JP5017744B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置及びその製造方法に係り、特にエピタキシャル成長により形成したベース層(以下、「エピタキシャル・ベース層」という。)を有する所謂エピタキシャル・ベース構造の縦型バイポーラトランジスタが搭載された半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のバイポーラ(Bipolar)集積回路においては、その高速化、高性能化のため、エピタキシャル・ベース構造のバイポーラトランジスタの研究・開発が行われている。
ところで、通常のバイポーラ集積回路は、高い電源電圧を必要とする高耐圧用途の機能ブロックと、高い電源電圧を必要とせずに高速化を必要とする高速用途の機能ブロックとが共存している。このため、高耐圧用途のバイポーラトランジスタと高速用途のバイポーラトランジスタとを同一の半導体基板上に作製する必要が生じる。
【0003】
その場合に、高耐圧用途と高速用途の両方のバイポーラトランジスタを同一のエピタキシャル・ベース構造を用いて作製すると、そのコレクタ層及びベース層がエピタキシャル成長によってそれぞれ同時的に形成されることから、両方のバイポーラトランジスタの最大電源電圧であるVCEOを如何に量適化するか問題となる。
即ち、高耐圧用途のバイポーラトランジスタに適合させたコレクタ層及びエピタキシャル・ベース層を形成した場合には、高速用途のバイポーラトランジスタにとってベース−コレクタ間の距離が大きくなり、本来の目的である高速化の効果が低減してしまう。逆に、高速用途のバイポーラトランジスタに適合させたコレクタ層及びエピタキシャル・ベース層を形成した場合には、高耐圧用途のバイポーラトランジスタにとってベース−コレクタ間の距離が小さくなり、その高耐圧特性が確保されなくなる。従って、両方のバイポーラトランジスタに必要な最大電源電圧VCEOの大きさはトレードオフの関係になり、両方のバイポーラトランジスタを同時に満足させる最大電源電圧VCEOを実現することは困難であった。
【0004】
そして、このような問題を解決するものとして、次のような提案がなされている。
即ち、高耐圧用途のバイポーラトランジスタは通常の製造プロセスを用いて作製する一方、この高耐圧用途のバイポーラトランジスタと同時的に作製する高速用途のバイポーラトランジスタの製造プロセスにおいて、エピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層にSlC(Selective Implanted Collector)層を形成する工程を設け、高速用途のバイポーラトランジスタの最大電源電圧VCEOを小さくして高速化を図ろうとするものである。
【0005】
しかし、この製造方法を採用した場合、高耐圧用途のバイポーラトランジスタと高速用途のバイポーラトランジスタとの2種類のトランジスタが略同時的に形成されるものの、ベース−コレクタ間の寄生容量が増大し、素子特性の最適化が困難であるという問題がある。また、工程の追加による製造コストの増大という問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにエピタキシャル・ベース構造を共に有する高耐圧用途のバイポーラトランジスタと高速用途のバイポーラトランジスタとが同一の半導体基板上に混載された半導体装置を作製する場合においては、両方のバイポーラトランジスタにそれぞれ最適な最大電源電圧VCEOを実現することが困難であるため、両方のバイポーラトランジスタのそれぞれの高耐圧特性及び高速特性を十全に発揮させることができなかった。
【0007】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、エピタキシャル・ベース構造を共に有する高耐圧用途のバイポーラトランジスタと高速用途のバイポーラトランジスタとが同一の半導体基板上に混載された半導体装置及びその製造方法において、両方のバイポーラトランジスタにそれぞれ最適な最大電源電圧を実現し、それぞれの高耐圧特性及び高速特性を十全に発揮させることが可能な高性能、高信頼性の半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下に述べる本発明に係る半導体装置及びその製造方法によって達成される。即ち、本発明に係る半導体装置は、エピタキシャル・ベース層を有する第1及び第2の縦型バイポーラトランジスタが同一の半導体基板上に混載された半導体装置であって、第1の縦型バイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層が、該エピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層に対して、該コレクタ層の表面に形成された凹状の窪みにて接合されることで、コレクタ層のエピタキシャル・ベース層に接合された部分の厚さが、第2の縦型バイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層のエピタキシャル・ベース層に接合された部分の厚さより薄いことを特徴とする。
【0009】
このように本発明に係る半導体装置においては、第1の縦型バイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層の厚さと、第2の縦型バイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層の厚さとが異なることにより、例えば一方の縦型バイポーラトランジスタを高速用途のバイポーラトランジスタとし、他方の縦型バイポーラトランジスタを高耐圧用途のバイポーラトランジスタとすると、高速用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層を相対的に薄くし、高耐圧用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層を相対的に厚くすることが可能になり、それぞれに最適な最大電源電圧VCEOが達成されるため、それぞれの高耐圧特性及び高速特性が十全に発揮される高性能、高信頼性の半導体装置が実現される。
【0010】
また、請求項1に係る半導体装置の製造方法は、エピタキシャル・ベース層を有する第1及び第2の縦型バイポーラトランジスタが同一の半導体基板上に混載された半導体装置の製造方法であって、半導体基板上の第1及び第2の縦型バイポーラトランジスタ形成領域に、第1及び第2のコレクタ層をそれぞれ形成した後、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、第1のコレクタ層表面の所定の領域に、第1のコレクタ層の表面に凹状の窪みを形成するための窪み形成用の第1の絶縁膜を素子分離用絶縁膜と同時的に形成する第1の工程と、基体全面に第2の絶縁膜を形成した後、この第2のコレクタ層上の第2の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、第2のコレクタ層を露出する第2のエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口すると共に、第1のコレクタ層上の第2及び第1の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、第1のコレクタ層を露出する第1のエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する第2の工程と、基体全面にエピタキシャル層を成長させて、第1及び第2のエピタキシャル・ベース形成予定領域に露出した第1及び第2のコレクタ層上に単結晶エピタキシャル層を形成すると共に、第2の絶縁膜上に多結晶エピタキシャル層を形成した後、このエピタキシャル層をパターニングして、第1及び第2のコレクタ層上のそれぞれの単結晶エピタキシャル層並びにこの単結晶エピタキシャル層に連なる多結晶エピタキシャル層からなる第1及び第2のエピタキシャル・ベース層をそれぞれ形成する第3の工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
このように請求項1に係る半導体装置の製造方法においては、同一の半導体基板上にエピタキシャル・ベース層を有する第1及び第2の縦型バイポーラトランジスタを作製する場合、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、第1の縦型バイポーラトランジスタ形成領域の第1のコレクタ層表面の所定の領域に素子分離用絶縁膜と同時的に第1の絶縁膜を形成し、基体全面に形成した第2の絶縁膜を選択的にエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する際に、第1の縦型バイポーラトランジスタ形成領域における第2の絶縁膜のみならず第1の絶縁膜をもエッチング除去することにより、その開口部に露出する第1のコレクタ層表面には第1の絶縁膜が形成されていた分だけ窪みが形成されることになる。他方の第2の縦型バイポーラトランジスタ形成領域の第2のコレクタ層表面にはこのような窪みは形成されない。このため、これら第1及び第2のコレクタ層上に第1及び第2のエピタキシャル・ベース層を形成すると、第1のエピタキシャル・ベース層直下の第1のコレクタ層は第2のエピタキシャル・ベース層直下の第2のコレクタ層よりも薄くなる。
【0012】
