JP5054917B2 - 椅子 - Google Patents

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Description

本願発明は、椅子に関するものである。ここで、椅子にはソファーや車両用シート等の各種のものが含まれる。
背もたれを備えた椅子において、着座した人の身体へのフィット性・クッション性を高めて座り心地を良くするための改良が数多く提案されている。その一例として特許文献1には、背もたれ板及び座板を薄い可撓性素材で構成した椅子において、背もたれ板及び座板に前後長手の多数のスリット群を形成することによって人の身体へのフィット性を高めることが開示されている。
他方、事務用椅子の背もたれは、樹脂製のアウターシェルに樹脂製のインナーシェルを取り付けて、インナーショルの前面にクッション材を張っている構造が多いが、これに対して本願出願人は、特許文献2において、インナーシェル(インナー板) の左右側部に水平状等のスリット群を形成することにより、当該インナーシェルの特に左右側部が後ろ向きに大きく撓み変形することを許容せしめ、かつ、インナー板の上部と下部とをバックフレームに取り付けて左右両側部を自由端の状態となすことによって変形の容易性を格段に向上させた椅子を開示した。
特許第2969290号公報 特開平2005−152087号公報
ところで、従来の背もたれのインナーシェル(インナー板)はその前面を凹凸のない滑らかな面と成すように配慮されている。これは、インナーシェルが例えばポリプロピレンのように撓み変形(曲がり変形)はしても肌触りは硬く感じる樹脂を素材としていることに起因しており、使用者が突き上げ感や違和感を受けることを回避するため、インナーシェルの前面を滑らかにしていると言える。
他方、人の身体の表面の神経の分布は一様ではなく、敏感な部分も鈍感な部分もある。また、背もたれのインナーシェルの前面が滑らかであることが必ずしもフィット性の向上につながる訳ではなく、インナーシェルが人の背中に部分的に当たって却って違和感を感じる場合もある。更に、背もたれのフィット性もクッション性も、人の背中に当たる部分の素材が大きく影響している。
特許文献2に開示した背もたれは、平板状のインナーシェルを前提として、取り付け構造とスリット群の形態とを工夫したもので、従来品に比べて格段に高いフィット性とクッション性とを得ることができた。本願発明は、特許文献2とは異なる視点に立ち、人の身体への当たりが柔らかい支持板を提供することを主たる目的とするものである。
例えば椅子の背用インナーシェル(背もたれ板)の場合、着座した人に快適なもたれ心地を提供する要因として、形態と素材とが大きな要素となる。そして、従来は、人の身体への当たりの柔らかさを確保するためにインナーシェルの表面を滑らかにし、また、形態の保持性の点から素材としてインナーシェルをポリプロピレンのような比較的剛性が高い樹脂を使用していたと言える。本願発明者は、背もたれ板について、形態と素材との両面について従来技術と異なる視点に立って研究することにより、本願発明を完成させるに至った。
本願発明は、各請求項に記載された発明を含んでいる。このうち請求項1の発明は、着座した人の身体を直接に又は緩衝材を介して支持する背もたれ板と、前記背もたれ板が取り付けられたフレーム類とを有しており、前記背もたれ板のうち着座した人の腰部が当たる部分は側面視で前向き凸に湾曲した腰当て部になっている構成であって、前記背もたれ板は、人が両端部を手で持って簡単に曲げ変形させ得る程度の弾性を備えたゴム状の性質を有する素材から成る成形品であり、この背もたれ板を、人の体圧で曲がり変形することを許容しつつ背もたれ板自体で人の体圧を支持するように、その上部と前記腰当て部の左右両端部との箇所において前記フレーム類に取り付けており、かつ、前記背もたれ板のうち腰当て部の左右両端部は、当該腰当て部の左右両端部に一体に設けた軸受け部とこれに嵌まったピンとで前記フレーム類に取り付けられている。この場合、フレーム類とは背もたれ板を変形許容された状態で支持する部材をいい、具体的な形態に限定はない。
