JP5022569B2 - インターホンシステム - Google Patents

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本発明は、インターホン親機とドアホン子器とを、表示駆動信号線と信号線とを介して接続して構成したインターホンシステムの改良に関する。
この種のインターホンシステムは、集合住宅などで使用されており、既に公知である。
図8は、下記特許文献1に示すインターホンシステムの基本構成を示している。
各住戸の玄関先に設置されたドアホン子器100と、住戸内に設置されたインターホン親機200とは、2線式の信号線C1と2線式の表示駆動信号線C2とで接続されており、ドアホン子器100の呼出釦(不図示)を操作して、住戸を呼び出せば、親機200側で呼出音を鳴動させて、住戸人が応答すれば、玄関先の客と住戸人との間で所定時間の通話が出来るようになっている。
ここに、ドアホン子器100は、通話回路部110、電源回路部111、多重分離回路部112、警報表示灯113、警報表示灯駆動回路部114を備え、通話のための通話回路部110には、マイクMICを通じて入力された音声信号を増幅するマイクアンプA1、通話回路部110を通じて出力される音声信号を増幅し、スピーカSPに出力するスピーカアンプA2を備えている。
また、一方のインターホン親機200は、通話のための通話回路部210、電源回路部211、多重分離回路部212、親機200で異常を検知した場合に、ドアホン子器100に警報を出力するための警報音信号送出回路部213、ドアホン子器100の警報表示灯113を表示駆動させるための表示駆動信号送出回路部214、火災感知器、防犯センサなどのセキュリティーセンサ(不図示)が接続される異常事象発生感知部215とを備え、通話回路部210には、マイクMICを通じて入力された音声信号を増幅するマイクアンプA1、通話回路部210を通じて出力された音声信号を増幅し、スピーカSPに出力するスピーカアンプA2を備える。
また、ドアホン子器100とインターホン親機200とを接続している2線式の信号線C1は、通話のための音声信号、システムの制御信号、ドアホン子器100への駆動電源が多重化されて伝送され、ドアホン子器100の多重分離回路部112、あるいは、インターホン親機200の多重分離回路部212で、これらの信号が多重化され、あるいは分離されている。
そして、このようなシステムでは、親機200では、セキュリティーセンサの異常を検知すると、信号線C1を通じて警報音信号を出力するとともに、表示駆動信号線C2を通じて表示駆動信号が送出され、その結果、ドアホン子器100は、戸外に向けて警報音を出力するとともに、警報表示灯113を表示して、報知を行うことが出来る。
特許3414036号公報
ところで、このようなシステムにおいて、ドアホン子器より警報音を出力して戸外の人に異常を知らせる場合には、騒音を考慮すると、警報音の音量を大きくする必要がある。
しかしながら、インターホン親機からドアホン子器に送出する警報音の信号レベルを単に大きくした場合には、信号線に多重されインターホン親機からドアホン子器へ供給される給電電圧の上限値の制限があるのでその影響を受け、警報音の波形に歪みを生じるおそれがあるという第1の問題点と、ドアホン子器内で警報音信号を増幅するスピーカアンプへの入力が過大となって、スピーカアンプの出力がクリップされ、警報音が歪んでしまうという第2の問題点があった。
本発明はこのような問題を解決するために提案され、警報音に歪みを生じさせることなく、簡易な構造で大音量の警報音をドアホン子器より出力させることのできるインターホンシステムを提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1では、異常監視機能を備えたインターホン親機と、スピーカとスピーカアンプと警報表示灯とを有し、上記インターホン親機から駆動電源の供給を受けて作動するドアホン子器とを、信号線と表示駆動信号線とを介して接続し、上記インターホン親機が異常を検知したときには、上記ドアホン子器には上記信号線を通じて警報音信号を送出して警報音を出力させるとともに、上記表示駆動信号線を通じて表示駆動信号を送出して、ドアホン子器の警報表示灯を点灯駆動させる構成としたインターホンシステムにおいて、上記インターホン親機、上記ドアホン子器間の通話ための音声信号は、上記警報音信号が伝送される信号線によって伝送され、上記インターホン親機は、上記表示駆動信号に音声信号利得切換信号を含ませて、上記表示駆動信号線を通じて送出するための表示駆動信号送出手段を備え、かつ、上記ドアホン子器は、上記インターホン親機から送出されて来る音声信号利得切換信号を検出して、上記スピーカアンプの利得を増大させる音声信号利得切換手段を備え、上記音声信号利得切換手段が上記スピーカアンプの利得を増大させている間は、少なくとも上記警報表示灯の発光輝度が大きくされるか、または点滅周期が短くされることを特徴とする
