動口105に入賞されないように釘や障害物が設けられており、右打ち遊技中において第1始動条件は成立しない。
通常遊技状態(低確率非電サポ遊技状態)は、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に属する。非電サポ遊技状態では、上述した左打ちによって遊技が行われ、当たり抽選の契機は主として第1始動口105への入賞となる。上述の説明からも理解されるように、電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも相対的に始動条件(第2始動条件)が成立しやすい遊技状態である。従って、始動条件の成立しやすさに関して電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも遊技者に有利である。
<<遊技機の内部構成>>
図6を参照して、遊技機100の内部構成を説明する。図6は、遊技機100内の、制御に関わる部分のブロック図である。図6に示す如く、遊技機100に設けられた制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部402と、演出内容を制御する演出制御部403とを備えている。制御部400の他、図6に示される各構成要素が遊技機100に設けられる。例えば、図5の主制御基板301、賞球制御基板302及び演出制御基板303により、夫々、図6の主制御部401、賞球制御部402及び演出制御部403が形成され、図5の出力端子基板305は図6の盤用外部情報端子基板491を含む。
[1.主制御部]
主制御部401は、CPU(Central Processing Unit)411と、ROM(Read Only Memory)412と、RAM(Random Access Memory)413と、不図示の入出力インターフェース(I/O)等を備えて構成される。主制御部401におけるCPU、ROM、RAMを、夫々、特に、メインCPU、メインROM、メインRAMとも呼ぶ。メインCPU411は、遊技の進行に関する各種プログラム等をメインROM412から読み出し、メインRAM413をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。図6に示す如く、メインROM412には、テーブルTAt、TZt、THt、FAt、FZt、FHt、DKt及びFBtが格納され、メインRAM413には、記憶領域413a〜413jが設けられている。この他にも、様々なテーブルをメインROM412に格納しておくことができると共に、様々な記憶領域をメインRAM413に設けておくことができる。
また、主制御部401には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略すことがある)が接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW414aと、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW414bと、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW415と、第1大入賞口110へ入賞した遊技球を検出する第1大入賞口SW416aと、第2大入賞口111へ入賞した遊技球を検出する第2大入賞口SW416bと、普通入賞口112へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW417と、特定領域141へ入球した遊技球を検出する特定領域SW418aと、非特定領域142へ入球した遊技球を検出する非特定領域SW418bと、各入賞口(入賞口105、106、110、111及び112)へ入賞した遊技球の合計数を検出する枠カウントSW419が接続されている。なお、各入賞口へ入賞した遊技球は遊技機100内部において特定の遊技球流通路を通過するように構成されており、枠カウントSW419は当該特定の遊技球流通路に設けられることで、各入賞口へ入賞した遊技球の合計数を検出することができる。
SW414a、414b、415、416a、416b、417、418a、418b、及び、419の夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部401へ出力し、主制御部401は、入力された検出信号に基づき、当たり抽選を受けるための権利に相当する特図判定用情報を記憶したり、特図判定用情報を用いて当たり抽選をおこなったり、賞球制御部402に対して賞球の払い出し指示をおこなったりする。SW414a、414b、415、416a、416b、417、418a、418b、及び、419として、近接スイッチなどを採用することができる。また、第1始動口105が遊技盤101上に複数設けられている場合、複数の第1始動口105の夫々に対して第1始動口SW414aが設けられる。第2始動口106、ゲート108、第1大入賞口110、第2大入賞口111、普通入賞口112が複数設けられる場合も同様である。
また、主制御部401には、遊技盤101上の電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド420と、第1大入賞口110を開閉動作させる大入賞口ソレノイド421aと、第2大入賞口111を開閉動作させる大入賞口ソレノイド421bと、振分部材144を開閉動作させる振分ソレノイド422と、が接続されている。主制御部401は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド420に対し電気信号を入力又は非入力とし、当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口ソレノイド421a及び421bに対し電気信号を入力又は非入力とする。ソレノイド420、421a、421b及び422は、夫々、主制御部401から供給される電気信号を機械的な運動に変換することで、電動チューリップ107の開閉動作、第1大入賞口110の開閉動作、第2大入賞口111の開閉動作及び振分部材144の開閉動作を行う。
また、主制御部401には、磁気を検出する磁気検出SW423aが接続されている。磁気検出SW423aは、例えば、遊技盤101の背面側であって、遊技領域103における第1始動口105及び第2始動口106の近傍に設けられ、磁気を検出するものである。また、主制御部401には、振分部材144が振分ソレノイド422により、実際に動作したタイミングを検出するソレノイドフォトセンサ423bが接続されている。主制御部401は、振分ソレノイド422に対して電気信号を入力したタイミングと、ソレノイドフォトセンサ423bにより振分部材144が動作したタイミングと、に基づいて、振分部材144が適切に(すなわち指定したタイミングで)動作しているか否かを判定することができる。
また、主制御部401には、図3の情報表示部114内の各種表示部が接続される(但し、図6において表示部204及び205の図示は省略)。主制御部401は、当たり抽選の抽選結果に基づき第1特別図柄表示部201a又は第2特別図柄表示部201bの表示制御を行い、普通図柄抽選の抽選結果に基づき普通図柄表示部202の表示制御を行う。更に、主制御部401は、保留情報数U1、U2及びU3に基づき保留表示部203の表示内容を制御する。
[1−1.メイン処理]
図7に、主制御部401が行う主だった処理を列記する。メイン処理において、メインCPU411は、電源投入時処理、電源断時処理を順次実行する。
[1−1−1.電源投入時処理]
電源投入時処理を説明する(図7参照)。電源投入時処理において、メインCPU411は主制御部401のCTC(タイマカウンタ)などの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容を示す設定情報を設定記憶領域413aに記憶させる。例えば、後述のタイマ割込処理を実行する周期などを示す情報が、設定情報に含まれる。
また、電源投入時処理において、メインCPU411は、電源基板304から電源ON信号が入力されたときにおけるRAMクリア信号のレベル(HレベルであるかLレベルであるか)を判定し、RAMクリア信号レベルがHレベルである(すなわちRAMクリアスイッチがON操作されていない)場合には、メインRAM413の記憶内容を維持し、電源復旧時指定コマンド(後述する特殊コマンドの一種)をメインRAM413に設定する。一方、電源投入時処理において、メインCPU411は、電源基板304から電源ON信号が入力されたときにおけるRAMクリア信号のレベルがLレベルである(すなわちRAMクリアスイッチがON操作されている)場合には、RAMクリア準備コマンドをメインRAM413に設定し、再度、LレベルのRAMクリア信号が入力されたときに、メインRAM413の記憶内容を消去し(初期化し)、電源投入時指定コマンド(後述する特殊コマンドの一種)をメインRAM413に設定する。
[1−1−2.電源断時処理]
電源断時処理を説明する(図7参照)。電源断時処理において、メインCPU411はバックアップ情報を生成して、該バックアップ情報をバックアップ記憶領域413bに記憶させる。メインRAM413にはバックアップ電源(不図示)により、遊技機100の電源が遮断されても一定期間(例えば1日)電源が供給されるようになっている。このため、メインRAM413は、遊技機100の電源が遮断されても一定期間、バックアップ記憶領域413bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
[1−2.タイマ割込み処理]
メインCPU411は、メイン処理により設定記憶領域413aに記憶された周期(例えば数ミリ秒又はそれ以下の周期)で、メイン処理に対しタイマ割込処理を割り込み実行する(図7参照)。タイマ割込処理において、メインCPU411は、乱数更新処理、スイッチ処理、特別図柄処理、普通図柄処理、電動役物制御処理、賞球処理及び出力処理を順次実行する。
[1−2−1.乱数更新処理]
乱数更新処理を説明する(図7参照)。乱数更新処理において、メインCPU411は、カウンタ記憶領域413cに記憶された各乱数カウンタのカウント値に「1」を加算することで各乱数カウンタのカウント値を更新する。カウンタ記憶領域413cには、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、特図変動パターン乱数カウンタC3、普図当たり乱数カウンタC4及び普図図柄乱数カウンタC5を含む、主制御部401が管理する各種乱数カウンタのカウント値が記憶されている。カウンタC1〜C5は、夫々、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図図柄乱数をカウントする。乱数更新処理において、メインCPU411は、乱数カウンタC1〜C5の内、何れか任意のカウンタのカウント値が所定の上限値を超えたときには、当該カウンタのカウント値を「0」に戻し、その後、同様のカウントアップを行う。ここでは例えば、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数を、夫々、「0〜4398」、「0〜99」、「0〜499」の範囲内でカウントさせるものとする。普図当たり乱数及び普図図柄乱数は、例えば「0〜9」の範囲内でカウントされる。尚、本実施形態における任意の乱数は、特に記述無き限り、整数値のみをとる。
[1−2−2.スイッチ処理]
スイッチ処理を説明する(図7参照)。スイッチ処理において、メインCPU411は、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理、第1大入賞口スイッチ処理、第2大入賞口スイッチ処理、普通入賞口スイッチ処理、特定領域スイッチ処理、非特定領域スイッチ処理、枠カウントスイッチ処理、磁気検出スイッチ処理、ソレノイドフォトセンサ処理、払出球検出スイッチ処理、扉開放スイッチ処理、満タン検出スイッチ処理を順次実行する。
始動口スイッチ処理は、第1及び第2始動口スイッチ処理から成る(図7参照)。第1始動口スイッチ処理において、メインCPU411は、第1始動口SW414aにより第1始動口105に入賞した遊技球が検出されたタイミング(即ち、始動口105への入賞に基づく第1始動条件の成立タイミング)で、カウンタ記憶領域413cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2及び特図変動パターン乱数カウンタC3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を、特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)をメインRAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。第2始動口スイッチ処理において、メインCPU411は、第2始動口SW414bにより第2始動口106に入賞した遊技球が検出されたタイミング(即ち、始動口106への入賞に基づく第2始動条件の成立タイミング)で、カウンタ記憶領域413cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、特図変動パターン乱数カウンタC3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)を、メインRAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。
