以下、本発明に係る実施の形態を図1から図6を参照して説明する。ただし、本発明は図示例のものに限定されるものではない。
〔第1実施形態〕
まず、第1実施形態について説明する。図1は、本発明に係る放射線画像検出器を適用した放射線画像撮影システムの一実施形態の概略構成を示す図である。
本実施形態による放射線画像撮影システム1は、例えば、病院内で行われる放射線画像撮影において適用されるシステムであり、図1に示すように、撮影や患者に関する各種の情報等を管理するサーバ2と、放射線照射に関する操作を行う放射線照射操作装置3と、例えば無線LAN(Local Area Network)等の無線通信方式による通信を行うための基地局4と、放射線画像検出器5を制御するとともに放射線画像検出器5により検出された放射線画像の画像処理等を行う複数のコンソール6,6…とがネットワーク7を通じて接続されている。放射線照射操作装置3にはケーブル8を介して、被写体9である患者に放射線を照射して放射線画像の撮影を行う放射線照射装置10が接続されている。放射線照射装置10及び放射線画像検出器5は、例えば1つの撮影室11内に1つのずつ設置されており、放射線照射操作装置3によって放射線照射装置10を操作し放射線画像検出器5によって放射線画像を検出することによって放射線画像情報を得ることができるように構成されている。なお、1つの撮影室11に複数の放射線画像検出器5が備えられていてもよいし、撮影室11の数は図示したものに限定されず、複数の撮影室11が設けられていてもよい。また、放射線画像検出器5は、単に新たに対応付けられたコンソール6の起動状態を反映すればよいので、コンソール6は、必ずしもネットワーク7に接続されている必要はない。ただし、放射線画像検出器5は、コンソール6と相互に無線信号の送受信を行うなど、各種信号の送受信を行うこと可能な環境下にある必要がある。
ここで、ネットワーク7は、当該システム専用の通信回線であっても良いが、システム構成の自由度が低くなってしまう等の理由のため、イーサネット(Ethernet;登録商標)等の既存の回線である方が好ましい。なお、ネットワーク7には、他の撮影室40の放射線画像検出器や、撮影操作装置(いずれも図示せず)が基地局43を介して接続されていてもよい。
放射線照射操作装置3は、操作パネル等から構成され放射線照射装置10を操作する、例えば管電圧や照射線量(mAs)などの撮影条件などの信号を入力する入力操作部、撮影条件等の情報や各種の指示等を表示する表示部、及び放射線照射装置10に対して電力を供給する電源部等(いずれも図示せず)を備えて構成されている。
放射線照射装置10は、撮影室11の内部に配置され、放射線を照射する放射線源12を有しており、この放射線源12により放射線照射操作装置3で設定された管電圧や照射線量で放射線を照射するようになっている。放射線源12としては、例えば、放射線管が用いられ、放射線管は熱励起によって生ずる電子を高電圧で加速して陰極に衝突させることで、放射線を発生するようになっている。
次に、コンソール6について説明する。
図2に示すように、コンソール6は、例えば、汎用のCPU、ROM、RAM等(いずれも図示せず)から構成された制御部29を有する制御装置30を備えており、制御部29は、ROMに格納される所定のプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開し、当該プログラムに従ってCPUが各種処理を実行するようになっている。なお、各コンソール6には、ネットワーク7上の複数のコンソール6を区別するための識別情報(例えば、ID、バーコード等)が付与されている。
また、コンソール6は、各種の指示等を入力する入力操作部31、画像や各種のメッセージ等を表示する報知部としての表示部32、放射線画像検出器5等の外部装置との間で各種信号の送受信を行う通信部33等を備えている。
入力操作部31は、例えば、操作パネルやキーボードやマウス等から構成されており、操作パネル又はキーボードで押下操作されたキーの押下信号やマウスによる操作信号を入力指示として制御部29に対して出力するものである。
入力操作部31では、例えば、入力指示のうち、対応付け指示として、ある撮影室11内で使用される放射線画像検出器5の識別情報(例えば、ID、バーコード等)を入力する。なお、入力される放射線画像検出器5の識別情報は、複数でもよい。また、当該情報の入力は、放射線画像検出器5が使用される撮影室11を管理するコンソール6から行われなくてもよい。また、対応付け指示として、撮影室11内で使用される放射線画像検出器5及びコンソール6の両方の識別情報を入力してもよい。
また、入力操作部31では、撮影予約指示として、表示部32で表示された撮影リストの中から次に撮影を行う患者を選択し、この患者に対して使用するネットワーク7上の特定の放射線画像検出器5、すなわち、自身に対応付けられているネットワーク7上の放射線画像検出器5のうちのいずれかの放射線画像検出器5を選択してもよい。
また、入力操作部31では、撮影指示として、放射線照射を行う旨の指示を入力する。なお、撮影指示は、放射線照射操作装置3から入力されてもよい。
また、入力操作部31では、起動指示及び起動中止指示として、コンソールを起動する及びコンソールの起動を中止する旨の指示を入力する。
表示部32は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成されており、制御部29から出力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示するものである。表示部32では、例えば、サーバ2などネットワーク7上の外部機器から送られた撮影リストやコンソール6と対応付けられたネットワーク7上の放射線画像検出器5に関する各種情報が表示可能である。なお、撮影リストには、撮影予定の患者の氏名及び性別、撮影部位等撮影を行うにあたって必要な患者情報が記載されている。
通信部33は、無線LAN等の無線通信方式により、基地局4を介して、放射線画像検出器5やサーバ2などネットワーク7上の他の外部機器との間で各種情報の通信を行うものである。
制御部29には、入力操作部31からの入力指示や通信部33を介して外部から受信した情報が入力されるようになっており、入力された指示又は情報について所定の処理を行うものである。
例えば、制御部29は、入力操作部31で対応付け指示が入力されると、入力操作部31で識別情報が入力された放射線画像検出器5とコンソール6との対応付けを行う。なお、制御部29は、入力操作部31で撮影室11内で使用される放射線画像検出器5の識別情報のみが入力された場合には、入力された識別情報が付与された放射線画像検出器5とコンソール6との対応付けを行う。
また、制御部29は、入力操作部31で対応付け指示が入力されると、その都度対応付けされる放射線画像検出器5を追加する。
また、制御部29は、入力操作部31で撮影予約指示が入力されると、すでに自身に対応付けられている放射線画像検出器5のうち、入力操作部31で選択された放射線画像検出器5を選択する。つまり、撮影予約指示では撮影する患者とすでに対応付けられた放射線画像検出器5の中から当該患者に対して使用する放射線画像検出器5が選択されることで、撮影する患者と当該患者に対して使用する放射線画像検出器5とを対応付ける。
また、制御部29は、撮影予約指示の入力に基づき、ある一つの放射線画像検出器5が選択されると、通信部33を介して選択された識別情報を有する放射線画像検出器5の通信部24に撮影予約指示信号を送信する。
また、制御部29は、入力操作部31で撮影指示が入力されると、通信部33を介して撮影指示信号を放射線画像検出器5の通信部24に送信する。
また、制御部29は、入力操作部31で起動中止指示が入力されると、通信部33を介して起動中止指示信号を対応付けられている放射線画像検出器5の通信部24に送信してからコンソール6の起動を中止してコンソール6の電源が切れた状態(電源OFF)となる。一方、入力操作部31で起動指示が入力されると、制御部29は、コンソール6の起動を開始してコンソール6の電源が入った状態(電源ON)となり、通信部33を介して起動指示信号を対応付けられている放射線画像検出器5の通信部24に送信する。
また、制御部29は、通信部33を介して放射線画像検出器5から確認信号が入力されると、通信部33を介して自身の起動状態を表す情報を起動状態信号を返信する。
また、制御部29は、通信部33を介して放射線画像検出器5により検出された画像信号が入力されると、所定の画像処理を行う。
また、制御部29は、通信部33や入力操作部31により入力された情報又は指示等を表示部32に表示させるようになっており、前述した撮影リスト等の他に、コンソール6と対応付けられた放射線画像検出器5に関する各種情報を表示部32に表示させる。当該放射線画像検出器5に関する各種情報としては、例えば自身と対応付けられた放射線画像検出器5からの画像信号や動作状態信号に基づく放射線画像や動作状態等が挙げられる。なお、表示部32に表示させる放射線画像としては、画像処理がなされた放射線画像情報や、サムネイル画像などの原画像情報より情報量の少ない縮小画像情報でもよい。
次に、放射線画像検出器5について説明する。
放射線画像検出器5は、放射線照射装置10の放射線源12から照射されて被写体9を透過した放射線を検出して放射線画像を取得するものであり、撮影を行う際に放射線源12から照射される放射線の照射範囲に配置されて使用されるものである。なお、放射線画像検出器5は、図1では、被写体9と被写体9を載置する寝台13との間に配置されているが、放射線画像検出器5を配置する位置はこれに限定されず、例えば、寝台の下方に放射線画像検出器5を装着する検出器装着口(図示しない)を設けて、この検出器装着口に放射線画像検出器5が装着されるようにしてもよい。
以下、図3から図6を用いて、放射線画像検出器5の構造について説明する。
放射線画像検出器5は、カセッテ型のフラットパネルディティクタである放射線画像検出器であり、図3に示すように、内部を保護する筐体14を備えており、カセッテとして携帯可能に構成されている。
筐体14の内部には、照射された放射線を電気信号に変換する撮像パネル15が層を成して形成されている。撮像パネル15における放射線の照射面側には、入射された放射線の強度に応じて発光を行う発光層(図示せず)が設けられている。
発光層は、一般にシンチレータ層と呼ばれ、例えば、蛍光体を主たる成分とし、入射した放射線に基づいて、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を出力するものである。
この発光層で用いられる蛍光体は、例えば、CaWO4等を母体とするものや、CsI:TlやGd2O2S:Tb、ZnS:Ag等の母体内に発光中心物質が付活されたものを用いることができる。また、希土類元素をMとしたとき、(Gd,M,Eu)2O3の一般式で示される蛍光体を用いることができる。特に、放射線吸収及び発光効率が高いことよりCsI:TlやGd2O2S:Tbが好ましく、これらを用いることで、ノイズの低い高画質の画像を得ることができる。
この発光層の放射線が照射される側の面と反対側の面には、発光層から出力された電磁波(光)を電気エネルギーに変換して蓄積し、蓄積された電気エネルギーに基づく画像信号の出力を行う信号検出部232が形成されている。
ここで、撮像パネル15の回路構成について説明する。図4は、信号検出部232を構成する1画素分の光電変換部の等価回路図である。
図4に示すように、1画素分の光電変換部の構成は、フォトダイオード233と、フォトダイオード233で蓄積された電気エネルギーをスイッチングにより電気信号として取り出す薄膜トランジスタ(以下TFT234)とから構成されている。取り出された電気信号は、増幅器238により信号読出し回路17が検出可能なレベルにまで電気信号を増幅するようになっている。なお、増幅器238には、TFT234とコンデンサで構成された図示しないリセット回路が接続されており、TFT234にスイッチを入れることにより蓄積された電気信号をリセットするリセット動作が行われるようになっている。なお、フォトダイオード233は、単に規制キャパシタンスを有したフォトダイオードでもよいし、フォトダイオード233と光電変換部のダイナミックレンジを改良するように追加コンデンサを並列に含んでいるものでもよい。また、フォトダイオード233及びTFT234は、液晶ディスプレイ等に使用されている無機半導体系のもの、有機半導体を用いたもののいずれであってもよい。
図5は、このような光電変換部を二次元に配列した等価回路図であり、画素間には、走査線Llと信号線Lrが直交するように配設されている。前述のフォトダイオード233には、TFT234が接続されており、TFT234が接続されている側のフォトダイオード233の一端は信号線Lrに接続されている。一方、フォトダイオード233の他端は、各行に配された隣接するフォトダイオード233の一端と接続されて共通のバイアス線Lbを通じてバイアス電源239に接続されている。このバイアス電源239の一端は制御部27に接続され、制御部27からの指示によりバイアス線Lbを通じてフォトダイオード233に電圧がかかるようになっている。また各行に配されたTFT234は、共通の走査線Llに接続されており、走査線Llは走査駆動回路16を介して制御部27に接続されている。同様に、各列に配されたフォトダイオード233は、共通の信号線Lrに接続されて制御部27に制御される信号読出し回路17に接続されている。信号読出し回路17には、撮像パネル23から近い順に、増幅器238、サンプルホールド回路240、アナログマルチプレクサ241、A/D変換機242が共通の信号線Lr上に配されている。なお、本実施形態では光電変換素子としてのフォトダイオード233を用いた場合を例示したが、光電変換素子はフォトダイオード以外の固体撮像素子を用いてもよい。
この信号検出部232の側部には、図3に示すように各光電変換素子にパルスを送って当該各光電変換素子を走査・駆動させる走査駆動回路16と、各光電変換素子に蓄積された電気エネルギーを読み出す信号読出し回路17とが配されている。
また、図3及び図6に示すように放射線画像検出器5は、フラッシュメモリやRAMなどの書き換え可能なメモリからなる画像記憶部18を備えており、画像記憶部18は、撮像パネル15から出力された画像信号を記憶するものであり、内蔵型のメモリやメモリカード等の着脱可能なメモリのいずれでもよい。
