JP5019738B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑油組成物に関し、詳しくは高温におけるトルク伝達容量を高く維持したまま変速ショックを改良し、さらにシャダー防止性を向上させることができる自動変速機及び/又は無段変速機用に好適な潤滑油組成物に関する。
最近の自動変速機や無段変速機は軽量小型化が望まれており、組み合わされるエンジンの高出力化に伴い、動力伝達能力の向上が追求されている。これら自動変速機や無段変速機には、トルクコンバータに内蔵されているロックアップクラッチを低速で滑らせる制御(スリップロックアップ制御)を有するものがあるが、これによって、エンジンのトルク変動を吸収して乗り心地を向上させながら、エンジントルクを効率よく変速機構へ伝達することができるように改良が進められている。また、一部の無段変速機には、湿式の発進クラッチを備えたものがあり、該発進クラッチを初めは滑らせてから結合することで停止状態からの発進をスムーズに行う、所謂滑り制御が行われている。これらのロックアップクラッチや発進クラッチ等の滑り制御が行われる変速機に用いられる潤滑油には、優れたトルク伝達力を有するともに変速ショックが小さく、優れた初期シャダー防止性能と、これを長期間維持する性能が要求されている。
従来の変速機油としては、ロックアップクラッチの摩擦特性を良好に維持し、初期シャダー防止性能と、これを長期間維持させるために、摩擦調整剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、摩耗防止剤などを最適化した変速機油組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜7参照。)。
例えば、特許文献1には、特定のカルシウムサリシレートとSP系極圧剤、特定のコハク酸イミド及びホウ素含有無灰分散剤を特定量含有する、シャダー防止寿命に優れ、かつ疲労寿命が長いという優れた性能を有する変速機用潤滑油組成物が、特許文献2には、特定の構造を有する有機酸金属塩、摩耗防止剤、及びホウ素含有コハク酸イミドを必須成分として配合した、高い金属間摩擦係数とスリップ制御機構に対するシャダー防止性を両立する無段変速機用潤滑油組成物が、特許文献3には、カルシウムサリシレート、りん系摩耗防止剤、摩擦調整剤、及び分散型粘度指数向上剤を配合した、高い金属間摩擦係数とスリップ制御機構に対するシャダー防止性を両立し、長期にわたって使用可能な無段変速機用潤滑油組成物が、特許文献4には、ジチオカーバメート化合物、及び炭素数8〜30を有する分岐鎖状脂肪酸とアミンの縮合物、更にはアミン系酸化防止剤を配合した、シャダー防止性能に優れ、かつシャダー防止寿命の長い潤滑油組成物が、特許文献5には、カルシウムスルホネート及び亜リン酸エステル類、更に、サルコシン誘導体あるいはカルボン酸とアミンの反応生成物を配合した、スリップロックアップ装置に対してシャダー防止寿命の性能を有し、ベルト式CVT装置に対してスクラッチノイズ防止長寿命の性能を有する自動変速機油組成物が、特許文献6には、特定のアルカリ土類金属スルホネートを特定量含有する、スリップ制御機構付自動変速機用として酸化安定性に優れると共に、シャダー振動防止性能および長期間の使用によってもその性能が持続される長期耐久性を有する自動変速機油組成物が開示されている。また、特許文献7には、カルシウムサリシレートとマグネシウムサリシレート、特定の摩擦調整剤及びホウ酸変性コハク酸イミドを特定量含む、優れたシャダー防止性と一定の伝達トルク容量を有する自動変速機油が開示されている。
しかしながら、本発明者らの検討によると、金属系清浄剤としてスルホネート系清浄剤を使用した場合にはシャダー防止性が未だ不十分であり、また、サリシレート系清浄剤を用いた場合には、高温において十分なトルク伝達容量を保持することが困難であることが判明した。また、耐熱性に優れた、炭素繊維、黒鉛、カーボンブラック等のカーボン系材料を含む湿式摩擦材においては、各種添加剤の吸着特性の影響が顕著となるため、特にシャダー防止寿命が劣る等、従来の変速機油では上記性能を十分発揮できないことが懸念される。従って、カーボン系材料を含む湿式摩擦材、例えばアラミド又はセルロース繊維を主体とし、カーボンを原料とする繊維および充填材を含有するカーボン含有摩擦材に対しても上記性能上問題のない変速機油が求められている。
特開2003−113391号公報 特開2001−323292号公報 特開2000−355695号公報 特開平11−50077号公報 特開平10−306292号公報 特開平10−25487号公報 特開2000−63869号公報
本発明の課題は、以上のような事情に鑑み、優れたトルク伝達力と変速特性を有し、シャダー防止性能に優れる、自動変速機及び/又は無段変速機油として好適な潤滑油組成物、特にカーボン系材料を含む湿式摩擦材に対しても上記性能上問題のない潤滑油組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、スルホネート系清浄剤、サリシレート系清浄剤及びホウ素含有コハク酸イミド系無灰分散剤を特定量及び特定量比で含み、更にホウ素を含有しないコハク酸イミド系無灰分散剤を特定量含有する潤滑油組成物が、上記課題を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、潤滑油基油に、組成物全量基準で、
(A)スルホネート系清浄剤を金属量(MeA)として0.01〜0.3質量%、
(B)サリシレート系清浄剤を金属量(MeB)として0.001〜0.1質量%
(C)ホウ素含有コハク酸イミド系無灰分散剤をホウ素量(BoC)として0.001〜0.1質量%、及び(D)ホウ素を含有しないコハク酸イミド系無灰分散剤を窒素量として0.005〜0.4質量%を含み、かつ、(MeB)/(MeA)が0.01〜1.5であり、(MeA)/(BoC)が0.1〜20であることを特徴とするカーボン系材料含有湿式摩擦材を備えた自動変速機及び/又は無段変速機用潤滑油組成物にある。
また、前記潤滑油組成物は、リン系摩耗防止剤を含有することが好ましい。
以下本発明について詳述する。
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油としては特に制限はなく、通常の潤滑油に使用される鉱油系基油、合成系基油が使用できる。
鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、水素異性化、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、GTL WAX(ガストゥリキッドワックス)を異性化する手法で製造される基油等が例示できる。
合成系基油としては、具体的には、ポリブテン又はその水素化物;1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフィン又はその水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、及びジ−2−エチルヘキシルセバケート等のジエステル;ネオペンチルグリコールエステル、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、及びペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル;アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、及び芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例示できる。
本発明における潤滑油基油としては、上記鉱油系基油、上記合成系基油又はこれらの中から選ばれる2種以上の任意混合物等が使用できる。例えば、1種以上の鉱油系基油、1種以上の合成系基油、1種以上の鉱油系基油と1種以上の合成系基油との混合油等を挙げることができる。
本発明において用いる潤滑油基油の動粘度は特に制限はないが、その100℃での動粘度は、好ましくは2〜8mm/s、より好ましくは2.5〜6mm/s、特に好ましくは3〜4.5mm/sに調整してなることが望ましい。潤滑油基油の100℃での動粘度が8mm/sを越える場合は、低温粘度特性が悪化し、一方、その動粘度が2mm/s未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油基油の蒸発損失が大きくなるため、それぞれ好ましくない。
また、本発明において用いる潤滑油基油の硫黄含有量に特に制限はないが、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下であることが望ましい。
潤滑油基油の蒸発損失量としては、特に制限はないが、NOACK蒸発量で、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%、特に好ましくは22〜35質量%に調整してなることが望ましい。NOACK蒸発量が上記範囲に調整された潤滑油基油を使用することで低温特性と摩耗防止性を両立しうる。なお、ここでいうNOACK蒸発量とは、CEC L−40−T−87に準拠して測定される蒸発量を意味する。
本発明における潤滑油基油の具体例としては、100℃における動粘度が1.5〜3.5mm/s、好ましくは2〜3.2mm/s、さらに好ましくは2.5〜3mm/sであり、硫黄含有量が0.05質量%以下、好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以下であり、NOACK蒸発量が20〜80質量%、好ましくは30〜65質量%、さらに好ましくは30〜55質量%の基油と、100℃における動粘度が3.5〜6mm/s、好ましくは3.8〜4.5mm/s、さらに好ましくは3.9〜4.3mm/s、硫黄含有量が0.05質量%以下、好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以下であり、NOACK蒸発量が5〜20質量%、好ましくは10〜18質量%、さらに好ましくは12〜16質量%の基油とを10:90〜90:10、好ましくは25:75〜75:25、さらに好ましくは40:60〜60:40の質量比で混合し、混合基油の100℃における動粘度、硫黄含有量及びNOACK蒸発量をそれぞれ上記範囲とすることが好ましい。これにより変速機油組成物として好適な低温特性と潤滑性能を両立しうる組成物を得ることできる。
なお、上記混合基油には、さらに100℃における動粘度が6mm/s以上、好ましくは10〜35mm/s、硫黄含有量が0.05〜1質量%、好ましくは0.1〜0.7質量%、さらに好ましくは0.2〜0.6質量%、NOACK蒸発量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下の基油を少量、例えば5〜30質量%混合しても良い。
本発明の潤滑油組成物における(A)成分は、スルホネート系清浄剤であり、その構造に特に制限はなく使用することができる。
スルホネート系清浄剤としては、例えば、分子量100〜1500、好ましくは200〜700のアルキル芳香族化合物をスルホン化することによって得られるアルキル芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられ、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩が好ましく用いられ、アルキル芳香族スルホン酸としては、具体的にはいわゆる石油スルホン酸や合成スルホン酸等が挙げられる。石油スルホン酸としては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルホン化したものやホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸等が用いられる。また合成スルホン酸としては、例えば、洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる、直鎖状や分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンを原料とし、これをスルホン化したもの、あるいはジノニルナフタレンをスルホン化したもの等が用いられる。またこれらアルキル芳香族化合物をスルホン化する際のスルホン化剤としては特に制限はないが、通常、発煙硫酸や硫酸が用いられる。
