JP5016942B2 - 音楽練習支援装置 - Google Patents
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Description
前述のゼンマイ式のメトロノームが一定時間経過すると停止するため、特許文献1に記載されるような、振り子に設置された永久磁石とメトロノームの台座に設置された電磁石との間の磁力の反発力を利用して、揺動運動を維持するメトロノームが提案されている。
また、機械式メトロノームは一種の実体振り子であり、水平位置に設置されないと正しく拍子を刻むことができない。そのため、近年では、電子的に正確に計測された拍子(テンポ)を電子音やLED(Light Emitting Diode)による光表示を用いて刻む電子式メトロノームが利用されることも多く、調律器(チューナー)に組み込まれているものもある。
また、特許文献1に記載されたメトロノームをはじめ、従来の機械式メトロノームは個人利用に適したものであり、複数人による音楽練習において使用することは困難である。従来のメトロノームを単純に大型化するだけでは、振り子の負荷が大きくなり、実現が困難であったり、正しく拍子を刻むことができないといった問題がある。
また、曲調やアレンジ等によっては、例えば「3拍子」であっても、小節内で均等に3拍を刻む場合と、変則的に3拍を刻む場合があるが、従来のメトロノームではそのような変則リズムに対応することができない。
電子式メトロノームに設けられる調律機能においても同様であり、電子式メトロノームでは調律結果(正しい音階との差異等)をLEDの点滅表示や小型の液晶パネル表示等で行うため、音楽練習者にとって調律作業が煩雑となり、また、複数人による音楽練習時での使用には適さないという問題がある。
また、本発明は変則リズムの拍子の入力を受け付け、その拍子に合わせてタクトを揺動する。
図1、図2に示すように、音楽練習支援装置1は、タクト3、表示部4、拍子表示部5、操作部6、スピーカ7、楽音収集部9、ギア10、ステッピングモータ11、記憶部12、補助記憶部13、入力波形処理部14、LED15、原点センサ17、ステッピングモータ駆動部18、スピーカ駆動部19、制御部31等から構成される。
スピーカ駆動部19はスピーカ7を動作させ、タクト3の刻む拍子音や調律音等を発生する。
図6は、タクト3の正常な往復揺動動作を説明するための図である。音楽練習支援装置1のタクト3は、ステッピングモータ11の回転運動が複数の平歯車を介して、平歯車21に伝達され、さらに扇形平歯車22に伝達されて揺動する。制御部31は、操作部6から入力されたテンポに対応した駆動パルス送出タイミングを算出し、算出されたタイミングに合わせ規定パルス数Nの信号パルスをステッピングモータ駆動部18に発生させ、ステッピングモータ11に入力する。ここでは、N個のパルスで、タクト3が図6(a)に示す原点位置R0から位置L0まで移動する。位置L0においてステッピングモータ11の回転方向の転換により、タクト3が反対方向に揺動し、図6(b)に示すようにN個のパルスで、タクト3は原点位置R0に移動する。
図7は、脱調時のタクト3の動作を説明するための図である。図7(a)に示すように、原点位置R0から位置L0にタクト3が移動する途中で脱調した場合、図7(b)に示すように、タクト3は位置L0まで移動せず、位置L0の手前の位置L1で反対方向に移動する。位置L1からN個のパルスだけ移動すると、タクト3は脱調した分だけ余分に回転し、位置R0を越えて位置R1まで移動しようとする。しかしながら、タクト3が原点位置R0となった時に扇形平歯車22は右端に到達し、それ以上平歯車21と噛合する歯車がないため扇形平歯車22は動くことなく、この状態のまま、図7(c)に示すように、原点位置R0から位置R1のk(回)のパルス分(脱調したパルス数分)だけ平歯車21は空回りすることになる。
この空回り時には雑音等が発生するため、空回り回数を抑えることで雑音を抑え、タクト3を確実に原点位置に戻す原点位置出し動作が必要となる。
制御部31は、原点センサ17の出力が「ON」であるかどうかを確認する(ステップS101)。原点センサ17の出力が「ON」である場合、即ち、タクト3が原点位置R0にある場合は、規定パルス数Mのパルスをステッピングモータ11に入力する(ステップS102)。ここで、規定パルスMは空回りをさせるパルス数に相当し、設計的に任意に設定可能な数である。
また、音楽練習支援装置1では上記のように原点位置で敢えて空回りさせるため、原点センサ17はそれほど高精度の位置センサでなくてよく、タクト3が原点位置付近に移動したことを検出できれば良く、原点センサ17の設置位置の調整作業等もそれほど厳密に行う必要がない。
また、ステップS202で原点センサ17の出力が「ON」でない場合、即ち、タクト3が原点位置R0以外に存在する場合も、制御部31は回転方向フラグFrに応じた方向に回転するようにステッピングモータ11にパルスを1つ入力し、Nに(N+1)を代入する(ステップS206)。
