JP5014004B2 - ボイラの解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、支持構造物に吊り下げられて維持されている大型ボイラの解体方法に関する。
例えば、火力発電所では、発電用のタービンを回したり、その他必要なエネルギーを得るために、密閉された機器から高温高圧の蒸気を発生させる装置としてボイラが使用される。図6は、火力発電所で使用される大型のボイラを示した図である。大型のボイラ10は、通常1000トンを超える重量を有しており、その設置は大型の構造体である支持構造物12に上方から吊り下げられて設置されたトップサポート方式がとられている。具体的には、主に鉄骨で構成された縦支柱12aと梁12bから成る支持構造物12にその上部の天井部に該当する支持天井部12cにて吊り下げられた状態で保持されている。すなわち、支持構造物12の支持天井部12cに複数(例えば、20〜100本)の吊り棒14の一端を結合させ、他端をボイラ10の天井部に該当するボイラ天井部10aに結合させ、これにより、ボイラ10を支持構造物12の支持天井部12cから吊り下げているものである。
一般にボイラ10は、火炉部20と後伝部22とで主に構成されており、火炉部20は、通常、縦方向に長い形状を有しており、内部は空洞となっている。そして、側部壁に設置された複数のバーナー(図示せず)を使用して火炉部20内部で燃料を燃焼させ、燃焼ガスを発生させるものである。後伝部22は、火炉部20の側方に位置し、上部で火炉部20と連通した構成を有している。そして、後伝部22内部も空洞に形成されている。この火炉部20の上部から後伝部22にかけてその内部には、例えば水や蒸気を通して過熱する複数の過熱器類24(一点鎖線で示した24−1〜24−5)が設置されている。過熱器類24の具体例としては、内部に蒸気等を通すパイプが屈曲して形成された過熱器や、これと同様の構成を有する再熱器、又は節炭器(エコノマイザー)等が例示される。
火炉部20内部で発生した燃焼ガスは、図示した矢印200、202の方向に流れ、この燃焼ガスの熱を過熱器類24で熱交換し、過熱器類24で得た過熱蒸気等で発電用のタービンを回して電気的エネルギーを得るものである。また、過熱器類24で熱交換された燃焼ガス、すなわち、温度が低下した燃焼ガスは、図中二点鎖線で示した煙道26を通り、更に図示していない電気集塵器を通過して煙突から排出される。
図7は、火炉部20を構成するボイラ壁である火炉壁70の構成を示した図である。図示のように、火炉壁70は、ボイラ壁の一部であり、金属製の外壁70aと、外壁70aの内側(火炉部20の内周側)に施され、耐火材料(耐火物)で構成された内壁70bとを有している。そして、内壁70bの内側には、内部に熱交換用の液体や蒸気を通す熱交換用パイプ70cが施されており、これにより、火炉壁においても熱交換を行うものである。なお、後伝部22を構成する炉壁(煙道壁)も内部に耐火物が施されている場合が多い。
この様なボイラは、不要になった場合や取替えの必要が生じた場合に解体作業が行われる。例えば、燃焼熱の変換効率のより高い新しいボイラに取替える等の理由により、上述した大型のボイラ10を解体する必要が生じる。従来の大型のボイラ10を解体する方法としては、ボイラ10を吊り棒14による吊り下げ状態のまま周囲に足場などを組み、その足場上でボイラ10の下部から構成部材を少しずつ切断して行く方法がとられていた。この場合、切断した構成部材は、切断した位置から、クレーン等によりグランド(地面)に着地させて処理が行われていた。なお、ボイラ10の解体においては、ボイラ内部を十分に冷却し、所定の作業により過熱器やボイラ10内壁部等のパイプを大気開放した後に行われる。
