JP5022024B2 - エラストマー製板状成形品の製造用金型装置 - Google Patents

エラストマー製板状成形品の製造用金型装置 Download PDF

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Description

本願発明は、エラストマー製板状成形品を射出成形法によって製造するのに使用する金型装置に関するものである。
射出成形法は樹脂製品の製法として極めて広く使用されている。射出成形法には密着・離反する金型で構成された金型装置が使用されており、両金型の合わせ面に形成されたキャビティに溶融した材料(樹脂)を注入し、次いで、樹脂が固まってから両金型を離反して型抜きする、という工程を基本にしており、製品の形状や材料等に応じて金型や工程に様々の工夫が施されている。なお、金型装置は一般に固定型と移動型とから成っており、一種の現場用語として固定型を「キャビ」と呼んで移動型を「コア」と呼ぶことある。
そして、成形された製品は固定型と移動型とを型開きしてから、移動型から突き出されている(型抜きされている)。突き出しは移動型に突き出し手段を設けることで行っており、突き出し手段としては、突き出しピンを用いたもの、エアー(圧縮空気)を使用したもの、ストリッパープレートを使用したもの、或いはこれらを併用したものなどがある。エアーによる突き出しは一般に小型製品に使用されており、板状の小型製品の突き出しにエアーを使用した例として例えば特許文献1がある。
ところで、椅子の多くは樹脂を素材にして射出成形法で製造された部品を多数使用しており、椅子における樹脂成形品の例として背もたれ板がある。背もたれ板は外部に露出したむき出しのタイプとクッションが張られたタイプとがあり、後者はインナーシェル(背もたれ用のインナーシェル)と称されることもある。そして本願出願人は、特にむき出しタイプの背もたれ板に好適なものとして、特許文献2において、エラストマーを素材としたものを提案し、更に、特許文献2では、適度の柔軟性と剛性とを保持しつつ身体への柔らかさや通気性を保持するための手段として、前面に多数本の縦リブ(上下長手のリブ)が形成されている形態を開示した。
特開平8−221813号公報 特願2005−346602号
既述のように射出成形法における突き出し方法には幾通りかあるが、一般に、突き出し手段は移動型に設けており、製品は移動型から突き出されている。従って、型開きした後において製品は固定型から全体が離反して移動型に保持されている必要がある。そうでないと、固定型に製品が残ったままで次の成形(ショット)が行われることになり、重大なトラブルの原因になる。さりとて、一々作業員が監視するのでは自動化にならずにコストがみ、現実性に欠ける。
ところが、特許文献2に開示されたエラストマー製の背もたれ板を従来の射出成形法によって製造してみたところ、成形後の背もたれ板が型開き後に全体的又は部分的に固定型に貼り付いたままに残る現象が見られた。この型離れの悪さの原因は、第1にエラストマーが粘着性を持っていることにあり、更に、背もたれ板の前面に多数のリブがあることに基因して成形収縮による固定型との離型抵抗が大きいことで問題が増幅されていると言える。
本願発明はこの問題を契機として成されたものであり、エラストマーを素材とした板状成形品確実に型抜きできる装置を提供することを目的としている。
本願発明は金型装置に係り、この金型装置は、エラストマー製板状成形品の表面側に重なる形状の固定型と、前記成形品の裏面側に重なる形状でかつ前記成形品に対する突き出し手段が備えられた移動型とを有しており、前記両金型を密着させた状態で、それら両金型の合わせ面に、前記成形品を成形するためのキャビティが形成されており、更に、前記固定型のうち前記キャビティの箇所に、当該固定型に密着した成形品に向けて圧縮気体を噴出させる噴気手段が点在した状態で設けられている、という基本構成である。
