JP5018335B2 - 転がり軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、転がり軸受装置に関する。
従来、工作機械等で使用される高速軸受では、流動性の高いオイルと空気を利用して、連続的に軸受内部に補給するオイルエア潤滑や、オイルミスト潤滑が行われている。これらの潤滑は高速回転時に、必要とする分だけ、継続して行われるため、耐焼き付き性を高くできる利点がある。しかし、オイルエア潤滑や、オイルミスト潤滑の場合、低騒音性や耐環境性を考慮した場合、問題があった。オイルエア潤滑や、オイルミスト潤滑の場合、軸受内部に対してオイルエアやオイルミストをノズル孔から絶え間なくかつ勢いよく噴出させているため、気流騒音が発生し、この気流騒音を低減するために消音器等が必要になる。
又、軸受内部に送出されたオイルエアやオイルミストは、絶え間なく、かつ勢いよく噴出されることにより、軸受外部に漏洩するため、作業環境を悪化させる。この作業環境の悪化防止のためには、オイルエアやオイルミストが軸受から漏洩しないシール構成を備える必要がある。
このため、近年、環境対応−省エネの観点から、オイルエア潤滑やオイルミスト潤滑とは異なり、エアを使わない微量油のみの潤滑への変更が模索されている。
特許文献1では、図3に示す転がり軸受用潤滑装置が開示されている。転がり軸受61を構成する内輪64は、その外周面に内輪軌道65を有し、使用時に高速回転する主軸60に外嵌固定されている。又、転がり軸受61を構成する外輪66は、その内周面に外輪軌道67を有し、ハウジング68に内嵌支持されている。内輪軌道65と外輪軌道67との間には複数個の転動体69が保持器70により保持した状態で転動自在に設けられている。
又、主軸60の周囲には内輪64を挟持した状態で第1、第2の内輪間座71、72が設けられている。一方、ハウジング68の内側には、外輪66に隣接した状態で、外輪間座62を設けている。この外輪間座62の内側には多孔質の合成樹脂中に潤滑油を保持した固形油、又は大きな粘性を有し、それ自体では流動性が乏しいグリースが保持されている。保油空間63の基端部開口はハウジング68の圧力導入路68aに連通され、コントローラCに制御されるポンプPから圧縮空気が導入可能にされている。
保油空間63の先端に設けられたノズル孔73の先端開口は、内輪軌道65に連なる内輪64のガイド斜面74に臨んでいる。高速回転中にノズル孔73から吐出された潤滑油はガイド斜面74を介してガイド斜面74の大径側に位置する内輪軌道65に移動するようになっている。すなわち、保油空間63で保持されている潤滑油、或いはグリースは、外輪間座62に設けたノズル孔73から吹き出され、転がり軸受61の内部で転動体69が設けられた軸受内部空間75内に吐出されるようになっている。
特開2002−161922号公報
ところが、特許文献1の転がり軸受装置では、コントローラCやポンプP等の圧縮空気を供給するための外部装置が必要となるため、コスト高となるとともに、外部装置に接続される圧力導入路68aを設ける必要があることから、管路構成が複雑となる問題があった。
本発明の目的は、転がり軸受に潤滑油等の潤滑剤を供給するための外部装置が必要でなく、運転中の軸受付近の温度により、自動的に軸受に潤滑剤を供給することができるとともに、コンパクトな転がり軸受装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングに固定されるとともに内周に外輪軌道面を有する外輪部材と、前記ハウジング内の軸体に固定されるとともに外周に内輪軌道面を有する内輪部材と、両部材を相対回転可能する複数の転動体を備えた軸受を含む転がり軸受装置において、前記外輪部材に隣接するとともに前記ハウジングの支持孔に固定された外輪間座を備え、前記外輪間座には、潤滑剤を収納する収納室と、前記収納室前記軸受の内部空間と連通する給油通路が設けられ、前記収納室内には、前記収納室に対して前記潤滑剤を押圧可能に、かつ、移動自在に嵌合されたピストンと、温度に応じて熱膨張する膨張体が設けられ、前記軸体の回転に伴う前記軸受の温度上昇に応じて、前記膨張体が膨張するとともに前記ピストン押圧されて、自動的に前記収納室内の前記潤滑剤を前記給油通路から前記軸受の内部に送出するように構成され、前記ピストンは、前記膨張体が前記ピストンを熱膨張により押圧していない非押圧状態では、前記収納室に対して前記潤滑剤による圧力に抗して摩擦係止されることを特徴とする転がり軸受装置を要旨とするものである。