請求項2の発明は請求項1の好適例であり、この発明では前記背もたれ板の前後両面のうち少なくとも前面に、上下方向に長く延びる多数の細長い凸条群又は溝条群を形成している。
本願発明の背もたれ板は、合成ゴム(例えばウレタンゴム)のような外観を呈していることが多い(機械的性質としては、ポリプロピレンのような樹脂と異なって、圧縮に対する弾性係数が大きい。)。構造的には、分子が架橋構造によって結合していることが多いと解される。なお、請求項1では表面及び裏面が滑らかである態様も含まれるが、請求項2のように少なくとも表面に凸条群又は溝条群を形成することにえて、裏面のみに凸条群や溝条群を形成することも可能である。
既述のように、従来の椅子における背もたれのインナーシェルはその表面を滑らかに形成しているが、本願発明者が背もたれのインナーシェルに適用したところ、本願発明の請求項2のように支持板の表面に凸条群又は溝条群を形成しても特段の違和感を感じることはなく、むしろ、身体への片当たりを抑制できることも期待できる。そして、特許文献1のようにスリット群を形成した場合は、スリットが支持板の表裏両側に開口しているため、人の体圧によって隣り合ったスリットの間隔を拡げる傾向を呈して過度に変形し過ぎることがあるが、本願請求項2のように凸条群又は溝条群を形成すると、背もたれ板は曲がり変形を許容しつつ過度に広がることを抑制して、人の身体に対する支持安定性を確保することができる。
請求項2のように凸条又は溝条を上下方向に長く延びるように形成すると、背中への違和感がなくて好適であった。
そして、本願発明は、支持板の素材としてゴム状性質を有する素材を採用したことを特徴とするものであり、人の身体への当たりが柔らかいのみならず、人の身体に対するフィット性・クッション性も格段に向上させることができる。この素材を使用して請求項2の構成とすることにより、身体の当たりの柔らかさに特に優れた背もたれ板を得ることができて好適である。
本願発明の背もたれ板は、もたれかかった状態での身体への当たりの柔らかさを確保できると共に、体格の違いに関係なく身体になじむように変形するフィット性に優れており、従来にない優れたもたれ心地の椅子を提供することができる。すなわち、背もたれ板がゴム状素材であるため、人の身体への当たりの柔らかさとフィット性とを向上しつつ、背もたれ板が伸び変形することによってクッション性も向上できる。
また、請求項では、凸条群又は溝条群は上下に長く延びる状態であるため、人は背中に対する違和感は全く感じず、また、例えば背もたれ板で人の身体を直接に受ける場合、身体の上下方向の滑りが極めて良好となり、いわゆるシャツ捲れを防止できる利点がある。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図8では、椅子(事務用回転椅子)に適用した第1実施形態を示している。
(1).椅子の概要
図1は椅子の概略斜視図、図2のうち(A)は椅子の概略右側面図、(B)は(A)のB−B視断面図、図3は椅子の概略背面図である。まず、これらの図に基づいて椅子の概要を説明する。
椅子は、脚1と座2と背もたれ3とを備えている。脚1は、水平状に延びる枝足4の群と脚支柱(ガスシリンダ)5とを備えており、脚支柱5の上端に上向き開口のベース6を取り付けている。座2は、座受け枠7とその上面に取り付けた座板(明瞭には図示せず)とを備えており、座板にクッションを張っている。
ベース6の左右両側には、後部を背支柱8aと成した揺動フレーム8が配置されており、揺動フレーム8は、その前端部を中心にして後傾動するようにベース6に左右長手の第1支軸9で取り付けられている。そして、座受け枠7の前部とベース6とは左右2本の前部支持リンク10で連結され、座受け枠7の後部と左右の揺動フレーム8とは2本の後部支持リンク11によって連結されている。図3に示すように、左右の背支柱8aはその上部において補強材8cで連結されている。
