JP5019854B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、先端部が一定厚の薄肉であるビードフィラーを有する空気入りタイヤの製造方法に関する。
従来の空気入りタイヤの製造方法としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開2004−9622号公報
このものは、タイヤの内表面に対応するトロイダル状外表面を有するハードコアの外側に、編み上げ等の方法によりゴム引きコードよりなるカーカスプライを貼付けた後、一対のビードコアを軸方向外側から貼付け、その後、未加硫のゴムストリップをビードコアの半径方向外側にハードコアのほぼ垂直な軸方向外側面に沿わせながら多数回螺旋状に巻き付けて、基端から先端に向かうに従い薄肉となったフィラー本体部を形成した後、別種類のゴムストリップを1周だけ周方向と平行に巻き付けて、前記フィラー本体部の先端に半径方向内端(幅方向内側端)が突き合わせ接合されたフィラーシート部を成形し、これにより、先端側が細長いシート状である、いわゆるスリムハイ形状のビードフィラーを構成するようにしたものである。
しかしながら、このような従来の空気入りタイヤの製造方法にあっては、ほぼ垂直面であるハードコア(カーカスプライ)の軸方向両外側にゴムストリップを多数回プラス1回巻回することでビードフィラーを成形するようにしているが、このような巻き付けは作業的に難しいため、ビードフィラー成形のためにハードコアが長時間占有され、この結果、空気入りタイヤ製造の作業能率が低下してしまうという課題があった。
また、前述の鍔状をしたフィラーシート部を成形するときには、周長の相違によりゴムストリップを幅方向外側(半径方向外側)ほど大きく引き伸ばしながら巻き付ける必要があるため、その一部が規定位置から半径方向にずれて貼付けられることがある。そして、このようなずれが生じると、フィラー本体とフィラーシート部との間に間隙が生じ、この結果、スリムハイ形状のビードフィラーとしての機能が低下してしまうという課題もあった。
この発明は、スリムハイ形状のビードフィラーとしての機能を充分に発揮することができ、しかも、作業能率も向上させることができる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
このような目的は、円筒状をした成形ドラムの外側に円筒状のカーカス層を成形するとともに、ゴム部材を前記成形ドラムに供給してカーカス層の軸方向両側部外側に一対の円筒状をしたフィラーシート部を成形する工程と、基端から先端に向かうに従い薄肉となったフィラー本体部の基端が外周に密着している一対のビードコアを前記カーカス層の軸方向両端部外側に供給配置する工程と、前記フィラーシート部とフィラー本体部とを互いに接近させ、フィラーシート部のビードコアに近接する側部をフィラー本体部に重ね合わせ密着させることでビードフィラーを形成する工程とを備えた空気入りタイヤの製造方法において、コア体を拡径させながらビードコアを互いに接近させることで、前記ビードコア間に位置するカーカス層の本体部を半径方向外側に向かって凸状に膨出させるとともに、ビードコアより軸方向両外側に位置するカーカス層の折返し部を前記拡径中のコア体に押付けながらビードコア回りに折り返すことで、フィラーシート部とフィラー本体部とを互いに接近させるようにした空気入りタイヤの製造方法により、達成することができる
この発明においては、円筒状をした成形ドラムにゴム部材を供給してカーカス層の外側に円筒状をしたフィラーシート部を成形するようにしているため、フィラーシート部の軸方向位置が異なっても異なる量だけ引き伸ばす必要がなくなり成形の位置精度を高精度とすることができる。これに加え、フィラーシート部とフィラー本体部とを互いに接近させ、フィラーシート部のビードコアに近接する側部をフィラー本体部に重ね合わせ密着させることでビードフィラーを形成するようにしているため、フィラーシート部とフィラー本体部との間に間隙が発生することはなく、スリムハイ形状のビードフィラーとしての機能を充分に発揮させることができる。
また、円筒状をした成形ドラムにおいてカーカス層、フィラーシート部を成形する作業、フィラー本体部が密着しているビードコアをカーカス層の外側に供給配置する作業、および、フィラーシート部とフィラー本体部とを互いに接近させて重ね合わせ密着する作業だけでビードフィラーを成形することができ、成形ドラム上でゴムストリップをほぼ垂直な面に沿わせながら螺旋状に多数回巻回する必要はないため、作業が容易となるとともに、短時間で行うことができ、作業能率が向上する。また、フィラー本体部を大きく屈曲させることなくフィラーシート部をフィラー本体部に重ね合わせ密着させることができる
