JP5020757B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、プロッター等の電子写真法に用いるトナー及び画像形成方法に関する。
複写機、プリンター、ファクシミリの受信装置などに用いられる電子写真装置として、接触現像法を採用した電子写真装置が知られている。接触現像法は非磁性一成分トナーを用い、感光体ドラムの潜像にトナー担持体を介して該トナーを付着させて潜像を可視化する現像方法であり、磁性材料を不要とし小型化、軽量化が容易である。また、カラー化が容易であることから多用されている。
該電子写真装置は小型化、軽量化に伴い、市場が大幅に拡大し、高温多湿から低温低湿に至まで様々な環境で用いられるようになり、温湿度に依存しない現像特性が求められ、現像部材、トナーの両面から数多くの対策が行われている。
例えば、現像部材のトナー担持体からの上記問題に対するアプローチとしては、半導性被覆層に電子導電材とイオン導電材を混合することで、温湿度等の環境変化による電気抵抗の振れ幅を抑え、環境変化にともなう画像濃度の変化を抑えるなどのことが行われている(特許文献1)。
一方、トナーからの上記問題に対するアプローチとしては、トナー粒子の結着樹脂に高分子量体と低分子量体を存在させることによりトナー粒子にある一定の硬度を持たせた、会合法によるトナーが提案されている。会合法によるこのトナーは、非磁性一成分現像方式において、トナー担持体及びトナー層規制部材による摩擦帯電作用によっても弊害を伴うことなく耐久安定性に優れることが開示されている(特許文献2)。また、トナー母粒子の円形度と外添剤の遊離率を規定し、現像部材汚染の抑制することが試みられている(特許文献3)。確かにこのような方策により一環境での多数枚印刷後の現像安定性は向上し、高画質な画像を得ることが可能となった。しかし、本発明者らが鋭意検討した結果、低温低湿、高温高湿の両環境での現像安定性という点では、いまだ不十分な性能あることがわかり、依然として現像部材、トナーの両面での諸特性の改善を必要としているのが実状である。
特開平7−13415 特開2004−109601 特開2001−33297
本発明は、上記背景技術を解決した画像形成方法を提供することである。即ち、低温低湿、高温高湿両環境での現像安定性を可能とすることで環境依存しない良好な画像を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、静電潜像担持体の表面にトナー担持体上のトナーを接触させ、トナー担持体が担持するトナーによって静電潜像担持体の表面の静電潜像を現像する画像形成方法であって、
前記トナー担持体が芯体の周囲に弾性層および表面層を有し、前記表面層が下記条件1)、2)を満足し、
1)前記表面層が下記の樹脂A、Bを含有する
樹脂A:ポリプロピレングリコール、またはポリテトラメチレングリコール骨格からなる熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂、
樹脂B:アクリル樹脂
2)前記表面層の微小圧縮試験において、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷したときの最大変位量をX100D(μm)、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20D(μm)としたとき、
5.0≦X100D≦15.0
1.0≦X20D≦3.0
である
前記トナーが、結着樹脂、着色剤、離型剤を少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉体とを有するトナーであり、
トナーの個数平均粒径D1が3.0乃至8.0μmであり、
トナーに対する微小圧縮試験において測定される、トナーの粒子径をD(μm)、トナーの1粒子に負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷したときの最大変位量をX100T(μm)、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20T(μm)としたとき、
1−0.20≦D≦D1+0.20
0.10≦X100T/D≦0.90
0.010≦X20T/D≦0.080
の関係式を満たすことが、上記課題を解決する必須事項であることを見いだし本発明に至った。
本発明により、温湿度に依存しない安定した高画質な画像が得られる。即ち、高温高湿環境下での現像スジを抑制し、且つ低温低湿下でのフィルミングを抑制した画像を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
温湿度に依存せず、電子写真の現像特性が安定していることは、使用場所の選択肢が広がるなどそのメリットは大きい。そこで、本発明者らは該性能について鋭意検討を行った。
その結果、ある特定の材料を用い、且つ微小圧縮測定における変位量をある特定の範囲としたトナー担持体を用いること。そして更に、微小圧縮測定における変位量をある特定の範囲としたトナーを用いることで前記性能が良好となることが分かった。
具体的には、静電潜像担持体の表面にトナー担持体上のトナーを接触させ、トナー担持体が担持するトナーによって静電潜像担持体の表面の静電潜像を現像する画像形成方法であって、
前記トナー担持体が芯体の周囲に弾性層および表面層を有し、前記表面層が下記条件1)、2)を満足し、
1)前記表面層が下記の樹脂A、Bを含有する
樹脂A:ポリプロピレングリコール、またはポリテトラメチレングリコール骨格からなる熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂、
樹脂B:アクリル樹脂
2)前記表面層の微小圧縮試験において、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷したときの最大変位量をX100D(μm)、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20D(μm)としたとき、
5.0≦X100D≦15.0
1.0≦X20D≦3.0
である
前記トナーが、結着樹脂、着色剤、離型剤を少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉体とを有するトナーであり、
トナーの個数平均粒径D1が3.0乃至8.0μmであり、
トナーに対する微小圧縮試験において測定される、トナーの粒子径をD(μm)、トナーの1粒子に負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷したときの最大変位量をX100T(μm)、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20T(μm)としたとき、
1−0.20≦D≦D1+0.20
0.10≦X100T/D≦0.90
0.010≦X20T/D≦0.080
の条件を満たすことが上記課題を解決するために必須となる。
その詳細な理由は不明であるが、以下のように推察される。
トナー担持体において、表面層に用いられる材料、またその物性は現像に大きな影響を及ぼしている。特に接触現像法は潜像担持体とトナー担持体とが接触しているため機械的ストレスが大きく、現像部材及びトナーの耐久劣化が促進されるためトナー担持体表面層の諸特性をコントロールすることは重要である。
本発明で用いるトナー担持体においては、表面層が下記樹脂A、及び樹脂Bを含有し、微小圧縮試験において、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷したときの最大変位量をX100D(μm)、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20D(μm)としたとき、
5.0≦X100D≦15.0
1.0≦X20D≦3.0
であることを特徴としている。
まず、樹脂Aのポリエーテルポリウレタン樹脂について説明する。ウレタン樹脂は主骨格として導入する樹脂種により極性及び機械的物性が変化する。中でも本発明で用いるポリプロピレングリコールユニット、またはポリテトラメチレングリコールユニットを主骨格とするウレタン樹脂は柔軟性に優れ、一般的に高極性であるウレタン樹脂の中でも比較的低極性であり、アクリル樹脂との相溶性が良く、アクリル成分の相分離や極端な表面偏在が起こりにくくなる。
次に樹脂Bのアクリル樹脂について説明する。アクリル樹脂はウレタン樹脂に比べ、一般的に低極性である。そのため高極性であるウレタン樹脂と相分離や極端な表面局在化を生じやすい。しかしトナー担持体の表面層として用いる場合、膜の硬度上昇や基材密着性の低下を避け、高次元で諸性能を満足することが可能となる。特にタック性が向上し、トナーの規制部材固着を抑制し現像スジの発生を抑制する。高湿高温下での現像の安定化が得られる。
しかし、トナー担持体を上記構成にしただけでは、低温低湿環境下での現像安定化は得られない。低温低湿環境、高温高湿環境の両環境の現像安定性を得るためには、トナー担持体表面層及びトナーの微小圧縮を適正な値にすることが必要であり、その理由については不明であるが、発明者等は以下のように考えている。
トナー担持体及びトナーの微小部分の硬度を規定することにより、潜像担持体とトナー担持体間で掛るトナー粒子への負荷が適正化され、トナー担持体へのフィルミングが抑制されているものと考えている。特に硬度変化が起こり易い低温低湿環境でのフィルミング抑制効果が得られフィルミグによる画像弊害が抑制される。
上述した条件を満足したトナー担持体及びトナーを組み合わされることにより、高温高湿での現像スジ、低温低湿でのフィルミングを抑制した本課題である温湿度に依存しない現像特性が可能となる。
微小圧縮試験におけるトナーの微小圧縮が適正な値であっても、トナー担持体表面層の負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷したときの最大変位量X100Dが5.0より小さい場合、担持体へのトナーのフィルミングの抑制効果が得られにくくなる。逆に15.0を超える場合、アクリル樹脂樹脂を含有していても規制部材への固着やバンディングが発生し易くなる。好ましくは6.0以上13.0以下であり、より好ましくは7.0以上11.0以下であり本発明の効果が安定して得られる。また、荷重2.0×10-4N時の変位量X20Dが1.0より小さい場合、フィルミングの発生がより顕著となる。逆に3.0を超える場合は規制部材への固着が発生し易い。より好ましくは1.2以上2.8以下であり、より安定した画像が得られやすい。
また、微小圧縮試験におけるトナー担持体の微小圧縮が適正な値であっても、トナーの負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷したときの最大変位量/トナーの粒子径(X100T/D)が0.10より小さい場合、外添剤の遊離による濃度低下や解像性の低下が起こり易い。一方、0.90を超える場合、トナー担持体表面の微小硬度が適正な値であっても、現像スジが発生する。より好ましくは0.40以上0.80であり画像安定性がより得られる。また、荷重2.0×10-4N時の変位量/トナーの粒子径(X20T/D)が0.010より小さい場合、充分な定着性が得られない。一方、0.080を超える場合、耐ストレス性が低下しトナー担持体へのフィルミングが発生する。より好ましくは0.015以上0.060以下であり本発明の効果がより得られやすい。
本発明におけるトナー担持体表面層の微小圧縮の測定は超微小硬度計ENT1100(エリオニクス社製)を用いて行った。具体的な測定方法としては、トナー担持体より表面層を剥ぎ取り、5mm四方の試験片を作成する。もしくは、表面層と同成分の樹脂膜を表面層と同じ膜厚になるよう作製し、その試験片をセラミックセル上に乗せ装置にセットして測定した。
