JP4009309B1 - ボイラ及び支持構造物の解体方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ボイラとボイラを内部で吊り下げて支持する支持構造物を、安全面において問題がなく、容易且つ迅速に解体することのできる解体方法を提供すること。
【解決手段】
支持構造物12及びボイラ10と、支持構造物12の周囲に設置された配置物との間の結合部を切り離す分離工程と、支持構造物12を、支持高さ位置の調整可能な複数の支持装置42を設置することにより、ボイラ10及び支持構造物12を支持する支持工程と、支持工程による支持状態を維持しつつ、ボイラ10及び支持構造物12の、支持装置42による支持高さ位置より下方部分を除去する除去工程と、支持装置42による、ボイラ10及び支持構造物12の支持高さ位置を下降させる下降工程と、を備え、支持工程と除去工程と下降工程とを繰り返し、ボイラ10及び支持構造物12をその下側から順次除去して解体する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラ及び該ボイラを内部で吊り下げて保持する支持構造物を解体する方法に関する。
例えば、火力発電所では、発電用のタービンを回すため、或いはその他の必要なエネルギーを得るために、密閉された機器から高温高圧の蒸気を発生させる装置としてボイラが使用される。このボイラの設置方法には種々のものがあるが、大型のボイラでは、支持構造物の内部において、該支持構造物の上部からこのボイラを下方に吊り下げて保持するいわゆるトップサポート方式が広く採用されている。
図4は、民間及び電力会社の火力発電所で使用されるボイラを示した説明図(断面図)である。ボイラ10は、通常1000トンを超える重量を有しており、その設置には上述したトップサポート方式がとられている。ボイラ10は、発電に使用される通常のボイラの構造を有している。すなわち、ボイラ10は、火炉部30と後伝部32とで主に構成されており、火炉部30の内部は空洞となっている。そして、火炉部30の側部壁に設置された複数のバーナー(図示せず)を使用して火炉部30内部で燃料を燃焼させ、燃焼ガスを発生させるものである。後伝部32は、火炉部30の側方に位置し、上部で火炉部30と連通した構成を有している。後伝部32内部も空洞に形成されており、この空洞部に、例えば水を過熱して蒸気にする複数の過熱器34(過熱器34−1〜34−5)等が設置されている。
火炉部30内部で発生した燃焼ガスは、図示した矢印200、202の方向に流れ、この燃焼ガスの熱を過熱器34で熱交換し、発電用のタービンを回す等して電気的エネルギーを得る。また、過熱器34で熱交換された燃焼ガス、すなわち、温度が低下した燃焼ガスは、煙道36を通り、更に図示していない電気集塵器を通過する。ここで、過熱器34の具体例としては、内部に水や蒸気を通すパイプが屈曲して形成された過熱器(スーパーヒーター)や、これと同様の構成を有する節炭器(エコノマイザー)等が例示される。
上述のようにボイラ10を内部で吊り下げて支持する支持構造物12は、側面を形成する側部14と天井面を形成する天井部16とで主に構成されている。側部14は、支持構造物12の設置面18から縦方向に設けられた複数本の柱20と、柱20間を横方向に連結する横梁22を有しており、通常これらは鉄骨製である。天井部16には、鉄骨製の天井梁26が設けられ、天井梁26に一端が固定された複数の吊り棒28によりボイラ10を天井梁26から下方に吊り下げている。
図5は、火炉部30を構成する火炉壁38の構成を説明した図である。図示のように、火炉壁38は、ボイラ壁の一部であり、金属製の外壁38aと、外壁38aの内側(火炉部30の内周側)に施され、耐火材料(耐火物)で構成された内壁38bとを有している。ここで、耐火材料にはアスベストが含まれている場合が多い。そして、内壁38bの内側には、内部に熱交換用の液体や蒸気を通す熱交換用パイプ38cが施されており、これにより、火炉壁においても熱交換を行うものである。なお、後伝部32を構成する後伝壁も内部に耐火物が施されている場合が多い。
ここで、より高い燃焼効力を有する構造の新しいボイラに取替える等の理由により、上述した大型のボイラ10とこれを支持する支持構造物12を解体する必要が最近になって生じてきている。