請求項の発明は、請求項において、前記膨張体が、温度によって蒸気圧が変化する揮発性の液体、又は気体が封入されている有弾性の袋体を含むことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、軸体が高速回転されて温度上昇すると、膨張体が膨張してピストンを移動させ、同ピストンを介して潤滑剤を押圧する。このため、潤滑剤は給油通路から軸受の内部空間に送出される。この結果、請求項1によれば、転がり軸受に潤滑油等の潤滑剤を供給するための外部装置が必要でなく、運転中の軸受付近の温度により、自動的に軸受に潤滑剤を供給することができるとともに、コンパクトな転がり軸受とすることができる。
また、一旦、熱膨張が停止されて膨張体が熱収縮したとき、ピストンは潤滑剤による圧力に抗して摩擦係止するため変位しない。この結果、膨張体が熱膨張していない状態のときにはピストンの停止位置を保持するための別の部材や機構が不要となる。
請求項の発明によれば、温度によって蒸気圧が変化する揮発性の液体、又は気体が封入されている有弾性の袋体を含むように膨張体が構成されているため、温度に応じて自動的にピストンを押圧する構成を簡単な構成で容易に実現することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の転がり軸受装置を、グリース潤滑のアンギュラ玉軸受に具体化したを一実施形態を図1を参照して説明する。
図1に示すように、転がり軸受装置(以下、単に軸受装置10という)は、工作機械のハウジング12と軸体としての駆動軸13との間の環状空間に配置されている。
軸受装置10は、駆動軸13が圧入される内輪部材14と、この内輪部材14に同心に配置されてハウジング12に圧入される外輪部材15と、内輪部材14の外周面に形成された内輪軌道面16及び外輪部材15の内周面に形成された外輪軌道面17の間に転動自在に配置される複数個の転動体としての玉18とを備えた軸受J1を備える。前記玉18は保持器19により円周方向等配位置に保持されている。又、予め軸受J1内部に潤滑剤としての潤滑油が塗布されている。
外輪部材15に隣接して同外輪部材15を挟持するように円筒状の外輪間座20,22が支持孔11に圧入されて配置され、内輪部材14に隣接して同内輪部材14を挟持するように内輪間座21,23が駆動軸13に圧入されて配置されている。外輪間座20の外輪部材15とは反対側の端面には環状の収納室24が形成されている。
収納室24は、本実施形態では、環状に形成されているが、周方向に始端及び終端を有するように円弧状に形成されていてもよく、この場合、収納室24は単数又は複数設けられていても良い。収納室24は潤滑剤補給タンクとなるものである。
収納室24内には、環状のピストン25が軸受J1に向かって移動自在に嵌合されるとともに、収納室24内において、ピストン25と囲まれる空間内には潤滑油30が収納されている。収納室24の外輪部材15と反対側の開口は、環状の蓋部材26が取付け固定されて塞がれている。蓋部材26には、収納室24と連通する透孔26aが形成されている。この透孔26aにより、膨張体27を収納するピストン25、蓋部材26で規定される収納室24の空間に大気圧が導入可能にされている。
蓋部材26とピストン25間には、環状の膨張体27が収納されている。膨張体27は、有弾性の材質、例えば、合成ゴムからなるリング状の袋体28内に揮発性の液体が充填されることにより構成されている。揮発性の液体としては、アルコール系、エーテル系、フッ素化合物系の液体を挙げることができる。特に、これらの液体の中で、室温+10℃で気化するものが好ましい。又、揮発性の液体の代わりに、気体を袋体28に充填してもよい。
なお、袋体28内に充填する前記液体や気体の選定は、膨張体27の熱膨張係数が潤滑油30よりも熱膨張係数が大きくなるように選定することが好ましい。これは、膨張体27の熱膨張係数を潤滑油30の熱膨張係数よりも大きくすることにより、膨張体27によるピストン25への押圧力を潤滑油30によるピストン25への押圧力よりも大にして、ピストン25を潤滑油30側へ作動するためである。又、ピストン25、外輪間座20は金属で形成され、その熱膨張係数は膨張体27の熱膨張係数よりも小さくされている。
又、膨張体27が単一の場合、その最大膨張容積は、収納室24において、潤滑油30を収納する容積よりも大きくなるように設定されている。なお、膨張体27が複数からなる場合には、合計の最大膨張容積が、収納室24において、潤滑油30を収納する容積よりも大きくなるように設定すればよい。
