JP4302748B2 - 重力鋳造装置 - Google Patents
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Description
更に、下型102には、キャビティ106に溶融金属が充填され冷却されて得られた鋳造品110を下型102から突き出す突出ピン108,108が設けられている。
尚、可動型である上型100、横型104,104、及び突出ピン108,108の各々には、シリンダ装置等の駆動手段が設けられているが図面では省略した。
その後、下型102上に載置された状態の鋳造品110は、図8に示す様に、突出ピン108,108によって突出され、成形型から容易に取り出すことができる。
しかも、鋳造品110の上型100で形成される形状が複雑化するほど、薄肉の鋳造品形状であるほど、上型から鋳造品110を離型する際に、鋳造品110が変形等の悪影響を受け易くなる傾向にある。
そこで、本発明は、上型と下型との少なくとも一方が可動型に形成されている重力鋳造装置を用いて鋳造し、可動型を移動して上型と下型とを型開する際に、上型から鋳造品が離型し難い従来の重力鋳造装置の課題を解消し、可動型を移動して上型と下型とを型開する際に、上型から鋳造品を容易に離型し易い重力鋳造装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、成形型のキャビティを形成する上型と下型との少なくとも一方が可動型に形成されている重力鋳造装置であって、前記可動型である上型又は下型を移動して上型と下型とを型開し、前記キャビティ内に充填された溶融金属が冷却されて得られた鋳造品を取り出す際に、前記鋳造品を下型方向に押し出す押出ピンが前記上型に設けられ、且つ前記下型には、前記下型上に載置された鋳造品を上型方向に突き出す突出ピンが設けられており、前記押出ピン及び突出ピンの少なくとも一部は、その先端が鋳造品内に鋳込まれる金属部品の表面に当接して、前記鋳造品を上型から押し出し又は下型から突き出すように設けられていることを特徴とする重力鋳造装置にある。
更に、キャビティの長手方向に沿って上型に設けられた複数個の押出ピンを、鋳造品を下型方向に押し出す際に、前記下型方向に同時に突出開始できるように設け、且つ前記キャビティの長手方向に沿って下型に設けられた複数個の突出ピンを、前記鋳造品を上型方向に突き出す際に、前記上型方向に同時に突出開始できるように設けることにより、鋳造品に対して同等な力を均等に加えることができ、鋳造品の上型及び下型からの離型性を向上できる。
更に、押出ピン及び突出ピンの少なくとも一部を、その先端が当接する鋳造品の部分を後加工で削除する部分となるように設けることによって、鋳造品表面に押出ピン及び突出ピンの少なくとも一部の先端が当接した痕跡が残っても、最終的に得られる鋳造品の外観に影響を与えることはない。
この押出ピン及び突出ピンの少なくとも一部の先端が当接する鋳造品の部分を、前記鋳造品の表面から突出する押し座部とし、前記押し座部を、キャビティの内壁面に開口された凹状部で形成することが好ましい。
更に、上型から離型された下型上の鋳造品は、下型に設けられた突出ピンによって下型から突出でき、均斉な鋳造品を重力鋳造装置から容易に取り出すことができる。
また、押出ピン及び突出ピンの少なくとも一部は、その先端が鋳造品内に鋳込まれる金属部品の表面に当接して、前記鋳造品を上型から押し出し又は下型から突き出すように設けられているため、押出ピン及び突出ピンの少なくとも一部の先端が鋳造品表面に当接したことの痕跡をなくすことができる。
かかる成形型10を構成する部材のうち、下型14が固定型であって、上型12及び横型16,16が可動型である。可動型である上型12は、連結部材20に設けられた駆動装置としてのシリンダ装置22によって下型14に対して上下方向に接離可能に設けられている。また、可動型である横型16,16も、図示しない駆動装置としてのシリンダ装置によって下型14に対して側方向に接離可能に設けられている。
更に、固定型である下型14には、キャビティ18の中央部に設けられた押湯部18aの反対側近傍及び側方押湯部18b,18bの反対側に、先端面が臨むように突出ピン30,30・・が設けられている。かかる突出ピン30,30・・は、その先端面が上型12に設けられた押出ピン24,24・・の先端面と互いに対向する位置又はその近傍の位置となるように設けられている。
この突出ピン30,30・・の後端は、突出板32に連結されている。かかる突出板32は、駆動手段としてのシリンダ装置34によって上下方向に移動可能に設けられているため、突出ピン30,30・・の先端は、シリンダ装置34によって下型14から独自に同時に突出又は後退でき、鋳造品Pを同時に同一突出力によって突出できる。
この様に、突出ピン30,30の先端が鋳造品Pに鋳込まれる金属部品としてのスリーブ35の露出面に当接していることによって、突出ピン30,30により鋳造品Pを下型14から突出する際に、鋳造品Pの表面に突出ピン30,30の先端が当接したことの痕跡をなくすことができる。