そして、請求項1の発明では、前記成形品は、基板の前後両面に上下長手で高さが高い部位を有するリブの群が略同じ方向に延びるように多数本形成されている形態であり、このため前記両金型のキャビティには、前記リブに対応して深さが深い部位を有するリブ成形用の縦溝が多数本形成されており、前記噴気手段は、前記固定型におけるキャビティのうち前記縦溝の深さが深い部分に多く設けられている。
本願発明の金型装置は更に展開できる。その例として請求項の発明では、請求項において、前記移動型の突き出し手段は多数本の突き出しピンである一方、前記固定型の噴気手段は圧縮空気を噴出させる噴気ノズルになっている。
本願発明によると、型開きに先立って固定型と成形品との間に圧縮空気等の圧縮気体(圧縮ガス)が噴出されることにより、成形品と固定型との間にごく薄い空気層が形成され、その結果、固定型に対する製品の密着性が解除される。従って、型開きすると成形品は固定型から確実に離れて移動型に残ったままとなり、このため成形品を突き出し手段によって確実に突き出して型抜きする(金型装置の外に排除する)ことができる(なお、型開き後に移動型から突き出し手段で突き出す前に成形品が両型から落下することは差し支えない)。
従って、リブ付きで広い面積のエラストマー製板状成形品であっても、型抜きを確実ならしめて自動操業による製造が可能になる。また、製品(成形品)が圧縮空気によって損傷を受けることは全くないため、製品の品質には何ら影響はない。
成形の現場には一般に圧縮空気が様々の用途に使用されているので、請求項2のように圧縮気体として圧縮空気を使用すると経済的である。また、圧縮気体を固定型と成形品との間に噴出させる方法として、例えば成形品の縁から圧縮空気を吹き込むといったことも可能であるが、請求項のように固定型のキャビティに噴気手段を点在させると、圧縮空気が各噴気手段から成形品の端に向けて流れるため、圧縮空気を成形品の面に広くかつ直接に作用させることができ、このため成形品の型離れをより確実ならしめることができる。
そして、本願発明では、最も型離れしにくい部分に圧縮気体が集中的に作用することにより、固定型から成形品が離反することを確実ならしめることができる。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、事務用等の回転椅子の背もたれ板の製造用金型装置に適用している。本願の実施形態の説明に先立って、先ず、椅子と背もたれ板とを説明する。
(1).椅子及び背もたれ板
椅子の概略は図1に示されている。すなわち図1は椅子の全体斜視図であり、椅子は、脚1と座2と背もたれ板(背もたれ)3とを備えており、背もたれ板3の下部は側面視で前向き凸状に湾曲したランバーサポート部3aが形成されている。詳細は省略するが、本実施形態の椅子は背もたれ板3がばねに抗して後傾動するロッキング式の椅子である。また、本実施形態の椅子は、人が座2に腰掛けるとリンク機構の作用によって座2は後退しつつ下降動し、この座2の下降動に連動して背もたれ板3のランバーサポート部3aが前進動する(人が腰掛けただけでは背もたれ板3は後傾動はしない。)。
次に、背もたれ板3の形態・構造の詳細を図2〜図5に基づいて説明する。図2は背もたれ板3の一部省略正面図、図3は背もたれ板3の一部省略背面図、図4のうち(A)は背もたれ板3の側面図、(B)は背もたれ板3の縦断側面図、図5のうち(A)は背もたれ板3の底面図、(B)は図4(A)の VB-VB視断面図、(C)は図4(A)の VC-VC視断面図、(D)は図4(A)の VD-VD視断面図である。
背もたれ板3はエラストマーであって正面視で略四角形に近い形状の基板4を備えており、背もたれ板3の正面形状はこの基板4によって画定されている。そして、基板4の前面には上下長手(縦長)で略平行に延びる多数本の前リブ5が突設されており、裏面(後面)には、上下長手(縦長)で略平行に延びる多数本の裏リブ6が突設されている。前リブ5及び裏リブ6は同じ厚さでかつ前後同じ位置に形成されている。また、隣り合ったリブのピッチは前リブ5及び裏リブ6とも同じであり、例えば15〜20mm程度に設定している。リブ5,6の厚さは基板4の厚さよりもやや薄い寸法に設定している。
