JP5876089B2 - 遊技機 - Google Patents
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例えば、下記の特許文献1に記載されている技術では、可動役物に動作開始の基準位置に戻らないという不具合が生じた場合、可動役物の電気的駆動源であるモータを二方向に回転する復帰動作を行っている。これにより、可動役物の駆動部の摩擦等によって偶発的に起こった動作不良に起因する場合、可動役物が基準位置に戻って不具合が解消する。
本発明は、上記のような点に着目し、可動役物に復帰動作を行う際に、遊技者に不安感を抱かせないようにすることを課題とする。
遊技球が入球する始動口と、前記始動口への遊技球の入球に基づいて遊技者に有利な遊技状態である大当り状態を生起させるか否かの判定を行う判定手段と、所定の表示領域に遊技を演出する画像を表示する表示演出を実施する演出図柄表示手段と、を備え、前記判定手段で行われた判定の結果を前記表示演出で表示する画像の表示態様により報知する遊技機であって、電気的駆動源によって駆動され、前記表示演出を実施する動作とは異なる動作である遊技を演出する動作を行う可動役物と、前記可動役物が前記遊技を演出する動作を開始する前に前記可動役物に不具合が発生していると判定されたことに基づいて、前記表示演出を前記演出図柄表示手段に実施させながらも、前記電気的駆動源に前記不具合を解消するための復帰動作を行わせる制御手段と、を備え、前記復帰動作によって前記不具合が解消せずに復帰不能状態となった場合に、前記制御手段は、前記電気的駆動源に前記復帰動作を行わせないことを特徴とする。
前記復帰不能状態において前記演出図柄表示手段が次に前記表示演出を実施する際に、前記制御手段は、前記電気的駆動源に前記復帰動作を行わせないことを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、
前記可動役物は複数設けられており、前記復帰不能状態において複数の前記可動役物のうち前記復帰不能状態が生じる契機となった可動役物と異なる可動役物に不具合が発生した際に、前記制御手段は、前記電気的駆動源に前記復帰動作を行わせないことを特徴とする。
さらに、本発明の他の態様は、
前記始動口を有する遊技盤面を支持する本体枠に配設された発光部をさらに備え、前記復帰不能状態が発生した場合に前記発光部が発光し、該発光部は電源が遮断されるまで発光を継続して前記復帰不能状態の発生を報知することを特徴とする。
前記演出図柄表示手段が前記表示演出として前記可動役物と連動した表示演出を開始する前に、前記可動役物に不具合が発生した場合には、前記演出図柄表示手段は該表示演出とは異なる表示演出を実施することを特徴とする。
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態では、遊技者の操作に応じて遊技球を発射し、発射した遊技球が入賞口等に入球すると、賞球を払い出すパチンコ機1に本発明を適用した例について説明する。
なお、以降の説明では、遊技盤面2を正面から見て左を単に「左」と称し、遊技盤面2を正面から見て右を単に「右」と称する。また、遊技盤面2には、遊技球の流下の方向に変化を与えるように複数の遊技釘が配設されているが図示を省略する。
図1は、パチンコ機1の遊技盤面の構成を表す説明図である。この説明図は、遊技盤面2を正面から見た様子を表すものである。
図1に示すように、パチンコ機1は、始動口3、特別電動役物4、ゲート5、および普通電動役物6を備える。
始動口3は、遊技盤面2の中央部の下方に配設され、遊技盤面2を流下する遊技球が入球するように上向きに開口する。本実施形態の始動口3は、遊技球の入球が遊技者にとって有利な遊技状態である大当り状態を生起するか否かの抽選(判定)の契機となる入賞口(いわゆるヘソ)である。なお、当該抽選の方法としては、例えば、始動口3に遊技球が入球したときに乱数値を取得し、取得した乱数値が予め定められた当選となる値である大当り判定値と一致する場合には遊技状態を大当り状態とし、大当り判定値と一致しない場合には外れ状態とする方法を採用する。また、始動口3に遊技球が入賞したときに、大当り状態となったときに後述する演出図柄表示装置12に表示させる停止図柄も合わせて抽選する方法を採用する。また、始動口3の内部には、遊技球が始動口3に入球したことを検出する始動口スイッチ7が配設されている。始動口スイッチ7は、検出結果を後述する主制御装置48(広義には「第1判定手段」)に出力する。