ステップS201において駆動パルス数Nが「100」である場合、制御部31は、回転方向フラグFrの値を反転し、駆動パルス数Nと規定パルス数Mをそれぞれ「0」と初期化する(ステップS207)。
こうして、次のタイマー割り込みでは「N=N+1」となり、同様に繰り返され、Nが増加し、タクト3は回転方向フラグ「Fr=0」方向に移動する。
「N=100」となったときに、ステップS201においてタクト3の1拍分の揺動動作が終了したと判定され、ステップS207において、制御部31は「Fr=1」としてタクト3が反対方向に移動するようなパルスをステッピングモータ11に入力する。
以上の処理を繰り返すことにより、タクト3が設定されたテンポで正確に揺動する。
また、図10に示す例では拍により色を変えたが、例えば、強拍時ではタクト3の発光時間を弱拍時よりも長めに取るなど、タクト3の発光方法を変えることによって拍子を示すことも可能である。
ウィンナ・ワルツやジャズ、民族音楽などの音楽の種類や楽譜の表記などにより、1小節内を同一周期の拍で均等に分割せず、敢えて各拍の周期に変化を持たせて独特のリズム感を表現する場合がある。音楽練習支援装置1はこのような変則的なリズムの拍を刻むことが可能である。
変則リズムの入力は、操作部6と拍子表示部5を用いて行う。図12は変則リズムの設定画面例5−1を示す図である。操作部6から変則リズム設定の入力を受け付けると、制御部31は、拍子表示部5に図12に示す設定画面5−1を表示する。音楽練習者によって操作部6の設定リズム選択ボタン等が操作され、基本となる設定リズムが選択されると、制御部31はその選択を受け付け、表示画面5−1の設定リズム表示部53に設定されたリズムとその拍子を表示する。図12では、設定リズムとして3拍子が選択され、表示されている。次に、音楽練習者は、操作部6の選択ボタン等を操作して、拍子のマークの下に表示された可動ポインタ55-1、55-2を選択し、操作部6の操作ボタン(右方向カーソル、左方向カーソル等)を用いて拍子のタイミング位置を移動させ、決定する。制御部31は、音楽練習者による変則リズムの設定入力を受け付け、拍子を拍子表示部5に表示し、その拍子に合わせた駆動パルス送出タイミングを算出し、算出されたタイミングに合わせステッピングモータ11を動作させ、タクト3を動作させると共に、スピーカ7から拍子音を発生する。
このように、本音楽練習支援機器1では、通常の実体振り子を用いた機械的メトロノームでは実現不可能な変則リズムの拍子の入力を受け付け、記憶、表示すると共に、タクト3の揺動動作によって視覚的に拍子を表現することが可能である。
図13(a)はクリップ一体型のリモコン61−1を示し、図13(b)は、リモコン本体部分が1つ以上の回転可能な継ぎ手でクリップ71部分に接続されたリモコン61−2を示す。リモコン61−1、61−2には、音楽練習支援装置1の操作情報を入力する操作部6と同様の入力部と信号送信手段が設けられ、入力部から入力された操作情報データ等を信号に変換し、信号送信手段が音楽練習支援装置1に信号を無線で送信する。リモコン61−1、61−2を用いることによって、例えば、音楽練習支援装置1のメトロノーム機能と調律機能の切り替操作、テンポの設定、拍子の設定、音量設定、動作開始終了操作他、これまで説明した音楽練習支援装置1の全ての機能が操作可能である。
信号送信手段に、赤外線通信などの指向性が強い通信手段が用いられている場合は、図13(b)に示すリモコン本体部分が回転可能なリモコン61−2を用いるとよい。
3………タクト
4………表示部
5………拍子表示部
6………操作部
7………スピーカ
9………楽音収集部
10………ギア
11………ステッピングモータ
12………記憶部
15………LED
17………原点センサ
18………ステッピングモータ駆動部
19………スピーカ駆動部
21………平歯車
22………扇形平歯車
31………制御部
Claims (6)
- 駆動パルスを発生し、前記駆動パルスをステッピングモータに入力し、前記ステッピングモータを回転駆動するステッピングモータ駆動手段と、
前記ステッピングモータの回転運動を伝達する平歯車と、
前記平歯車に噛合し、前記平歯車の回転運動により往復回転運動する扇形平歯車と、
前記扇形平歯車に固定設置され、前記扇形平歯車の往復回転運動により往復揺動するタクトと、
前記タクトが原点位置に存在することを検出するセンサと、
テンポの入力を受け付ける入力受付手段と、
入力された前記テンポから、前記タクトが前記原点位置まで揺動するために規定される規定の駆動パルス数と、前記テンポに対応した駆動パルス送出タイミングとを算出する駆動パルス送出タイミング算出手段と、
前記規定の駆動パルス数と、前記駆動パルス送出タイミングと、前記平歯車を空回りさせるために規定される規定パルス数値と、前記ステッピングモータの動作中に発生している動作中の駆動パルス数と、前記ステッピングモータの動作中に前記平歯車を空回りさせるために必要な動作中の規定パルス数とを保持する保持手段と、