背もたれ板3の上部にはバックフレーム(図示せず)の上端を固定するための上取付け部7が形成されている。上取付け部7において基板4は前向き凸の凹状に湾曲した断面形状になっており、その後面に、バックフレームに固定するための袋状リブ類8が形成されている。
基板4のうちランバーサポート部3aの左右両端部にはリンク(図示せず)に連結するためのサイドブラケット9が一体に形成されており、更に、背もたれ板3における基板4のうち下端の先端寄り部位には、他のリンクに連結するための左右一対のセンターブラケット10が一体に形成されている。
図8から理解できるように、前リブ5の群と及び裏リブ6の群とは、上取付け部7の下端部近傍において高さHが最も高くなっており、この部分を最高部と表示して符号11で示す。
ランバーサポート部3aを中心にした部分では、前リブ5は左右中間部が最も低くて左右両端に行くに従って高さが高くなっている。このため、前リブ5の高さが上下方向に変化する割合は左右中間部ほど大きくて、左右両端部では高さの違いはあまりなく、ランバーサポート部3aの箇所において高くなっているとも言える。すなわち、前リブ5の群の全体としてみると、前リブ5は最高部11の箇所においても最も高くなっている(最高部11の箇所における各前リブ5の高さの総和は他の部位よりも大きくなっている。)。
(2).金型装置の概要及びガス排出通路
次に、背もたれ板3を製造するための金型装置を図6以下の図面に基づいて説明する。図6は背もたれ板3の製造状態における正面図、図7のうち(A)は金型装置を表示した状態での図6の VIIA-VIIA視断面図、(B)は(A)の部分的なB−B視断面図、(C)は(A)の部分的なC−C視断面図、図8は図6及び図7(A)の VIII-VIII視断面図、図9は図8の部分拡大図、図10のうち(A)は図6の IXA-IXA視断面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(B)と同じ箇所を示す別例図、図11は型抜き工程を示す縦断側面図である。
本実施形態の背もたれ板3は、例えば熱可塑性ポリウレタン系エラストマーで製造されているが、勿論、ポリエステル系のエラストマーやスチレン系エラストマー等の他の系統のエラストマーも使用できる。また、本願発明では、材料はエラストマーのみを使用することに限らず、エラストマーを主体として(或いは含んでいて)これに他の材料が添加されていても良い。更に、全体をエラストマーとする場合、異なる種類のエラストマーをブレンドしたものも採用できる。
また、背もたれ板3としての柔軟性を保持せしめるためのエラストマーの物性としては、表面硬度がJISAにおいて80〜95の範囲にあるもの、軟化温度が常圧で80〜115℃の範囲にあるもの、100%歪み時の応力が4〜13MPaの範囲にあるものが好ましい。更に、リブ5,6を有する背もたれ板3の形態と成した状態で、一般成人が両手で縁を掴んで簡単に撓み変形(例えば曲げ変形やねじり変形)させ得る程度の全体強度を有しているのが好ましい。
背もたれ板3は金型装置を使用した射出成形法によって製造されるもので、基本的な製法及び装置自体は広く知られたものである。すなわち、背もたれ板3は、図7(A)に示すように、背もたれ板3の前面に重なる形状の固定型13と、背もたれ板3の裏面に重なる形状の移動型14とを主要部材とする金型装置を使用した射出成形法によって製造される。
両金型13,14の合わせ面(或いは、相対向する部分)には、背もたれ板3がすっぽり嵌まる形状のキャビティ15が形成されている。キャビティ15は、基板4を形成するための広い面積の部分が広がっており、かつ、固定型13には前リブ5を成形するための前リブ成形用縦溝15aの群が形成されており、移動型14には裏リブ6を形成するための裏リブ成形用縦溝15bが多数形成されている。
固定型13を単一部材で構成しているのは、背もたれ板3の前面には特に人目に触れて美観を確保する必要があるため、複数のブロックで構成することによるパーティングラインが製品に現われることを防止するためである。