ここで、高速用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層が高耐圧用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層よりも薄くなり、それぞれに最適な最大電源電圧VCEOが達成されるため、それぞれの高耐圧特性及び高速特性が十全に発揮される高性能、高信頼性の半導体装置が作製される。
しかも、その製造プロセスにおいて新たに必要となる工程、即ち第1の縦型バイポーラトランジスタの第1のコレクタ層表面の所定の領域に第1の絶縁膜を形成する工程及びこの第1の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程は、それぞれ素子分離用絶縁膜を形成する工程及び第2の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程(共に、縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要な工程)と同時的に行われることにより、工程数の増加を招くことは全くないため、その製造コストの増大が防止される。
【0013】
また、上記請求項1に係る半導体装置の製造方法において、そのエミッタを形成する方法には種々の方法が考えられるが、その製造プロセスの容易性や素子特性の信頼性等の観点からは、前記第3の工程におけるエピタキシャル・ベース層の形成に続いて、基体全面に第3の絶縁膜を形成した後、第1及び第2のエピタキシャル・ベース層上の第3の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、エミッタ形成予定領域をそれぞれ開口する第4の工程と、これらのエミッタ形成予定領域に露出した第1及び第2のエピタキシャル・ベース層上に、第1及び第2のエミッタ取り出し電極をそれぞれ形成した後、これらの第1及び第2のエミッタ取り出し電極から所定の不純物を拡散して、第1及び第2のエピタキシャル・ベース層表面に第1及び第2のエミッタ領域をそれぞれ形成する第5の工程と、を有することが好適である(請求項2)。
【0014】
また、請求項3に係る半導体装置の製造方法は、エピタキシャル・ベース層を有する縦型バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとが同一の半導体基板上に混載された半導体装置の製造方法であって、半導体基板上に、所定の半導体層を形成して、縦型バイポーラトランジスタ形成領域のこの半導体層からなるコレクタ層を形成した後、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、コレクタ層表面の所定の領域に、コレクタ層の表面に凹状の窪みを形成するための窪み形成用の第1の絶縁膜を素子分離用絶縁膜と同時的に形成する第1の工程と、電界効果トランジスタ形成領域の半導体層上に、ゲート電極を形成した後、このゲート電極をマスクとして半導体層表面に所定の不純物を添加し、ソース及びドレイン領域を形成する第2の工程と、基体全面に第2の絶縁膜を形成した後、コレクタ層上の第2及び第1の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、コレクタ層を露出するエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する第3の工程と、基体全面にエピタキシャル層を成長させて、エピタキシャル・ベース形成予定領域に露出したコレクタ層上に単結晶エピタキシャル層を形成すると共に、第2の絶縁膜上に多結晶エピタキシャル層を形成した後、エピタキシャル層をパターニングして、コレクタ層上の単結晶エピタキシャル層及びこの単結晶エピタキシャル層に連なる多結晶エピタキシャル層からなるエピタキシャル・ベース層を形成する第4の工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
このように請求項3に係る半導体装置の製造方法においては、同一の半導体基板上にエピタキシャル・ベース層を有する縦型バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタを作製する場合、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、縦型バイポーラトランジスタのコレクタ層表面の所定の領域に素子分離用絶縁膜と同時的に第1の絶縁膜を形成し、基体全面に形成した第2の絶縁膜を選択的にエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する際に第2の絶縁膜のみならず第1の絶縁膜をもエッチング除去することにより、その開口部に露出するコレクタ層表面には第1の絶縁膜が形成されていた分だけ窪みが形成されることになる。このため、このコレクタ層上にエピタキシャル・ベース層を形成すると、エピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層は通常の場合よりも薄くなる。
【0016】
ここで、例えばこの縦型バイポーラトランジスタを高速用途のバイポーラトランジスタとすると、高速用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層が通常のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層よりも薄くなり、高速特性が十全に発揮される高性能、高信頼性の半導体装置が作製される。
しかも、その製造プロセスにおいて新たに必要となる工程、即ち縦型バイポーラトランジスタのコレクタ層表面の所定の領域に第1の絶縁膜を形成する工程及びこの第1の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程は、それぞれ素子分離用絶縁膜を形成する工程(縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要とされ、且つ電界効果トランジスタの製造プロセスと共有される工程)及び第2の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程(縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要な工程)と同時的に行われることにより、工程数の増加が抑制され、その製造コストの増大が防止される。
【0017】
また、請求項4に係る半導体装置の製造方法は、エピタキシャル・ベース層を有する縦型バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとが同一の半導体基板上に混載された半導体装置の製造方法であって、半導体基板上に、所定の半導体層を形成して、縦型バイポーラトランジスタ形成領域のこの半導体層からなるコレクタ層を形成した後、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、コレクタ層表面の所定の領域に、コレクタ層の表面に凹状の窪みを形成するための窪み形成用の第1の絶縁膜を素子分離用絶縁膜と同時的に形成する第1の工程と、電界効果トランジスタ形成領域の半導体層上に、ゲート電極を形成した後、このゲート電極をマスクとして半導体層表面に所定の不純物を添加し、低濃度不純物領域を形成する第2の工程と、基体全面に第2の絶縁膜を形成した後、コレクタ層上の第2及び第1の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、コレクタ層を露出するエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する第3の工程と、基体全面にエピタキシャル層を成長させて、前記エピタキシャル・ベース形成予定領域に露出したコレクタ層上に単結晶エピタキシャル層を形成すると共に、第2の絶縁膜上に多結晶エピタキシャル層を形成した後、エピタキシャル層をパターニングして、コレクタ層上の単結晶エピタキシャル層及びこの単結晶エピタキシャル層に連なる多結晶エピタキシャル層からなるエピタキシャル・ベース層を形成する第4の工程と、基体全面に第3の絶縁膜を形成した後、エピタキシャル・ベース層上の第3の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、エミッタ形成予定領域を開口する第5の工程と、このエミッタ形成予定領域に露出したエピタキシャル・ベース層上に、エミッタ取り出し電極を形成した後、このエミッタ取り出し電極から所定の不純物を拡散して、エピタキシャル・ベース層表面にエミッタ領域を形成する第6の工程と、エミッタ取り出し電極をマスクとして第2及び第1の絶縁膜を異方性エッチングし、これら第2及び第1の絶縁膜からなるサイドウォールスペーサをゲート電極側壁に形成した後、ゲート電極及びサイドウォールスペーサをマスクとして半導体層表面に所定の不純物を添加し、高濃度不純物領域を形成し、低濃度不純物領域及び高濃度不純物領域からなるソース・ドレイン領域を形成する第7の工程と、を有することを特徴とする。
【0018】