また、アルカリ土類金属スルフォネートとしては、上記のアルキル芳香族スルフォン酸を直接、マグネシウム及び/またはカルシウムのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等のアルカリ土類金属塩基と反応させたり、または一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させること等により得られる中性アルカリ土類金属スルフォネートだけでなく、上記中性アルカリ土類金属スルフォネートと過剰のアルカリ土類金属塩やアルカリ土類金属塩基(水酸化物や酸化物)を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性アルカリ土類金属スルフォネートや、炭酸ガス及び/又はホウ酸若しくはホウ酸塩の存在下で上記中性アルカリ土類金属スルフォネートをアルカリ土類金属の塩基と反応させることにより得られる炭酸塩過塩基性アルカリ土類金属スルフォネート、ホウ酸塩過塩基性アルカリ土類金属スルフォネートも含まれる。
本発明でいうスルホネート系清浄剤としては、上記の中性アルカリ土類金属スルホネート、塩基性アルカリ土類金属スルホネート、過塩基性アルカリ土類金属スルホネート及びこれらの混合物等を用いることができる。
本発明における(A)成分としてはカルシウムスルホネート系清浄剤、マグネシウムスルホネート系清浄剤を使用することが好ましく、伝達トルク容量向上に優れる点でカルシウムスルホネート系清浄剤を使用することが特に好ましい。
スルホネート系清浄剤は、通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態で市販されており、また入手可能であるが、一般的に、その金属含有量が1.0〜20質量%、好ましくは2.0〜16質量%のものを用いるのが望ましい。
本発明で用いるスルホネート系清浄剤の塩基価は任意であり、通常0〜500mgKOH/gであるが、伝達トルク容量向上に優れる点から、塩基価が100〜450mgKOH/g、好ましくは200〜400mgKOH/gのものを用いるのが望ましい。
なおここでいう塩基価は、JIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による塩基価を意味している。
本発明の潤滑油組成物において、(A)成分の含有量は、組成物全量基準で、金属量(MeA)として0.01〜0.3質量%であり、好ましくは0.02〜0.2質量%、特に好ましくは0.04〜0.15質量%である。(A)成分の含有量を上記範囲とすることで優れたトルク伝達力と変速特性を有し、シャダー防止性能に優れる潤滑油組成物を得ることができる。
本発明の潤滑油組成物における(B)成分は、サリシレート系清浄剤であり、その構造に特に制限はないが、炭素数1〜30のアルキル基を1〜2個有するサリチル酸の金属塩、好ましくはアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩が好ましく用いられる。
本発明における(B)成分は、モノアルキルサリチル酸金属塩の構成比が85〜100mol%、ジアルキルサリチル酸金属塩の構成比が0〜15mol%であって、3−アルキルサリチル酸金属塩の構成比が40〜100mol%であるアルキルサリチル酸金属塩、及び/又はその(過)塩基性塩であることがシャダー防止寿命をより向上させることができる点で好ましい。
ここでいうモノアルキルサリチル酸金属塩は、3−アルキルサリチル酸金属塩、4−アルキルサリチル酸金属塩、5−アルキルサリチル酸金属塩等のアルキル基を1つ有するアルキルサリチル酸金属塩を意味し、モノアルキルサリチル酸金属塩の構成比は、アルキルサリチル酸金属塩100mol%に対し、85〜100mol%、好ましくは88〜98mol%、さらに好ましくは90〜95mol%であり、モノアルキルサリチル酸金属塩以外のアルキルサリチル酸金属塩、例えばジアルキルサリチル酸金属塩の構成比は、0〜15mol%、好ましくは2〜12mol%、さらに好ましくは5〜10mol%である。また、3−アルキルサリチル酸金属塩の構成比は、アルキルサリチル酸金属塩100mol%に対し、40〜100mol%、好ましくは45〜80mol%、さらに好ましくは50〜60mol%である。なお、4−アルキルサリチル酸金属塩及び5−アルキルサリチル酸金属塩の合計の構成比は、アルキルサリチル酸金属塩100mol%に対し、上記3−アルキルサリチル酸金属塩、ジアルキルサリチル酸金属塩を除いた構成比に相当し、0〜60mol%、好ましくは20〜50mol%、さらに好ましくは30〜45mol%である。ジアルキルサリチル酸金属塩を少量含むことで摩耗防止性と低温特性を両立した組成物を得ることができ、3−アルキルサリシレートの構成比を40mol%以上とすることで、5−アルキルサリチル酸金属塩の構成比を相対的に低くすることができ、油溶性を向上させることができる。
また、(B)成分を構成するアルキルサリチル酸金属塩におけるアルキル基としては、炭素数10〜40、好ましくは炭素数10〜19又は炭素数20〜30、さらに好ましくは炭素数14〜18又は炭素数20〜26のアルキル基、特に好ましくは炭素数14〜18のアルキル基である。炭素数10〜40のアルキル基としては、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、及びトリアコンチル基等の炭素数10〜40のアルキル基が挙げられる。これらアルキル基は直鎖状であっても分枝状であっても良く、プライマリーアルキル基、セカンダリーアルキル基であっても良いが、本発明においては(B)成分の規定を満たすサリチル酸金属塩を得やすい点で、セカンダリーアルキル基であることが特に好ましい。
また、アルキルサリチル酸金属塩における金属としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属等が挙げられ、カルシウム、マグネシウムであることが好ましく、カルシウムであることが特に好ましい。