請求項2では、上記表示駆動信号送出手段は、表示駆動信号の電圧レベルを変化させることで上記音声信号利得切換信号を生成しており、上記音声信号利得切換手段は、上記表示駆動信号の電圧レベルを判別して、上記スピーカアンプの利得を増大させる構成にしている。
請求項3では、上記表示駆動信号送出手段は、表示駆動信号の周波数を変化させることで音声信号利得切換信号を生成しており、上記音声信号利得切換手段は、上記表示駆動信号の周波数を判別して、上記スピーカアンプの利得を増大させる構成にしている。
請求項4では、上記ドアホン子器はテレビカメラを更に備えており、上記音声信号利得切換手段は、上記音声信号利得切換信号を検出したときには、上記テレビカメラの電源供給を停止する構成としている。
請求項1によれば、ドアホン子器に内蔵されているスピーカアンプの利得を大きくするので、信号レベルを大きくした警報音信号をドアホン子器側に伝送する必要がないため、親機からドアホン子器への給電電圧の上限値の制限の影響で警報音信号がひずむことはなく、また、ドアホン子器側でも、スピーカを駆動するアンプの入力が過大になることはないので、玄関先から戸外に出力される警報音のレベルを大きくしても、歪ませることがない。
請求項2、3によれば、表示駆動信号の電圧レベルもしくは周波数レベルを変化させることで、表示駆動信号に音声信号利得切換信号を重畳させているので、制御信号の生成が容易であり、インターホン親機や、ドアホン子器の回路構成も簡易化できる。
請求項4によれば、スピーカアンプの利得を大きくしている間は、内蔵されるテレビカメラの駆動を停止させるので、カメラ駆動電源をスピーカアンプに回すことができる。
そのため、スピーカアンプの電源不足も発生せず、大音量の警報音を安定して出力することが出来る。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明システムの基本構成の一例を示すブロック図である。このシステムでは、ドアホン子器1と、インターホン親機2とを、それぞれ、2線式の信号線C1と2線式の表示駆動信号線C2とで接続し、ドアホン子器1は、親機2との通話のための通話回路部10、電源回路部11、多重分離回路部12、住戸内で異常が発生したときに戸外に警報を報知する警報表示灯13、警報表示灯駆動回路部14、音声信号利得切換手段15を備えている。インターホンシステムとしての基本動作については、従来の技術で説明したインターホンシステムと同様であるため、以下では説明を省略する。
音声信号利得切換手段15は、利得切換信号検出回路部15aと利得切換回路部15bとを備え、利得切換信号検出回路部15aは、表示駆動信号線C2を通じて親機2から送出されてくる表示駆動信号から音声信号利得切換信号を検出するようになっている。
また、通話回路部10には、マイクMICを通じて入力された音声信号を増幅するマイクアンプA1、通話回路部10を通じて出力された音声信号を増幅しスピーカSPに出力するゲイン可変型のスピーカアンプA2を備えており、利得切換回路部15bは、利得切換信号検出回路部15aが利得切換信号を検出したときには、スピーカアンプA2の利得を増大させることが出来、そのため、スピーカアンプA2の利得は可変できる構成になっている。
一方のインターホン親機2は、火災センサ、防犯センサ、ガス漏れセンサ、非常用押釦などの各種セキュリティーセンサSを接続した異常事象発生感知部25、通話回路部20、電源回路部21、多重分離回路部22、異常事象発生感知部25が異常を検知したときに警報音信号を出力する警報音信号送出回路部23、表示駆動信号送出手段24を備え、通話回路部20には、マイクMICを通じて入力された音声信号を増幅するマイクアンプA1、通話回路部20を通じて出力された音声信号を増幅しスピーカSPに出力するスピーカアンプA2を備えている。
ここに、表示駆動信号送出手段24は、表示駆動信号に音声信号利得切換信号を含ませてドアホン子器1に送出する構成となってり、この態様については後述する。
図2のステップ100〜112は、本発明システムの基本動作を示すフローチャートである。
住戸内で異常が発生し(100)、親機2が異常を検出すると、親機2では、表示駆動信号送出手段24から警報音信号と表示駆動信号とが表示駆動信号線C2を通じてドアホン子器1に送出されるが(101,102)、本発明では、このとき生成される表示駆動信号に音声信号利得切換信号を含ませて送出する構成にしている。
ドアホン子器1では、警報音信号を受け警報音が出力され(105)、同時に、警報表示灯駆動回路部14が表示駆動信号を受けているので、、警報表示灯13が警報表示され(106)、同時に音声信号利得切換手段15では音声信号利得切換信号が検出され(103)、スピーカアンプA2の利得が増大される(104)。なお、表示駆動信号に音声信号利得切換信号が含まれていなければ、警報表示灯駆動回路部14のみが警報表示灯13を警報表示する(106)。
