JP5016681B2 - コンテナ用連結金具 - Google Patents
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Description
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クレーンで吊り下げた状態の上段コンテナ下面の下部コーナーキャスティングに上側コーンをもって連結金具を手作業で装着する。この作業の開始時、軸は例えば第一回転停止位置又は第二回転停止位置にある。以下は軸が第一回転停止位置にある場合について説明する。軸が第一回転停止位置にある場合、上下コーンの回転位置につき、上側コーンは係合位置にあり、下側コーンは係合解除位置にある。次いで、作業としてクレーンを操作して上段コンテナを下段コンテナの真上に移動し、まっすぐに降ろしてゆく。すると第二係合構造における第一案内面の滑動、第二案内面の滑動が順次行なわれ、下側コーンが下段コンテナの上部コーナーキャスティングに自動で係合する。これにて積荷作業は終了であり、上下のコンテナは比較的小さな固縛力をもって連結される。コンテナ積載船舶の航行が好天に恵まれる等して荒天などの非常時に遭遇しない限り、上下コンテナの連結状態はこのままとされる。次いで、船舶が目的地へ到着しての荷降ろし時、クレーンで上段コンテナを下段コンテナからまっすぐ上方へ引き上げる。すると第二係合構造における第三案内面の滑動が行なわれ、下側コーンが下段コンテナの上部コーナーキャスティングから自動で取り外される。したがって、上記従来技術のように下側コーンを手動で回転操作する必要がないため、この分、荷降ろし作業を容易化することができる。次いで、クレーンで吊り下げた状態の上段コンテナ下面の下部コーナーキャスティングから上側コーンを手作業で取り外す。
上記経過の途中で例えば荒天などの非常時に遭遇した場合、乗組員の判断によって、上下コンテナの連結状態を第二係合構造による固縛力の比較的小さなものから回転連結構造による固縛力の比較的大きなものへ切り替える。すなわち、乗組員は手動で軸回転操作手段を操作して軸を一回転方向へ回転させ、軸回転停止手段で軸を第二回転停止位置で停止させる。すると上側コーンは依然として係合位置にあり、一方、下側コーンは係合解除位置から係合位置へ切り替えられ、これにより下側コーンが係合孔の内側縁辺に係合する極めて強力な固縛力が発揮される。したがって、船舶が大揺れしても荷崩れやコンテナの流出事故などが発生するのを防止することができる。次いで、非常時終了後若しくは目的地到着後、手動で軸回転停止手段を解除し、軸を復帰バネで復帰回転させ、下側コーンを係合解除位置に戻す。この状態でクレーンで上段コンテナを下段コンテナからまっすぐ上方へ引き上げると、第二係合構造における第三案内面の滑動が行なわれ、下側コーンが下段コンテナの上部コーナーキャスティングから自動で取り外される。次いで、クレーンで吊り下げた状態の上段コンテナ下面の下部コーナーキャスティングから上側コーンを手作業で取り外す。
2 ケース
2a 支持盤部
2b,2c 嵌入部
2d ストッパ部
3 軸
3a 当接部
4 上側コーン
4a,5a 係合端部
4b カム面
4c,4d,5f,5g 長手方向端部
4e,4f 短手方向端部
5 下側コーン
5b 係合部
5c 第一案内面
5d 第二案内面
5e 第三案内面
6 軸回転操作手段
7 ワイヤー
8 握り手
9 駒部材
10 復帰バネ
11 軸回転停止手段
12 口金部材
12a,12b 切欠
13 コンプレッションスプリング
21 上段コンテナ
22 下部コーナーキャスティング
23,26 係合孔
24 下段コンテナ
25 上部コーナーキャスティング
図1は、本発明の第一実施例に係るコンテナ用連結金具の正面図、図2は平面図、図3は右側面図、図4は左側面図、図5は平断面図をそれぞれ示している。また図6ないし図8は上下のコーンの回転位置の説明図、図9ないし図12は当該連結金具の作動状態説明図をそれぞれ示している。当該連結金具は、その機能及び構造からして、コンテナ固縛ツイストロックと称されることもある。尚、以下の「実施例」の欄の説明も、複数のコンテナを上下に積載する場合について説明する。したがってコンテナを甲板上に固定する場合は、以下の説明における「上段コンテナ」が「コンテナ」に、「上段コンテナの下部コーナーキャスティング」が「コンテナの下部コーナーキャスティング」に、「下段コンテナ」が「甲板上」に、「下段コンテナの上部コーナーキャスティング」が「甲板上のソケット」にそれぞれ置換される。