本発明の(B)成分は、公知の方法等で製造することができ、特に制限はないが、例えば、フェノール1molに対し1mol又はそれ以上の、エチレン、プロピレン、ブテン等の重合体又は共重合体等の炭素数10〜40のオレフィン、好ましくはエチレン重合体等の直鎖α−オレフィンを用いてアルキレーションし、炭酸ガス等でカルボキシレーションする方法、あるいはサリチル酸1molに対し1mol又はそれ以上の当該オレフィン、好ましくは当該直鎖α−オレフィンを用いてアルキレーションする方法等により得たモノアルキルサリチル酸を主成分とするアルキルサリチル酸に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等の金属塩基と反応させたり、又はナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としたり、さらにアルカリ金属塩をアルカリ土類金属塩と置換させること等により得られる。ここで、フェノール又はサリチル酸とオレフィンの反応割合を、好ましくは、例えば1:1〜1.15(モル比)、より好ましくは1:1.05〜1.1(モル比)に制御することでモノアルキルサリチル酸金属塩とジアルキルサリチル酸金属塩の構成比を所望の割合に制御することができ、また、オレフィンとして直鎖α−オレフィンを用いることで、3−アルキルサリチル酸金属塩、5−アルキルサリチル酸金属塩等の構成比を本願特定の(B)成分のような所望の割合に制御しやすくなるとともに、本発明において好ましいセカンダリーアルキルを有するアルキルサリチル酸金属塩を主成分として得ることができるため特に好ましい。なお、オレフィンとして分岐オレフィンを用いた場合には、ほぼ5−アルキルサリチル酸金属塩のみを得やすいが、本願(B)成分の構成となるように3−アルキルサリチル酸金属塩等を混合して油溶性を改善する必要があり、製造プロセスが多様化するため好ましくない方法である。
本発明の(B)成分は、上記のようにして得られたアルカリ金属又はアルカリ土類金サリシレート(中性塩)に、さらに過剰のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩やアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩基(アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物や酸化物)を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性塩や、炭酸ガス又はホウ酸若しくはホウ酸塩の存在下で上記中性塩をアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等の塩基と反応させることにより得られる過塩基性塩も含まれる。
なお、これらの反応は、通常、溶媒(ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、軽質潤滑油基油等)中で行われ、その金属含有量が1.0〜20質量%、好ましくは2.0〜16質量%のものを用いるのが望ましい。
本発明における(B)成分として最も好ましいものとしては、初期シャダー防止性能に優れる点から、モノアルキルサリチル酸金属塩の構成比が85〜95mol%、ジアルキルサリチル酸金属塩の構成比が5〜15mol%、3−アルキルサリチル酸金属塩の構成比が50〜60mol%、4−アルキルサリチル酸金属塩及び5−アルキルサリチル酸金属塩の構成比が35〜45mol%であるアルキルサリチル酸金属塩、及び/又はその(過)塩基性塩である。ここでいうアルキル基としては、セカンダリーアルキル基であることが特に好ましい。
本発明において、(B)成分の塩基価は、通常0〜500mgKOH/g、好ましくは20〜300mgKOH/g、特に好ましくは100〜200mgKOH/gであり、これらの中から選ばれる1種又は2種以上併用することができる。なお、ここでいう塩基価とは、JIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による塩基価を意味する。
本発明の潤滑油組成物において、(B)成分の含有量は、トルク伝達力と変速特性並びにシャダー防止性能にバランスよく優れる潤滑油組成物を得ることができる点で、組成物全量基準で、金属量(MeB)として0.001〜0.1質量%であり、好ましくは0.005〜0.08質量%、さらに好ましくは0.01〜0.04質量%である。
本発明の潤滑油組成物における(C)成分はホウ素含有コハク酸イミド系無灰分散剤である。
ホウ素含有コハク酸イミド系無灰分散剤としては、好ましくは40〜400、より好ましくは60〜350のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、コハク酸イミドを、ホウ酸又はホウ酸塩で変性したものが挙げられる。該コハク酸イミドは、モノタイプでもビスタイプでも良いが、ビスタイプのものが特に好ましい。また、(C)成分はホウ素を含有する限りにおいて、炭素数2〜30のモノカルボン酸(脂肪酸等)や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸、リン酸、亜リン酸等のリン含有酸、硫黄含有化合物から選ばれる1種又は2種以上の変性を組合せたものでも良い。
上記炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分枝状でもよいが、分岐状であることが好ましく、より具体的には、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーやエチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される炭素数40〜400、好ましくは60〜350の分枝状アルキル基や分枝状アルケニル基等が挙げられる。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の無灰分散剤としての効果が得にくく、一方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が400を越える場合は、組成物の低温流動性が悪化する傾向にある。
本発明の潤滑油組成物における(C)成分の含有量は、組成物全量基準で、ホウ素量(BoC)として0.001〜0.1質量%であり、好ましくは0.005〜0.08質量%、より好ましくは0.01〜0.05質量%、特に好ましくは0.015〜0.025質量%である。これにより、トルク伝達力と変速特性並びにシャダー防止性能にバランスよく優れる潤滑油組成物を得ることができる。また、シャダー防止寿命をより向上させるとともに、変速特性をより向上させることができる点においては、ホウ素量として、0.02質量%以下とすることが好ましく、0.01質量%以下とすることがより好ましい。一方、シャダー防止寿命と変速特性を維持しながら、トルク容量、特に高温におけるトルク容量を高めるとともに、その温度変化を少なくできる点で、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.015質量%以上とすることがより好ましい。なお、(C)成分の含有量は、組成物全量基準で、窒素量として通常0.005〜0.4質量%、好ましくは0.01〜0.2質量%、さらに好ましくは0.02〜0.15質量%である。また、シャダー防止寿命をより向上させることができる点においては、窒素量として、0.10質量%以下とすることが好ましく、0.08質量%以下とすることがより好ましく、0.05質量%以下とすることが特に好ましい。
