JP5017312B2 - 車両用の導風ダクト構造 - Google Patents
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Description
この側壁ダクトは、側壁板状のダクト本体がゴム材で形成されている。このため、ダクト本体の剛性を確保するためにダクト本体を補強する骨部が設けられている。
このため、ダクト本体の剛性を確保するために、ダクト本体を補強する骨部が必要とされ、そのことが部品点数を抑える妨げになっていた。
さらに、上下部のダクトを硬質樹脂材で形成することで、ゴム材で形成した場合と比べて取扱いの容易化が図れ、導風ダクト構造の取付作業を一層容易におこなうことができる。
すなわち、下部ダクトを左右の側壁ダクトの補強部材として兼用することができる。
よって、左右の側壁ダクトの剛性を確保するために、従来必要とされていた骨材を不要にできる。
このように、左右の側壁ダクトの下端部を下部ダクトに設けることで、側壁ダクトの剛性を確保するとともに、側壁ダクトから補強用の骨材を不要にすることができる。
これにより、車両前方の空気を上部ダクトで冷却機器側に冷却風として一層良好に導くことができる。
これにより、エンジンフードを開けた際に、フロントバルクヘッドや冷却機器を上部ダクトで隠すことができるので、見栄えを良好に確保して商品性の向上を図ることができる。
また、ゴム製の側壁ダクトは、取付フラップを有し、折曲片を有し、且つ下端が下部ダクトにより、剛性を高めることができる。
図1に示すように、車体前部構造10は、車体前後方向に延出された左右のフロントサイドフレーム11,12と、左右のフロントサイドフレーム11,12のそれぞれの前端部に設けられたフロントバルクヘッド14と、フロントバルクヘッド14に設けられた(支えられた)冷却機器16と、左右のフロントサイドフレーム11,12の前端部にそれぞれ連結されたフロントバンパビーム18と、フロントバルクヘッド14およびフロントバンパビーム18に設けられた導風ダクト構造(車両用の導風ダクト構造)20とを備えている。
右フロントサイドフレーム12の車体外側(右側)に右アッパメンバー23が設けられている。
冷却機器16は、ラジエータ31やコンデンサ32を備え、フロントバルクヘッド14の前方にラジエータ31が設けられ、ラジエータ31の前方にコンデンサ32が設けられている(図5も参照)。
ラジエータ31は、エンジンの冷却水を外気(空気)で冷却するための熱交換器である。
コンデンサ32は、エアコン(空調)の冷凍サイクルで使用する冷媒を外気(空気)で冷却するための熱交換器である。
アッパメンバー27の右端部および右アッパメンバー23が右連結バー35で連結されている。
この導風ダクト構造20は、冷却機器16の左右側にそれぞれ設けられた左右の側壁ダクトユニット41,42と、左右の側壁ダクトユニット41,42のそれぞれの上端部に連結された上部ダクト43と、左右の側壁ダクトユニット41,42のそれぞれの下端部に連結された下部ダクト44とを備えている。
熱可塑性エラストマーは、常温ではゴムの特性を備え、高温では熱可塑性プラスチックと同様に、軟化して圧縮、押出、射出などが可能な特性を備えている。
よって、熱可塑性エラストマーを高温で軟化させることにより、左側壁ダクトユニット41を容易に成形することができる。
この左側壁ダクト46は、上部51が車体前方に向けて下り勾配に延出され、前部52に収納凹部53が形成され、下部(下端部)54が略水平に形成され、後部55が略鉛直に形成された板状の部材である。
収納凹部53は、フロントバンパビーム18(図1参照)を収容するために側面視で略コ字状に形成された窪みである。
レシーバタンク33は、コンデンサ32で液化した冷媒を一時的に蓄えるタンクである。
バンパ取付孔62a…に差し込んだバンパクリップ65…でバンパ取付フラップ62がフロントバンパビーム18に取り付けられている(設けられている)(図5も参照)。
また、下部ダクト44の左端部44bにダクト取付孔(取付孔)44d…が形成されている。
ダクト取付孔54a…およびダクト取付孔44d…にダクトクリップ(クリップ)66…が差し込まれている(嵌合されている)。
これにより、下部ダクト44の左端部44bに下部54がダクトクリップ66…で取り付けられている(設けられている)。
なお、左シール部47については後で詳しく説明する。
この右側壁ダクトユニット42は、冷却機器16(図1参照)の右側に設けられた右側壁ダクト(側壁ダクト)68と、右側壁ダクト68に設けられた右シール部69とを備えている。
よって、左側壁ダクトユニット41と同様に、熱可塑性エラストマーを高温で軟化させることにより、右側壁ダクトユニット42を容易に成形することができる。