特図判定用情報記憶領域413dは、第1始動条件の成立に基づく特図判定用情報及び第2始動条件の成立に基づく特図判定用情報の夫々を、所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。従って、記憶領域413dには、最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができる。記憶領域413d内における、第1、第2始動条件の成立を契機とした特図判定用情報の個数が、夫々、上記の保留情報数U1、U2に相当する。また、記憶領域413dに記憶された各特図判定用情報に対し、当たり抽選を受けるための優先順位が設定されている。基本的に、時間的に先に取得された特図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。但し、第1始動条件の成立によって取得された特図判定用情報と比べ、第2始動条件の成立によって取得された特図判定用情報に対し、より高い優先順位が設定されるものとする(つまり、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが優先される)。始動口スイッチ処理の中で実行される事前判定処理については後述する。
ゲートスイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、ゲートSW415によりゲート108を通過した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域413cの普図当たり乱数カウンタC4及び普図図柄乱数カウンタC5のカウント値を取得し、取得したカウンタC4及びC5のカウント値を普図当たり乱数及び普図図柄乱数として含んだ普図判定用情報(普図保留情報)を、メインRAM413の普図判定用情報記憶領域413iに記憶させる。普図判定用情報記憶領域413iは、普図判定用情報を所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。記憶領域413i内における普図判定用情報の個数が上記の保留情報数U3に相当する。記憶領域記憶領域413iに記憶された各普図判定用情報に対し普通図柄抽選を受けるための優先順位が設定されている。時間的に先に取得された普図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。
第1大入賞口スイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、第1大入賞口110に入賞した遊技球を第1大入賞口SW416aにより検出する。第2大入賞口スイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、第2大入賞口111に入賞した遊技球を第2大入賞口SW416bにより検出する。普通入賞口スイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、普通入賞口112に入賞した遊技球を普通入賞口SW417により検出する。特定領域スイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、特定領域141に入球した遊技球を特定領域SW418aにより検出する。非特定領域スイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、非特定領域142に入球した遊技球を非特定領域SW418bにより検出する。
枠カウントスイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、上記特定の遊技球流通路を通過した遊技球を枠カウントSW419により検出する。磁気検出スイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、第1始動口105及び第2始動口106の近傍の磁気を、磁気検出SW423aにより検出する。ソレノイドフォトセンサ処理(図7参照)において、メインCPU411は、振分ソレノイド422の動作タイミングをソレノイドフォトセンサ423bにより検出する。払出球検出スイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、賞球制御部402から受信した払出球検出SW425aの検出信号に基づいて、払出球を検出する。扉開放スイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、賞球制御部402から受信した扉開放SW426の検出信号に基づいて、扉枠12の開放を検出する。満タン検出スイッチ処理(図7参照)において、メインCPU411は、賞球制御部402から受信した満タン検出SW427a及び427bの検出信号に基づいて、上皿123及び下皿125が満タン(遊技球を供給することができない状態)であることを検出する。
[1−2−3.特別図柄処理]
特別図柄処理を説明する(図7参照)。特別図柄処理において、メインCPU411は特図判定を実行する。特図判定は、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定から成る。上述の当たり抽選は、特図当たり判定及び特図図柄判定を含み、特図変動パターン判定を更に含むと考えても良い。故に、特図判定は当たり抽選を包含すると考えても良いし、特図判定と当たり抽選は互いに等価であると考えても良い。特別図柄処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行し、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域413eに記憶させる。そして、特図変動パターン判定によって選択された特図変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄の変動表示を行った後、特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果を示す図柄で特別図柄を停止させる。
メインCPU411は、特別図柄の変動表示を開始する際、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果を含む変動開始コマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し変動演出の実行開始を指示し、特別図柄の変動を停止する際、変動停止コマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し変動演出の実行終了を指示する。また、特図当たり判定の結果が大当たりの当選を示しているとき、メインCPU411は、変動停止コマンドに続きオープニングコマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し大当たりに対応付けられた演出の実行開始を指示し、大当たり遊技の終了時においてエンディングコマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し大当たりに対応付けられた演出の実行終了を指示する。これらのコマンドは、後述の出力処理(図7参照)において演出制御部403に出力される。
特別図柄処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413d内で最も優先順位を高く設定された特図判定用情報を判定対象(当該判定対象)TTとして取得し、判定対象TTの特図判定用情報を用いて特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。判定対象TTとなった特図判定用情報は記憶領域413dから消去されて(故に保留情報U1又はU2が1だけ減少し)他の記憶領域(不図示)に移される。尚、特別図柄処理において、記憶領域413dに特図判定用情報が記憶されていない場合には、特図判定が行われることなく特別図柄処理を終える。
特別図柄処理において、メインCPU411は、まず、メインROM412に記憶された特図当たり判定テーブルTAtと判定対象TTの特図当たり乱数との比較を伴う特図当たり判定を行う。
図8に示すように、特図当たり判定テーブルTAtは、低確率特図当たり判定テーブルTAt1と、高確率特図当たり判定テーブルTAt2とから構成される。テーブルTAt1及びTAt2の夫々は、大当たりに対応付けられた所定の判定値を有して構成される。
メインCPU411は、特図当たり判定時(即ち当たり抽選時)に、高確率遊技フラグがOFFに設定されていた場合にはテーブルTAt1を用いて特図当たり判定を行い、高確率遊技フラグがONに設定されていた場合にはテーブルTAt2を用いて特図当たり判定を行う。そして、メインCPU411は、判定対象TTの特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、そうでない場合にはハズレである(即ち大当たりに当選していない)と判定する。遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。ここでは、大当たりの当選確率(当たり抽選の当選確率)が、低確率遊技状態、高確率遊技状態において、夫々、11/4399、40/4399となるように、特図当たり判定テーブルTAtが形成されているものとする。
図9は、大当たりの種類を示す図である。大当たりの種類として、特A〜特Cがある。特A及び特Cは確変長当たりに属し、特Bは通常長当たりに属する。特A及び特Bのラウンド数、特Cのラウンド数は、夫々、13、16である。尚、大当たりにおける“R”はラウンドを示す。各ラウンドにおいて、第1大入賞口110又は第2大入賞口111の開放時間が所定時間に達するまで、第1大入賞口110又は第2大入賞口111が開放される。但し、各ラウンドにおいて、第1大入賞口110又は第2大入賞口111の開放時間が所定時間に達さなくても、第1大入賞口110又は第2大入賞口111への遊技球の入賞数が所定数に達した時点で第1大入賞口110又は第2大入賞口111は閉鎖される。以下の第1大入賞口110又は第2大入賞口111の開放時間に関する説明では、各ラウンドにおいて第1大入賞口110又は第2大入賞口111への遊技球の入賞数が所定数に達していない状況を想定している。
確変長当たり及び通常長当たりにおける各ラウンドの第1大入賞口110又は第2大入賞口111の開放時間は、所定の開放時間(例えば30秒)である。各ラウンドの大入賞口110又は111の開放時間は、確変長当たり及び通常長当たり間で同じであるが、確変長当たり及び通常長当たり間で多少異なっていても良い。
第1特別図柄抽選において、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特A、特Bとなる割合は、夫々、51%、49%である。第2特別図柄抽選において、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特Cとなる割合は、100%である。つまり、第1特別図柄抽選において、特Cの大当たりに当選することは無く、また、第2特別図柄抽選において、特A及び特Bの大当たりに当選することは無い。
図10に、大当たりの発生を契機とした遊技状態及び演出モードの変化の様子を示す。尚、演出モードに関する詳細は、後の説明から明らかとなる。
特Aの大当たりに当選した場合、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、大当たり遊技の終了後、電サポ付与回数が経過するまで、その設定内容(高確率電サポ遊技状態)を維持する。電サポ付与回数とは、電サポ遊技状態が維持される特別図柄の変動回数を指す。つまり、或る大当たりに関し、大当たり遊技の終了後において、特別図柄がi回分だけ変動する間、遊技状態が電サポ遊技状態とされ且つ特別図柄がi回分だけ変動した後は非電サポ遊技状態とされるとき、当該大当たりに対応する電サポ付与回数はi回である(iは整数)。特Aに対する電サポ付与回数は、175回である(図9参照)。
特Bの大当たりに当選した場合、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を低確率電サポ遊技状態に設定し、大当たり遊技の終了後、電サポ付与回数が経過するまで、その設定内容(低確率電サポ遊技状態)を維持する。特Bに対する電サポ付与回数は、100回である(図9参照)。
特Cの大当たりに当選した場合、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、大当たり遊技の終了後、電サポ付与回数が経過するまで、その設定内容(高確率電サポ遊技状態)を維持する。特Cに対する電サポ付与回数は、175回である(図9参照)。
特図当たり判定において大当たりに当選したと判定した場合、メインCPU411は、メインROM412に記憶されている特図図柄判定テーブルTZtと判定対象TTの特図図柄乱数とを比較し、比較結果に基づいて大当たりの種類を判定する特図図柄判定を行う。
特図図柄判定テーブルTZtは、第1特図図柄判定テーブルと、第2特図図柄判定テーブルとから構成される。判定対象TTが第1始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第1特図図柄判定テーブルを用いて、判定対象TTが第2始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第2特図図柄判定テーブルを用いて、特図図柄判定が行われる。第1、第2特別図柄についての大当たりの種類が上述した割合(図9参照)で定まるように、夫々、第1、第2特図図柄判定テーブルが形成されている。