演出図柄表示装置12は、遊技盤面2の中央部に配設され、遊技を演出する画像を表示する。遊技を演出する画像としては、例えば、複数の表示領域のそれぞれに個別に表示される演出図柄の組合せによる画像を採用する。演出図柄とは、遊技球が始動口3に入球したことを契機とする大当り状態を生起するか否かの抽選の結果の報知を演出するための図柄である。そして、演出図柄表示装置12は、後述する演出制御装置49(広義には「制御手段」「第2判定手段」)からの信号に従って、複数の表示領域のそれぞれで演出図柄を変動表示した後に停止表示し、停止表示された演出図柄の組み合わせの表示態様により、大当り状態を生起するか否かの抽選の結果を報知する。演出図柄の変動表示とは、複数種類の演出図柄をスクロールさせて表示する表示状態である。また、演出図柄の停止表示とは、スクロールされている演出図柄を停止させて表示する表示状態である。
特別図柄表示部18は、特別図柄の変動表示および停止表示を行う。特別図柄とは、遊技球が始動口3に入球したことを契機とする大当り状態を生起するか否かの抽選の結果を何ら演出することなく報知するための図柄である。特別図柄の変動表示とは、複数種類の特別図柄を順に切替表示することをいう。さらに、特別図柄の停止表示とは、切替表示されていた特別図柄を停止させて表示することをいう。そして、特別図柄表示部18は、主制御装置48からの信号に従って、変動表示後に停止表示された特別図柄の態様により、大当り状態を生起するか否かの抽選の結果を報知する。
図2は、第1可動役物14の構成を表す説明図である。この説明図は、第1可動役物14を裏面から見た様子を表すものである。
第1モータ22は、第1可動役物14が基準位置にあることを検出する第1基準位置センサ23(広義には「第1検出手段」「第2検出手段」)を備える。基準位置とは、第1可動役物14が第1状態にあるときに当該第1可動役物14が配される位置である。第1基準位置センサ23は、検出結果を演出制御装置49に出力する。図3に示すように、第1基準位置センサ23としては、例えば、光を射出する光照射部24、および光照射部24と一定距離を隔てて平行に対向配置され光照射部24から射出された光を受光する受光部25を備えたフォトセンサを採用できる。フォトセンサを採用する場合、第1可動役物14が基準位置にある場合にのみ光照射部24と受光部25との間に移動して光照射部24から出射される光を遮光するように遮光部材からなるインデックス用リブ26をクランクギア21に配設する。これにより、光照射部24から出射された光を受光部25が受光している場合には第1可動役物14が基準位置にないことを検出できる。一方、光照射部24から出射された光を受光部25が受光していない場合には第1可動役物14が基準位置にあることを検出できる。
第2可動役物15は、第1可動役物14のベース部20に配設される。図4に示すように、第2可動役物15は、ハートの形状の5つの発光部27、5つの発光部27に動力を伝達する動力伝達部28、および5つの発光部27を移動させる動力を発生する第2モータ29(広義には「電気的駆動源」)を備える。第2モータ29としては、電力で動作するステッピングモータを採用する。そして、第2可動役物15は、演出制御装置49からの信号に従って、第2モータ29を反時計回りに駆動することにより、動力伝達部28を介して5つの発光部27それぞれを移動させ、5つの発光部27が一列に並んだ第3状態とする。また、第2可動役物15は、演出制御装置49からの信号に従って、第2モータ29を時計回りに駆動することにより、動力伝達部28を介して5つの発光部27それぞれを移動させ、5つの発光部27の形状の組み合わせで桜の花の形状を形成する第4状態とする。これにより、第2可動役物15が第3状態から第4状態に変化することで、遊技を演出する動作を行う。なお、第2可動役物15は、第2可動役物15が第3状態から第4状態に変化し、当該遊技の演出が終了するごとに第3状態に復帰する。また、第2可動役物15には、第4状態になると第2モータ29を時計回りに回転させても、第2可動役物15の動力伝達部28に当接して5つの発光部27の移動を妨げるストッパを設ける。
動力伝達部28は、第2可動役物15が基準位置にあることを検出する第2基準位置センサ30(広義には「第1検出手段」「第2検出手段」)を備える。基準位置とは、第2可動役物15が第3状態にあるときに配される位置である。第2基準位置センサ30は、検出結果を演出制御装置49に出力する。第2基準位置センサ30としては、例えば、図5に示すように、光を射出する光照射部31、および光照射部31と一定距離を隔てて平行に対向配置され光照射部31から射出された光を受光する受光部32を備えたフォトセンサを採用できる。フォトセンサを採用する場合、第2可動役物15が基準位置にある場合にのみ光照射部31と受光部32との間に移動して光照射部31から出射される光を遮光するように遮光部材からなるインデックス用リブ33を動力伝達部28に配設する。これにより、光照射部31から出射された光を受光部32が受光している場合には第2可動役物15が基準位置にないことを検出できる。一方、光照射部31から出射された光を受光部32が受光していない場合には第2可動役物15が基準位置にあることを検出できる。