大型ボイラ10及び支持構造物12を解体する従来技術としては、先ず、ボイラ10を吊り棒28による吊り下げ状態のまま周囲に足場などを組み、その足場上でボイラ10の下部から構成部材を少しずつ切断して行く方法がある(第1の従来技術)。この場合、切断した構成部材は、切断した位置から直接グランド(地面)に落下させて処理を行なう。 そして、ボイラ10の解体終了後、残存部位である支持構造12を上部から切断除去して行く。ここで、支持構造12の切断した構成部材は、ボイラ10の切断除去の場合と同様、切断した位置から直接グランドに落下させるか、又はクレーン等を使用して吊り下げた状態で下降される。
ボイラ及びボイラの支持構造物(ボイラ建屋)を解体する他の技術が特許文献1に開示されている(第2の技術例)。同文献に開示された技術では、ボイラ及びボイラ建屋の解体を、主としてA工程〜E工程の5工程で行っている。すなわち、先ず、A工程で、ボイラ(1)を吊す部位である本設梁3上で、ジャッキ(5)を所定状態に設置する(同文献図2参照乞う)。次に、同文献の図4に示されているように、ジャッキ(5)の伸長部であるワイヤ(吊り材)6を本設梁3に掛止する(B工程)。
次に、同文献の図6に示されているように、本設梁3の、ボイラ1を実際に吊っている領域をボイラ建屋から切り離す(C工程)。この状態では、ボイラ(1)は、切り離された本設梁3とこれに掛止されたワイヤ6とを介して、ボイラ建屋の上部に残っているジャッキ(5)で吊るされた状態となる。
そして、同文献の図7、8に示されているように、ジャッキ(5)の操作によりボイラ(1)を下降させつつ、ボイラ(1)を下部から除去して行く(D工程、E工程)。そして、ボイラ(1)の解体終了後、同文献の図10のように、ボイラ(1)が除去されたボイラ建屋を上部から解体するものである(F工程)。
特開平11−270154
上述した、第1の従来技術及び第2の技術例の何れの技術でも、解体手順として、先ずボイラを全て除去し、この後に支持構造物を上部から解体する必要がある。すなわち、両従来技術とも、ボイラの解体除去とボイラを支持する支持構造物の解体除去とをそれぞれ時を異にして別の工程で行う必要がある。このため、ボイラと支持構造物とを合わせた全体の解体工程が長期間を要するものとなる。また、ボイラを除去するための工程と、支持構造物を除去するための工程で必要となる装置の準備や後処理がそれぞれ個別に必要となり、全体としての作業が煩雑なものとなる。更に、第1の技術例においては全般的に、第2の技術例ではボイラを除去するためのジャッキの設置等の準備段階(A〜C工程)と、支持構造物の除去作業時(F工程)に、高所作業が発生し、このため、解体作業に危険が伴うことになる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高所作業をなくし、安全で容易且つ迅速に行うことのできる大型ボイラとボイラの支持構造物の解体方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のボイラ及び支持構造物の解体方法は、
骨製の複数本の柱と該柱間を横方向に連結する鉄骨製の複数段の横梁を主たる構成要素とする支持構造物の内部で吊り下げられて支持されたボイラを解体する方法において、前記支持構造物及び前記ボイラと、前記支持構造物の周囲に設置された配置物との間の結合部を切り離し、前記ボイラ及び前記支持構造物を前記配置物から分離する分離工程と、前記支持構造物を前記柱と前記横梁の所定の高さ位置でそれぞれ支持する支持高さ位置調整可能な複数の支持装置を設置することにより、前記ボイラ及び前記支持構造物を下方から支持する支持工程と、該支持工程による支持状態を維持しつつ、前記ボイラ及び前記支持構造物の前記支持装置の支持高さ位置より下方部分を除去する除去工程と、該除去工程終了後、前記支持装置による前記ボイラ及び前記支持構造物の支持高さ位置を下降させる下降工程と、を備え、前記支持工程と前記除去工程と前記下降工程とを繰り返し、前記ボイラ及び前記支持構造物をその下側から順次除去して解体することを特徴とする。