図9から分かるように、第2始動条件の成立による特図図柄判定は、第1始動条件の成立による特図図柄判定よりも遊技者にとって相対的に有利なものとなっている(即ち、より多くの賞球を得やすい)。ここにおける相対的に有利とは、第2始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において第1大入賞口110又は第2大入賞口111への入賞により得られる賞球数の期待値が、第1始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において第1大入賞口110又は第2大入賞口111への入賞により得られる賞球数の期待値よりも大きいことを意味する。“大当たり遊技において第1大入賞口110又は第2大入賞口111への入賞により得られる賞球数の期待値”を、大当たり遊技におけるラウンド数の期待値、又は、大当たり遊技における第1大入賞口110又は第2大入賞口111の総開放時間の最大値の期待値に読み替えても良い。
具体的には、第1特別図柄抽選では、13Rの大当たりに当選するのに対して、第2特別図柄抽選では、16Rの大当たりに当選する点が、第1始動条件の成立による特図図柄判定に比べて、第2始動条件の成立による特図図柄判定の方が遊技者にとって有利となる一因である。
メインCPU411は、特別図柄処理において、特図変動パターンテーブルTHtと判定対象TTの特図変動パターン乱数とに基づき、判定対象TTに対する特図変動パターンを判定する特図変動パターン判定を行う。特図変動パターンの判定は特図変動パターンの選択又は設定と同義である。特図変動パターンテーブルTHtには複数の特図変動パターンが含まれており、特図変動パターン判定において判定対象TTに対する1つの特図変動パターンが選択される。各特図変動パターンは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄の変動時間(特別図柄の変動表示が行われる時間の長さ)を定義している。
特図判定結果記憶領域413e(図6参照)には、判定対象TTについての特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の各判定結果が、互いに対応付けられた状態で記憶される。
[始動口スイッチ処理の中の事前判定処理]
また、始動口スイッチ処理の中でメインCPU411は事前判定処理を実行する(図7参照)。事前判定処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されて保留されることとなる特図判定用情報を事前判定対象として設定し、事前判定対象に対して特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の方法は、判定対象TTに対するそれらの方法と同じである。事前判定処理の判定結果(即ち、事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果)は事前判定情報記憶領域413hに記憶され、事前判定処理の判定結果を含む事前判定コマンドがメインRAM413に設定されて、後述の出力処理にて演出制御部403に送信される。或る特図判定用情報に対する事前判定処理は、その特図判定用情報が取得された時に、それが記憶領域413dに記憶される前に始動口スイッチ処理の中で実行される。
[1−2−4.普通図柄処理]
普通図柄処理(図7参照)を説明する。普通図柄処理において、メインCPU411は、普図判定用情報記憶領域413i内で最も優先順位を高く設定された普図判定用情報を普図判定対象FFとして取得して、普図当たり判定テーブルFAt、普図図柄判定テーブルFZt及び普図変動パターンテーブルFHt並びに普図判定対象FFなどに基づき、普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定から成る普図判定を実行し、普図判定の判定結果を普図判定結果記憶領域413jに記憶させると共に、普図判定の判定結果に基づいて普通図柄の変動表示及び停止表示を行わせる。普図判定対象FFとなった普図判定用情報は記憶領域413iから消去されて(故に、保留情報数U3が1だけ減少し)他の記憶領域(不図示)に移される。尚、普通図柄処理において、記憶領域413iに普図判定用情報が記憶されていない場合には、普図判定が行われることなく普通図柄処理を終える。
普図当たり判定では、普図当たりに当選したか否かが判定される。普図当たりに当選した場合、普図図柄判定テーブルFZtを用いた普図図柄判定により普図当たりの種類が判定される。普図当たりには、長開放当たりと短開放当たりとがある。電動チューリップ107が開状態とされる時間は、長開放当たりの方が短開放当たりよりも長い。普図変動パターン判定において、メインCPU411は、電サポの付与有無などに基づき、普図変動パターンテーブルFHtに含まれる複数の普図変動パターンの中から普図判定対象FFに対する普図変動パターンを選択する。普図変動パターンは、普通図柄の変動時間等を規定している。メインCPU411は、普図判定の判定結果が記憶された普図判定結果記憶領域413jの記憶内容に基づいて、普通図柄の表示制御を行わせる。例えば、普図変動パターン判定によって選択された普図変動パターンが示す変動時間だけ普通図柄の変動表示を行った後、普図当たり判定及び普図図柄判定の判定結果を示す図柄で普通図柄を停止させる。
[1−2−5.電動役物制御処理]
電動役物制御処理を説明する(図7参照)。電動役物制御処理では、大入賞口処理及び電チュー処理が順次実行される。
大入賞口処理では、特図判定の結果が大当たりの当選を示しているときに、大当たりの種類に応じた大入賞口開放パターンを用いて第1大入賞口110又は第2大入賞口111が開閉動作される。大入賞開放パターンテーブルDKtには、第1大入賞口110及び第2大入賞口111の開放態様を定義した大入賞口開放パターンが大当たりの種類ごとに格納されている。メインCPU411は、テーブルDKtを参照して大入賞口処理を実現する。
確変長当たり及び通常長当たりに対応する大入賞口開放パターンにおいて、各ラウンドでの第1大入賞口110又は第2大入賞口111の開放時間は開放時間t1(例えば30秒)であって、各ラウンドにおいて第1大入賞口110又は第2大入賞口111が継続して開放時間t1だけ開放される。但し、上述したように、各ラウンドにおいて、第1大入賞口110又は第2大入賞口111の開放時間が開放時間t1に達していなくても、第1大入賞口110又は第2大入賞口111への遊技球の入賞数が所定値(例えば10個)に達した時点で第1大入賞口110又は第2大入賞口111は閉鎖され、当該ラウンドは終了する。
図11に、特Aの大当たり遊技、特Bの大当たり遊技、特Cの大当たり遊技における大入賞口開放パターンを示す。特Aの大当たり遊技では、1R〜11Rまでは第2大入賞口111を開放し、12Rは第1大入賞口110を開放し、13Rは第2大入賞口111を開放する。特Bの大当たり遊技では、1R〜13Rまで第2大入賞口111を開放し、第1大入賞口110は開放されない。特Cの大当たり遊技では、1R〜13Rまでは特Aの大当たり遊技と同様の開閉処理を行い、14R〜16Rは第2大入賞口111を開放する。なお、図11には示されていないが、各ラウンド間には所定のラウンド間インターバル期間(例えば1秒)が設けられ、当該ラウンド間インターバル期間において第1大入賞口110及び第2大入賞口111は閉状態である。
また、大入賞口処理の中で、振分部材処理、及び、遊技状態設定処理(図7参照)が実行される。振分部材処理において、メインCPU411は、特図判定の結果が大当たりの当選を示しているときに、特定ラウンドにおいて、振分部材開放パターンを用いて振分部材144の開閉動作を行う。振分部材開放パターンテーブルFBtには、振分部材144の開放態様を定義した振分部材開放パターンが格納されている。メインCPU411は、テーブルFBtを参照して振分部材処理を実現する。なお、特定ラウンドとは、特A及び特Cの大当たり遊技において第1大入賞口110が開放されるラウンドであり、本例では12Rである。
図12に、特定ラウンドにおける振分部材開放パターンを示す。メインCPU411は、特定ラウンドにおける第1大入賞口110又は第2大入賞口111の開放中において振分部材144の開閉処理を行う。より詳説すると、振分部材144は、例えば、特定ラウンドにおいて第1大入賞口110又は第2大入賞口111が開状態となってから所定時間経過後(例えば2秒後)に開状態とされ、特定ラウンドにおける第1大入賞口110又は第2大入賞口111が閉状態となる際に、閉状態とされる。すなわち、本例において振分部材144の開放時間t2は28秒である。但し、振分部材144の開放時間が開放時間t2に達していなくても、特定領域141に対する遊技球の入球が特定領域SW418aにより検出された時点で振分部材144は閉鎖される。
振分部材144は第1大入賞口110の内部に設けられており、振分部材144が開状態となったときに第1大入賞口110が開放されていれば、特定領域141に遊技球を入球させることが可能であるが、第1大入賞口110が開放されていなければ、特定領域141に遊技球を入球させることはできない。つまり、特A及び特Cの大当たり遊技では、特定領域141に遊技球を入球させることができるのに対して、特Bの大当たり遊技では特定領域141に遊技球を入球させることができない。なお、特A及び特Cの大当たり遊技における振分部材144の開放態様は、右打ち遊技を通常通り行っている限り、必ず特定領域141に遊技球が入球可能な開放態様に設定される。
遊技状態設定処理において、メインCPU411は、遊技状態を定める高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグなどの各種遊技フラグを遊技フラグ記憶領域413fに設定する。上述したように、遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。遊技機100の遊技状態は、電サポ遊技フラグがONであるときに電サポ遊技状態であり、電サポ遊技フラグがOFFであるときに非電サポ遊技状態である。大当たりの発生に応答して実行される大入賞口処理中の遊技状態設定処理では、振分部材処理中において特定領域141に対する遊技球の入球が特定領域SW418aにより検出されたか否かによって高確率遊技フラグのON/OFFが設定されると共に、高確率遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す高確率遊技残回数XがメインRAM413に設定される。つまり特定領域141は、遊技機100の遊技状態を高確率遊技状態とするため(高確率遊技フラグをONとするため)の確率変動機能作動スイッチであり、確率変動機能スイッチがONされた場合(特定領域141に遊技球が入球した場合)に、高確率遊技フラグがONとされ、遊技機100の遊技状態が高確率遊技状態になる。
また、大当たりの発生に基づいて電サポ遊技フラグのONが設定されると共に、発生した大当たりの種類に応じて、電サポ遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す電サポ遊技残回数JがメインRAM413に設定される。
具体的には、特A及び特Cの大当たりに伴う遊技状態設定処理では(図7参照)、特定領域141に遊技球が入球していれば、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグが共にONとされ且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに共に「175」が設定され、特定領域141に遊技球が入球していなければ、高確率遊技フラグがOFFとされる一方で電サポ遊技フラグがONとされ且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに夫々「0」及び「175」が設定される。特Bの大当たりに伴う遊技状態設定処理では、高確率遊技フラグがOFFとされる一方で電サポ遊技フラグがONとされ且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに夫々「0」及び「100」が設定される。
遊技状態設定処理にて設定された高確率遊技残回数Xは、“X≧1”であるとき特図判定が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“X=0”となると高確率遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は低確率遊技状態となる。遊技状態設定処理にて設定された電サポ遊技残回数Jは、“J≧1”であるとき特図判定が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“J=0”となると電サポ遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は非電サポ遊技状態となる。遊技機100の初期状態において、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグはOFFであり且つ回数X及びJには“0”が設定されている。上述したように、遊技盤101の背面に設けられたRAMクリアスイッチを用いて遊技機100の遊技情報を初期化することで、初期状態となる。
