JP5017712B2 - 防音階段用踏板及びそれを用いた防音階段構造 - Google Patents

防音階段用踏板及びそれを用いた防音階段構造 Download PDF

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Description

本発明は、防音階段用踏板及びそれを用いた防音階段構造に関し、特に重量衝撃音の低減効果に優れたものに関する。
近年、低層の賃貸住宅において、屋外階段や廊下のない戸建て感覚の重層テラスハウスが増加している。このような住宅では、2階の部屋も1階に玄関があり、2階の住人は常に階段を昇降しなければならない。
通常の戸建て住宅では、階段の昇降に伴う衝撃音は同じ家族が受けるものであり、2階へ上がる頻度もあまり多くなかったので、さほど問題とはならない。しかし、上記のような住宅では、2階の住人は常に階段を昇降しなければならず、また賃貸住宅のように住人同士の関係も薄い場合は、他人が発生する音に対しては不快に感じるものである。
階段構造は、LVLや合板等を芯材に使用し、突板や化粧シートを表面に貼着した踏板を、構造体に固定した側桁で支持した構造となっており、階段を昇降する際の衝撃が構造体を通じて固体伝播音として住戸内に伝わる。また、階段に物を落としたときの発音が空気伝播音として住戸内に伝わる。
この種の防音性を考慮した階段の例としては、従来、特許文献1や特許文献2に示されるように、踏板基材と表面材との間にクッション層を介在して、昇降時の踏み鳴り音の発生を防止するようにしたものが提案されている。
特開2001−98731号公報 特開2005−133356号公報
ところが、これら従来のものでは、軽量物を踏板上に落としたときの軽量床衝撃音の低減は図れても、人が昇降する場合の重量床衝撃音の低減を図ることができない。
例えば、踏板は両端部が側桁に支持され、中央部分が支持されていないため、踏板が撓み易く衝撃で振動し易い構造となり、人が昇降する際の衝撃が構造体に伝わり固体伝播音として住戸内に伝わる。また、踏板の振動によって、階段裏空間での太鼓現象(音の共鳴)も発生し易い。
このように、従来は軽量床衝撃音の低減を考慮するだけで、重量床衝撃音を低減する階段はないのが現状である。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その主たる目的は、踏板の構造に工夫を凝らして、重量床衝撃音を低減する階段が得られるようにすることにある。
上記の目的の達成のため、この発明では、踏板の裏面(下面)に長さ方向の補強材を固着し、その補強材の端部は側桁(側板)とは非接触状態とするとともに、踏板の表面にクッション層を交換可能に貼着するようにした。
具体的には、請求項1の発明の防音階段用踏板は、踏板本体の裏面に、該踏板本体の長さ方向に延びかつ長さ方向の端部が施工時に側桁と接触しないように踏板本体の長さよりも短くされた少なくとも1つの補強材が一体的に固定されているものとする。
そして、上記踏板本体は、踏板芯材と、該踏板芯材の表面に固定された表面化粧材とを備え、この表面化粧材の裏面側には、踏板芯材表面に固定されるクッション層が設けられており、このクッション層は、該クッション層の破壊強度よりも弱い接着剥離強度を有する施工用接着手段により踏板芯材の表面に貼着されていることを特徴とする。
この請求項1の発明では、踏板は、踏板本体の裏面に少なくとも1つの補強材が固定されているものであり、その補強材は長さ方向の端部が施工時に側桁と接触しないように踏板本体の長さよりも短くなっているので、踏板は中央部分が側桁に支持されていなくても補強材によって剛性が増大して撓み難くなり、階段を昇降する際の衝撃による踏板の振動を低減することができ、重量床衝撃音を低減することができる。
また、踏板本体が踏板芯材と、その表面に固定された表面化粧材とを備え、この表面化粧材の裏面側(踏板芯材の表面との間)にクッション層が設けられているので、階段を昇降する際に表面化粧材に加わる衝撃音がクッション層で減衰されて踏板芯材に伝播し難くなり、上記重量床衝撃音や軽量床衝撃音の低減を図ることができる。
さらに、クッション層が、その破壊強度よりも弱い接着剥離強度を有する施工用接着手段により踏板芯材の表面に貼着されているので、階段の長期使用に伴い、踏板の表面化粧材が傷付いたり汚れたりしたときは、その表面化粧材を引っ張って接着手段の層で簡単に剥がすことができるとともに、その裏面のクッション層も踏板芯材の表面に残ることなくきれいに除去されるようになり、その剥がした跡に新しい表面化粧材を貼ることができる。すなわち、特に賃貸住宅は、住人が代わるたびに、傷付いた床面(階段の踏板等)の張替えが必要となるが、その際の踏板全体の交換は不要となり、表面化粧材のみを交換すればよく、施工が容易でコストも下げることができる。