大型のボイラを解体する他の技術が特許文献1に開示されている。同文献に開示された技術では、同文献の図3に示されているように、先ず、ボイラ(1)を吊り支持している建屋(2)の頂部にジャッキ(6)を設ける。次に、ボイラ(1)の下側にて、昇降フレーム(8)を、ジャッキ(6)により昇降可能な状態で吊り下げた状態にする。そして、昇降フレーム(8)でボイラ(1)を下方から支持した状態で、ボイラ(1)を最下部からブロック状(ブロックB)に切り離す。この切り離しにより、ブロック(B)は昇降フレーム(8)に搭載されるので、昇降フレーム(8)を下降させてブロックBを建屋(2)底部まで垂直搬送するものである。このようにして、ボイラ1がその最下部から順次ブロック状に除去されるものである。なお、同文献では、建屋(2)底部まで搬送されたブロック(B)は、建屋(2)に隣接する下屋(5)内に設けられた二次解体室(10)で更に細分化されて撤去される。
特開平2003−301617
上述した、ボイラの下部から構成部材を少しずつ切断し、切断した構成部材をグランド(地面)に着地させて処理する技術では次のような点に問題が生じる。すなわち、切断したボイラの部材をクレーン等を使用して着地させるので、着地地点付近では、安全性が損なわれる恐れがある。また、上述した火炉壁は、耐火材料で構成された内壁を有しており、この火炉壁が切断された場合には、耐火物が周囲に飛散することとなる。そして、この耐火物には、有害材料(いわゆる「アスベスト」など)が使用されている場合もあり、このような耐火物の飛散は、環境面からも好ましくない。
また、特許文献1に記載されたような、ボイラを下部からブロック状に切断する技術では、次のような点に問題が生じる。すなわち、例えばボイラから切離されるブロックを載せて下降される昇降フレームは、ブロックの安定保持状態を保つために水平を保って下降させなければならない。従って、昇降フレームの四隅を別々のジャッキで支持する場合、各ジャッキによる昇降フレームの下降速度をほぼ等しく調節する必要があり、この調節作業が煩わしいものとなるか、又は使用するジャッキが高価なものとなる。
更に、支持構造物内のボイラ周囲には、種々の配管や機器が設けられている。このため、このような配管や機器の間を通して昇降フレームを吊り下げるためのワイヤ等を通すことは、実際にはスペースが小さ過ぎ煩雑なものとなる。また、上部から吊り下げられた状態の昇降フレームでは揺れが発生しやすく、従って、ボイラの切断作業時には、昇降フレームの揺れを防止する必要が生じ付加的な作業を強いられることになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全面、環境面において問題がなく、容易且つ比較的安価に行なうことのできるボイラの解体方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
支持構造物に吊り下げられて保持されたボイラを部分的に切断しつつ解体するボイラの解体方法において、吊り下げ物を昇降可能な吊り下げ装置により、前記ボイラの炉壁を吊り下げ可能状態で保持する保持工程と、前記炉壁を、前記吊り下げ装置による保持部分を含み且つ前記炉壁の上端から下端に達する長さの切断部として縦方向に切断する縦切切断工程と、前記切断部を前記吊り下げ装置で保持しつつ下降させる切断部下降工程と、前記下降された切断部の下端部から搬出可能な状態に処理して除去する除去工程と、を有し、前記保持工程から前記除去工程までの一連の工程により、前記炉壁が順次解体されることを特徴とする。
この構成によれば、ボイラの炉壁を上端から下端まで伸びる切断部として、かつその切断部を保持した状態で切断するので、ボイラ炉壁は縦切りされる。従って、ボイラ炉壁の縦切り切断作業後の解体処理が円滑かつ効率的なものとなる。すなわち、切断部を下降させ、切断部の下端部から処理して搬出するので、地上での処理作業が可能となり、除去工程における高所作業時間が減縮され、作業の円滑性も向上する。これにより、ボイラの解体を迅速且つ安全に行うことが可能となる。
請求項2に記載の発明は、
前記ボイラが、それぞれが略四角柱形状を有する火炉と後伝部とを上部で連結させて構成され、前記縦切切断工程は、前記略四角柱の一つの面の炉壁を全体として切断することにより行なわれることを特徴とする。
この構成によれば、縦切切断工程の縦切りで、炉壁を構成する1つの全体壁面ごとに切断が行なわれるので、少ない切断回数で上記効率的な解体作業を進めることができる。
請求項3に記載の発明は、