前部支持リンク10は左右長手の第2支軸10′によってベース6に連結されていると共に、第3支軸12によって座受け枠7に回動可能に連結されており、また、後部支持リンク11は第4支軸13によって揺動フレーム8に回動可能に連結されていると共に、第5支軸14によって座受け枠7に回動可能に連結されている。前後支持リンク10,11は人が着座していない状態で側面視後傾しており、このため、人が着座すると前後支持リンク10,11は後傾動する。ベース6において第2支軸10′が嵌まるように形成した穴は、側面視で略前後に延びる長穴になっている。
図2(A)に簡単に示すように、ベース6の内部には、第2支軸15の後退動を弾性的に支持する圧縮コイルばね15が配置されている。圧縮コイルばね15は背もたれ3の後傾動を弾性的に支持するばね手段の一例であり、人が着座しただけでは全く又は殆ど縮み変形せず、人が背もたれ3にもたれ掛かると縮み変形するように強さを設定している。図2から容易に理解できるように、本実施形態の椅子は、第2支軸10′が長穴に沿ってスライドすることで座2が背もたれ3の後傾動に連動して後退動及び後傾動するシンクロタイプになっているが、背もたれ3のみが後傾するタイプであっても良いことはいうまでもない。
背もたれ3は、本願発明の特徴を有する背もたれ板16を主要要素としている。図面では背もたれ板16はその前を露出させているが、クッション材等の緩衝材又は表皮材を配置することも可能である。背もたれ板16は、人がもたれ掛かっていない状態で全体として後傾しつつ、平面視では全体として前向き凹状に湾曲している。また、下部は、着座した人の腰に当たる部分を中心にした上下適宜範囲は、側面視で前向き凸状に湾曲している(この部分を腰当て部と称して符号16aで示す)。更に、上部は前向き凸状に湾曲した肩当て部16bになっている。勿論、肩当て部16bを設けずに、上部を単純な後傾姿勢と成すことも可能であり、また、肩当て部16bを設けることに代えて又はこれに加えてヘッドレストを一体に設けることも可能である。
背もたれ板16のうち肩当て部16bの背面部は、左右長手のアッパーフレーム17を介して背支柱8aに取り付けられている。また、背もたれ板16のうち腰当て部16aの頂点部は、その左右端部がロアーフレーム18及び第6軸19を介して前進用傾動フレーム20に取り付けられており、更に、背もたれ板16の左右中間部の下端(従って腰当て部16aの左右中間部の下端)は、第7支軸21を介して前進用傾動フレーム20のブラケット22に連結されている(前進用傾動フレーム20については後述する。)。
(2).背もたれの自動前進機構
ところで、人が椅子に腰掛ける場合、つねに深く腰掛けるとは限らず、浅く腰掛ける場合も多い。その場合、背もたれが人の腰に当たっていないと人の姿勢が不安定になる虞がある。そこで本実施形態では、人が着座したら背もたれ板16の下部(換言すると背もたれ3の下部)を前進動させることにより、人が浅く腰掛けても人の腰を背もたれ板16の腰当て部16aで支持し、かつ、人が深く腰掛けた場合はばね手段に抗して背もたれ板16の腰当て部16aを後退させることにより、人が深く腰掛けることを阻害しないようにしている。この点を図4に基づいて説明する。
前記した前後支持リンク10,11は、人の着座で背もたれ3の下部を前進させる連動手段(自動前進機構)の要素となるものであり、前後支持リンク10,11が側面視で後傾していることにより、人の着座によって座2は後傾しつつ下降動し、座2の後傾動及び下降動は、図4の骨組み図に示す連動手段により、背もたれ板16の腰当て部16aの前進動に変換される。以下、説明する。
連動手段の一環として、左右の揺動フレーム8の後部には、左右長手の第8支軸24によって前進用傾動フレーム20が連結されている。前進用傾動フレーム20の後部は側面視で上向きに延びる起立部20aになっており、この起立部20aに、前記ロアーフレーム18が第8支軸24によって回動可能に連結されていると共に、起立部20aに形成したブラケット22に、背もたれ板16の下端が第6支軸19で連結されている。
