JP5020223B2 - セグメント組立装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シールド掘進機により矩形断面のトンネルを掘削した後、複数のセグメントにより矩形断面の覆工体を組み立てて覆工するセグメント組立装置に関する。
特許文献1のセグメント組立装置は、矩形断面のシールド本体の後部で上辺部と下辺部とに、長辺方向に沿って設置された一対のガイドレール間に、走行体を移動自在に配置し、この走行体に回転体をトンネル軸心に平行な軸心まわりに回転自在に設け、この回転体の外周部に揺動アームをトンネル軸心に平行な軸心まわりに揺動自在に設け、揺動アームの先端部にセグメント保持フレームをトンネル軸心に平行な軸心周りに揺動自在に設けたものである。
特許第3859300号
ところで、矩形断面のトンネルでは、長辺の中心部に大きい土圧がかかるため、セグメントの接続部を長辺の中心部からできるだけ離れた位置に配置することが望ましい。しかし、セグメントの接続部を長辺の中心部からできるだけ離れた位置に配置した場合、長尺セグメントを使用することになる。たとえば縦横比の大きい扁平な矩形断面のトンネルの場合には、組立時に干渉して取り扱いが困難となるという問題がある。また長いセグメントは重量が大きく、特許文献1のセグメント組立装置のように、揺動アームに長尺セグメントを保持して姿勢変更する場合、揺動アーム構造では、その強度と駆動力を増大するのが難しく、長尺セグメントを安定して保持し姿勢変更することが困難であるという問題があった。
本発明は上記問題点を解決して、長尺で大重量のセグメントを安定して保持でき、組付け姿勢への姿勢変更を容易に行えるセグメント組立装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、シールド掘進機により掘削されたトンネルの内面に、長辺セグメントと短辺セグメントとにより長辺部と短辺部からなる矩形断面の覆工体を組み立てるセグメント組立装置であって、シールド掘進機の本体後部に、長辺方向および短辺方向に移動自在でかつシールド軸心方向に出退自在な移動体を設け、当該移動体に、一対の長辺部にそれぞれ対向する長辺保持ブームが長辺方向の軸心周りに回動自在に支持された保持フレームを設け、前記長辺保持ブームに長辺セグメントを保持可能な長辺セグメント保持部を設け、移動体に、前記長辺セグメント保持部が反切羽側に向く受取り姿勢と、長辺部側に対向する展開姿勢との間で、保持フレームをそれぞれ長辺方向の軸心周りに略90度回動させるセグメント揺動装置を設けたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、保持フレームは、長辺保持ブームの両端部に連結されて移動体に長辺方向の軸心周りに回動自在に支持された揺動アームを有し、少なくとも前記揺動アームに、短辺セグメントを保持可能な短辺セグメント保持部を設けたものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の構成において、移動体は、シールド掘進機の本体後部に長辺方向に移動自在に配置された横行フレームと、当該横行フレームに短辺方向に移動自在に支持された一対の縦行フレームと、当該縦行フレームにそれぞれトンネル軸心方向に出退自在に支持されたスライドフレームとを具備し、前記スライドフレームに、保持フレームが回動自在に支持されたものである。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の構成において、長辺セグメント保持部と長辺セグメントの一方に、連結具と回り止め具とを設けるとともに、他方に前記連結具に連結自在な被連結具と、前記回り止め具が係合離脱自在な回り止め受け具とを設け、短辺セグメント保持部と短辺セグメントの一方に、連結具と回り止め具とを設けるとともに、他方に前記連結具に連結自在な被連結具と、前記回り止め具が係合離脱自在な回り止め受け具とを設け、前記長辺セグメント保持部および前記短辺セグメント保持部に、各セグメントをそれぞれトンネル軸心周りおよび長辺方向の軸心周りにそれぞれ揺動可能な揺動微調整装置を設けたものである。
請求項5記載の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載の構成において、覆工体は、一対の長辺セグメントと、残部長辺部分およびコーナー部ならびに短辺部分を有する一対2組の短辺セグメントからなり、短辺セグメント保持部は、長辺保持ブームと揺動アームの連結部を挟んで長辺保持ブームと揺動アームとに設けられたものである。
請求項6記載の発明は、請求項2乃至5のいずれかに記載の構成において、両保持フレームと各揺動フレームとの囲まれた空間の中央部に、移動体および保持フレームの動作により干渉されないトンネル軸心方向の挿通空間を設け、当該挿通空間に、シールド掘進機の支援部材を配置したものである。
請求項1記載の構成によれば、覆工体の長辺部に対向して長辺保持ブームを設け、この長辺保持ブームに長辺セグメント保持部を設けたので、長尺で大重量の長辺セグメントを安定して保持することができる。またセグメント揺動装置により、長辺保持ブームを長辺方向の軸心周りに略90度回動させることにより、受渡し姿勢の長辺セグメントを組付け姿勢にするので、長辺セグメントの旋回空間を小さくすることができるとともに、姿勢変更に必要な駆動トルクを小さくすることができ、大重量で長尺の長辺セグメントを長辺セグメント保持部に安定して保持することができ、組付け姿勢への姿勢変更を容易に行うことができる。
請求項2記載の構成によれば、長辺保持ブームの両端部に揺動アームを連結することにより、保持フレームの強度を高めて長尺で大重量の長辺セグメントをさらに安定して保持することができる。また揺動アームを利用して短辺セグメントを保持することができ、効率よくセグメントの組付け作業を行うことができる。
請求項3記載の構成によれば、横行フレームを介して長辺方向に移動させ、縦行フレームを介して短辺方向に移動させ、スライドフレームを介してトンネル軸心方向に出退させることにより、保持フレームを確実に覆工体の組付け位置に移動させて各セグメントをそれぞれ精度よく組付けることができる。
請求項4記載の発明によれば、連結具と被連結具とにより各セグメントとセグメント保持部とを容易に連結するとともに、回り止め具と回り止め受け具とによりセグメントをそれぞれ回り止めして長辺セグメントおよび短辺セグメントをそれぞれ安定して保持することができ、さらに揺動微調整装置により各セグメントの姿勢を微調整して精度よく組付けることができる。