前記縦切切断工程は、前記炉壁が所定間隔で短冊状に切断されることを特徴とする。この構成によれば、炉壁が短冊状に切断されるので、切断部の幅が狭くなり、切断部の軽量化が図られ、更に吊り下げ装置による切断部の吊り下げ保持が容易となる。また、吊り下げ装置として小出力のものを使用することができ、ボイラ解体の容易化が図られる。
請求項4に記載の発明は、
前記除去工程は、切断部下降工程で前記下降されてきた前記切断部を、前記吊り下げ装置で吊下げ状態を維持しつつ、順次下端部位置から所定範囲ずつ切断する動作を含むことを特徴とする。
この構成によれば、縦切切断工程で切断された切断部が、下降工程で下降された状態で引き続き下端部から切断して処理されることとなる。従って、高所作業が低減し、安全性の向上が図られる。
請求項5に記載の発明は、
前記縦切切断工程前に、前記ボイラを構成する後伝部と火炉部との接続部近傍で、本設された状態の過熱器類を、前記支持構造物の天井部側から仮吊り下げした状態とする過熱器仮吊下工程と、前記過熱器類の前記本設状態を切断して解除する過熱器取付部の切断工程とを行なうことを特徴とする。
この構成により、過熱器類がボイラ内壁部と切り離された状態でボイラ内部にて吊り下げ保持される。従って、ボイラの炉壁を縦切りにする縦切切断工程や切断部下降工程を行う過程で過熱器類がじゃまにならず、炉壁を縦切りにするだけで切断部が、吊り下げ装置で保持されて下降可能な状態となる。従って、ボイラ炉壁と過熱器のそれぞれの除去を容易に行うことができる。
本発明のボイラの解体方法によれば、ボイラの炉壁を吊り下げた状態で上端部から下端部まで縦切りに切断して下降させて除去するので、切断作業後の解体処理の円滑化、効率化が図られ、更に高所作業の低減が図られる。これにより、ボイラの解体作業が単純化されると共に安全且つ迅速なものとなる。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1(A)、(B)は、ボイラを解体する手順を説明した図である。ここで、本実施の形態は、図6に示した従来の大型のボイラ10を解体する各工程を例示している。図1(A)は、ボイラを解体する手順の初期段階である保持工程及び縦切切断工程を示している。
同図に示したように、保持工程では火炉部20の炉壁20aを除去するために、吊り下げ装置30を設けている。本実施の形態では、吊り下げ装置30は、滑車32(32−1〜32−4)と、滑車取付体33と、ワイヤー34と、駆動部36とで主に構成されている。そして、支持構造物12の支持天井部12cにおいて、切断するボイラ炉壁である炉壁20aを保持可能な位置に、滑車32−1、32−2を取付固定し、更に駆動部36も取付固定している。ここで、炉壁20aは、火炉部20の四面の炉壁を構成する1側面である。
また、炉壁20aの上端には、滑車取付体33が取り付けられており、滑車取付体33には滑車32−3、32−4が固定されている。そして、ワイヤー34は、その一端を支持天井部12cに連結した状態で、滑車32−3から32−1へと掛け渡され、更に32−2と32−4に掛け渡されている(保持工程)。この状態で、支持天井部12cに設けられた駆動部36で、ワイヤー34の他端側の巻取と繰出を行なうようにしている。
これにより、駆動部36からワイヤー34を繰出すと、上記各滑車32をワイヤー34が移動し、支持天井部12cに連結した部位から駆動部36までのワイヤー34の長さが長くなる。従って、滑車32−3、32−4が下降し、これと共に炉壁20aが下降する。なお、滑車取付体33の支持天井部12cや炉壁20a上端部への取付けは、例えばボルト止めや、溶接により行なわれる他、炉壁20a上端部を穿孔し、この穿孔部にワイヤーを玉掛けすることにより行なわれる。
この保持工程が終了した後、次に炉壁20a全体が1つの切断部となるようにボイラ10の炉壁(側壁)の切断を行なう。すなわち、炉壁20aは、全体がその上端から下端までの略板形状に縦切りされた状態となる。なお、本実施の形態では、炉壁20aの切断は、図1(A)に示した切断ラインC1、C2に沿って、ガスバーナーを使用して行なわれる。