本発明の潤滑油組成物において、(A)成分と(B)成分の含有量の質量比((MeB)/(MeA))は、0.01〜1.5であり、好ましくは0.05〜1.4、より好ましくは0.1〜1、さらに好ましくは0.15〜0.8、特に好ましくは0.2〜0.4である。(A)成分と(B)成分を併用することでそれぞれ単独で使用した場合よりもシャダー防止寿命を向上させるとともに高温におけるトルク伝達容量を高いレベルで維持することができる。
また、本発明の潤滑油組成物における(A)成分と(C)成分の含有量の質量比((MeA)/(BoC))は、0.1〜20であり、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜3.5、特に好ましくは1.5〜3.2である。
さらに、トルク容量を高く維持し、シャダー防止寿命及び変速特性に特に優れる潤滑油組成物を得ることができる点で、前記BoCを好ましくは0.04質量%未満、より好ましくは0.025質量%未満、さらに好ましくは0.02質量%以下とすることが望ましく、前記MeA/BoCを好ましくは2〜10、より好ましくは2.5〜5とすることが望ましい。また、シャダー防止寿命と変速特性を維持しながら、トルク容量、特に高温におけるトルク容量を高めるとともに、その温度依存性を小さくできる点で、前記BoCを好ましくは0.01〜0.1質量%、より好ましくは0.015〜0.06質量%とすることが望ましく、前記MeA/BoCを好ましくは0.1〜5、より好ましくは1.0〜3.2、特に好ましくは2〜3.0とすることが望ましい。
本発明の潤滑油組成物は、上記構成によりトルク伝達力と変速特性並びにシャダー防止性能にバランスよく優れる潤滑油組成物を得ることができるが、その性能をさらに高める目的で、又は潤滑油組成物として必要な性能をさらに付与する目的で、公知の潤滑油添加剤を加えることができる。添加できる添加剤としては、例えば、(C)成分以外の無灰分散剤、リン系摩耗防止剤、(A)成分及び(B)成分以外の金属系清浄剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、極圧添加剤、粘度指数向上剤、金属不活性化剤、錆止め剤、腐食防止剤、流動点降下剤、ゴム膨潤剤、消泡剤、着色剤等を挙げることができる。これらは単独で、あるいは数種類組合せて用いることができる。
(C)成分以外の無灰分散剤としては、潤滑油用の無灰分散剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能である。例えば、炭素数40〜400、好ましくは60〜350のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、コハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアミン等の含窒素化合物、又はその誘導体若しくは変性品等が挙げられる。炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分枝状でもよく、好ましいものとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーやエチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基や分枝状アルケニル基等が挙げられる。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の潤滑油基油に対する溶解性が低下し、一方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が400を越える場合は、組成物の低温流動性が悪化する。
上記無灰分散剤の1例として挙げた含窒素化合物の誘導体若しくは変性品としては、例えば、前述したような含窒素化合物に、炭素数2〜30のモノカルボン酸(脂肪酸等)や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆる酸変性化合物;前述したような含窒素化合物にリン酸又は亜リン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるリン変性化合物;前述したような含窒素化合物に硫黄化合物を作用させた硫黄変性化合物;及び前述したような含窒素化合物に酸変性、リン変性、硫黄変性から選ばれた2種以上の変性を組み合わせた変性化合物等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物には、これらの中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を任意の量で使用することができるが、通常その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.1〜10質量%、好ましくは1〜6質量%である。
本発明の潤滑油組成物においては、これら(C)成分以外の無灰分散剤を含有することが好ましく、(C)成分以外の無灰分散剤として、ホウ素を含有しないコハク酸イミド系無灰分散剤を含有することが好ましい。
ホウ素を含有しないコハク酸イミド系無灰分散剤の含有量は、通常、窒素量として0.005〜0.4質量%、好ましくは0.01〜0.2質量%、特に好ましくは0.05〜0.08質量%である。
なお、本発明の組成物には、(C)成分、又は(C)成分と(C)成分以外の無灰分散剤を含有する場合のどちらでも良いが、組成物全量基準で、これら無灰分散剤に起因するホウ素含有量と窒素含有量との質量比(B/N比)が0.05〜1.2となるようにこれら(C)成分、又は(C)成分と(C)成分以外の無灰分散剤を含有させることが好ましく、トルク容量をより高くできる点で該B/N比は、好ましくは0.3〜1.2、より好ましくは0.4〜0.8であり、シャダー防止寿命をより向上できる点で該B/N比は、より好ましくは0.1〜0.5、さらに好ましくは0.13〜0.35であり、シャダー防止寿命、トルク容量及び変速特性を高いレベルでバランスよく向上させることができる。
本発明の潤滑油組成物には、リン系摩耗防止剤を含有することが好ましい。