移動型14は、上下に重ね合わせた複数のブロック16を主体として構成されている。隣り合ったブロック16はボルトで一体に締め付けられており、かつ、各ブロック体16は図示しないベース板にボルトで締結されている。図示していないが、移動型14は、ブロック16の他に袋状部8を形成するためのスライド型や、ブラケット10,11の貫通穴を形成するためのスライドピンのようなスライド部材も含んでいる。
本実施形態では、固定型13にゲート17を設けている。ゲート17は、キャビティ15のうち前後リブ5,6の最高部11を成形する部分の高さ位置に設けている(換言すると、ゲート17は、リブ成形用縦溝15a,15bの群が全体として最も深さが深くなっている部分かその近傍部に設けている。)。従って、ゲート17はキャビティ15の上下高さの中間部よりも遥か上方にずれて配置されている。
なお、背もたれ板3は下向きの姿勢や横向きの姿勢で成形することも可能であり、どの場合でも、ゲート17はリブ成形用縦溝15a,15bの群が全体として最も深さが深くなっている部分かその近傍に設けている。また、ゲート17はキャビティ15のうち基板4を形成する部分に開口させている。これは、材料をキャビティ15の広い面に速やかに広がらせるためである。
図6や図8に示すように、複数個(5個)のゲート17がリブ形成用縦溝15a,15bを横切る方向(水平方向)に沿って配置されている(背もたれ板3は左右対称の形状であり、ゲート17は左右対称の位置に配置されている。)。
図8に示すように、左右に隣り合ったゲート17の間隔寸法L0は全く又は殆ど同じであり、かつ、左右両端に位置したゲート17からキャビティ15の左右両端までの間隔寸法L1はL0の略半分になっている。従って、各ゲート17は左右略同じ間隔のエリア18を受け持っており、このため、各ゲート17から射出された材料はいわば横に並んだ状態でキャビティ15の上下端に向けて流動して行く。この点、成形ムラを無くす一つの理由になっている。
エラストマーの成形においてはキャビティ15に大量のガスが発生する。このためガスを除去(排気)する必要がある。そのための排気手段の一例して本願実施形態では、図7(B)(C)に示すように、固定型13と移動型14との合わせ面と、移動型14を構成するブロック16同士の合わせ面とにガス排出通路19を形成している。
本実施形態のガス排出通路19は平溝状に形成しており、その深さEは例えば0.01〜0.05mm程度に設定している(図では視認の容易性の点から深さは誇張して描いている。)。このような浅い深さEであるため材料のエラストマーがガス排出通路19に入り込むことはなく、ガス排出通路19の存在が製品の外観に現われることはまずない。
ガス排出通路19の巾寸法は例えば10mm程度に設定している。ガス排出通路19は多数形成しているが、一つの合わせ面の箇所には例えば100mm間隔で設けるというように、多数形成する必要はない(ブロック16同士の合わせ面の箇所にガス排出通路19を多く形成し過ぎると、移動型14の全体としての耐久性が低下する虞がある。)。
ガス排出通路19の断面形状は半円状や三角形など任意の形状に設定できる。ガス排出通路19はその断面形状に応じて配置密度(間隔)を設定したら良い。ガス排出通路19は、キャビティ15のうち基板4を成形するための部分に開口させるのが好適であった。
(3).突き出しピン及び噴気ノズル
移動型14には、請求項に記載した突き出し手段の一例として、多数の突き出しピン20を設けている。図では突き出しピン20は図7(A)及び図11(A)に僅かしか表示していないが、実際には数十本設けている(図8でも省略している。)。このように多数設けているのは、背もたれ板3の単位面積当たりの強度が低いこと、及び、エラストマーは金型への密着性が高いためである。突き出しピン20はキャビティ15のうち基板4を形成するための部分に望ませている(裏リブ形成用キャビティ15bに望ませることも可能である。)。図示していないが、両金型13,14には冷却水通路を設けている。