下段コンテナ24の上に上段コンテナ21を積載するとき、先ずクレーンで吊り下げた状態の上段コンテナ21下面の下部コーナーキャスティング22に上側コーン4をもって連結金具1を手作業で装着する。作業当初、軸3はその初動位置として第一回転停止位置(図6)にあり、上下コーン4,5の回転位置につき、上側コーン4は係合位置にあり、下側コーン5は係合解除位置にある。作業としては、図6の状態の上側コーン4を上段コンテナ21の下部コーナーキャスティング22の係合孔23の外側縁辺に強く押し付ける。するとカム面4bが係合孔23の外側縁辺と滑動することにより上側コーン4が係合位置(図6)から係合解除位置(図8)へと自動回転し、係合孔23を通過し、通過後、復帰バネ10の弾性により復帰回転して係合位置(図6)へ戻る。したがって、上側コーン4の係合端部4aが係合孔23の縁辺にその内側から係合して抜け止めされる状態となるために、連結金具1が上段コンテナ21の下部コーナーキャスティング22に吊り下げられた状態となる。
コンテナ積載船舶の航行が好天に恵まれる等して荒天などの非常時に遭遇しない限り、上下コンテナ21,24の連結状態は上記手順の終了状態(図12の状態)のままとされる。したがって下側コーン5は第二係合構造によって下段コンテナ24の上部コーナーキャスティング25に係合している。次いで、船舶が目的地へ到着して上段コンテナ21を降ろすときには、連結金具1を特に手動操作することなく、クレーンで上段コンテナ21を下段コンテナ24からまっすぐ上方へ引き上げる。このとき下側コーン5には上記所定値以上の大きさの抜け荷重が作用する。すると下側コーン5の第二係合構造における第三案内面5eが下段コンテナ24の上部コーナーキャスティング25の係合孔26の内側縁辺に対して滑動し、これにより図11に示したように、下側コーン5が係合孔26に対し平面上一方向に再度変位し、突起状係合部5bを係合孔26に対して通過可能とする。したがって図10に示したように、突起状係合部5bが係合孔26を抜け方向に通過し、下側コーン5が下段コンテナ24の上部コーナーキャスティング25から自動で取り外される。したがって、上記従来技術のように下側コーン5を手動で回転操作する必要がないために、この分、荷降ろし作業を容易化することができる。次いで、クレーンで吊り下げた状態の上段コンテナ21下面の下部コーナーキャスティング22から手動操作(軸回転停止手段11で軸3を第三回転停止位置(図8)で停止させる)によって上側コーン4を取り外す。
上記経過の途中で例えば船舶が荒天に遭遇した場合、あるいは荒天に遭遇する危険がある場合、乗組員の判断によって、上下コンテナ21,24の連結状態を第二係合構造による固縛力の比較的小さなものから回転連結構造による固縛力の比較的大きなものへと切り替える。すなわち、乗組員は手動で軸回転操作手段6を操作してワイヤー7を引っ張り、軸3を初動位置(図6)から一回転方向(上方から見て左回り)へ回転させ、軸回転停止手段11で第二回転停止位置(図7)で停止させる。すると上側コーン4は依然として係合位置にあり、一方、下側コーン5は係合解除位置から係合位置へと切り替えられ、これにより下側コーン5がその係合端部5aをもって係合孔26の縁辺に内側から係合する極めて強力な固縛力が発揮される。この強力な固縛力は、所定値以上の大きさの抜け荷重が作用しても下側コーン5が上部コーナーキャスティング25から外れないものである。したがって、船舶が大揺れしても荷崩れやコンテナの流出事故などが発生するのを未然に防止することができる。