請求項5記載の発明によれば、長辺部をほぼ1本の長辺セグメントで構成し、短辺部をコーナー部を有する2本の短辺セグメントで構成することにより、最も負荷のかかる長辺部の中央部からずれた位置に連結部を配置することができ、強度の高い覆工体を形成することができる。また短辺部を2分割した短辺セグメントの短辺部分を、揺動アームの短辺セグメント保持部に保持させるので、揺動アームを短くすることができ、各セグメントの回動に必要な空間を小さくできるとともに、駆動トルクを削減することができる。
請求項6記載の発明によれば、両保持フレームと各揺動フレームとの囲まれた空間の中央部に挿通空間を設けて、支援部材を配置することにより、狭いトンネル空間を有効に利用することができる。
以下、本発明に係るセグメント組立装置を具備したセグメント搬入組立設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態]
(覆工体)
図1に示すように、シールド掘進機により掘削された矩形断面のトンネル内面に覆工される覆工体Lは、たとえば3種類6個のセグメントS1〜S3により、一対の長辺部LSと一対の短辺部SSとを具備した横長の矩形断面に組み立てられるものである。トンネル軸心O方向に一定の幅で分割された1セットのセグメントS1〜S3は、最大の負荷がかかる長辺部LSの中央からできるだけ離れた位置に連結端を配置した上辺と下辺の長辺セグメントS1と、左右一対の第1短辺セグメントS2および左右一対の第2短辺セグメントS3からなる。
第1短辺セグメントS2は、長辺セグメントS1の一方の連結端に連結される残部長辺部分S2aとコーナー部S2cと一部の短辺部分S2bとを有して、正面背面視で縦横比の大きいL形に形成され、トンネル軸心Oの対称位置に配置される。また第2短辺セグメントS3は、長辺セグメントS1の他方の連結端に連結される残部長辺部分S3aとコーナー部S3cと短辺部分S3bとを有して、正面背面視で略等辺のL形に形成され、トンネル軸心Oの対称位置に配置される。
また上辺側に組付けられる上辺組(他方の長辺側の組)セグメントS1〜S3と、下辺側に組付けられる下辺組(一方の長辺側の組)セグメントS1〜S3とで1セットが構成され、さらに1セット毎のセグメントS1〜S3は、それぞれ交互に対称位置に配置されて連結部が連続することのないように組立てられる。
これら各セグメントS1〜S3の組立手順は、まず下辺組の長辺セグメントS1が組み付けられる。次に左右の第1,第2短辺セグメントS2,S3が任意の順で組付けられる。さらに上辺組の左右の第1,第2短辺セグメントS2,S3が任意の順に組付けられ、最後にキーセグメントとなる上辺組の長辺セグメントS1が組付けられる。これら各セグメントS1〜S3は、後述の後方台車11で、下辺組の各セグメントS1〜S3と上辺組の各セグメントS1〜S3とに振り分けられて後述のセグメント組立装置51に受け渡される。
(後方台車およびセグメント組立装置の概要)
搬入組立設備は、図5〜図8に示すように、シールド掘進機の本体40の後部に設置されたセグメント組立装置51と、本体40の後部に移動自在に配置されてシールド掘進機に追従移動される後方台車11と、既設覆工体Lに沿って後方台車11に各セグメントS1〜S3を順次搬入するセグメント台車12とが具備されている。
セグメント台車12は、既設覆工体Lの後方(反切羽側)から下辺の長辺部LS上を往復移動され、各セグメントS1〜S3をそれぞれ所定の搬入姿勢で搬入する。これら搬入姿勢は、搬入移動に占有する幅が小さくなるように、その長尺部がトンネル軸心O方向に沿う姿勢とされる。すなわち、長辺セグメントS1は、その長尺部がトンネル軸心Oに沿う姿勢となる。また第1短辺セグメントS2は、長尺部である短辺部分S2bがトンネル軸心Oに沿い、かつコーナー部S2cが後部に位置する姿勢となる。さらに第2短辺セグメントS3は、トンネル軸心Oに沿って短辺部分S3bが配置され、コーナー部S3cが後部に位置する。そして搬入姿勢の各セグメントS1〜S3は、組立時に切羽面側となる前面が、下辺組では下面側に、上辺組では上面側に向くようにセグメント台車12上に載置される。
後方台車11には、後部(反切羽側)に設けられた横行ホイスト装置(旋回移載機構)13と、中間部に設けられたテーブルシフト装置(振分け機構)14と、左右の分割テーブル16R,16Lが後方台車11の後部から前部(切羽側)に往復移動自在に設けられたテーブル搬送装置(搬送機構)15とが具備されている。
そして、図10に示すように、セグメント台車12により導入ラインC0に沿って後方台車11に搬入された搬入姿勢の各セグメントS1〜S3のうち、長辺セグメントS1が横行ホイスト装置13により短辺方向の軸心周りに略90度旋回されて長辺部LSと平行な受渡し姿勢にされ、左右の分割テーブル16R,16Lに移載される。また第1短辺セグメントS2および第2短辺セグメントS3は、搬入姿勢と受渡し姿勢が同一であるため、横行ホイスト装置13により姿勢変更することなく、入口シフトラインR1,L1に沿って左右に振り分けられて左右の分割テーブル16R,16Lにそれぞれ移載される。(ここで略90度とは、設計上や現場構造の状態で変更される90度前後の範囲をいい、たとえば80〜100度の範囲となる。)
次いで左右の分割テーブル16R,16Lが入口搬入ラインC2,R2,L2に沿ってテーブルシフト装置14に搬入されると、各セグメントS1〜S3のうち、上辺組の各セグメントS1〜S3がそれぞれ短辺方向の振分けラインC3,R3,L3に沿って上方に分離され、さらに上出口搬出ラインC4,R4,L4に沿って搬送されてセグメント組立装置51に供給される。一方、下辺組の各セグメントS1〜S3が入口搬入ラインC2,R2,L2から下出口搬出ラインC5,R5,L5に沿って搬送されてセグメント組立装置51に供給される。
さらにセグメント組立装置51は、長辺方向および短辺方向に移動自在で、かつトンネル軸心O方向に出退自在な移動体52が設けられている。この移動体52は、覆工体Lの上辺の長辺部LSに対応して設けられて上辺組の各セグメントS1〜S3を保持可能な上保持フレーム53Uと、覆工体Lの下辺の長辺部LSに対応して設けられて下辺組の各セグメントS1〜S3を保持可能な下保持フレーム53Dとを具備し、また移動体52には、下保持フレーム53Dおよび上保持フレーム53Uをそれぞれ長辺方向の軸心周りに略90度回動して、受渡し姿勢の各セグメントS1〜S3を組付け姿勢に変更可能なセグメント揺動装置74(後述する)が設けられている。
したがって、下出口搬出ラインC5,R5,L5に沿って供給された下辺組の各セグメントS1〜S3が下保持フレーム53Dに保持されると、セグメント揺動装置74により下保持フレーム53Dを、保持面(外面)が切羽側に向く受け取り姿勢から、長辺方向の軸心周りに下方に略90度回動して展開姿勢とし、下辺組の各セグメントS1〜S3を組付け姿勢に変更する。また上出口搬出ラインC4,R4,L4に沿って供給された上辺組の各セグメントS1〜S3が上保持フレーム53Uに保持されると、上保持フレーム53Uをその保持面が切羽側に向く受け取り姿勢から、セグメント揺動装置74により長辺方向の軸心周りに90度上方に回動して展開姿勢とし、受渡し姿勢の上辺組の各セグメントS1〜S3を組付け姿勢に変更する。