固定型13には、背もたれ板3の型離れを容易ならしめるための噴気手段の一例として、図6及び図10に示すように、圧縮空気(エアー)を噴出させる噴気ノズル21を設けている。噴気ノズル21は移動型31に形成した噴出穴22に固定して配置されており、先端面はキャビティ15の底面と同一面になっている。敢えて述べるまでもないが、噴出穴22にはエアー配管が接続されている(正確には、噴出穴22に隙間を介してロッドが嵌め込まれることで、噴気ノズルが構成されている)。
噴気ノズル21と噴出穴22との間には例えば0.01〜0.05mm程度の間隔のエアー噴出隙間が空いており、この隙間からエアーが噴出し得る。(A)に示す例では隙間は全周に空いており、(B)に示す別例では隙間は円周方向に間欠的に空いている。隙間の間隔は狭いため材料のエラストマーが入り込むことはない。
図6から容易に理解できるように、噴気ノズル21は、前リブ形成用縦溝15aの深さが深い部分(換言すると、成形後における前リブ5の高さが高い部分)に集中的に配置している。これは、この部分において前リブ5と固定型13と摩擦抵抗が最も大きくなっている(最も強く密着している)ためである。
なお、固定型13からの背もたれ板3の離脱性(剥離性)をよくするための手段としては、噴気ノズル21を設けることに加えて、前リブ5又は裏リブ6(リブ形成用縦溝15a,15b)に多少の角度の抜き勾配を付けること、或いは、固定型13のうちキャビティ15の箇所の面を梨地模様に形成するという補助手段を講じることも可能である。なお、固定型13には各ゲート17を繋ぐランナーを設けている。
(4).成形工程
金型装置を使用した成形工程そのものは基本的には従来と同様であり、両金型13,14を密着させて型締めし、次いで、キャビティ15に各ゲート17から溶融した材料を高圧で注入し、材料がキャビティ15に充満してからエラストマーを固化せしめ、材料が十分な硬さに固化した両金型13,14を離反させて型抜きする(敢えて述べるまでもないが、固定型13のうちゲート17が形成されている部分は固定プレートに相対動可能に取付けられており、固定プレートと固定型13とを相対動させることでゲート17の先端は背もたれ板3から千切れ、また、ランナー滓とゲート滓とは固定プレート及び固定型13の外に排除される。)。
そして、成形工程において、材料はキャビティ15のうちリブ成形用縦溝15a,15bが全体として最も深い部分に向けて射出されるため、材料はキャビティ15を確実に閉塞しながら端部まで流れて行くことになり、このため、キャビティ15に発生したガスは材料に追われてガス排出通路19から外部に確実に排除され、その結果、材料の中にガスの気泡が残ったりキャビティ15の表面にガスの気泡が滞留したりすることを防止して、高い寸法精度の背もたれ板3を高能率で製造できる。
なお、ゲート17がキャビティ15の一端部(上端部)に偏っているため材料がキャビティ15の全体に行きる時間はゲート17を中央部に設けた場合に比べて遅くなるが、エラストマーはポリプロピレンのような一般的な熱可塑性樹脂に比べて固化時間が遅い(固化しにくい)ため、背もたれ板3のように広い面積の成形品であっても、材料は十分な流動性を備え状態でキャビティ15の端まで行きっており、従って、材料が流動途中で固まって成形不良が発生することは全くない。
そして、材料が型抜き可能な状態まで固まっ後、型開きに前後して適当な時間(例えば型開き前の40〜20秒前から型開き後数秒)だけ噴気ノズル21の箇所から圧縮空気をキャビティ15に噴出させると、背もたれ板3の前面と固定型13の表面との間にごく薄い空気層が形成され、その結果、固定型13に対する背もたれ板3の密着性が解除される。すなわち、背もたれ板3は固定型13に対して型離れする。
従って、背もたれ板3が固定型13に密着したまま残ることを確実に防止して、型抜きを確実ならしめることができる。この場合、背もたれ板3が圧縮空気によって損傷を受けることは全くないため、製品(背もたれ板3)の品質には何ら影響はない。