第3可動役物16は、演出図柄表示装置12の左方に配設される。図6に示すように、第3可動役物16は、ハートの左側部分の輪郭形状の第1シャッタ部34、第1シャッタ部34に動力を伝達する動力伝達部35、および第1シャッタ部34を移動させる動力を発生する第3モータ36(広義には「電気的駆動源」)を備える。第3モータ36としては、電力で動作するステッピングモータを採用する。そして、第3可動役物16は、演出制御装置49からの信号に従って、第3モータ36を反時計回りに回転駆動することにより、動力伝達部35を介して第1シャッタ部34を移動させ、第1シャッタ部34が演出図柄表示装置12の左方向に位置する第5状態とする。また、第3可動役物16は、演出制御装置49からの信号に従って、第3モータ36を時計回りに回転駆動することにより、動力伝達部35を介して第1シャッタ部34を移動させ、第1シャッタ部34が演出図柄表示装置12の正面の左側部分に重なった第6状態とする。第6状態では、第1シャッタ部34が演出図柄表示装置12の前面側の左側部分に重なって覆った状態となる。これにより、第3可動役物16が第5状態から第6状態に変化することで、遊技を演出する動作を行う。なお、第3可動役物16は、第3可動役物16が第5状態から第6状態に変化し、当該遊技の演出が終了するごとに第5状態に復帰する。また、第3可動役物16には、第6状態になると第3モータ36を時計回りに回転させても、第3可動役物16の第1シャッタ部34に当接して第1シャッタ部34の移動を妨げるストッパを設ける。
図7は、主制御装置48の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、主制御装置48は、入力ポート、出力ポート、CPU、ROM、およびRAM等を備える。そして、ROMに格納したプログラムに従って、始動口スイッチ7、大入賞口スイッチ9、ゲートスイッチ10、普通電動役物スイッチ11が出力する検出結果に基づき、大入賞口8、普通電動役物6の入賞口の入口の開閉を制御する信号を特別電動役物4および普通電動役物6に出力する。また、当該検出結果に基づき、遊技状態表示装置13および演出制御装置49に信号または制御コマンドを出力する。
図8に示すように、演出制御装置49は、入力ポート、出力ポート、モータドライバ、表示制御部、CPU、ROM、およびRAM等を備える。そして、ROMに格納したプログラムに従って、主制御装置48が送信する制御コマンド、および第1基準位置センサ23、第2基準位置センサ30、第3基準位置センサ37、第4基準位置センサ44が出力する検出結果に基づき、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、第4可動役物17を制御する信号を第1モータ22、第2モータ29、第3モータ36、第4モータ43に出力する。また、当該検出結果等に基づき、複数の表示領域のそれぞれに演出図柄の変動表示および停止表示を行わせる信号を演出図柄表示装置12に出力する。
具体的には、演出制御装置49は、主制御装置48が送信する制御コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等)に基づき、複数の表示領域のそれぞれに演出図柄の変動表示および停止表示を行わせる信号を演出図柄表示装置12に出力する。これにより、演出図柄表示装置12が、遊技を演出する画像を表示する。
次に、演出制御装置49が実行する第2処理について図9を参照して説明する。
図9に示すように、第2処理では、ステップS101で、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17が復帰不能状態であるか否かを判定する。復帰不能状態とは、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のいずれかに復帰不可能な障害が生じている状態である。
続いて、演出制御装置49は、読み出した第1フラグのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。そして、フラグ値が「1」であると判定した場合には(Yes)復帰不能状態であると判定し、この演算処理を終了する。一方、フラグ値が「1」ではないと判定した場合には(No)復帰不能状態ではないと判定し、ステップS102に移行する。