測定は、変位量の誤差を極力無くすため装置付帯の顕微鏡を覗きながら測定用画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)でセルに対し水平となっている部分を選択し測定した。
同様に、トナーの微小圧縮の測定は超微小硬度計ENT1100(エリオニクス社製)を用いて行った。具体的な測定方法としては、セラミックセル上にトナーを塗布し、トナーがセル上に分散するように微小なエアーを吹き付ける。そのセルを装置にセットして測定した。
測定は、装置付帯の顕微鏡を覗きながら測定用画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)に無機微粉体を有するトナー粒子が1粒子で存在しているもの選択した。変位量の誤差を極力無くすため、トナー粒子径が個数平均粒径D1の±0.20μmのものを選択して測定した。
〔トナー担持体〕
本発明の画像形成装置に用いられるトナー担持体は、その断面構造の一例を図1に示すように、導電性軸芯体1の外周に弾性層2を有しさら表面層3を有する。
導電性軸芯体1は、導電性部材の電極および支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロム、又はニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。軸芯体の外径は通常4乃至10mmの範囲とする。
弾性層2は、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを過不足なく供給することができるように、適切なニップ幅とニップ圧をもって感光体に押圧されるような硬度や弾性を現像ローラに付与するものである。この弾性層は、通常ゴム材の成型体により形成される。上記ゴム材としては、従来より導電性ゴムローラに用いられている種々のゴム材を用いることができる。ゴム材に使用するゴムとしては、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。この中でも、特にセット性能の観点からシリコーンゴムを用いることが好ましい。シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらポリシロキサンの共重合体が挙げられる。
弾性層2中には、導電性付与剤が含有されており、さらに非導電性充填剤、架橋剤、触媒の如き各種添加剤が適宜配合される。導電性付与剤としては、グラファイト、カーボンブラック、アルミニウム、銅の如き導電性金属;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。このうち、カーボンブラックは比較的容易に入手でき、良好な帯電性が得られるので好ましい。非導電性充填剤としては、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛又は炭酸カルシウムが挙げられる。架橋剤としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン又はジクミルパーオキサイドが挙げられる。
弾性層2の体積固有抵抗値は、100Vの直流電圧印加時で103乃至108Ω・cmの範囲にあることが好ましい。例えば、導電性付与剤としてカーボンブラックを用いる場合は、ゴム材中のゴム100質量部に対して15乃至80質量部配合される。また、弾性層3の厚さは2.0乃至6.0mmの範囲にあることが好ましく、3.0乃至5.0mmの範囲にあることがより好ましい。
表面層3に含有する樹脂Aはポリプロピレングリコールユニット、またはポリテトラメチレングリコールユニットを主骨格とする柔軟性に優れたウレタン樹脂を用いることが必要である。アクリル樹脂との相溶性を考慮すると8.4以上8.9以下のSP値とすることが好ましい。それに対し、ポリエチレングリコールはポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールに比べ高極性になりやすく、また親水性も増すため、高温高湿環境下における物性変動により、耐固着性が大きくなる場合がある。
このようなポリエーテルポリウレタン樹脂は、ポリエーテルポリオールやウレタン化ポリエーテルポリオールをイソシアネートと反応させることにより得られるが、ウレタン結合の含有量を調整し、機械的強度を低下させない程度にポリエーテル成分の含有量を高くすることにより、より柔軟で低極性にすることが可能となる。具体的にはポリプロピレングリコール骨格及び/またはポリテトラメチレングリコール骨格の含有率を60質量%以上85質量%以下とすることで、より柔軟でアクリル樹脂成分との相溶性にすぐれたウレタン樹脂となる。
ポリオール成分と反応させる架橋剤としてのイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びこれらの共重合物や、そのブロック体が用いられる。
また、樹脂Bのアクリル樹脂はポリウレタン原料とアクリル樹脂の極性差やTgや分子量を厳密に制御することでより安定した現像性が得られる。
アクリル樹脂のTgは30℃以上70℃以下であることが好ましい。Tgが30℃未満になるとアクリル樹脂の含有量に関わらず、高温高湿環境下でのトナーとの耐固着性が低下し、また画像形成時にトナー融着を生じやすくなる場合がある。また、Tgが70℃を超えると現像ローラの表面硬度が上昇し、フィルミング、カブリが発生し、多数枚耐久性の低下を引き起こす場合がある。
アクリル樹脂のSP値は7.5以上8.6以下であることが好ましい。アクリル樹脂はモノマー種の選択により極性の制御が容易である。長鎖アルキル基を有するモノマーユニットを高い比率で含有するものは、Tgを大幅に低下する他に、SP値が低くなるため、現像ローラとして好適なウレタン樹脂成分との極性差が大きくなり、層分離による外観不良を引き起こしたり、シリコーンゴムの如き低極性な弾性層との密着性低下を示す場合がある。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は30000以上100000以下であることが好ましい。Mwが30000未満であると、TgとSP値が適正な範囲にあっても高温高湿環境下で充分な耐トナー固着性が得られにくく、Mwが100000を超えると十分な耐久性が得られない場合がある。
アクリル樹脂のTgとSP値、及び重量平均分子量の3要素は現像ローラ表面層に用いるためには特に重要であり、このうち何れかが好ましい範囲を外れると最適な性能を得るのが難しくなる。アクリル樹脂の諸物性をこのような現像ローラとして好ましい範囲にするために、モノマー種の選択が重要である。具体的には構成単位として、メタクリル酸メチルユニット(MMA)、メタクリル酸エチルユニット(EMA)、スチレンユニット、2−エチルヘキシルメタクリレートユニット(EHMA)、ヒドロキシエチルメタクリレートユニット(HEMA)、アクリロニトリルユニット、アクリルアミドユニットを好適に用いることができる。先に述べたように長鎖アルキル基を有するモノマーや、フッ素、シリコーン成分を有するモノマーはアクリル樹脂のTg、SP値を大幅に低下させる場合がある。
メタクリル酸メチル(MMA)、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)、スチレンはアクリル樹脂の適正な物性範囲を得るために特に好ましい。また、MMAとスチレンのモル比の合計がアクリル樹脂の全構成単位に対して50%以上90%以下であることが好ましい。また、HEMAの如き水酸基を含有するモノマーユニットを含まないアクリル樹脂は、ウレタン樹脂の架橋反応時にイソシアネートと反応することがないため、膜の硬度上昇を起こしにくく、より好ましい。
また、本発明は、(A)ポリエーテルポリウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と(B)アクリル樹脂のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹脂成分における(B)アクリル樹脂の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
本発明における(A)ポリエーテルポリウレタン樹脂と(B)アクリル樹脂のSP値の差とは、
〔(A)ポリエーテルポリウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値〕−〔(B)アクリル樹脂のSP値〕
を指す。
ウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値とアクリル樹脂のSP値との差が0.9を超えると、層分離による外観不良や極端な界面への偏在により基材密着性を低下させる場合がある。またSP差が全くない場合は、トナーの融着や他部材との固着を起こす場合がある。アクリル樹脂のSP値の方が大きい場合は不相溶による外観不良を起こす場合がある。
アクリル樹脂の含有量に関しては、全樹脂成分における樹脂(B)の含有率が0.1質量%未満ではアクリル樹脂添加効果が充分得られない場合があり、5.0質量%を超えると、膜の硬度上昇や弾性層との密着性の低下を招く恐れがある。
表面層3には、導電性を付与するために導電性付与剤が含有されることが好ましい。導電性付与剤としては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの表面層3中の含有量は、表面層を形成する基体樹脂100質量部に対して、10乃至50質量部であることが、現像ローラとしての導電性を好ましい範囲にすることができるため好ましい。使用するカーボンブラックの個数平均粒径およびDBP吸油量に特に制限はないが、皮膜強度と導電付与性の点から、個数平均一次粒子径が15乃至50nmであり、DBP吸油量が70乃至150ml/100gであることが好ましい。
表面層3には現像ローラの表面の粗さ制御のために微粒子を添加してもよい。粗さ制御用微粒子としては、体積平均粒径が3乃至20μmであることが好ましい。また、表面層に添加する粒子添加量が、表面層の樹脂固形分100質量部に対し、1乃至50質量部であることが好ましい。
さらに、粗さ制御用微粒子の成分としてはポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を用いることができる。
〔トナー〕
本発明に用いられるトナー粒子は、どのような手法を用いて製造されても構わないが、懸濁重合法、乳化重合法、懸濁造粒法の如き、水系媒体中で造粒する製造法によって得ることが好ましい。一般的な粉砕法により製造されるトナー粒子の場合、ワックス成分を多量にトナー粒子に添加することは、非常に技術的難易度が高い。水系媒体中でトナー粒子を造粒する製造法は、ワックス成分を多量にトナー粒子に添加しても、トナー粒子表面にワックス成分を存在させず、内包化することができる。これら製造法の中でも懸濁重合法はワックス成分のトナー粒子中への内包化による長期現像安定性、及び、溶剤を使用しないといった製造コスト面から最も好ましい製造方法の一つである。
以下、本発明に用いられるトナー粒子を得る上で最も好適な懸濁重合法を例示して、該トナー粒子の製造方法を説明する。結着樹脂、着色剤、ワックス成分及び必要に応じた他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機に依って均一に溶解または分散させ、これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。次に、該重合性単量体組成物を分散安定剤含有の水系媒体中に懸濁して重合を行うことによってトナー粒子は製造される。上記重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