請求項の発明では、上記請求項の防音階段用踏板において、踏板芯材の表面に、表面化粧材を表面化粧材表面が他の面と面一になるように埋設する凹部が設けられていることを特徴とする。
この請求項の発明では、踏板芯材の表面に表面化粧材を埋設する凹部が設けられているので、表面化粧材が踏板芯材から外れ落ちることを防止できる。
請求項の発明では、請求項1又は2の防音階段用踏板において、クッション層が複数の層を積層したものとする。
この請求項の発明では、複数のクッション層の材質を異ならせることで、あるクッション層で軽量床衝撃音を低減する一方、他のクッション層で重量床衝撃音を低減することができ、軽量床衝撃音の低減に加えて、重量床衝撃音のより一層の低減を図ることができる。
請求項は防音階段構造の発明であり、この発明では、請求項1〜3のいずれか1つの防音階段用踏板が、長さ方向の両端部で側桁に、該側桁に補強材が接触しないように固定支持されていることを特徴とする。
この請求項の発明では、裏面に補強材が固定されて撓み難くなった踏板が長さ方向の両端部で側桁に補強材を接触させないように固定支持されているので、階段を昇降する際の衝撃による踏板の振動を低減して、重量床衝撃音を低減することができる。
以上説明したように、請求項1の発明の防音階段用踏板及び請求項の発明の防音階段構造によると、踏板本体の裏面に、長さ方向の端部が施工時に側桁と接触しないように踏板本体の長さよりも短い少なくとも1つの補強材を一体的に固定し、踏板本体を、踏板芯材と、この踏板芯材の表面に固定され、裏面側にクッション層が設けられた表面化粧材とを備えたものとし、クッション層を、その破壊強度よりも弱い接着剥離強度を有する施工用接着手段により踏板芯材の表面に貼着したことにより、踏板をその中央部分が側桁に支持されていなくても補強材によって撓み難くでき、階段を昇降する際の衝撃による踏板の振動を低減して重量床衝撃音の低減を図り、軽量床衝撃音の低減をも図ることができる。さらには、傷付いた踏板の張替えの際の踏板全体の交換を不要として、張替え施工の容易化及び施工コストの低減を図ることができる。
請求項の発明によると、踏板芯材の表面に、表面化粧材を表面化粧材表面が他の面と面一になるように埋設する凹部を設けたことにより、表面化粧材の踏板芯材からの外れ落ちを有効に防止できる。
請求項の発明によると、クッション層を複数の層を積層したものとしたことにより、複数のクッション層の材質を異ならせて、軽量床衝撃音の低減に加えて、重量床衝撃音のより一層の低減を図ることができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る防音階段構造が採用された住宅は、例えば1階及び2階にそれぞれ複数の住戸が設けられた集合賃貸住宅であり、その内部に2階の各住戸に通じる階段が施工されており、この実施形態では、この階段が防音階段構造を備えていて、2階の各住戸の住人が階段を昇降する際の昇降音が1階の住戸へ伝播されるのを低減するようになっている。
図3及び図4に示すように、上記階段Sの防音階段構造は、通常一般の階段構造と同様に、住宅の躯体Bに固定された左右の側桁1,1(側板)と、この側桁1,1間に架設された複数の踏板3,3,…(段板)と、これら上下に隣接する踏板3,3間に該踏板3,3間の開口を閉塞するように固定された蹴込板12とを備えている。左右の側桁1,1には水平前後方向の踏板嵌合溝2,2,…が対応して形成されており、各踏板3は、この左右側桁1,1の踏板嵌合溝2,2にそれぞれ左右端部が嵌合された状態で側桁1,1に固定されている。また、各踏板3の下面の前端部には左右方向の蹴込板嵌合溝11が形成されており、各蹴込板12は、この蹴込板嵌合溝11に上端部が嵌合され、下端部が下側の踏板3の後面に固定された状態で上下の踏板3,3間に固定されている。
図1及び図2に拡大して示すように、上記踏板3は踏板本体4と、この踏板本体4の裏面に一体的に固定された補強材15,15とを備えている。
さらに、上記踏板本体4は、踏板芯材5と、この踏板芯材5の表面に固定された表面化粧材7とを備えている。具体的には、踏板芯材5は踏板3の基体をなす板状のもので、その表面(上面)には例えば矩形状の凹部6が形成されている。凹部6は、踏板芯材5の前端寄りの位置から後端までの範囲に、当該部分を他の部分よりも若干量(例えば5〜9mm)だけ凹陥させてなる。そして、この凹部6に表面化粧材7が埋め込まれ、その埋め込み状態では表面化粧材7の表面(後述する化粧材8の表面)が他の面(凹部6以外の踏板芯材5表面)と面一になっている。