電チュー処理において、メインCPU411は、普通図柄処理の処理結果に基づき電動チューリップ107を開閉動作させる。普通図柄抽選で当たり(普図当たり)に当選した場合に、所定時間、電動チューリップ107が開状態とされる。
[1−2−6.賞球処理]
賞球処理において、メインCPU411は、第1始動口105、第2始動口106、第2大入賞口111及び普通入賞口112の各入賞口への入賞に対して所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示を、賞球コマンドとして賞球情報記憶領域413gに設定する。
[1−2−7.出力処理]
出力処理において、メインCPU411は、メインRAM413内の各記憶領域の記憶内容を示す情報(任意のコマンドを含む)などを、主制御部401に接続された各制御部(賞球制御部402及び演出制御部403を含む)に対して出力する。賞球に関するコマンドは賞球制御部402に出力され、演出に関するコマンドは演出制御部403に出力される。尚、出力処理において、メインCPU411は自身が認識又は保持している任意の情報(例えば、電サポ遊技フラグ及び高確率遊技フラグの状態を示す情報)を演出制御部403に伝達できる。出力処理の終了によってタイマ割込処理も終了し、タイマ割込処理の終了によってメインCPU411が実行する処理はメイン処理に戻る(図7参照)。
ここで本実施形態において、主制御部401から演出制御部403に対して出力されるコマンドの内、特徴的なコマンド(以下、「特殊コマンド」と称する)について説明する。以下に示す特殊コマンドは、主制御部401から演出制御部403に対して出力されるコマンドの一部であり、その他コマンドが出力されてもよいことはいうまでもない。例えば、上述した事前判定コマンドも主制御部401から演出制御部403に対して出力される。また、特殊コマンドとしては、図13に示す特殊コマンド以外の特殊コマンドが設定されていてもよく、他の特殊コマンドの一例については後述する。
図13は、遊技機の主制御部にて生成される特殊コマンドを示す説明図である。本実施形態では特殊コマンドとして、電源投入時指定コマンド、電源復旧時指定コマンド、異常入賞エラー2開始指定コマンド、異常入賞エラー1開始指定コマンド、磁石検知エラー開始指定コマンド、排出球確認エラー開始指定コマンド、排出エラー開始指定コマンド、入賞頻度異常エラー開始指定コマンド、扉開放エラー開始指定コマンド、扉開放エラー終了指定コマンド、ソレノイドセンサ異常エラー開始指定コマンド、スイッチ未接続エラー開始指定コマンド、スイッチ未接続エラー終了指定コマンド、皿満タンエラー開始指定コマンド、皿満タンエラー終了指定コマンドが設定されている。
以下、各特殊コマンドについて順次説明する。なお、図13に示す特殊コマンドの生成条件(以下、「特殊コマンドの生成条件」を単に「生成条件」と称することがある)については、各特殊コマンドの説明箇所において詳細を記載するが、各生成条件は一例であって、適宜生成条件を変更可能である。本明細書において「検知」と「検出」は同義語として用いられ、互いに読み替え可能である。
<<電源投入時指定コマンド、電源復旧時指定コマンド>>
メインCPU411は、電源投入時処理(図7参照)において、遊技機100の電源が投入されたときに、電源投入時指定コマンド(以下、「電源投入時指定コマンド」を「CD1」と称することがある)をメインRAM413に設定し、遊技機100の電源が投入され、正常に復旧したときに、電源復旧時指定コマンド(以下、「電源復旧時指定コマンド」を「CD2」と称することがある)をメインRAM413に設定する。「遊技機100の電源が投入されたとき」とは、電源基板304から電源ON信号が入力されたときにおけるRAMクリア信号のレベルがLレベルであり、その後、再度、LレベルのRAMクリア信号が入力された場合を示し、「遊技機の電源が投入され、正常に復旧したとき」とは、電源基板304から電源ON信号が入力されたときにおけるRAMクリア信号のレベルがHレベルである場合を示す。
<<異常入賞エラー2開始指定コマンド>>
メインCPU411は、確率変動機能作動スイッチへの異常入賞を検知したとき、及び、所定のスイッチに対して所定時間以上継続して異常入賞を検知したときに、異常入賞エラー2開始指定コマンド(以下、「異常入賞エラー2開始指定コマンド」を「CD3」と称することがある)をメインRAM413に設定する。「確率変動機能作動スイッチへの異常入賞を検知したとき」とは、確率変動抽選ラウンド中以外において、特定領域SW418aにより、特定領域141に対する入球が検知された場合であり、「確率変動抽選ラウンド」とは、上述した特定ラウンド、すなわち、特A及び特Cの大当たり遊技において第1大入賞口110が開放されるラウンドを示す。つまり、正規の方法で遊技が行われていれば、第1大入賞口110が閉鎖されているラウンドにおいて、特定領域SW418aが遊技球の入球を検知することはないため、確率変動機能作動スイッチへの異常入賞を検知した場合、メインCPU411はCD3をメインRAM413に設定する。
また、「所定のスイッチに対して所定時間以上継続して異常入賞を検知したとき」とは、第1始動口SW414a、第2始動口SW414b、第1大入賞口SW416a、第2大入賞口SW416b、普通入賞口SW417、特定領域SW418a、非特定領域SW418bのいずれかに対して所定時間(例えば1秒)以上、遊技球の検出が継続している場合である。正規の方法で遊技が行われていれば遊技球は、各スイッチを瞬間的に通過するものであり、各スイッチは通過する遊技球を間欠的に検出するものであるから、継続して遊技球が検出されている場合、メインCPU411はCD3をメインRAM413に設定する。
<<異常入賞エラー1開始指定コマンド>>
メインCPU411は、大入賞口への異常入賞を検知したとき、及び、第2始動口への異常入賞を検知したときに、異常入賞エラー1開始指定コマンド(以下、「異常入賞エラー1開始指定コマンド」を「CD4」と称することがある)をメインRAM413に設定する。「大入賞口への異常入賞を検知したとき」とは、大入賞口処理(図7参照)により第1大入賞口110又は第2大入賞口111が開閉動作されている場合を除き、第1大入賞口110の閉鎖中に第1大入賞口SW416aが遊技球を検出し、或いは、第2大入賞口111の閉鎖中に第2大入賞口SW416bが遊技球を検出した場合である。正規の方法で遊技が行われていれば、大入賞口110、111の閉鎖中に遊技球が大入賞口110、111に入賞することはないため、大入賞口への異常入賞を検知した場合、メインCPU411はCD4をメインRAM413に設定する。
また、「第2始動口への異常入賞を検知したとき」とは、電動チューリップ107が閉状態であるときに第2始動口106に対して所定数(例えば5個)以上の入賞を検知した場合である。正規の方法で遊技が行われていれば、電動チューリップ107が閉鎖中に遊技球が第2始動口106に入賞することはないため、電動チューリップ107の閉鎖中に、第2始動口SW414bが所定数以上の遊技球を検出した場合、メインCPU411はCD4をメインRAM413に設定する。
<<磁石検知エラー開始指定コマンド>>
メインCPU411は、閾値以上の磁力を所定時間(例えば500ms)以上検知したときに、磁石検知エラー開始指定コマンド(以下、「磁石検知エラー開始指定コマンド」を「CD5」と称することがある)をメインRAM413に設定する。磁力は、磁気検出SW423aにより検出される。
<<排出球確認エラー開始指定コマンド>>
メインCPU411は、払出すべき遊技球と実際に払出された遊技球のカウント値との差が閾値以上であるときに、排出球確認エラー開始指定コマンド(以下、「排出球確認エラー開始指定コマンド」を「CD6」と称することがある)をメインRAM413に設定する。「払出すべき遊技球と実際に払出された遊技球のカウント値との差が閾値以上であるとき」とは、いわゆる排出球過多或いは排出球不足の状態である。具体的には、主制御部401から賞球制御部402に出力された賞球に関するコマンドが示す遊技球の数と、払出球検出SW425aにより検出される実際に払出された遊技球の数とを比較し、両者の差が閾値以上であるときである。
<<排出エラー開始指定コマンド>>
メインCPU411は、各入賞口SWの遊技球の合計カウント値と、枠カウントSWの遊技球のカウント値との差が閾値以上であるときに、排出エラー開始指定コマンド(以下、「排出エラー開始指定コマンド」を「CD7」と称することがある)をメインRAM413に設定する。上述したように、各入賞口105、106、110、111、112に入賞した遊技球は、遊技機100内部において特定の遊技球流通路を通過し、当該特定の遊技球流通路に枠カウントSWが設けられる。つまり、正規の方法で遊技が行われていれば、各入賞口105、106、110、111、112に入賞した遊技球を検知するスイッチ414a、414b、416a、416b及び417による遊技球の合計カウント値と、枠カウントSWによる遊技球のカウント値は一致するはずであるから、両者の差が閾値以上であるとき、メインCPU411はCD7をメインRAM413に設定する。
<<入賞頻度異常エラー開始指定コマンド>>
メインCPU411は、基準時間内における入賞個数が閾値以上であり、それが規定回数に達したときに、入賞頻度異常エラー開始指定コマンド(以下、「入賞頻度異常エラー開始指定コマンド」を「CD8」と称することがある)をメインRAM413に設定する。一般に、発射部による遊技球の発射頻度に対して一定の制限が加えられており、例えば1分間に発射できる遊技球の数が100球までと定められている場合、正規の方法で遊技が行われていれば、この発射速度を超える頻度で各入賞口105、106、110、111、112に遊技球が入賞することはないはずである。そこで、例えば、メインCPU411は、異常回数をメインRAM413に記憶させ、10秒間における入賞個数が10個以上である場合に異常回数に「1」を加算し、また、10秒間における入賞個数が10個未満である場合に異常回数から「1」を減算して、メインRAM413に記憶された異常回数を更新し、異常回数が5回に到達した場合に、メインCPU411はCD8をメインRAM413に設定する。なお、メインRAM413に記憶させる異常回数の最小値は「0回」であり、10秒間における入賞個数が10個未満であるときに、記憶されている異常回数が「0回」である場合、異常回数は「−1回」ではなく「0回」と記憶される。
<<扉開放エラー開始指定コマンド、扉開放エラー終了指定コマンド>>
メインCPU411は、扉枠12が開放されたときに、扉開放フラグがOFFに設定されていた場合には、扉開放フラグをONに設定すると共に扉開放エラー開始指定コマンド(以下、「扉開放エラー開始指定コマンド」を「CD9−1」と称することがある)をメインRAM413に設定し、扉枠12の開放が検知されないときに、扉開放フラグがONに設定されていた場合には、扉開放フラグをOFFに設定すると共に、扉開放エラー終了指定コマンド(以下、「扉開放エラー終了指定コマンド」を「CD9−2」と称することがある)をメインRAM413に設定する。扉枠12の開放及び閉鎖は、扉開放SW426により検出される。
<<ソレノイドフォトセンサ異常エラー開始指定コマンド>>
メインCPU411は、大入賞口内部機構が想定の動作と閾値以上相違したときに、ソレノイドフォトセンサ異常エラー開始指定コマンド(以下、「ソレノイドフォトセンサ異常エラー開始指定コマンド」を「CD10」と称することがある)をメインRAM413に設定する。「大入賞口内部機構が想定の動作と閾値以上相違したとき」とは、主制御部401から、第1大入賞口110内の振分部材144を開閉させる振分ソレノイド422に対して電気信号が出力されたタイミング(想定の動作タイミング)と、ソレノイドフォトセンサ423bにより検出されるタイミング(すなわち、振分部材144が振分ソレノイド422により、実際に動作されたタイミング)とを比較して、両者の差が閾値(例えば500ms)以上である場合を指し、その場合において、メインCPU411はCD10をメインRAM413に設定する。
<<スイッチ未接続エラー開始指定コマンド、スイッチ未接続エラー終了指定コマンド>>
メインCPU411は、入力スイッチの断線を検知したときに、スイッチ未接続フラグがOFFに設定されていた場合には、スイッチ未接続フラグをONに設定すると共に、スイッチ未接続エラー開始指定コマンド(以下、「スイッチ未接続エラー開始指定コマンド」を「CD11−1」と称することがある)をメインRAM413に設定し、入力スイッチの断線が検知されないときに、スイッチ未接続フラグがONに設定されていた場合には、スイッチ未接続フラグをOFFに設定すると共に、スイッチ未接続エラー終了指定コマンド(以下、「スイッチ未接続エラー終了指定コマンド」を「CD11−2」と称することがある)をメインRAM413に設定する。CPU411は、磁気検知SW423a又はソレノイドフォトセンサ423bの出力信号を所定時間(1秒)以上継続して受信した場合に、入力スイッチが断線したと判定する。
<<皿満タンエラー開始指定コマンド、皿満タンエラー終了指定コマンド>>
メインCPU411は、満タン検出スイッチ処理(図7参照)において、満タン検出SW427a及び427bが共にONであるか否かを判定する。その判定の結果、満タン検出SW427a及び427bが共にONであり、その判定時に満タンフラグがOFFに設定されていた場合には、満タンフラグをONに設定すると共に、皿満タンエラー開始指定コマンド(以下、「皿満タンエラー開始指定コマンド」を「CD12−1」と称することがある)をメインRAM413に設定する。また、判定の結果、満タン検出SW427a及び427bが共にONでなく(一方又は双方がOFFであり)、その判定時に満タンフラグがONに設定されていた場合には、満タンフラグをOFFに設定すると共に、皿満タンエラー終了指定コマンド(以下、「皿満タンエラー終了指定コマンド」を「CD12−2」と称することがある)をメインRAM413に設定する。