このように請求項4に係る半導体装置の製造方法においては、同一の半導体基板上にエピタキシャル・ベース層を有する縦型バイポーラトランジスタとソース・ドレイン領域が低濃度不純物領域及び高濃度不純物領域からなるLDD(Lightly Doped Drain-Source)構造の電界効果トランジスタを作製する場合、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、縦型バイポーラトランジスタのコレクタ層表面の所定の領域に素子分離用絶縁膜と同時的に第1の絶縁膜を形成し、基体全面に形成した第2の絶縁膜を選択的にエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する際に第2の絶縁膜のみならず第1の絶縁膜をもエッチング除去することにより、その開口部に露出するコレクタ層表面には第1の絶縁膜が形成されていた分だけ窪みが形成されることになる。このため、このコレクタ層上にエピタキシャル・ベース層を形成すると、エピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層は通常の場合よりも薄くなる。
【0019】
ここで、例えば第1の縦型バイポーラトランジスタを高速用途のバイポーラトランジスタとすると、高速用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層が通常の縦型バイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層よりも薄くなり、高速特性が十全に発揮される高性能、高信頼性の半導体装置が作製される。
しかも、その製造プロセスにおいて新たに必要となる工程、即ち縦型バイポーラトランジスタのコレクタ層表面の所定の領域に第1の絶縁膜を形成する工程及びこの第1の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程は、それぞれ素子分離用絶縁膜を形成する工程(縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要とされ、且つ電界効果トランジスタの製造プロセスと共有される工程)及び第2の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程(縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要な工程)と同時的に行われる。
また、縦型バイポーラトランジスタの製造プロセスにおいて、エピタキシャル・ベース層の単結晶エピタキシャル層領域を確定する開口部の形成に、第2の絶縁膜の形成が不可欠であり、エピタキシャル・ベース層表面に形成するエミッタ領域の確定や、エピタキシャル・ベース層とエミッタ取り出し電極との絶縁分離に、第3の絶縁膜の形成が不可欠であるが、これら第2及び第3の絶縁膜は、電界効果トランジスタのLDD構造のソース・ドレイン領域を形成するために必要なゲート電極側壁のサイドウォールスペーサの形成に使用される。
このため、工程数の増加が抑制され、その製造コストの増大が防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るエピタキシャル・ベース構造を共に有する高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタと高耐圧用途の縦型NPNバイポーラトランジスタとが同一の半導体基板上に混載されている半導体装置を示す概略断面図であり、図2〜図7はそれぞれ図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【0021】
図1に示されるように、エピタキシャル・ベース構造を共に有する高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aと高耐圧用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50bとが同一のP型(100)Si基板10上に混載されている。
そして、一方の高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aにおいては、例えばP型(100)Si基板10上に、N+型コレクタ埋め込み領域12aが形成され、これらP型(100)Si基板10及びN+型コレクタ埋め込み層12a上に、比抵抗1〜5Ω・cm、厚さ0.5〜1.5μmのN型コレクタ層14aが形成され、このN型コレクタ層14a表面には、N+型コレクタ埋め込み層12aに達するN型プラグイン(Plug In)領域20aが形成されている。
【0022】
また、N型コレクタ層14a表面に接合して、例えばSiやSiGeからなるP型エピタキシャル・ベース層26aが形成されている。そして、このP型エピタキシャル・ベース層26aは、N型コレクタ層14a上に形成された単結晶のP型真性(Intrisic)ベース層26aaと、第1のSiO2 膜22上に形成された多結晶のP型外部(Graft)ベース層26abとから構成されている。
なお、一般に真性ベース層という場合、エミッタ直下の領域をいうが、ここでは更に真性ベース層と外部ベース領域との間のリンク部分を含めて真性ベース層と呼ぶことにする。
【0023】
また、このP型エピタキシャル・ベース層26aのP型真性ベース層26aa表面には、N型エミッタ層34aが形成され、このN型エミッタ層34aに接続して、例えば導電化された多結晶Si層からなるエミッタ取り出し電極32aが形成されている。そして、このエミッタ取り出し電極32aは、第2のSiO2 膜28によってP型エピタキシャル・ベース層26aと絶縁分離されている。
【0024】
また、エミッタ取り出し電極32a上面を被覆する絶縁膜36及びオーバーコート膜38に開口されたコンタクトホールを介して、エミッタ取り出し電極32a、P型エピタキシャル・ベース層26aのP型外部ベース層26ab、及びN型プラグイン領域20aにそれぞれ接続するエミッタ電極40Ea、ベース電極40Ba、及びコレクタ電極40Caが形成されている。
【0025】
以上のように構成される高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aに対して、他方の高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ50bも、基本的には同様の構造をなしている。但し、高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aと高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ50bとの相違点は、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ50aのN型コレクタ層14a表面に凹状の窪みが形成されているため、そのN型コレクタ層14aの厚さ(N+型コレクタ埋め込み層12aとの界面からP型エピタキシャル・ベース層26aのP型真性ベース層26aaとの界面に到る距離)が、高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ50bのN型コレクタ層14bの厚さ(N+型コレクタ埋め込み層12bとの界面からP型エピタキシャル・ベース層26bのP型真性ベース層26baとの界面に到る距離)よりも薄くなっていることであり、この点に本実施形態の特徴がある。
【0026】
なお、高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aと高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ50bとは、素子分離領域に形成されたフィールド酸化膜16及びこのフィールド酸化膜16下に形成されP型(100)Si基板10に達するP型ウェル(Well)18によって絶縁分離されている。
【0027】
次に、図1に示すエピタキシャル・ベース構造を共に有する高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aと高耐圧用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50bとが同一のP型(100)Si基板10上に混載されている半導体装置の製造方法を、図2〜図7を用いて説明する。
【0028】
先ず、図2に示されるように、P型(100)Si基板10表面の高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域及び高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域に、Sb2O3を用いた温度1200℃におけるSbの気相拡散により、N+型コレクタ埋め込み層12a、12bをそれぞれ形成する。
その後、エピタキシャル成長法を用いて、基体全面に比抵抗1〜5Ω・cm、厚さ0.5〜1.5μmのN型エピタキシャル層を形成する。なお、これ以降、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型エピタキシャル層をN型コレクタ層14aと呼び、高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型エピタキシャル層をN型コレクタ層14bと呼ぶことにする。
【0029】
続いて、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法を用いて、N型エピタキシャル層表面の選択酸化を行う。