上記表面化粧材7は、化粧材8と、その裏面に貼着された1層のクッション層9とからなり、踏板芯材5表面の凹部6への埋め込み状態では、化粧材8を上側にしかつクッション層9を下側にして埋め込まれ、そのクッション層9が裏面にて凹部6底面に貼着されている。
上記化粧材8としては、例えばMDF、ハードボード、パーティクルボード、MDFに樹脂を含浸したもの等が用いられる。また、クッション層9をなすクッション材としては、例えば重量床衝撃音に効果のあるPVCマット、ゴムマット、アスファルトマット、或いは軽量床衝撃音に効果のあるインシュレーションボード、ウレタン等の樹脂発泡体等が用いられる。PVCマット等の重量床衝撃音に効果のあるクッション材は、マット厚さが厚いほど効果が大きくなる。
そして、上記表面化粧材7裏面側のクッション層9は、化粧材8とクッション層9との層間剥離強度よりも弱くかつクッション層9自体の破壊強度よりも弱い接着剥離強度を有する施工用接着手段10により踏板芯材5の凹部6底面(踏板芯材5の表面)に貼着されている。この施工用接着手段10は、表面化粧材7を踏板芯材5から剥したときにクッション層9が踏板芯材5の凹部6底面に対しきれいに剥れる接着剤やテープからなる。接着剤としては低粘着性接着剤や弾性接着剤等が好ましい。この低粘着性接着剤はシリル化ウレタン接着剤等、低粘着のアクリル粘着剤で糊残りが少ないものがよい。また、弾性接着剤は、例えば硬化物がゴム状弾性を有する特殊シリコン樹脂や変性シリコン樹脂等を有する。また、この弾性接着剤が、ゴム弾性を有するとともに所望の接着強度を有するために、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を追加配合してもよい。弾性接着剤は、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等が配合されたシリコン系接着剤や、これらの変性物等を使用することができる。そして、この接着剤が、一般的な接着剤のような高強度の接着剥離強度よりも弱い接着剥離強度となるように、無機フィラー等を充填して接着剥離強度を調整する。この施工用接着剤の主成分100重量に対して、50〜1000重量%程度のフィラーを添加し、このフィラーの一部を中空の無機フィラーに置き換えてもよい。
一方、テープとしては片面低粘着性両面テープ等が用いられる。この片面低粘着性両面テープではその低粘着性面を踏板芯材5の凹部6底面に粘着させる。
さらに、上記踏板本体4の裏面には、その踏板本体4の長さ方向(左右方向)に互いに平行又は略平行に延びる複数(図示例では2本)の補強材15,15が踏板本体4の幅方向(前後方向)に離れた状態で一体的に固定されている。この両補強材15,15は互いに同じもので、階段Sの施工時に長さ方向の両端部が上記左右の側桁1,1と接触しないように、踏板本体4の長さよりも短い角材状のものからなる。すなわち、上記防音階段構造では、防音階段用踏板3は、その長さ方向の両端部で側桁1,1に、該側桁1,1に上記補強材15,15が接触しないように固定支持されている。
上記各補強材15としては合板、集成材、木材等の木質材料や、金属や樹脂等が用いられ、また構造用合板等の面材でも或いはLVLやたる木等の線材でもよい。補強材15の踏板本体4への取付固定は、例えば長さ方向について複数箇所(例えば3箇所)のビスや釘による固定、接着剤による接着で行われる。補強材15の長さは、その踏板全体の振動により発生する重量床衝撃音を低減する効果を実効性をもって発揮させるために踏板本体4の長さの2/3以上が望ましく、上述の如く両端部が左右の側桁1,1と接触しない長さである。
したがって、この実施形態においては、階段Sの各踏板3における踏板本体4の裏面に補強材15,15が固定されているので、踏板3全体の剛性が増大する。そのため、階段Sを人が昇降する際の重量衝撃が各踏板3に加わったときに、その踏板3の振動や撓みが小さくなり、その分、踏板3から側桁1,1(側板)を経て住宅の躯体Bに伝わる振動が全体として低減される。しかも、踏板3の振動が抑えられることによって、階段S裏の空間での太鼓現象(音の共鳴)も低減される。これらにより、重量衝撃音の低減効果が得られ、その重量衝撃音が躯体Bを通じて住戸、特に1階住戸への伝播が抑制される。
さらに、踏板3表面に、裏面にクッション層9が設けられている表面化粧材7が固定されており、そのクッション層9を構成するクッション材として重量床衝撃音に効果のある特定の材料を選定すれば、上記重量床衝撃音がクッション層9でも減衰されることとなり、その発生をより一層低減することができる。