これにより、ボイラとボイラの支持構造物全体を下方から支持しつつ下部からほぼ同時に除去解体することができる。従って、ボイラの解体作業を待ってその後、支持構造物を別個に解体する必要がなく、全体として解体作業を迅速に行うことができる。そして、解体除去作業が、除去工程により、ボイラと支持構造物の下方部分から除去して行われ、この除去が地面(設置面)に近い位置での作業で可能であり、全工程において高所作業がほとんど発生しない。従って、解体作業の安全性が確保される。更に、除去工程で除去したボイラと支持構造物の下方部分の、解体作業場からの運搬も容易な手段で可能となり、除去部分の迅速な処理が達成される。
請求項2に記載のボイラ及び支持構造物の解体方法は、
前記支持装置は、所定範囲で略鉛直方向に伸縮可能な伸縮部を有し、前記支持装置による前記ボイラ及び支持構造物の支持が、前記伸縮部を伸長させて、該伸縮部の上端部を前記支持構造物の構成部位に下方から押し当てて行なわれることを特徴とする。
これにより、支持工程における支持装置による支持構造物の支持が、伸縮部を伸長させるという容易な操作で可能となる。また、下降工程では、伸縮部を収縮させることにより、ボイラと支持構造物を下降させることができる。このように、伸縮部が上下に動くだけで、ボイラ及び支持構造物の支持状態の形成と、下降工程を行なうことができ、敷地内での作業が容易なものとなる。
請求項3に記載のボイラ及び支持構造物の解体方法は、
前記繰り返しにおける支持工程は、その時点で前記支持を行なっている支持装置とは別の新たな支持装置を複数箇所に設置し、該新たな支持装置により、現支持高さよりも高い位置で支持することにより行なわれることを特徴とする。
この構成は、支持装置をそれぞれ1群で全体構造物を支持可能な2つの群を用いる様にしたものである。その2つの支持装置群により交互に、支持工程、下降工程、除去工程を繰り返すものである。これにより、複数の支持装置を用いた作業の円滑化と、ボイラと支持構造物の安定した支持状態の維持が可能となり、作業の安全化にも貢献する。
請求項4に記載のボイラ及び支持構造物の解体方法は、
前記繰り返しにおける支持工程は、前記支持を行なっている支持装置の内、一部の支持装置が支持している前記ボイラ及び前記支持構造物の下部部分を除去する部分除去作業と、前記一部の支持装置の前記伸縮部を伸長させ、前記支持構造物を下方から再度支持する再支持作業と、を有し、支持動作中の全ての支持装置の前記部分除去作業と再支持作業とが終了するまで部分除去作業と、再支持作業とを繰り返して行ことを特徴とする。
この構成は、最初に設置した1つのグループの支持装置群をそのまま使用するものであり、繰り返しにおける支持工程(再指示作業)をその支持装置群の中の一部の支持装置ずつ順次行い、全体の支持装置による支持位置を上げて行くものである。したがって、途中で新たな支持装置を設置する作業を行う必要がなく、作業の円滑性を向上させることができる。
請求項5に記載のボイラ及び支持構造物の解体方法は、前記除去工程を行う時に、前記ボイラ内部が負圧に設定されることを特徴とする。
これにより、除去工程における、ボイラの除去作業時に、ボイラ壁を構成する金属や耐火物の粉がボイラ外部に噴出すことがなく、ボイラ内部に吸引されることとなる。従って、除去工程における作業で環境面での問題が発生することを確実に防止できる。ここで、ボイラ内部を負圧に設定する方法としては、吸引管をボイラ上部に設け、これによりボイラ内部の空気を上方から吸引する方法が例示される。
本発明のボイラ及び支持構造物の解体方法によれば、ボイラと支持構造物とを同時に下降させつつ、更にその下側からほぼ同時に除去して行くことができる。従って、下方位置での解体作業が可能となり、高所での作業がほぼ解消され、安全性の高い解体作業を行うことができる。また、ボイラと支持構造物をほぼ同時に解体できることから、作業の容易性や低廉性も向上する。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図1(A)、(B)及び図2(A)、(B)は、本発明の実施の形態にかかるボイラ及び支持構造物の解体方法の手順を示す説明図である。本実施の形態では、ボイラ10と支持構造物12を解体するために支持装置42で構成される1つの支持装置群と支持装置44で構成される他の支持装置群とを使用している。
本実施の形態は、上述した図4の従来のボイラ10と支持構造物12を解体する状況を例として説明するが、支持構造物12の構造は図示の明瞭化のため形態を変更して示しており、ボイラ10等の構成も概略形状のみを示している。なお、支持構造物12には、最下段に位置する横梁22−1から最上段に位置する横梁22−9まで9段の横梁22が設けられている。