図1(B)は、切断部下降工程を示した図である。図1(A)に示した縦切切断工程終了後、同図に示したように、上述のワイヤー34の繰出しが行なわれ、炉壁20aが下降される(切断部下降工程)。そして、切断部下降工程の終了後、切断部である炉壁20aの一面全体を処理して除去する除去工程を行う。
図2(A)〜(D)は、図1に示した実施の形態において、除去工程を示した図である。ここで、図2(A)は、除去工程の最初の段階を示している。ここで、上述した切断部下降工程により、炉壁20aは、吊り下げ装置30に吊り下げられて略直立した状態でその下端が地面(グランド)17近傍に位置されている。この状態で、炉壁20aの下端部から、図中一点鎖線L1で示した高さ範囲(例えば、地面17から1〜2mの高さ範囲)までの部分X1を切断して着地させ、搬出用の小部分とする。この着地は、ほぼ地面17に近い位置で行なわれるので危険性はない。切断除去された部分X1は、支持構造物外部に引き出され、適宜、運搬車等を使用して搬出される。
図2(B)は、図2(A)に示した状態から、その下端部付近の切断除去が行われ、次の切断除去を行なうために炉壁20aが吊り下げ装置30で下降された状態が示されている。図示のように、図中一点鎖線L2で示した高さ範囲までの部分X2を、再度、搬出用の小部分に切断して着地させ、部分X1の場合と同様の除去が行われる。部分X2の除去後は、吊り下げ装置30で更に炉壁20aの下降を行なう。この様に、炉壁20aの下降と炉壁20aの下端部付近の切断除去を繰り返し行なうものである。
図2(C)は、炉壁20aの除去工程が図2(B)に示した状態から更に進行した状態を示している。同図に示した状態では、図中一点鎖線L3で示した高さ範囲までの部分が切断される。このように、炉壁20aが下端部から上側へと小部分に切断されて順次除去されて行く。
図2(D)は、炉壁20aの除去工程が最終的な段階まで進行した状態を示している。同図に示した部分Xnは、炉壁20aの最後の切除部分である。図示のように部分Xnの下端部を地面17の近傍にまで下降させ、そして、滑車32−3、32−4の取付部分である滑車取付体33の切り離しを行う。この切り離しにより、部分Xnが地面17上に着地し、炉壁20aが全て除去処理される。部分Xnの除去後には、火炉部20については残り三面の炉壁が未除去になっている。これら三面の炉壁も後に順次除去解体されて行く。
なお、ボイラ10の炉壁が縦切切断工程等で除去されて行く過程で、ボイラ10の炉壁の未除去部位をワイヤーや鉄骨材料で補強する作業を適宜行うようにしても良い。
図3(A)〜(D)は、図1、2に引続いてボイラ10の炉壁22を解体する手順を示した図である。図3(A)は、保持工程を示した図である。同図では、図1、2で示した炉壁20aの除去が完了した後に、吊り下げ装置30を移動させ、後伝部22の炉壁22aを保持可能な位置に設けている。ここで、吊り下げ装置30の設置方法は、図1(A)で示したものと同様である。また、炉壁22aには、後伝部22と火炉部20の連通部の炉壁も含まれている。
図3(B)は、縦切切断工程と、切断部下降工程を示した図である。図3(A)に示した保持工程が終了した後、炉壁22aを切断する作業を行なう(縦切切断工程)。縦切切断工程終了後、同図に示したように、吊り下げ装置30の駆動部36を操作して、炉壁22aを下降させる(切断部下降工程)。そして、引き続き除去工程を行う。すなわち、切断部下降工程で下降された炉壁22aを、吊り下げ装置30で維持しつつ、炉壁22aの下端から図中一点鎖線L1で示した高さ範囲までの部分Y1を切断して地面17上に着地させる。
図3(C)は、図3(B)に示した状態から更に除去工程を行った状態を示している。このように、部分Y1を切断した後に炉壁22aの下端部を地面17付近にまで下降させる。そして、炉壁22aの下端部から図中一点鎖線L2で示した高さ範囲までの部分Y2を切断して地面17上に着地させる。この作業の繰り返しにより、炉壁22aを地面17上に載置することなく、吊り下げ装置30で吊り下げた状態で、その下側から除去処理するものである。