また、放射線画像検出器5には、放射線画像検出器5を構成する複数の駆動部(走査駆動回路16、信号読出し回路17、画像記憶部18、通信部24(後述)、インジケータ25(後述)、撮像パネル15など)に電力を供給する電力供給源としての内蔵電源19が設けられている。内蔵電源19としては、例えばマンガン電池、アルカリ電池、アルカリボタン電池、リチウム電池、酸化銀電池、空気亜鉛電池、水銀電池、鉛電池等の電池や、例えばニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、小型シール鉛電池、鉛蓄電池等の充電自在な充電池、燃料電池、太陽電池などから適宜選択して構成させればよい。以下の説明では、充電池を使用した例について説明する。
筐体14の一端には充電用の端子22が形成されており、例えば、図1に示すように、放射線画像検出器5をクレードル等の充電用装置34に装着することによって充電用装置34側の端子(図示せず)と筐体側の端子22とが接続されて充電池の充電が行われるように構成されている。また、内蔵電源19は、例えば、筐体14の側部から引き出すことにより交換可能となっている。
また、放射線画像検出器5には、コンソール6等の外部装置との間で各種信号の送受信を行う通信部24(図6参照)が設けられている。通信部24は、例えば、撮像パネル15から出力された画像信号や動作状態信号をコンソール6に転送し、コンソール6等から送信される撮影予約指示信号及び撮影指示信号、起動中止指示信号等を受信する。
また、筐体14の表面一端には、内蔵電源19の充電状況や各種の操作状況等を表示して報知するインジケータ25が設けられており、操作者が放射線画像検出器5の動作状態等を目視にて確認することが可能に構成される。
ここで、本実施形態における放射線画像検出器5は、ネットワーク7上の特定のコンソール6と対応付けられて使用するようになっている。対応付けは、放射線画像検出器5を撮影に使用する撮影室11に設置する際等、撮影を行う前に予め撮影に使用する撮影室11を管理するコンソール6の入力操作部31から撮影に使用する放射線画像検出器5の識別情報(例えば、ID、バーコード等)が入力されることで行われる。また、他の撮影室11を管理するコンソール6から撮影室11を管理するコンソール6と放射線画像検出器5の両方の識別情報を入力してもよい。
なお、対応付けの入力手段は、前述の例に限定されず、ネットワーク7上の入力操作部を有する各装置や、図示しないがネットワーク7上に接続された医師のいる診断室内に設置されたPC等でもよい。また、放射線画像検出器5に入力操作部がある場合には、放射線画像検出器5を入力手段としてもよい。
また、放射線画像検出器5は、自身に対応付けられているコンソール6を把握するように構成されている。その手段としては、例えば、対応付けが行われると、その情報がサーバ2に送られてネットワーク7内の一組の対応付け情報が生成されて蓄積され、以降、ネットワーク7に接続された各装置は、サーバ2内に蓄積された対応付け情報を共有できるように構成されればよい。ここでは、対応付けが行われると、サーバ2から対応付けが行われた放射線画像検出器5に対して、対応付け情報が送られる、あるいは、定期的に通信部24を介してサーバ2内の対応付け情報にアクセスを行うことで、自身と対応付けられたコンソール6がネットワーク7上のいずれであるかを把握している。
なお、対応付けの把握方法も、前述の例に限定されず、一旦対応付けが行われると、対応付けを行った制御部29は、その情報をサーバ2と対応付けが行われた放射線画像検出器5に対して送信し、当該情報を受信した放射線画像検出器の制御部27は、自身と対応付けられる関係にあるコンソール6を把握する構成としてもよい。対応付けは、単にネットワーク7上において、コンソール6と放射線画像検出器5の組み合わせを決めることができればよく、その際の組み合わせを決める方法・順番・手段・タイミング等は問わない。
また、放射線画像検出器5は、対応付けが行われる毎に対応付けされるコンソール6が上書き更新される、つまり、先に対応付けられていたコンソール6との対応付けを解除して、新たに入力された識別情報を有するコンソール6との対応付けを把握するようになっている。なお、一旦、撮影指示信号が入力されると、所定時間経過するまで対応付けられていたコンソール6との対応付けを解除することができないようにすることが好ましい。
さらに、放射線画像検出器5は、自身に対応付けられているコンソール6の起動状態を検知する対応付け検知手段23を備えている。対応付け検知手段23は、対応付けが行われると、自身に対応付けられているコンソール6に対して、コンソール6の起動状態を確認する確認信号を送信し、当該確認信号に対してコンソール6から返信されるコンソール6の起動状態を表す信号(起動状態信号)に基づいて、自身に対応付けられているコンソール6の起動状態を検知するように構成されている。
なお、対応付け検知手段23が、自身に対応付けられているコンソール6の起動状態を検知する方法としては、前述の例に限定されず、コンソール6で対応付け指示が入力された際に、当該コンソール6の制御部29が、起動状態信号を当該コンソール6と対応付けられた放射線画像検出器5に対して送信することで検知する構成としてもよい。
また、対応付け検知手段23が、自身に対応付けられているコンソール6の起動状態を検知するタイミングとしては、前述の例に限定されず、コンソール6の入力操作部33で入力される起動指示や撮影予約指示等の各種指示に基づいて送信された各種指示信号を受信した場合に行ってもよいし、放射線画像検出器5の起動中、定期的に自身に対応付けられているコンソール6に対して、確認信号を送信してもよい。この場合、放射線画像検出器5が返信信号を受信しない場合は、放射線画像検出器5に対応付けられているコンソール6が起動していない、あるいは、自身と対応付けられているコンソール6が故障し、当該コンソール6が撮影に使用できない状態にあることを検知することが可能である。
また、放射線画像検出器5には、対応付け検知手段23により検知された自身と対応付けられたコンソールの起動状態に応じて内蔵電源19から放射線画像検出器5の各駆動部に対して供給される電力供給の状態を制御する電力供給手段21が備えられている。放射線画像検出器5では、消費電力量の異なる複数の電力供給の状態として、撮影可能状態と、撮影待機状態と、待機準備状態とを有し、電力供給手段21によりこれら電力供給の状態を切替え設定することができるように構成されている。
以下、撮影可能状態及び撮影待機状態、待機準備状態について説明する。
撮影可能状態では、撮影動作が行われており、撮影可能状態は、撮影動作を行うにあたって必要な駆動部に電力が供給されている状態である。撮影可能状態は、少なくとも放射線を検出するのに必要な駆動部に電力が供給されている状態であり、本実施形態では例えば、走査駆動回路16、信号読出し回路17、フォトダイオード233、TFT234、画像記憶部18、通信部24といった駆動部に対して電力が供給されて、撮像パネル15の初期化、照射された放射線に応じて生成された電気エネルギーの蓄積、電気信号の読み取り、及び画像信号の転送等の各動作からなる一連の撮影動作を行うことが可能となっている。なお、初期化では、撮像パネル15におけるリセット動作及び空読み動作が行われるようになっている。
一方、撮影待機状態では、撮影動作が行われていないが、撮影可能状態より消費電力が低い状態で、かつ、撮影可能状態への迅速な移行を可能とするように各駆動部に電力が供給されている状態である。撮影待機状態は、例えば撮影可能状態への迅速な移行が可能な信号読出し回路17を除いた駆動部に電力が供給される構成とすることができ、本実施形態では、走査駆動回路16、フォトダイオード233、TFT234、画像記憶部18、通信部24、インジケータ25といった駆動部に対して電力が供給されている。つまり、撮影待機状態は、非撮影時における無駄な消費電力を削減しつつ、すぐに撮影動作を開始する可能性はないが撮影動作を行う可能性がある状況に対応させることができる状態となっている。
また、待機準備状態も撮影動作が行われていないが、待機準備状態は、撮影待機状態より消費電力が低い状態で、かつ、コンソール6からの信号で起動できる状態であり、少なくともコンソール6からの信号を受信して放射線画像検出器5の動作状態を遷移させることが可能な状態である。本実施形態では例えば、通信部24に対して電力が供給されている。つまり、待機準備状態は、撮影動作を行う可能性がある状況に対応させることはできないが、非撮影時における無駄な消費電力を大幅に削減することができる状態となっている。
このような電力供給の状態を備えた放射線画像検出器5では、対応付け検知手段23が、当該放射線画像検出器5と対応付けられているコンソール6が起動していることを検知した場合、例えば起動指示信号が通信部24を介して制御部27に入力されたことを検知した場合に、電力供給手段21により放射線画像検出器の動作状態を撮影待機状態とするようになっている。
さらに、対応付け検知手段23が当該放射線画像検出器5と対応付けられているコンソール6が起動し、撮影動作を開始することを検知した場合、例えばコンソール6に撮影予約指示が入力され、撮影予約指示信号が通信部24を介して制御部27に入力されたことを対応付け検知手段23が検知した場合に、電力供給手段21により放射線画像検出器5の動作状態を撮影可能状態とするようになっている。
また、対応付け検知手段23が当該放射線画像検出器5と対応付けられているコンソール6が起動していないことを検知した場合、例えば起動中止指示信号が通信部24を介して制御部27に入力されたことを検知した場合に、電力供給手段21により放射線画像検出器の動作状態を待機準備状態とするようになっている。
また、撮影可能状態になってから所定時間の間に制御部27に撮影指示信号が入力されないことを検知した場合には、所定時間経過後に撮影待機状態とするようになっている。また、撮影動作終了後、電力供給手段21は、放射線画像検出器5の動作状態を撮影待機状態とするようになっている。
これにより、電力供給手段21では、当該放射線画像検出器5と対応付けられたコンソール6の起動状態に応じて、放射線画像検出器5の電力供給状態を切替えることで、自身の動作状態の切替えが可能となっている。
また、図6に示すように、放射線画像検出器5は、例えば、汎用のCPU、ROM、RAM等(いずれも図示せず)から構成された制御部27を有する制御装置28を備えており、制御部27は、ROMに格納される所定のプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開し、当該プログラムに従ってCPUが各種処理を実行するようになっている。
制御部27には、通信部24で受信された信号が入力されるようになっており、制御部27は通信部24で受信された信号に基づいて各駆動部の制御を行うようになっている。例えば、制御部27では、通信部24に撮影指示信号及び撮影予約指示信号、起動中止指示信号が通信部24に受信された場合に、受信された指示信号に基づいて前述した放射線画像検出器5の動作状態の切替えを電力供給手段21に行わせる。
また、制御部27は、放射線画像検出器5の動作状態として、起動中の放射線画像検出器5が前述した動作状態のうちいずれの状態にあるかを表す動作状態情報を動作状態信号として出力し、通信部24を介して対応付けられたコンソール6に送信する。
また、制御部27は、走査駆動回路16を駆動させて各光電変換素子にパルスを送り、当該各光電変換素子を走査・駆動させる。そして、各光電変換素子に蓄積された電気エネルギーを信号読出し回路17によって読み出させ、読み出された画像信号を制御部27に送らせる。制御部27は送られた画像信号を画像記憶部18に記憶させるとともに、通信部24を介してコンソール6の通信部33に送らせる。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム1の作用について説明する。
新たに放射線画像検出器5を撮影室11に設置して撮影に使用する際には、コンソール6で事前に撮影に使用する放射線画像検出器5の登録を行い、放射線画像検出器5とコンソール6を対応付ける。
具体的には、まず、撮影に使用する撮影室11を管理するコンソール6の起動中に、当該撮影室11に放射線画像検出器5を設置する際に、放射線技師により当該コンソール6の入力操作部31において、設置する放射線画像検出器5の識別情報が入力されると、制御部29は当該放射線画像検出器5との対応付けを行い、同時に、通信部を介してサーバ2内に対応付け情報を送信する。
すると、放射線画像検出器5はサーバ2から送られた対応付け情報に基づき、自身に対応付けられたコンソール6を把握する。
そして、制御部29は、通信部24を介して自身に対応付けられているコンソール6に対して、確認信号を送信する。
確認信号を受信したコンソールの制御部29では、通信部33を介して自身の起動状態を表す情報としての起動状態信号を送信する。
その後、起動状態信号を受信した放射線画像検出器5の制御部27は、対応付け検知手段23に自身に対応付けられているコンソール6の起動状態を検知させる。そして、制御部27は、対応付け検知手段23が自身と対応付けされたコンソールが起動していることを検知した場合、電力供給手段21に放射線画像検出器の動作状態を撮影待機状態に切替えさせる。一方、制御部27は、対応付け検知手段23が対応付け検知手段23により自身と対応付けされたコンソールが起動していないことを検知した場合、電力供給手段21に放射線画像検出器の動作状態を待機準備状態に切替えさせる。
このようにして、撮影室11内で使用する放射線画像検出器5と当該撮影室11を管理するコンソール6とを対応付けた状態にしておき、撮影を行う際に、撮影リストの中から次に撮影を行う患者とこの患者に対して使用する放射線画像検出器5を選択して、撮影を行う。
具体的には、放射線画像検出器5と対応付けられた状態にあるコンソール6において、放射線技師により当該コンソール6の入力操作部31から起動指示が入力され、制御部29は、コンソール6の起動を開始し、通信部33を介して対応付けられている放射線画像検出器5に起動開始指示信号を送信する。
起動開始指示信号を受信すると、放射線画像検出器5は、対応付け検知手段23により自身に対応付けられているコンソール6が起動していることを検知し、電力供給手段21により内蔵電源19から放射線画像検出器5の各駆動部に対して供給される電力供給の状態が制御され、放射線画像検出器5の動作状態を撮影待機状態に切替える。
そして、撮影時に、放射線技師により撮影室11を管理するコンソール6の入力操作部31において、サーバ2などから送信された撮影リストの中から次に撮影を行う患者とその患者に対して使用する特定の放射線画像検出器5が選択されると、撮影室11内で次に行われる撮影に使用される放射線画像検出器5の識別情報が入力され、入力操作部31に撮影予約指示が入力される。