まず、図1(A)は、最初に行なわれる工程である分離工程及びこれに続く支持工程が完了した状態を示している。分離工程では、支持構造物12及びボイラ10と、支持構造物12の図上右側に設置された配置物(図示せず)との間の結合部、すなわち煙道36を図中一点鎖線L1で示した部位で切り離している。本実施の形態では、切り離しは、例えばガスバーナーによる切断等で行なわれる。
次に、支持工程では、その開始動作として、まず、複数の支持装置42を支持構造物12の設置面18上に分散して設置する。設置位置は、柱20の真下位置や梁22の下にバランス良く配置し、この配置した支持装置群のみで支持構造物12及びボイラ10を下方から支持可能な位置が選択される。
ここで、使用する支持装置42は、例えば、径の異なる複数の筒状体で構成された伸長部42aを有している。伸長部42aは、通常は、各筒状体が互いに重なりあって収納された収縮状態となっている。そして、油圧等により径の小さい筒状体が径の大きい筒状体の上に伸長し、全体として伸長部42aが略鉛直方向に伸長する(本実施の形態では数メートル程度)構成になっている。支持動作は、この伸長部42aを伸長させることによりボイラ10及び支持構造物12全体を所望の高さ位置で下方から押し上げることにより行い、支持構造物12の規模に応じて、例えば10〜40台の支持装置42が用いられる。
まず、支持にあたっては、支持装置42の設置スペースを確保するために支持構造物12の部分的な除去を行う。そして、図上破線で示した除去部分19に支持装置42が設置される。支持高さ位置は、通常、設置地盤から数メートルの高さ位置であり、本実施の形態では、横梁22−2の位置とされている。
支持装置42は、柱20の部分や梁22の部分にバランス良く形成されており、支持装置42の伸縮部42aを伸長させ、横梁22−2の下部と、除去部分19により形成された柱20の下端部に下方から押し当てて支持状態を形成している。このようにして支持工程が終了した時点では、支持構造物12は、支持装置42によって安定支持された状態が確保されている。本実施の形態では、図1における正面視で、6台の支持装置42が設置されており、支持構造物12の全体では20数台の支持装置42が設置されている。すなわち、第1の支持装置群として20数台の設置となる。
そして、この後、除去工程と下降工程が行われるが、除去工程では、支持装置42により支持されたボイラ10及び支持構造物12の下側部分から除去作業を行っていく。本実施の形態では、図1(A)に一点鎖線L2で示した高さ位置(設置面18から1〜2mの高さ)にて、ガスバーナーを使用して、ボイラ10及び支持構造物12を切断することにより除去工程を行う。また、除去工程で除去した部分は、例えば運搬車等に載せ適宜解体作業場から運搬される。
上記高さ位置L2までの除去工程が終了した時点では、ボイラ10と、支持構造物12は、支持装置42に下方から支持された状態で、一点鎖線L2の高さより低い部分が存在しない状態となる。この状態で、下降工程を行うが、下降工程は支持工程と異なり、全ての支持装置42全体を同時に同速度で下降させて行われる。すなわち、全ての支持装置42の伸縮部42aを収縮させ、ボイラ10及び支持構造物12の平衡を保ちながら支持高さ位置を下降させる。この下降工程によるボイラ10及び支持構造物12の下降量は、除去工程で除去を行った後のボイラ10と支持構造物12の下端部と設置面18との間に所望の間隙を残す程度に行なう。
この下降工程が行われた状態で、更に除去工程を行い、1群の支持装置42が最下降位置(最も収縮した状態)まで来た時、新たな1群の支持装置44を順次設置していく。図1(B)は、支持装置42で支持した横梁22−2の位置(図上L3)が支持装置42の再下降位置まで下降し(図上破線で示している)、その状態で、新たな一群の支持装置44が、横梁22−3の位置で支持するように設置された(新支持作業が行われた)状態が示されている。この後、横梁22−3より下側部分を除去し(除去工程)、支持装置44を下降させる。
なお、新たな1群の支持装置44の配置も上述した支持装置42の配置と同様に支持装置44によりボイラ10及び支持構造物12をバランス良く支持することのできる位置に行われる。また、新支持作業は、支持状態の安定を図りつつ行うのが好適であり、支持装置44を1台ずつ対応する箇所に除去部分19を形成しながら、その伸縮部44aを伸長させて行くことが行われる。