懸濁重合法により得られるトナー粒子は、ワックス成分を内包化している完全カプセル構造を有している。本発明のトナーは、微小圧縮硬度が図4で示されるような荷重−変位曲線で屈曲点を有することが好ましい。この屈曲点は、トナー粒子の内部構造が関係し、該屈曲点までの傾きの大きい荷重−変位曲線部はシェル部、該屈曲点以降の傾きの小さい荷重−変位曲線部はコア部の変位を表していると推察される。更に、本発明のトナーにおいて、分子量分布、ワックス成分、該ワックス成分の含有量を好ましいものとすることで、微小圧縮試験時のシェル部・コア部の変位を最適化することができ、本発明のトナーの特徴である微小圧縮硬度を最適化することができる。
本発明に用いられる結着樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−アクリル共重合体、スチレン−メタクリル共重合体、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
結着樹脂を生成するための重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。スチレン;o−(m−,p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアクリル酸エステル系単量体或いはメタクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミドの如きエン系単量体。
これらの重合性単量体は、単独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−p139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40乃至75℃を示すように重合性単量体を適宜混合して用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を超える場合は、定着性が低下する。
また、本発明のトナーに使用するトナー粒子を製造する場合においては、トナーのTHF可溶分が好ましい分子量分布を有するために、低分子量ポリマーを添加することが好ましい。低分子量ポリマーは、懸濁重合法によってトナー粒子を製造する場合には、重合性単量体組成物中に添加することができる。該低分子量ポリマーとしては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が2,000乃至5,000の範囲で、且つ、Mw/Mnが4.5未満、好ましくは3.0未満のものが好ましい。
低分子量ポリマーの例としては、低分子量ポリスチレン、低分子量スチレン−アクリル酸エステル共重合体、低分子量スチレン−アクリル共重合体が挙げられる。
本発明において、上述の結着樹脂と共にポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂の如きカルボキシル基を有する極性樹脂を併用することが好ましい。
例えば、懸濁重合法により直接トナー粒子を製造する場合には、分散工程から重合工程に至る重合反応時に極性樹脂を添加すると、トナー粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈する極性のバランスに応じて、添加した極性樹脂がトナー粒子の表面に薄層を形成したり、トナー粒子表面から中心に向け傾斜性をもって存在するように、極性樹脂の存在状態を制御することができる。即ち、極性樹脂を添加することは、コアシェル構造のシェル部を強化することができるので、本発明のトナーの微小圧縮硬度を最適化することが容易となる。
上記極性樹脂の好ましい添加量は、結着樹脂100質量部に対して1乃至25質量部であり、より好ましくは2乃至15質量部である。1質量部未満ではトナー粒子中での極性樹脂の存在状態が不均一となりやすく、一方、25質量部を超えるとトナー粒子の表面に形成される極性樹脂の層が厚くなるために、好ましくない。
本発明に用いられる極性樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。特にポリエステル樹脂が好ましく、酸価は4mgKOH/g以上20mgKOH/g以下の範囲が好ましい。酸価が4mgKOH/gより小さい場合、シェル構造を形成しにくく微小圧縮硬度のコントロールが困難になる。酸価が20mgKOH/gを超える場合、帯電性に影響を及ぼし解像性が悪くなる。また分子量は3,000乃至30,000にメインピークの分子量を有すると、トナー粒子の流動性、負摩擦帯電特性を良好にすることができるため好ましい。
本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、トナーのTHF可溶成分の分子量を制御するために、結着樹脂を合成する時に架橋剤を用いてもよい。
2官能の架橋剤として、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたもの。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテート。これらの架橋剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して、好ましくは0.05乃至10質量部、より好ましくは0.1乃至5質量部である。
本発明のトナーに用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤。
これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、重合性ビニル系単量体100質量部に対して3乃至20質量部である。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
本発明のトナーは低温定着性、高グロスの観点から100℃時のフロテスター粘度が1.5×104以上4.5×104以下であることが好ましい。1.5×104より低い場合、トナー強度が低く耐久性に劣る。4.5×104より大きいと定着性が悪く高グロス、低温定着性が得られ難い。好ましくは1.8×104以上4.3×104以下、より好ましくは2.0×104以上4.0×104以下であり低温定着性と耐久性のバランスが取りやすい。
本発明のトナーは、着色力を付与するために着色剤を必須成分として含有する。本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料、有機染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、上記イエロー系着色剤/マゼンタ系着色剤/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1乃至20質量部添加して用いられる。
本発明においては重合法を用いてトナー粒子を得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは、重合阻害のない物質による疎水化処理を着色剤に施しておいたほうが良い。特に、染料系着色剤やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。染料系着色剤を処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。
また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(例えば、ポリオルガノシロキサン等)で処理を行っても良い。
前記水系媒体調製時に使用する分散安定剤としては、公知の無機系及び有機系の分散安定剤を用いることができる。
具体的には、無機系の分散安定剤の例としては、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。この様な界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。
本発明のトナーに用いられる水系媒体調製時に使用する分散安定剤としては、無機系の難水溶性の分散安定剤が好ましく、しかも酸に可溶性である難水溶性無機分散安定剤を用いることが好ましい。
また、本発明においては、難水溶性無機分散安定剤を用い、水系媒体を調製する場合に、これらの分散安定剤の使用量は重合性単量体100質量部に対して、0.2乃至2.0質量部であることが好ましい。また、本発明においては、重合性単量体組成物100質量部に対して300乃至3,000質量部の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
本発明において、上記のような難水溶性無機分散安定剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定剤をそのまま用いて分散させてもよい。また、細かい均一な粒度を有する分散安定剤の粒子を得るために、水の如き液媒体中で、高速撹拌下、難水溶性無機分散安定剤を生成させて水系媒体を調製してもよい。例えば、リン酸三カルシウムを分散安定剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定剤を得ることができる。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤をトナー粒子と混合して用いることも可能である。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性を安定化、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
また、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩の如きによるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
本発明のトナーは、これら荷電制御剤を単独で或いは2種類以上組み合わせて含有することができる。
これら荷電制御剤の中でも、本発明の効果を十分に発揮するためには、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムが好ましい。最も好ましい荷電制御剤としては、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物である。
荷電制御剤の好ましい配合量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部である。しかしながら、本発明のトナーには、荷電制御剤の添加は必須ではなく、トナーの層厚規制部材やトナー担持体との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含ませる必要はない。
本発明のトナー粒子には流動性向上剤として無機微粉体が添加されている。
本発明のトナー粒子に外添する無機微粉体としては、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉体またはそれらの複酸化物微粉体の如き微粉体が挙げられる。該無機微粉体の中でもシリカ微粉体及び酸化チタン微粉体が好ましい。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカが挙げられる。無機微粉体としては、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他の如き金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体であっても良い。
無機微粉体は、トナーの流動性改良及びトナー粒子の帯電均一化のためにトナー粒子に外添される。無機微粉体を疎水化処理することによって、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上を達成することができるので、疎水化処理された無機微粉体を用いることが好ましい。トナーに添加された無機微粉体が吸湿すると、トナーとしての帯電量が低下し、現像性や転写性の低下が生じ易くなる。