従って、前進用傾動フレーム20が前進動すると背もたれ板16の腰当て部16aは前進動するが、この場合、背もたれ板16の上部が取り付くアッパーフレーム17を背支柱8aに対して上下動可能に取り付けることにより、背もたれ板16の腰当て部16aが大きく前進動することを容易ならしめている。アッパーフレーム17を背支柱8aに対して上下動させる構造は、図2(B)に表示している。
すなわち、図2(B)に表示されているように、アッパーフレーム17に上下2本の左右横長ピン25で中空状体26を連結し、中空状体26を、背支柱8aの上端に設けたガイド筒27に上下スライド自在に嵌め入れている。そして、ガイド筒27に内蔵したばね28により、アッパーフレーム17を上向きに付勢している。ばね28の上端は下部の横長ピン25で支持しているが、他の支持構造を採用してもよい。いうまでもないが、背もたれ板16の上部を上下動可能に支持する機構は様々の構造を採用できる。
図4に戻って連動手段の説明を続ける。前進用傾動フレーム20を揺動フレーム8に連結している第8支軸24は、前進用傾動フレーム20の左右外側に配置された左右の第1連動リンク29に挿通しており、第1連動リンク29の後端と前進用傾動フレーム20とは第9支軸30で連結されている。従って、前進用傾動フレーム20と第1連動リンク29とは第8支軸24を中心にして一緒に回動する。第1連動リンク29は、第8支軸24よりも前方に延びる前向き突出部29aを有している。
第1連動リンク29の左右外側には、第8支軸24から手前に延びる第2連動リンク31が配置されており、第2連動リンク31の後端に第8支軸24が貫通している。従って、前進用傾動フレーム20の前端部と第1連動リンク29と第2連動リンク31の後端とが第8支軸24によって連結されている。第2連動リンク31は第8支軸24を中心にして回動可能であり、かつ、その前端部には両部材31,11の相対回動を許容するための長穴31aが形成されており、この長穴31aに、後部支持リンク11と座受け枠7とを連結した第5支軸14が貫通している。
左右の第2連動リンク31は左右長手の後部補助バー32で連結されており、後部補助バー32に第1連動リンク29の前向き突出部29aが上方から当たっている。更に、第8支軸24には、背もたれ前進用ばね手段の一例として後部ねじりばね33が被嵌しており、この後部ねじりばね33の後ろ向き端部33aを第9支軸30(又は第1連動リンク29)に下方から当てて、前向き端部33bを後部補助バー32(第2連動リンク31に当ててもよい)に下方から当てている。従って、第1連動リンク29及び前進用傾動フレーム20は、後部ねじりばね33によって、第8支軸24を中心に前傾する方向に付勢されている。換言すると、背もたれ板16の腰当て部16aは、後部ねじりばね33によって前進する方向に付勢されている。
他方、左右の後部支持リンク11は前部バー34によって一体に連結されており、第4支軸13にばね手段の一例として前部ねじりばね35を被嵌し、その一端部35aを前部補助バー34(又は後部支持リンク11)に下方から当て、前部ねじりばね35の他端部35bは例えばベース6の背面(或いは揺動フレーム8の下面)に当てている。従って、後部支持リンク11は前部ねじりばね35によって前傾方向に付勢されている。前後の支持リンク10,11はストッパー手段で前向き回動姿勢が保持されている。ストッパー手段としては、例えば、後部支持リンク11を座受け枠7の下面に当てるとよい。また、前後支持リンク10,11の後傾姿勢を規制するストッパー手段としては、第5支軸14を揺動フレーム8に上方から当てたらよい。
人が着座すると、座2は前部ねじりばね35に抗して下降動及び後傾動し、これに伴って第2連動リンク31が前傾することにより、前部補助バー34が下降する。すると、第1連動リンク29に対する前部補助バー34による規制がなくなるため、後部ねじりばね33により、前進用傾動フレーム20は前傾する。これにより、背もたれ板16の腰当て部16aが前進する。その結果、人が浅く腰掛けても、人の腰部が腰当て部16aで支持される。また、第2連動リンク31が前傾しても第1連動リンク29の前向き突出部29aは後部ねじりばね33に抗して後傾することが許容されているため、人が深く腰掛けた場合は、背もたれ板16の腰当て部16aは前進動しない。なお、後部ねじりばね33のばね力よりも前部ねじりばね35のばね力を大きく設定している。