なお、本実施形態では、膨張体27は単一のものとしているが、膨張体27を2個以上、ピストン25の周方向に沿って並べて配置してもよい。
又、膨張体27が膨張した状態で、軸受装置10が回転を停止した場合、或いは低速回転となった場合は、温度が低くなるため、膨張体27は収縮する。このため、ピストン25は、膨張体27による押圧が解除されるが、膨張体27によりピストン25が押圧されていない状態では、潤滑油30による圧力に抗して収納室24の内周面に対して摩擦係止されることにより停止保持される。
外輪間座20の軸方向の端面には、複数のノズル31が所定間隔をおいて内輪部材14に対向するように突出され、収納室24において駆動軸13の近位側と連通されている。図1では説明の便宜上、ノズル31が1個のみ図示されているノズル31の開口31aの径は、膨張体27によりピストン25が押圧されていない状態では、潤滑油30がノズル31から漏出しない径が望ましく、例えば0.05mm程度が好ましい。なお、図1では、開口31aだけを縮径しているが、ノズル31全体を同径で形成してもよく、この場合においても、膨張体27によりピストン25が押圧されていない状態では、潤滑油30がノズル31から漏出しない径が望ましい。
内輪部材14の対向する軸方向端面14aであって、前記ノズル31と相対する部位には、断面矩形でかつ周方向に沿った環状の溝34が形成されている。内輪軌道面16の片寄っている側の反対側には、断面略V字形のV字溝35が周縁部に沿うように環状に形成されている。このV字溝35は、内輪軌道面16上の玉18の接触部を回避する位置に形成されている。
溝34の角部には、給油通路としての給油孔36がV字溝35に開口して溝34とV字溝35とを連通するように形成されている。給油孔36は、内輪部材14の周方向に所定間隔置きに複数個(例えば6〜24箇所)に形成され、溝34側の開口がV字溝35側の開口よりも駆動軸13側に近位となるように配置されている。給油孔36の玉18側開口の径方向外方側部と玉18の転動面との間には、環状の隙間37が設けられている。軸受J1において、溝34は内部空間に相当する。
次に、本軸受装置10の潤滑動作について説明する。
軸受装置10の使用、すなわち駆動軸13の軸心回りの回転に伴なう内輪部材14の回転の際は、予め軸受J1内部に設けられている潤滑油30によって軸受J1内部が潤滑される。そして、軸受装置10の使用に伴ない軸受装置10が温度上昇し、室温+10℃を越えるようになると、膨張体27内の液体が気化して飽和蒸気圧が上昇して膨張し、或いは、袋体28内に気体が充填されている場合には気体が膨張する。この膨張体27の膨張により、ピストン25が押圧されて潤滑油30がノズル31の開口31aから溝34内に吐出される。
膨張体27の膨張量は温度に応じて決定されるため、潤滑油30の吐出量は温度に応じて決定される膨張量に比例して決定される。すなわち、潤滑油30の吐出量は温度に応じて決定されることになる。
そして、工作機械の駆動により駆動軸13が回転すると、内輪部材14が駆動軸13とともに軸心回りに回転し、潤滑油30に径方向外方に向かう遠心力が働く。そうすると潤滑油30は、遠心力の大きさに応じて溝34から、各給油孔36を通過してV字溝35に至る。そして、V字溝35である程度の量の潤滑油30が確保されつつ、その潤滑油30が内輪部材14の回転とともに使用され、軸受J1内部を潤滑する。
なお、給油孔36は、その開口面積よりも大きな面積を有するV字溝35に連通されているので、潤滑油30は、上記遠心力によって容易にV字溝35に至ることができる。又、仮に過量の潤滑油30が軸受J1内部に供給された場合であっても、V字溝35に至った潤滑油30のうち過量の潤滑油30は、隙間37から軸受J1外部へ向けて、排出される。
さて、上記のように構成された軸受装置10は下記の特徴がある。
(1) 本実施形態の軸受装置10は、軸受J1と、軸受J1の外輪部材15に隣接するとともにハウジング12に固定された外輪間座20とを備える。そして、軸受装置10は、潤滑油30(潤滑剤)を収納する収納室24と、収納室24と軸受J1の溝34とに連通する給油孔36(給油通路)と、軸受装置10の温度上昇時にピストン25を押圧して潤滑油30を給油孔36から軸受J1の溝34に送出する膨張体27とを備えている。