なお、本実施形態では、満タン検出SW427a及び427bが共にONである場合、満タンフラグをONに設定し、いずれか一方でもOFFである場合に満タンフラグをOFFに設定することとしたが、満タン検出SW427a及び427bのいずれか一方がONである場合に、満タンフラグをONに設定し、双方がOFFである場合に満タンフラグをOFFに設定することとしてもよいし、一方の満タン検出SW(例えば満タン検出SW427a)のON/OFFの如何を問わず、他方の満タン検出SW(例えば満タン検出SW427b)がONである場合に満タンフラグをONに設定し、当該他方の満タン検出SW(例えば満タン検出SW427b)がOFFである場合に満タンフラグをOFFに設定することとしてもよい。
図6に示すように、主制御部401には盤用外部情報端子基板491が接続されており、主制御部401は、メインRAM413内の記憶内容を示す情報を、基板491を通じて外部(例えば遊技施設のホールコンピュータ)に出力することができる。
[2.賞球制御部]
賞球制御部402は、CPUと、ROMと、RAMと、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。賞球制御部402は、主制御部401からの払い出し指示(賞球コマンド)に基づき、賞球の払い出しを行う。
賞球制御部402には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。例えば、図示のように、賞球制御部402には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW424と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW425aと、上皿123内に遊技球があるかを検出する球有り検出SW425bと、上皿123が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW427aと、下皿125が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW427bと、が接続されている。SW424、425a、425b、427a及び427bの夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部402へ出力する(具体的には、遊技球を検出した場合にはONとなり検出信号を出力し、遊技球を検出しない場合にはOFFとなり検出信号を出力しない)。賞球制御部402は、主制御部401から出力された払い出し指示や、SW424、425a、425b、427a及び427bから入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部402には、扉枠12の開放(扉枠12が内枠11に対して、左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動された状態)されていることを検出する扉開放SW426が接続されている。扉開放SW426は扉枠12の開放を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部402へ出力する(具体的には、扉枠12が開放された場合にはONとなり検出信号を出力し、扉枠が開放されていない場合にはOFFとなり検出信号を出力しない)。
賞球制御部402は、SW424、425a、425b、426、427a及び427bから入力される検出信号を主制御部401へ出力する。また、主制御部401は賞球制御部402から入力された各SWの検出信号に基づいて上述した特殊コマンドの一部を生成する。
また、賞球制御部402には、発射部428が接続される。賞球制御部402は、発射部428に対する遊技球の発射の操作(遊技者による操作)を検出して遊技球の発射を制御する。発射部428は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部402は、発射部428のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を打ち出す。
また、賞球制御部402には、賞球を払い出すための払出部429が接続される。払出部429は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出駆動モータを備える。賞球制御部402は、払出部429を制御して払出駆動モータを駆動させることで、各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、第1大入賞口110、第2大入賞口111、普通入賞口112)への入賞に対応した賞球の払い出しを実現する。また、賞球制御部402には枠用外部情報端子基板492が接続されており、賞球制御部402が取り扱う各種情報を、基板492を通じて外部に出力することができる。
[3.演出制御部]
演出制御部403は、CPU431と、ROM432と、RAM433と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される(図6参照)。演出制御部403におけるCPU、ROM、RAMを、夫々、特に、サブCPU、サブROM、サブRAMとも呼ぶ。サブCPU431は、遊技機100が行う演出の制御に関する各種プログラムをサブROM432から読み出し、サブRAM433をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
演出制御部403は、画像表示部104の表示制御やスピーカ115の音声出力制御を行う画像/音声制御部(不図示)と、演出ライト部116及び遊技盤101上の盤ランプ135の点灯制御並びに可動役物117、118a及び130の駆動制御を行うランプ制御部(不図示)などを備える。また、演出制御部403には、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン121及び十字キー122が接続されている。演出制御部403は、演出ボタン121及び十字キー122に対する遊技者からの入力操作内容に応じた演出を行うことができる。
演出制御部403は、変動演出を含む任意の演出を、演出実現要素(演出手段と言い換えることもでき、上述した演出部材と同義であると考えてよい)を用いて実現する。即ち、演出制御部403は、演出実現要素を制御することで演出実現要素に所望の演出を行わせる(この表現における演出の主体は演出実現要素であるが、本実施形態の説明では、主として、演出制御部403が演出の主体であると捉える)。演出実現要素は、画像表示部104、スピーカ115、演出ライト部116、枠可動役物117、118a、盤ランプ135及び盤可動役物130の内、少なくとも1つを含む。変動演出は、特別図柄の変動表示から停止表示までの間において演出制御部403により実行される演出を指し、特図判定の判定結果を示唆する演出を含む。尚、演出による示唆、報知、告知又は通知は、特に記述無き限り、遊技者に対するものと考えて良い。
[3−1.演出メイン処理]
図14に、演出制御部403が行う主だった処理を列記する。演出制御部403へ電力が供給されると、サブCPU431により演出メイン処理が実行される。演出メイン処理において、サブCPU431は、演出制御部403内のCTCなどの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容をサブRAM433に記憶させる。
[3−2.演出タイマ割込処理]
サブCPU431は、演出メイン処理によりサブRAM433に記憶された設定内容に従う周期で、演出メイン処理に対し演出タイマ割込処理を割り込み実行する(図14参照)。演出タイマ割込処理において、サブCPU431は、コマンド受信処理及び操作受付処理を順次実行する。
[3−2−1.コマンド受信処理]
コマンド受信処理において、サブCPU431は、特図演出処理、普図演出処理、当たり演出処理、及び、特殊演出処理を実行する。
[3−2−1−1.特図演出処理]
特図演出処理は、演出開始処理及び演出終了処理を含む。サブCPU431は、主制御部401からの変動開始コマンドの受信に応答して演出開始処理を実行することで変動演出を開始した後、主制御部401からの変動停止コマンドの受信に応答して演出終了処理を実行することで変動演出を終了する。演出開始処理には、変動演出パターン選択処理が内包される。変動演出パターン選択処理において、サブCPU431は、主制御部401より受信したコマンド等に基づき、サブROM432に記憶された特図変動演出パターンテーブルから特図変動演出パターンを選択及び判定する。選択及び判定された特図変動演出パターンによる変動演出が特図演出処理において実行される。
また、サブCPU431は、主制御部401から事前判定コマンドを受信したとき、コマンド受信処理において、保留増加処理を行う。保留増加処理では、事前判定対象に対応する保留画像を画像表示部104に追加表示する。事前判定対象に対応する保留画像は、後に、その事前判定対象が判定対象TTとなって変動開始コマンドが受信された際に、画像表示部104から消去される又は特定の表示位置にシフトされる。サブCPU431は、事前判定コマンドに基づき、事前判定対象についての先読み予告演出を行うこともできる。
[3−2−1−2.普図演出処理]
普図演出処理(図14参照)は、主制御部401から普通図柄に関するコマンドが受信された場合に、サブCPU431により実行される。普通図柄の変動開始時及び終了時において主制御部401から普通図柄に関するコマンドが演出制御部403に送信される。普図演出処理では、普通図柄の変動時における普図演出が実行される。
[3−2−1−3.当たり演出処理]
当たり演出処理(図14参照)は、主制御部401から当たり演出に関するコマンドが受信された場合にサブCPU431により実行される。当たり遊技の開始時、終了時に、当たり演出に関するコマンドとして、夫々、オープニングコマンド、エンディングコマンドが主制御部401から演出制御部403に送信される。当たり演出処理において、演出制御部403は、オープニングコマンドの受信に応答して当たり演出を開始し、エンディングコマンドの受信に応答して当たり演出を終了させる。
[3−2−1−4.特殊演出処理]
特殊演出処理(図14参照)は、主制御部401から特殊コマンドが受信した場合にサブCPU431により実行される。特殊演出処理において、演出制御部403は、特殊コマンドの受信に応答して特殊演出を実行する。
図15は、特殊コマンドに基づいて演出制御部403が実行する特殊演出の内容を示す説明図である。以下、特殊コマンドに基づいて演出制御部403が実行する特殊演出の詳細について順次説明する。以下の説明において特殊コマンドに基づいて実行される特殊演出には、画像表示部104を用いて実行される特殊演出、スピーカ115を用いて実行される特殊演出、演出ライト部116を用いて実行される特殊演出があるが、夫々を、表示報知、音声報知、発光報知と称することがある。なお、図15に示す優先順位の記載については各特殊演出の内容を説明した後に述べる。
<<CD1に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD1を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、初期出目(予め定められた組み合わせ)により、第1〜第3の装飾図柄(例えば順に、1の数字が付された装飾図柄、2の数字が付された装飾図柄、3の数字が付された装飾図柄)を表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「RAMがクリアされました」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を最大輝度の約40%の輝度で全点灯させる発光報知を行う。CD1に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知は、表示報知及び音声報知を開始してから30秒間実行され、発光報知は、発光報知を開始してから60秒間実行される。つまり、図15に示すようにCD1に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知の演出終了契機は、表示報知及び音声報知の開始後、30秒経過したときであり、発光報知の演出終了契機は、発光報知の開始後60秒経過したときである。
<<CD2に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD2を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「電源復旧中」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を最大輝度の約40%の輝度で全点灯させる発光報知を行う。CD2に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知は、表示報知及び音声報知を開始してから30秒間実行され、発光報知は、発光報知を開始してから60秒間実行される。つまり、図15に示すようにCD2に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知の演出終了契機は、表示報知及び音声報知の開始後、30秒経過したときであり、発光報知の演出終了契機は、発光報知の開始後60秒経過したときである。