また、上記表面化粧材7裏面のクッション層9として、軽量床衝撃音に効果のある特定の材料を選定すれば、階段Sを昇降する際に表面化粧材7に加わる衝撃音がクッション層9で減衰されて踏板芯材5に伝播し難くなり、軽量床衝撃音の低減をも図ることができる。
そして、上記表面化粧材7のクッション層9は、化粧材8とクッション層9との層間剥離強度やクッション層9の破壊強度よりも弱い接着剥離強度を有する施工用接着手段10により踏板芯材5の凹部6底面(踏板芯材5の表面)に貼着されているので、その表面化粧材7を引っ張れば接着手段10の層で簡単に剥がすことができる。そのため、階段Sの長期使用に伴って、踏板3の表面化粧材7が傷付いたり汚れたりしても、その表面化粧材7を容易に除去できる。しかも、その裏面のクッション層9が踏板芯材5の凹部6底面に残ることもなく、その剥がした跡に新しい表面化粧材7を貼ることができる。このことで、住人が代わる都度、階段Sの踏板3の張替えが必要となる賃貸住宅でも、その踏板3全体の交換は不要となり、踏板芯材5は残したままで表面化粧材7のみを交換すればよく、施工が容易でコストも下げることができる。
また、踏板3における踏板本体4の踏板芯材5表面に凹部6が形成され、この凹部6に表面化粧材7が表面を他の面と面一にして埋め込まれているので、上記のように表面化粧材7と踏板芯材5との間の接着剥離強度が弱くても、階段Sの実際の使用時に、表面化粧材7が踏板芯材5から外れ落ちることはない。
(実施形態2)
図5は実施形態2を示し(尚、図1〜図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態1では、クッション層9は1層であるのに対し、複数の層を積層したものである。
すなわち、この実施形態では、図5に示すように、重量音及び軽量音の両方に効果が発揮されるようにするために、表面化粧材7は、化粧材8とその裏面に設けられた2層のクッション層9a,9bとからなっている(尚、クッション層は3層以上でもよい)。この2層のクッション層9a,9bのうち、例えば下側(踏板芯材5側)のクッション層9bに、重量床衝撃音に効果の有るPVCマット等が、また上側(化粧材8側)のクッション層9aに、軽量床衝撃音に効果のあるインシュレーションボードや樹脂発泡体等がそれぞれ配置される。このように、インシュレーションボードや樹脂発泡体等の軽量床衝撃音の低減に効果のあるクッション層9aは、できるだけ音源に近い表面側に配置するのが好ましく、軽量床衝撃音の低減に有効となる。
しかし、踏板3の表面が軟らかくなり過ぎて歩行時に化粧材8が割れたりする可能性もあるので、それを避ける場合は、実際の使用を考えて、上記インシュレーションボードや樹脂発泡体等の軽量床衝撃音の低減に効果のあるクッション層9aは裏面に配置してもよく、MDF等の化粧材8が、重量床衝撃音に効果の有る比較的硬いPVCマット等のクッション層9bで支持されるので割れ難くなる。
この実施形態の場合、表面化粧材7の裏面側に複数の層を積層したクッション層9a,9bが設けられているので、それら複数のクッション層9a,9bの材質を異ならせることで、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音のより一層の低減を図ることができる。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、踏板本体4の裏面に複数の補強材15,15を固定しているが、1本の補強材15を固定してもよい。
また、上記各実施形態では、踏板芯材5の表面に凹部6を形成して、その内部に表面化粧材7を埋め込んでいるが、本発明では凹部6は必須でなく、踏板芯材5の表面に直接表面化粧材7を貼着して固定するようにしてもよい
次に、補強材及びクッション層に関して具体的に実施した実施例について説明する。
(1)試験1
(実施例1)
踏板として、合板からなる踏板本体の裏面に、踏板長さ方向に延びる2本の補強材を踏板幅方向に離隔させて固定した。各補強材は、踏板本体の長さ方向に延びかつ端部が施工時に側桁と接触しないように踏板本体の長さよりも短いものである。踏板本体の芯材は、合板の表裏面にMDFを一体に積層固定した厚さ30mmのものであり、補強材は28mm×40mmの断面寸法を持つLVLからなる。
(比較例1,2)
比較例1として、実施例1と同じ厚さ30mmの芯材のみからなる踏板を用いた。また、比較例2として、比較例1とは異なり、厚さ36mmの芯材のみからなる踏板を用いた。いずれの比較例も実施例1の如き補強材がないものである。