次いで、非常時終了後若しくは目的地到着後、手動で軸回転停止手段11を解除し、軸3を復帰バネ10の弾性により戻し、下側コーン5を係合解除位置へ戻す(図6)。これにより下側コーン5は第二係合構造によって下段コンテナ24の上部コーナーキャスティング25に係合する状態に戻る。次いで、上段コンテナ21を降ろすときには、連結金具1を特に手動操作することなく、クレーンで上段コンテナ21を下段コンテナ24からまっすぐ上方へ引き上げる。このとき下側コーン5には上記所定値以上の大きさの抜け荷重が作用する。すると下側コーン5の第二係合構造における第三案内面5eが下段コンテナ24の上部コーナーキャスティング25の係合孔26の内側縁辺に対して滑動し、これにより図11に示したように、下側コーン5が係合孔26に対し平面上一方向に再度変位し、突起状係合部5bを係合孔26に対して通過可能とする。したがって図10に示したように、突起状係合部5bが係合孔26を抜け方向に通過し、下側コーン5が下段コンテナ24の上部コーナーキャスティング25から自動で取り外される。したがって、軸回転停止手段11を解除した後は上記従来技術のように下側コーン5を手動で回転操作する必要がないため、この分、上段コンテナ21の荷降ろし作業を容易化することができる。次いで、クレーンで吊り下げた状態の上段コンテナ21下面の下部コーナーキャスティング22から手動操作(軸回転停止手段11で軸3を第三回転停止位置(図8)で停止させる)によって上側コーン4を取り外す。
尚、上記第一実施例では、軸3の初動位置は、上側コーン4の回転係合構造が係合位置にあり、下側コーン5の回転係合構造が係合解除位置にありかつ第二係合構造が作動可能とされる第一回転停止位置(図6)とされているが、これに限定されるものではなく、例えば上側コーン4の回転係合構造及び下側コーン5の回転係合構造が共に係合位置にある第二回転停止位置とされる構成であっても良い。
また、図17及び図18に示す第三実施例では、上下のコーン4,5の平面形状における長手方向の交差する角度θ2はおよそ110度(上側コーン4の長手方向を基準として下側コーン5の長手方向が軸回転方向(図では左回り)におよそ110度変位)に設定されており、本願発明者らの検証によると、上下のコーン4,5の平面形状が図17及び図18に示すものである場合、このような角度設定とするとコーン4,5のコーナーキャスティング22,25に対する係合面積(係合時の接触面積)を最も大きく設定することができ、一般的には上下のコーン4,5の平面形状における長手方向の交差する角度は100〜120度(上側コーン4の長手方向を基準として下側コーン5の長手方向が軸回転方向(図では左回り)におよそ100〜120度変位)の範囲に設定するのが好適である。
Claims (6)
- 上段コンテナの下部コーナーキャスティング及び下段コンテナの上部コーナーキャスティング間又はコンテナの下部コーナーキャスティング及び甲板上のソケット間に挾まれるように配置されるプレート状の支持盤部の上下にそれぞれ前記コーナーキャスティング又はソケットの係合孔に回り止めした状態で嵌入される嵌入部を一体成形したケースと、前記ケースに回転自在に挿通された軸と、前記軸の上端に設けられるとともに前記下部コーナーキャスティング内に挿入される上側コーンと、前記軸の下端に設けられるとともに前記上部コーナーキャスティング又はソケット内に挿入される下側コーンと、手動操作により前記軸を一回転方向へ回転させる軸回転操作手段と、前記軸を復帰回転させる復帰バネと、手動操作により前記軸を所定の回転位置で停止させる軸回転停止手段と、を有し、
前記上側コーンは、下部コーナーキャスティング内に挿入されて係合解除位置から係合位置へ回転したときに当該コーンが係合孔の内側縁辺に係合する回転係合構造を有し、
前記下側コーンは、上部コーナーキャスティング又はソケット内に挿入されて係合解除位置から係合位置へ回転したときに当該コーンが係合孔の内側縁辺に係合する回転係合構造を有し、更に、上部コーナーキャスティング又はソケット内に挿入されたときに回転しなくても当該コーンの一側面に設けた突起状の係合部が係合孔の内側縁辺に係合する非回転の第二係合構造を有し、この第二係合構造を作動させるべく装着時に上部コーナーキャスティング又はソケットの係合孔の外側縁辺に対し滑動することにより下側コーンを係合孔に対し平面上変位させて係合部が係合孔を通過可能とする傾斜面状の第一案内面を係合部の下部に設け、前記係合部の通過後に上部コーナーキャスティング又はソケットの係合孔の外側縁辺に対し滑動することにより前記変位した下側コーンを復帰動させて係合部を係合孔の内側縁辺に係合する位置に移動させる傾斜面状の第二案内面を下側嵌入部に設け、取り外し時に上部コーナーキャスティング又はソケットの係合孔の内側縁辺に対し滑動することにより下側コーンを係合孔に対し平面上変位させて係合部が係合孔を通過可能とする傾斜面状の第三案内面を係合部の上部に設け、