これにより、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のいずれかに復帰不可能な障害が生じている場合に、後述するエラー復帰処理の実行を回避できる。エラー復帰処理とは、可動役物を基準位置に戻す処理である。
具体的には、演出制御装置49は、第1基準位置センサ23、第2基準位置センサ30、第3基準位置センサ37、および第4基準位置センサ44の検出結果を取得する。
これにより、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のいずれかでエラーが発生している場合に、エラー復帰処理を実行できる。また、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17いずれにもエラーが発生していない場合にはエラー復帰処理を回避できる。
具体的には、演出制御装置49は、第1モータ22を時計回りに回転駆動させる信号を第1可動役物14に出力する。第1モータ22の回転量は、第1可動役物14を第1状態から第2状態に変化させるのに必要な量とする。これにより、第1モータ22が回転駆動され、第1可動役物14が第1状態である場合には、第1可動役物14を第2状態に変化させることができる。また、第1可動役物14が第1状態になく、第1状態と第2状態との間にある場合には、第1可動役物14が第2状態になると、第1可動役物14のベース部20がストッパに当接してベース部20の移動が妨げられ、第2状態が維持される。続いて、演出制御装置49は、第1モータ22を反時計回りに回転駆動させる信号を第1可動役物14に出力する。第1モータ22の回転量は、第1可動役物14を第2状態から第1状態に変化させるのに必要な量とする。これにより、第1可動役物14を第1状態に変化させることができる。その結果、第1可動役物14を基準位置に戻すことができる。
なお、本実施形態では、第1モータ22、第2モータ29、第3モータ36、第4モータ43の順にエラー復帰処理を実行する例を説明したが、他の構成を採用することもできる。例えば、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16および第4可動役物17のうちから、エラーが発生している可動役物を特定し、特定した可動役物のモータに優先的にエラー復帰処理を実行するようにしてもよい。この場合、エラーが発生していない可動役物にとっては再確認処理として扱うものである。また、エラーの発生履歴を記録し、記録した履歴に対応してエラー復帰処理の順番を設定してもよい。
具体的には、演出制御装置49は、第1基準位置センサ23、第2基準位置センサ30、第3基準位置センサ37、および第4基準位置センサ44の検出結果を取得する。
続いて、演出制御装置49は、取得した検出結果をもとに、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17の全てが基準位置にあるか否かを判定する。そして、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17の全てが基準位置にあると判定した場合には(Yes)エラー復帰処理が成功したと判定し、この演算処理を終了する。一方、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のいずれかが基準位置にないと判定した場合には(No)失敗したと判定し、ステップS105に移行する。
これにより、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のいずれかに復帰不可能な障害が生じていることを検出できる。
具体的には、演出制御装置49は、RAMに格納されている第1フラグのフラグ値を「1」に設定し、この演算処理を終了する。
これにより、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のいずれかに復帰不可能な障害が生じていることを判定できる。
なお、演出制御装置49は、第1フラグのフラグ値が「1」である場合には、遊技盤面2を支持する本体枠に配設された図示しない遊技状態報知LEDを点灯させる。遊技状態報知LEDの点灯は、演出制御装置49の電源が遮断されるまで継続させる。
これにより、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のいずれかに復帰不可能な障害が発生したことを遊技場に報知できる。
次に、第1実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