無機微粉体の疎水化処理の処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で或いは併用して用いられても良い。
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粉体が好ましい。より好ましくは、無機微粉体をカップリング剤で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理したシリコーンオイル処理された疎水化処理無機微粉体が高湿環境下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、選択現像性を低減する上でよい。
〔トナー供給ローラ〕
本発明の画像形成方法に用いられるトナー供給ローラを詳しく説明する。トナー供給ローラとしては、芯金としての良導電性シャフトと、その外周に形成された発泡弾性層を備え、該発泡弾性層が、シリコーンとポリエーテルの共重合体を含有するトナー供給ローラを好適に用いることができる。
発泡弾性層の材料(基材)としては、例えば、ポリウレタン、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどのゴム原料、または、これらゴム原料の製造原料である単量体等(これら単量体等をもゴム原料と表すことがある)を用いて得られる発泡弾性体のなかから選択して用いればよい。前記ゴム原料単独でまたはこれらのゴム原料の二種以上を組み合わせたゴム原料を用いて得られる発泡弾性体であってもよい。これらの発泡弾性体の中ではポリウレタンフォームが好ましく用いられる。
ポリウレタンフォームを形成するための原料を構成するポリオール成分としては、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられている、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等の公知のポリオール類の何れもが用いられ得る。またポリウレタンフォームを形成するための原料を構成するポリイソシアネート成分としては、公知の、少なくとも2官能以上のポリイソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等が、単独で、または併用される。
これらポリオール成分とポリイソシアネート成分とが配合されてなるポリウレタンフォーム原料には、シリコーンとポリエーテルの共重合体が含有されることが好ましい。この成分は整泡剤として役割を果たすが、特にシリコーン部、ポリエーテル部共に大きな制約はなく、公知の材料で好適に用いられる。
更に、架橋剤、発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、界面活性剤、触媒、所望の導電性を付与するための導電性付与剤や、帯電防止剤等も添加せしめることができる。
本発明のトナー供給ローラの製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法の中から適した方法を選択しこれによって製造すればよい。具体的には、鉄やステンレス鋼等の金属材料等からなる、通常直径が4乃至10mm、長さが200乃至400mmの芯金を発泡弾性体で被覆して発泡弾性層を形成することにより製造することができる。トナー供給ローラの外径は、特に限定されず、その目的によりさまざまの外径を有するものとすることができるが、一般的には10乃至20mmの外径とすることができる。
例えば、ポリウレタン原料、シリコーンとポリエーテルの共重合体、発泡剤、所望により用いられる触媒、架橋剤、鎖延長剤、その他の助剤等を均質に混合してポリウレタン原料組成物を調製した後、芯金を予め配した成型金型のキャビティ内に前記原料組成物を注入し、加熱して反応硬化または固化させることにより一体的に発泡弾性層を形成し製造する方法、予め、上記ポリウレタン原料組成物を用いて別途形成した発泡弾性体のスラブやブロックから、切削加工等により、チューブ状等の所定の形状、寸法に切り出し、これに芯金を圧入して芯金上に発泡弾性層を被覆して製造する方法またはこれらの方法を適宜組み合わせた方法などを挙げることができる。所望の場合には、さらに、切削や研磨処理などによって所定の外径に調整してもよい。
本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の一例を挙げる。
画像形成装置の構成を図3に示す。本例の画像形成装置は転写方式電子写真プロセスを用いたレーザービームプリンターである。
図3は本発明に係る画像形成方法に用いられる画像形成装置の一例としてタンデム型のカラーLBP(カラーレーザープリンタ)の断面図を示す。
図3において、1(1a〜1d)は図示矢印方向(反時計方向)に所定のプロセススピードで回転する潜像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称する)であり、感光ドラム1a,1b,1c,1dは順にカラー画像のイエロー(Y)成分、マゼンタ(M)成分、シアン(C)成分、ブラック(Bk)成分のそれぞれを分担するものである。これらの感光ドラム1a〜1dは、不図示のドラムモータ(直流サーボモータ)によって回転駆動されるが、各感光ドラム1a〜1dにそれぞれ独立した駆動源を設けても良い。尚、ドラムモータの回転駆動は不図示のDSP(デジタルシグナルプロセッサ)によって制御され、その他の制御は不図示のCPUによって行われる。
また、静電吸着搬送ベルト9aは、駆動ローラ9bと固定ローラ9c,9e及びテンションローラ9dに張架されており、駆動ローラ9bによって図示矢印方向に回転駆動され、記録媒体Sを吸着して搬送する。
以下、4色のうち、イエロー(Y)を例として説明する。
感光ドラム1aはその回転過程で1次帯電手段2aにより所定の極性及び電位に一様に1次帯電処理される。そして、感光ドラム1aに対してレーザービーム露光手段(以下、スキャナーと称する)3aにより光像露光がなされ、該感光ドラム1a上に画像情報の静電潜像が形成される。
次に、現像部4aによってトナー像が感光ドラム1a上に形成され、静電潜像が可視化される。同様な工程が他の3色(マゼンタ(B)、シアン(C)及びブラック(Bk))についてもそれぞれ実施される。
而して、4色のトナー像は、所定のタイミングで給紙ローラ8bにより搬送されてきた記録媒体Sを停止、再搬送するレジストローラ8cにより同期され、感光ドラム1a〜1dと静電吸着搬送ベルト9aとのニップ部において記録媒体Sにトナー像が順次転写される。又、これと同時に記録媒体Sへのトナー像転写後の感光ドラム1a〜1dはクリーニング手段6a,6b,6c,6dによって転写残トナー等の残存付着物が除去され、繰り返し作像に供される。
4つの感光ドラム1a〜1dからトナー像が転写された記録媒体Sは、駆動ローラ9b部において静電吸着搬送ベルト9a面から分離されて定着器10に送り込まれ、定着器10においてトナー像が定着された後、排出ローラ10cによって排出トレー13に排出される。
次に現像部の拡大図(図2)を用いて、本発明として適用される非磁性一成分接触現像方式での画像形成方法の具体例を説明する。図2において、現像ユニット13は、一成分現像剤としての非磁性トナー17を収容した現像剤容器23と、現像剤容器23内の長手方向に延在する開口部に位置し潜像担持体(感光ドラム)10と、対向設置されたトナー担持体14とを備え、潜像担持体10上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。潜像担持体接触帯電部材11は潜像担持体10に当接している。潜像担持体接触帯電部材11のバイアスは電源12により印加されている。
トナー担持体14は、上記開口部にて図に示す右略半周面を現像剤容器23内に突入し、左略半周面を現像剤容器23外に露出して横設されている。この現像剤容器23外へ露出した面は、図2のように現像ユニット13の図中左方に位置する潜像担持体10に当接している。
トナー担持体14は矢印B方向に回転駆動され、潜像担持体10の周速は50乃至170mm/s、トナー担持体14の周速は潜像担持体10の周速に対して1乃至2倍の周速で回転させている。
トナー担持体14の上方位置には、SUS等の金属板や、ウレタン、シリコーン等のゴム材料、バネ弾性を有するSUS又はリン青銅の金属薄板を基体とし、トナー担持体14への当接面側にゴム材料を接着したもの等からなる規制部材16が、規制部材支持板金24に支持され、自由端側の先端近傍をトナー担持体14の外周面に面接触にて当接するように設けられており、その当接方向としては、当接部に対して先端側がトナー担持体14の回転方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。規制部材16の一例としては、厚さ1.0mmの板状のウレタンゴムを規制部材支持板金24に接着した構成で、トナー担持体14に対する当接圧(線圧)を、適宜設定したものである。当接圧は、好ましくは、20乃至300N/mである。なお、当接圧の測定は、摩擦係数が既知の金属薄板を3枚当接部に挿入し、中央の1枚をばねばかりで引き抜いた値から換算する。なお、規制部材16は当接面側にゴム材料などを接着したものの方がトナーとの付着性の面で、長期使用において規制部材へのトナーの融着、固着を抑制できるため望ましい。また規制部材16は、トナー担持体14に対する当接状態を先端を当接させるエッジ当接とすることも可能である。なお、エッジ当接とする場合は、トナー担持体との接点におけるトナー担持体の接線に対する規制部材の当接角を40度以下になるよう設定するとトナーの層規制の点で更に望ましい。
トナー供給ローラ15は、規制部材16のトナー担持体14表面との当接部に対しトナー担持体14の回転方向上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。このトナー供給ローラ15のトナー担持体14に対する当接幅としては、1乃至8mmが有効で、またトナー担持体14に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。
帯電ローラ29は本発明の画像形成方法に必須のものではないが、設置されているとより好ましい。帯電ローラ29はNBR、シリコーンゴム等の弾性体であり、抑圧部材30に取り付けられている。そしてこの抑圧部材30による帯電ローラ29のトナー担持体14への当接荷重は0.49乃至4.9Nに設定する。帯電ローラ29の当接により、トナー担持体14上のトナー層は細密充填され均一コートされる。規制部材16と帯電ローラ29の長手位置関係は、帯電ローラ29がトナー担持体14上の規制部材16当接全域を確実に覆うことができるように配置されるのが好ましい。
また、帯電ローラ29の駆動については、トナー担持体14との間は従動又は同周速が必須であり、帯電ローラ29とトナー担持体14間に周速差が生じるとトナーコートが不均一になり、画像上にムラが発生するため好ましくない。
帯電ローラ29のバイアスは、電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に直流で(図2の27)印加されており、トナー担持体14上の非磁性トナー17は帯電ローラ29より、放電によって電荷付与を受ける。
帯電ローラ29のバイアスは、非磁性トナーと同極性の放電開始電圧以上のバイアスであり、トナー担持体14に対して1000乃至2000Vの電位差が生じるように設定される。
帯電ローラ29による帯電付与を受けた後、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、一様に潜像担持体10との対向部である現像部へ搬送される。
この現像部において、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、図2に示す電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に印加された直流バイアスによって、潜像担持体10上の静電潜像にトナー像として現像される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