リン系摩耗防止剤としては、分子中にリンを含むものであれば特に制限はないが、例えば、炭素数1〜30の炭化水素基を有するリン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、リン酸トリエステル類、亜リン酸モノエステル類、亜リン酸ジエステル類、亜リン酸トリエステル類、チオリン酸モノエステル類、チオリン酸ジエステル類、チオリン酸トリエステル類、チオ亜リン酸モノエステル類、チオ亜リン酸ジエステル類、チオ亜リン酸トリエステル類、これらのエステル類とアミン類あるいはアルカノールアミン類との塩若しくは亜鉛塩等の金属塩等が使用できる。前記炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキル置換シクロアルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基、及びアリールアルキル基を挙げることができ、1種類あるいは2種類以上を任意に配合することができる。
本発明においては、リン系摩耗防止剤のうち、炭素数4〜20のアルキル基又は炭素数6〜12の(アルキル)アリール基を有する亜リン酸エステル若しくはリン酸エステル、及びこれらに炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルアミンを作用させたアミン塩から選ばれる1種又は2種以上の混合物が好ましく、ジブチルホスファイト等の炭素数4〜20のアルキル基を有する亜リン酸エステル、フェニルホスファイト等の炭素数6〜12の(アルキル)アリール基を有する亜リン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の混合物がより好ましく、ジフェニルホスファイト等の炭素数6〜12の(アルキル)アリール基を有する亜リン酸ジエステルを含有することが特に好ましい。
本発明の潤滑油組成物においてリン系摩耗防止剤の含有量は、組成物全量基準で通常0.01〜5質量%であるが、リン元素濃度として、好ましくは0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.005〜0.08質量%、さらに好ましくは0.01〜0.06質量%、特に好ましくは0.02〜0.05質量%である。リン系摩耗防止剤の含有量を上記範囲とすることで、摩耗防止性及び初期シャダー防止性能に優れると共に、シャダー防止性能を長期間維持しやすい組成物を得ることができる。
なお、本発明の潤滑油組成物において、リン系摩耗防止剤のリン元素濃度での含有量(P)に対する(A)成分の金属元素濃度での含有量(MeA)の質量比((MeA)/(P))には特に制限はないが、好ましくは0.1〜250、より好ましくは0.5〜50、さらに好ましくは0.8〜5、特に好ましくは1〜3である。リン元素濃度での含有量(P)に対する(A)成分の質量比を上記範囲とすることで、摩耗防止性及び初期シャダー防止性能に優れると共に、シャダー防止性能を長期間維持しやすい組成物を得ることができる。
(A)成分及び(B)成分以外の金属系清浄剤としては、フェネート系清浄剤等が挙げられる。
フェネート系清浄剤としては、具体的には、炭素数4〜30、好ましくは炭素数6〜18の直鎖状又は分枝状のアルキル基を少なくとも1個有するアルキルフェノールと硫黄を反応させて得られるアルキルフェノールサルファイド又はこのアルキルフェノールとホルムアルデヒドを反応させて得られるアルキルフェノールのマンニッヒ反応生成物のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が好ましく用いられる。
これら(A)成分及び(B)成分以外の金属系清浄剤の塩基価は、通常0〜500mgKOH/g、好ましくは20〜450mgKOH/gのものを使用することができる。
本発明の潤滑油組成物において、(A)成分及び(B)成分以外の金属系清浄剤を含有させる場合、その含有量は特に限定されないが、組成物全量基準で通常0.01〜5質量%であり、好ましくは0.05〜1質量%、特に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
摩擦調整剤としては、潤滑油用の摩擦調整剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であるが、炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、アミン系摩擦調整剤、イミド系摩擦調整剤、アミド系摩擦調整剤、脂肪酸系摩擦調整剤等が挙げられる。
アミン系摩擦調整剤としては、炭素数6〜30の直鎖状若しくは分枝状、好ましくは直鎖状の脂肪族モノアミン、炭素数6〜30の直鎖状若しくは分枝状、好ましくは直鎖状の脂肪族アルカノールアミン、直鎖状若しくは分枝状、好ましくは直鎖状の脂肪族ポリアミン、又はこれら脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物等の脂肪族アミン系摩擦調整剤等が例示できる。
イミド系摩擦調整剤としては、炭素数6〜30、好ましくは、炭素数8〜18の直鎖状若しくは分枝状、好ましくは分枝状の炭化水素基を1つ又は2つ有するモノ及び/又はビスコハク酸イミド、当該コハク酸イミドにホウ酸やリン酸、炭素数1〜20のカルボン酸あるいは硫黄含有化合物から選ばれる1種又は2種以上を反応させたコハク酸イミド変性化合物等のコハク酸イミド系摩擦調整剤等が例示できる。
アミド系摩擦調整剤としては、炭素数7〜31の直鎖状又は分枝状、好ましくは直鎖状の脂肪酸とアンモニア、脂肪族モノアミン又は脂肪族ポリアミンとのアミド等の脂肪酸アミド系摩擦調製剤等が例示できる。
脂肪酸系摩擦調整剤としては、炭素数7〜31の直鎖状又は分枝状、好ましくは直鎖状の脂肪酸、該脂肪酸と脂肪族1価アルコール又は脂肪族多価アルコールとのエステル等の脂肪酸エステル、該脂肪酸のアルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)や亜鉛塩等の脂肪酸金属塩等が挙げられる。
これらのうち、上述のイミド系摩擦調整剤、特にコハク酸イミド系摩擦調整剤は湿式クラッチの摩擦係数を高め、動力伝達効率を向上させるだけでなく、シャダー防止寿命を格段に向上させるために有効である。