まず、遊技球が始動口3に入球すると、始動口スイッチ7が、入球を表す検出結果を主制御装置48に出力する。続いて、主制御装置48が、始動口スイッチ7の検出結果に基づき、遊技球が始動口3に入球したと判定し、大当り決定乱数カウンタから乱数値を取得し、大当り状態を生起するか否かの抽選(判定)を行う。続いて、主制御装置48が、当該抽選(判定)結果に応じた信号を遊技状態表示装置13の特別図柄表示部18に出力し、当該抽選(判定)結果に応じた制御コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等)を演出制御装置49に送信する。続いて、演出制御装置49が、主制御装置48が送信した制御コマンドに応じた信号を演出図柄表示装置12に出力する。
これにより、演出図柄表示装置12で演出図柄の変動表示および停止表示が行われ、遊技を演出する画像の表示が行われて、抽選結果の報知の演出が行われる。
これにより、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、第4可動役物17のいずれかが動作して第2状態、第4状態、第6状態または第8状態とされ、遊技を演出する動作が行われて、抽選結果の報知の演出が行われる。
これにより、エラー復帰処理を行う際に、2以上のモータが同時に動作することを防止でき、モータによって使用される電流が制限値を超えることを防止できる。
これにより、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、第4可動役物17のいずれかに発生したエラーを解消でき、第1処理に復帰できる。
これにより、大当り状態を生起するか否かの抽選結果の報知の演出を継続でき、遊技を演出するための画像の表示を継続できる。それゆえ、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のいずれかに不具合が発生したことを遊技者が気づくことを防止でき、遊技者が遊技を中断することを防止できる。
なお、第2処理の実行中、つまり、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、第4可動役物17による演出を中止しているときにも、演出制御装置49は、演出図柄表示装置12で演出図柄の変動表示および停止表示を継続して実行する。
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の遊技機は、現在動作中のモータが設定数未満である場合には、遊技を演出する動作を可動役物に継続させ、且つ可動役物のうち不具合が発生した可動役物のモータに復帰動作を行わせる点が前記第1実施形態と異なる。
なお、前記第1実施形態と同様な構成については、同一の符号を付して説明する。
具体的には、演出制御装置49(広義には「第3検出手段」「制御手段」)は、主制御装置48が送信する制御コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等)に基づき、複数の表示領域のそれぞれに演出図柄の変動表示および停止表示を行わせる信号を演出図柄表示装置12に出力する。これにより、演出図柄表示装置12が、遊技を演出する画像を表示し、大当り状態を生起させるか否かの抽選結果の報知の演出を行う。
図10は、演出制御装置49が実行する第3処理を表すフローチャートである。
第3処理では、まず、ステップS201で、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17が復帰不能状態であるか否かを判定する。
具体的には、演出制御装置49は、まず、RAMから第1フラグを読み出す。
続いて、演出制御装置49は、読み出した第1フラグのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。そして、フラグ値が「1」であると判定した場合には(Yes)復帰不能状態であると判定し、この演算処理を終了する。一方、フラグ値が「1」ではないと判定した場合には(No)復帰不能状態ではないと判定し、ステップS202に移行する。
具体的には、演出制御装置49は、第1基準位置センサ23、第2基準位置センサ30、第3基準位置センサ37、および第4基準位置センサ44の検出結果を取得する。
具体的には、演出制御装置49は、前記ステップS203で検出された現在動作中のモータの数が設定数未満であるか否かを判定する。そして、現在動作中のモータの数が設定数未満である場合には(Yes)ステップS205に移行する。一方、現在動作中のモータの数が設定数以上である場合には(No)ステップS207に移行する。