図3(D)は、除去工程により炉壁22aが最終的段階にまで除去された状態を示している。同図では、最終的な部分Ynが残された状態まで除去処理が進行している。この部分Ynの上端部に取り付けられている滑車取付体33の切り離しを行い、部分Ynを地面17上に着地させる。これにより炉壁22aの全てが除去される。このように、炉壁22aの全体が小部分に切断されて除去処理される。炉壁22aの除去とその処理が終了した後は、ボイラ10の他の炉壁を同様に順次除去し、最終的にはボイラ10の炉壁の全てが除去される。
この構成によれば、ボイラ10の炉壁を上端から下端まで伸びる切断部として、且つその切断部を保持した状態で切断するので、ボイラ10の炉壁は縦切りされる。従って、その切断作業は、円滑かつ効率的なものとなる。また、切断部としてボイラ10から切断された炉壁20aや炉壁22aを下降させ、この切断部を下端部から処理して搬出するので、地上での処理作業が可能となり、除去工程における高所作業の危険が解消される。これにより、ボイラ10の解体を迅速且つ安全に行うことが可能となる。
特に本実施の形態では、切断部下降工程で、吊り下げ装置30のワイヤー34が、切断部(例えば、炉壁20a)の直上から垂下することになるので、ワイヤー34を垂下させるために、ボイラ10の周辺機器等の除去を行なう必要が殆どなくなり、高所作業の低減と円滑な解体作業の向上が達成される。更に、縦切切断工程で、ボイラ10の炉壁の所定領域が上端部から下端部までの縦切して除去されるので解体作業全体の効率化と単純化が図られる。そして、縦切切断工程での縦切りで、炉壁を構成する1つの全体壁面ごとに切断が行なわれるので、少ない切断回数で上記効率的な解体作業を進めることができる。
図4(A)〜(C)は、ボイラ10の炉壁を除去する他の実施の形態を示した図である。ここで、図1〜3に示したものと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態の特徴的な事項は、ボイラ10の炉壁がその上端部から下端部にかけて、所定幅の短冊状に切断されて除去されるという点である。図4(A)〜(C)では、縦切切断工程で短冊状に切断される部位として、火炉部20の四面の内の1つの炉壁20aと炉壁22aが示されている。
図4(A)は、保持工程を示した図である。同図に示したように、本実施の形態では、吊り下げ装置40は、駆動部42とワイヤー44と取付部46とで主に構成されている。取付部46は炉壁20aの切断部となる第1短冊部分20a−1の上端部に固定されている。駆動部42は、取付部46の上部位置にて支持天井部12cに取付固定されており、駆動部42と取付部46とをワイヤー44で連結し、駆動部42でワイヤー44の巻取と繰出を行なうようにしている。第1短冊部分20a−1は、図中、破線で示したラインC3に沿って切断することにより形成される(縦切切断工程)。この切断で、第1短冊部分20a−1は、炉壁20aの上端から下端に達する長さの短冊状の切断部として切断される。そして吊り下げ装置40で吊り下げ保持された状態となる。
図4(B)は、切断部下降工程を示した図である。第1短冊部分20a−1に切断する縦切切断工程が終了した後、吊り下げ装置40を作動させ、すなわち、駆動部42を操作してワイヤー44の繰出を行い、第1短冊部分20a−1を下降させる(切断部下降工程)。切断部下降工程の終了後、第1短冊部分20a−1について、図2に示した実施の形態で説明したものと同様の除去工程を行う。すなわち、一点鎖線L1で示した高さ範囲で第1短冊部分20a−1の除去を行い、更にこの切断部を下降させ、同様の除去作業を繰り返し、第1短冊部分20a−1を下方から除去する。第1短冊部分20a−1の除去後、次に第2短冊部分20a−2を除去するための作業を行う。第2短冊部分20a−2は、破線で示されたラインC4に沿った炉壁20aの切断により、第1短冊部分20a−1に隣接する位置に形成される。第2短冊部分20a−2を除去するため、先ず、保持工程で、吊り下げ装置40を移設し、該装置により第2短冊部分20a−2を保持可能な状態を形成する。この後縦切切断工程を行なう。