以下、実施の形態の詳細を説明する。
(後方台車)
後方台車11は、両側部に複数の走行車輪22wを有する左右の底部フレーム21R,21Lが、セグメント台車12の受け入れ可能な空間をあけて配置されている。そして左右の底部フレーム21R,21L上に複数の支柱23がそれぞれ立設され、これら支柱23,23間に複数本のブーム材がトンネル軸心方向および長辺方向にそれぞれ掛け渡されて、前部架構22Fと後部架構22Rが形成されている。そして後部架構22Rに横行ホイスト装置13が設けられている。また前部架構22Fの後部にテーブルシフト装置14が設けられ、前部架構22Fの前部で高さ方向の中間位置に、出口搬出ラインC4,R4,L5を形成する中段フレーム21Mが設けられている。
(旋回移載機構)
横行ホイスト装置13は、後部架構22Rの天井フレーム間に長辺方向に掛け渡されたホイスト用横行レール24と、このホイスト用横行レール24に沿って移動自在なウインチ付きの横行ブロック25を具備し、この横行ブロック25から繰り出される索体およびフック26を介して各セグメントS1〜S6をそれぞれ吊り上げ、作業員により旋回して搬入姿勢の長辺セグメントS1を受渡し姿勢とし、さらに第1,第2短辺セグメントS2,S3をそれぞれ入口シフトラインR1,L1に沿って移動して左右の分割テーブル16R,16Lに移載することができる。
(搬送機構)
搬送テーブル装置15は、図10に示すように、左右の自走式の分割テーブル16R,16Lを具備し、これら分割テーブル16R,16Lを前部架構22Fと後部架構22Rとにわたって入口搬入ラインC2,R2,L2、振分けラインC3,R3,L3から上出口搬出ラインC4,R4,L4または下出口搬出ラインC5,R5,L5に沿って往復移動させる。
左右の分割テーブル16R,16Lは、図6に示すように、幅広の本体部16aとこの本体部16aの外側部から前方に突出する張出し部16bとで平面視がL形に形成され、シールド軸心Oに対して左右対称となるように配置されている。これら左右の分割テーブル16R,16Lには、長辺セグメントS1の両端部がそれぞれ本体部16aの前端部に臨んで載置される。また第1,第2短辺セグメントS2,S3のコーナー部が本体部16aと張り出し部16bの角部に臨み、さらに短辺部分S2b,S3bが張り出し部16bに載置される。
分割テーブル16R,16Lをそれぞれ走行させるテーブル走行装置27は、図5〜図8に示すように、分割テーブル16R,16Lをガイド車輪を介して底部フレーム21R,21Lおよび後述するシフトフレーム33ならびに中段フレーム21Mに、それぞれ敷設される左右一対の搬送ガイドレール28A〜28Dと、これら搬送ガイドレール28A〜28D間に敷設された搬送ラック29A〜29Dと、両分割テーブル16R,16Lに設けられたテーブル搬送駆動装置30とを具備している。前記テーブル搬送駆動装置30は、図8に示すように、搬送モータ31と、この搬送モータ31の出力軸に巻き掛け伝動機構および駆動軸を介して連動連結されて搬送ラック29A〜29Dにそれぞれ噛み合う搬送ピニオン32とを有している。そして左右の分割テーブル16R,16Lにより長辺セグメントS1を搬送する時は、搬送モータ31を電気的に同期させて左右の分割テーブル16R,16Lを一体に走行させる。また第1,第2短辺セグメントS2,S3をそれぞれ搬送する時は、搬送モータ31を単独で駆動して分割テーブル16Rまたは16Lを単独で走行させる。
(セグメント振分け機構)
テーブルシフト装置14は、分割テーブル16R,16Lを昇降可能なリフト装置により構成されている。すなわち、図5、図6、図9に示すように、底部フレーム21R,21Lの切り欠き部に、搬送ガイドレール28Bおよび搬送ラック29Bが敷設されたシフトフレーム33が昇降自在に配置され、前部架構22Fに、シフトフレーム33を索体を介して昇降可能な左右一対で前後2組のテーブルホイスト装置34が設置されている。
(セグメント組立装置)
図2〜図4に示すように、シールド掘進機の本体40後部の反力支持枠42に、既設セグメント(覆工体)を反力受けとしてシールド掘進機を推進する複数の推進ジャッキ41が所定ピッチで取り付けられ、反力支持枠42内にセグメント組立装置51が設置されている。移動体52は、反力支持枠42内に長辺方向に移動自在に配置された上下一対の横行フレーム54と、上下の横行フレーム54を短辺方向に連結する左右2組の縦行ガイドブーム58と、これら左右の縦行ガイドブーム58にそれぞれ昇降自在に支持された縦行フレーム55と、左右の縦行フレーム55からそれぞれトンネル軸心O方向に沿って後方に突出されたスライドアーム56と、これらスライドアーム56に出退自在に支持された左右一対のスライドフレーム57R,57Lとを具備している。
横行フレーム54は、反力支持枠42の内面にそれぞれ長辺方向に沿って敷設された左右一対の横行ガイドレール59に、横行車輪を介して案内されている。さらに横行フレーム54を長辺方向に移動させる横行駆動装置60は、反力支持枠42と横行ガイドレール59,59の間に、反力支持枠42から内側に向かって相対方向に取り付けられた一対の横行ジャッキ61が配置され、これら横行ジャッキ61の駆動ロッドをそれぞれ、上下横行フレーム54の支持部62に連結して構成されている。したがって、左右の横行ジャッキ61を相対して伸縮させることにより横行フレーム54を長辺方向に移動させることができる。
左右の縦行フレーム55は、左右の縦行ガイドブーム58にそれぞれ昇降自在に支持され、各縦行フレーム55からそれぞれ後方に向かって矩形断面のスライドアーム56が突設されている。また縦行フレーム55を昇降移動させる縦行駆動装置63は、縦行フレーム55の前面(切羽側)に支持された縦行ジャッキ64の駆動ロッドが下の横行フレーム54に連結されて構成されており、縦行ジャッキ64を伸縮することにより、縦行フレーム55をそれぞれ昇降移動させることができる。
左右のスライドフレーム57R,57Lは、長辺方向に配置された上下一対の軸受フレーム65とこれら軸受フレーム65を両側部で連結する左右一対の連結フレーム66とで、スライドアーム56にそれぞれスライド自在に外嵌される矩形筒状に形成されている。これらスライドフレーム57R,57Lを出退移動させる出退駆動装置67は、スライドアーム56内の上部と下部に配置されて縦行フレーム55とスライドフレーム57R,57Lとの間に連結された複数の前後方向ジャッキ68により構成され、前後方向ジャッキ68を同期して伸縮駆動することにより、スライドフレーム57R,57Lをシールド軸心O方向に出退させることができる。