具体的には、演出制御装置49は、エラー可動役物に遊技動作を行わせる信号の送信を禁止する。なお、エラー可動役物に遊技動作を行わせる信号の送信が禁止されても、演出制御装置49は、遊技を演出する画像の表示を演出表示装置12に継続させ、遊技を演出する動作を不具合が発生していない可動役物にも継続させる。
具体的には、演出制御装置49は、第1可動役物14がエラー可動役物である場合には、第1モータ22を時計回りに回転駆動させる信号を第1可動役物14に出力する。第1モータ22の回転量は、第1可動役物14を第1状態から第2状態に変化させるのに必要な量とする。これにより、第1モータ22が回転駆動され、第1可動役物14が第1状態である場合には、第1可動役物14を第2状態に変化させることができる。また、第1可動役物14が第1状態になく、第1状態と第2状態との間にある場合には、第1可動役物14が第2状態になると、第1可動役物14のベース部20がストッパに当接してベース部20の移動が妨げられ、第2状態が維持される。続いて、演出制御装置49は、第1モータ22を反時計回りに回転駆動させる信号を第1可動役物14に出力する。第1モータ22の回転量は、第1可動役物14を第2状態から第1状態に変化させるのに必要な量とする。これにより、第1可動役物14を第1状態に変化させることができる。その結果、第1可動役物14を基準位置に戻すことができる。
エラー復帰処理が終了すると、演出制御装置49は、ステップS209に移行する。
具体的には、演出制御装置49は、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17に遊技動作を行わせる信号の送信を禁止する。なお、遊技動作を行わせる信号の送信が禁止されても、演出制御装置49は、遊技を演出する画像の表示を演出表示装置12に継続させる。
具体的には、演出制御装置49は、前記ステップS103のエラー復帰処理と同様の処理を実行し、前記ステップS209に移行する。
前記ステップS209では、エラー復帰処理が成功したか否かを判定する。
具体的には、演出制御装置49は、第1基準位置センサ23、第2基準位置センサ30、第3基準位置センサ37、および第4基準位置センサ44の検出結果を取得する。
フラグ値の設定が終了すると、演出制御装置49は前記ステップS211に移行する。
前記ステップS211では、可動役物による演出動作の禁止を解除する。
具体的には、演出制御装置49は、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17に遊技動作を行わせる信号の送信を許可し、この演算処理を終了する。
次に、第2実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
まず、遊技球が始動口3に入球すると、始動口スイッチ7が、入球を表す検出結果を主制御装置48に出力する。続いて、主制御装置48が、始動口スイッチ7の検出結果に基づき、遊技球が始動口3に入球したと判定し、大当り決定乱数カウンタから乱数値を取得し、大当り状態を生起するか否かの抽選(判定)を行う。続いて、主制御装置48が、当該抽選(判定)結果に応じた信号を遊技状態表示装置13の特別図柄表示部18に出力し、当該抽選(判定)結果に応じた制御コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等)を演出制御装置49に送信する。続いて、演出制御装置49が、主制御装置48が送信した制御コマンドに応じた信号を演出図柄表示装置12に出力する。また、制御コマンドに応じた信号を、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のうちの、制御対象となる可動役物に出力する。
これにより、演出図柄表示装置12で演出図柄の変動表示および停止表示が行われ、遊技を演出する画像の表示が行われて、抽選結果の報知の演出が行われる。また、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、第4可動役物17のいずれかで、遊技を演出する動作が行われ、抽選結果の報知の演出が行われる。
ここで、エラー復帰処理の実行後に、第1基準位置センサ23、第2基準位置センサ30、第3基準位置センサ37、第4基準位置センサ44のそれぞれで第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17が基準位置にあることが検出されたとする。すると、演出制御装置49が、エラー復帰処理が成功したと判定する(ステップS209「Yes」)。続いて、演出制御装置49が、エラー可動役物に遊技動作を行わせる信号の送信が許可され、この演算処理が終了する(ステップS211)。