本発明におけるトナー担持体及びトナー物性については、下記の方法を用いて測定を行った。
<トナー担持体表面層の微小圧縮測定>
本発明におけるトナー担持体表面層の微小圧縮の測定は超微小硬度計ENT1100(エリオニクス社製)を用いて行った。具体的な測定方法としては、トナー担持体より表面層を剥ぎ取り、5mm四方の試験片を作成する。その試験片をセラミックセル上に乗せ装置にセットして測定した。
測定は、変位量の誤差を極力無くすため装置付帯の顕微鏡を覗きながら測定用画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)でセルに対し水平となっている部分を選択し測定した。
測定データに関しては、トナー担持体の両端、及び中央部の3点で試験片を作成し、各試験片において30点測定した。測定結果として得られた最大変位量X100D(μm)の最大値、及び最小値からそれぞれ5個を除いた残り20個をデータとして使用し、合計60個についてX100D、X20Dを求めた。
<トナーの微小圧縮測定>
本発明におけるトナーの微小圧縮の測定は超微小硬度計ENT1100(エリオニクス社製)を用いて行った。具体的な測定方法としては、セラミックセル上にトナーを塗布し、トナーがセル上に分散するように微小なエアーを吹き付ける。そのセルを装置にセットして測定した。
測定は、装置付帯の顕微鏡を覗きながら測定用画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)に無機微粉体を有するトナー粒子が1粒子で存在しているもの選択した。変位量の誤差を極力無くすため、トナー粒子径が個数平均粒径D1の±0.20μmのものを選択して測定した。なお、測定用画面から任意の無機微粉体を有するトナー粒子を選択するが、トナー粒子径の測定手段は超微小硬度計ENT1100付帯のソフトを用いてトナー粒子の長径と短径を測定し、それらから求められるアスペクト比[(長径+短径)/2]をD(μm)とした。
測定データに関しては任意の無機微粉体を有するトナー粒子100個を選んで測定し、測定結果として得られた最大変位量X100T(μm)の最大値、及び最小値からそれぞれ10個を除いた残り80個をデータとして使用し、その80個について、X100T/D、X20T/D、を求めた。
<トナーの個数平均粒径(D1)の測定>
コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。前記電解水溶液を100ml加え、更に測定試料を5mg、及びコンタミノン水溶液0.1mlを加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い前記コールターマルチサイザーにより100μmアパーチャーを用いて、2.0μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して個数平均粒径(D1)を求める。
<トナーの100℃時の粘度測定>
本発明におけるトナーの100℃時の測定は、高架式フローテスター(島津製作所製 フローテスターCFT−500型)を用いて行った。具体的な測定方法としては、荷重9.807×105Pa、ダイ径1.0mmを用い、昇温速度3.0℃/minで連続的に加熱したときのプランジャーの降下量を測定した。得られたデータより100℃時の粘度を求めた。
測定に用いた試料は、粉体をΦ10mm、10mm厚となるように20×105Paの力で加圧成型したものを使用した。
次に本発明で用いるトナーの製造例について述べる。
〈トナー製造例1〉
スチレン単量体100部に対して、C.I.Pigment Blue15:3を16.5部、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物〔ボントロンE88(オリエント化学工業社製)〕を3.0部用意した。これらを、アトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズ(140部)を用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液1を調製した。
一方、イオン交換水710部に0.1M−Na3PO4水溶液450部を投入し60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
・マスターバッチ分散液1 40部
・スチレン単量体 28部
・n−ブチルアクリレート単量体 18部
・低分子量ポリスチレン 20部
(Mw=2,900、Tg=55℃)
・炭化水素系ワックス 9部
(フィッシャートロプシュワックス、最大吸熱ピーク=78℃、Mw=750)
・ポリエステル樹脂 5部
(テレフタル酸:イソフタル酸:プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)=30:30:30:10の重縮合物、酸価11.5、Mw=10,000)
上記材料を65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて均一に溶解し分散した。これに、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液7.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度65℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10,000rpmで10分間撹拌し重合性単量体組成物を造粒し、その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度67℃に昇温し、重合性ビニル系単量体の重合転化率が90%に達したところで、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して水系分散媒体のpHを9に調整した。更に昇温速度40℃/hで80℃に昇温し4時間反応させた。重合反応終了後、減圧下でトナー粒子の残存モノマーを留去した。水系媒体を冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、6時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解した。トナー粒子を濾別し水洗を行った後、温度40℃にて48時間乾燥し、シアン色のトナー粒子(A)を得た。
このトナー粒子(A)100部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0部(数平均一次粒子径:7nm)、ルチル型酸化チタン微粉体0.15部(数平均一次粒子径:30nm)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、本発明のトナーAを得た。微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈トナー製造例2〉
表1に示すようにポリエステル樹脂(酸価13.2、Mw=10,000)3部、フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク=58℃)9.0部、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液を8.5部に変更し、製造例1と同様にして、本発明のトナーBを得た。トナーBの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈トナー製造例3〉
表1に示すようにスチレン単量体13.0部、n−ブチルアクリレート単量体13.0部ポリエステル樹脂(酸価10.7、Mw=30,000)5部、フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク=58℃)9.0部、低分子量ポリスチレン(Mw=2,500、Tg=56℃)40.0部、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液を4.2部に変更し、製造例1と同様にして、本発明のトナーCを得た。トナーCの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈トナー製造例4〉
表1に示すようにスチレン単量体38.0部、n−ブチルアクリレート単量体20.0部、エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル)(最大吸熱ピーク=72℃)9.0部、低分子量ポリスチレン(Mw=3,000、Tg=56℃)10.0部、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液を7.8部に変更し、製造例1と同様にして、本発明のトナーDを得た。トナーDの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈トナー製造例5〉
表1に示すようにスチレン単量体13.0部、n−ブチルアクリレート単量体13.0部ジビニルベンゼン0.05部、ポリエステル樹脂(酸価13.2、Mw=8,000)3.5部、低分子量ポリスチレン(Mw=2,500、Tg=56℃)40.0部、フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク=78℃)12.0部、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液を4.2部に変更し、製造例1と同様にして、本発明のトナーEを得た。トナーEの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈トナー製造例6〉
表1に示すようにスチレン単量体38.0部、n−ブチルアクリレート単量体20.0部ジビニルベンゼン0.05部、低分子量ポリスチレン(Mw=3,000、Tg=55℃)10.0部、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液を5.0部に変更し、製造例1と同様にして、本発明のトナーFを得た。トナーFの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈トナー製造例7〉
表1に示すようにポリエステル樹脂(酸価3.5、Mw=10,100)5部に変更し、製造例1と同様にして、本発明のトナーGを得た。トナーGの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈トナー製造例8〉
表1に示すようにポリエステル樹脂(酸価22.0、Mw=10,500)5部に変更し、製造例1と同様にして、本発明のトナーHを得た。トナーHの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈トナー製造例9〉
表1に示すようにスチレン単量体38.0部、n−ブチルアクリレート単量体20.0部ポリエステル樹脂(酸価10.7、Mw=30,000)5部、低分子量ポリスチレン(Mw=3,000、Tg=56℃)10.0部、エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル)(最大吸熱ピーク=72℃)9.0部、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの78%トルエン溶液を5.0部に変更し、製造例1と同様にして、本発明のトナーIを得た。トナーIの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈比較例1〉