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1において、11は乗用車等に装着される空気入りラジアルタイヤであり、この空気入りタイヤ11は一対のビード部13を有し、これらビード部13には一対のビードコア12が埋設されている。また、前記空気入りタイヤ11は、これらビード部13から略半径方向外側に向かってそれぞれ延びるサイドウォール部14と、両サイドウォール部14の半径方向外端同士を連結する略円筒状のトレッド部15とをさらに備えている。
18はカーカス層であり、このカーカス層18は両ビードコア12間をトロイダル状に延びてサイドウォール部14、トレッド部15を補強する本体部19と、ビードコア12の回りに内側から外側に向かって折返されることにより、本体部19より軸方向外側に配置されるとともに、前記本体部19にほぼ沿って延びる折返し部20とを有する。そして、前記カーカス層18は少なくとも1枚、ここでは1枚のカーカスプライ21から構成され、このカーカスプライ21はタイヤ赤道Sに対して実質上90度のコード角で交差する、即ち、実質上ラジアル方向(子午線方向)に延びる非伸張性の多数本の補強コード、例えばスチールコードをコーティングゴムで被覆することにより構成している。
24はカーカス層18の半径方向外側に配置されたベルト層であり、このベルト層24は少なくとも2枚(ここでは2枚)のベルトプライ25を半径方向に積層することで構成され、各ベルトプライ25は、例えばスチール、芳香族ポリアミドからなる非伸張性の互いに平行な多数本の補強コードをコーティングゴムで被覆することにより構成している。そして、これらベルトプライ25を構成する補強コードはタイヤ赤道Sに対して15〜50度程度のコード角で傾斜するとともに、少なくとも2枚のベルトプライ25において傾斜方向が逆方向である。
28は前記カーカス層18、ベルト層24の半径方向外側に配置されたゴムからなるトップトレッドであり、このトップトレッド28の外表面には周方向に延びる複数本の主溝29が形成されているが、前記外表面にはこれら主溝29に交差する横溝がさらに形成されることもある。また、30はカーカス層18の軸方向両外側に配置されたゴムからなるサイドトレッド、31はカーカス層18に内側に配置されたインナーライナー、32はビードコア12の周囲に配置されたゴムチェーファー、33はベルト層24の軸方向両端を跨ぐよう配置された一対の補強層である。
34はビードコア12から本体部19に沿ってほぼ半径方向外側に延びる一対のビードフィラーであり、これらのビードフィラー34は耐破壊強度および耐熱性が良好なゴムから構成されている。これらビードフィラー34は、ビードコア12の外周に基端(半径方向内端)が密着し、基端から先端(半径方向外端)に向かうに従い薄肉となった断面略三角形のフィラー本体部35を有し、このフィラー本体部35は前記本体部19と折返し部20との間にこれらに密着した状態で配置されている。
また、前記ビードフィラー34は前記ビードコア12に近接する側部、ここでは半径方向内側部が、該フィラー本体部35の半径方向外側部で軸方向内側面に重ね合わされ加硫接着されたフィラーシート部36を有し、このフィラーシート部36は薄肉、通常0.5〜3mmの範囲内の一定厚さである高硬度のゴムからなり、その先端はビード部13の半径方向内端からタイヤ高さの30〜75%だけ半径方向外側に離れた範囲内に位置している。そして、このようなフィラー本体部35と、該フィラー本体部35に一体化されたフィラーシート部36とからなり、先端側が一定厚の薄肉であるビードフィラー34は、スリムハイ形状と呼ばれ、通常のビードフィラーに比較し、サイドウォール部14における横方向および前後方向の剛性を、他の性能の低下を抑制しながら、効果的に向上させることができる。
ここで、前記フィラー本体部35とフィラーシート部36との重なり合い量Lは、フィラー本体部35の基端から先端までの内表面に沿った長さをMとしたとき、前記Mの 5〜50%の範囲内とすることが好ましい。その理由は、前記重なり合い量Lが長さMの 5%未満であると、接着領域が狭いため、空気入りタイヤ11の走行に基づくサイドウォール部14の繰り返し変形により、フィラー本体部35からフィラーシート部36が剥離するおそれがあり、一方、重なり合い量Lが長さMの50%を超えると、フィラーシート部36のビードフィラー34における占有体積が大きくなってビード部13の剛性が高くなりすぎることがあるからである。