撮影予約指示が入力されると、制御部29は、対応付けがなされている放射線画像検出器5のうち、識別情報が入力された放射線画像検出器5との対応付けを選択し、同時に、通信部33を介して識別情報が入力されて対応付けが選択された放射線画像検出器5の通信部24に対して撮影予約指示信号を送信する。
その後、放射線画像検出器5では、通信部24を介して撮影予約指示信号を受信し、その旨制御部27に出力される。
撮影予約指示信号を受信すると、制御部27は、電力供給手段21に放射線画像検出器の動作状態を撮影可能状態に切替えさせ、同時に、通信部24を介して自身に対応付けられたコンソール6に動作状態信号を送信する。当該動作状態信号を受信したコンソール6の制御部29では、放射線画像検出器5の動作状態を表示部32に表示させる。以降、放射線画像検出器5では、自身と対応付けられたコンソール6に放射線画像検出器5の動作状態信号を適宜送信し、放射線画像検出器5と対応付けられたコンソール6では、表示部32に放射線画像検出器5の動作状態を表示させる。
そして、撮影可能状態に切替わってから所定時間の間、放射線画像検出器5では、制御部27に撮影指示情報が入力されたか否か検知する。
この間に、コンソール6の入力操作部31から撮影指示が入力され、通信部33を介して撮影指示情報が放射線照射操作装置3及び放射線画像検出器5に送信される。
その後、放射線照射操作装置3が撮影指示情報を受信し、放射線照射装置10を制御して放射線源12から放射線を照射する。すると、放射線画像検出器5の撮像パネル15は放射線を検出して、検出された放射線を電気信号に変換して蓄積する。その後、制御部27は、走査駆動回路16を走査・駆動させ、信号読出し回路17により各光電変換素子に蓄積された電気エネルギーを読み出させ、読み出された画像信号を画像記憶部18に記憶させるとともに、通信部24を介して対応付けがなされたコンソール6の通信部33に送信する。
ここで、撮影可能状態に切替わってから所定時間の間、制御部27に撮影指示情報が入力されない場合には、電力供給手段21は、所定時間経過後、放射線画像検出器の動作状態を撮影待機状態に切り替え、再び撮影予約指示信号が通信部24に受信されるまで待機する。
そして、撮影動作が終了し、放射線画像検出器5の電力供給手段21は、動作状態を撮影待機状態に切り替え、放射線画像検出器5は、撮影予約指示信号が再び通信部24に受信されるまで待機する。
その後、コンソール6が通信部33を介して放射線画像検出器5からの画像信号を受信すると、制御部29は、画像処理を行った後、放射線画像検出器5で検出された放射線画像情報として表示部32に表示させる。
なお、放射線画像検出器5がネットワーク7上の特定のコンソール6と対応付けられた以降の動作において、放射線技師によりコンソール6の入力操作部31からコンソールの起動を中止する旨の指示が入力されると、制御部29に起動中止指示が入力され、制御部29は通信部33を介して起動中止指示信号を当該コンソール6と対応付けられた放射線画像検出器5に対して送信し、その後、コンソール6の電源を切る。一方、放射線画像検出器5の制御部27に、通信部24を介して起動中止指示信号が入力されると、電力制御部21は、その旨を検知して放射線画像検出器5の動作状態を待機準備状態にする。そして、放射線画像検出器5は、通信部24に起動指示信号が受信されるまで待機する。
その後、放射線技師がコンソール6の入力操作部31にてコンソールを起動する旨の指示を入力すると、制御部29に起動指示が入力され、通信部33を介して起動指示信号がすでに対応付けられた放射線画像検出器5に対して送信される。通信部24を介して起動指示信号が放射線画像検出器5に入力されると、電力制御部21は、その旨を検知して放射線画像検出器5の動作状態を撮影待機状態にし、放射線画像検出器5は、通信部24に撮影予約指示信号が受信されるまで待機する。
なお、その後、放射線画像検出器5が他の撮影室11に移動した場合には、例えば、移動先の撮影室11に搬入される際に、放射線技師により当該撮影室11を管理するコンソール6の入力操作部31から放射線画像検出器5の識別情報が入力される。このとき、移動先の撮影室11を管理するコンソール6が起動していない場合には、当該コンソール6の入力操作部31から起動指示を入力して当該コンソール6を起動させた後、放射線画像検出器5の識別情報を入力する。
識別情報が入力されると、制御部29は識別情報が入力された放射線画像検出器5との対応付けを行い、同時に、先に対応付けられていた放射線画像検出器との対応付けを解除する。そして、制御部29は、新たに行われた対応付けに関する対応付け情報をサーバ2に送信する。
すると、サーバ2から新たに対応付けられた放射線画像検出器5に対して対応付け情報が送られる。
対応付け情報を受信した放射線画像検出器5では、サーバ2から送られた対応付け情報に基づき、自身に対応付けられたコンソール6を把握する。
そして、当該移動先の撮影室で次の撮影が行われるときには、撮影の際、当該撮影室を管理するコンソール6によって放射線画像検出器5が操作され、放射線画像検出器5によって読み出された画像信号は新たに対応付けがなされたコンソール6に対して送信される。
以上のように本実施形態によれば、放射線画像検出器5では、ネットワーク7上の特定のコンソール6と対応付けられ、対応付け検知手段23により対応付けられたコンソール6の起動状態を検知し、その起動状態に応じて自身の電力供給の状態、つまり動作状態を自動的に切替えることができる。
その際、対応付けられたコンソール6が起動し、撮影予約指示が入力された場合では、放射線画像検出器5は、撮影可能状態として起動し、この状態で撮影指示が入力された場合に撮影動作が行われる。
一方、対応付けられたコンソール6が起動し、撮影予約指示が入力された場合であっても、撮影可能状態にしてから所定時間内にコンソール6からの撮影指示がない場合、例えば何らかのアクシデントにより撮影を中断したい場合等では、放射線画像検出器5は動作状態を撮影待機状態にして、無駄な消費電力を削減しつつ、迅速に撮影可能状態へ移行することができる。
また、対応付けられたコンソール6が起動しているが、撮影予約指示が入力されていない場合、例えば昼間の病院内での放射線撮影など、すぐに撮影動作を開始する可能性はないが撮影動作を行うことが予想される状況では、放射線画像検出器5は動作状態を撮影待機状態にして、無駄な消費電力を削減しつつ、迅速に撮影可能状態へ移行することができる。
また、対応付けられているコンソール6が起動していない場合、例えば夜間の病院内での放射線撮影など、ほとんど撮影動作を行うことがないと予想される状況では、放射線画像検出器5は動作状態を待機準備状態として起動しており、通信部24での外部信号の受信によりいつでも状態遷移をすることが可能な状態となっているので、無駄な消費電力を大幅に削減することができ、放射線画像検出器5の電源の切り忘れも防ぐことができる。
したがって、放射線画像撮影システム1では、放射線画像検出器5を起動させるための操作の手間や起動待ちの時間を省くことができ、撮影の際の操作性を向上させることができる。また、放射線画像検出器5の電源の入れ忘れにより起動していない放射線画像検出器5を誤って使用して患者に再撮影を強いることもなく、操作ミスにより患者に不要な被曝を高じさせるのを防ぐことができる。
また、放射線画像検出器5を移動して他の撮影室11に設置して使用した場合でも、対応付けが行われたコンソール6に画像信号を送信することができ、ネットワーク7の構成の自由度を向上させて撮影の際の操作性を一層向上させることができる。
また、コンソール6では、起動中に対応付けられた放射線画像検出器5の各種情報のうち、動作状態を表示部32に表示させることができるので、放射線技師は、対応付けられた放射線画像検出器5の動作状態をコンソール6上で確認することができ、その動作状態に応じて次の指示を与えるなどの対処を施すことができ、撮影の際の操作性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
本実施形態では、放射線画像検出器5の動作状態として、3種類の状態(撮影可能状態、撮影待機状態、待機準備状態)を備えたが、ここに例示した3種類に限定されず、例えば、電力供給状態では経時的に劣化する性質をもつフォトダイオード233及びTFT234についてのみ電力供給を停止させる撮影待機状態、画像記憶部18及び通信部24以外に対しては全て電力供給を停止するが一旦電力供給を停止した後再度立ち上げるまでに時間のかかるフォトダイオード233及びTFT234についてのみ他の駆動部よりも早く電力の供給を開始させる撮影待機状態等としてもよい。さらに複数の種類の撮影待機状態を有するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ネットワーク7上の各種装置との通信を無線通信方式により行わせたが、有線通信方式により行わせてもよい。この場合には、放射線画像検出器5は、通信部24を起動させコンソール6からの信号を常に検知する必要がなく、ケーブルなどを介してネットワーク7上の装置から送られた放射線画像検出器5へ信号が入力されると、放射線画像検出器5を起動させることが可能である。そのため、放射線画像検出器5の動作状態のうち、最も消費電力の少ない待機準備状態を放射線画像検出器5に電力が全く供給されていない状態とすることが可能であり、コンソール6の電源のON/OFFに対応して放射線画像検出器5の電源のON/OFFを行うことが可能である。
例えば、本実施形態では、撮影予定の患者に対してその撮影に使用する放射線画像検出器5を選択することで、撮影予約の指示が入力されたが、撮影リスト上に予め使用予定の放射線画像検出器が決められている患者が記載されている場合には、撮影リスト上で、患者を選択することで、撮影予約指示が入力される構成としてもよい。
また、コンソール6や放射線画像検出器5での手入力によらず、ICタグ付きの放射線画像検出器5を撮影室の出入り口に備えたセンサを通過させることにより、撮影室に放射線画像検出器5を持ち込む際に当該放射線画像検出器5の認識情報をセンサを通じてコンソール6が検知することも可能である。
また、センサは、基地局4が兼ねることも可能である。この場合、ネットワーク7内には、一定範囲ごとに基地局4が備えられており、各基地局4では、各基地局4が管理している範囲内に存在する放射線画像検出器5を認識して、基地局4ごとに対応付けられたコンソールに当該放射線画像検出器を対応付けることも可能である。
また、本実施形態では、コンソール6と放射線画像検出器5を対応付ける対応付け行為と、撮影動作を行う際のトリガとなる撮影行為(コンソール6での撮影予約指示の入力行為)を別の行為とし、両者を同時に行わなかったが、両者を兼用させ、対応付け行為と撮影行為を同時に行ってもよい。
この場合、撮影に使用する撮影室に放射線画像検出器5を設置する際に、放射線技師により当該コンソール6の入力操作部31において、設置する放射線画像検出器5の識別情報を入力し、同時にサーバ2内にアクセスして撮影リストの中から次に撮影を行う患者を選択して入力を行う。すると、コンソール6の入力操作部31では、識別情報を入力したコンソール6と、当該識別情報が入力された放射線画像検出器5と、その放射線画像検出器5を用いて次に撮影を行う患者とが対応付けられ、対応付け指示と撮影予約指示の入力が同時に行われ、通信部33を介して対応付け情報をサーバ2に送信すると同時に、起動状態信号を対応付けられた放射線画像検出器5に送信する。
次いで、放射線画像検出器5では、制御部27は、サーバ2から送られた対応付け情報に基づき、自身に対応付けられたコンソール6の把握と、対応付け検知手段23による自身に対応付けられたコンソール6の起動状態の検知を同時に行う。
そして、制御部27は、対応付け検知手段23が自身と対応付けされたコンソールが起動していることを検知すると、電力供給手段21に放射線画像検出器の動作状態を撮影可能状態に切替えさせて、以降、続きの撮影動作が行われる。
このように、対応付けと撮影予約の指示を同時に入力する構成の放射線画像撮影システム1では、特に、緊急に撮影を行いたい場合(例えば、起動しているコンソールと対応付けられたとき)、放射線画像検出器5を起動させるための操作の手間や起動待ちの時間をさらに省いて、撮影の際の操作性を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、第1実施形態における放射線画像撮影システム1が放射線画像検出器に対応付けられたコンソールの状態の一例として、コンソールの起動状態に応じて電力供給状態を制御する、つまり、対応付けられたコンソールの起動状態を検知し、その状態に応じて放射線画像検出器の電力供給状態を制御したのに対し、対応付けられたコンソールで行われる動作の進行状態に応じて電力供給状態を制御する場合について説明する。したがって、以下の説明では、放射線画像検出器5及びコンソール6の制御部の説明を中心に行い、第1実施形態と同様の箇所については、その詳細な説明を省くと共に、同一の符号を付して説明を行う。
まず、コンソール6について説明する。
図7に示すように、コンソール6は、入力操作部31、表示部32、通信部33等を備えており、これら各部材は、制御装置30内の制御部35に接続されている。なお、各コンソール6には、ネットワーク7上の複数のコンソール6を区別するための識別番号(例えば、ID、バーコード等)が付与されている。
本実施形態において、入力操作部31では、例えば、入力指示として、対応付け指示や撮影予約指示、撮影指示を入力するようになっている。
制御部35には、入力操作部31からの入力指示や通信部33を介して外部から受信した情報が入力されるようになっており、入力された指示又は情報について所定の処理を行うものである。
例えば、制御部35は、入力操作部31で対応付け指示が入力されると、入力操作部31で識別情報が入力された放射線画像検出器5とコンソール6との対応付けを行うとともに、通信部33を介してコンソール6と対応付けられた放射線画像検出器5の通信部24に対応付け変更信号を送信する。
なお、制御部35は、入力操作部31で撮影室11内で使用される放射線画像検出器5の識別情報のみが入力された場合には、入力された識別情報が付与された放射線画像検出器5とコンソール6との対応付けを行う。
また、制御部35は、入力操作部31で対応付け指示が入力されると、その都度対応付けされる放射線画像検出器5を追加する。