表2に示すようにスチレン単量体7.0部、n−ブチルアクリレート単量体20.0部、ポリエステル樹脂(酸価10.7、Mw=30,000)7部、低分子量ポリスチレン(Mw=2,000、Tg=48℃)40.0部、フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク=58℃)12.0、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの78%トルエン溶液を4.2部に変更し、製造例1と同様にして、比較トナーαを得た。トナーαの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈比較例2〉
表2に示すようにスチレン単量体42.0部、n−ブチルアクリレート単量体16.0部、ジビニルベンゼン0.1部、低分子量ポリスチレン(Mw=3,000、Tg=55℃)10.0部、エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル)(最大吸熱ピーク=72℃)9.0部、に変更し、製造例1と同様にして、比較トナーβを得た。トナーβの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈比較例3〉
表2に示すようにスチレン単量体13.0部、n−ブチルアクリレート単量体13.0部、ジビニルベンゼン0.05部、ポリエステル樹脂の添加なし、低分子量ポリスチレン(Mw=2,500、Tg=56℃)40.0部、フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク=78℃)12.0、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの78%トルエン溶液を4.2部に変更し、製造例1と同様にして、比較トナーγを得た。トナーγの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
〈比較例4〉
下記材料を予め混合物し、二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、得られた微粉砕物を分級してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子に、実施例1と同様にして無機微粉体を外添し、比較トナーεを得た。
・結着樹脂 100部
[スチレン−n−ブチルアクリレート共重合樹脂(Mw=30,000、Tg=62℃)]
・C.I.Pigment Blue15:3 5部
・ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物 3部
〔オリエント化学工業社製:ボントロンE88〕
・エステルワックス 6.0部
(ベヘン酸ベヘニル:最大吸熱ピーク=72℃、Mw=700)
比較トナーεの微小圧縮及びフロテスター粘度の結果を表3に示す。
更に、トナーの微小圧縮硬度測定結果について、代表例として、トナーA(実施例1)、比較トナーε(比較例4)の測定グラフを図4、図5に示す。
Figure 0005020757
Figure 0005020757
Figure 0005020757
次に、本発明の画像形成方法で用いるトナー担持体の製造例について述べる。
[ウレタン樹脂原料の合成例]
ポリウレタン原料U−1の合成
ポリテトラメチレングリコール〔PTG1000SN(商品名)、保土谷化学社製〕100.0部に、イソシアネート化合物〔コスモネートMDI(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕24.4部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合し、窒素雰囲気下温度80℃にて5時間反応させて重量平均分子量Mw=9000、水酸基価22のポリウレタンポリオールを得た。次にこのポリウレタンポリオール100.0部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社〕)41.5部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−1を得た。
ポリウレタン原料U−2の合成
ポリプロピレングリコール〔アクトコールDiol−1000(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕100.0部に、イソシアネート化合物〔タケネートD140N(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕19.0部をMEK溶媒中で段階的に混合し、窒素雰囲気下80℃にて5時間反応させて重量平均分子量Mw=11000、水酸基価24のポリウレタンポリオールを得た。次にこのポリウレタンポリオール100.0部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社製〕34.2部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−2を得た。
ポリウレタン原料U−3の合成
イソシアネート化合物〔コスモネートMDI〕を22.1部、イソシアネート〔コロネート2521〕を34.8部に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−3を得た。
ポリウレタン原料U−4の合成
イソシアネート化合物〔コスモネートMDI〕を18.8部、イソシアネート〔コロネート2521〕を33.3部に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−4を得た。
ポリウレタン原料U−5の合成
イソシアネート化合物〔コスモネートMDI〕を30.9部、イソシアネート〔コロネート2521〕を44.3部に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−5を得た。
ポリウレタン原料U−6の合成
アクリル樹脂〔ヒタロイド3368(商品名)、日立化成工業社製〕100.0部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社製〕29.8部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−6を得た。
[アクリル樹脂の合成例]
アクリル樹脂A−1の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)18.8部、スチレン23.2部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)44.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)14.5部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.3部の混合物を1.5時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに2時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−1を得た。
また同様の合成条件にて、表4のモノマー構成比とすることにより樹脂A−3、5を得た。
アクリル樹脂A−2、A−4、A−6、A−9の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0質量部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)38.6部、スチレン31.2部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)33.9部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.1部の混合物を3時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに5時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−2を得た。
また同様の合成条件にて、表4のモノマー構成比とすることにより樹脂A−4、6、9を得た。
アクリル樹脂A−7の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)20.7部、スチレン38.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)24.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)16.1部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.4部の混合物を1.2時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに1時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−7を得た。
アクリル樹脂A−8の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)20.0部、スチレン13.9部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)66.1部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.1部の混合物を4時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに7時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−8を得た。
アクリル樹脂A−10の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)57.8部、ステアリルメタクリレート(CHMA)13.5部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.2部の混合物を2時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに3時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−10を得た。
Figure 0005020757
<トナー担持体の製造>
<トナー担持体の製造例1>
芯体2としてSUS製の直径8mmの芯金にニッケルメッキを施し、さらにプライマ−〔DY35−051(商品名)、東レダウコーニングシリコーン社製〕を塗布、焼付けしたものを用いた。ついで、軸芯体2を金型に配置し、液状シリコーンゴム材料〔SE6724A/B(商品名)、東レ・ダウコーニングシリコーン社製〕100部に対し、カーボンブラック〔トーカブラック#7360SB(商品名)、東海カーボン社製〕を35部、耐熱性付与剤としてシリカ粉体を0.2部、および白金触媒0.1部を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃、15分間加硫硬化し、脱型した後、さらに温度180℃、1時間加熱し硬化反応を完結させ、弾性層3を軸芯体2の外周に設けた。
次に、ポリウレタン原料U−1 200部に対し、カーボンブラック〔Specialblack4(商品名)、デグサジャパン社製〕24.0部及びアクリル樹脂A−1の4.4部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌した。次に総固形分比30質量%になるようにMEKに溶解混合し、横型連続式ビーズミル〔NVM−03(商品名)、アイメックス社製〕にて2時間分散し、分散液を得た。