次に、前述のような空気入りタイヤ11の製造方法を説明する。図2において、41は拡縮径可能で水平な軸線回りに回転可能な成形ドラムとしての第1成形ドラムであり、この第1成形ドラム41は拡径状態のとき円筒状を呈している。そして、この第1成形ドラム41が拡径状態であるとき、いわゆる定幅細片法によりインナーライナー31が該第1成形ドラム41の外側に成形される。
ここで、定幅細片法とは、ゴムのみからなる連続シートまたは少数本の引き揃えられた補強コードをゴムコーティングして構成した連続シートを予め定められた長さに次々と切断して細片を形成した後、該細片を成形ドラム上にその軸線と平行あるいは軸線に対し傾斜させた状態で該細片の略幅分だけ周方向にずらしながら繰り返し供給して、これら多数の細片を幅方向につなぎ合わせ円筒状をしたタイヤ構成部材を成形する方法である。なお、前記細片を予めコンベア上または転写ドラム上で幅方向につなぎ合わせ、これを成形ドラムに供給して円筒状に貼付け成形してもよい。
次に、インナーライナー31の外側に該インナーライナー31の軸方向両端を跨ぐ一対のシートを図示していないシート供給装置によって供給して巻き付け、キャンパスチェーファーを成形する。その後、第1成形ドラム41を回転させながら、該第1成形ドラム41、詳しくはインナーライナー31、キャンパスチェーファーの外側に、前記定幅細片法によって円筒状のカーカス層18(カーカスプライ21)を成形する。
次に、拡径状態の第1成形ドラム41を回転させながら該第1成形ドラム41に前記シート供給装置により一定幅でカーカスプライ21の1周長とほぼ等長であるゴム部材を供給して、カーカスプライ21の外側でその軸方向両端部に、詳しくはゴムチェーファー32より若干軸方向内側に巻回した後、その始、終端同士を接合することで、一対の円筒状をしたフィラーシート部36を成形する。このときの状態が図2に示されている。ここで、前述のようにフィラーシート部36の第1成形ドラム41への供給機構を、他のタイヤ構成部材の供給機構と共用すれば、設置スペース、コストを削減することができる。
なお、前記フィラーシート部36は、図示していない押出し機等からゴム部材(ゴムリボン)を供給し、前記カーカス層18の外側でその軸方向両側部に螺旋状に複数回巻回することで、いわゆるリボン積層法を用いて成形してもよい。ここで、リボン積層法とは、押出し機等から連続して押出された、あるいは、押出し後一旦リールに巻き取られた断面所定形状のゴムリボンを、円筒状あるいはトロイダル状をした成形ドラムに供給して螺旋状に巻回し、所定断面形状のタイヤ構成部材を成形する方法である。
図3において、43は図示していない搬送装置に支持された一対のビード保持体であり、これらのビード保持体43は図示していない拡縮機構により拡縮されるとともに、軸方向に所定距離離れて配置されている。そして、これらビード保持体43は、縮径状態のとき、前述のように基端から先端に向かうに従い薄肉となったフィラー本体部35の基端が外周に密着している一対のビードコア12を、例えば磁石の吸着力等を用いて保持する。ここで、前述のようなフィラー本体部35は、図4に示すように、対向する長辺が互いに若干傾斜した断面四角形のゴムストリップ42を、ビードコア12の外側に半径方向に重ね合わせながら多数回巻回積層することで成形することができる。
ここで、前述のフィラー本体部35は、押出し機から断面略三角形状のゴム部材を押出し、このゴム部材をビードコア12の外周に直接巻き付けることで、あるいは、一旦、円筒状をした成形ドラムの外側に貼付けて円筒体を成形した後、この円筒体を厚肉側基端を中心に拡開しながらビードコア12の外側に移載することで、成形することもできる。しかしながら、前述のようにゴムストリップ42を多数回巻回積層することで、ビードコア12の外周に密着しているフィラー本体部35を予め成形するようにすれば、任意断面形状のフィラー本体部35を安価にかつ容易に成形することができるとともに、フィラー本体部35の成形を別工程で行うことができるため、作業能率が向上する。
次に、カーカス層18等が外側に配置された第1成形ドラム41を移動させて中空状の搬送装置(ビード保持体43を含む)内に挿入する。そして、この第1成形ドラム41の移動は、前記一対のビードコア12の軸方向中央と一対のゴムチェーファー32の軸方向中央とがほぼ一致した所定位置まで到達したとき、停止する。これにより、フィラー本体部35付きのビードコア12は前記カーカス層18の軸方向両端部外側に供給配置される。前述したビード保持体43および搬送装置(ビード保持体32)を移動させる移動機構は全体として、フィラー本体部35が密着している一対のビードコア12を前記カーカス層18の軸方向両端部外側に供給配置するビードコア供給手段44を構成する。