前記軸は、回転角度を互いに異にする第一回転停止位置及び第二回転停止位置で停止可能とされ、第一回転停止位置では、上側コーンの回転係合構造は係合位置にあり、下側コーンの回転係合構造は係合解除位置にありかつ第二係合構造は係合部が係合孔に正対して作動可能とされ、第二回転停止位置では、上側コーンの回転係合構造及び下側コーンの回転係合構造は共に係合位置にあり、
当該連結金具の定常使用時、軸は第一回転停止位置で停止し、下側コーンは第二係合構造で上部コーナーキャスティング又はソケットに自動で係合し、自動で外れ、
当該連結金具の固縛力強化時、軸は第二回転停止位置で停止し、下側コーンは回転係合構造で上部コーナーキャスティング又はソケットに係合することを特徴とするコンテナ用連結金具。 - 請求の範囲第1項記載のコンテナ用連結金具において、
復帰バネは、軸の第一回転停止位置でニュートラルな状態に設定されていることを特徴とするコンテナ用連結金具。 - 請求の範囲第1項記載のコンテナ用連結金具において、
下側コーンの第二係合構造は、下側コーンの一側面に設けた突起状の係合部が上部コーナーキャスティング又はソケットの係合孔の一方の長手縁辺に係合する構造であり、前記縁辺に対する係合部の係合深さを大きく設定すべく、軸は、嵌入部が係合孔に嵌入した状態で、係合孔の中心に対して前記縁辺に近付く方向に偏心して配置されていることを特徴とするコンテナ用連結金具。 - 請求の範囲第1項記載のコンテナ用連結金具において、
下側コーンの第二係合構造は、下側コーンの一側面に設けた突起状の係合部が上部コーナーキャスティング又はソケットの係合孔の一方の長手縁辺に係合する構造であり、前記縁辺に対する係合部の係合深さを大きく設定すべく、軸は、嵌入部が係合孔に嵌入した状態で、係合孔の中心に対して前記縁辺に近付く方向に偏心して配置され、
上側コーンの回転係合構造は、上側コーンの長手方向一方の端部が係合孔の一方の長手縁辺に係合するとともに長手方向他方の端部が係合孔の他方の長手縁辺に係合する構造であり、前記両縁辺に対する両端部の係合面積を大きく設定すべく、軸の中心から上側コーンの長手方向一方の端部までの長さと軸の中心から上側コーンの長手方向他方の端部までの長さとは、係合時に軸の偏心方向に配置される方よりも反対側に配置される方が大きく設定されていることを特徴とするコンテナ用連結金具。 - 請求の範囲第1項記載のコンテナ用連結金具において、
下側コーンの第二係合構造は、下側コーンの一側面に設けた突起状の係合部が上部コーナーキャスティング又はソケットの係合孔の一方の長手縁辺に係合する構造であり、前記縁辺に対する係合部の係合深さを大きく設定すべく、軸は、嵌入部が係合孔に嵌入した状態で、係合孔の中心に対して前記縁辺に近付く方向に偏心して配置され、
上側コーンの回転係合構造は、上側コーンの長手方向一方の端部が係合孔の一方の長手縁辺に係合するとともに長手方向他方の端部が係合孔の他方の長手縁辺に係合する構造であり、前記両縁辺に対する両端部の係合面積を大きく設定すべく、軸の中心から上側コーンの短手方向一方の端部までの長さと軸の中心から上側コーンの短手方向他方の端部までの長さとは、係合時に軸の偏心方向に配置される方よりも反対側に配置される方が大きく設定されていることを特徴とするコンテナ用連結金具。 - 請求の範囲第1項記載のコンテナ用連結金具において、
下側コーンの第二係合構造は、下側コーンの一側面に設けた突起状の係合部が上部コーナーキャスティング又はソケットの係合孔の一方の長手縁辺に係合する構造であり、前記縁辺に対する係合部の係合深さを大きく設定すべく、軸は、嵌入部が係合孔に嵌入した状態で、係合孔の中心に対して前記縁辺に近付く方向に偏心して配置され、
下側コーンの回転係合構造は、下側コーンの長手方向一方の端部が係合孔の一方の長手縁辺に係合するとともに長手方向他方の端部が係合孔の他方の長手縁辺に係合する構造であり、前記両縁辺に対する両端部の係合面積を大きく設定すべく、軸の中心から下側コーンの長手方向一方の端部までの長さと軸の中心から下側コーンの長手方向他方の端部までの長さとは、係合時に軸の偏心方向に配置される方よりも反対側に配置される方が大きく設定されていることを特徴とするコンテナ用連結金具。
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