<<CD3に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD3を受信した場合、特殊演出として、スピーカ115から「異常入賞エラーです」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD3に基づく特殊演出において、音声報知及び発光報知は、音声報知及び発光報知を開始してから30秒間実行される。つまり、図15に示すようにCD3に基づく特殊演出において、音声報知及び発光報知の演出終了契機は、音声報知及び発光報知の開始後、30秒経過したときである。
<<CD4に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD4を受信した場合、特殊演出として、スピーカ115から「異常入賞エラーです」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD4に基づく特殊演出において、音声報知及び発光報知は、音声報知及び発光報知を開始してから30秒間実行される。つまり、図15に示すようにCD4に基づく特殊演出において、音声報知及び発光報知の演出終了契機は、音声報知及び発光報知の開始後、30秒経過したときである。
<<CD5に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD5を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「磁石検知」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「磁石を検知しました」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD5に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知は、表示報知及び音声報知及び発光報知を開始してから30秒間実行される。つまり、図15に示すようにCD5に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知の演出終了契機は、表示報知及び音声報知及び発光報知の開始後、30秒経過したときである。
<<CD6に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD6を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「大入賞口排出エラー」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「排出エラーです」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD6に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知は、表示報知及び音声報知及び発光報知を開始してから30秒間実行される。つまり、図15に示すようにCD6に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知の演出終了契機は、表示報知及び音声報知及び発光報知の開始後、30秒経過したときである。
<<CD7に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD7を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「排出エラー」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「排出エラーです」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD7に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知は、表示報知及び音声報知及び発光報知を開始してから30秒間実行される。つまり、図15に示すようにCD7に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知の演出終了契機は、表示報知及び音声報知及び発光報知の開始後、30秒経過したときである。
<<CD8に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD8を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「入賞頻度異常エラー」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「係員をお呼びください」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD8に基づく特殊演出において、表示報知及び発光報知は、表示報知及び発光報知を開始してから300秒間実行され、音声報知は、音声報知を開始してから30秒間実行される。つまり、図15に示すようにCD8に基づく特殊演出において、表示報知及び発光報知の演出終了契機は、表示報知及び発光報知の開始後、300秒経過したときであり、音声報知の演出終了契機は、音声報知の開始後、30秒経過したときである。
<<CD9−1に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD9−1を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「扉開放エラー」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「扉が開いています」との音声を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD9−1に基づく特殊演出において、表示報知は、コマンド受信処理において主制御部401からCD9−2を受信するまで実行される。また、音声報知は、コマンド受信処理において主制御部401からCD9−2を受信してから5秒経過するまで実行される。また、発光報知は、コマンド受信処理において主制御部401からCD9−2を受信してから30秒経過するまで実行される。つまり、図15に示すようにCD9−1に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知の演出終了契機は、CD9−2の受信を基準に定められる。但し、音声報知は、遊技ホールの店員により整備等のために扉枠12が開放されている場合を考慮して、5分経過した時点で、CD9−2を受信していなくても終了することとしてもよい。
<<CD10に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD10を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「大入賞口異常」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「大入賞口エラーです」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD10に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知は、表示報知及び音声報知及び発光報知を開始してから30秒間実行される。つまり、図15に示すようにCD10に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知の演出終了契機は、表示報知及び音声報知及び発光報知の開始後、30秒経過したときである。
<<CD11−1に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD11−1を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「スイッチ未接続エラー」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「スイッチ未接続エラーです」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD11−1に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知は、コマンド受信処理において主制御部401からCD11−2を受信するまで実行される。つまり、図15に示すようにCD11−1に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知の演出終了契機は、CD11−2の受信時である。
<<CD12−1に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD12−1を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「皿満タンエラー 玉を抜いてください」と表示する表示報知を行う。また、主制御部401からCD12−1を受信してから1秒後に、スピーカ115から「玉を抜いてください」との音声を最大音量の約80%の音量にて音量設定可能に出力する音声報知を行う。CD12−1に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知は、コマンド受信処理において主制御部401からCD12−2を受信するまで実行される。つまり、図15に示すようにCD12−1に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知の演出終了契機は、CD12−2の受信時である。なお、CD12−1に基づく特殊演出において音声報知は、多量の賞球が上皿123及び/又は下皿125に排出される可能性が高い状況、すなわち、大当たり遊技中にのみ実行されることとしてもよい。或いは、大当たり遊技中には、第1の待機時間(上述した主制御部401からCD12−1を受信してから1秒)経過後に音声報知を実行し、大当たり遊技中以外には、第2の待機時間(第1の待機時間よりも長い所定時間であって、例えば5分)経過後に音声報知を実行することとしてもよい。
<<特殊演出に関する補足>>
特殊演出として音声報知が行われる場合、特図判定の判定結果を示唆する演出として実行されるスピーカ115を用いた演出は実行されないか、或いは、スピーカ115からの出力音量を無音又は小音量とすることが望ましい。
演出制御部403は特殊コマンド(CD9−2、11−2、12−2を除く)を受信したときに、特殊コマンドに応じて一定の特殊演出を実行することとしたが、各特殊コマンドを受信した回数をサブRAM433に記憶し、同一の特殊コマンドを受信した場合でも、受信回数に応じて異なる制御を実行することとしてもよい。例えば、CD4を受信した場合に、CD4の受信回数が1回以上10回未満であれば、特殊演出を実行せず、CD4の受信回数が11回以上30回未満であれば、発光報知のみ実行し、CD4の受信回数が30回以上であれば、音声報知及び発光報知を実行することとしてもよい。
CD1〜CD8及びCD10に基づく特殊演出は、所定時間の経過を契機として特殊演出を終了することとしたが、当該所定期間経過前に、新たに同一の特殊コマンドを受信した場合、当該新たな受信時を基準として特殊コマンドに基づく特殊演出を再開始する。例えば、磁気検出SW423aにより、閾値以上の磁力が所定時間以上検出された場合、CD5の受信に基づいて磁石が検知されたことを報知する上記特殊演出が実行されるが、磁気検出SW423aにより、閾値以上の磁力が継続して検出されている場合には、所定時間(上記例では30秒間)経過する前に、新たにCD5を受信することになり、特殊演出は最初のCD5の受信から30秒経過した後も続けられることになる。
ところで図15には上述したように優先順位が記載されている。この優先順位とは、複数の異なる特殊コマンドを同時に受信した場合、や、特定の特殊コマンドに基づく特殊演出中に当該特定の特殊コマンドとは異なる他の特殊コマンドを受信した場合に、いずれの特殊コマンドに基づいて特殊演出を行うかの優先順位を規定したものである。優先順位は、最も優先順位が高い「1」から順に、最も優先順位が低い「12」まで規定されており、優先順位「1」〜「12」は夫々CD1〜CD8、CD9−1、CD10、CD11−1、CD12−1に対応付けられている。そして、複数の異なる特殊コマンドを同時に受信した場合、例えばCD3とCD4を受信した場合には、より優先順位が高いCD3に基づいて特殊演出を実行する。また、特定の特殊コマンドに基づく特殊演出中に当該特定の特殊コマンドとは異なる他の特殊コマンドを受信した場合、例えば、CD6に基づく特殊演出中に、CD4を受信した場合には、CD6に基づく特殊演出を終了し、CD4に基づく特殊演出を実行する。従って、演出終了契機について、図15及び上記説明では、所定時間の経過又は終了指定コマンドの受信であることとしたが、これに加えて、実行中の特殊演出に対応する特殊コマンドの優先順位よりも、高い優先順位の特殊コマンドを受信も、演出終了契機となりうる。
[3−2−2.操作受付処理]
操作受付処理(図14参照)において、サブCPU431は、演出ボタン121又は十字キー122からの信号に基づき、遊技者による演出ボタン121又は十字キー122への操作状態(操作の入力有無及び操作の内容)を認識する。演出制御部403は、認識された操作状態に応じた演出を行うことができる。