この新支持作業後の状態で、除去工程と下降工程が支持装置44が最下降位置に来るまで繰り返される。なお、図1(A)に示した支持工程で使用した支持装置42は、伸部42aを収縮させた状態で、図1(A)に示した位置にそのまま残されている。そして、次に、一群の支持装置42による新支持作業が、上述の動作と同様に行われ、その後、下降、除去の各工程と他の一群の支持装置44による新支持作業が繰り返される。
図2(A)、(B)は、上述した2つの群による交互の支持工程と除去工程と下降工程とを繰り返し行うことにより、ボイラ10と支持構造物12の解体作業が途中まで進行した状態を示している。図2(A)は、解体の途中段階で支持装置44による支持から支持装置42による支持に移行している状況が示されている。図2(B)は、図2(A)に示した状態から除去工程と下降工程とを行い、次の支持装置44による新支持作業が行われている状態が示されている。このように、二つの支持装置群による支持工程、除去工程、下降工程を繰り返し行なうことで、ボイラ10及び支持構造物12の全体を同時進行で順次除去解体して行くことができる。
また、各支持工程間で行なわれる除去工程と下降工程の実施回数は、複数回であっても良く、また1回のみであっても良い。また、支持装置42の伸縮部42a等で支持する部位は、柱20や梁22には限られず、例えば支持用の支持要素を支持構造物12に予め設け、この部位で支持しても良い。
更に、各支持装置42,44の動作は、各支持装置毎に個別にオンオフ作業しても良いが、全体を総合的に制御する制御部を設け、下降工程の全体による同時下降動作や、支持工程の個別の支持動作、新支持動作を制御部により正確にコントロールすることも好適である。
なお、上述の実施の形態では、2つの群の支持装置を用いたが、支持装置群は2つに限定されるものではなく、後述の1群の支持装置のみで行う場合の他、3つの群、4の群など解体対象の規模に応じて、複数の群を用いることが可能である。
以上のように、本実施の形態によれば、ボイラ10の解体作業の終了を待って、その後に支持構造物12を別途解体するという手間が発生することがなく、解体作業を迅速に行うことができる。そして、解体除去作業が、ボイラ10と支持構造物12の下側部分から除去することにより行なわれ、この除去作業は地面(設置面18)に近い位置での作業として行うことができる。このため、全工程において高所作業がほとんど発生しない。従って、解体作業の安全性が確保される。更に、ボイラ10と支持構造物12の除去工程で除去した部分の解体作業場からの運搬も、除去部を高い位置から降ろす必要がないので、容易な手段で行なうことができ、除去工程で除去した部分の迅速かつ安全な処理が達成される。
また、伸縮部42aを有する支持装置42を使用することにより、支持工程における支持構造物12の支持が、伸縮部42aを伸長させるという簡単な操作で行なわれる。そして、下降工程では、伸縮部42aを収縮させることにより、ボイラ10と支持構造物12を下降させることができる。このように、伸縮部42aが上下に動くだけで、ボイラ10及び支持構造物12の支持状態の形成と、下降工程を行なうことができ、敷地内のみでの作業として行うことができる。ここで、このような支持装置42としては、リフトアップ工法やアップダウン工法に使用されるようなジャッキが例示される。
更に、本実施の形態によれば、ボイラ10と支持構造物12の支持の安定性が確保された状態で、支持装置42や44の群を用いた支持工程が複数回行われる。従って、支持装置42等は、比較的小さな規模のものが使用可能となる。これにより、支持装置42等の軽量化や、その運搬や設置が容易化も図られる。
図3(A)、(B)は、本発明の他の実施の形態を説明した図である。ここで、図1(A)、(B)に示した要素と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態の特徴的なことは、1つの群の支持装置のみを用いて全ての工程を行っていることである。1群の支持装置42(図においては、支持装置42−1〜42−8が示されている)が使用され、図1に示した2つのグループの支持装置を用いる場合に比べ、1群の支持装置の数は増加させている。