即ち、基体全面を熱酸化して、厚さ50nmのSiO2 膜(図示せず)を形成した後、CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学的気相成長)法を用いて、厚さ100nmのSi3 N4 膜(図示せず)を形成する。そして、これらSi3 N4 膜及びSiO2 膜を選択的にエッチング(Etching)除去して、アクティブ領域を開口するパターンを形成した後、このSi3 N4 膜をマスクとして、温度1000〜1050℃のスチーム(Steam)酸化により、素子分離領域のN型エピタキシャル層表面に厚さ300〜800nmのフィールド(Field)酸化膜16を形成する共に、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型コレクタ層14a表面の所定の領域に厚さ300〜800nmの窪み形成用の酸化膜16aを形成する。
【0030】
続いて、Si3 N4膜を除去した後、加速電圧100〜720keV、ドーズ量1×1012〜5×1013cm−2の条件によるB(Boron;ボロン)イオン注入を複数回行い、素子分離領域のフィールド酸化膜16下にP型(100)Si基板10にまで達するP型ウェル領域18を形成する。更に、加速電圧150〜720keV、ドーズ量1×1012〜5×1013cm−2の条件によるP(Phosphorus;リン)イオン注入を複数回行い、N型コレクタ層14a、14b表面の所定の領域にN+型コレクタ埋め込み層12a、12bに達するN型プラグイン領域20a、20bをそれぞれ形成する。
【0031】
次いで、図3に示されるように、露出しているN型コレクタ層14a、14b等の表面を温度800〜900℃により熱酸化して、厚さ7〜10nmの熱酸化膜(図示せず)を形成した後、CVD法を用いて、基体全面に厚さ100〜200nmの第1のSiO2 膜22を形成する。
続いて、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型コレクタ層14b上の第1のSiO2 膜22を選択的にドライ(Dry)エッチングして、N型コレクタ層14bを露出する開口部24bを形成すると共に、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型コレクタ層14a上の第1のSiO2 膜22及び窪み形成用の酸化膜16aを選択的にドライエッチングして、N型コレクタ層14aを露出する開口部24aを形成する。
【0032】
このとき、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域の開口部24aにおいては、LOCOS法により形成された窪み形成用の酸化膜16aが除去された分だけN型コレクタ層14a表面に凹状の窪みが形成される。このため、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域及び高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域の開口部24a、24bにおけるN型コレクタ層14a、14bを比較すると、N型コレクタ層14aの厚さがN型コレクタ層14bの厚さよりも薄くなっている。
【0033】
次いで、図4に示されるように、エピタキシャル成長法を用いて、基体全面に例えばB(ボロン)をドーピング(Doping)したSiやSiGeからなるP型エピタキシャル層を形成する。このとき、開口部24a、24b内に露出するN型コレクタ層14a、14b上には、単結晶層が形成され、第1のSiO2 膜22上には、多結晶層が形成される。
続いて、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、P型エピタキシャル層を選択的にエッチングして、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域にN型コレクタ層14a上の単結晶のP型真性ベース層26aa及びこれに連なる多結晶のP型外部ベース層26abからなるP型エピタキシャル・ベース層26aを形成すると共に、高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型コレクタ層14b上の単結晶のP型真性ベース層26ba及びこれに連なる多結晶のP型外部ベース層26bbからなるP型エピタキシャル・ベース層26bを形成する。
【0034】
次いで、図5に示されるように、CVD法を用いて、基体全面に厚さ150〜200nmの第2のSiO2 膜28を形成する。この第2のSiO2 膜28は、後に形成するエミッタ取り出し電極とP型エピタキシャル・ベース層26a、26bとを絶縁分離する機能を果たすためのものである。
続いて、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、第2のSiO2 膜28を選択的にドライエッチングして、P型エピタキシャル・ベース層26a、26bのP型真性ベース層26aa、26baを露出する開口部30a、30bを形成する。
【0035】
次いで、図6に示されるように、基体全面に、厚さ100〜150nmの多結晶Si層を形成した後、加速電圧30〜70keV、ドーズ量1×1015〜1×1016cm−2の条件によるAs(砒素)イオン注入を行う。なお、この多結晶Si層のうち、開口部30a、30bを介してP型エピタキシャル・ベース層26a、26bのP型真性ベース層26aa、26baに接続している部分はそれぞれエミッタ取り出し電極32a、32bとなるものである。
続いて、温度1000〜1100℃、時間5〜30秒のアニール処理を行い、多結晶Si層中のAsイオンを活性化して導電化すると共に、この多結晶Si層からP型エピタキシャル・ベース層26a、26bのP型真性ベース層26aa、P型真性ベース層26ba表面にAsを拡散させ、N型エミッタ層34a、34bをそれぞれ形成する。
【0036】
続いて、導電化した多結晶Si層上に絶縁膜36を形成した後、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、これら絶縁膜36及び多結晶Si層を選択的にドライエッチングし、この導電化した多結晶Si層からなる前述したエミッタ取り出し電極32a、32bを形成する。なお、これらエミッタ取り出し電極32a、32b上の絶縁膜36は、後にP型外部ベース層26ab、P型外部ベース層26bbにP型不純物イオンを注入する際に、このP型不純物イオンがエミッタ取り出し電極32a、32bに注入されないようにするマスクとして機能するものである。更に、第2及1のSiO2 膜28、22を異方性エッチングする。
その後、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンをマスクとして、加速電圧25〜40keV、ドーズ量2×1015〜7×1015cm−2の条件によるAsイオン注入を行い、N型プラグイン領域20a、20bの不純物濃度を高める。
また、同様にリソグラフィ技術により形成したレジストパターンをマスクとして、P型エピタキシャル・ベース層26a、26bのP型外部ベース層26ab、26bbに加速電圧25〜40keV、ドーズ量2×1015〜5×1015cm−2の条件によるBF2 イオン注入を行い、更にアニール処理を行って、注入した不純物イオンを活性化する。
【0037】
次いで、図7に示されるように、CVD法を用いて、基体全面にオーバーコート膜38を形成した後、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、オーバーコート膜38及び絶縁膜36を選択的にドライエッチングして、エミッタ取り出し電極32a、32b、P型エピタキシャル・ベース層26a、26bのP型外部ベース層26ab、26bb、及びN型プラグイン領域20a、20bを露出するコンタクトホールを形成する。
そして、基体全面にAl膜を形成した後、このAl膜を所定の形状にパターニングして、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のエミッタ取り出し電極32a、P型エピタキシャル・ベース層26aのP型外部ベース層26ab、及びN型プラグイン領域20aにそれぞれ接続するエミッタ電極40Ea、ベース電極40Ba、コレクタ電極40Caを形成すると共に、高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のエミッタ取り出し電極32b、P型エピタキシャル・ベース層26bのP型外部ベース層26bb、及びN型プラグイン領域20bにそれぞれ接続するエミッタ電極40Eb、ベース電極40Bb、及びコレクタ電極40Cbを形成する。
【0038】
こうして、図1に示されるようなP型(100)Si基板10上にエピタキシャル・ベース構造を共に有する高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aと高耐圧用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50bとが混載されている半導体装置を作製する。
【0039】
(第2の実施形態)
図8は本発明の第2の実施形態に係るエピタキシャル・ベース構造の高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタとLDD構造のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタとが同一の半導体基板上に混載されている半導体装置を示す概略断面図である。なお、上記第1の実施形態の図1に示される半導体装置の構成要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図8に示されるように、エピタキシャル・ベース構造の高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aとPMOSトランジスタ48p及びNMOSトランジスタ48nからなるCMOSトランジスタ50cとが同一のP型(100)Si基板10上に混載されている。
