JP5012347B2 - 軌道情報誤り検出装置、航法システム及びそれに用いる軌道情報誤り検知方法 - Google Patents

軌道情報誤り検出装置、航法システム及びそれに用いる軌道情報誤り検知方法 Download PDF

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Description

本発明は軌道情報誤り検出装置、航法システム及びそれに用いる軌道情報誤り検知方法に関し、特にGPS(Global Positioning System:全地球的衛星測位システム)衛星の軌道情報として衛星から放送されるエフェメリスデータ(軌道暦)を利用するGBAS(Ground Based Augmentation System:地上型補強システム)に関する。
航空機の着陸システムにおいて、空港付近の狭い覆域のDGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)は、GBASと呼ばれ、ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)の標準(SARPs;Standards and Recommended Practices)にしたがって精度、完全性、可用性、継続性等の要求がある。
このようなシステムでは、DGPSの地上設備(以下、GBAS地上局とする)でGPS衛星からの測位信号を受信して衛星との間の距離を測定し、その測定値を基にGBAS補正メッセージを生成し、VHF(Very High Frequency)帯のデータリンクを用いて航空機(GBASユーザ)にGBAS補正情報を送信する。
このようなシステムで完全性の要求を満足させる場合、GPS衛星の真の軌道位置と、GPS衛星から放送されている軌道情報によって算出した軌道位置とに大きな差があった場合には、その衛星を誤って着陸誘導に用いることは、事故を招く可能性があるので、それを回避するためのモニタを具備する必要がある。
ここで、GPS衛星はユーザの位置を算出するのに必要な測位信号を送信し、GBAS地上局はGPS衛星による航法の精度や安全性を向上させるため、GBAS補正情報を生成する。航空機はGPS衛星からの測位信号を受ける受信機と、GBAS補正情報を受ける受信設備とを備えている。
上記のように、GPSを航法に使用する場合、航空機の位置を算出にはGPS衛星から放送される軌道情報であるエフェメリスデータから算出される衛星位置が用いられる。エフェメリスデータは通常2時間に1回程度更新されるが、この更新時に誤った軌道情報が放送された場合、ユーザの測位誤差が増大し、安全な航法が実現できなくなる。
上記の軌道情報の誤差の検知方法としては、GPS衛星の軌道情報として放送されるエフェメリスデータ(軌道暦)を利用する方式がある(例えば、非特許文献1のYE−TE Method)。
この検知方法は、エフェメリスデータの軌道要素の初期値から、IS(Interface Specification)−GPS200Dに記載されるアルゴリズム(例えば、非特許文献2,3参照)を利用して地球固定座標系で表現した衛星の3次元位置を時系列で算出し、新旧エフェメリスから算出した2種類の三次元位置同士で比較してその差が一定の閾値を越えていれば、更新されたエフェメリスデータは誤差が大きく使用できないと判断するものである。
尚、DGPSに関する技術としては、以下の特許文献1,2に開示された技術がある。
特開平06−342054号公報 特開平07−063838号公報 ION−GPS 2001"Ephemeris Protection Level Equations and Monitor Algorithms for GBAS:Sam Pullen他" IS(Interface Specification)−GPS200D(7 December 2004),pp−96 Table 20−III .Ephemeris Parameters IS(Interface Specification)−GPS200D(7 December 2004),pp97−98 Table 20−IV.Ephemeris of Coordinate System(sheet 1 of 2)
上述した本発明に関連する誤差検知方式では、時系列で一定の時間間隔で衛星軌道位置を旧エフェメリスと新エフェメリスとでそれぞれ算出し、1秒間に2回程度の高頻度で位置算出を行う度にエフェメリスの妥当性チェックを行う必要があるため、衛星から更新されたエフェメリス情報を受信した時点ではエフェメリスの妥当性がチェックできないという課題がある。
また、本発明に関連する誤差検知方式では、エフェメリスデータのそれぞれの算出においてケプラー方程式と呼ばれる超越方程式を繰り返し計算で解くため、計算量が多いこと、ユーザ(航空機)に該当衛星の利用できないことを伝送するまでに時間が経過して、リアルタイム性が確保できないという課題がある。
つまり、本発明に関連する誤差検知方式では、この新旧比較をエフェメリスデータの有効期間の中で時系列に衛星位置をすべて確認するという計算が必要であるため、判断の迅速性に欠け、リアルタイム航法で安全に利用することが難しいという課題がある。
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、ユーザへの警報通知時間を低減することができ、リアルタイム航法で安全に利用することができる軌道情報誤り検出装置、航法システム及びそれに用いる軌道情報誤り検知方法を提供することにある。