ここで、警報表示灯13の警報表示態様は、点灯のみではなく、点滅する態様も含まれる。
本発明では、このようにして、ドアホン子器1は、警報表示灯13を警報表示する際に、音声信号利得切換手段15によってスピーカアンプA2の利得を増大させているので、スピーカSPから戸外に向けて大音量の警報音を出力するが、親機2が警報音停止指令を受け付けると、警報音信号の送出は停止される(107)。また、表示駆動信号に音声信号利得切換信号を含ませるのを中止する(108)。
その結果、ドアホン子器1では、音声信号利得切換手段15は音声信号利得切換信号を検出しなくなるために(109)、音声信号利得切換手段15はスピーカアンプA2の利得を元の状態に復帰させる(111)。また、警報音信号が入力されないために警報音出力を停止する(112)。
しかし、その時点では、親機2からの表示駆動信号自体は入力されているため、警報表示は続けるが(110)、親機2が警報復旧操作を受け付けると、表示駆動信号自体の入力も検出しなくなるため、警報表示灯13による警報表示も停止して、システムは監視状態、通話待機状態に戻る。
ここに示すシステムの動作は、一例であって、それ以外の基本動作の実施を妨げるものではない。
例えば、警報音停止と、警報表示を停止させる動作を区別せずに、親機2で復旧操作を受け付けたときに、警報音、警報表示を同時に停止し、終了させるようにしてもよい。
図3,4は、本発明システムで採用されている、表示駆動信号に含ませて音声信号利得切換信号を送出する例を示している。図3では、音声信号利得切換信号は、表示駆動信号の電圧レベルをVbからVaへと大きく変化させることで生成しており、図4では、表示駆動信号の周波数を、FbからFaへと高く変化させることで生成している。
図3のような例、図4のような例では、警報音の出力音量を増大させたときに、同時に警報表示灯13の発光輝度を大きくしたり、点滅周期を短く変化させることが出来るので、視覚による異常の判別もより明確になるという利点がある。
図5、図6は、本発明システムの更に詳細な構成を示している。
図5は、図3に示す方法を適用した本発明システムの基本構成例を示すブロック図である。このシステムでは、図1の基本構成に対して、音声信号利得切換手段15には、信号波高値検出回路部15aと、利得切換回路部15bと、カメラ駆動回路部15cを設けている。また、このものはテレビインターホンシステムを構成するため、ドアホン子器1には、カメラ30、映像信号処理部17を別途設けている。カメラ30はドアホン子器1から信号線C1を通じて給電されてくる駆動電源で駆動するようにしており、カメラ駆動回路部15cの制御により開閉されるスイッチング回路31を備える。また、インターホン親機2にもテレビインターホンを構成するため、映像信号処理部26、CRTや液晶モニタで構成された表示部27を備える。
このような構成によれば、信号波高値検出回路部15aにより、電圧レベルの相違によって表示駆動信号を検出すると、利得切換回路部15bを制御して、ドアホン子器1のスピーカアンプA2の利得を大きくする。これとともに、カメラ駆動回路部15cに対して音声信号利得切換信号を受け付けた旨を通知し、スイッチング回路31を開制御させ、カメラ30の駆動を停止させる。
信号波高値検出回路部15aは、たとえば、コンパレータ、マイコンで構成できる。コンパレータで構成すれば簡易に信号波高値検出回路部15aを構成でき、マイコンで構成すれば、既存のマイコンに空きポートがあれば実行ソフトウェアの変更のみで信号波高値検出回路部15aを構成できる。
図7は、信号線C1上を伝送される多重信号の信号フォーマットを示している。この例では、映像信号の伝送を行なうテレビインターホンシステムを想定しているので警報音信号が100〜10KHz、映像信号が1M〜10MHz、ドアホン子器1より警報音出力させるなど、システムに使用される各種の制御信号がこれらを越える周波数に割り当ててて多重化され、伝送されるようになっている。なお、システムに使用される各種の制御信号の周波数帯は、図示したものに限定されず、映像信号、音声信号とは重複しない周波数帯であれば、どの帯域を使用してもよい。
図6は、図4に示す方法を適用した本発明システムの基本構成の更に他例を示すブロック図である。このシステムでは、図1の基本構成に対して、音声信号利得切換手段15には、信号周期検出回路部15aと、利得切換回路部15bと、カメラ駆動回路部15cとを設けている。また、テレビインターホンシステムを構成するため、カメラ30、映像信号処理部17を別途設けている。
ここに、カメラ30はドアホン子器1からの駆動電源で駆動するようにしており、カメラ駆動回路部15cの制御により開閉されるスイッチング回路31を備える。また、親機2には、テレビインターホンを構成するため、映像信号処理部26、表示部27を備える。