そして、一方の高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aにおいては、上記第1の実施形態の場合と同様に、P型(100)Si基板10上に、N+型コレクタ埋め込み領域12aが形成され、これらP型(100)Si基板10及びN+型コレクタ埋め込み層12a上に、比抵抗1〜5Ω・cm、厚さ0.5〜1.5μmのN型コレクタ層14aが形成され、このN型コレクタ層14a表面には、N+型コレクタ埋め込み層12aに達するN型プラグイン領域20aが形成されている。
【0041】
また、N型コレクタ層14a表面に接合して、SiやSiGeからなるP型エピタキシャル・ベース層26aが形成されている。このP型エピタキシャル・ベース層26aは、N型コレクタ層14a上に形成された単結晶のP型真性ベース層26aaと、第1のSiO2 膜22上に形成された多結晶のP型外部ベース層26abとから構成されている。
【0042】
また、このP型エピタキシャル・ベース層26aのP型真性ベース層26aa表面には、N型エミッタ層34aが形成され、このN型エミッタ層34aに接続して、導電化された多結晶Si層からなるエミッタ取り出し電極32aが形成されている。そして、このエミッタ取り出し電極32aは、第2のSiO2 膜28によってP型エピタキシャル・ベース層26aと絶縁分離されている。
【0043】
また、エミッタ取り出し電極32a上面を被覆する絶縁膜36及びオーバーコート膜38に開口されたコンタクトホールを介して、エミッタ取り出し電極32a、P型エピタキシャル・ベース層26aのP型外部ベース層26ab、及びN型プラグイン領域20aにそれぞれ接続するエミッタ電極40Ea、ベース電極40Ba、及びコレクタ電極40Caが形成されている。
【0044】
そして、以上のように構成される高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aにおいて、そのN型コレクタ層14a表面に凹状の窪みが形成されているため、そのN型コレクタ層14aの厚さ(N+型コレクタ埋め込み層12aとの界面からP型エピタキシャル・ベース層26aのP型真性ベース層26aaとの界面に到る距離)が、通常のバイポーラトランジスタ、例えば高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタのコレクタ層の厚さ(N+型コレクタ埋め込み層との界面からP型エピタキシャル・ベース層のP型真性ベース層との界面に到る距離)よりも薄くなっており、この点に本実施形態の特徴がある
【0045】
また、他方のCMOSトランジスタ50cにおいては、P型(100)Si基板10上にN+型埋め込み領域12cが形成され、これらP型(100)Si基板10及びN+型埋め込み層12c上にN型エピタキシャル層14が形成され、このN型エピタキシャル層14表面にはN+型埋め込み層12cに達するP型ウェル領域18cが形成されている。また、このP型ウェル領域18c表面の所定の領域には、N型ウェル領域20cが形成されている。
【0046】
そして、このN型ウェル領域20c表面には、P型高濃度不純物領域及びP型LDD領域からなるLDD構造のP型ソース領域46SpとP型ドレイン領域46Dpとが相対して形成され、これらP型ソース領域46SpとP型ドレイン領域46Dpとに挟まれたチャネル領域上に、ゲート酸化膜(図示せず)を介してゲート電極42pが形成されている。また、このゲート電極42pの側壁には、LDDサイドウォールスペーサ44が形成されている。
更に、オーバーコート膜38に開口されたコンタクトホールを介して、P型ソース領域46Sp及びP型ドレイン領域46Dpにそれぞれ接続するソース電極40Sp及びドレイン電極40Dpが形成されている。このようにして、PMOSトランジスタ48pが形成されている。
【0047】
また、このPMOSトランジスタ48pに隣接して、同様の構造をなすNMOSトランジスタ48nが形成されている。
即ち、P型ウェル領域18c表面には、N型高濃度不純物領域及びN型LDD領域からなるLDD構造のN型ソース領域46SnとN型ドレイン領域46Dnとが相対して形成され、これらN型ソース領域46SnとN型ドレイン領域46Dnとに挟まれたチャネル領域上に、ゲート酸化膜(図示せず)を介してゲート電極42nが形成されている。また、このゲート電極42nの側壁には、LDDサイドウォールスペーサ44が形成されている。
更に、オーバーコート膜38に開口されたコンタクトホールを介して、N型ソース領域46Sn及びN型ドレイン領域46Dnにそれぞれ接続するソース電極40Sn及びドレイン電極40Dnが形成されている。このようにして、NMOSトランジスタ48pが形成されている。
【0048】
なお、高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aとCMOSトランジスタ50cとは、素子分離領域に形成されたフィールド酸化膜16及びこのフィールド酸化膜16下に形成されP型(100)Si基板10に達するP型ウェル領域18によって絶縁分離されている。
【0049】
次に、図8示すエピタキシャル・ベース構造の高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aとCMOSトランジスタ50cとが同一のP型(100)Si基板10上に混載されている半導体装置の製造方法を説明する。
先ず、P型(100)Si基板10上の高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域及びCMOSトランジスタ形成領域に、Sb2O3を用いた温度1200℃におけるSbの気相拡散により、N+型コレクタ埋め込み領域12a及びN+型埋め込み領域12cをそれぞれ形成する。
その後、エピタキシャル成長法を用いて、基体全面に比抵抗1〜5Ω・cm、厚さ0.5〜1.5μmのN型エピタキシャル層14を形成する。なお、これ以降、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型エピタキシャル層14をN型コレクタ層14aと呼ぶことにする。
【0050】
続いて、LOCOS法を用いて、N型エピタキシャル層14表面の選択酸化を行う。
即ち、基体全面を熱酸化して、厚さ50nmのSiO2 膜(図示せず)を形成した後、CVD法により厚さ100nmのSi3 N4 膜(図示せず)を形成する。そして、これらSi3 N4 膜及びSiO2 膜を選択的にエッチング除去して、アクティブ領域を開口するパターンを形成した後、このSi3 N4 膜をマスクとして、温度1000〜1050℃のスチーム酸化により、素子分離領域のN型エピタキシャル層14表面に厚さ300〜800nmのフィールド酸化膜16を形成する共に、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型コレクタ層14a表面の所定の領域に厚さ300〜800nmの窪み形成用の酸化膜を形成する。
【0051】
続いて、Si3 N4膜を除去した後、加速電圧100〜720keV、ドーズ量1×1012〜5×1013cm−2の条件によるB(ボロン)イオン注入を複数回行い、素子分離領域のフィールド酸化膜16下にP型(100)Si基板10にまで達するP型ウェル領域18を形成すると共に、CMOSトランジスタ形成領域のN型エピタキシャル層14表面にN+型埋め込み領域12cにまで達するP型ウェル領域18cを形成する。
更に、加速電圧150〜720keV、ドーズ量1×1012〜5×1013cm−2の条件によるP(リン)イオン注入を複数回行い、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型コレクタ層14a表面にN+型コレクタ埋め込み層12aに達するN型プラグイン領域20aを形成すると共に、CMOSトランジスタ形成領域のうちのPMOSトランジスタ形成領域のP型ウェル領域18c表面にN型ウェル領域20cを形成する。
【0052】
次いで、露出しているN型コレクタ層14a並びにN型ウェル領域20c及びP型ウェル領域18c等の表面を温度800〜900℃により熱酸化して、厚さ7〜10nmの熱酸化膜(図示せず)を形成した後、基体全面にN型不純物を高濃度にドーピングしれた多結晶Si層及びWSi層を順に形成し、これらWSi層及び多結晶Si層を、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて選択的にエッチングして、PMOSトランジスタ形成領域及びNMOSトランジスタ形成領域にゲート電極42p、42nをそれぞれ形成する。ここで、PMOSトランジスタ形成領域のゲート電極42pとN型ウェル領域20cとに挟まれた熱酸化膜及びNMOSトランジスタ形成領域のゲート電極42nとP型ウェル領域18cとに挟まれた熱酸化膜はそれぞれゲート酸化膜となる。
【0053】
続いて、リソグラフィ技術により形成したレジストパターン及びゲート電極42p、42nをマスクとして、PMOSトランジスタ形成領域のゲート電極42pを挟むN型ウェル領域20c表面にドーズ量1×1012〜5×1013cm−2の条件によるB(ボロン)又はBF2 のイオン注入を行って、P型LDD領域を形成すると共に、NMOSトランジスタ形成領域のゲート電極42nを挟むP型ウェル領域18c表面にドーズ量1×1012〜5×1013cm−2の条件によるP(リン) イオン注入を行って、N型LDD領域を形成する。