この右側壁ダクト68は、上部71が車体前方に向けて下り勾配に延出され、前部72に収納凹部73が形成され、下部(下端部)74が略水平に形成され、後部75が略鉛直に形成された板状の部材である。
収納凹部73は、フロントバンパビーム18(図1参照)を収容するために側面視で略コ字状に形成された窪みである。
バンパ取付孔82a…に差し込んだバンパクリップ85…でフロントバンパビーム18にバンパ取付フラップ82が取り付けられている(設けられている)(図5も参照)。
また、下部ダクト44の右端部44cにダクト取付孔(取付孔)44e…が形成されている。
ダクト取付孔74a…およびダクト取付孔44e…にダクトクリップ(クリップ)86…が差し込まれている(嵌合されている)。
これにより、下部ダクト44の右端部44cに下部74がダクトクリップ86…で取り付けられている(設けられている)。
これにより、左側壁ダクト46の側壁をバンパ取付フラップ62で補強することができ、かつ、右側壁ダクト68をバンパ取付フラップ82で補強することができる。
これにより、フロントバンパビーム18で左右の側壁ダクト46,68を補強して左右の側壁ダクト46,68の剛性を高めることができる。
すなわち、フロントバンパビーム18を左右の側壁ダクト46,68の補強部材として兼用することができる。
よって、左右の側壁ダクト46,68を下部ダクト44で補強して左右の側壁ダクト46,68の剛性を高めることができる。
よって、左右の側壁ダクト46,68の剛性を確保するために、従来必要とされていた骨材を不要にできる。
このように、左右の側壁ダクト46,68の下部54,74を下部ダクト44に設けることで、左右の側壁ダクト46,68の剛性を確保するとともに、左右の側壁ダクト46,68から補強用の骨材を不要にすることができる
よって、左側壁ダクト46のダクト取付孔54a…を下部ダクト44のダクト取付孔44d…に簡単に合わせることができる。
これにより、左側壁ダクト46のダクト取付孔54a…および下部ダクト44のダクト取付孔44d…にダクトクリップ66…を容易に嵌合させることができる。
これにより、右側壁ダクト68のダクト取付孔74a…および下部ダクト44のダクト取付孔44e…にダクトクリップ86…を容易に嵌合させることができる。
右リブ93…は、右シール部69の後壁面69bから右側壁ダクト68の内壁面68aに連なるように略三角形に形成されている。
これにより、補強用の右リブ93…で右シール部69の剛性を好適に設定することが可能になり、右シール部69の精度を高めることができる。
左リブ91…は、左シール部47の後壁面47bから左側壁ダクト46の内壁面46aに連なるように略三角形に形成されている。
これにより、補強用の左リブ91…で左シール部47の剛性を好適に設定することが可能になり、左シール部47の精度を高めることができる。
左側壁ダクトユニット41の左側壁ダクト46および左シール部47を2色成形(二色成形)を用いることなく単一のゴム材で成形できる。
右側壁ダクトユニット42の右側壁ダクト68および右シール部69を2色成形を用いることなく単一のゴム材で成形できる。
これにより、左右の側壁ダクトユニット41,42を単一のゴム材で形成することで、左右の側壁ダクトユニット41,42の成形が容易になり、左右の側壁ダクトユニット41,42のコストを抑えることができる。
上部ダクト43は、平面視で略矩形状に形成された硬質樹脂製(樹脂製)の板材である。
硬質樹脂材としては、一例として、ポリプロピレン樹脂(PP)が用いられる。
この上部ダクト43は、冷却機器16(ラジエータ31やコンデンサ32)の上側に設けられている。
これにより、車両前方の空気を上部ダクト43で冷却機器16側に冷却風として一層良好に導くことができる。
これにより、エンジンフード(図示せず)を開けた際に、フロントバルクヘッド14や冷却機器16を上部ダクト43で隠すことができるので、見栄えを良好に確保して商品性の向上を図ることができる。
下部ダクト44は、平面視で略矩形状に形成された硬質樹脂製(樹脂製)の板材である。
硬質樹脂材としては、一例として、ポリプロピレン樹脂(PP)が用いられる。
この下部ダクト44は、冷却機器16(ラジエータ31やコンデンサ32)の下側に設けられている。
なお、下部ダクト44については図6〜図9で詳しく説明する。
すなわち、左右の側壁ダクトユニット41,42および上下部のダクト43,44は、正面視で略矩形状に形成されている。
さらに、上下部のダクト43,44を硬質樹脂材で形成することで、ゴム材で形成した場合と比べて取扱いの容易化が図れ、導風ダクト構造20の取付作業を一層容易におこなうことができる。
ロアメンバー28の前端部28aに下部ダクト44の後端部101が載置され、この状態で前端部28aに後端部101が複数のロアクリップ96(図2も参照)で取り付けられている(設けられている)。