この結果、駆動軸13(軸体)が高速回転されて軸受装置10が温度上昇すると、膨張体27が膨張してピストンを移動させ、ピストン25を介して潤滑油30を押圧する。このため、潤滑油30は給油孔36から軸受J1の内部の溝34に送出される。この結果、転がり軸受に潤滑油30を供給するための外部装置が必要でなく、運転中の軸受装置10付近の温度により、自動的に軸受装置10に潤滑油30を供給することができるとともに、コンパクトな転がり軸受とすることができる。
(2) 本実施形態の軸受装置10では、ピストン25は、膨張体27により押圧されていない非押圧状態では、収納室24に対して潤滑油30による圧力に抗して摩擦係止される。この結果、一旦、熱膨張が停止されて膨張体27が熱収縮したとき、ピストン25は潤滑油30による圧力に抗して摩擦係止するため変位しない。この結果、膨張体27が熱膨張していない状態のときにはピストン25の停止位置を保持するための別の部材や機構が不要となる。
(3) 本実施形態の軸受装置10の膨張体27は、温度によって蒸気圧が変化する揮発性の液体、又は気体が封入されている有弾性の袋体28で構成されるようにした。この結果、温度に応じて自動的にピストン25を押圧する構成を簡単な構成で容易に実現することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の軸受装置10を図2を参照して説明する。
なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して異なる構成を中心に説明する。第1実施形態では、アンギュラ玉軸受に具体化したが、第2実施形態では、円筒ころ軸受(以下、単に軸受J2という)に具体化したところが異なっている。
図2に示すように、軸受J2の外輪部材45はハウジング12の支持孔11に圧入されるとともに、内輪部材46は駆動軸13に圧入されている。
軸受装置10は、図2に示すように、内輪部材46の外周面に凹設された溝状の内輪軌道面48及び外輪部材45の内周面に形成された外輪軌道面47の間に転動自在に配置される複数個の転動体としての円筒ころ49とを備えている。
円筒ころ49は保持器50により円周方向に等配された位置に保持されている。又、予め軸受J2内部にグリースGが設けられている(図2参照)。
前記グリースGの増稠剤として、例えばウレア系,Ba系,Li系が用いられ、基油30aとしてエステル+合成炭化水素系が用いられ、その粘度は40°C下で20〜30mm/s、グリースGの稠度はNLGI2相当である。基油30aは潤滑剤に相当する。
外輪部材45の軸心方向両端には一対の円筒状をなす外輪間座20がそれぞれハウジング12の支持孔11に圧入されて、外輪部材45を挟持している。さらに、各外輪間座20に隣接するようにハウジング12の支持孔11には一対の外輪間座29が圧入されている。又、内輪部材46は、その軸心方向両端に一対の円筒状の内輪間座21がそれぞれ配置されて挟持されている。
各外輪間座20は、収納室24、ピストン25、膨張体27、透孔26aを備えた蓋部材26、及びノズル31を備え、潤滑油30の代わりに前記グリースGの基油30aが収納室24内に収納されている。そして、各ノズル31の先端は、内輪部材46の軸心方向の両端面に設けられた各溝34内に配置され、同溝34内に基油30aを吐出できるようにされている。
各溝34の角部には、給油通路としての給油孔36が内輪軌道面48の軸心方向の両端の角部に開口して溝34と溝状の内輪軌道面48とを連通するように形成されている。
給油孔36は、内輪部材14の周方向に所定間隔置きに複数個(例えば6〜24箇所)に形成され、溝34側の開口が内輪軌道面48側の開口よりも駆動軸13側に近位となるように配置されている。本実施形態においても、溝34は内部空間に相当する。
軸受装置10の使用、すなわち駆動軸13の軸心回りの回転に伴なう内輪部材14の回転の際は、予め軸受J2内部に設けられているグリースGによって軸受J2内部が潤滑される。そして、軸受装置10の使用に伴ないグリースGの基油30aの量が次第に軸受J2内部から減少する傾向にあった場合、増稠剤が軸受J2内部に残留することになる。
そして、軸受装置10の使用時において、軸受装置10が温度上昇し、室温+10℃を越えるようになると、膨張体27内の液体が気化して飽和蒸気圧が上昇して膨張し、或いは、袋体28内に気体が充填されている場合には気体が膨張する。この膨張体27の膨張により、ピストン25が押圧されて基油30aがノズル31の開口31aから溝34内に吐出される。