その後、CVD法を用いて、基体全面に厚さ100〜200nmの第1のSiO2 膜22を形成する。この第1のSiO2 膜22は、後にゲート電極42p、42n側壁のLDDサイドウォールスペーサ形成用に用いられるものである。
【0054】
続いて、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型コレクタ層14a上の第1のSiO2 膜22及び窪み形成用の酸化膜16aを選択的にドライエッチングして、N型コレクタ層14aを露出する開口部を形成する。
このとき、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域の開口部においては、窪み形成用の酸化膜16aが除去された分だけN型コレクタ層14a表面に凹状の窪みが形成される。このため、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型コレクタ層14aを通常の高耐圧用途のNPNバイポーラトランジスタのコレクタ層を比較すると、N型コレクタ層14aの厚さがより薄くなっている。
【0055】
次いで、エピタキシャル成長法を用いて、基体全面に例えばB(ボロン)をドーピングしたSiやSiGeからなるP型エピタキシャル層を形成する。このとき、開口部内に露出するN型コレクタ層14a上には、単結晶層が形成され、第1のSiO2 膜22上には、多結晶層が形成される。
続いて、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、P型エピタキシャル層を選択的にエッチングして、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域にN型コレクタ層14a上の単結晶のP型真性ベース層26aa及びこれに連なる多結晶のP型外部ベース層26abからなるP型エピタキシャル・ベース層26aを形成する。
【0056】
次いで、CVD法を用いて、基体全面に厚さ150〜200nmの第2のSiO2 膜28を形成する。この第2のSiO2 膜28は、後に形成するエミッタ取り出し電極とP型エピタキシャル・ベース層26aとを絶縁分離する機能を果たすためのものであり、またゲート電極42p、42n側壁のLDDサイドウォールスペーサ形成用に用いられるものである。
続いて、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、第2のSiO2 膜28を選択的にドライエッチングして、P型エピタキシャル・ベース層26aのP型真性ベース層26aaを露出する開口部を形成する。
【0057】
次いで、基体全面に、厚さ100〜150nmの多結晶Si層を形成した後、加速電圧30〜70keV、ドーズ量1×1015〜1×1016cm−2の条件によるAsイオン注入を行う。なお、この多結晶Si層のうち、開口部を介してP型エピタキシャル・ベース層26aのP型真性ベース層26aaに接続している部分はエミッタ取り出し電極32aとなるものである。
続いて、温度1000〜1100℃、時間5〜30秒のアニール処理を行い、多結晶Si層中のAsイオンを活性化して導電化すると共に、この多結晶Si層からP型エピタキシャル・ベース層26aのP型真性ベース層26aa表面にAsを拡散させ、N型エミッタ層34aを形成する。
【0058】
続いて、導電化した多結晶Si層上に絶縁膜36を形成した後、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、これら絶縁膜36及び多結晶Si層を選択的にドライエッチングし、この導電化した多結晶Si層からなるエミッタ取り出し電極32aを形成する。なお、このエミッタ取り出し電極32a上の絶縁膜36は、後にP型外部ベース層26abにP型不純物イオンを注入する際に、このP型不純物イオンがエミッタ取り出し電極32aに注入されないようにするマスクとして機能するものである。
続いて、第2及び第2のSiO2 膜28、22を異方性エッチングして、これら第1及び第2のSiO2 膜22、第2のSiO2 膜28からなるLDDサイドウォールスペーサ44をゲート電極42p、42n側壁にそれぞれ形成する。
【0059】
その後、リソグラフィ技術により形成したレジストパターン並びにゲート電極42n及びその側壁のLDDサイドウォールスペーサ44をマスクとして、加速電圧25〜40keV、ドーズ量2×1015〜7×1015cm−2の条件によるAsイオン注入を行い、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のN型プラグイン領域20a表面の不純物濃度を高めると共に、NMOSトランジスタ形成領域のN型LDD領域及びP型ウェル領域18c表面にN型高濃度不純物領域を形成して、このN型高濃度不純物領域及びN型LDD領域からなるLDD構造のN型ソース領域46Sn及びN型ドレイン領域46Dnを形成する。
【0060】
同様にして、所定のレジストパターン並びにゲート電極42n及びその側壁のLDDサイドウォールスペーサ44をマスクとして、加速電圧25〜40keV、ドーズ量1×1015〜5×1015cm−2の条件によるBF2 イオン注入を行い、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のP型エピタキシャル・ベース層26aのP型外部ベース層26abの不純物濃度を高めると共に、PMOSトランジスタ形成領域のP型LDD領域及びN型ウェル領域20c表面にP型高濃度不純物領域を形成して、このP型高濃度不純物領域及びP型LDD領域からなるLDD構造のP型ソース領域46Sp及びP型ドレイン領域46Dpを形成する。
【0061】
次いで、CVD法を用いて、基体全面にオーバーコート膜38を形成した後、リソグラフィ技術により形成したレジストパターンを用いて、オーバーコート膜38及び絶縁膜36を選択的にドライエッチングして、エミッタ取り出し電極32a、P型エピタキシャル・ベース層26aのP型外部ベース層26ab、N型プラグイン領域20a、P型ソース領域46Sp、P型ドレイン領域46Dp、N型ソース領域46Sn、及びN型ドレイン領域46Dnを露出するコンタクトホールを形成する。
そして、基体全面にAl膜を形成した後、このAl膜を所定の形状にパターニングして、高速用途のNPNバイポーラトランジスタ形成領域のエミッタ取り出し電極32a、P型エピタキシャル・ベース層26aのP型外部ベース層26ab、及びN型プラグイン領域20aにそれぞれ接続するエミッタ電極40Ea、ベース電極40Ba、コレクタ電極40Caを形成すると共に、PMOSトランジスタ形成領域のP型ソース領域46Sp、P型ドレイン領域46Dpにそれぞれ接続するソース電極40Sp及びドレイン電極40Dp、並びにNMOSトランジスタ形成領域のN型ソース領域46Sn、N型ドレイン領域46Dnにそれぞれ接続するソース電極40Sn及びドレイン電極40Dnを形成する。
【0062】
こうして、図8に示されるようなP型(100)Si基板10上にエピタキシャル・ベース構造の高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aとCMOSトランジスタ50cとが混載されている半導体装置を作製する。
【0063】
なお、上記第1の実施形態においては、P型(100)Si基板10上にエピタキシャル・ベース構造を共に有する高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aと高耐圧用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50bとが混載されている半導体装置について、上記第2の実施形態においては、P型(100)Si基板10上にエピタキシャル・ベース構造の高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aとCMOSトランジスタ50cとが混載されている半導体装置についてそれぞれ説明しているが、当然に、第1及び第2の実施形態を組み合わせ、P型(100)Si基板10上にエピタキシャル・ベース構造を共に有する高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aと高耐圧用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50bとCMOSトランジスタ50cとが混載されている半導体装置についても、本発明を適用することが可能なことは言うまでもない。従って、BiCMOS集積回路の作製においても適用することができる。
【0064】
また、上記第2の実施形態において、エピタキシャル・ベース構造を共に有する高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ50aと組み合わせるCMOSトランジスタ50cがLDD構造をもつ場合について説明しているが、通常のソース/ドレイン構造をもつMOSトランジスタであってもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明に係る半導体装置及びその製造方法によれば、次のような効果を奏することができる。