(保持フレーム)
上下保持フレーム53U,53Dは対称構造で、図2〜図4に示すように、左右のスライドフレーム57R,57Lの上部および下部にわたってそれぞれ長辺部LSに対向して配置された長辺保持ブーム71と、この長辺保持ブーム71の両端部に垂設された揺動アーム72および補助アーム76とで、門形状に形成されている。そして左右の揺動アーム72および補助アーム76が、それぞれ長辺方向の揺動軸(長辺方向の軸心)73を介して軸受フレーム65の軸受穴に回動自在に支持されている。またこの上下保持フレーム53U,53Dを揺動させるセグメント揺動装置74は、スライドフレーム57R,57Lに支持された揺動ジャッキ75の駆動ロッドが上下保持フレーム53U,53Dに連結されて構成されており、揺動ジャッキ75を伸縮することにより、上下保持フレーム53U,53Dをそれぞれ揺動軸73を中心に長辺保持ブーム71の保持面(外面)が後方(反切羽面側)に向く受取り姿勢と、覆工体Lの長辺部LSに対向する展開姿勢との間で略90度回動させることができる。
上下保持フレーム53U,53Dには、長辺保持ブーム71の保持面に長辺セグメントS1を保持する長辺セグメント保持部81が設けられ、また長辺保持ブーム71と揺動アーム72のコーナー部を挟んで長辺保持ブーム71と揺動アーム72の保持面に、第1,第2短辺セグメントS2,S3を保持する左右の短辺セグメント保持部91がそれぞれ設けられている。
(長辺セグメント保持部)
長辺セグメント保持部81は、図4(a)(b)に示すように、長辺セグメントS1の内面(組立時)には、重心位置に対応してヒンジ(被連結具)H1が突設され、ヒンジH1から長辺方向の両側に等間隔をあけて左右一対の回り止めピン(回り止め具)P1が突設されている。一方、長辺セグメント保持部81には、ヒンジH1を揺動軸73と直交する方向の連結ピン(連結具)82を介して連結する支持ブラケット(連結具)83と、一対の回り止めピンP1がそれぞれ係合される溝部が形成された受け枠(回り止め受け具)84が設けられている。
また長辺保持ブーム71の保持面に、長辺セグメントS1の両端側にそれぞれ対向して前後一対の共用サポートジャッキ85がそれぞれ設置され、これら4本の共用サポートジャッキ85により、長辺セグメントS1を長辺方向の軸心周りのピッチング方向およびトンネル軸心O周りのローリング方向にそれぞれ微調整可能な長辺微調整揺動装置(微調整装置)86が構成されている。ここで、受け枠84の溝部と回り止めピンP1の係合部、およびヒンジH1と連結ピン82と支持ブラケット83の連結部には、それぞれ微調整可能な隙間が形成されている。
したがって、長辺保持ブーム71に対向して配置した長辺セグメントS1のヒンジH1を、支持ブラケット83に係合させて連結ピン82を嵌め込み、さらに回り止めピンP1をそれぞれ受け枠84の溝部に係合させることにより、保持フレーム53U,53Dに長辺セグメントS1を保持させることができる。
(短辺セグメント保持部)
短辺セグメント保持部91は、図4(c)(d)に示すように、第1,第2短辺セグメントS2,S3の内面(組立時)に、コーナー部S2c,S3cに回り止めピン(回り止め具)P2,P3がそれぞれ等角二等分線方向に突設され、短辺部分S2b,S3bの内面にヒンジ(被連結具)H2,H3がそれぞれ突設されている。
一方、短辺セグメント保持部91には、短辺部分S2b,S3bの内面に、第1,第2短辺セグメントS2,S3のヒンジH2,H3を連結ピン(連結具)92を介して連結する支持ブラケット93が突設され、また長辺保持ブーム71の両端コーナー部に、回り止めピンP2,P3が係合可能な溝部を有する受け枠(回り止め受け具)94がそれぞれ突設されている。
また、揺動アーム72の先端側に前後一対の短辺側サポートジャッキ95が所定間隔をあけて突設され、これら短辺側サポートジャッキ95と共用サポートジャッキ85とで、第1,第2短辺セグメントS2,S3を長辺方向の軸心周りのピッチング方向およびトンネル軸心O周りのローリング方向にそれぞれ微調整可能な短辺微調整揺動装置(微調整装置)96が構成されている。ここで、受け枠94の溝部と回り止めピンP2,P3の係合部、およびヒンジH2,H3と連結ピン92および支持ブラケット93の連結部にはそれぞれ微調整可能な隙間が形成されている。
したがって、長辺保持ブーム71のコーナー部に対応して配置された第1,第2短辺セグメントS2,S3のヒンジH2,H3を支持ブラケット93に係合させて連結ピン92を嵌め込み、さらに回り止めピンP2,P3を受け枠94の溝部に係合させることにより、上下保持フレーム53U,53Dにそれぞれ第1,第2短辺セグメントS2,S3を保持させることができる。
(挿通空間)
ところで、上下の横行フレーム54(または上下保持フレーム53U,53D)と縦行ガイドブーム58とにより正面(背面)視で矩形枠状に形成され、この矩形枠の中央部に、掘削土砂を排出する排土コンベヤ43や駆動電源ケーブルや油圧配管など配線配管群などの支援部材を通過させる挿通空間70が形成されている。この挿通空間70は、移動体52があらゆる組付け位置に移動してもこれらの支援部材に干渉しないように構成されている。
(セグメントの搬入組立動作)
次に上記構成における各セグメントS1〜S3の搬入組立動作を図8〜図14を参照して説明する。
1.下辺組の長辺セグメント
図11(a)に示すように、セグメント台車12が搬入ラインC0に沿って後方台車11まで移動されて、搬入姿勢の長辺セグメントS1が後方台車11に搬入される。そして横行ホイスト装置13により長辺セグメントS1を吊り上げ、短辺方向の軸心(索体)周りに所定方向に略90度旋回して受渡し姿勢とした後、図11(b)に示すように、左右の分割テーブル16R,16Lに掛け渡した状態で移載する。そして左右の分割テーブル16R,16Lを入口搬入ラインC2に沿ってテーブルシフト装置14まで移動させ、さらに下出口搬出ラインC5に沿って移動させて、長辺セグメントS1をセグメント組立装置51に供給する。
セグメント組立装置51では、受取り姿勢で待機された下部保持フレーム53Dの長辺セグメント保持部81に、長辺セグメントS1を保持させる。さらに図11(c)に示すように、セグメント揺動装置74により下部保持フレーム53Dを下方に略90度回動して展開姿勢とし長辺セグメントS1を組付け姿勢とすると同時に、移動体52により下部保持フレーム53Dを長辺方向および短辺方向ならびにトンネル軸心O方向にそれぞれ移動して、長辺セグメントS1を下辺の組付け位置に対向させる。さらに長辺微調整揺動装置86により長辺セグメントS1の姿勢を微調整した後、推進ジャッキ41と共働して組付け位置に設置する。
2.下辺組の第2短辺セグメント