さらに、この分散液を粘度7乃至10cpsにMEKで希釈後、前記弾性層上に浸漬塗工した後乾燥させ、温度150℃にて1時間加熱処理することで弾性層外周に膜厚約10μmの表面層を設け、トナー担持体Aを得た。
<トナー担持体の製造例2>
ウレタン樹脂をU−2、アクリル樹脂をA−2に変更し、アクリル樹脂の含有量を変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Bを得た。
<トナー担持体の製造例3>
ウレタン樹脂をU−3、アクリル樹脂をA−3に変更し、アクリル樹脂の含有量を変更た以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Cを得た。
<トナー担持体の製造例4>
アクリル樹脂をA−2に変更し、アクリル樹脂の含有量を変更た以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Dを得た。
<トナー担持体の製造例5>
アクリル樹脂の含有量を変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Eを得た。
<トナー担持体の製造例6>
ウレタン樹脂をU−4、アクリル樹脂をA−2に変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Fを得た。
<トナー担持体の製造例7>
ウレタン樹脂をU−5、アクリル樹脂をA−4に変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Gを得た。
<トナー担持体の製造例8>
ウレタン樹脂をU−2、アクリル樹脂をA−5に変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Hを得た。
<トナー担持体の製造例9>
ウレタン樹脂をU−2、アクリル樹脂をA−6に変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Iを得た。
<トナー担持体の製造例10>
アクリル樹脂をA−4に変更し、含有量を変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Jを得た。
<トナー担持体の製造例11>
ウレタン樹脂をU−2、アクリル樹脂をA−7に変更し含有量を変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Kを得た。
<トナー担持体の製造例12>
アクリル樹脂をA−8に変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Lを得た。
<トナー担持体の製造例13>
アクリル樹脂をA−9に変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Mを得た。
<トナー担持体の製造例14>
アクリル樹脂をA−10に変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体Nを得た。
<比較例トナー担持体の製造例1>
ウレタン樹脂U−3のみに変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体αを得た。
<比較例トナー担持体の製造例2>
ウレタン樹脂をU−6に変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体βを得た。
<比較例トナー担持体の製造例3>
アクリル樹脂の含有量を全樹脂の10%と変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体γを得た。
<比較例トナー担持体の製造例4>
ウレタン樹脂をU−4、アクリル樹脂をA−2に変更し、アクリル樹脂の含有量を変更した以外は製造例1と同様にして、トナー担持体εを得た。
得られたトナー担持体A〜N、α〜εの表面層の微小硬度を上述した方法で測定した。得られてデータを組成と共に表5に示す。トナー担持体Aと比較トナー担持体γについては、微小圧縮硬度測定結果を図6と7にも示した。
Figure 0005020757
本発明の画像形成方法で用いるトナー供給ローラの製造例について述べる。
<トナー供給ローラの製造>
次に、本発明に用いることのできるトナー供給ローラの作製例を以下に示す。ポリオール(商品名:FA908、三洋化成工業社製)90部、ポリオール(商品名:POP34−28、三洋化成工業社製)10部、TOYOCAT−ET(東ソー株式会社製商品名、第3級アミン触媒)0.1部、TOYOCAT−L33(東ソー株式会社製商品名、第3級アミン触媒)0.5部、水(発泡剤)2.5部、シリコーンとポリエーテル共重合体としてSH190(東レダウコーニングシリコーン社製商品名)1部を予め混合した。その後、この混合物にポリイソシアネートとしてコロネート1021(日本ポリウレタン工業株式会社製商品名、NCO%=45)を24部加えて、混合攪拌し、次いで、上記成形型にて発泡成形することにより外径5mm芯金の周りに、厚さ4.5mmのポリウレタンスポンジからなる発泡弾性層を一体的に形成せしめてなるトナー供給ローラを作製した。
◎(画像評価)
画像評価は、市販のカラーレーザプリンタ HP Color LaserJet 4700dn(HP社製)を一部改造して評価を行った。改造はプロセススピードを200mm/secの変更し、定着温度を任意の温度に設定できるようにした。
市販のブラックカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、上記試験トナー(300g)とトナー担持体をカートリッジに装着し、このカートリッジを高温高湿環境下(40℃/95RH)、低温低湿環境下(15℃、10%RH)の両環境で現像性と耐久性の評価を行なった。さらに常温常湿環境下で定着性の評価を行なった。なお、画像評価項目は下記の通りであり、高温高湿、低温低湿環境下での画像評価は初期と横線で1%の印字率の画像を1万、2万、3万枚印字した後に行った。転写材は、LETTERサイズのXEROX 4024用紙(XEROX社製、75g/m2)を用いた。
〔現像スジ〕
初期、1万枚、2万枚及び3万枚のプリントアウト試験終了後、転写紙(75g/m2、A4サイズ紙)にHT画像(トナーの載り量:0.6mg/cm2)の画像をプリントアウトし、現像スジの数で評価した。
A:未発生
B:1個所以上、3個所以下
C:4個所以上、6個所以下
D:7個所以上、あるいは幅0.5mm以上のスジ
〔フィルミング〕
3万枚のプリントアウト試験終了後、現像ローラーを取り外しエアーでトナーを吹き飛ばした後、メンディングテープ(住友スリーエム社製)で現像部材をテーピングし汚染物を引き剥がし、「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて測定、未使用のメンディングテープの値から差し引いた数値(%)を用いて評価した。
A:0.0%未満
B:0.02%以上、0.04%未満
C:0.04%以上、0.06%未満
D:0.06%以上
〔バンディング評価〕
バンディング評価はハーフトーン画像を出力し、目視により下記に示すような評価を行なった。転写材としては、LETTERサイズのXEROX 4024用紙(XEROX社製、75g/m2)を用いた。
A:バンディングが全く認められない。
B:バンディングが極軽微認められる。
C:バンディングが認められる。
D:醜いバンディングが認められる。
〔解像性〕
解像性は、潜像電界によって電界が閉じやすく、再現しにくい600dpiにおける小径孤立1ドットの再現性によって評価した。
A:100個中の欠損が5個未満
B:100個中の欠損が5個以上10個未満
C:100個中の欠損が10個以上20個未満
D:100個中の欠損が20個以上
〔画像濃度〕
ベタ部分の画像濃度により評価した。尚、画像濃度の測定は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。転写材としては、A4サイズのCLC用紙(キヤノン社製、80g/m2)を用いた。
A:1.40以上
B:1.35以上、1.40未満
C:1.00以上、1.35未満
D:1.00未満
〔融着〕
感光体上へ外添剤の融着について、目視により下記に示すような評価を行なった。
A:外添剤の融着が全く認められない。
B:外添剤の融着が極軽微認められる。
C:外添剤の融着が認められる。
D:醜い外添剤の融着が認められる。
〔カブリ〕
「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)で、プリントアウト画像の非画像部の反射率(%)を測定する。得られた反射率を、同様にして測定した未使用のプリントアウト用紙(標準紙)の反射率(%)から差し引いた数値(%)を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリが抑制されていることになる。転写材としては、LETTERサイズのXEROX 4024用紙(XEROX社製、75g/m2)を用いた。
A:0.5未満
B:0.5以上、1.0未満
C:1.0以上、3.0未満
D:3.0以上
[定着性試験]
〔低温定着性〕
転写材にベタ画像(トナーの載り量:0.6mg/cm2)の画像を定着温度を変えて(125乃至135℃)で評価した。なお、定着温度は定着ローラー表面を非接触の温度計を用いて測定した値である。転写材は、LETTERサイズのXEROX 4024用紙(XEROX社製、75g/m2)を用いた。
A:125℃でオフセットせず
B:125℃でオフセット発生
C:130℃でオフセット発生
D:135℃でオフセット発生
〔高温定着性〕
転写材にベタ画像(トナーの載り量:0.6mg/cm2)の画像を定着温度を変えて(200乃至220℃)で評価した。なお、定着温度は定着ローラー表面を非接触の温度計を用いて測定した値である。転写材は、LETTERサイズのXEROX 4024用紙(XEROX社製、75g/m2)を用いた。
A:220℃でオフセットせず
B:220℃でオフセット発生
C:210℃でオフセット発生
D:200℃でオフセット発生
[グロス評価]
定着温度170℃でベタ画像(トナーの載り量:0.6mg/cm2)をPG−3D(日本電色工業製)を用いてグロス値の測定を行った。
A:グロス30以上40未満
B:グロス20以上30未満
C:グロス15から20未満
D:グロス15未満
<実施例1>
トナー担持体AとトナーAを用いて耐久性評価を行なった。その結果、各項目において良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。さらに定着試験を行なった。その結果を表7に示す。
<実施例2>
トナー担持体AとトナーBを用いて耐久性評価を行なった。その結果、各項目において良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。さらに定着試験を行なった。その結果を表7に示す。
<実施例3>
トナー担持体AとトナーCを用いて耐久性評価を行なった。その結果、各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。さらに定着試験を行なった。高温側の定着性が若干悪くなったものの問題となるレベルではなかった。その結果を表7に示す。
<実施例4>
トナー担持体AとトナーDを用いて耐久性評価を行なった。その結果、各項目において良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。さらに定着試験を行なった。若干低温定着性、定着グロスが悪化したものの問題となるレベルではなかった。その結果を表7に示す。
<実施例5>
トナー担持体AとトナーEを用いて耐久性評価を行なった。その結果、各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。さらに定着試験を行なった。その結果を表7に示す。