なお、第3処理の実行中にも、演出制御装置49は、演出図柄表示装置12によって遊技を演出する動作とは異なる制御である演出図柄の変動表示および停止表示等の遊技を演出する画像の表示を継続して実行する。また、演出制御装置49は、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のうちのエラー可動役物以外の可動役物で、遊技を演出する動作である演出動作を継続して実行する。
また、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17で演出動作を継続できる。それゆえ、第1可動役物14、第2可動役物15、第3可動役物16、および第4可動役物17のいずれかに不具合が発生したことを遊技者が気づくことを防止でき、遊技者が遊技を中断することをより確実に防止できる。
なお、本実施形態では、図8の演出制御装置49、図10のステップS203が第3検出手段を構成する。また、図8の演出制御装置49、図10のステップS202、S204〜S206が制御手段を構成する。
3 始動口
12 演出図柄表示装置(広義には「演出図柄表示手段」)
14 第1可動役物(広義には「複数の可動役物」)
15 第2可動役物(広義には「複数の可動役物」)
16 第3可動役物(広義には「複数の可動役物」)
17 第4可動役物(広義には「複数の可動役物」)
22 第1モータ(広義には「電気的駆動源」)
23 第1基準位置センサ(広義には「第1検出手段」「第2検出手段」)
29 第2モータ(広義には「電気的駆動源」)
30 第2基準位置センサ(広義には「第1検出手段」「第2検出手段」)
36 第3モータ(広義には「電気的駆動源」)
37 第3基準位置センサ(広義には「第1検出手段」「第2検出手段」)
43 第4モータ(広義には「電気的駆動源」)
44 第4基準位置センサ(広義には「第1検出手段」「第2検出手段」)
48 主制御装置(広義には「第1判定手段」)
49 演出制御装置(広義には「制御手段」「第2判定手段」「第3検出手段」)
ステップS103(広義には「制御手段」)
ステップS203(広義には「第3検出手段」)
ステップS202、S204〜S206(広義には「制御手段」)
Claims (5)
- 遊技球が入球する始動口と、
前記始動口への遊技球の入球に基づいて遊技者に有利な遊技状態である大当り状態を生起させるか否かの判定を行う判定手段と、
所定の表示領域に遊技を演出する画像を表示する表示演出を実施する演出図柄表示手段と、を備え、
前記判定手段で行われた判定の結果を前記表示演出で表示する画像の表示態様により報知する遊技機であって、
電気的駆動源によって駆動され、前記表示演出を実施する動作とは異なる動作である遊技を演出する動作を行う可動役物と、
前記可動役物が前記遊技を演出する動作を開始する前に前記可動役物に不具合が発生していると判定されたことに基づいて、前記表示演出を前記演出図柄表示手段に実施させながらも、前記電気的駆動源に前記不具合を解消するための復帰動作を行わせる制御手段と、を備え、
前記復帰動作によって前記不具合が解消せずに復帰不能状態となった場合に、前記制御手段は、前記電気的駆動源に前記復帰動作を行わせないことを特徴とする遊技機。 - 前記復帰不能状態において前記演出図柄表示手段が次に前記表示演出を実施する際に、前記制御手段は、前記電気的駆動源に前記復帰動作を行わせないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記可動役物は複数設けられており、
前記復帰不能状態において複数の前記可動役物のうち前記復帰不能状態が生じる契機となった可動役物と異なる可動役物に不具合が発生した際に、前記制御手段は、前記電気的駆動源に前記復帰動作を行わせないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記始動口を有する遊技盤面を支持する本体枠に配設された発光部をさらに備え、
前記復帰不能状態が発生した場合に前記発光部が発光し、該発光部は電源が遮断されるまで発光を継続して前記復帰不能状態の発生を報知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記演出図柄表示手段が前記表示演出として前記可動役物と連動した表示演出を開始する前に、前記可動役物に不具合が発生した場合には、前記演出図柄表示手段は該表示演出とは異なる表示演出を実施することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の遊技機。
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