また、制御部35は、入力操作部31で撮影予約指示が入力されると、すでに自身に対応付けられている放射線画像検出器5のうち、入力操作部31で選択された放射線画像検出器5を選択する。つまり、撮影予約指示では撮影する患者とすでに対応付けられた放射線画像検出器5の中から当該患者に対して使用する放射線画像検出器5が選択されることで、撮影する患者と当該患者に対して使用する放射線画像検出器5とを対応付ける。
また、制御部35は、撮影予約指示の入力に基づき、ある一つの放射線画像検出器5が選択されると、通信部33を介して選択された識別情報を有する放射線画像検出器5の通信部24に撮影予約指示信号を送信する。
また、制御部35は、入力操作部31で撮影指示が入力されると、通信部33を介して撮影指示信号を放射線画像検出器5の通信部24に送信する。
また、制御部35は、通信部33を介して放射線画像検出器5により検出された放射線画像情報が入力されると、所定の画像処理を行う。
また、制御部35は、入力操作部31や通信部33により入力された指示又は情報等を表示部32に表示させるようになっており、前述した撮影リスト等の他に、放射線画像、サムネイル画像、コンソール6と対応付けられた放射線画像検出器5の動作情報等を表示部32に表示させる。コンソール6と対応付けられた放射線画像検出器5の動作情報としては、例えばコンソール6との対応付けが解除された旨や対応付けられた放射線画像検出器5の動作が未完了である旨が挙げられる。
次に、放射線画像検出器5について説明する。
図8に示すように、放射線画像検出器5には、撮像パネル15、走査駆動回路16、信号読出し回路17、画像記憶部18、通信部24、インジケータ25、内蔵電源19が設けられており、図7に示すように、これら各部材は、制御装置28内の制御部36に接続されて構成されている。なお、各放射線画像検出器5には、ネットワーク7上の複数の放射線画像検出器5を区別するための識別番号(例えば、ID、バーコード等)が付与されている。
なお、本実施形態における通信部24は、例えば、撮像パネル15から出力された画像信号をコンソール6に転送し、コンソール6等から送信される対応付け変更指示信号及び撮影指示信号等を受信するものである。
また、放射線画像検出器5には、自身と対応付けられたコンソールからの指示に基づく動作の進行状況を確認する検知手段40が備えられている。
検知手段40は、放射線画像検出器5に対応付けられているコンソール6からの指示に基づく動作が完了したか否かを検知し、対応付け変更信号が入力された制御部36からの指示に基づき、その旨を制御部36に出力するように構成されている。また、検知手段40は、放射線画像検出器5に対応付けられているコンソール6からの指示に基づく動作が完了したことを検知すると、その旨制御部36に出力するように構成されている。
放射線画像検出器5で行われる動作としては、撮影可能状態にある撮影動作と、撮影待機状態及び待機準備状態のいずれかの状態にある撮影待機動作とがあり、これら動作は、制御部36により切替え設定できるようになっている。
また、放射線画像検出器5には、制御部36からの指示に基づき、対応付けられているコンソール6との対応付けを解除する解除手段41が備えられている。
制御部36には、通信部24で受信された信号が入力されるようになっており、制御部36は通信部24で受信された信号に基づいて各駆動部の制御を行うようになっている。例えば、制御部36では、自身の識別情報が含まれる対応付け変更指示信号が通信部24に受信された場合に、検知手段40に自身と対応付けされたコンソール6からの指示に基づく動作の進行状況として画像データの送信状況を確認する動作を行わせるようになっている。
また、制御部36は、検知手段40から自身に対応付けられているコンソール6の動作が完了した旨、例えば画像データが送信済みであるなどの信号が入力されると、解除手段41に自身に対応付けられているコンソール6との対応付けを解除させ、通信部24を介して対応付けが解除されるコンソール6の通信部33に対して対応付けが解除された旨の信号を送信させるように構成されている。なお、特定のコンソール6との対応付けが解除された放射線画像検出器5の制御部36では、新たなコンソール6との対応付けが可能となるように制御構成がなされている。そして、制御部36は、対応付けが解除された旨の信号を送信させた後、自身の識別情報が含まれている対応付け変更指示信号を送信したコンソール6(次のコンソール6)との対応付けを行うように構成されている。
一方、制御部36は、検知手段40から自身に対応付けられているコンソール6の動作が完了していない旨、例えば、画像データが未送信であるなどの信号が入力されると、解除手段41に自身に対応付けられているコンソール6との対応付けを解除させないようにし、通信部24を介して自身の識別情報が含まれている対応付け変更指示信号を送信したコンソール6(次のコンソール6)に対して動作が未完了である旨の信号を送信させるように構成されている。そして、制御部36は、動作が未完了である旨の信号を送信させた後、各駆動部に続きの動作を行わせるように構成されている。
また、制御部36は、通信部24を介して撮影指示信号が入力されると、走査駆動回路16を駆動させて各光電変換素子にパルスを送り当該各光電変換素子を走査・駆動させるようになっている。そして、各光電変換素子に蓄積された電気エネルギーを信号読出し回路17によって読み出させ、読み出された画像信号を制御部36に送らせるようになっている。制御部36は送られた画像信号を画像記憶部18に記憶させるとともに、通信部24を介してコンソール6の通信部33に送らせるようになっている。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システムの作用について説明する。
放射線画像検出器5を撮影に使用する際には、放射線技師により撮影に使用するコンソール6において、事前に撮影に使用する放射線画像検出器5の識別情報が入力されることで対応付けが行われる。そして、放射線画像検出器5とコンソール6は、対応付けがなされた状態となる。
その後、放射線画像検出器5は、通信部24を介してサーバ2内の対応付け情報にアクセスを行い、自身と対応付けられたコンソール6がネットワーク7上のいずれであるか把握している一方で、自身の識別情報が含まれる対応付け変更指示信号が受信されているかどうかを絶えず検知する。
一方、コンソール6は、起動中、サーバ2から撮影リストが送信されるまで待機しており、撮影リストが通信部33を介して受信されると、放射線技師はコンソール6の入力操作部31にて、撮影リスト上の患者の中から次に撮影を行う患者を選択し、その患者に対して使用する特定の放射線画像検出器5を選択する。
すると、入力操作部31に撮影予約指示が入力され、コンソール6の制御部35は入力された識別情報に基づいて放射線画像検出器5の対応付けを変更すると同時に、この入力内容を対応付け変更指示信号として通信部33を介してネットワーク7上の放射線画像検出器5の通信部24に送信する。
その後、通信部24を介して自身の識別情報が含まれている対応付け変更指示信号を受信した放射線画像検出器5の制御部36は、検知手段40に動作の進行状況を確認させる。
検知手段40は、動作の進行状況を確認して、画像データをコンソール6に送信し、自身に対応付けられているコンソール6からの指示に基づく動作が完了したことを検知すると、その旨を制御部36に出力し、制御部36は、解除手段41に自身に対応付けられているコンソール6との対応付けを解除させる。そして、放射線画像検出器5は、新たにコンソール6と対応付けを行うことが可能な状態になり、制御部36は検知手段40に動作の進行状況を確認させる直前に自身の識別情報が含まれている対応付け変更指示信号を送信したコンソール6(次のコンソール6)との対応付けが行われる。そして、放射線画像検出器5は、再び解除手段41により対応付けが解除されるまで、次のコンソール6からの指示に基づいて動作が制御される。
このとき、放射線画像検出器5の制御部36は、通信部24を介して対応付けが解除される前のコンソール6の通信部33に対応付けが解除された旨の信号を送信する。
一方、検知手段40が動作の進行状況を確認した際に、自身に対応付けられているコンソール6からの指示に基づく動作が完了していない(画像データが未送信である)ことを検知すると、その旨を制御部36に出力し、制御部36は、自身に対応付けられているコンソール6との対応付けを解除させないように解除手段41を制御する。そして、制御部36は、通信部24を介して自身の識別情報を含む対応付け変更信号を送信したコンソール6の通信部33に動作が未完了である旨の信号を送信するとともに、各駆動部に続きの動作を行わせる。
その後、コンソール6が通信部33を介して動作が未完了である旨の信号を受信して、コンソール6の制御部35は、コンソール6に対応付けられている放射線画像検出器5の動作が未完了である旨を表示部32に表示させる。
その後、放射線画像検出器5が自身に対応付けられているコンソール6からの指示に基づく動作が完了すると、検知手段40がその旨を検知して、制御部36に出力する。制御部36は、解除手段41に自身に対応付けられているコンソール6との対応付けを解除させ、放射線画像検出器5は新たなコンソール6と対応付けを行うことが可能な状態となる。そして、制御部36は、検知手段40に動作の進行状況を確認させる直前に自身の識別情報が含まれている対応付け変更指示信号を送信したコンソール6(次のコンソール6)との対応付けを行う。その後、放射線画像検出器5は、再び解除手段41により対応付けが解除されるまで、次のコンソール6からの指示に基づいて動作が制御される。
以上のように本実施形態によれば、放射線画像検出器5では、複数のコンソール6のうち、対応付けられたコンソール6により動作が制御されており、検知手段40により対応付けられたコンソール6からの指示に基づく動作が完了したか否かの確認が行われている。検知手段40にて、動作が完了したことを確認すると、解除手段41に対応付けられたコンソール6との対応付けを自動的に解除させ、動作が完了していないことを確認すると、解除手段41に対応付けられたコンソール6との対応付けを自動的に解除させないようにしている。そのため、放射線画像検出器5は、動作が完了していない状態で対応付けが解除されるのを自動的に防ぐことができるので、対応付けを解除させる際に、コンソール6への画像転送など、放射線画像検出器5に対応付けられていたコンソール6からの指示に基づく動作が中断されるのを防ぐことができる。これにより、画像データが消失して患者に再撮影を強いるなど、操作ミスにより不要な被曝を高じさせるのを防ぐことができる。
また、放射線画像検出器5は、コンソール6との対応付けが解除されると、放射線画像検出器5自身を次のコンソール6との対応付けを可能とするように制御されるので、対応付けが解除されていない状態で次のコンソール6と対応付けられることがなく、確実に動作を完了させることができる。従って、患者に操作ミスにより不要な被曝を高じさせるのを確実に防ぐことができる。
従って、撮影の際の操作性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施形態では、撮影予約の指示の入力は、撮影予定の患者に対してその撮影に使用する放射線画像検出器5を選択することで行われたが、撮影リスト上に予め使用予定の放射線画像検出器が決められている患者が記載されている場合には、撮影リスト上で、患者を選択することで行われる構成としてもよい。
また、対応付けは、コンソール6や放射線画像検出器5での手入力によらず、ICタグ付きの放射線画像検出器5を撮影室の出入り口に備えたセンサを通過させることにより、撮影室に放射線画像検出器5を持ち込む際に当該放射線画像検出器5の認識情報をセンサを通じてコンソール6が検知することも可能である。
また、センサは、基地局4が兼ねることも可能である。この場合、ネットワーク7内には、一定範囲ごとに基地局4が備えられており、各基地局4では、各基地局4が管理している範囲内に存在する放射線画像検出器5を認識して、基地局4ごとに対応付けられたコンソールに当該放射線画像検出器を対応付けることも可能である。
また、本実施形態では、コンソール6で放射線画像検出器5の識別情報を入力して対応付けを行うと、コンソール6は対応付け変更信号をコンソール6で対応付けを行った放射線画像検出器5に送信したが、対応付け変更信号を、すでに対応付けられている(対応付けが解除される前の)コンソール6に送信して、当該コンソール6から放射線画像検出器に動作の確認を行わせることも可能である。
また、放射線画像検出器5から対応付けが解除される前のコンソール6に対応付けが解除された旨の信号を送信する際に、対応付けを解除してもよいか確認を行う構成としてもよい。
また、検知手段40が動作の進行状況として、自身に対応付けられているコンソール6の動作が完了していないことを検知した場合、自身の識別情報を含む対応付け変更信号を送信したコンソール6の通信部33に動作が未完了である旨の信号を送信して、当該信号を受信したコンソール6にその旨を表示させたが、当該信号を受信したコンソール6での入力操作部31からの入力を不可能にさせたり、あるいは、何らの情報も表示しないなど、当該信号を受信したコンソール6の制御部35に入力操作部31や表示部32の動作を不可能な状態にするよう制御させてもよい。
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、第1及び第2実施形態における放射線画像撮影システム1におけるコンソール6の指示に基づく動作の一つが、放射線画像検出器5に対応付けられたコンソール6に画像を送信するのに対し、少なくとも放射線画像検出器5に対応付けられたコンソールに画像を送信する、つまり、放射線画像検出器5に関連付けられたコンソールに画像を送信する場合について説明する。
以下、本発明の実施の形態を、図9から図12を参照して説明する。
図9は、本発明による放射線画像検出器を適用した放射線画像撮影システム101の一実施形態の概略構成を示す図である。
本実施形態による放射線画像撮影システム101は、X線等の放射線を用いて画像撮影を行うシステムであり、図9に示すように、放射線画像撮影に関する情報を管理するサーバ102と、放射線照射に関する操作を行う放射線照射操作装置104と、例えば無線LAN(Local Area Network)等の無線通信方式による通信を行うための基地局105と、撮影室150を管理し撮影室150内に設置された放射線画像検出器106を操作するコンソール107a,107b,107cとがネットワーク108を通じて接続され相互に情報の送受信が可能となるように構成されている。放射線照射操作装置104にはケーブル104を介して、被写体である患者111に放射線を照射する放射線管球109が接続されている。なお、撮影に用いられる放射線はX線に限定されないが、X線が最も好適に用いられる。撮影にX線を用いる場合には、前記放射線管球109としてX線を照射するX線管球が用いられ、放射線画像検出器106としてX線画像検出装置が用いられる。