図12(a)に示すように、セグメント台車12が搬入ラインC0に沿って後方台車11まで移動されて、短辺部分S3bがトンネル軸心O方向に沿いかつコーナー部S3cが後部に位置する搬入姿勢で積み込まれた第2短辺セグメントS3が後方台車11に搬入される。そして、横行ホイスト装置13により第2短辺セグメントS3を吊り上げ、入口シフトラインL1に沿って左側にシフトさせ、搬入姿勢と同じ受渡し姿勢で第2短辺セグメントS3を左分割テーブル16Lに移載する。そして図12(b)に示すように、左分割テーブル16Lを入口搬入ラインL2に沿ってテーブルシフト装置14まで移動し、さらに下出口搬出ラインL5に沿って移動して第2短辺セグメントS3をセグメント組立装置51に供給する。
セグメント組立装置51では、受取り姿勢で待機された下部保持フレーム53Dの左側の短辺セグメント保持部91に第2短辺セグメントS3を保持させる。さらに図12(c)に示すように、セグメント揺動装置74により下部保持フレーム53Dを下方に略90度回動して展開姿勢とし、第2短辺セグメントS3を組付け姿勢とすると同時に、移動体52により下部保持フレーム53Dを長辺方向および短辺方向ならびにトンネル軸心O方向に移動して第2短辺セグメントS3を下辺の組付け位置に対向させる。さらに短辺微調整揺動装置96により第2短辺セグメントS3の姿勢を微調整した後、推進ジャッキ41と共働して組付け位置に取り付ける。
3.下辺組の第1短辺セグメント
図13(a)に示すように、セグメント台車12が搬入ラインC0に沿って後方台車11まで移動されて、短辺部分S2bがトンネル軸心O方向に沿いかつコーナー部S2cが後部に位置する搬入姿勢で積み込まれた第1短辺セグメントS2が後方台車11に搬入される。そして横行ホイスト装置13により第1短辺セグメントS2を吊り上げ、搬入姿勢のまま入口シフトラインR1に沿って右側にシフトさせ、搬入姿勢と同じ受渡し姿勢で第1短辺セグメントS2を右分割テーブル16Rに移載する。さらに図13(b)に示すように、右分割テーブル16Rを入口搬入ラインR2に沿ってテーブルシフト装置14まで移動し、さらに下出口搬出ラインR5に沿って移動して第1短辺セグメントS2をセグメント組立装置51に供給する。
セグメント組立装置51では、受取り姿勢で待機された下部保持フレーム53Dの右側の短辺セグメント保持部91に第1短辺セグメントS2を保持させる。さらに図13(c)に示すように、セグメント揺動装置74により下部保持フレーム53Dを下方に略90度回動して展開姿勢とし、第1短辺セグメントS2を組付け姿勢とすると同時に、移動体52により下部保持フレーム53Dを長辺方向および短辺方向ならびにトンネル軸心O方向にそれぞれ移動して第1短辺セグメントS2を下辺の組付け位置に対応させる。さらに短辺微調整揺動装置96により第1短辺セグメントS2の姿勢を微調整した後、推進ジャッキ41と共働して組付け位置に取り付ける。
4.上辺組の第1短辺セグメント
図14(a)に示すように、セグメント台車12が搬入ラインC0に沿って後方台車11まで移動されて、短辺部分S2bがトンネル軸心O方向に沿いかつコーナー部S2cが後部に位置する搬入姿勢で積み込まれた第1短辺セグメントS2が後方台車11に搬入される。そして横行ホイスト装置13により第1短辺セグメントS2を吊り上げ、入口シフトラインL1に沿って左側にシフトさせ、搬入姿勢と同じ受渡し姿勢で第1短辺セグメントS2を左分割テーブル16Lに移載する。そして図14(b)に示すように、左分割テーブル16Lを入口搬入ラインL2に沿ってテーブルシフト装置14まで搬送する。さらにテーブルシフト装置14により、左分割テーブル16Lを振分けラインL3に沿って上昇させた後、さらに上出口搬出ラインL4に沿って移動させて、第1短辺セグメントS2をセグメント組立装置51に供給する。
セグメント組立装置51では、受取り姿勢で待機された上部保持フレーム53Uの左側の短辺セグメント保持部91に第1短辺セグメントS2を保持させる。さらに図14(c)に示すように、セグメント揺動装置74により上部保持フレーム53Uを上方に略90度回動して展開姿勢とし、第1短辺セグメントS2を組付け姿勢とすると同時に、移動体52により上部保持フレーム53Uを長辺方向および短辺方向ならびにトンネル軸心O方向にそれぞれ移動して第1短辺セグメントS2を上辺の組付け位置に対向させる。さらに短辺微調整揺動装置96により第1短辺セグメントS2の姿勢を微調整した後、推進ジャッキ41と共働して組付け位置に取り付ける。
5.上辺組の第2短辺セグメント
図15(a)に示すように、セグメント台車12が搬入ラインC0に沿って後方台車11まで移動されて、短辺部分S3bがトンネル軸心O方向に沿いかつコーナー部S2cが後部に位置する搬入姿勢で積み込まれた第2短辺セグメントS3が後方台車11に搬入される。そして横行ホイスト装置13により第2短辺セグメントS3を吊り上げ、入口シフトラインR1に沿って右側にシフトさせ、搬入姿勢と同じ受渡し姿勢で第2短辺セグメントS3を右分割テーブル16Rに移載する。そして図15(b)に示すように、右分割テーブル16Rを入口搬入ラインR2に沿ってテーブルシフト装置14まで搬送する。さらにテーブルシフト装置14により、右分割テーブル16Rを振分けラインR3に沿って上昇させた後、さらに上出口搬出ラインR4に沿って移動させて、第2短辺セグメントS3をセグメント組立装置51に供給する。
セグメント組立装置51では、受取り姿勢で待機された上部保持フレーム53Uの右側の短辺セグメント保持部91に第2短辺セグメントS3を保持させる。さらに図14(c)に示すように、セグメント揺動装置74により上部保持フレーム53Uを上方に略90度回動して展開姿勢とし、第2短辺セグメントS3を組付け姿勢とすると同時に、移動体52により上部保持フレーム53Uを長辺方向および短辺方向ならびにトンネル軸心O方向に移動して第2短辺セグメントS3を上辺組の組付け位置に対向させ、さらに短辺微調整揺動装置96により第2短辺セグメントS3の姿勢を微調整した後、推進ジャッキ41と共働して組付け位置に取り付ける。
6.上辺組の長辺セグメント
図16(a)に示すように、セグメント台車12が搬入ラインC0に沿って後方台車11まで移動されて、トンネル軸心O方向に沿う搬入姿勢で積み込まれた長辺セグメントS1が後方台車11に搬入される。そして横行ホイスト装置13により長辺セグメントS1を吊り上げて、短辺方向の軸心(索体)周りに所定方向に略90度旋回して長辺方向に沿う受渡し姿勢とした後、図16(b)に示すように、左右の分割テーブル16R,16Lに掛け渡した状態で移載する。そして左右の分割テーブル16R,16Lを入口搬入ラインC2に沿って移動させて、長辺セグメントS1をテーブルシフト装置14まで搬送する。さらにテーブルシフト装置14により分割テーブル16R,16Rを上昇させて振分けラインC3に沿って上昇させた後、さらに上出口搬出ラインC5に沿って移動させて、長辺セグメントS1をセグメント組立装置51に供給する。