図3(A)は、本実施の形態における支持工程を示した図である。先ず、切り離し工程の終了後、支持工程において、支持装置42を設置地盤18上に配置し、伸縮部42aを伸長させ、支持構造物12の支持を開始する。ここで、本実施の形態でも、横梁22−1と柱20に図1(A)に示したものと同様の除去部分19を形成し、伸縮部46aを、横梁22−2と柱20の下端部に下方から押し当てて支持構造物12の支持状態を形成している。そして、支持工程に続く除去工程により、ボイラ10と支持構造物12の梁22−1より下方に位置する部位を除去し、下降工程に支持装置42の最下降位置まで下降させる。
図3(B)は、支持工程に続く除去工程と下降工程が終了し、更なる作業を開始した状態が示されている。すなわち、新たな支持装置の群を設置するのではなく、現在支持動作を行っている支持装置42の内の一部(支持装置42−2)の支持する支持構造物12の下部(梁22−2の一部)を除去し、上述した除去部分19を形成する部分除去作業を行う。
そして、支持装置42−2の伸縮部42aを伸ばし、支持構造物12を梁22−3まで伸ばして下方から再度支持する再支持作業を行う。この再支持作業を支持装置42−2以外の支持装置42についても同様に、例えば一台づつ行なう。この様に1台ずつ、或いは所定の複数台ずつを支持状態のバランスを崩さないように、安定した状態で再指示させて行く。これを継続して、全ての支持装置42について再支持作業を行った状態とする。その後は、上述した除去工程と下降工程を行うものであり、これらの1つの支持装置42の群による各工程(除去工程、下降工程、再支持工程)の繰り返しで、全体の除去解体を行うことができる。
なお、本実施の形態の場合、比較的多数の支持装置が用いられているので、解体作業が進み、支持構造物12及びボイラ10の全重量が軽量化した段階では、徐々に最支持を行う支持装置42の台数を減らしていくことも可能である。
以上の実施の形態の構成により、同一の小型の支持装置42を使用して、ボイラ10と支持構造物12を下方からほぼ同時に解体することが可能となる。従って、種々の大きさのボイラと支持構造物の解体作業を容易、迅速に行なうことができる。
また、本発明の他の実施の形態として、図1(A)に示した支持装置42よりも伸長部の伸長長さが長い大型の支持装置を使用しても良い。これにより、一回の支持工程とこの支持工程に続いて行われる除去工程と下降工程とで除去できるボイラ10等の高さ範囲が広くなり、解体作業の迅速化が図られる。また、比較的、支持構造物が小型でかつ、大型の支持装置を使用することができる場合、支持構造物12の天井梁26を直接支持しても良い。この大型の支持装置で天井梁26を支持した状態で支持工程を行い、これに続いて除去工程と下降工程のみを繰り返して、全体構造の同時解体を行うことも可能である。
更に、本発明の他の実施の形態として、上述した除去工程において、ボイラ10の未解体部分内部を負圧に設定することが、いわゆる「アスベスト対策」として好適である。ここで、ボイラ10内部を負圧に設定する方法としては、ボイラ10の開放部位を閉塞部材で閉塞し、更にボイラ10の適当な位置に空気吸引用の配管を設け、ファン等で空気吸引用の配管を介してボイラ10の内部空気を吸引することが例示される。
これにより、例えば除去工程においてガスバーナーを使用して火炉部30を除去する時に、火炉部30の外壁38aや内壁38bを構成する金属やアスベストを含んだ耐火物の粉が噴出して周囲に飛散することなく、ボイラ10の未解体部分内部に吸い込まれることとなる。従って、除去工程において、環境面での問題発生が確実に防止される。なお、ボイラ10の開放部の閉塞方法としては、例えば、図1(B)に示した下降工程の際に、ボイラ10(火炉30)の除去後の下端部を設置面18に接触するまで下降させ、これによりボイラ10の開放部の一部を閉塞するようにしても良い。
また、除去工程の終了後、ボイラ10の下端部が大きく開口した状態のときに、例えば、上述したファンの操作により、ボイラ内部の吸引力を更に強化し、金属粉や耐火物の飛散を防止することも可能であり、また、ビニールシート等の梱包物でボイラ10の下端部を梱包して内部の耐火物等の飛散を防止するようにしても良い。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、図1、2で示した実施の形態では伸縮部42aを有する支持装置42を使用したがこれに限られるものではない。ジャッキの種類は図1、2に示した型のものに限られず、種々の型のジャッキを使用することができる。また、支持装置42のみでボイラ10と支持構造物12とを確実に支持するために、支持構造物12の必要な補強を除去工程の前に行っても良い。