なお、ネットワーク108に接続されるコンソールの数は3つに限定されず、さらに複数のコンソールが接続されていてもよい。また、撮影室150の数は図示したものに限定されず、複数の撮影室150が設けられていてもよい。撮影室150とコンソール107とは、それぞれ1対1で対応付けられていてもよいし、複数の撮影室150に1つのコンソール107が対応付けられ1つのコンソール107によって複数の撮影室150の管理が行われてもよい。また1つの撮影室150に複数のコンソール107が対応付けられていてもよい。
ここで、ネットワーク108は、当該システム専用の通信回線であっても良いが、システム構成の自由度が低くなってしまう等の理由のため、イーサネット(Ethernet;登録商標)等の既存の回線である方が好ましい。
サーバ102は、図9に示すように、コンピュータで構成されており、図10に示すように、サーバ102には、サーバ102を構成する各部を制御する制御部131、各種情報を記憶する外部記憶装置132、各種情報や操作者の指示を入力する入力操作部133、入力された情報等を表示する表示部134等が設けられ、各部はバス135により接続されている。
入力操作部133は、例えば、キーボードやマウス等から構成されており、キーボードで押下操作されたキーの押下信号やマウスによる操作信号を入力信号として制御部131に対して出力する。
特に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム101においては、入力操作部133は、患者情報入力手段として、前記患者情報や撮影情報等の入力を行うようになっており、これにより撮影を行う予定となっている患者111の登録が行われる。なお、入力操作部133によって入力される情報はここに例示したものに限定されない。
患者情報とは、例えば、患者111の氏名、年齢、性別、生年月日、患者111を特定するための患者ID番号等の患者111に関する情報である。また、撮影情報とは、撮影部位(患者111の身体上の撮影する部分)、管電圧や照射線量(mAs値)等の撮影条件、撮影する方向や方法等の撮影を行うために必要な情報である。また、例えば、一人の患者111について複数回の撮影を行う場合には、撮影予定回数等も撮影情報として入力される。
なお、患者情報及び撮影情報は、前記のように、サーバ102の入力操作部133によって入力されたものに限定されない。例えば、コンソール107から入力されサーバ102に送信されたものであってもよい。また、例えば、医師の診察室等に設置されネットワーク108に接続された図示しない他のパーソナルコンピュータ(Personal Computer)等の端末装置から入力されたものをサーバ102が受信するようにしてもよい。さらに、IDカード等に予め書き込まれた患者情報や撮影情報を読み取るカードリーダ等の情報読取装置を設け、このような情報読取装置によって患者情報や撮影情報を読み取ることにより入力を行うようにしてもよい。これらの場合には、これらの各入力手段、情報読取装置等によって患者情報入力手段が構成される。
制御部131は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶装置132等に格納される各種のプログラムを読み出し、これに従って各種処理を実行するように構成されている。
特に、本実施形態において、制御部131は、患者リスト生成手段として、入力操作部133によって入力された情報又はコンソール107等の外部装置によって入力されネットワーク108を通じて送られた患者情報や撮影情報等をそれぞれ対応付けたリスト(以下「患者リスト」と称する。)を生成し、外部記憶装置132等に記憶させる。サーバ102の制御部131で生成された患者リストはネットワーク108を介して各コンソール107により共有される。なお、一旦患者リストが生成された後に入力操作部133等から新たな情報が入力されると、患者リストが順次更新され、更新された患者リストがサーバ102及び各コンソール107の間で共有される。
また、サーバ102には、各放射線画像検出器106によって検出されコンソール107に送信された放射線画像情報が、撮影された患者の患者情報や、当該放射線画像情報が当該患者について撮影された何枚目の画像であるかを識別するための情報その他の撮影に関する撮影情報等と対応付けられて送られる。なお、放射線画像検出器106からサーバ102に送られる放射線画像情報には、これらの情報の他、例えば、撮影を行った放射線画像検出器106を当該撮影の際にどのコンソール107が操作したのかを識別するための識別情報等がそれぞれ対応付けられていてもよい。制御部131は、送られたこれらの情報を放射線画像情報とともに前記患者リストと対応付けて外部記憶装置132等に記憶させ、管理する。
制御部131は、患者情報や撮影情報と対応付けられた放射線画像情報が送られると、外部記憶装置132に記憶されている放射線画像情報の中に同じ患者情報等と対応付けられた過去の放射線画像情報がないかどうかの検索を行う。ここで、過去の放射線画像情報とは、同じ患者情報と対応付けられた既撮影の放射線画像情報の全てであってもよいし、例えば、同一患者について複数回の撮影予定があり一連の撮影予定が患者リストに対応付けられているような場合には、当該患者についての撮影予定のうち既撮影の放射線画像情報であってもよい。
また、制御部131は、画像情報送信手段として、放射線画像検出器106による検出結果に基づく放射線画像情報のうち、同一の患者情報と対応付けられているものを、その患者について最後に撮影を行った放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として対応付けられているコンソール107に送信する。
ここで最後に行った撮影とは、ある患者について予定されている一連の撮影のうち最後に行われたものをいう。すなわち、例えば、ある患者について一連の撮影として4回の撮影が予定されている場合、2回目の撮影が終了した時点では、当該2回目の撮影が最後に行われた撮影となる。したがって、この場合には、当該2回目の撮影に用いた放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として対応付けられているコンソール107に1回目の撮影によって得られた放射線画像情報が送られることとなる。同様に、4回の撮影が予定されている場合、4回目の撮影が終了した時点では、当該4回目の撮影が最後に行われた撮影となるため、当該4回目の撮影に用いた放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として対応付けられているコンソール107に1回目〜3回目の撮影によって得られた放射線画像情報が送られることとなる。
したがって、例えば、前記のようにある患者につき4回の撮影予定があり、4回目の撮影が行われて、その放射線画像情報が患者情報や撮影情報と対応付けられた状態で制御部131に送られると、制御部131は、この患者情報等に基づいて外部記憶装置132内を検索する。そして、この検索の結果、当該患者についての1回目〜3回目の撮影によって得られた放射線画像情報を選び出し、これらの放射線画像情報を4回目の撮影に用いた放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として対応付けられているコンソール107に送信する。
なお、コンソール107に送信する放射線画像情報は、例えば、同一患者について撮影部位の異なる複数の撮影予定があり一連の撮影予定が患者リストに対応付けられているような場合には、当該患者についての撮影予定のうち既に撮影されたものである。すなわち、例えば、腹部正面、腹部側面、胸部正面、胸部側面という4回分の撮影予定が患者リストに対応付けられている場合、腹部正面、腹部側面、胸部正面の撮影が終了し、さらに胸部側面が撮影された場合には、胸部側面の撮影の際に放射線画像検出器106を操作するコンソール107として対応付けられているコンソール107に対して、既に撮影の終了している腹部正面、腹部側面、胸部正面の放射線画像情報を送信する。
また、例えば、同一部位についての経時的な変化を観察する等のため、腹部1回、2回、3回、胸部1回、2回、3回というように同じ患者の同一部位について複数回の撮影予定がある場合であって、腹部2回目及び胸部2回目までの撮影が行われている場合に、患者の胸部3回目の撮影が行われ、その放射線画像情報が患者情報等とともにコンソール107から送信された場合には、当該患者についての撮影予定のうち同一部位に関するものであって既に撮影されたものである胸部1回、2回の放射線画像情報のみを前記所定のコンソール107に送信してもよい。
さらに、制御部131に送られた放射線画像情報と対応付けられた患者情報等と合致する放射線画像情報全てであってもよいし、例えば、患者情報が合致するもののうち、撮影日時等の新しいものから順に数えて任意の回数分のみとしてもよい。
また、この際、制御部131からコンソール107に送信される放射線画像情報は、原画像情報、表示用画像の両方であってもよいが、情報の転送を円滑に行い、コンソール107における画像の確認を速やかに行うために、情報量の少ない表示用画像のみを送信するようにすることが好ましい。
次に、放射線画像撮影装置103は、放射線を照射する放射線管球109を有して放射線照射装置として機能するようになっているとともに、この放射線管球109より放射線照射操作装置104で設定された管電圧や照射線量で放射線を照射するようになっている。放射線管球109の下方であって放射線照射範囲には、患者111を載置させる寝台112が設けられており、また、寝台112の上であって患者111を載置したときに患者111の撮影部位に対応する位置には、放射線を読み取って放射線画像を検出する放射線画像検出器106が配置されている。なお、放射線画像検出器106を配する位置は、患者111と寝台112の間に限定されず、例えば、寝台112の下方に放射線画像検出器106を装着する検出装置装着口(図示しない)を設けて、放射線画像検出器106がこの検出装置装着口に装着される構成としてもよい。
放射線照射操作装置104は、情報を表示する表示部や操作者である放射線技師からの指示を入力する入力操作部(いずれも図示せず)等を備えるコンピュータで構成されており、入力された撮影条件に対応する管電圧値、放射線の線量により撮影が行われるように、放射線画像撮影装置103の放射線管球109等を制御するように構成されている。
次に、コンソール107は、図11に示すように、CPU(Central Processing Unit)等から構成される制御部114、RAM(Random Access Memory)115、ROM(Read Only Memory)116、表示部117、入力操作部118、通信部119等を備えて構成されており、各部はバス120により接続されている。本実施形態においては、前記のように複数のコンソール107a,107b,107cがネットワーク108に接続されており、各コンソール107a,107b,107cには、例えばコンソール107a,107b,107cを識別するための識別情報としてコンソールIDが付されている。
表示部117は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成され、制御部114から送られる表示信号の指示に従って、前記患者リスト、各種のメッセージや画像等、各種画面を表示するものである。
入力操作部118は、例えば、キーボードやマウス等から構成されており、キーボードで押下操作されたキーの押下信号やマウスによる操作信号を入力信号として制御部114に対して出力するものである。なお、入力操作部118は、前記表示部117の表示画面を覆う透明なシートパネルに、指又は専用のスタイラスペンで触れることにより入力される位置情報を入力信号として制御部114に出力する、いわゆる、タッチパネルにより構成されていてもよい。
特に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム101においては、入力操作部118は、前記患者情報や撮影情報等の入力及び放射線画像検出器106の検出装置ID等の入力等を行うことができるようになっている。ここで検出装置IDとは、放射線画像検出器106を識別するために各放射線画像検出器106に付される放射線画像検出器106の識別情報である。
放射線画像検出器106の識別情報を入力するコンソール107は、例えば、当該放射線画像検出器106が設置された撮影室150を管理するコンソール107である。撮影室150を管理するコンソール107が設置される位置は特に限定されないが、当該撮影室150や放射線照射操作装置104に最も近い位置に設置されているコンソール107であることが好ましい。このようにすることにより、撮影を行う際、撮影室150や放射線照射操作装置104に近い位置から撮影室150内の放射線画像検出器106の操作等を行うことが可能となる。
また、前記表示部117には、サーバ102からネットワークを通じて送信される患者リストが表示されるようになっており、入力操作部118は、患者選択手段として、この患者リストの中から撮影を行う患者やその撮影部位等を選択可能となっている。なお、患者リストは、サーバ102から送信されてくる場合に限定されず、サーバ102に格納されている患者リストを読み出して参照できるようにしてもよい。入力操作部118によって選択された患者やその撮影部位等の情報はこれらを選択したコンソール107の識別情報と対応付けられて、ネットワーク108を介してサーバ102に送られる。
また、コンソール107に対応付けられている放射線画像検出器106が複数ある場合には、入力操作部118は、そのうちいずれの放射線画像検出器106によって撮影を行うかを選択可能となっている。
これにより、患者をどの放射線画像検出器106によって撮影するかの撮影前の設定が行われる。なお、前記設定が行われると、他のコンソール107では患者リスト上で当該患者を選択することができなくなるようにしてもよい。