<<演出モードについて>>
図16(a)に、演出制御部403のサブROM432に格納された演出モードテーブルMtを示す。サブCPU431は、主制御部401から受信したコマンド等に基づきつつ、演出モードテーブルMtに定義される複数の演出モードの中から1つの演出モードを選択及び設定する。ここで選択される演出モードを、以下、対象演出モードと呼ぶことがある。演出制御部403は対象演出モードにて変動演出を含む各種の演出を行う。上記複数の演出モードには、第1〜第5の演出モードとしての確変モード、チャンスモード、通常モードA、通常モードB及び通常モードCが含まれる(以下、「通常モードA、通常モードB及び通常モードC」を区別する必要がない場合には単に「通常モード」と称する)。演出制御部403は、確変モード、チャンスモード、通常モードA、通常モードB及び通常モードC間において、互いに異なる演出を実行する。図16(a)に示すように、演出モードテーブルMtにおける各演出モードに対しモードフラグが対応付けられている。演出モードとして確変モード、チャンスモード、通常モードA、通常モードB及び通常モードCが選択及び使用される状態は、夫々、モードフラグに“1”、“2”、“3” 、“4” 、“5”が設定される状態に相当する。モードフラグはサブRAM433に記憶され、サブCPU431によって、その値が可変設定される。図16(b)には、各演出モードと大当たり当選確率及び電サポ付与の有無との関係が示されている。図16(b)及び図10に示す如く、演出制御部403は、高確率電サポ遊技状態、低確率電サポ遊技状態において、夫々、確変モード、チャンスモードを対象演出モードとして設定する一方、低確率非電サポ遊技状態(通常遊技状態)において、通常モードA、通常モードB又は通常モードCを対象演出モードとして設定する。なお、図10では単に「通常モード」と記載されているが、本段落にて説明したように、「通常モードA、通常モードB及び通常モードCのいずれかの通常モード」との意味である。
図17(a)〜(b)に、夫々、確変モード、チャンスモードにおける画像表示部104の表示例を示し、図18(a)〜(c)に、夫々、通常モードA、通常モードB及び通常モードCにおける画像表示部104の表示例を示す。各演出モードにおいて、演出制御部403は、画像表示部104に背景画像を表示し、背景画像上に装飾図柄等を重畳表示することができる。確変モード、チャンスモード、通常モードA、通常モードB及び通常モードC間で背景画像は互いに異なる。装飾図柄等の表示態様は、通常モード間(通常モードA、通常モードB及び通常モードC)で互いに共通であってもよいが、確変モード、チャンスモード及び通常モード間で互いに異なりうる。当たり抽選の権利が保留されていることを示す保留表示態様(保留画像)は、確変モード、チャンスモード、通常モードA、通常モードB及び通常モードC間で互いに異なりうる。
確変モードは、高確率電サポ遊技状態において使用され且つ現在の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であることを遊技者に示唆する演出モード(大当たりの当選確率が高確率に制御されていることを遊技者に示唆する特定の演出モード)である。従って、確変モードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であることを比較的容易に理解できる。尚、確変モードによる演出は、遊技者に右打ちを促す演出(例えば、“右打ちして下さい”等の文字の表示)を含む。
チャンスモードは、低確率電サポ遊技状態において使用され且つ現在の遊技状態が低確率電サポ遊技状態であることを遊技者に示唆する演出モードである。従って、チャンスモードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が低確率電サポ遊技状態であることを比較的容易に理解できる。尚、チャンスモードによる演出は、遊技者に右打ちを促す演出(例えば、“右打ちして下さい”等の文字の表示)を含む。
通常モードは、低確率非電サポ遊技状態において使用され且つ現在の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態であることを遊技者に示唆する演出モードである。従って、通常モードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態であることを比較的容易に理解できる。低確率非電サポ遊技状態において、通常モードA、通常モードB及び通常モードCのいずれを使用するかは演出制御部403が適宜設定すればよい。例えば、各通常モードにおける特別図柄の変動回数が一定回数(例えば30回)に達した場合に、他の通常モードに変更することとすればよく、変更は、通常モードA、通常モードB、通常モードCの順にループしながら順次実行されることとすればよい。なお、他の通常モードへの変更判断方法は上記方法に限られるものではなく、他の通常モードへの変更判断方法として、演出制御部403が生成する演出用乱数を用いて判定し、判定の結果、他の通常モードへ変更すると判定された場合に、他の通常モードへ変更することとしてもよい。
また、或いは、低確率非電サポ遊技状態において、通常モードA、通常モードB及び通常モードCのいずれを使用するかに関して、遊技者が選択可能であることとしてもよい。遊技者が選択可能である場合、遊技機100の初期状態では通常モードAが使用され、遊技者が任意のタイミングで演出ボタン121を押すことで、通常モードA、通常モードB、通常モードCの順にループさせて、使用する通常モードを変更可能であることとしてもよい。
図19に、特A〜特Cの大当たりの発生に注目した、対象演出モードの変化の様子を示す。遊技機100の初期状態における演出モード(対象演出モード)は通常モードである。なお、上述したように遊技機100の初期状態において通常モードA、通常モードB及び通常モードCのいずれを使用するかは演出制御部403或いは遊技者が適宜設定する事項であるため、図19及びこれに関連する説明では通常モードA、通常モードB及び通常モードCを区別せず、通常モードとして記載する。
演出制御部403は、対象演出モードが通常モードである状態を起点として、特A又は特Cの大当たりが発生すると、対応する大当たり遊技の後に対象演出モードを確変モードに変更し、特Bの大当たりが発生すると、特Bの大当たり遊技の後に対象演出モードをチャンスモードに変更する。
演出制御部403は、対象演出モードがチャンスモードである状態を起点として、特A又は特Cの大当たりが発生すると、対応する大当たり遊技の後に対象演出モードを確変モードに変更し、特Bの大当たりが発生した場合には、特Bの大当たり遊技後も対象演出モードをチャンスモードのままとする。また、演出制御部403は、対象演出モードが確変モードである状態を起点として、特A又は特Cの大当たりが発生すると、対応する大当たり遊技の後も対象演出モードを確変モードのままとし、特Bの大当たりが発生すると、特Bの大当たり遊技の後に対象演出モードをチャンスモードに変更する。
<<特殊コマンド受信に基づく、特徴的な制御について>>
上述したように演出制御部403は、主制御部401から出力される特殊コマンドをコマンド受信処理(図14)にて受信した際に、受信した特殊コマンド(複数の異なる特殊コマンドを受信した場合には最も優先順位の高い特殊コマンド)に基づいて特殊演出を実行することとした。特殊演出は、遊技機100がどのような状態にあるかを報知する目的で実行され、その報知対象者は遊技者のみならず、遊技ホールの店員も含まれる。しかしながら、多数の遊技機が設置されている遊技ホールにおいて遊技ホールの店員は、島構造の端から多数の遊技機を見渡す形となり、特定の遊技機で特殊演出が実行されていても、通常の演出(特図判定の判定結果を示唆する演出)と見分けることが困難である。そこで本実施形態では、特殊演出が実行されていること、言い換えれば、特殊コマンドが生成される所定の条件(特殊コマンドの生成条件)が成立していることを遊技ホールの店員に知らしめる制御を行う。
遊技機100に対して比較的距離をとった位置から遊技機100を視認した場合に、一見して目につくのは、枠可動役物である。そこで本実施形態では、特殊コマンドの受信時に枠可動役物117、118aに関して以下に示す、特殊な制御を行う。
図20は、受信した特殊コマンドと枠可動役物の制御との関係を示す説明図である。図20(a)は、特殊演出非実行時における枠可動役物117、118aの位置が基準位置である場合における、受信した特殊コマンドと枠可動役物の制御との関係を示す説明図である。図20(b)は、特殊演出非実行時における枠可動役物117、118aの位置が作動位置である場合における、受信した特殊コマンドと枠可動役物の制御との関係を示す説明図である。ここで、「特殊演出非実行時」とは、主制御部401から受信した特殊コマンドに基づく特殊演出が実行されていない場合におけるとの意味である。本実施形態において、特殊演出非実行時に枠可動役物117、118aの位置が作動位置である(以下、「枠可動役物117、118aの位置が作動位置であること」を「作動中」と称することがあり、これに対して、「枠可動役物117、118aの位置が基準位置であること」を「非作動中」と称することがある。)場合とは、上述した、大当たり遊技中、及び、電サポ遊技中であって、解除ボタン118bが押下されていない状態を含み、更に、特図判定の判定結果を示唆する演出に枠可動役物117、118aを作動位置に移動させる演出が含まれる場合には、当該作動中も含まれる。
図20(a)に示すように、非作動中に特殊コマンドCD1〜8、CD9−1、CD12−1を受信した場合、演出制御部403は、枠可動役物117、118aが作動位置に移動することを制限すると共に、特殊コマンドCD1〜8、CD9−1、CD12−1に基づく特殊演出を実行する。つまり、例えば、特殊コマンドCD1〜8、CD9−1、CD12−1に基づく特殊演出の実行中に、電サポ遊技が実行されたとしても、枠可動役物117、118aは作動位置に移動されない。一方、非作動中に特殊コマンド10、CD11−1を受信した場合、演出制御部403は、枠可動役物117、118aが作動位置に移動することを制限せずに、特殊コマンドCD10、CD11−1に基づく特殊演出を実行する。つまり、例えば、特殊コマンドCD10、CD11−1に基づく特殊演出の実行中に、電サポ遊技が実行された場合には、枠可動役物117、118aが作動位置に移動される。
図20(b)に示すように、作動中に特殊コマンドCD1〜8、CD9−1、CD12−1を受信した場合、演出制御部403は、枠可動役物117、118aを基準位置に移動させると共に、枠可動役物117、118aが作動位置に移動することを制限し、特殊コマンドCD1〜8、CD9−1、CD12−1に基づく特殊演出を実行する。つまり、例えば、電サポ遊技の実行中に、特殊コマンドCD1〜8、CD9−1、CD12−1のいずれかを受信した場合には、枠可動役物117、118aを基準位置に移動させ、その後、特殊演出が終了するまで、枠可動役物117、118aは作動位置に移動されない。電サポ遊技の実行中において、特殊コマンドCD1〜8、CD9−1、CD12−1に基づく特殊演出が終了した場合には、その後、枠可動役物117、118aが作動位置に移動される。一方、作動中に特殊コマンド10、CD11−1を受信した場合、演出制御部403は、枠可動役物117、118aを基準位置に移動させず、また、枠可動役物117、118aが基準位置に移動することを制限せずに、特殊コマンドCD10、CD11−1に基づく特殊演出を実行する。つまり、例えば、電サポ遊技の実行中に、特殊コマンドCD10、CD11−1のいずれかを受信しても、枠可動役物117、118aは基準位置に移動されず、また、特殊演出の実行中において、電サポ遊技が終了した場合には、枠可動役物117、118aが基準位置に移動される。
複数の互いに異なる特殊コマンドを受信した場合においては、特殊演出の実行と同様に図15に示す優先順位に従い、より優先順位が高い特殊コマンドに基づいて上記特殊な制御を実行する。
<<本実施形態による効果>>
大当たり遊技中や、大当たり遊技後に実行可能な電サポ遊技中においては、大当たり遊技中であること及び電サポ遊技中であることが、データランプHTにて報知されており(一般的にはデータランプHTの発光態様により報知される)、遊技ホールの店員は一見して、いずれの遊技機が大当たり遊技中であるか、電サポ遊技中であるかを判別可能である。
そして、データランプHTにて大当たり遊技中であること及び電サポ遊技中であること報知されている場合、通常であれば枠可動役物117、118aの位置は作動位置であるが、本実施形態によれば、特定の特殊コマンドに基づく特殊演出が実行されている間、枠可動役物117、118aの位置が作動位置ではなく基準位置となる。従って、遊技ホールの店員は、データランプHTにて大当たり遊技中であること及び電サポ遊技中であること報知されているにも関わらず、枠可動役物117、118aが作動位置に移動されていないことを瞬時に識別可能であり、従って、特殊コマンドの生成条件が成立していることを認識することができる。