また、上述の摩擦調整剤のうち、脂肪族アミン系摩擦調整剤や脂肪酸系摩擦調整剤、特に脂肪酸金属塩は、初期シャダー防止性を格段に向上させるため特に好ましく用いることができ、本発明においては、これら脂肪族アミン系摩擦調整剤及び/又は脂肪酸系摩擦調整剤を含有することが特に好ましい。なお、脂肪族アミン系摩擦調整剤と脂肪酸系摩擦調整剤を併用する場合、その質量比は特に制限はないが、変速特性に優れる点で、好ましくは1:5〜5:1、より好ましくは1:3〜3:1、特に好ましくは1:2〜2:1である。
本発明においては、これらの摩擦調整剤の中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を任意の量で含有させることができるが、通常その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜5.0質量%、好ましくは0.03〜3.0質量%である。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物やアミン系化合物等、潤滑油に一般的に使用されているものであれば使用可能である。
具体的には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等のアルキルフェノール類、メチレン−4,4−ビスフェノール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)等のビスフェノール類、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン類、ジアルキルジフェニルアミン類、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)脂肪酸(プロピオン酸等)と1価又は多価アルコール、例えば、メタノール、オクタデカノール、1,6ヘキサジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等とのエステル、フェノチアジン類、モリブデンや銅、亜鉛等の有機金属系酸化防止剤及びこれらの混合物等を挙げることができる。
本発明においてはこれらの中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を任意の量で含有させることができるが、通常その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜5.0質量%である。
なお、本発明においてはフェノール系酸化防止剤及び/又はアミン系酸化防止剤を使用することが好ましく、特にシャダー防止性能をより長期に渡り維持しやすい点でフェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤を併用することが好ましい。フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤を併用する場合の質量比は、好ましくは1:5〜10:1、より好ましくは1:1〜8:1、さらに好ましくは2:1〜6:1である。
極圧添加剤としては、潤滑油用の極圧添加剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であるが、例えば、ジチオカーバメート類、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等の硫黄系化合物等が挙げられる。本発明においてはこれらの中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を任意の量で含有させることができるが、通常その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜5.0質量%である。
粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの共重合体若しくはその水添物などのいわゆる非分散型粘度指数向上剤、又はさらに窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤等が例示できる。他の粘度指数向上剤の具体例としては、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等が例示できる。)又はその水素化物、ポリイソブチレン又はその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体及びポリアルキルスチレン等を挙げることができる。
これらの粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必要である。具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば、分散型及び非分散型ポリメタクリレートの場合では、5000〜150000、好ましくは5000〜35000のものが、ポリイソブチレン又はその水素化物の場合は800〜5000、好ましくは1000〜4000のものが、エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物の場合は800〜150000、好ましくは3000〜12000のものが好ましい。
本発明においては、これらの粘度指数向上剤の中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を任意の量で含有させることができるが、通常その含有量は、潤滑油組成物基準で0.1〜20.0質量%である。
金属不活性化剤としては、チアゾール化合物やチアジアゾール化合物が挙げられ、チアジアゾール化合物が好ましく用いられる。チアジアゾール化合物としては、炭素数6〜24の直鎖又は分枝アルキル基を有する、2,5−ビス(アルキルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、炭素数6〜24の直鎖又は分枝アルキル基を有する、2,5−ビス(アルキルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、炭素数6〜24の直鎖又は分枝アルキル基を有する、2−(アルキルチオ)−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、炭素数6〜24の直鎖又は分枝アルキル基を有する、2−(アルキルジチオ)−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、2,5−ビス(アルキルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールが特に好ましい。これら金属系不活性化剤の含有量は、組成物全量基準で0.005〜0.5質量%である。