セグメント組立装置51では、受取り姿勢で待機された上部保持フレーム53Uの長辺セグメント保持部81に長辺セグメントS1を保持させる。さらに図16(c)に示すように、セグメント揺動装置74により下部保持フレーム53Dを下方に略90度回動して展開姿勢とし、長辺セグメントS1を組付け姿勢とすると同時に、移動体52により下部保持フレーム53Dを長辺方向および短辺方向ならびにトンネル軸心O方向にそれぞれ移動して、長辺セグメントS1を上辺の組付け位置に対向させる。さらに長辺微調整揺動装置86により長辺セグメントS1の姿勢を微調整した後、推進ジャッキ41と共働して組付け位置に取り付ける。
上記により1セットの各セグメントS1〜S3の組立を完了する。
[実施の形態の効果]
上記実施の形態によれば、後方台車11の横行ホイスト装置13により、長辺セグメントS1のみを短辺方向の軸心周りに略90度旋回させて長辺部LSと平行な搬入姿勢とする姿勢調整を行い、さらに各セグメントS1〜S3をそれぞれ分割テーブル16R,16Lに順次移載する。そして搬送テーブル装置15により入口搬入ラインC1,R1,L1に沿って各セグメントS1〜S3をそれぞれ搬入する。さらに下辺組の各セグメントS1〜S3を下出口搬出ラインC5,R5,L5からセグメント組立装置51の下保持フレーム53Dに供給し、上辺組の各セグメントS1〜S3を、テーブルシフト装置14により、振分けラインC3,R3,L3から上出口搬出ラインC4,R4,L4を介してセグメント組立装置51の上保持フレーム53Uにそれぞれ供給する。さらにセグメント組立装置51では、各セグメントS1〜S3を長辺方向の軸心周りに90度旋回させる姿勢変更を行うことにより、それぞれ組付け姿勢とすることができる。
したがって、きわめて簡単な受渡し動作で各セグメントS1〜S3の搬入と組立を行うことができるとともに、セグメント組立装置51では小さい旋回半径で姿勢変更を行うことができ、従来のように大きい空間が不要となる。これにより、扁平なトンネル内空間であっても、長尺の長辺セグメントS1を容易に取り扱うことができる。またセグメント組立装置51をシールド掘進機の後部に配置することができるため、後方台車11や既設覆工体に大きい負荷をかけることがない。さらにこのように、セグメント組立装置51による各セグメントS1〜S3の姿勢変更動作は、旋回半径や旋回トルクを小さくできて、セグメント組立装置51の軽量化と簡略化を図ることができる。
また、第1,第2短辺セグメントS2,S3の搬入姿勢を、短辺部分S2a,S3aがトンネル軸心Oに沿い、かつコーナー部S2c,S3cを反切羽側に配置しておくことにより、姿勢調整動作では、長辺セグメントS1のみを短辺方向の軸心周りに略90度旋回するだけでよく、搬入に要する作業工程を削減することができる。さらに一対の長辺セグメントS1と一対2組の第1,第2短辺セグメントS2,S3とにより矩形断面の覆工体Lを形成することにより、大きい負荷のかかる長辺部中央を分離せずに、覆工体Lに十分な強度を与えることができる。
また横行ホイスト装置13により、簡単な構成で、長辺セグメントS1の姿勢調整と各分割テーブル16R,16Lへの移載、第1,第2セグメントS2,S3の各分割テーブル16R,16Lへの移載をそれぞれ行うことができる。さらに搬送テーブル装置15により、一対の分割テーブル16R,16Lを用いて長辺セグメントS1を搬送し、単独の分割テーブル16R,16Lにより第1,第2短辺セグメントS2,S3をそれぞれ搬送することで、効率よく各セグメントS1〜S3を搬送することができる。さらに各セグメントS1〜S3をテーブル搬送装置15により左右の分割テーブル16R,16Lにより搬送する時に、各セグメントS1〜S3の姿勢が変化することがなく、ローラコンベヤなどの搬送装置に比較して各セグメントS1〜S3が損傷されることがない。また長辺セグメントS1を左右の分割テーブル16R,16Lに掛け渡した状態で搬送するので、長辺セグメントS1が長尺で大重量であっても安定して搬送することができる。
さらに分割テーブル16R,16Lを本体部16aと張出し部16bとで平面視L形状に形成し、第1,第2短辺セグメントS2,S3の短辺部分S2b,S3bを張出し部16bに載せることで、第1,第2短辺セグメントS2,S3を上下保持アーム53U,53Dに供給する時に、張出し部16bを上下保持アーム53U,53Dに外嵌させることで、コーナー部を有する第1,第2短辺セグメントS2,S3を容易かつ確実に上下保持アーム53U,53Dに受け渡すことができる。
セグメント組立装置51において、覆工体Lの上下の長辺部LSに対向して、両端部が揺動アーム72に支持された長辺保持ブーム71を設け、この長辺保持ブーム71に、長さ方向に沿って長辺セグメントS1を保持する長辺セグメント保持部81を設けたので、長辺保持ブーム71の強度を十分に高めて、長尺で大重量の長辺セグメントS1であっても安定して保持することができる。また長辺保持ブーム71と揺動アーム72とにコーナー部を挟んで第1,第2短辺セグメントS2,S3を保持可能な短辺セグメント保持部91を設け、さらにセグメント揺動装置74により、揺動アーム72を介して長辺保持ブームS1を長辺方向の軸心周りに略90度回動させることにより、各セグメントS1〜S3をそれぞれ組付け姿勢にするので、各セグメントS1〜S3の旋回半径が小さくすることができて、セグメント組立装置51と後方台車11との間で各セグメントS1〜S3の姿勢変更に必要な移動空間を小さくすることができ、また駆動トルクを小さくすることができ、これにより組付け姿勢への姿勢変更を容易に行うことができる。
また、各セグメントS1〜S3のヒンジH1〜H3とセグメント保持部81,91の支持ブラケット83,93とを連結ピン82,92を介して連結して、各セグメントS1〜S3を各セグメントS1〜S3と上下保持フレーム53U,53Dとをそれぞれ確実に連結することができる。さらに各セグメントS1〜S3の回り止めピンP1〜P3とセグメント保持部81,91の受け枠84とにより、各セグメントS1〜S3を回り止めし安定して保持することができる。さらに各揺動微調整装置86,96により、各セグメントS1〜S3の姿勢をそれぞれ微調整することができ、各セグメントS1〜S3を精度よく組付けることができる。
さらに、長辺部LSをほぼ1本の長辺セグメントS1で構成し、短辺部SSをコーナー部S2c,S3cを有する2本の短辺セグメントS2,S3で構成することにより、最も負荷のかかる長辺部LSの中央部からずれた位置に連結部を配置することができ、強度の高い覆工体Lを形成することができる。また短辺部SSを2分割して形成された短辺セグメントS2,S3の短辺部分S2b,S3bを、揺動アーム72に設けられた短辺セグメント保持部91に保持させるので、揺動アーム72を短くすることができ、各セグメントS1〜S3の回動に必要な空間を小さくできるとともに、駆動トルクを削減することができる。