また、入力操作部118は、所定操作に基づいて放射線画像検出器106による検出結果に基づく放射線画像情報の転送指示に係る信号を制御部114に対して出力する。本実施形態においては、撮影によって得られた放射線画像情報は、撮影に使用された放射線画像検出器106と対応付けられ撮影の際に放射線画像検出器106を操作したコンソール107に転送され、後述するように、コンソール107の制御部114において、前記撮影前の設定の際に患者リストから選択された患者の患者情報や撮影情報等と対応付けられる。患者情報や撮影情報等と対応付けられた放射線画像情報は、サーバ102に転送され、また、必要に応じて図示しない記憶装置等に保存される。なお、患者情報や撮影情報等と対応付けられた放射線画像情報は、必要に応じてサーバ102以外の外部装置にも転送されるようにしてもよい。
また、入力操作部118は、所定操作に基づいて放射線画像検出器106に記憶されている放射線画像情報の削除指示に係る信号を制御部114に対して出力する。
また、入力操作部118は、放射線技師が放射線画像検出器106による被写体像が適正に検出されているか否か及び再撮影の要否の判断を行った場合に、その判断結果を入力する。入力された結果は、電気信号として制御部114に出力される。
通信部119は、無線LAN等の無線通信方式により、基地局105を介して、放射線画像検出器106との間で各種情報の通信を行うものである。
制御部114は、例えば、前記のように、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、ROM(Read Only Memory)116に格納される所定のプログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)115の作業領域に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行するように構成されている。
特に、本実施形態において、前記入力操作部118から放射線画像検出器106の識別情報として検出装置IDが入力されると、入力された検出装置IDが信号として制御部114に送られる。制御部114は、この検出装置IDを取得すると、検出装置IDと前記コンソールIDとを対応付けることにより、コンソール対応付け手段として放射線画像検出器106とコンソール107との対応付けを行うように構成されている。
具体的には、例えば、コンソール107aの入力操作部118から放射線画像検出器106の検出装置IDが入力されると、制御部114は、この検出装置IDを有する放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として当該コンソール107aを対応付ける。
なお、制御部114がコンソール107と対応付ける放射線画像検出器106を識別するための入力方式はここに示したものに限定されず、例えば、放射線画像検出器106に放射線画像検出器106を識別するための識別情報としてICタグやバーコードを付しておき、これを所定の読取装置等によって読み取ることにより放射線画像検出器106の識別情報が入力されて、制御部114がこの識別情報を取得するようにしてもよい。
また、入力操作部118からの検出装置IDの入力等により制御部114が放射線画像検出器106の識別情報を取得し、放射線画像検出器106とコンソール107との対応付けを行うタイミングは、例えば、放射線画像検出器106が撮影室150内に搬入される際に行われるのが好ましいが、対応付けを行うタイミングはこれに限定されない。
なお、放射線画像検出器106が一旦あるコンソール107と対応付けられた後に当初設置された撮影室150から移動して別の撮影室150に移動したような場合には、移動した先の撮影室150を管理するコンソール107の入力操作部118から放射線画像検出器106の検出装置IDが入力される等によって、移動先の撮影室150を管理するコンソール107の制御部114により改めて放射線画像検出器106とコンソール107との対応付けが行われる。なお、移動先の撮影室150を管理するコンソール107と放射線画像検出器106との間に新たな対応関係が形成されると、前に対応付けを行ったコンソール107との対応関係は解除される。
具体的には、例えば、ある撮影室150に放射線画像検出器106が搬入され、当該撮影室150を管理するコンソール107aの入力操作部118から検出装置IDが入力されると、制御部114は、当該放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107としてコンソール107aを対応付ける。その後、放射線画像検出器106が別の撮影室150に移動し、コンソール107bが当該撮影室150を管理しているときは、コンソール107bの入力操作部118から放射線画像検出器106の検出装置IDが入力され、制御部114は、当該放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として当該コンソール107bを対応付けるようになっている。当該コンソール107bと放射線画像検出器106との間に新たな対応関係が形成されると、前に対応付けを行ったコンソール107aと放射線画像検出器106との対応関係は解除される。
また、制御部114は、患者情報対応付け手段として、撮影された患者の患者情報及び放射線画像情報が当該患者について撮影された何枚目の画像であるか等を含めた撮影情報と放射線画像検出器106による検出結果に基づく放射線画像情報との対応付けを行う。なお、制御部114によって放射線画像情報と対応付けられる情報はこれらの情報に限定されない。例えば、撮影を行った放射線画像検出器106を当該撮影の際にどのコンソール107が操作したのかを識別するための識別情報等がそれぞれ対応付けられてもよい。
制御部114は、患者情報等が対応付けられた放射線画像情報をネットワーク108を介してサーバ102に送るようになっている。
また、制御部114は、撮影部位に関する情報等撮影に必要な情報を基地局105を介して無線で放射線画像検出器106に対して送信することも可能となっている。
制御部114には、放射線画像検出器106によって取得された放射線画像情報が送られるようになっており、制御部114は、放射線画像情報を受け取ると、表示用画像生成手段として、送られた放射線画像情報に基づいていわゆるサムネイル画像等、原画像情報よりも情報量の少ない縮小画像情報である表示用画像を生成する。この縮小画像の縮小率は、例えば、原画像に対して各辺の長さが1/2〜1/100倍となる程度(画素数が1/4〜1/10000倍となる程度)が好ましく、1/4〜1/2500倍となる程度がより好ましい。
また、制御部114は、入力操作部118等から入力された指示等に基づき、適宜表示部117に各種情報や画像を表示させる。なお、入力操作部118より再撮影を行わない旨の入力がなされたときには、次に行われる撮影に係る患者情報及び撮影情報を表示部117に表示させるとよい。
さらに、制御部114は、前記入力操作部118からの入力された削除指示に係る信号に基づいて、放射線画像検出器106に記憶されている放射線画像情報の削除を指示する信号を放射線画像検出器106に送り、放射線画像情報の削除を行わせる。
次に、放射線画像検出器106は、例えば可搬型のカセッテ型FPDであり、放射線画像検出器106は、図12に示すように、制御部121、RAM122、ROM123、放射線検出部である平面検出部124、記憶手段である画像記憶部125、通信部126、電源部127、入力操作部128等を備えて構成されており、各部はバス129により接続されている。
放射線画像検出器106には、それぞれ放射線画像検出器106を識別するための識別情報として検出装置IDが付されている。なお、放射線画像検出器106を識別するための識別情報は、前記のように検出装置IDに限定されず、例えばICタグやバーコードでもよい。
平面検出部124は、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置には、放射線管球109から照射されて少なくとも被写体を透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の画素がマトリックス状に配列されている。
ここで、平面検出部124としては、図示は省略するが、例えば、放射線を蛍光(光)に変換する放射線光変換層と、放射線光変換層により変換された蛍光を検出して電気信号に変換する光電変換層とを備える間接型のもの、また、放射線光変換層及び光電変換層に替えて、放射線を直接電荷に変換する放射線受部を有する放射線電気信号変換層を備える直接型のもの等が挙げられる。なお、間接型のものは直接型のもので用いる高圧電源が不要であるため好ましい。
画像記憶部125は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリやRAMから構成され、平面検出部124に蓄積された電気信号が読み取られることにより取得された放射線画像情報を記憶可能となっている。この画像記憶部125の記憶容量は、特に限定されないが、複数の放射線画像情報を記憶可能な容量であることが好ましい。このように複数の放射線画像情報を記憶可能とすることにより、放射線画像情報をコンソール107やサーバ102等の外部装置に転送したり、撮影の適否の判断を待つ等をすることなく、次の撮影を行うことができ、装置の稼動効率を上げることができる。
通信部126は、無線LAN等の無線通信方式により、基地局105を介して、コンソール107との間で各種情報の通信を行うものである。例えば、通信部126は、コンソール107の通信部119から送信された患者情報、撮影情報及び放射線画像検出器106との間で対応付けされたコンソール107のコンソールID等の各種情報を受信する。また、通信部126は、当該放射線画像検出器106の検出装置IDをコンソール107に送信する。そして、画像記憶部125に記憶された放射線画像情報を放射線画像検出器106との間で対応付けされたコンソール107に対して送信するようになっている。さらに、通信部126は、コンソール107の通信部119を介して送信された放射線画像の撮影状態が適正であるか否かに係る撮影適否信号及び放射線画像検出器106に記憶されている放射線画像情報の削除を指示する削除指示信号等を受信する。
電源部127は、放射線画像検出器106を構成する各部に電源を供給する電力供給手段として充電池130を有し、当該放射線画像検出器106の所定位置に設けられた充電用端子(図示略)を介して充電可能に構成されている。
制御部121は、例えばCPU等から構成され、ROM123に格納される所定のプログラムを読み出してRAM122の作業領域に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
具体的には、例えば、制御部121は、平面検出部124の各画素を構成する例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、平面検出部124に蓄積された電気信号を読み取ることにより、平面検出部124から検出結果を取得する。
さらに、制御部121は、放射線画像検出器106の検出装置IDをコンソール107に対して送信するように通信部126を制御する。また、制御部121は、画像情報送信手段として、放射線画像検出器106によって検出された検出結果に基づく放射線画像情報をコンソール107に対して送信するよう通信部126を制御する。
本実施形態において、制御部121が通信部126を介して放射線画像情報を送信する先は、撮影の際に当該放射線画像検出器106を操作するコンソール107として対応付けられているコンソール107である。コンソール107に送信される放射線画像情報には、少なくとも撮影を行った放射線画像検出器106の検出装置ID等の識別情報が付帯情報として付与されるが、患者リストに対応付けられた患者情報及び撮影情報、撮影の際に放射線画像検出器106を操作するコンソール107として対応付けられたコンソール107のコンソールID等が含めてもよい。また、当該放射線画像情報を放射線画像検出器106より転送させるタイミングを入力操作部118より入力できるようにしてもよい。なお、放射線画像情報を放射線画像検出器106より転送させるタイミングは、可能な範囲で早い方が好ましい。
次に、放射線画像撮影システム101の作用について説明する。
新たに放射線画像検出器106を撮影室150に設置する際には、放射線技師により当該撮影室150を管理するコンソール107aの入力操作部128等から放射線画像検出器106の検出装置ID等の識別情報が入力される。検出装置ID等の識別情報が入力されると、制御部114によってコンソール107aと放射線画像検出器106との対応付けが行われる。対応付けが行われると、コンソール107aのコンソールIDと放射線画像検出器106の検出装置IDとが対応付けられた状態で、ネットワーク108を介してサーバ102に送られ、サーバ102の外部記憶装置132等に記憶される。
一方、患者情報、撮影情報等がいずれかのコンソール107から入力されると、入力された各情報がネットワーク108を介してサーバ102に送られる。患者情報、撮影情報等が送られると、サーバ102の制御部131により各情報を対応付けた患者リストが生成される。なお、患者情報、撮影情報等は、コンソール107から入力される他、サーバ102の入力操作部133や、IDカードリーダ等の各種情報読取装置、診察室等に設置されネットワーク108に接続された端末装置等から送信されてもよい。
放射線画像の撮影を行う際には、放射線技師は、まず撮影を行う撮影室150に対応付けられたコンソール107aに行き、サーバ102に記憶されている患者リストをネットワーク108を介して参照しコンソール107aの表示部117に患者リストを表示させる。そして、放射線技師はその中から撮影を行う患者111及び必要に応じてその撮影部位等を選択する。撮影室150内に複数の放射線画像検出器106が設置されているときは、放射線技師は、さらに、撮影室150内に設置された放射線画像検出器106のうち撮影に使用する放射線画像検出器106を入力操作部118によって選択、入力する。
次に、サーバ102からコンソール107や放射線照射操作装置104に対して患者情報や撮影情報が送信される。患者情報や撮影情報は適宜コンソール107の表示部117に表示され、放射線技師はこれらの情報を確認しながら放射線画像の撮影を行う。
放射線照射操作装置104は、受信した撮影情報に含まれる管電圧値、放射線量等に基づいて、放射線画像撮影装置103の放射線管球109を制御し、放射線画像撮影装置103は、これらの条件下で放射線を患者111に対して照射する。