図4(C)は、吊り下げ装置40を移設した後の、次の縦切切断工程と、切断部下降工程を示した図である。このように、縦切切断工程で、炉壁20aの第2短冊部分20a−2を短冊状に切断する。そして、切断部下降工程で、吊り下げ装置40による第2短冊部分20a−2の下降を行なうものである。切断部下降工程の終了後、第2短冊部分20a−2について、第1短冊部分20a−1について行ったものと同様の除去工程を行う。第2短冊部分20a−2の除去後には、図中の破線C5に沿った切断により形成される第3短冊部分20a−3の除去作業が上記と同様の作業内容で行われる。このようにして、ボイラ10の炉壁が順次短冊状に切断除去され、更に、地面17付近で順次下端部位置から所定範囲ずつ切断部を切断して行くものである。
本実施の形態の構成によれば、ボイラ10の炉壁が短冊状に切断されるので、切断部の幅が狭くなり、切断部の軽量化が図られ、吊り下げ装置として小出力のものを使用することができる。そして切断部が縦方向に長い形状となるので、吊り下げ装置40によるバランスのとれた支持状態の形成が容易になる。特に本実施の形態では、切断部分の上端部を1箇所の取付部46で保持する構成になっており、保持工程での作業が容易なものとなる。
ここで、図2で示した除去工程の他の実施の形態として、切断部下降工程で下降させた切断部を水平方向に引き出して、着地状態で小切りにしても良い。ボイラ10の炉壁は縦切切断工程で略板状に切断されているので、このような引き出し作業は比較的容易に行なうことが可能となる。
図5(A)、(B)、(C)は、本発明にかかるボイラの解体方法の実施の形態に対する付加的工程を示した図である。ボイラ10の炉壁が全て除去された後に、ボイラ10内部に設けられた過熱器類24(24−1〜24−5)の除去を行なう。図5(A)は、ボイラ10の炉壁が全て除去された状態を示している。図示のように、過熱器類24は、本設状態が解除され、支持構造物12の支持天井部12cからワイヤー48で解体作業用に予め吊り下げ固定された、仮吊り下げ状態となっている(過熱器仮吊下工程)。更に、過熱器仮吊下工程を行なった後に過熱器類24のボイラ炉壁との固定箇所が切断され、本設状態が解除されている(過熱器取付部の切断工程)。この過熱器仮吊下工程と過熱器取付部の切断工程とは、切断部下降工程の前に予め行なわれる。なお、本実施の形態では、過熱器類24−1と過熱器類24−2とが個々の状態で、そして、過熱器類24−3〜24−5が縦方向に並べられた状態で、ワイヤー48で吊り下げられている。
図5(B)は、過熱器類24を除去するために、吊り下げ装置50を設置した状態を示した図である。同図に示したように、吊り下げ装置50は、滑車52と、滑車取付体53と、ワイヤー54と、駆動部56とで主に構成されている。そして、過熱器類24に滑車取付体53を介して滑車52を取付け、駆動部56を支持天井部12cに設けている。この状態で、一端を支持天井部12cに固定したワイヤー54を滑車52に掛け、ワイヤー54の他端部側で、駆動部56によるワイヤー54の繰出と巻取を行なうものである。この設置作業により、過熱器類24は吊り下げ装置50で保持された状態になる。そして、吊り下げ装置50の設置作業が終了した後、過熱器類24−3に設けられていたワイヤー48を取外す。このように、過熱器類24をワイヤー48で固定した状態から吊り下げ装置50で吊り下げた状態への移行が容易に行なわれる。
図5(C)は、吊り下げ装置50を使用して過熱器類24を下降させる状態を示した図である。本実施の形態では、過熱器類24−3〜24−5を、これらが縦に並んだ状態で一度に下降させるようにしている。具体的には、駆動部56を操作してワイヤー54を繰出すことにより過熱器類24−3〜24−5が下降される。このようにして、支持構造物12の支持天井部12cから吊り下げられて固定されている過熱器類24の全てを吊り下げ装置50を使用して下降させ、除去するものである。
以上の構成により、過熱器類24がボイラ10の内壁部と切り離された状態でボイラ10の内部にて保持される。従って、ボイラ10の炉壁を縦切りにする縦切切断工程の過程で、過熱器類24を処理する必要がなくなり、炉壁を切断するだけで切断部が吊り下げ装置36による下降可能な状態になる。従って、ボイラ10の炉壁と過熱器24のそれぞれの除去を容易に行うことができる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、図4(A)〜(C)に示した実施の形態では、炉壁20aを第1短冊部分20a−1〜第3短冊部分20a−3の3部分に切断除去しているがこれに限られるものではない。例えば炉壁20aを4部分の短冊状部分にして切断除去するようにしても良い。