尚、図1に示す駆動装置としてのシリンダ装置22,28,28,34の各駆動は、制御部36によって制御されている。
更に、上型12が上方向に移動する際には、制御部36からの駆動信号によってシリンダ装置28,28を駆動し、上型12の押出ピン24,24・・の先端を同時に鋳造品Pの表面に当接して同一押圧力で鋳造品Pを下型14の方向に押し出す。このため、鋳造品Pは押出ピン24,24・・の先端から均等に押出力を受けて上型12から確実に離型できる。
その後、図1に示す制御部36からの駆動信号によって、シリンダ装置34を駆動し、図5に示す様に、突出ピン30,30・・の先端を同時に鋳造品Pの表面に当接して同一押圧力で鋳造品Pを下型14から突き出す。かかる突出ピン30,30・・によって下型14から突き出された鋳造品Pは、人手又はロボットで容易に取り出すことができる。
ここで、鋳造品Pの部分が後加工で削除される部分としては、図1に示す様に、キャビティ18の押湯部18a及び側方押湯部18b,18bによって形成された部分P1,P2(図5)である。
この様に、部分P1,P2に押出ピン24,24・・及び突出ピン30,30・・の少なくとも一部の先端面が当接するように設けるには、図1に示す様に、側方押湯部18b,18bに上型12の押出ピン24,24の先端面が臨むように設けることによって可能である。
かかる押し座部18cは、成形型10のキャビティ18の内壁面に凹状部を開口することによって形成できる。
更に、上型12を可動型とし、下型14を固定型としているが、上型12を固定型とし、下型14を可動型としてもよく、上型12と下型14との両者を可動型としてもよい。
また、上型12と下型14とを型開する際に、上型12を上昇させつつ、押出ピン24,24・・によって、鋳造品Pを下型14に押し出していたが、上型12の押出ピン24,24・・によって鋳造品Pを下型14方向に押し出しつつ、下型14の突出ピン30,30・・によって鋳造品Pを下型14から突出してもよい。この場合、上型12の押出ピン24,24・・と、下型14の突出ピン30,30・・とは、鋳造品Pの表面に当接する当接面が互いに対向する位置又はその近傍の位置となるように設けられているため、鋳造品Pに対して加える力を打ち消し合い、鋳造品Pの変形を効果的に防止できる。
12 上型
14 下型
16 横型
18 キャビティ
18a 押湯部
18b 側方押湯部
20 連結部材
22,28,28,34 シリンダ装置
24 押出ピン
26 押出板
30 突出ピン
32 突出板
35 スリーブ
36 制御部
P 鋳造品
P1,P2 鋳造品Pの部分
Claims (6)
- 成形型のキャビティを形成する上型と下型との少なくとも一方が可動型に形成されている重力鋳造装置であって、
前記可動型を移動して上型と下型とを型開し、前記キャビティ内に充填された溶融金属が冷却されて得られた鋳造品を取り出す際に、前記鋳造品を下型方向に押し出す押出ピンが前記上型に設けられ、且つ前記下型には、前記下型上の鋳造品を上型方向に突き出す突出ピンが設けられており、
前記押出ピン及び突出ピンの少なくとも一部は、その先端が鋳造品内に鋳込まれる金属部品の表面に当接して、前記鋳造品を上型から押し出し又は下型から突き出すように設けられていることを特徴とする重力鋳造装置。 - キャビティの長手方向に沿って上型に設けられた複数個の押出ピンと、前記キャビティの長手方向に沿って下型に設けられた複数個の突出ピンとが、前記キャビティの鋳造品表面に当接する当接面が互いに対向する位置又はその近傍の位置となるように設けられている請求項1記載の重力鋳造装置。
- キャビティの長手方向に沿って上型に設けられた複数個の押出ピンが、鋳造品を下型方向に押し出す際に、前記下型方向に同時に突出開始できるように設けられ、
且つ前記キャビティの長手方向に沿って下型に設けられた複数個の突出ピンが、前記鋳造品を上型方向に突き出す際に、前記上型方向に同時に突出開始できるように設けられている請求項1又は請求項2記載の重力鋳造装置。 - 成形型の上型と下型と共にキャビティを形成する横型が、前記上型又は下型に対して接離可能に設けられている可動型であり、
且つ前記横型が、前記上型と下型とが型開されてから、前記上型又は下型に対して離れるように設けられている請求項1〜3のいずれか一項記載の重力鋳造装置。 - 押出ピン及び突出ピンの少なくとも一部が、その先端が当接する鋳造品の部分が後加工で削除される部分となるように設けられている請求項1〜4のいずれか一項記載の重力鋳造装置。
- 押出ピン及び突出ピンの少なくとも一部の先端が当接する鋳造品の部分が、前記鋳造品の表面から突出する押し座部であって、
前記押し座部が、キャビティの内壁面に開口された凹状部で形成される請求項5記載の重力鋳造装置。
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