このとき、前述のようにゴムチェーファー32より若干軸方向内側に一対のフィラーシート部36を成形したので、該フィラーシート部36はカーカス層18上においてビードコア12の配置位置より軸方向内側、即ちカーカス層18の本体部19に配置されることになる。ここで、フィラーシート部36をビードコア12の配置位置より軸方向外側のカーカス層18(折返し部20)に配置することもできるが、この場合には、カーカス層18の折返し端からフィラーシート部36が突出していると、カーカス層18(折返し部20)、フィラーシート部36を折返してフィラー本体部35に接近させる際、該フィラーシート部36のカーカス層18から突出している部位を支持するものがないため、フィラーシート部36の突出部が大きく変形するおそれがある。
これに対し、フィラーシート部36をビードコア12より軸方向内側に配置すると、カーカス層18(本体部19)が膨出変形してフィラーシート部36がフィラー本体部35に接近するとき、該本体部19がフィラーシート部36の全域を支持するため、該フィラーシート部36の変形が強力に抑制され、このようなことから、フィラーシート部36は前述のような位置に配置する好ましい。このときのフィラーシート部36とビードコア12との間の距離は、フィラー本体部35とフィラーシート部36との重なり合い量Lが前述の範囲内となるよう設定される。
次に、搬送装置の拡縮可能な一対の把持体45を図示していない拡縮機構により縮径させ、円筒状をしたカーカス層18の軸方向両端部を吸着パッド、磁石の吸着力等を用いて外側からそれぞれ把持する。この状態で第1成形ドラム41を縮径させ、カーカス層18等を第1成形ドラム41から搬送装置に移載する。このときの状態が図3に示されている。次に、カーカス層18等を保持した搬送装置を移動させるが、この移動は、カーカス層18等が縮径状態である第2成形ドラム48を周囲から囲む位置に到達すると、停止する。このときの状態が図5に示されている。
ここで、前記第2成形ドラム48は、周方向に並べて配置され拡縮可能な複数の剛体セグメントからなる一対のコア体49と、同様に周方向に並べて配置され拡縮可能な複数の剛体セグメントからなる一対のビードロック体50と、ビードロック体50より軸方向両外側に配置され、周方向に並べて配置された複数本の折返しロッド51と、コア体49の半径方向外側に配置され、内圧が充填されることで半径方向外側に膨出変形するセンターブラダ52とを備え、軸方向一側および軸方向他側のコア体49、ビードロック体50、折返しロッド51を図示していない一対のスライダにそれぞれ支持させている。
そして、前述した位置まで搬送装置が移動すると、ビードロック体50を拡径してビードコア12を半径方向内側から把持する。次に、ビード保持体43および把持体45を共に拡径させてビードコア12からビード保持体43を離脱させるとともに、把持体45をカーカス層18から離脱させる。この結果、カーカス層18等は搬送装置から第2成形ドラム48に移載される。その後、搬送装置を移動させ、第2成形ドラム48から離隔させる。
次に、センターブラダ52内に内圧を充填して該センターブラダ52を膨出させる一方、一対のスライダを軸方向内側に移動させることで、一対のコア体49を拡径させるとともに、ビードコア12を互いに接近させ、ビードコア12間に位置するカーカス層18の本体部19を半径方向外側に向かって凸状に膨出変形させる。このとき、前記折返しロッド51の軸方向外側端を図示していない押圧機構により軸方向内側に向かって押込み、これにより、折返しロッド51を軸方向外端を中心として拡開するよう揺動させる。
この結果、ビードコア12より軸方向両外側に位置するカーカス層18の折返し部20は折返しロッド51の軸方向内端により拡径中のコア体49に押し付けられながらビードコア12の回りに折り返される。このときの状態が図6に示されている。このように本体部19が凸状に膨出変形すると、本体部18の外側に密着しているフィラーシート部36はフィラー本体部35の半径方向外側部に接近するが、このとき、該フィラー本体部35は折返し部20によって軸方向外側から支持されるため、軸方向外側に逃げることはなく、この結果、フィラーシート部36のビードコア12に近接する側部(半径方向内側部)はフィラー本体部35に重ね合わされ密着される。