人が着座することで背もたれ板16の腰当て部16aを前進させる手段としては、他の機構も採用できる。また、人の着座によって背もたれ板(或いは背もたれ)16の全体を前進させることも可能である。更に、人の着座で背もたれ板の一部又は全部が前進しなくても良いことはいうまでもない。
(3).背もたれ板の形態・構造
次に、背もたれ板16の形態の詳細を主として図5以下の図面に基づいて説明する。図5のうち(A)は概略背面図、(B)は背もたれの側面図、(C)は(A)のC−C視断面図、(D)は(A)のD−D視断面図、図6は図3のVI−VI視断面図、図7は図3の VII-VII視断面図、図8は図3の VIII-VIII視断面図である。
背もたれ板16は、例えばエラストマーを含む樹脂のように、見掛けにおいてゴム状性質を有する樹脂素材からなっており、背もたれ板16は、椅子に組み込んでいない状態では、一般の成人が手で持って簡単に曲げ変形させることができる。一般的には、ウレタンゴムのように艶のない外観を呈している場合が多いと言える。樹脂に限らず、いかなる素材も厳密に計測すると曲げ・引っ張り・圧縮に対して弾性変形はするが、ゴム状素材はその程度が顕著であることであり、本実施形態の背もたれ板16は、弾性変形することを視認できる程に、ゴム状性質を有することが見掛け上においても表れている。
背もたれ板16には、その表裏両面(前後両面)に縦長の多数の凸条群37,38を形成しており、このため、背もたれ板16の表裏両面とも平断面は凹凸状になっている。なお、凸条と溝条とは相対的な概念であり、どこを基準にするかで表現が異なるが、本実施形態では凸条として表示している。
背もたれ板16の表面に形成している前凸条37は、腰当て部16aにおいては、その左右中間部を除いて、左右両端部に行くに従って高さが高くなるように設定している。これは、背もたれ板16の曲率をあまり大きくすることなく、人の腰部に倣わせるためである。また、前凸条37はその高さが高いほど横向きに倒れ変形しやすくなって人の身体に対する当たりが柔らかくなるが、本実施形態では、人の腰の左右背面部への当たりを柔らかくする効果も発揮されているといえる。
腰当て部16aの左右両側部を除いた箇所では、前凸条37の高さはほぼ一定になっている。また、裏凸条38の高さも全体にわたってほぼ一定になっている。背もたれ板16の板厚に対する前凸条37及び裏凸条38の高さは必要に応じて設定できる。また、隣り合った凸条37,38のピッチも、人の身体やの当たり具合やデザイン等の種々の要素を勘案して設定できる。前面又は裏面若しくは前後両面において、凸条37,38の密度(換言するとピッチ)を場所によって異ならせることも可能である。
本実施形態では、前凸条37と裏凸条38とを前後に重なるように配置しているが、前後の凸条37,38を左右にずらしたり、前後の凸条37,38の左右ピッチを変えたりすることも可能である。背もたれ板16を薄い透明又は半透明若しくは透光性と成すことも可能であり、このような場合、前後の凸条37,38を同じ位置に形成していると、凸条37,38の位置が揃うため体裁が良い利点がある。また、背もたれ板16は平面視での形状が変わるように弾性変形するが、前後凸条37,38の位置が一致しているとこのような変形がしやすくなる利点がある。
図5(C)及び図6に示すように、背もたれ板16における腰当て部16aの左右端部の裏面には、ロアフレーム18に取り付けるための軸受け部39を突設しており、こる軸受け部39を例えばボルト(ピンでも良い)40でロアフレーム18に相対回動可能な状態で連結している。ロアフレーム18は平面視で前向き凹状に反っており、その左右中間部を挟んだ両側に設けたブラケット部18aが、第6支軸19で前進用傾動フレーム20の起立部20aに連結されている。