さらにまた、上下保持フレーム53U,53Dと左右の縦行フレーム55とに囲まれた空間の中央部に挿通空間70を設けて、排土コンベヤ43などの支援部材を配置することにより、狭いトンネル空間を有効に利用することができる。
[後方台車の他の実施の形態]
本発明に係るセグメント搬入組立装置の後方台車の他の実施の形態を図17および図18を参照して説明する。なお、先の実施の形態と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
セグメント台車12に替えて搬入ホイスト装置102が使用される。この搬入ホイスト装置102により、各セグメントS1〜S3が後方台車101に搬入されて、後方台車101からセグメント組立装置51に供給される。この搬入ホイスト装置102は、トンネル軸心O方向に沿って天井部に配設された搬入ガイドレール102aに案内されるウインチ付き走行ブロックから索体が繰出されてフックにより各セグメントS1〜S3を吊り下げて搬送するもので、各セグメントS1〜S3はそれぞれの長尺部がトンネル軸心O方向に沿う搬入姿勢として吊り下げられ、搬入ラインC0に沿って搬入される。これら各セグメントS1〜S3のうち、第1,第2短辺セグメントS2,S3は搬入姿勢のまま、セグメント搬送機構を構成する自走式の下部テーブル103に移載され、長辺セグメントS1は短辺方向の軸心周りに略90度旋回されて姿勢調整された後、下部テーブル103に移載される。
後方台車101の底部には、反切羽側(後部)から切羽側(前部)にわたって下部テーブル103を案内する左右一対の下部搬送ガイドレール104が配設されており、下部テーブル103に移載された上辺組の各セグメントS1〜S3と下辺組の各セグメントS1〜S3がそれぞれ入口搬入ラインC1に沿って搬送される。
また後方台車101の架構107の中段部分に、左右一対の中段搬送ガイドレール105が配設され、これら中段搬送ガイドレール105に自走式の上部テーブル106が移動自在に支持されている。
さらに後方台車101の中間部には、上辺組の各セグメントS1〜S3と下辺組の各セグメントS1〜S3とに振り分けるとともに、第1,第2短辺セグメントS2,S3を左右にシフトする振分け機構である横行ホイスト装置110が設置されている。横行ホイスト装置110は、後方台車101の天井部に横断方向に掛け渡されたホイスト用横行レール111に沿ってウインチ付きの横行ブロック112が移動自在に支持され、横行ブロック112から繰り出された索体にフック113を介して上辺組の各セグメントS1〜S3をそれぞれ吊り上げ、下部テーブル103から振分けラインC3に沿って上部テーブル106に移載する。この時、第1,第2短辺セグメントS2,S3は、セグメント組立装置51で保持される短辺セグメント保持部91に対応して左右にシフトされ、上部テーブル106の適正な受渡し位置に載置される。さらに上部出口搬出ラインC4に沿って上部テーブル106が移動されて上辺組の各セグメントS1〜S3が搬送され、セグメント組立装置51の上部保持フレーム53Uに供給される。
また下辺組の第1,第2短辺セグメントS2,S3も、横行ホイスト装置110により一旦吊り上げられて、セグメント組立装置51で保持される短辺セグメント保持部91に対応して左右にシフトされ、下部テーブル103の適正な受渡し位置に載置される。さらに下部テーブル103が下部出口搬出ラインC5に沿って移動されて下辺組の各セグメントS1〜S3が搬送され、セグメント組立装置51の下部保持フレーム53Dに供給される。
なお、図で中段搬送ガイドレール105が後部下方に傾斜されているのは、横行ホイスト装置110による上辺組の各セグメントS1〜S3の吊り代を確保するためであり、十分に吊り代を確保できる場合には、傾斜させる必要が無い。
このように、セグメント台車12に替えて、搬入ホイスト装置102により各セグメントS1〜S3を搬入したり、また横行ホイスト装置110により各セグメントS1〜S3を上辺組と下辺組とに振り分ける振分け機構を構成してもよく、先の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
[セグメント組立装置の他の実施の形態]
本発明に係るセグメント組立装置の他の実施の形態を図19および図20を参照して説明する。なお、先の実施の形態と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
先の実施の形態において、上保持フレーム53Uおよび下保持フレーム53Dが、左右のスライドフレーム57R,57Lにわたって形成されていたが、この実施の形態では、左右のスライドフレーム57R,57Lに上下一対の保持フレーム121RU,121RDと121LU,121LDがそれぞれ設けられて互いに対称構造に構成されている。そして上辺組の長辺セグメントS1は上保持フレーム121RU,121LUにわたって保持され、下辺組の長辺セグメントS1は下保持フレーム121RD,121LDにわたって保持される。
ここで使用される長辺セグメントS1には、左右の保持フレーム121RU,121RD,121RD,121LDの間隔に対応して、左右一対のヒンジH4と、左右一対の回り止めピンP4がそれぞれ設けられている。
また長辺セグメント保持部131は、左右の保持フレーム121RU,121LUと121RD,121LDの両長辺保持ブーム122にわたって設けられており、各長辺保持ブーム122に、ヒンジH4が連結ピン132を介して連結される支持ブラケット132と、回り止めピンP4が係合される受け枠134とがそれぞれ設けられている。したがって、長辺セグメントS1は長辺セグメント保持部131により左右の保持フレーム121RU,121LUまたは121RD,121LDに掛け渡されて保持される。また長辺揺動微調整装置86を構成する共用サポートジャッキ85は先の実施の形態と同様に配置されている。
上記実施の形態によれば、先の実施の形態の作用効果に加えて、第1,第2短辺セグメントS2,S3は、保持された保持フレーム121RU,121LU,121RD,121LDを使用すればよく、効率よく組み付け作業を行うことができる。