即ち、請求項1に係る半導体装置によれば、第1の縦型バイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層の厚さと、第2の縦型バイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層の厚さとが異なることにより、一方の縦型バイポーラトランジスタを高速用途のバイポーラトランジスタとし、他方の縦型バイポーラトランジスタを高耐圧用途のバイポーラトランジスタとすると、高耐圧用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層を相対的に厚くし、高速用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層を相対的に薄くすることが可能になり、それぞれに最適な最大電源電圧VCEOが達成されるため、それぞれの高耐圧特性及び高速特性が十全に発揮される高性能、高信頼性の半導体装置を実現することができる。
【0066】
また、請求項2に係る半導体装置の製造方法によれば、同一の半導体基板上にエピタキシャル・ベース層を有する第1及び第2の縦型バイポーラトランジスタを作製する場合、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、第1の縦型バイポーラトランジスタ形成領域の第1のコレクタ層表面の所定の領域に素子分離用絶縁膜と同時的に第1の絶縁膜を形成し、基体全面に形成した第2の絶縁膜を選択的にエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する際に、第1の縦型バイポーラトランジスタ形成領域における第2の絶縁膜のみならず第1の絶縁膜をもエッチング除去することにより、その開口部に露出する第1のコレクタ層表面には第1の絶縁膜が形成されていた分だけ窪みが形成されることになるため、この第1のエピタキシャル・ベース層直下の第1のコレクタ層は第2の縦型バイポーラトランジスタにおける第2のエピタキシャル・ベース層直下の第2のコレクタ層よりも薄くなり、即ち第1及び第2の縦型バイポーラトランジスタをそれぞれ高速用途及び高耐圧用途のバイポーラトランジスタとすると、高速用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層が高耐圧用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層よりも薄くなり、それぞれの高耐圧特性及び高速特性が十全に発揮される高性能、高信頼性の半導体装置を簡便に作製することができる。
しかも、その製造プロセスにおいて新たに必要となる工程、即ち第1の縦型バイポーラトランジスタの第1のコレクタ層表面の所定の領域に第1の絶縁膜を形成する工程及びこの第1の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程は、それぞれ素子分離用絶縁膜を形成する工程及び第2の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程(共に、縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要な工程)と同時的に行われるため、工程数の増加を招くことなく、その製造コストの増大を防止することができる。
【0067】
また、請求項4に係る半導体装置の製造方法によれば、同一の半導体基板上にエピタキシャル・ベース層を有する縦型バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタを作製する場合、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、縦型バイポーラトランジスタのコレクタ層表面の所定の領域に素子分離用絶縁膜と同時的に第1の絶縁膜を形成し、基体全面に形成した第2の絶縁膜を選択的にエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する際に第2の絶縁膜のみならず第1の絶縁膜をもエッチング除去することにより、その開口部に露出するコレクタ層表面には第1の絶縁膜が形成されていた分だけ窪みが形成されることになるため、このコレクタ層上にエピタキシャル・ベース層を形成すると、エピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層は通常の場合よりも薄くなり、即ちこの縦型バイポーラトランジスタを高速用途のバイポーラトランジスタとすると、高速用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層が通常のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層よりも薄くなり、高速特性を十全に発揮される高性能、高信頼性の半導体装置を簡便に作製することができる。
しかも、その製造プロセスにおいて新たに必要となる工程、即ち縦型バイポーラトランジスタのコレクタ層表面の所定の領域に第1の絶縁膜を形成する工程及びこの第1の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程は、それぞれ素子分離用絶縁膜を形成する工程(縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要とされ、且つ電界効果トランジスタの製造プロセスと共有される工程)及び第2の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程(縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要な工程)と同時的に行われるため、工程数の増加が抑制され、その製造コストの増大を防止することができる。
【0068】
また、請求項5に係る半導体装置の製造方法によれば、同一の半導体基板上にエピタキシャル・ベース層を有する縦型バイポーラトランジスタとLDD構造の電界効果トランジスタを作製する場合、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、縦型バイポーラトランジスタのコレクタ層表面の所定の領域に素子分離用絶縁膜と同時的に第1の絶縁膜を形成し、基体全面に形成した第2の絶縁膜を選択的にエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する際に第2の絶縁膜のみならず第1の絶縁膜をもエッチング除去することにより、その開口部に露出するコレクタ層表面には第1の絶縁膜が形成されていた分だけ窪みが形成されることになるため、エピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層は通常の場合よりも薄くなり、即ち第1の縦型バイポーラトランジスタを高速用途のバイポーラトランジスタとすると、高速用途のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層が通常のバイポーラトランジスタのエピタキシャル・ベース層直下のコレクタ層よりも薄くなり、高速特性が十全に発揮される高性能、高信頼性の半導体装置を簡便に作製することができる。
しかも、その製造プロセスにおいて新たに必要となる工程、即ち縦型バイポーラトランジスタのコレクタ層表面の所定の領域に第1の絶縁膜を形成する工程及びこの第1の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程は、それぞれ素子分離用絶縁膜を形成する工程(縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要とされ、且つ電界効果トランジスタの製造プロセスと共有される工程)及び第2の絶縁膜をエッチング除去してエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する工程(縦型バイポーラトランジスタの通常の製造プロセスに必要な工程)と同時的に行われるため、また縦型バイポーラトランジスタの製造プロセスにおいて不可避的に形成される第2及び第3の絶縁膜が電界効果トランジスタのLDD構造を形成するために必要なゲート電極側壁のサイドウォールスペーサの形成に使用されるため、工程数の増加が抑制され、その製造コストの増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエピタキシャル・ベース構造を共に有する高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタと高耐圧用途の縦型NPNバイポーラトランジスタとが同一の半導体基板上に混載されている半導体装置を示す概略断面図である。
【図2】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 (その1)である。
【図3】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 (その2)である。
【図4】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 (その3)である。
【図5】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 (その4)である。
【図6】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 (その5)である。