ロアフレーム18と背もたれ板16の腰当て部との間には、背もたれ板16の腰当て部16aが人の体圧によって後方に沈むように変形する(前向き凹の曲率が大きくなるように変形する)ことを許容するに十分な空間が空いている。
背もたれ板16における左右中間部の下端には後ろ向きボス部41が形成されており、このボス部41が第7支軸21で前進用傾動フレーム20のブラケット22に相対回動可能に連結されている。
図8に示すように、背もたれ板16の上端は後ろ向きに突出した水平片42になっており、この水平片42の下方に、水平状に延びる上横長リブ43を形成し、水平片42と上横長リブ43との間にアッパーフレーム17の前向き部17aを挟み込んでいる。また、アッパーフレーム17は側断面で前向き凹状に湾曲しており、背もたれ板16における肩当て部16bの下部裏面には、アッパーフレーム17の下部が重なる厚肉状の下横長リブ44を形成している。アッパーフレーム17と背もたれ板16との取り付けは、強制嵌合やねじ止め、或いは接着等の適宜の手段を採用できる。
アッパーフレーム17との間には空間が空いているため、肩当て部16bは後ろ向きに沈むような状態に多少は弾性変形し得る。但し、背もたれ板16の肩当て部16bには上下の横長リブ42,43が存在するため剛性が高くなっており、このため、大きくは変形しない。これは、背もたれ板16が過度に変形しすぎると却ってもたれ心地が悪くなるためである。
本実施形態では、背支柱8aとアッパーフレーム17とロアフレーム18と前進用傾動フレーム20とでバックフレームを構成している。いうまでもないが、バックフレームの形態は自由に設定できる。背支柱は揺動フレームとは別体の構成とすることも可能であり、また、揺動フレーム等の部材は板金加工品でなくても良いことはいうまでもない。
(4).まとめ
すでに説明したように、人が着座すると座2が下降して背もたれ板16の腰当て部16aが前進する。また、着座した人が背もたれ板16にもたれ掛かると、背もたれ板16は後傾動する。そして、背もたれ板16が側面視及び平面視で大きく弾性変形することにより、高いフィット性とクッション性とを確保できる。また、背もたれ板16で人の身体を直接に受ける場合であっても、前凸条37によって突き上げを受けることはない。
ゴム状の性質を有する素材は、身体への当たりの柔らかさや柔軟性(弾性)に優れているが、例えばスリットの群を形成すると過度に広がり変形して、身体に対する支持機能が却って低下する虞がある。これに対して本実施形態では、ゴム状の性質を有しつつ凸条37,38を形成したものであるため、背もたれ板16が過度に広がり変形することはなく、使用者は快適なもたれ心地を得ることができる。
ところで、ロッキング椅子では、背もたれにもたれ掛かったとき、人の臀部と座との相対位置は一定であるのに対して座と背もたれとが離反する傾向を呈することに起因した、いわゆるシャツ捲れの現象が生じることが多いが、本実施形態では、ロアーフレーム18が平面視で前向き凹状でその後部が前進用傾動フレーム20に連結されているため、着座した人が背もたれ板16にもたれ掛かる、ロアーフレーム18は側面視で前傾する傾向を呈して、背もたれ板16も下降する傾向を呈しており、このため、座2と背もたれ板16との相対距離が大きくなることを防止または抑制して、シャツ捲れの現象を防止または著しく抑制できる利点がある。
なお、本実施形態の背もたれ板16はその前面を露出した状態にしているが、図5(C)に示すように、背もたれ板16の前面に薄い可撓性の表面板45を重ねることや、図5(C)に二点鎖線で示すように、背もたれ板16の前面にクッション層46をインサート成形等の適宜手段で設けることも可能である。もちろん、表面板45とクッション層46とを併用することも可能である。背面は露出したままでも良いし、カバーを設けても良い。
背もたれ板16の上部は、その左右中間部のみをアッパーフレーム17に取り付けても良い。また、背もたれ板16をその上端よりもある程度下方の部位においてアッパーフレーム17に取り付けることにより、アッパーフレーム17よりも上方の部分を自由端となし、人がもたれ掛かるとこの自由端の部位がその付け根を中心にして後方に倒れ変形するように構成することも可能である。