(5).その他
以上、本願発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は本願発明の一つの具体例に過ぎず、本願発明は他にも様々の態様に具体化できる。例えば本願発明で製造できる物品は椅子の背もたれ板には限らないのであり、エラストマーを素材として製造される製品(例えばマット類)に広く適用できる。
噴気手段としては、例えば固定型を複数のブロックで構成して、隣り合ったブロックの合わせ面にエラストマーが入り込まない程度の穴や溝、隙間を形成することも可能である。また、噴気ノズルを設ける場合、噴気ノズルを例えば外筒と内ロッドとのような複数の部材で構成して、重なり合った部材の合わせ面に適宜本数の通路を形成し、外筒は固定型の穴にシールされた状態で嵌め込むといったことも可能である。もとより、レーザー加工のような微細加工によって噴気ノズルに噴気穴を適宜本数設けることも可能である。噴気手段とガス排除とを兼用させることも可能である。
固定型のうちキャビティに望んだ面を微小な凹凸(シボ加工)が無数に存在する粗面に形成すると、成形品の型離れを助長することができて好適である。粗面の粗さは10〜50μm程度が好ましい。細か過ぎると離型性の効果が薄く、大き過ぎると外観に影響する。
椅子の全体斜視図である。 背もたれ板の一部省略正面図である。 背もたれ板の一部省略背面図である。 (A)は背もたれ板の側面図、(B)は背もたれ板の縦断側面図である。 (A)は背もたれ板3の底面図、(B)は図4(A)の VB-VB視断面図、(C)は図4(A)の VC-VC視断面図、(D)は図4(A)の VD-VD視断面図である。 背もたれ板の製造状態における正面図である。 (A)は金型装置を表示した状態での図6の VIIA-VIIA視断面図、(B)は(A)の部分的なB−B視断面図、(C)は(A)の部分的なC−C視断 図6及び図7(A)の VIII-VIII視断面図である。 図12の部分拡大図である。 (A)は図6の IXA-IXA視断面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(B)と同じ箇所を示す別例図である。 型抜き工程を示す縦断側面図である。
3 成形品の一例としての椅子の背もたれ板
4 背もたれ板の基板
5 背もたれ板の前リブ
6 背もたれ板の裏リブ
11 前後リブの最高部
13 固定型
14 移動型
15 キャビティ
15a 前リブ成形用縦溝
15b 裏リブ成形用縦溝
16 移動型を構成するブロック
17 ゲート
19 ガス排出通路
20 突き出しピン
21 噴気手段の一例としての噴気ノズル

Claims (2)

  1. エラストマー製板状成形品の表面側に重なる形状の固定型と、前記成形品の裏面側に重なる形状でかつ前記成形品に対する突き出し手段が備えられた移動型とを有しており、前記両金型を密着させた状態で、それら両金型の合わせ面に、前記成形品を成形するためのキャビティが形成されており、更に、前記固定型のうち前記キャビティの箇所に、当該固定型に密着した成形品に向けて圧縮気体を噴出させる噴気手段が点在した状態で設けられている、という構成であって、
    前記成形品は、基板の前後両面に上下長手で高さが高い部位を有するリブの群が略同じ方向に延びるように多数本形成されている形態であり、このため前記両金型のキャビティには、前記リブに対応して深さが深い部位を有するリブ成形用の縦溝が多数本形成されており、前記噴気手段は、前記固定型におけるキャビティのうち前記縦溝の深さが深い部分に多く設けられている、
    エラストマー製板状成形品の製造用金型装置。
  2. 前記移動型の突き出し手段は多数本の突き出しピンである一方、前記固定型の噴気手段は圧縮空気を噴出させる噴気ノズルである、
    請求項1に記載したエラストマー製板状成形品の製造用金型装置。
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