本発明の実施の形態にかかるボイラ及び支持構造物の解体方法の手順を説明した図であり、(A)は、最初に行なわれる工程である分離工程及び支持工程を説明した図、(B)は、次の支持工程を行なった状況を示している。 図1に示した実施の形態のボイラ及び支持構造物の解体方法の手順を引き続き説明した図であり、(A)は、解体の途中段階での支持工程を行なった状態、(B)は、(A)に示した状態から除去工程と下降工程とを行い、次の支持工程を行なった状態を示している。 本発明の他の実施の形態を説明した図であり、(A)は、支持工程を示した図であり、(B)は、支持工程に続く除去工程と下降工程が終了し、更なる作業を行っている状態を示している。 火力発電所で使用されるボイラを示した説明図である。 火炉部を構成する火炉壁の構成を説明した図である。
符号の説明
10 ボイラ
12 支持構造物
14 側部
16 天井部
18 設置面
19 除去部分
20 柱
22 横梁
26 天井梁
28 吊り棒
30 火炉部
32 後伝部
34 過熱器
36 煙道
38a 外壁
38b 内壁
38c パイプ
42、44 支持装置
42a、44a 伸縮部

Claims (5)

  1. 骨製の複数本の柱と該柱間を横方向に連結する鉄骨製の複数段の横梁を主たる構成要素とする支持構造物の内部で吊り下げられて支持されたボイラを解体する方法において、
    前記支持構造物及び前記ボイラと、前記支持構造物の周囲に設置された配置物との間の結合部を切り離し、前記ボイラ及び前記支持構造物を前記配置物から分離する分離工程と、
    前記支持構造物を前記柱と前記横梁の所定の高さ位置でそれぞれ支持する支持高さ位置調整可能な複数の支持装置を設置することにより、前記ボイラ及び前記支持構造物を下方から支持する支持工程と、
    該支持工程による支持状態を維持しつつ、前記ボイラ及び前記支持構造物の前記支持装置の支持高さ位置より下方部分を除去する除去工程と、
    該除去工程終了後、前記支持装置による前記ボイラ及び前記支持構造物の支持高さ位置を下降させる下降工程と、を備え、
    前記支持工程と前記除去工程と前記下降工程とを繰り返し、前記ボイラ及び前記支持構造物をその下側から順次除去して解体することを特徴とするボイラ及び支持構造物の解体方法。
  2. 前記支持装置は、
    所定範囲で略鉛直方向に伸縮可能な伸縮部を有し、前記支持装置による前記ボイラ及び支持構造物の支持が、前記伸縮部を伸長させて、該伸縮部の上端部を前記支持構造物の構成部位に下方から押し当てて行なわれることを特徴とする請求項1に記載のボイラ及び支持構造物の解体方法。
  3. 前記繰り返しにおける支持工程は、
    その時点で前記支持を行なっている支持装置とは別の新たな支持装置を複数箇所に設置し、該新たな支持装置により、現支持高さよりも高い位置で支持する新支持作業により行なわれることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のボイラ及び支持構造物の解体方法。
  4. 前記繰り返しにおける支持工程は、
    前記支持を行なっている支持装置の内、一部の支持装置が支持している前記ボイラ及び前記支持構造物の下部部分を除去する部分除去作業と、
    前記一部の支持装置の前記伸縮部を伸長させ、前記支持構造物を下方から再度支持する再支持作業と、を有し、
    支持動作中の全ての支持装置の前記部分除去作業と再支持作業とが終了するまで部分除去作業と、再支持作業とを繰り返して行ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のボイラ及び支持構造物の解体方法。
  5. 前記除去工程を行う時に、前記ボイラ内部が負圧に設定されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のボイラ及び支持構造物の解体方法。
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