前記動作中の駆動パルス数と前記規定の駆動パルス数とを比較するとともに、前記動作中の規定パルス数と前記規定パルス数値とを比較する比較手段と、
を具備し、
前記駆動パルス送出タイミング毎に、
前記比較手段により、前記動作中の駆動パルス数が、前記規定の駆動パルス数と等しくないとされ、前記センサにより前記タクトが原点位置に存在しないと検出された場合、前記ステッピングモータ駆動部は、前記ステッピングモータに1パルスを入力し、
前記比較手段により、前記動作中の駆動パルス数が、前記規定の駆動パルス数と等しくないとされ、前記センサにより前記タクトが原点位置にあることが検出され、前記動作中の規定パルス数が前記規定パルス数値より小さい場合は、前記ステッピングモータ駆動部は、前記ステッピングモータに1パルスを入力し、前記平歯車を空回りさせ、
前記比較手段により、前記動作中の駆動パルス数が、前記規定の駆動パルス数と等しくなく、前記センサにより前記タクトが原点位置にあることが検出され、前記動作中の規定パルス数が前記規定パルス数値と等しい場合は、前記ステッピングモータ駆動部は、前記ステッピングモータにパルスを入力せず、
前記比較手段により、前記動作中の駆動パルス数が、前記規定の駆動パルス数と等しいと判断された場合は、ステッピングモータ駆動部はステッピングモータの回転方向を反転することを特徴とする音楽練習支援装置。 - 駆動パルスを発生し、前記駆動パルスをステッピングモータに入力し、前記ステッピングモータを回転駆動するステッピングモータ駆動手段と、
前記ステッピングモータの回転運動を伝達する平歯車と、
前記平歯車に噛合し、前記平歯車の回転運動により往復回転運動する扇形平歯車と、
前記扇形平歯車に固定設置され、前記扇形平歯車の往復回転運動により往復揺動するタクトと、
前記タクトが原点位置に存在することを検出するセンサと、
前記平歯車を空回りさせるために規定される規定パルス数値を保持する保持手段と、
を具備し、
前記ステッピングモータの回転駆動開始時に
前記センサは前記タクトが原点位置に存在しないと検出した場合、前記ステッピングモータ駆動部は、前記タクトが原点位置方向に揺動する方向に、前記ステッピングモータに駆動パルスを入力し、
前記センサは前記タクトが原点位置に存在すると検出した場合、前記ステッピングモータ駆動部は、前記規定パルス数値分の駆動パルスを前記ステッピングモータに入力し、前記平歯車を空回りさせることを特徴とする音楽練習支援装置。 - 前記タクトは発光し、その発光態様によって拍子、或いは、調律結果を表現することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の音楽練習支援装置。
- 変則リズム入力受付手段と、変則リズム表示手段と、変則リズムパルス送出タイミング算出手段と、を更に具備し、
前記変則リズム表示手段は、設定リズムに対応するタイミングの拍子を表示し、
前記変則リズム入力受付手段は、前記変則リズム表示手段に表示された前記拍子を移動し、移動により決定された拍子の入力を受け付け、
前記変則リズムパルス送出タイミング算出手段は、前記変則リズム入力受付手段により前記決定された拍子を基に駆動パルス送出タイミングを算出し、
前記ステッピングモータ駆動部は、前記変則リズムパルス送出タイミング算出手段によって算出されたタイミングで駆動パルスを前記ステッピングモータに入力することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の音楽練習支援装置。 - 変則リズム入力受付手段と、変則リズムパルス送出タイミング算出手段と、を更に具備し、
前記変則リズム入力受付手段は、入力パッドより入力されたリズムを受け付け、
前記変則リズムパルス送出タイミング算出手段は、前記変則リズム入力受付手段により受け付けたリズムを基に駆動パルス送出タイミングを算出し、
前記ステッピングモータ駆動部は、前記変則リズムパルス送出タイミング算出手段によって算出された駆動パルス数の駆動パルスを前記ステッピングモータに入力することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の音楽練習支援装置。 - 楽音信号収集手段と、楽音信号処理手段を更に具備し、
前記楽音信号収集手段は、楽音信号を取得し、
前記楽音信号処理手段は、前記取得した楽音信号の基本ピッチを求め、
前記ステッピングモータ駆動部は、前記基本ピッチと比較対象となる基準ピッチとの偏差に相当する駆動パルス数の駆動パルスを前記ステッピングモータに入力することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の音楽練習支援装置。
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