このとき、放射線画像検出器106が寝台112上であって患者111の下に差しこまれており、患者111を透過する放射線量を検出し、検出した放射線を電気信号に変換して所定の検出結果を取得し、この検出結果を画像記憶部125に記憶する。
また、放射線画像検出器106によって検知された検出結果は、制御部121により、撮影に使用された放射線画像検出器106の検出装置IDと対応付けられた状態で、放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として放射線画像検出器106と対応付けられているコンソール107aに送信される。
コンソール107aの制御部114は、表示用画像生成手段として、送られた検出結果に基づいて原画像情報よりも情報量の少ないいわゆるサムネイル画像等の表示用画像を生成し、生成した表示用画像を表示部117に表示させる。放射線技師は、表示用画像を確認することにより、放射線画像検出器106によって被写体像が適正に検出されているか否か及び再撮影の要否の判断を行う。
被写体像が適正に検出されており再撮影の必要がない場合には、コンソール107aの制御部114は、通信部119を介して原画像情報と患者情報等とを関連付けて、サーバ102に対して送信する。その後、原画像情報は、サーバ102より画像処理がなされた後、適宜プリンタやモニタなどの出力機から出力され、放射線画像として医師による診断に供される。一方、表示用画像は、制御部114により消去される。
また、制御部114は、放射線画像検出器106に対して放射線画像の撮影状態が適正である旨の信号及び放射線画像検出器106に記憶されている検出結果の削除を指示する削除指示信号を送信する。放射線画像検出器106の制御部121は、これらの信号を受けて画像記憶部125から検出結果を消去し、放射線画像検出器106による撮影を終了する。そして、この場合には、コンソール107aの表示部117には次の撮影の患者情報、撮影情報等が適宜表示される。
これに対して、被写体像が適正に検出されておらず再撮影の必要があるとの信号が入力操作部118から入力された場合には、原画像情報及び表示用画像を消去するとともに、放射線照射操作装置104に対して再撮影を行うよう指示を送信する。これにより再撮影が行われ、放射線画像検出器106によって検知された検知結果は、再度コンソール107aに送信される。コンソール107aの制御部114は、送られた検知結果に基づいて原画像情報よりも情報量の少ない表示用画像を生成し、生成した表示用画像を表示部117に表示させて、被写体像が適正に検出されており再撮影の必要がない場合には、コンソール107aの制御部114は、通信部119を介して原画像情報と患者情報等とを関連付けてサーバ102に送信する。また、コンソール107aの制御部114は、前記同様、表示用画像を消去するとともに放射線画像検出器106に対して放射線画像の撮影状態が適正である旨の信号及び放射線画像検出器106に記憶されている検出結果の削除を指示する削除指示信号を送信し、一連の撮影動作を終了する。
なお、その後、放射線画像検出器106が他の撮影室150に移動した場合には、例えば移動先の撮影室150に搬入される際に、当該撮影室150を管理するコンソール107bの入力操作部128等から放射線画像検出器106の検出装置ID等の識別情報が入力される。識別情報が入力されると制御部114によってコンソール107bと放射線画像検出器106との対応付けが行なわれ、他方で、先に対応付けられていたコンソール107aと放射線画像検出器106との対応付けが解除される。コンソール107bと放射線画像検出器106との対応付けが行われると、コンソール107bのコンソールIDと放射線画像検出器106の検出装置IDとが対応付けられた状態で、ネットワーク108を介してサーバ102に送られ、この新たな対応付けがサーバ102の外部記憶装置132等に記憶される。
そして、当該移動先の撮影室150で次の撮影が行われるときには、撮影の際、コンソール107bによって放射線画像検出器106が操作され、放射線画像検出器106によって検出された検出結果がコンソール107bに送信される。さらに、コンソール107bの制御部114により表示用画像が生成されてコンソール107bの表示部117に表示される。
なお、撮影は、撮影室150を移動しながら複数回行われるようにしてもよい。この場合、各撮影ごとに撮影を行う前に、撮影に使用する放射線画像検出器106と、これを操作するコンソール107との対応付けを行うようにし、放射線画像検出器106によって得られた検出結果は、それぞれの撮影に際して対応付けられたコンソール107に送られる。
以上より、本実施形態に係る放射線画像撮影システム101によれば、放射線画像検出器106によって検知された検知結果が撮影の際に、予め対応付けられた撮影室150の前のコンソール107に送信され、コンソール107で表示用画像が生成されてコンソール107の表示部に表示される。このため、どのコンソール107で患者情報や撮影情報の入力、放射線画像検出器106とコンソール107との対応付けを行っても、撮影した画像は、当該撮影に使用した撮影室150の近くに位置するコンソール107で確認することができ、放射線技師が撮影場所から離れたところに移動することなく、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認し、放射線画像の適否を判断することができ、撮影の再の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、放射線画像検出器106によって検出された検出結果を対応するコンソール107に送信した後、コンソール107の制御部114で表示用画像を生成するものとしたが、表示用画像を生成する表示用画像生成手段は、コンソール107の制御部114である場合に限定されない。
例えば、本実施形態のように、放射線画像検出器106がカセッテ型のFPDである場合には、放射線画像検出器106の制御部121によって表示用画像を生成するようにしてもよい。この場合、放射線画像検出器106の制御部121で生成された原画像情報及び表示用画像は、無線等の通信手段によって、ともにコンソール107に送られるようにしてもよいし、サーバ102に送られるようにしてもよい。さらに、表示用画像のみがコンソール107に送られ、原画像情報はサーバ102に送られるようにしてもよい。また、原画像情報は放射線画像検出器106の画像記憶部125に記憶され、表示用画像のみがコンソール107に送られるようにしてもよい。この場合、コンソール107から放射線画像の撮影状態が適正である旨の信号が放射線画像検出器106に送られると、原画像情報がコンソール107又はサーバ102に送信されるようにしてもよい。また、放射線画像検出器106による検出結果が直接サーバ102に送られ、サーバ102において原画像情報のほかに表示用画像が生成されるようにしてもよい。
本実施形態においては、放射線画像検出器106の制御部114が画像情報送信手段として通信部119を介して放射線画像情報を所定のコンソール107に送信するようにしたが、画像情報送信手段はこれに限定されない。例えば、前記のように放射線画像検出器106による検出結果が直接サーバ102に送られ、サーバ102において原画像情報のほかに表示用画像が生成される場合には、サーバ102の制御部131が画像情報送信手段として、原画像情報及び表示用画像、又は表示用画像のみをコンソール107に送るようにする。
なお、この場合、放射線画像検出器106による検出結果は、例えば、当該撮影に使用した放射線画像検出器106の検出装置IDが対応付けられた状態でサーバ102に送られる。サーバ102の制御部131は、送られた検出装置IDと外部記憶装置132に記憶されている検出装置IDとを照合し、合致する検出装置IDと対応付けられたコンソールIDを有するコンソール107に対して放射線画像情報を送信する。なお、放射線画像検出器106からサーバ102に送られる検出結果に、当該撮影に使用した放射線画像検出器106の検出装置IDのみならず当該放射線画像検出器106を撮影の際に操作したコンソール107のコンソールIDも対応付けられるようにしてもよい。この場合には、当該コンソールIDに対応するコンソール107に対して放射線画像情報が送信される。
なお、本実施形態においては、患者リストをサーバ102の制御部131において生成するものとしたが、患者リストの生成主体はこれに限定されない。例えば、コンソール107の制御部114で患者リストが生成されて、コンソール107からサーバ102に送られ、サーバ102の外部記憶装置132等に記憶されるとともに、サーバ102から患者リストが各コンソール107に送信されて共有されるようになっていてもよい。
なお、本実施形態においては、放射線画像検出器106が一旦あるコンソール107との間で対応付けがなされた後、撮影室150を移動する等により別のコンソール107との間に新たな対応付けがなされると、前に対応付けを行ったコンソール107と放射線画像検出器106との対応付けは解除されるものとしたが、撮影室150を移動する等により放射線画像検出器106と別のコンソール107との間に新たな対応付けがなされる場合、前にされた対応付けも解除されず、複数の対応付けが重複するものとしてもよい。この場合には、例えば、放射線画像検出器106によって得られた放射線画像を当該撮影の際に放射線画像検出器106を操作したコンソール107のコンソールIDと対応付けることにより、このコンソールIDを有するコンソール107にのみ当該放射線画像を送信するようにする。これにより、当該撮影の際に放射線画像検出器106を操作したコンソール107だけに当該画像を送信することができ、撮影後、撮影室150の傍ですぐに画像を確認することができるため、便宜である。
〔第4実施形態〕
次に第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、第3実施形態で説明した放射線画像撮影システム101におけるコンソールの指示に基づく動作の他のパターンについて説明する。以下の説明では、放射線画像撮影システム101の作用の説明を中心に行い、第3実施形態と同様の箇所については、その詳細な説明を省くと共に、同一の符号を付して説明を行う。
第4実施形態における放射線画像撮影システムは、第3実施形態における放射線画像撮影システム101と同様に構成されている。次に、放射線画像撮影システムの作用について説明する。
新たに放射線画像検出器106を撮影室150に設置する際には、放射線技師により当該撮影室150を管理するコンソール107aの入力操作部128等から放射線画像検出器106の検出装置ID等の識別情報が入力される。検出装置ID等の識別情報が入力されると、制御部114によってコンソール107aと放射線画像検出器106との対応付けが行われる。対応付けが行われると、コンソール107aのコンソールIDと放射線画像検出器106の検出装置IDとが対応付けられた状態で、ネットワーク108を介してサーバ102に送られ、サーバ102の外部記憶装置132等に記憶される。
一方、患者情報、撮影情報等がいずれかのコンソール107から入力されると、入力された各情報がネットワーク108を介してサーバ102に送られる。この際、撮影予定回数についても撮影情報として入力され、例えば、一人の患者につき4回の放射線画像の撮影を行う場合には、4回と登録される。なお、撮影回数等は、後から入力操作部118やサーバ102等から追加、修正の入力を行うことにより適宜変更可能である。
患者情報、撮影情報等がサーバ102に送られると、サーバ102の制御部131により各情報を対応付けた患者リストが生成され、サーバ102の外部記憶装置132等に記憶される。なお、患者情報、撮影情報等は、コンソール107から入力される他、サーバ102の入力操作部133や、IDカードリーダ等の各種情報読取装置、診察室等に設置されネットワーク108に接続された端末装置等から送信されてもよい。
放射線画像の撮影を行う際には、放射線技師は、まず撮影を行う撮影室150に対応付けられたコンソール107aに行き、サーバ102に記憶されている患者リストをネットワーク108を介して参照しコンソール107aの表示部117に患者リストを表示させる。そして、放射線技師はその中から撮影を行う患者111及び必要に応じてその撮影部位等を選択する。撮影室150内に複数の放射線画像検出器106が設置されているときは、放射線技師は、さらに、撮影室150内に設置された放射線画像検出器106のうち撮影に使用する放射線画像検出器106を入力操作部118によって選択、入力する。
次に、サーバ102からコンソール107や放射線照射操作装置104に対して患者情報や撮影情報が送信される。患者情報や撮影情報は適宜コンソール107の表示部117に表示され、放射線技師はこれらの情報を確認しながら放射線画像の撮影を行う。
放射線照射操作装置104は、受信した撮影情報に含まれる管電圧値、放射線量等に基づいて、放射線画像撮影装置103の放射線管球109を制御し、放射線画像撮影装置103は、これらの条件下で放射線を患者111に対して照射する。
このとき、放射線画像検出器106が寝台112上であって患者111の下に差しこまれており、患者111を透過する放射線量を検出し、検出した放射線を電気信号に変換して所定の検出結果に基づく放射線画像情報を取得し、この放射線画像情報を画像記憶部125に記憶する。
また、放射線画像検出器106によって得られた放射線画像情報は、制御部121により、撮影に使用された放射線画像検出器106の検出装置IDと対応付けられた状態で、放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として放射線画像検出器106と対応付けられているコンソール107aに送信される。
コンソール107aの制御部114は、放射線画像情報に基づいて表示用画像を生成するとともに、患者情報と放射線画像検出器106による放射線画像情報との対応付けを行い、表示用画像を含めた放射線画像情報を患者情報と対応付けた状態でネットワーク108を介してサーバ102に送信する。
サーバ102は、送られた放射線画像情報を患者リストと対応付けて外部記憶装置132に記憶する。
また、コンソール107aの制御部114は、生成した表示用画像を表示部117に表示させる。
同一患者について、同じ撮影室150においてさらに別の部位等を撮影する場合には、再度放射線技師がコンソール107aの表示部117に患者リストを表示させる。そして、放射線技師はその中から2回目の撮影における撮影部位等を選択する。