膨張体27の膨張量は温度に応じて決定されるため、基油30aの吐出量は温度に応じて決定される膨張量に比例して決定される。すなわち、基油30aの吐出量は温度に応じて決定されることになる。
そして、工作機械の駆動により駆動軸13が回転すると、内輪部材14が駆動軸13とともに軸心回りに回転し、基油30aに径方向外方に向かう遠心力が働く。そうすると基油30aは、遠心力の大きさに応じて各溝34から、各給油孔36を通過して内輪軌道面48に至る。そして、内輪軌道面48である程度の量の基油30aが確保されつつ、その基油30aが内輪部材14の回転とともに使用されつつ、一方で基油30aは増稠剤に保持されることになって、その基油30aは内輪部材14の回転とともに使用され、軸受内部を潤滑する。
このようにして、軸受装置10の温度に応じて各ノズル31から基油30aを自動補給できる。
第2実施形態は、前記第1実施形態の(1)〜(3)と同様の効果を奏する。 又、第2実施形態では、さらに下記の効果を奏する。
(1) 本実施形態では、軸受装置10に基油30aの給油通路を設け、グリースGが不足しやすい基油30aを軸受内部に補給するようにしたので、工作機械を分解することなく容易に潤滑油、すなわち基油30aを補給することができる。この結果、工作機械を分解してグリースGを軸受内部に補給する場合に比べて、その手間を大幅に削減することができる。
(2) 又、グリースGそのものではなく、その基油30aのみを補給するようにしたので、増稠剤の量が増加することはなく、この結果、円筒ころ49の攪拌抵抗の上昇を抑えることができ、特に従来、高速下で使用される軸受におけるグリースGの短寿命化に伴なう発熱等の不具合を、容易に解消することができる。
(3) さらに、本実施形態では、基油30aの補給によって充分な潤滑性を確保することができることから、予め封入するグリースG量を過量にする必要がなく、従って、初期のグリース量そのものを減らすことができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第1実施形態において、潤滑油の代わりにグリースの基油を収納室24内に収納するようにしてもよい。
○ 第2実施形態では、グリース潤滑の軸受装置に具体化したが、潤滑油潤滑式の軸受装置に具体化してもよい。すなわち、収納室24に潤滑剤としての潤滑油を保持するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態の転がり軸受装置の要部断面図。 第2実施形態の転がり軸受装置の要部断面図。 従来例の軸受の断面図である。
符号の説明
10…軸受装置、12…ハウジング、13…駆動軸(軸体)、
14…内輪部材、15…外輪部材、
16…内輪軌道面、17…外輪軌道面、
18…玉(転動体)、19…保持器、
20…外輪間座、24…収納室、
25…ピストン、27…膨張体、
30…潤滑油(潤滑剤)、30a…基油(潤滑剤)
31…ノズル、31a…開口、34…溝(内部空間)、
36…給油孔36(給油通路)、
45…外輪部材、47…外輪軌道面、48…内輪軌道面、
49…円筒ころ(転動体)、50…保持器、
J1…軸受,J2…軸受。

Claims (2)

  1. ハウジングに固定されるとともに内周に外輪軌道面を有する外輪部材と、前記ハウジング内の軸体に固定されるとともに外周に内輪軌道面を有する内輪部材と、両部材を相対回転可能する複数の転動体を備えた軸受を含む転がり軸受装置において、
    前記外輪部材に隣接するとともに前記ハウジングの支持孔に固定された外輪間座を備え、
    前記外輪間座には、潤滑剤を収納する収納室と、前記収納室前記軸受の内部空間と連通する給油通路が設けられ、
    前記収納室内には、前記収納室に対して前記潤滑剤を押圧可能に、かつ、移動自在に嵌合されたピストンと、温度に応じて熱膨張する膨張体が設けられ、
    前記軸体の回転に伴う前記軸受の温度上昇に応じて、前記膨張体が膨張するとともに前記ピストン押圧されて、自動的に前記収納室内の前記潤滑剤を前記給油通路から前記軸受の内部に送出するように構成され、
    前記ピストンは、前記膨張体が前記ピストンを熱膨張により押圧していない非押圧状態では、前記収納室に対して前記潤滑剤による圧力に抗して摩擦係止されることを特徴とする転がり軸受装置。
  2. 前記膨張体が、温度によって蒸気圧が変化する揮発性の液体、又は気体が封入されている有弾性の袋体を含むことを特徴とする請求項記載の転がり軸受装置。
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