このような構成によれば、信号周期検出回路部15aにより周波数の相違する表示駆動信号を検出すると、利得切換回路部15bを制御し、スピーカアンプA2の利得を大きくする。これとともに、カメラ駆動回路部15cに対して音声信号利得切換信号を受け付けたことを通知し、スイッチング回路31を開制御させ、カメラ30の駆動を停止させる。
信号周期検出回路部15aは、表示駆動信号の受け付け時から所定時間内におけるサンプリング動作などで周波数を判別するが、所定時間のサンプリング動作により周波数の相違を検出するので、ノイズなどの影響を受けても検出精度の低下を防止できる。
サンプリング動作では、その時間内の表示駆動信号のパルス数(オンあるいはオフの回数)をカウントして平均周期を求めるなどの方法が採用でき、したがって、周期の検出にコンパレータなどの簡易な回路構成で対応できる。
表示駆動信号のパルス数をカウントして、その平均周期が通常の表示駆動信号と相違する場合には音声信号利得切換信号と判断し、利得切換動作を行ってから所定時間内、たとえば、親機2側で警報音の復旧操作があり警報音の復帰信号を受け付けるまでは、周波数の判別動作を停止するとともに、スピーカアンプの利得を切り換えたままの状態に保持することもでき、そのような場合、スピーカアンプの利得を所定時間の間切り換えている間は、信号周期検出回路部15aの処理負担の軽減ができるだけでなく、表示駆動信号がノイズなどの影響を受けて信号波形が乱れても、利得が誤って切換えられることを防止できる。
本発明のインターホンシステムの基本構成の一例を示すブロック図 本発明システムの基本動作の一例を示すフローチャート 音声信号利得切換信号を含ませた表示駆動信号の信号フォーマットの一例を示す図 音声信号利得切換信号を含ませた表示駆動信号の信号フォーマットの他例を示す図 本発明をテレビインターホンシステムに適用した場合のシステムの基本構成を示したブロック図 本発明をテレビインターホンシステムに適用した場合のシステムの他の基本構成を示したブロック図 信号線上を伝送される信号伝送フォーマットの周波数構成を示す図 従来のインターホンシステムの構成を示すブロック図
符号の説明
1 ドアホン子器
2 インターホン親機
A2 スピーカアンプ
15 音声信号利得切換手段
24 表示駆動信号送出手段
C1 信号線
C2 表示駆動信号線

Claims (4)

  1. 異常監視機能を備えたインターホン親機と、スピーカとスピーカアンプと警報表示灯とを有し、上記インターホン親機から駆動電源の供給を受けて作動するドアホン子器とを、信号線と表示駆動信号線とを介して接続し、上記インターホン親機が異常を検知したときには、上記ドアホン子器には上記信号線を通じて警報音信号を送出して警報音を出力させるとともに、上記表示駆動信号線を通じて表示駆動信号を送出して、ドアホン子器の警報表示灯を点灯駆動させる構成としたインターホンシステムにおいて、
    上記インターホン親機、上記ドアホン子器間の通話のための音声信号は、上記警報音信号が伝送される上記信号線によって伝送され、
    上記インターホン親機は、上記表示駆動信号に音声信号利得切換信号を含ませて、上記表示駆動信号線を通じて送出するための表示駆動信号送出手段を備え、かつ
    上記ドアホン子器は、上記インターホン親機から送出されて来る音声信号利得切換信号を検出して、上記スピーカアンプの利得を増大させる音声信号利得切換手段を備え、上記音声信号利得切換手段が上記スピーカアンプの利得を増大させている間は、少なくとも上記警報表示灯の発光輝度が大きくされるか、または点滅周期が短くされることを特徴とするインターホンシステム。
  2. 請求項1において、
    上記表示駆動信号送出手段は、上記表示駆動信号の電圧レベルを変化させることで上記音声信号利得切換信号を生成しており、
    上記音声信号利得切換手段は、上記表示駆動信号の電圧レベルを判別して、上記スピーカアンプの利得を増大させる構成にしているインターホンシステム。
  3. 請求項1において、
    上記表示駆動信号送出手段は、上記表示駆動信号の周波数を変化させることで音声信号利得切換信号を生成しており、
    上記音声信号利得切換手段は、上記表示駆動信号の周波数を判別して、上記スピーカアンプの利得を増大させる構成にしているインターホンシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    上記ドアホン子器はテレビカメラを更に備えており、上記音声信号利得切換手段は、上記音声信号利得切換信号を検出したときには、上記テレビカメラの電源供給を停止する構成としているインターホンシステム。
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