本発明による軌道情報誤り検出装置は、GPS(Global Positioning System)衛星から放送される軌道情報であるエフェメリスデータの誤りを検出する軌道情報誤り検出装置であって、
前記エフェメリスデータの世代管理を行う管理手段と、前記管理手段にて管理するエフェメリスデータが更新されたことを検知する検知手段と、前記検知手段が前記更新を検知した時に相対軌道予測アルゴリズムによって前記エフェメリスデータの有効期間における衛星軌道位置の差の最悪値を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された最悪値が予め設定された閾値より大きい場合に該当するGPS衛星を使用しないようにユーザへの補正データによって当該GPS衛星の排除を行う手段とを備え
前記管理手段は、少なくとも更新されたエフェメリスデータと更新前のエフェメリスデータとの2世代管理を行い、前記エフェメリスデータが更新されたことを前記エフェメリスの世代管理番号であるIODE(Issue Of Date Ephemeris)によって検知し、
前記算出手段は、前記更新されたエフェメリスデータと前記更新前のエフェメリスデータとの差である相対軌道の位置誤差最大値を解析的に予測している。
本発明による航法システムは、上記の軌道情報誤り検出装置を地上局に用いることを特徴とする。
本発明による軌道情報誤り検知方法は、GPS(Global Positioning System)衛星から放送される軌道情報であるエフェメリスデータの誤りを検出する軌道情報誤り検出装置に用いる軌道情報誤り検知方法であって、
前記軌道情報誤り検出装置が、前記エフェメリスデータの世代管理を行う管理処理と、前記管理処理にて管理するエフェメリスデータが更新されたことを検知する検知処理と、前記検知処理が前記更新を検知した時に相対軌道予測アルゴリズムによって前記エフェメリスデータの有効期間における衛星軌道位置の差の最悪値を算出する算出処理と、前記算出処理で算出された最悪値が予め設定された閾値より大きい場合に該当するGPS衛星を使用しないようにユーザへの補正データによって当該GPS衛星の排除を行う処理とを実行し
前記軌道情報誤り検出装置が、前記管理処理において、少なくとも更新されたエフェメリスデータと更新前のエフェメリスデータとの2世代管理を行い、前記エフェメリスデータが更新されたことを前記エフェメリスの世代管理番号であるIODE(Issue Of Date Ephemeris)によって検知し、
前記軌道情報誤り検出装置が、前記算出処理において、前記更新されたエフェメリスデータと前記更新前のエフェメリスデータとの差である相対軌道の位置誤差最大値を解析的に予測している。
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、ユーザへの警報通知時間を低減することができ、リアルタイム航法で安全に利用することができるという効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態による航法システムの構成例を示すブロック図である。図1において、本発明の第1の実施の形態による航法システムは、GPS(Global Positioning System:全地球的衛星測位システム)衛星1−1〜1−6と、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)地上局2と、DGPSユーザ(航空機)3とから構成されている。
本発明の第1の実施の形態による航法システムは、GBAS(Ground Based Augmentation System:地上型補強システム)と呼ばれ、GPSを用いたDGPS航法において、衛星軌道情報の更新時の誤りを迅速に検出するような誤り検知方式を具備した地上局データ処理を行うことを特徴としている。
図1において、GPS衛星1−1〜1−6は1DGPSユーザ3の位置を算出するのに必要な測位信号を送信し、DGPS地上局2はGPSによる航法の精度や安全性を向上させるため、GBAS補正情報を生成する。DGPSユーザ3はGPS衛星1−1〜1−6からの測位信号を受ける受信機(図示せず)と、GBAS補正情報の受信設備(図示せず)とを備えている。通常のDGPSの動作原理等については公知であるので、その詳細な説明については省略する。
本実施の形態では、DGPS地上局2においてGPS衛星1−1〜1−6から放送される軌道情報であり、定期的に更新されるエフェメリスデータの旧データと新データとを比較してその差が異常範囲でないことを確認する処理の高速化を実現することができる。
ここで、DGPS地上局2は、GPSアンテナ21−1〜21−4と、GPS受信機22−1〜22−4と、データ処理部23と、無線データリンク24とを含んで構成されている。
GPSアンテナ21−1〜21−4及びGPS受信機22−1〜22−4は、GPS衛星1−1〜1−6からのL1測位信号を受信することによって、GPS衛星1−1〜1−6とDGPS地上局2との擬似距離を測定するとともに、測位信号を復調して得られる航法メッセージからGPS衛星1−1〜1−6の軌道情報であるエフェメリスデータを取得する。