錆止め剤としては、例えば、アルケニルコハク酸、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル、石油スルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート等を挙げることができる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、イミダゾール系の化合物等を挙げることができる。
流動点降下剤としては、例えば、使用する潤滑油基油に適合するポリメタクリレート系のポリマー等を挙げることができる。
ゴム膨潤剤としては、芳香族系やエステル系のゴム膨潤剤等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、ジメチルシリコーンやフルオロシリコーン等のシリコーン類を挙げることができる。
これらの添加剤の含有量は任意であるが、通常組成物全量基準で、腐食防止剤の含有量は0.005〜0.2質量%、消泡剤の含有量は0.0005〜0.01質量%、その他の添加剤の含有量は、それぞれ0.005〜10質量%程度である。
本発明の潤滑油組成物の100℃における動粘度は、通常2〜25mm/s、好ましくは3〜15mm/s、より好ましくは4〜10mm/s、更に好ましくは5〜7mm/sである。
本発明の潤滑油組成物は、優れたトルク伝達力と変速特性を有し、シャダー防止性能に優れる、自動変速機及び/又は無段変速機油として好適な潤滑油組成物であり、従来のペーパー摩擦材に対し極めて優れた上記特性を示すだけでなく、特にカーボン系材料を含む湿式摩擦材に対しても上記性能に優れるものである。
また、本発明の潤滑油組成物は、上記以外の変速機油としての性能にも優れており、自動車、建設機械、農業機械等の自動変速機用あるいは手動変速機、ディファレンシャルギヤ用の潤滑油としても好適に用いられる。その他、工業用ギヤ油、二輪車、四輪車等の自動車用、発電用、舶用等のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン用の潤滑油、タービン油、圧縮機油等にも好適に使用することができる。
本発明の潤滑油組成物は、優れたトルク伝達力と変速特性を有し、シャダー防止性能に優れる、自動変速機及び/又は無段変速機油として好適な潤滑油組成物であり、従来のペーパー摩擦材に対し極めて優れた上記特性を示すだけでなく、特に炭素繊維、黒鉛、カーボンブラック等のカーボン系材料を含む湿式摩擦材、例えばアラミド又はセルロース繊維を主体とし、カーボンを原料とする繊維および充填材を5%以上含有するカーボン含有摩擦材に対しても上記性能に優れるものである。
以下、本発明の内容を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
(実施例1〜6及び比較例1〜4)
表1の実施例1〜6に示す各潤滑油組成物(100℃動粘度7mm/sに調製)及び比較のため比較例1〜4に示す各潤滑油組成物を調製し、以下に示す(1)伝達トルク容量、(2)変速特性及び(3)シャダー防止寿命を評価し、その結果を表1に併記した。基油の割合は基油全量基準、各添加剤の添加量は組成物全量基準である。
(1)伝達トルク容量
伝達トルク容量はJASO M348−95「自動変速機油摩擦特性試験方法」に準拠してSAE No.2試験機で実施し、500サイクル経過時の静摩擦試験にて測定される100℃及び140℃におけるμsを測定した。併せて次式により伝達トルクの高温における温度依存性を算出した。
伝達トルクの温度依存性=(T100−T140)/40×10
T100:100℃における伝達トルク容量
T140:140℃における伝達トルク容量
(2)変速特性
変速特性はJASO M348−95「自動変速機油摩擦特性試験方法」に準拠してSAE No.2試験機で実施し、500サイクル経過時の動摩擦試験にて測定されるμoとμdの比μo/μdを測定した。
(3)シャダー防止寿命
JASO M349−98「自動変速機油シャダー防止性能試験方法」に準拠して低速滑り試験を行い、同試験法に規定されている基準油の寿命と実施例及び比較例の寿命との比により、シャダー防止性能の維持性を評価した。寿命が48h以上であればシャダー防止寿命に優れる一般レベルであり、120h以上であれば、その潤滑油組成物はシャダー防止性能の寿命が極めて優れていると判断される。
なお、上記(1)〜(3)の試験に用いた摩擦材はセルロース系の湿式摩擦材を用いた。
表1の結果から明らかな通り、本発明にかかる実施例1〜6の組成物を使用した場合、伝達トルク容量が高く、変速特性にも優れ、なおかつシャダー防止寿命も長いことがわかる。一方、成分(A)又は(B)を含有しない場合(比較例1、2)、(MeB)/(MeA)が1.5を超える場合(比較例3)、(MeA)/(BoC)が20を超える場合(比較例4)、いずれも伝達トルク容量、変速特性及びシャダー防止寿命の全ての性能を向上させることができないことがわかる。なお、上記摩擦材に代えて、アラミド又はセルロース繊維を主体とし、カーボンを原料とする繊維および充填材を5質量%以上含有するカーボン含有摩擦材を用い、上記と同様の試験を行った結果、実施例1〜6のいずれの組成物も伝達トルク容量、伝達トルクの温度依存性、変速特性、シャダー防止寿命の全ての性能が向上し、比較例2の組成物では大幅にシャダー防止寿命が悪化することが確認された。
Figure 0005019738

Claims (1)

  1. 潤滑油基油に、組成物全量基準で、
    (A)スルホネート系清浄剤を金属量(MeA)として0.01〜0.3質量%、
    (B)サリシレート系清浄剤を金属量(MeB)として0.001〜0.1質量%
    (C)ホウ素含有コハク酸イミド系無灰分散剤をホウ素量(BoC)として0.001〜0.1質量%、及び(D)ホウ素を含有しないコハク酸イミド系無灰分散剤を窒素量として0.005〜0.4質量%を含み、かつ、(MeB)/(MeA)が0.01〜1.5であり、(MeA)/(BoC)が0.1〜20であることを特徴とするカーボン系材料含有湿式摩擦材を備えた自動変速機及び/又は無段変速機用潤滑油組成物。
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