傾斜部107および水平部108は略へ字状に形成されている。
よって、衝突エネルギー吸収構造102は、傾斜部107および水平部108を衝突荷重F1で折り曲げることができるように低剛性に形成されている。
このように、衝突荷重で傾斜部107および水平部108を折り曲げることで衝突エネルギーを吸収することができる。
この状態で、突出支持部103の底部103aにバンパ底部127が複数のクリップ111で取り付けられている(設けられている)。
張出部104を高剛性に形成することで、張出部104(具体的には、前端部113)でフロントバンパフェイス19の上後辺128aを支持することができる。
上バンパフェイス122はフロントバンパビーム18の前方に設けられている。フロントバンパビーム18の前壁18eに衝突吸収部材125が設けられている。
バンパ底部127は、後端部127aがロアメンバー28に複数のクリップ129で取り付けられ、前段部127bが突出支持部103の底部103aに複数のクリップ111で取り付けられている。
図10に示すように、右シール部69の先端部69aをラジエータ31の右側縁前面31bに対して車体前方側に所定間隔S1だけ離間させた。
これにより、アイドリング時のラジエータ31の振動特性に右シール部69が影響を与えることがなく、例えば右シール部69が共振して振動が増大することを抑制できる。
これにより、車両のアイドリング時に右シール部69の先端部69aを右側縁前面31bから確実に離した状態に保つことができる。
図11(a)に示すように、車両の走行時に、車両前方の空気が左右の側壁ダクト46,68および上下部のダクト43,44(図2参照)で案内されて、冷却機器16側に冷却風(走行風)として矢印Aの如く導かれる。
右シール部69は車幅方向に張り出された弾性変形可能なゴム製の部材である。
この右シール部69に走行風圧F2を略直交させるように作用させることができる。
よって、走行風圧F2で右シール部69をラジエータ31の右側縁前面31bに向けて矢印Bの如く弾性変形させることができる。
よって、右側壁ダクト68および右側縁31c間の隙間(空間)S2を右シール部69で塞ぐことができる。
これにより、右側壁ダクト68でラジエータ31側に導いた冷却風(走行風)を矢印Cの如くラジエータ31に効率よく導くことができる。
これにより、右側壁ダクト68および右側縁31c間の隙間(空間)S2を右シール部69で一層良好に塞ぐことができる。
よって、右シール部69の先端部69aを右側縁前面31bに接触させた際に、右シール部69でラジエータ31を損傷させる虞はない。
図13(a)に示すように、車両が低速走行で矢印Dの如く移動してフロントバンパフェイス19のバンパ先端部128が障害物132に衝突する。
よって、下部ダクト44の張出部104に衝突荷重F1が矢印の如く作用する。
これにより、車両が障害物132に衝突して下部ダクト44の張出部104に衝突荷重F1が矢印の如く作用した場合に、水平部108および傾斜部107を折り曲げる。
このように、水平部108および傾斜部107を折り曲げることで、衝突エネルギー吸収構造102で衝突エネルギーを吸収して障害物132を保護することができる。
例えば、前記実施例で示したフロントバルクヘッド14、冷却機器16、フロントバンパビーム18、導風ダクト構造20、上部ダクト43、下部ダクト44、左側壁ダクト46、左側壁ダクトの下部54、バンパ取付フラップ62,82、ダクトクリップ66,86、右側壁ダクト68および右側壁ダクトの下部74などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
Claims (1)
- フロントバンパビームおよび冷却機器を支えるフロントバルクヘッド間に設けられ、車両前方の空気を前記冷却機器側に冷却風として導く車両用の導風ダクト構造において、
前記冷却機器の左右側に設けられ、かつ車体前後方向に延出されたゴム製の側壁ダクトと、
前記冷却機器の上側に設けられた硬質樹脂製の上部ダクトと、前記冷却機器の下側に設けられた硬質樹脂製の下部ダクトとを備え、
前記側壁ダクトは、前記フロントバンパビームを収納する収納凹部を有し、該収納凹部から車体内側に向けて側壁ダクトの側壁に対し略直交する取付フラップを有し、前記取付フラップが前記バンパービームの裏面に取り付けられ、
前記収納凹部の下方では、前記側壁ダクトは、前端に車体外側に向けて折り曲げた折曲片を有し、且つ下端が前記下部ダクトに前後に複数箇所で取り付けられている、
ことを特徴とする車両用の導風ダクト構造。
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