実施の形態に係るボイラの解体手順を示した図であり、(A)は、保持工程及び縦切切断工程、(B)は切断部下降工程をそれぞれ示した図である。 実施の形態に係る除去工程を説明した図であり、(A)は、除去工程の最初の段階、(B)は炉壁を下降させた状態、(C)は炉壁の除去工程が(B)に示した状態から更に進行した状態、(D)は、炉壁の除去工程が最終的な段階まで進行した状態をそれぞれ示した図である。 図2に示した状態から引続いてボイラを解体の手順を説明した図であり、(A)は保持工程、(B)は、縦切切断工程と切断部下降工程、(C)は(B)に示した状態から更に除去工程を行った状態、(D)は、除去工程により切断部が最終的段階にまで除去された状態をそれぞれ示した図である。 ボイラの炉壁を除去する他の実施の形態を説明した図であり、(A)は保持工程、(B)は縦切切断工程と切断部下降工程、(C)は更に縦切切断工程と切断部下降工程をそれぞれ示した図である。 本発明にかかるボイラの解体方法の他の実施の形態を示した図であり、(A)は過熱器仮吊下工程と過熱器取付部の切断工程が行われた状態、(B)は過熱器類に吊り下げ装置を設置した状態、(C)は吊り下げ装置を使用して過熱器類を下降させる状態をそれぞれ示した図である。 火力発電所で使用される大型のボイラを示した図である。 火炉部を構成するボイラ壁である火炉壁の構成を示した図である。
符号の説明
10 ボイラ
10a ボイラ天井部
12 支持構造物
12c 支持天井部
17 地面
20 火炉部
20a 炉壁
22 後伝部
24 過熱器類
30、40、50 吊り下げ装置
32、52 滑車
33、53 滑車取付体
34、44、48、54 ワイヤー
36、42、56 駆動部
46 取付部

Claims (5)

  1. 支持構造物に吊り下げられて保持されたボイラを部分的に切断しつつ解体するボイラの解体方法において、
    吊り下げ物を昇降可能な吊り下げ装置により、前記ボイラの炉壁を吊り下げ可能状態で保持する保持工程と、
    前記炉壁を、前記吊り下げ装置による保持部分を含み且つ前記炉壁の上端から下端に達する長さの切断部として縦方向に切断する縦切切断工程と、
    前記切断部を前記吊り下げ装置で保持しつつ下降させる切断部下降工程と、
    前記下降された切断部の下端部から搬出可能な状態に処理して除去する除去工程と、
    を有し、
    前記保持工程から前記除去工程までの一連の工程により、前記炉壁が順次解体されることを特徴とするボイラの解体方法。
  2. 前記ボイラが、それぞれが略四角柱形状を有する火炉と後伝部とを上部で連結させて構成され、前記縦切切断工程は、前記略四角柱の一つの面の炉壁を全体として切断することにより行なわれることを特徴とする請求項1に記載のボイラの解体方法。
  3. 前記縦切切断工程は、
    前記炉壁が所定間隔で短冊状に切断されることを特徴とする請求項1に記載のボイラの解体方法。
  4. 前記除去工程は、
    切断部下降工程で前記下降されてきた前記切断部を、前記吊り下げ装置で吊り下げ状態を維持しつつ、順次下端部位置から所定範囲ずつ切断する動作を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のボイラの解体方法。
  5. 前記縦切切断工程前に、
    前記ボイラを構成する後伝部と火炉部との接続部近傍で、本設された状態の過熱器類を、前記支持構造物の天井部側から仮吊り下げした状態とする過熱器仮吊下工程と、
    前記過熱器類の前記本設状態を切断して解除する過熱器取付部の切断工程とを行なうことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のボイラの解体方法。
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