【図7】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図 (その6)である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るエピタキシャル・ベース構造の高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタとCMOSトランジスタとが同一の半導体基板上に混載されている半導体装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10……P型(100)Si基板、12a、12b……N+型コレクタ埋め込み層、12c……N+型埋め込み層、14……N型エピタキシャル層、14a、14b……N型コレクタ層、16……フィールド酸化膜、16a……窪み形成用の酸化膜、18、18c……P型ウェル領域、20a、20b……N型プラグイン領域、20c……N型ウェル領域、22……第1のSiO2 膜、24a、24b……開口部、26a……P型エピタキシャル・ベース層、26aa……P型真性ベース層、26ab……P型外部ベース層、26b……N型エピタキシャル・ベース層、26ba……N型真性ベース層、26bb……N型外部ベース層、28……第2のSiO2 膜、30a、30b……開口部、32a、32b……エミッタ取り出し電極、34a、34b……N型エミッタ層、36……絶縁膜、38……オーバーコート膜、40Ea、40Eb……エミッタ電極、40Ba、40Bb……ベース電極、40Ca、40Cb……コレクタ電極、40Sp、40Sn……ソース電極、40Dp、40Dn……ドレイン電極、42p、42n……ゲート電極、44……LDDサイドウォールスペーサ、46Sp……P型ソース領域、46Dp……P型ドレイン領域、46Sn……N型ソース領域、46Dn……N型ドレイン領域、48p……PMOSトランジスタ、48n……NMOSトランジスタ、50a……高速用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ、50b……高耐圧用途の縦型NPNバイポーラトランジスタ、50c……CMOSトランジスタ。
Claims (4)
- エピタキシャル・ベース層を有する第1及び第2の縦型バイポーラトランジスタが同一の半導体基板上に混載された半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板上の第1及び第2の縦型バイポーラトランジスタ形成領域に、第1及び第2のコレクタ層をそれぞれ形成した後、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、前記第1のコレクタ層表面の所定の領域に、前記第1のコレクタ層の表面に凹状の窪みを形成するための窪み形成用の第1の絶縁膜を前記素子分離用絶縁膜と同時的に形成する第1の工程と、
基体全面に第2の絶縁膜を形成した後、前記第2のコレクタ層上の前記第2の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、前記第2のコレクタ層を露出する第2のエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口すると共に、前記第1のコレクタ層上の前記第2及び第1の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、前記第1のコレクタ層を露出する第1のエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する第2の工程と、
基体全面にエピタキシャル層を成長させて、前記第1及び第2のエピタキシャル・ベース形成予定領域に露出した前記第1及び第2のコレクタ層上に単結晶エピタキシャル層を形成すると共に、前記第2の絶縁膜上に多結晶エピタキシャル層を形成した後、前記エピタキシャル層をパターニングして、前記第1及び第2のコレクタ層上のそれぞれの前記単結晶エピタキシャル層並びに前記単結晶エピタキシャル層に連なる前記多結晶エピタキシャル層からなる第1及び第2のエピタキシャル・ベース層をそれぞれ形成する第3の工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3の工程に続いて、基体全面に第3の絶縁膜を形成した後、前記第1及び第2のエピタキシャル・ベース層上の前記第3の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、エミッタ形成予定領域をそれぞれ開口する第4の工程と、
前記エミッタ形成予定領域に露出した前記第1及び第2のエピタキシャル・ベース層上に、第1及び第2のエミッタ取り出し電極をそれぞれ形成した後、前記第1及び第2のエミッタ取り出し電極から所定の不純物を拡散して、前記第1及び第2のエピタキシャル・ベース層表面に第1及び第2のエミッタ領域をそれぞれ形成する第5の工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - エピタキシャル・ベース層を有する縦型バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとが同一の半導体基板上に混載された半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板上に、所定の半導体層を形成して、縦型バイポーラトランジスタ形成領域の前記半導体層からなるコレクタ層を形成した後、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、前記コレクタ層表面の所定の領域に、前記コレクタ層の表面に凹状の窪みを形成するための窪み形成用の第1の絶縁膜を前記素子分離用絶縁膜と同時的に形成する第1の工程と、
電界効果トランジスタ形成領域の前記半導体層上に、ゲート電極を形成した後、前記ゲート電極をマスクとして前記半導体層表面に所定の不純物を添加し、ソース及びドレイン領域を形成する第2の工程と、
基体全面に第2の絶縁膜を形成した後、前記コレクタ層上の前記第2及び第1の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、前記コレクタ層を露出するエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する第3の工程と、
基体全面にエピタキシャル層を成長させて、前記エピタキシャル・ベース形成予定領域に露出した前記コレクタ層上に単結晶エピタキシャル層を形成すると共に、前記第2の絶縁膜上に多結晶エピタキシャル層を形成した後、前記エピタキシャル層をパターニングして、前記コレクタ層上の前記単結晶エピタキシャル層及び前記単結晶エピタキシャル層に連なる前記多結晶エピタキシャル層からなるエピタキシャル・ベース層を形成する第4の工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - エピタキシャル・ベース層を有する縦型バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとが同一の半導体基板上に混載された半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板上に、所定の半導体層を形成して、縦型バイポーラトランジスタ形成領域の前記半導体層からなるコレクタ層を形成した後、選択酸化法を用いて素子分離用絶縁膜を形成する際に、前記コレクタ層表面の所定の領域に、前記コレクタ層の表面に凹状の窪みを形成するための窪み形成用の第1の絶縁膜を前記素子分離用絶縁膜と同時的に形成する第1の工程と、
電界効果トランジスタ形成領域の前記半導体層上に、ゲート電極を形成した後、前記ゲート電極をマスクとして前記半導体層表面に所定の不純物を添加し、低濃度不純物領域を形成する第2の工程と、
基体全面に第2の絶縁膜を形成した後、前記コレクタ層上の前記第2及び第1の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、前記コレクタ層を露出するエピタキシャル・ベース形成予定領域を開口する第3の工程と、
基体全面にエピタキシャル層を成長させて、前記エピタキシャル・ベース形成予定領域に露出した前記コレクタ層上に単結晶エピタキシャル層を形成すると共に、前記第2の絶縁膜上に多結晶エピタキシャル層を形成した後、前記エピタキシャル層をパターニングして、前記コレクタ層上の前記単結晶エピタキシャル層及び前記単結晶エピタキシャル層に連なる前記多結晶エピタキシャル層からなるエピタキシャル・ベース層を形成する第4の工程と、
基体全面に第3の絶縁膜を形成した後、前記エピタキシャル・ベース層上の前記第3の絶縁膜を選択的にエッチング除去して、エミッタ形成予定領域を開口する第5の工程と、
前記エミッタ形成予定領域に露出した前記エピタキシャル・ベース層上に、エミッタ取り出し電極を形成した後、前記エミッタ取り出し電極から所定の不純物を拡散して、前記エピタキシャル・ベース層表面にエミッタ領域を形成する第6の工程と、
前記第3及び第2の絶縁膜を異方性エッチングし、前記第3及び第2の絶縁膜からなるサイドウォールスペーサを前記ゲート電極側壁に形成した後、前記ゲート電極及び前記サイドウォールスペーサをマスクとして前記半導体層表面に所定の不純物を添加し、高濃度不純物領域を形成し、前記低濃度不純物領域及び前記高濃度不純物領域からなるソース・ドレイン領域を形成する第7の工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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