(重量衝撃音の測定)
上記実施例1及び比較例1,2の踏板を施工して模擬階段を作り、JIS A1440に準じて試験した。このJIS A1440は床に関するものであるが、階段に関する試験法がないため、床の試験法を利用した。2階の住人が階段を昇降する際に衝撃音が壁を通して伝播するのを想定している。その結果を図6及び図7に示す。この図6及び図7を考察すると、比較例1,2のデータに現れているように、踏板の厚さを少し変えた程度では、重量衝撃音の低減効果はあまり変わらない。それに対し、実施例1のように補強材を設けることで約5dBの低減が図られている。
尚、ベースの条件がN−70と非常に悪いが、単に踏板の違いを見るための試験であるので、実際に施工した場合は、全体的にレベルが下がる。
(2)試験2
(実施例2)
踏板芯材の表面に凹部を設けて、その内部に表面化粧材を貼着して埋設した。表面化粧材としては、厚さ2.7mmのMDFからなる化粧材の裏面に、厚さ3.0mmのPVCマットからなるクッション層を設けたものである。
(実施例3)
表面化粧材として、厚さ2.7mmのMDFからなる化粧材の裏面に、厚さ6.0mmのPVCマットからなるクッション層を設けたものである。踏板芯材表面の凹部の深さは表面化粧材の厚さに応じて変更した。その他は実施例2と同じである。
(実施例4)
表面化粧材として、厚さ2.7mmのMDFからなる化粧材の裏面に、厚さ6.0mmのインシュレーションボード(或いは樹脂発泡体)からなるクッション層を設けたものである。その他は実施例3と同じである。
(衝撃音の測定)
上記実施例2〜4の踏板を施工して模擬階段を作り、JIS A1440に準じて試験した。軽量音の音源としてタッピングマシーンを、また重量音の音源としてインパクトボールをそれぞれ用いた。その騒音レベルを測定し、一般階段(クッション層付きの表面化粧材が設けられていないもの)に対する改善効果を図8に示す。この図8を考察すると、軽量音及び重量音のいずれも一般階段に比べ5〜10dB程度の改善効果が得られている。実施例3と実施例4を比較すると、クッション層としてPVCマットを使用したものは、インシュレーションボードを使用したものに比べ重量床衝撃音に効果が有る一方、逆に、そのインシュレーションボードを使用したものの方が軽量床衝撃音の低減に有効である。また、実施例2と実施例3を比較すれば、マットの厚さが厚いほど重量床衝撃音の低減に有効である。
本発明は、防音階段に用いられる踏板の分野で極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
図1は、本発明の実施形態1に係る防音階段用踏板を裏面側から見た拡大平面図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る防音階段構造を拡大して示す断面図である。 図4は、防音階段の一部を示す正面図である。 図5は、本発明の実施形態2を示す図3相当図である。 図6は、試験1の結果を示す図である。 図7は、試験1の結果を示す図である。 図8は、試験2の結果を示す図である。
S 階段
1 側桁
3 踏板
4 踏板本体
5 踏板芯材
6 凹部
7 表面化粧材
9,9a,9b クッション層
10 施工用接着手段
15 補強材

Claims (4)

  1. 踏板本体の裏面に、該踏板本体の長さ方向に延びかつ長さ方向の端部が施工時に側桁と接触しないように踏板本体の長さよりも短くされた少なくとも1つの補強材が一体的に固定され、
    上記踏板本体は、踏板芯材と、該踏板芯材の表面に固定された表面化粧材とを備え、
    上記表面化粧材の裏面側には、踏板芯材表面に固定されるクッション層が設けられており、
    上記クッション層は、該クッション層の破壊強度よりも弱い接着剥離強度を有する施工用接着手段により踏板芯材の表面に貼着されていることを特徴とする防音階段用踏板。
  2. 請求項の防音階段用踏板において、
    踏板芯材の表面に、表面化粧材を表面化粧材表面が他の面と面一になるように埋設する凹部が設けられていることを特徴とする防音階段用踏板。
  3. 請求項1又は2の防音階段用踏板において、
    クッション層が複数の層を積層したものであることを特徴とする防音階段用踏板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの防音階段用踏板が、長さ方向の両端部で側桁に、該側桁に補強材が接触しないように固定支持されていることを特徴とする防音階段構造。
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