このようにカーカス層18の本体部19の膨出変形および折返し部20の折返しにより、フィラーシート部36とフィラー本体部35とを互いに接近させるようにすれば、フィラー本体部35を大きく屈曲させることなくフィラーシート部36をフィラー本体部35に重ね合わせ密着させてビードフィラー34を形成することができ、ビードフィラー34の形状を安定させることができる。
また、この実施形態では、前述のようにフィラーシート部36とフィラー本体部35とが重ね合わされるとき、これらフィラーシート部36、フィラー本体部35はコア体49と折返しロッド51とにより両側から強力に押し付けられる(挟持される)ため、これらの密着が確実となるとともに、密着強度が向上する。前述したスライダ、コア体49、折返しロッド51、押圧機構は全体として、フィラーシート部36とフィラー本体部35とを互いに接近させ、フィラーシート部36の半径方向内側部をフィラー本体部35に重ね合わせ密着させることでビードフィラー34を形成するフィラー形成手段55を構成する。
そして、この実施形態においては、円筒状をした第1成形ドラム41にゴム部材を供給してカーカス層18の外側に円筒状をしたフィラーシート部36を成形するようにしているため、フィラーシート部36の軸方向位置が異なっても異なる量だけ引き伸ばす必要がなくなり、成形の位置精度を高精度とすることができる。これに加え、フィラーシート部36とフィラー本体部35とを互いに接近させ、フィラーシート部36のビードコア12に近接する側部をフィラー本体部35に重ね合わせ密着させることでビードフィラー34を形成するようにしているため、フィラーシート部36とフィラー本体部35との間に間隙が発生することはなく、スリムハイ形状のビードフィラー34としての機能を充分に発揮させることができる。
また、円筒状をした第1成形ドラム41においてカーカス層18、フィラーシート部36を成形する作業、フィラー本体部35が密着しているビードコア12をカーカス層18の外側に供給配置する作業、および、フィラーシート部36とフィラー本体部35とを互いに接近させて重ね合わせ密着する作業だけでビードフィラー34を成形することができ、従来のように成形ドラム上でゴムストリップをほぼ垂直な面に沿わせながら螺旋状に多数回巻回する必要はないため、作業が容易となるとともに、短時間で行うことができ、作業能率が向上する。
その後、前記カーカス層18の半径方向外側に、前述のリボン積層法によってトップトレッドを成形するとともに、カーカス層18の軸方向両外側に、同様にリボン積層法によってサイドトレッドを成形し、グリーンタイヤとする。次に、このようなグリーンタイヤを第2成形ドラム48から取出した後、加硫装置に搬入して加硫を施し、加硫済タイヤとする。このとき、フィラー本体部35とフィラーシート部36とは加硫接着されて一体化される。
次に、図7を参照しながら実施形態2について説明する。この実施形態においては、略円筒状をした成形ドラムとしての第1成形ドラム60にシート状のインナーライナー31、ゴムチェーファー32、幅方向両端部にそれぞれシート状のゴム部材(フィラーシート部36)が予め貼付けられたカーカスプライ21を次々と供給して、その外側に貼付けるとともに、それぞれの始、終端同士を接合して円筒状のインナーライナー31、ゴムチェーファー32、カーカス層18(カーカスプライ21)、および、該カーカス層18の軸方向両端部外側にフィラーシート部36を成形する。なお、この実施形態においては、前記実施形態1と異なり、カーカス層18とフィラーシート部36とを同時に成形するようにしているが、このようにすれば作業能率を向上させることができる。
次に、前記第1成形ドラム60の軸方向中央部を拡径することでカーカス層18の軸方向中央部のみを拡径することにより、ゴムチェーファー32の軸方向内端部近傍のカーカス層18に段差61を形成、あるいは、第1成形ドラム60が軸方向中央部に大径部を、軸方向両端部に小径部を有しているときには、この第1成形ドラム60の小径部に重なり合うカーカス層18の軸方向両端部を周方向に離れた複数の羽根により絞り込んで、ゴムチェーファー32の軸方向内端部近傍のカーカス層18に段差61を形成する。
次に、フィラー本体部35が密着している一対のビードコア12を前記カーカス層18の軸方向両端部外側、ここでは前記段差61に供給して密着配置する。次に、第1成形ドラム60の軸方向両端部にそれぞれ設けられた折返しブラダ62に内圧を充填してドーナツ状に膨張させるとともに、該折返しブラダ62を押し付け部材63により軸方向内側に押し付けて変形させ、これにより、ビードコア12より軸方向外側のカーカス層18(折返し部20)およびフィラーシート部36をビードコア12の回りに軸方向内側に向かって折り返す。その後、前記カーカス層18の折返し部20近傍の外側にシート状のサイドトレッド30を供給して巻回するとともに、その始、終端同士を接合することで、サイドトレッド30を成形すると、グリーンケースが成形される。