1回目と同様に撮影が行われると、放射線画像情報が画像記憶部125に記憶されるとともに、制御部121により、撮影に使用された放射線画像検出器106の検出装置IDと対応付けられた状態で、放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として放射線画像検出器106と対応付けられているコンソール107aに送信される。
コンソール107aの制御部114は、患者情報と放射線画像検出器106による放射線画像情報との対応付けを行うとともに表示用画像を生成する。そして、患者情報と対応付けられた放射線画像情報をサーバ102に送信する。サーバ102は送られた放射線画像情報を患者リストと対応付けて外部記憶装置132に記憶するとともに、送られた放射線画像情報と対応付けられた患者情報と合致する放射線画像情報が外部記憶装置132に記憶されていないかを検索する。本実施形態の場合には、検索の結果、患者についての1回目の撮影によって得られた放射線画像情報のうち表示用画像が患者情報と合致するものとしてコンソール107aに送信される。
なお、サーバ102の制御部131が外部記憶装置132に記憶されている放射線画像情報の中にコンソール107aの操作の元で撮影される患者情報と合致するものがないかを検索するタイミングは、コンソール107aから放射線画像情報が送られたときに限定されず、例えば、放射線技師が患者リストの中から撮影を行う同じ患者111やその撮影部位等を選択したときに、この選択信号がサーバ102に送られて検索が行われ、検索の結果選び出された表示用画像がコンソール107aに送られるようにしてもよい。
コンソール107aの制御部114は、2回目の撮影の放射線画像情報に基づいて生成した表示用画像を表示部117に表示させる。この際、1回目の撮影によって得られた表示用画像が表示部117に並んで表示され、放射線技師は、2つの表示用画像を確認することにより、放射線画像検出器106によって被写体像が適正に検出されているか否か及び再撮影の要否の判断を行う。
また、異なる撮影室150に放射線画像検出器106を移動して、同一患者についてさらに別の部位等を撮影する場合には、まず撮影室150に放射線画像検出器106を設置する際に撮影室150を管理するコンソール107bに放射線画像検出器106の検出装置IDを登録し、対応付けを行う。そして、当該コンソール107bの表示部117に患者リストを表示させて、放射線技師がその中から当該患者111の3回目の撮影における撮影部位等を選択する。
1回目、2回目と同様に撮影が行われると、放射線画像情報が画像記憶部125に記憶されるとともに、制御部121により、撮影に使用された放射線画像検出器106の検出装置IDと対応付けられた状態で、放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として放射線画像検出器106と対応付けられているコンソール107bに送信される。
コンソール107bの制御部114は、患者情報と放射線画像検出器106による放射線画像情報との対応付けを行うとともに表示用画像を生成し、患者情報と対応付けられた放射線画像情報をサーバ102に送信する。サーバ102は送られた放射線画像情報を患者リストと対応付けて外部記憶装置132に記憶する。また、サーバ102の制御部131は、外部記憶装置132に記憶されている放射線画像情報の中にコンソール107bから送られた放射線画像情報と対応付けられた患者情報と合致するものがないかを検索し、合致するものがあると、その表示用画像をコンソール107bに送信する。本実施形態においては、検索の結果、患者についての1回目、2回目の撮影によって得られた放射線画像情報が患者情報と合致するものとされ、これらについての表示用画像がコンソール107bに送信される。
コンソール107bの制御部114は、3回目の撮影によって得られた放射線画像情報から生成した表示用画像を表示部117に表示させる。また、表示部117にはサーバ102から送られた1回目、2回目の撮影の表示用画像が3回目の撮影の表示用画像と並んで表示される。放射線技師は、3つの表示用画像を確認することにより、放射線画像検出器106によって被写体像が適正に検出されているか否か及び再撮影の要否の判断を行う。
さらに、異なる撮影室150に患者と放射線技師だけが移動して、1回目〜3回目とは異なる放射線画像検出器106であって移動先の撮影室150を管理するコンソール107cに対応付けられた放射線画像検出器106により別の部位等を撮影する場合には、コンソール107cの表示部117に患者リストを表示させて、放射線技師がその中から撮影を行う当該患者111の4回目の撮影における撮影部位等を選択する。
1回目〜3回目と同様に撮影が行われると、放射線画像情報が画像記憶部125に記憶されるとともに、制御部121により、撮影に使用された放射線画像検出器106の検出装置IDと対応付けられた状態で、放射線画像検出器106を撮影の際に操作するコンソール107として放射線画像検出器106と対応付けられているコンソール107cに送信される。
コンソール107cの制御部114は、患者情報と放射線画像検出器106による放射線画像情報との対応付けを行うとともに表示用画像を生成し、患者情報と対応付けられた放射線画像情報をサーバ102に送信する。サーバ102は送られた放射線画像情報を患者リストと対応付けて外部記憶装置132に記憶する。また、サーバ102の制御部131は、外部記憶装置132に記憶されている放射線画像情報の中にコンソール107cから送られた放射線画像情報と対応付けられた患者情報と合致するものがないかを検索し、合致するものがあると、その表示用画像をコンソール107cに送信する。本実施形態においては、検索の結果、患者についての1回目〜3回目の撮影によって得られた放射線画像情報が患者情報と合致するものとされ、これらについての表示用画像がコンソール107cに送信される。
コンソール107cの制御部114は、4回目の撮影によって得られた放射線画像情報から生成した表示用画像を表示部117に表示させる。また、表示部117にはサーバ102から送られた1回目〜3回目の撮影の表示用画像が4回目の撮影の表示用画像と並んで表示される。放射線技師は、4つの表示用画像を確認することにより、放射線画像検出器106によって被写体像が適正に検出されているか否か及び再撮影の要否の判断を行う。
被写体像が適正に検出されているか否か及び再撮影の要否の判断を行った結果、被写体像が適正に検出されており再撮影の必要がない場合には、放射線技師が入力操作部118から撮影が適正に行われた旨を入力する。撮影が適正であるとの入力がされると、コンソール107の制御部114は、撮影適正との信号をサーバ102に対して送信する。その後、原画像情報は、サーバ102より画像処理がなされた後、適宜プリンタやモニタなどの出力機から出力され、放射線画像として医師による診断に供される。一方、表示用画像は、制御部114により消去される。
また、制御部114は、放射線画像検出器106に対して放射線画像の撮影状態が適正である旨の信号及び放射線画像検出器106に記憶されている放射線画像情報の削除を指示する削除指示信号を送信する。放射線画像検出器106の制御部121は、これらの信号を受けて画像記憶部125から放射線画像情報を消去し、放射線画像検出器106による撮影を終了する。そして、この場合には、コンソール107の表示部117には次の撮影の患者情報、撮影情報等が適宜表示される。
これに対して、被写体像が適正に検出されておらず再撮影の必要があるとの信号が入力操作部118から入力された場合には、原画像情報及び表示用画像を消去するとともに、放射線照射操作装置104に対して再撮影を行うよう指示を送信する。これにより再撮影が行われ、放射線画像検出器106によって得られた放射線画像情報は、前記と同様、撮影の際に放射線画像検出器106を操作したコンソール107に送信される。
コンソール107の制御部114は、放射線画像情報と患者情報等とを対応付けてサーバ102に送信するとともに、放射線画像情報に基づいて原画像情報よりも情報量の少ない表示用画像を生成し、生成した表示用画像を表示部117に表示させる。
被写体像が適正に検出されており再撮影の必要がないとの入力が入力操作部118からなされた場合には、コンソール107の制御部114は、前記同様、表示用画像を消去するとともに放射線画像検出器106に対して放射線画像の撮影状態が適正である旨の信号及び放射線画像検出器106に記憶されている放射線画像情報の削除を指示する削除指示信号を送信し、一連の撮影動作を終了する。
以上より、本実施形態に係る放射線画像撮影システム101によれば、当該患者について撮影された全ての放射線画像情報が、当該患者について最後に行った撮影の際に、放射線画像検出器106を操作するものとして対応付けられたコンソール107に送信され、表示用画像がコンソール107の表示部に表示される。このため、どのコンソール107で患者情報や撮影情報の入力、放射線画像検出器106とコンソール107との対応付けを行っても、撮影した画像は、放射線技師が現に撮影作業を行っている撮影室150の近くに位置するコンソール107で全ての撮影の適否を確認することができ、放射線技師が撮影場所から離れたところに移動することなく、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを比較検討し、放射線画像の適否を判断することができ、撮影の際の操作性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、サーバ102の制御部131が同じ患者情報の対応付けられた放射線画像情報が外部記憶装置33を検索するタイミングは、コンソール107から患者情報の対応付けられた放射線画像情報が送られたときとしたが、検索のタイミングはこれに限定されない。例えば、撮影前の設定として患者リストから撮影する患者等を選択すると、その情報がサーバ102に送信されて制御部131が検索を行うようにしてもよい。
また、本実施形態においては、コンソール107に送られた複数の表示用画像は、コンソール107の表示部117に並べて表示されるようにしたが、表示のさせ方はこれに限定されない。例えば、各表示用画像を適宜切り替えて表示部117に表示されるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、放射線画像検出器106による検出結果に基づく放射線画像情報を、放射線画像検出器106に対応するコンソール107に送信した後、コンソール107の制御部114で表示用画像を生成するものとしたが、表示用画像を生成する表示用画像生成手段は、コンソール107の制御部114である場合に限定されない。
例えば、本実施形態のように、放射線画像検出器106がカセッテ型のFPDである場合には、放射線画像検出器106の制御部121によって表示用画像を生成するようにしてもよい。この場合、放射線画像検出器106の制御部121で生成された原画像情報及び表示用画像は、無線等の通信手段によって、ともにコンソール107に送られるようにしてもよいし、サーバ102に送られるようにしてもよい。さらに、表示用画像のみがコンソール107に送られ、原画像情報はサーバ102に送られるようにしてもよい。また、原画像情報は放射線画像検出器106の画像記憶部125に記憶され、表示用画像のみがコンソール107に送られるようにしてもよい。この場合、コンソール107から放射線画像の撮影状態が適正である旨の信号が放射線画像検出器106に送られると、原画像情報がコンソール107又はサーバ102に送信されるようにしてもよい。また、放射線画像検出器106によって得られた放射線画像情報が直接サーバ102に送られ、サーバ102において原画像情報のほかに表示用画像が生成されるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、放射線画像検出器106によって検出された検出結果は、すべてコンソール107に送られた後、サーバ102に送信するようにしたが、放射線画像検出器106から直接サーバ102に送られるようにしてもよい。また、放射線画像検出器106において検出結果から表示用画像を生成する場合には、表示用画像のみをコンソール107に送信し、原画像情報は放射線画像検出器106の画像記憶部125に記憶させておくようにしてもよいし、表示用画像のみをコンソール107に送信し、原画像情報をサーバ102に送信するようにしてもよい。原画像情報を放射線画像検出器106の画像記憶部125に記憶させておく場合には、後に、再撮影の必要がなくなったとき、コンソール107の制御部114は、通信部119を介して放射線画像検出器106に記憶されている当該撮影に関する検出結果を適宜サーバ102又はコンソール107に転送した後消去するように信号を送信するようにする。
なお、本実施形態においては、患者リストをサーバ102の制御部131において生成するものとしたが、患者リストの生成主体はこれに限定されない。例えば、コンソール107の制御部114で患者リストが生成されて、コンソール107からサーバ102に送られ、サーバ102の外部記憶装置132等に記憶されるとともに、サーバ102から患者リストが各コンソール107に送信されて共有されるようになっていてもよい。
なお、本実施形態においては、放射線画像検出器106が一旦あるコンソール107との間で対応付けがなされた後、撮影室150を移動する等により別のコンソール107との間に新たな対応付けがなされると、前に対応付けを行ったコンソール107と放射線画像検出器106との対応付けは解除されるものとしたが、撮影室150を移動する等により放射線画像検出器106と別のコンソール107との間に新たな対応付けがなされる場合、前にされた対応付けも解除されず、複数の対応付けが重複するものとしてもよい。
この場合には、例えば、放射線画像検出器106によって得られた放射線画像を当該撮影の際に放射線画像検出器106を操作したコンソール107のコンソールIDと対応付けることにより、このコンソールIDを有するコンソール107にのみ当該放射線画像を送信するようにする。これにより、当該撮影の際に放射線画像検出器106を操作したコンソール107だけに当該画像を送信することができ、撮影後、撮影室150の傍ですぐに画像を確認することができるため、便宜である。
また、本実施形態においては、放射線画像撮影装置103を放射線照射操作装置104によって操作するものとしたが、放射線画像撮影装置103をコンソール107等によって操作するように構成してもよい。この場合には、放射線照射操作装置104を設ける必要がなく、システム構成を簡易化することができる。