本発明に係るセグメント組立装置を具備したセグメントの搬入組立設備の実施の形態を示し、組立てられた覆工体の斜視図である。 セグメント組立装置を示す背面図である。 セグメント組立装置を示す側面図である。 セグメント組立装置の上保持フレームを示し、(a)は平面図、(b)は長辺セグメントの保持状態を示す正面図、(c)は上保持フレームの側面図、(d)は第1,第2短辺セグメントの保持状態を示す正面図である。 後方台車を示す側面図である。 後方台車を示す平面図である。 図5に示すA−A断面図である。 図5に示すB−B断面図である。 分割テーブルからセグメント組立装置へのセグメントの受渡し状態を示す平面図で、(a)は長辺セグメント、(b)は左側の第2短辺セグメント、(c)は右側の第1短辺セグメントを示す。 搬送ラインを示す斜視図で、(a)は下出口搬出ラインを示し、(b)は上出口搬出ラインを示す。 下辺組の長辺セグメントの搬送手順を示す斜視図で、(a)は姿勢調整動作と移載動作を示し、(b)は受渡し動作と姿勢変更動作を示し、(c)は組付け動作を示す。 下辺組の第2短辺セグメントの搬送手順を示す斜視図で、(a)は移載動作を示し、(b)は受渡し動作と姿勢変更動作を示し、(c)は組付け動作を示す。 下辺組の第1短辺セグメントの搬送手順を示す斜視図で、(a)は移載動作を示し、(b)は受渡し動作と姿勢変更動作を示し、(c)は組付け動作を示す。 上辺組の第1短辺セグメントの搬送手順を示す斜視図で、(a)は移載動作を示し、(b)はシフト動作と受渡し動作を示し、(c)は姿勢変更動作を示し、(d)は組付け動作を示す。 上辺組の第2短辺セグメントの搬送手順を示す斜視図で、(a)は移載動作を示し、(b)はシフト動作と受渡し動作を示し、(c)は姿勢変更動作を示し、(d)は組付け動作を示す。 上辺組の長辺セグメントの搬送手順を示す斜視図で、(a)は姿勢調整動作と移載動作を示し、(b)はシフト動作と受渡し動作を示し、(c)は姿勢変更動作を示し、(d)は組付け動作を示す。 後方台車の他の実施の形態を示す平面視の断面図である。 後方台車の他の実施の形態を示す中央縦断面図である。 本発明に係るセグメント搬入組立設備のセグメント組立装置の他の実施の形態を示す背面図である。 セグメント組立装置の長辺セグメント保持部を示す背面図である。
符号の説明
L 覆工体
LS 長辺部
SS 短辺部
S1 長辺セグメント
S2 第1短辺セグメント
S2b 短辺部分
S2c コーナー部
S3 第2短辺セグメント
S3b 短辺部分
S3c コーナー部
C0 導入ライン
R1,L1 入口シフトライン
C2,R2,L2 入口搬入ライン
C3,R3,L3 振分けライン
C4,R4,L4 上出口搬出ライン
C5,R5,L5 下出口搬出ライン
11 後方台車
12 セグメント台車
13 横行ホイスト装置(旋回移載部)
14 テーブルシフト装置(振分け機構)
15 搬送テーブル装置(搬送機構)
16R,16L 分割テーブル
21M 中段フレーム
22F 前部架構
22R 後部架構
40 本体
41 推進ジャッキ
42 反力支持枠
43 排土コンベヤ
51 セグメント組立装置
52 移動体
53U 上保持フレーム
53D 下保持フレーム
54 横行フレーム
55 縦行フレーム
56 スライドアーム
57R,57L スライドフレーム
58 縦行ガイドブーム
71 長辺保持ブーム
72 揺動アーム
73 揺動軸
74 セグメント揺動装置
81 長辺セグメント保持部
86 長辺微調整揺動装置
91 短辺セグメント保持部
96 短辺揺動微調整装置
101 後方台車
102 搬入ホイスト装置
103 下部テーブル
106 上部テーブル
110 横行ホイスト装置
121RU,121RD,121LU,121LD 保持フレーム
131 長辺セグメント保持部

Claims (6)

  1. シールド掘進機により掘削されたトンネルの内面に、長辺セグメントと短辺セグメントとにより長辺部と短辺部からなる矩形断面の覆工体を組み立てるセグメント組立装置であって、
    シールド掘進機の本体後部に、長辺方向および短辺方向に移動自在でかつシールド軸心方向に出退自在な移動体を設け、
    当該移動体に、一対の長辺部にそれぞれ対向する長辺保持ブームが長辺方向の軸心周りに回動自在に支持された保持フレームを設け、
    前記長辺保持ブームに長辺セグメントを保持可能な長辺セグメント保持部を設け、
    移動体に、前記長辺セグメント保持部が反切羽側に向く受取り姿勢と、長辺部側に対向する展開姿勢との間で、保持フレームをそれぞれ長辺方向の軸心周りに略90度回動させるセグメント揺動装置を設けた
    ことを特徴とするセグメント組立装置。
  2. 保持フレームは、長辺保持ブームの両端部に連結されて移動体に長辺方向の軸心周りに回動自在に支持された揺動アームを有し、
    少なくとも前記揺動アームに、短辺セグメントを保持可能な短辺セグメント保持部を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のセグメント組立装置。
  3. 移動体は、シールド掘進機の本体後部に長辺方向に移動自在に配置された横行フレームと、当該横行フレームに短辺方向に移動自在に支持された一対の縦行フレームと、当該縦行フレームにそれぞれトンネル軸心方向に出退自在に支持されたスライドフレームとを具備し、
    前記スライドフレームに、保持フレームが回動自在に支持された
    ことを特徴とする請求項1または2記載のセグメント組立装置。
  4. 長辺セグメント保持部と長辺セグメントの一方に、連結具と回り止め具とを設けるとともに、他方に前記連結具に連結自在な被連結具と、前記回り止め具が係合離脱自在な回り止め受け具とを設け、
    短辺セグメント保持部と短辺セグメントの一方に、連結具と回り止め具とを設けるとともに、他方に前記連結具に連結自在な被連結具と、前記回り止め具が係合離脱自在な回り止め受け具とを設け、
    前記長辺セグメント保持部および前記短辺セグメント保持部に、各セグメントをそれぞれトンネル軸心周りおよび長辺方向の軸心周りにそれぞれ揺動可能な揺動微調整装置を設けた
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のセグメント組立装置。
  5. 覆工体は、一対の長辺セグメントと、残部長辺部分およびコーナー部ならびに短辺部分を有する一対2組の短辺セグメントからなり、
    短辺セグメント保持部は、長辺保持ブームと揺動アームの連結部を挟んで長辺保持ブームと揺動アームとに設けられた
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のセグメント組立装置。
  6. 両保持フレームと各揺動フレームとの囲まれた空間の中央部に、移動体および保持フレームの動作により干渉されないトンネル軸心方向の挿通空間を設け、
    当該挿通空間に、シールド掘進機の支援部材を配置した
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のセグメント組立装置。
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