<実施例6>
トナー担持体AとトナーFを用いて耐久性評価を行なった。その結果、各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。さらに定着試験を行なった。低温定着性、定着グロスが悪化したものの問題となるレベルではなかった。その結果を表7に示す。
<実施例7>
トナー担持体AとトナーGを用いて耐久性評価を行なった。その結果、低温低湿下でのフィルミングが若干悪くなったものの概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。さらに定着試験を行なった。その結果を表7に示す。
<実施例8>
トナー担持体AとトナーHを用いて耐久性評価を行なった。その結果、各項目において良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。さらに定着試験を行なった。その結果を表7に示す。
<実施例9>
トナー担持体AとトナーIを用いて耐久性評価を行なった。その結果、各項目において良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。さらに定着試験を行なった。低温定着性、定着グロスが悪化したものの問題となるレベルではなかった。その結果を表7に示す。
<実施例10>
トナー担持体BとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、各項目において良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例11>
トナー担持体CとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、現像スジ、カブリが若干悪くなったものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例12>
トナー担持体DとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、低温低湿下でのフィルミングが若干悪くなったものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例13>
トナー担持体EとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、低温低湿下でのフィルミングが悪くなったものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例14>
トナー担持体DとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、高温高湿下での現像スジが若干悪化したものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例15>
トナー担持体GとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、低温低湿下でのフィルミングが悪くなったものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例16>
トナー担持体HとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、低温低湿下での解像性が悪化したものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例17>
トナー担持体IとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例18>
トナー担持体JとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、高温高湿下での現像スジが悪化したものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例19>
トナー担持体KとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、低温低湿下でのフィルミングが悪くなったものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例20>
トナー担持体LとトナーBを用いて評価を行なった。低温低湿下での解像性が悪化したもののその結果、各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例21>
トナー担持体MとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、高温高湿下での現像スジが悪化したものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<実施例22>
トナー担持体NとトナーBを用いて評価を行なった。その結果、低温低湿下でのフィルミングが悪くなったものの各項目において概ね良好な結果が得られた。評価結果を表6に示す。
<比較例1>
トナー担持体αとトナーAを用いて評価を行なった。その結果、高温多湿下での現像スジが著しく悪化した。そのため、これ以上の評価は実施しなかった。評価結果を表6に示す。
<比較例2>
トナー担持体βとトナーAを用いて評価を行なった。その結果、高温多湿下での評価は概ね良好だったものの、低温低湿下でのフィルミング及びカブリが著しく悪化した。評価結果を表6に示す。
<比較例3>
トナー担持体γとトナーAを用いて評価を行なった。その結果、高温多湿下での評価は概ね良好だったものの、低温低湿下でのフィルミング及びカブリが著しく悪化した。評価結果を表6に示す。
<比較例4>
トナー担持体εとトナーAを用いて評価を行なった。その結果、高温多湿下での現像スジが著しく悪化した。そのため、これ以上の評価は実施しなかった。評価結果を表6に示す。
<比較例5>
トナー担持体Aとトナーαを用いて評価を行なった。その結果、高温多湿下での現像スジが著しく悪化した。そのため、これ以上の評価は実施しなかった。評価結果を表6に示す。
<比較例6>
トナー担持体Aとトナーβを用いて評価を行なった。その結果、高温多湿下での評価は概ね良好だったものの、低温低湿下での解像性、多数枚印刷の濃度推移が著しく悪化した。評価結果を表6に示す。
<比較例7>
トナー担持体Aとトナーγを用いて評価を行なった。高温多湿下での評価は概ね良好だったものの、低温低湿下でのフィルミング及びカブリが著しく悪化した。評価結果を表6に示す。
<比較例8>
トナー担持体Aとトナーεを用いて評価を行なった。高温多湿下での評価は概ね良好だったものの、低温低湿下でのフィルミング及びカブリが著しく悪化した。評価結果を表6に示す。
Figure 0005020757
Figure 0005020757
Figure 0005020757
本発明の現像ローラの一例を示す軸方向の断面図である。 本発明の現像装置の断面図である。 本発明の画像形成方法を用いた電子写真装置の断面図である。 トナーAの微小圧縮試験における荷重−変位曲線である。 比較トナーεの微小圧縮試験における荷重−変位曲線である。 トナー担持体Aの微小圧縮試験における荷重−変位曲線である。 比較トナー担持体γの微小圧縮試験における荷重−変位曲線である。
符号の説明
1 導電性軸芯体
2 弾性層
3 表面層
21 感光ドラム
22 帯電部材
23 レーザー光
24 現像装置
25 現像ローラ
26 現像剤供給ローラ
27 現像ブレード
28 現像剤
29 転写ローラ
30 クリーニングブレード
31 廃現像剤容器
32 定着装置
33 紙
34 現像容器

Claims (9)

  1. 静電潜像担持体の表面にトナー担持体上のトナーを接触させ、トナー担持体が担持するトナーによって静電潜像担持体の表面の静電潜像を現像する画像形成方法であって、
    前記トナー担持体が芯体の周囲に弾性層および表面層を有し、前記表面層が下記条件1)、2)を満足し、
    1)前記表面層が下記の樹脂A、Bを含有する
    樹脂A:ポリプロピレングリコール、またはポリテトラメチレングリコール骨格からなる熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂、
    樹脂B:アクリル樹脂
    2)前記表面層の微小圧縮試験において、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷したときの最大変位量をX100D(μm)、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20D(μm)としたとき、
    5.0≦X100D≦15.0
    1.0≦X20D≦3.0
    である
    前記トナーが、結着樹脂、着色剤、離型剤を少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉体とを有するトナーであり、
    トナーの個数平均粒径D1が3.0乃至8.0μmであり、
    トナーに対する微小圧縮試験において測定される、トナーの粒子径をD(μm)、トナーの1粒子に負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷したときの最大変位量をX100T(μm)、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20T(μm)としたとき、
    1−0.20≦D≦D1+0.20
    0.10≦X100T/D≦0.90
    0.010≦X20T/D≦0.080
    であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記樹脂BのTgが30℃以上70℃以下、重量平均分子量が30000以上100000以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナー担持体の表面層において、全樹脂成分における前記樹脂Bの含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記樹脂Aの架橋反応前のSP値と前記樹脂BのSP値の差が0.1以上0.9以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記樹脂Aの架橋反応前のSP値が8.4以上8.9以下であり、前記樹脂BのSP値が7.5以上8.6以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記樹脂Aが、ポリプロピレングリコールユニット及び/またはポリテトラメチレングリコールユニットを60質量%以上85質量%以下で含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記樹脂Bが構成単位として、メタクリル酸メチルユニット(MMA)、スチレンユニット、2−エチルヘキシルメタクリレートユニット(EHMA)、ヒドロキシエチルメタクリレートユニット(HEMA)を含有し、かつメタクリル酸メチルユニット(MMA)とスチレンユニットのモル比の合計がアクリル樹脂の全構成単位に対して50%以上90%以下であるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. フローテスターにおける前記トナーの100℃での粘度が1.5×104以上4.5×104以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記トナー粒子は水系媒体中で製造されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成方法。
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