背もたれ板16の腰当て部16aを強制的に押すランバーサポートを設けることも可能である。本実施形態の背もたれ板16は容易に変形するため、ランバーサポートを有する椅子に適用するとその価値がより一層発揮される。
(5).他の実施形態
図9及び図10では他の実施形態を示している。図9のうち(A)に示す例では、背もたれ板48の表裏に凸条49を形成した場合において、前凸条49よりも裏凸条49の高さを高くしており、(B)に示す例では前面のみに凸条49を形成している。
(C)に示す例では、背もたれ板48の前面には溝条50を形成して裏面には凸条49を形成している。(D)に示す例では、背もたれ板48の前面には縦凸条49を形成して裏面には縦凸条49と横凸条50との群を形成している。この場合、裏面の横凸条51を平面視凹状に形成することにより、背もたれ板48の撓み易さが縦方向と横方向とで変わるように設定している。一点鎖線で示すように、前面にも横長の横凸条51を形成することは可能である。(E)に示す例では、背もたれ板48の表面には細幅で高さの高い凸条49を形成し、裏面には高さが低くて幅広の凸条49を形成している。
(F)(G)に示す例では、背もたれ板48の表裏に円形等の突起の群を形成している((G)は(F)のG−G視断面図である。)。突起52の形状は角形等の手段の形態を採用できる。
図10のうち(A)(B)に示す例では、背もたれ板48の前面に縦横の格子状凸条49を形成している((B)は(A)のB−B視断面図である)。(C)に示す例では、背もたれ板48の前面に斜め格子状の凸条49を形成している。(D)に示す例では、背もたれ板48の前面に縦凸条49を形成して裏面には横長凸条49を形成している((E)は(D)のE−E視断面図である。)。(F)に示す例では、凸条49は背もたれ板48の周縁よりも内側に形成されており、かつ、(G)に示す例では、凸条49は断続的に形成されている。
第1実施形態に係る椅子の概略斜視図である。 (A)は椅子の概略右側面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。 椅子の概略背面図である。 座と背もたれとの連動関係を示す機構図である。 (A)概略背面図、(B)は背もたれの側面図、(C)は(A)のC−C視断面図、(D)は(A)のD−D視断面図である。 図3のVI−VI視断面図である。 図3の VII-VII視断面図である。 図3の VIII-VIII視断面図である。 他の実施形態を示す図である。 更に他の実施形態を示す図である。
2 座
3 背もたれ
8 揺動フレーム
8a バックフレームを構成する背支柱
16 背もたれ板
16a 腰当て部
17 バックフレームを構成するアッパーフレーム
18 バックフレームを構成するロアフレーム
37,38 凸条

Claims (2)

  1. 着座した人の身体を直接に又は緩衝材を介して支持する背もたれ板と、前記背もたれ板が取り付けられたフレーム類とを有しており、前記背もたれ板のうち着座した人の腰部が当たる部分は側面視で前向き凸に湾曲した腰当て部になっている構成であって、
    前記背もたれ板は、人が両端部を手で持って簡単に曲げ変形させ得る程度の弾性を備えたゴム状の性質を有する素材から成る成形品であり、この背もたれ板を、人の体圧で曲がり変形することを許容しつつ背もたれ板自体で人の体圧を支持するように、その上部と前記腰当て部の左右両端部との箇所において前記フレーム類に取り付けており、
    かつ、前記背もたれ板のうち腰当て部の左右両端部は、当該腰当て部の左右両端部に一体に設けた軸受け部とこれに嵌まったピンとで前記フレーム類に取り付けられている、
    椅子。
  2. 前記背もたれ板の前後両面のうち少なくとも前面に、上下方向に長く延びる多数の細長い凸条群又は溝条群を形成している、
    請求項1に記載した椅子。
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