一方、遊技者からしてみれば、本来であれば枠可動役物117、118aの位置が作動位置となる場面で、枠可動役物117、118aの位置が基準位置とされ、遊技の興趣が損なわれることになる。そこで、特殊コマンドの生成条件のうち、枠可動役物117、118aの移動を制限する必要がない条件(以下、「枠可動役物117、118aの移動を制限する必要がない条件」を「非制限条件」と称することがある)に基づいて生成された特殊コマンドを受信した場合には、、枠可動役物117、118aの移動を制限しないことが望ましい。本実施形態では、CD10及びCD11−1が非制限条件に設定されているが、非制限条件とするか否かは適宜設定可能であることとしてもよい。非制限条件の設定は例えば、演出制御部403が主制御部401からRAMクリア準備コマンドを受信した際に、画像表示部104に表示されるRAMクリア準備中画面において設定可能であることとすればよい。
図21は、RAMクリア準備中画面の一例である。図21(a)に示すRAMクリア準備中画面において演出ボタン121を押下することで、図21(b)に示す遊技機100の初期設定メニューを表示させ、初期設定メニューから特殊コマンド設定を十字キー122を用いて選択すると共に演出ボタン121を押下して決定して図21(c)に示す特殊コマンド設定画面を表示し、特殊コマンドと枠可動役物の制御に関する設定を行うことが可能である。なお、演出制御部403は、主制御部401からCD1を受信した場合に、図21に示すRAMクリア準備中画面の表示を終了する。
なお、第2枠可動役物118aに着目すれば、遊技者にとって、CD12−1が非制限条件に設定されていないことが好ましい。遊技者は、CD12−1に基づく特殊演出を終了させる(主制御部401にCD12−2を生成させる)ために、一般的に、下皿レバー126を操作して下皿125に貯留された遊技球を上述したドル箱に移し、満タン検出SW427bをOFFにさせる。ドル箱には比較的多量の遊技球を貯留することが可能であるが、ドル箱が満タンとなった場合には、遊技ホールの店員を呼び出し、満タンとなったドル箱を、空のドル箱に交換してもらう必要がある。そして店員を呼び出す際には、CALLボタンHUを押下することで容易に店員を呼び出すことが可能である。ところでドル箱が満タンとなる状況とは一般的に、多量の賞球が得られる大当たり遊技中であり、本実施形態では大当たり遊技中において、第2枠可動役物118aが作動位置に移動している。第2枠可動役物118aの位置が作動位置である場合、図4に示すように、第2枠可動役物118aがデータランプHTの少なくとも一部を覆い隠し、CALLボタンHUを押下することが困難となる。この場合、遊技者は上述したように、解除ボタン118bを押下することで第2枠可動役物118aを作動位置から基準位置に戻すことが可能であるが、遊技者に対して解除ボタン118bを押下させるという手間を強いることになる。しかしながら本実施形態によれば、演出制御部403がCD12−1を受信した際に、遊技者による特別な操作(解除ボタン118bの押下操作)を要することなく、自動的に第2枠可動役物118aが作動位置から基準位置に移動する。よって遊技者にとって利便性が高い。
<<補足>>
本実施形態では、特殊コマンドの受信時に枠可動役物117、118aに関して特徴的な制御を行うこととしたが、枠可動役物117、118a以外の可動役物についても同様の制御を行うこととしてもよい。枠可動役物117、118a以外の可動役物としては、盤可動役物130や演出ボタン121の一方又は双方が含まれる。その際、非制限条件の設定は、枠可動役物117、118aと同一の設定であることとしてもよいし、異なる設定であることとしてもよい。異なる設定である場合、例えば、盤可動役物130や演出ボタン121に関しては、CD12の生成条件が非設定条件に設定されていてもよい。また、上述したように、非制限条件の設定が可能である場合には、画像表示部104に表示されるRAMクリア準備中画面において、初期設定メニュー内に、枠可動役物117、118a用の非制限条件を設定可能な第1特殊コマンド設定項目と、枠可動役物117、118a以外の可動役物用の非制限条件を設定可能な第2特殊コマンド設定項目とが含まれ、十字ボタン122及び演出ボタン121を用いて、所望の設定項目を選択し、設定可能であることとすればよい。
ここで、図13に示す特殊コマンド以外の特殊コマンドの一例について述べる。
図22は、遊技機の主制御部にて生成される他の特殊コマンドの一例を示す説明図である。他の特殊コマンドとしては、例えば、振動検知エラー開始指定コマンド、電波検知エラー開始指定コマンドが挙げられる。振動検知エラー開始指定コマンド(以下、「振動検知エラー開始指定コマンド」を「CD13」と称することがある)は、主制御部401に接続される不図示の振動検知センサにより、所定の強度以上の振動が検知された場合に、主制御部401により生成され、メインRAM413に設定される。電波検知エラー開始指定コマンド(以下、「電波検知エラー開始指定コマンド」を「CD14」と称することがある)は、主制御部401に接続される不図示の電波検知センサにより、所定のレベル以上の電波が検知された場合に、主制御部401により生成され、メインRAM413に設定される。演出制御部403は、コマンド受信処理(図14参照)において、CD13又はCD14を受信した場合に、各特殊コマンドに対応付けられた特殊演出を実行する。
図23は、図22に示す特殊コマンドに基づいて演出制御部403が実行する特殊演出の内容を示す説明図である。なお、振動検知エラー開始指定コマンド、及び、電波検知エラー開始指定コマンドの優先順位については特に述べないが、優先順位は適宜設定されることとすればよい。
<<CD13に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD13を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「振動検知」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「振動を検知しました」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD13に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知は、表示報知及び音声報知及び発光報知を開始してから30秒間実行される。つまり、図23に示すようにCD13に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知の演出終了契機は、表示報知及び音声報知及び発光報知の開始後、30秒経過したときである。
<<CD14に基づく特殊演出の内容>>
演出制御部403はコマンド受信処理(図14参照)において、主制御部401からCD14を受信した場合、特殊演出として、画像表示部104に、「電波検知」と表示する表示報知を行う。また、スピーカ115から「電波を検知しました」との音声及び所定のサイレン音を最大音量にて音量設定不可能に出力する音声報知を行う。また、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を行う。CD14に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知は、表示報知及び音声報知及び発光報知を開始してから30秒間実行される。つまり、図23に示すようにCD14に基づく特殊演出において、表示報知及び音声報知及び発光報知の演出終了契機は、表示報知及び音声報知及び発光報知の開始後、30秒経過したときである。
上記実施形態では全ての特殊コマンドについて、主制御部401が生成することとしたが、演出制御部403が生成可能な特殊コマンドについては、演出制御部403が生成し、自身が生成した特殊コマンドに基づいて特殊演出を実行することとしてもよい。例えば、入賞口105、106、110、111及び112のいずれの入賞口に対して遊技球が入賞した場合、いずれの入賞口に入賞したかを示す情報を含むコマンドAが主制御部401から演出制御部403に出力される場合、演出制御部403は、コマンドAに基づいて、入賞口105、106、110、111及び112に対する入賞個数を特定し、サブRAM433に記憶することが可能である。そして、基準時間内における入賞個数が閾値以上であり、それが規定回数に達したときに、図13に示すCD8を生成することが可能である。CD8が演出制御部403により生成されることとすれば、基準時間として、複数の基準時間から1の基準時間を選択・設定可能とすることができ、或いは、基準時間に任意の時間を設定することが可能となる。基準時間の設定は、上述した非制限条件の設定と同様にRAMクリア準備中画面にて設定可能であることとすればよい。
図6に示すように、遊技機100の内部構造には、複数のSW(SW414a、414b、415、416a、416b、417、418a、418b、419、423a、424、425a、425b、426、427a、427b)及びセンサ(ソレノイドフォトセンサ423b)が含まれる。そして、複数のSWの一部及びセンサは主制御部401に接続され、複数のSWの残りは賞球制御部402に接続されることとしているが、各SW及びセンサを主制御部401及び賞球制御部402のいずれに接続するかは、図6に示す接続関係に限られるものではない。なお、本実施形態においては以下の基準に基づいて、各SW及びセンサの接続先を決定している。
遊技機を製造する各社は、様々な題材(映画、芸能人、アニメ等)を元に、様々な機種を製造している。遊技機にはそれら題材に応じた特徴的な演出部材が設けられ、特に遊技盤101は機種によってデザイン等が大きく異なる。一方で製造コストを低減する目的から、遊技盤101以外の構成(外枠10、内枠11、扉枠12)については共通化が図られることが多い。これにより、製造コストが低減されると共に、遊技ホールで、新たな遊技機と古い遊技機とを交換する際に、設置済の遊技機から旧機種の遊技盤を取り外して新機種の遊技盤を取り付けるだけでよく、遊技盤以外の構成を交換する必要がないので交換作業が容易となる。つまり、同一の社により製造される遊技機に関しては、機種によって遊技盤は異なるが、遊技盤以外の構成は共通化される可能性がある。そこで、機種によって異なる遊技盤に設けられるSWやセンサに関しては出荷段階で主制御部401に接続させておき、遊技盤以外の構成に設けられるSWやセンサに関しては、遊技ホールに導入した際に、適宜、賞球制御部402に接続することで、より、交換作業の容易化が図られる。
<<本実施形態に関する発明の考察>>
本実施形態に関する発明について考察する。
本実施形態に一側面に係る遊技機W1は、遊技を行う遊技機において、可動役物を用いた演出を行う演出制御手段と、所定条件の成立を検知する条件成立検知手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記条件成立検知手段により前記所定条件の成立が検知された場合に、前記可動役物の駆動を制限することを特徴としている。
上記構成の遊技機W1によれば、可動役物(例えば枠可動役物117、118a、盤可動役物130、演出ボタン121の少なくともいずれか)を用いて、演出(例えば、特図判定の判定結果を示唆する演出や、特殊コマンドに基づく特殊演出を含む演出)が実行される遊技機において、所定条件(例えば特殊コマンドの生成条件)が成立した場合に、(特殊コマンドの受信に応答して)、上記可動役物の駆動が制限される(可動役物に関して特殊な制御が実行される)。
本実施形態に一側面に係る遊技機W2は、遊技を行う遊技機において、基準位置と基準位置とは異なる作動位置との間を移動可能な可動役物と、前記可動役物を用いた演出を行う演出制御手段と、所定条件の成立を検知する条件成立検知手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記条件成立検知手段により前記所定条件の成立が検知されたときにおいて、前記可動役物が前記基準位置に位置する場合には、前記作動位置への移動を制限し、前記可動役物が前記作動位置に位置する場合には、前記基準位置に移動可能であることを特徴としている。
上記構成の遊技機W2によれば、基準位置と基準位置とは異なる作動位置との間を移動可能な可動役物(例えば枠可動役物117、118a、盤可動役物130、演出ボタン121の少なくともいずれか)を用いて、演出(例えば、特図判定の判定結果を示唆する演出や、特殊コマンドに基づく特殊演出を含む演出)が実行される遊技機において、所定条件(例えば特殊コマンドの生成条件)が成立した場合に、(特殊コマンドの受信に応答して)、上記可動役物が基準位置に位置する場合には作動位置への移動を制限し、作動位置に位置する場合には基準位置に移動させることが可能である。ここで、「作動位置に位置する場合には基準位置に移動させることが可能である」とは、互いに異なる生成条件の成立に基づいて、複数の互いに異なる特殊コマンドが生成可能である場合において、特定の生成条件の成立に基づいて特定の特殊コマンドが生成された場合、当該特定の特殊コマンドの受信に応答して、作動位置に位置する可動役物を、基準位置に移動させないとすることが可能であることを示している。
上記構成の遊技機W1、W2において、演出装置制御手段は、遊技機100において例えば演出制御部403により実現される。また、上記構成の遊技機W1、W2において、条件成立検知手段は、遊技機100において例えば主制御部101により実現される。
///変形等///
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
また、上述の実施形態では、本発明を旧第一種タイプのパチンコ遊技機に適用した例を説明したが、本発明を、それ以外のタイプ(例えば旧一種二種混合タイプ)のパチンコ遊技機に適用しても良いし、パチンコ遊技機に分類されない、スロットマシンなどの他の遊技機に適用しても良い。パチンコ遊技機では、遊技媒体として遊技球が用いられるが、スロットマシンではコインが遊技媒体として用いられる。