このように本実施形態では、カーカス層18(折返し部20)の折返しにより、折返し部20の端部に付着しているフィラーシート部36をフィラー本体部35に接近させてビードコア12に近接する側部をフィラー本体部35の軸方向外側面に重ね合わせ密着させてビードフィラー34を形成している。このとき、前述のようにフィラー本体部35の半径方向外端部がカーカス層18の外周面より突出していると、該突出している部位が折返し部20に押されて大きく変形する。次に、前記グリーンケースを第1成形ドラム60から第2成形ドラムに搬送した後、該第2成形ドラムによりビードコア12を半径方向内側から保持する。
この状態でグリーンケース内に内圧を充填するとともに、ビードコア12を互いに接近させ、グリーンケースを凸状の膨出変形させる。このとき、別のバンドドラムによって円筒状に成形されたベルト層24、トップトレッド28からなるベルト・トレッドバンドを前記グリーンケースの外側に搬入し、グリーンケースの軸方向中央部とベルト・トレッドバンドとを密着させグリーンタイヤを成形する。次に、このようなグリーンタイヤを第2成形ドラムから取出した後、加硫装置に搬入して加硫を施し、加硫済タイヤとする。
なお、前述の実施形態においては、フィラー本体部35の種類が1種類であったが、この発明においては複数種類用意し、複数種類の空気入りタイヤ11を同時に混流させながら製造するようにしてもよい。また、前記フィラーシート部36の成形を行ったり、行わなかったりすることで、スリムハイ形状と通常形状のビードフィラーを同時に混流させながら製造することもできる。さらに、前述の実施形態2においては、本体部19が円筒状を呈しているとき、折返し部20をビードコア12の回りに折り返すようにしたが、この発明においては、第1実施形態と同様に本体部19がトロイダル状に変形している途中で、折返し部20をフィラーシート部36とともにビードコア12回りに折り返すようにしてもよい。
この発明は、空気入りタイヤを製造する産業分野に適用できる。
この発明の実施形態1を示す子午線断面図である。 実施形態1の製造工程を示す正面断面図である。 実施形態1の製造工程を示す正面断面図である。 フィラー本体部付きビードコアの断面図である。 実施形態1の製造工程を示す正面断面図である。 実施形態1の製造工程を示す正面断面図である。 この発明の実施形態2の製造工程を示す正面断面図である。
11…空気入りタイヤ 12…ビードコア
18…カーカス層 19…本体部
20…折返し部 34…ビードフィラー
35…フィラー本体部 36…フィラーシート部
41…成形ドラム 42…ゴムストリップ
44…ビードコア供給手段 55…フィラー形成手段

Claims (1)

  1. 円筒状をした成形ドラムの外側に円筒状のカーカス層を成形するとともに、ゴム部材を前記成形ドラムに供給してカーカス層の軸方向両側部外側に一対の円筒状をしたフィラーシート部を成形する工程と、基端から先端に向かうに従い薄肉となったフィラー本体部の基端が外周に密着している一対のビードコアを前記カーカス層の軸方向両端部外側に供給配置する工程と、前記フィラーシート部とフィラー本体部とを互いに接近させ、フィラーシート部のビードコアに近接する側部をフィラー本体部に重ね合わせ密着させることでビードフィラーを形成する工程とを備えた空気入りタイヤの製造方法において、コア体を拡径させながらビードコアを互いに接近させることで、前記ビードコア間に位置するカーカス層の本体部を半径方向外側に向かって凸状に膨出させるとともに、ビードコアより軸方向両外側に位置するカーカス層の折返し部を前記拡径中のコア体に押付けながらビードコア回りに折り返すことで、フィラーシート部とフィラー本体部とを互いに接近させるようにしたことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
JP2006308808A 2006-11-15 2006-11-15 空気入りタイヤの製造方法 Expired - Fee Related JP5019854B2 (ja)

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