つまり、GPSアンテナ21−1〜21−4及びGPS受信機22−1〜22−4は、GPS衛星1−1〜1−6からのL1測位信号を受信し、その捕捉追尾を行い、GPS衛星1−1〜1−6から放送される航法メッセージの中のエフェメリスデータを抽出してその妥当性を検証するとともに、GPS衛星1−1〜1−6とDGPS地上局2のGPSアンテナ21−1〜21−4との間の擬似距離の測定結果を基に、GBASの補正データを生成する。DGPSの補正データや安全性を保証するための誤差情報等は無線データリンク24を使ってDGPSユーザ3の受信設備へ伝送される。
データ処理部23は、GPS受信機22−1〜22−4で復調されたエフェメリスデータを2世代管理する。データ処理部23は、エフェメリスデータが更新されたことをエフェメリスの世代管理番号であるIODE(Issue Of Date Ephemeris)によって検知した際に、本発明の相対軌道予測アルゴリズムによって、エフェメリスデータの有効期間における衛星軌道位置の差の最悪値を算出する。
この最悪値が閾値より大きい場合、データ処理部23は、該当するGPS衛星1−1〜1−6をDGPSユーザ3が使用しないよう、補正データによって衛星排除を行う。排除するGPS衛星1−1〜1−6の情報を含んだDGPS補正データは、無線データリンク24を使ってDGPSユーザ3に送られ、ユーザ受信端末におけるユーザ測位計算で異常なエフェメリスが使用され、誤ったエフェメリスを使う危険が回避され、安全な航法が確保される。
このように、本実施の形態では、旧エフェメリスデータと新エフェメリスデータとを比較する際に、相対軌道の変化を独自の解析的手法で算出するので、短時間で衛星軌道情報の異常を検知し、DGPSユーザ3の着陸誘導等人命を左右するような目的でのDGPS利用の安全性を高めることができる。
本実施の形態による解決手段では、相対軌道要素という考え方を導入することによって、旧エフェメリスデータと新エフェメリスデータとの差について迅速にエフェメリス更新の良し悪しを判断することができ、リアルタイム航法での安全性を向上させることが可能となる。
図2は図1のデータ処理部23における軌道情報異常検知のデータ処理を示す図である。図2において、データ処理部23は新旧2種類のエフェメリスデータから軌道の相対変化を予測し、それぞれのエフェメリスで算出した衛星軌道位置の最悪値を算出してそれを閾値と比較することによって、GPS衛星1−1〜1−6の軌道情報の異常検知による該当衛星の利用排除を行う。
データ処理部23における軌道情報異常検知のデータ処理Aは、エフェメリスデータ世代管理処理A1と、新旧エフェメリス相対軌道要素算出処理A2と、ランデブー方程式の解法処理A3と、衛星位置偏差最大値算出処理A4と、最大位置偏差の閾値との比較による妥当性判定処理A5とからなる。
データ処理部23では、新旧エフェメリス相対軌道要素算出処理A2において、新旧エフェメリスのケプラー軌道要素の初期値から、相対軌道要素E1 〜E6 までの相対軌道要素を算出する。
次に、データ処理部23は、衛星位置偏差最大値算出処理A4においてエフェメリスデータが軌道計算に利用される範囲内での軌道誤差の最大値を算出する。DGPSで着陸誘導を行うために必要なエフェメリスデータの新旧比較検証において、(1)式に示すランデブー方程式は、十分な近似精度を持つ。
新旧エフェメリスデータをそれぞれ使って算出した衛星位置同士の軌道半径方向の差をRとし、新旧エフェメリスデータをそれぞれ使って算出した衛星位置同士の軌道接線方向の差をLとし、新旧エフェメリスデータを使って算出した衛星位置同士の軌道面垂直方向の差をKとすると、(1)式は、
R=−(2/3)E2 +E3 cosT+E4 sinT
L=E1 +E2 T−2E3 sinT+2E4 cosT
K=E5 cosT+E6 sinT ・・・(1)
となる。
ここで、E1 は軌道面内相対離角、E2 は軌道面内相対角の変化率、E3 は相対軌道傾斜角ベクトルの第一成分、E4 は相対軌道傾斜角ベクトルの第二成分、E5 は相対離心率ベクトルの第一成分、E6 は相対離心率ベクトルの第二成分である。また、Tは旧エフェメリスの軌道周期で正規化された時間で、T=ntであり、nは衛星の平均運動で、(2μ/a3 1/2 であり、μは地球重力定数(3.986005×10143 /s2 )である。(1)式の右辺の各係数パラメータE1 〜E6 は、放送されるエフェメリスデータから容易に算出することができる。
また、(1)式のR、L、Kは三角関数、定数、時間の一次式の和の形式で表されているので、時系列で計算値を求めなくても、容易に有効時間範囲での最大値を算出することができる。
次に、軌道差分の最大値は、妥当性判定処理A5において、閾値と比較されて更新されたエフェメリスの妥当性の判定が実施される。妥当性の判定が“良”の場合には、該当するGPS衛星1−1〜1−6の補正データをそのまま利用することができるようにDGPSユーザ3に伝送される。
また、妥当性の判定結果が“否”の場合においては、該当するGPS衛星1−1〜1−6がDGPSユーザ3に利用されないように、衛星排除の情報がDGPSユーザ3に伝送される。
以上、本実施の形態の構成例について述べたが、(1)式に示すランデブー方程式は、衛星関連技術者にとってよく知られており、またその導出方法は本発明とは直接関係しないので、その詳細な説明については省略する。
図3は本発明の第1の実施の形態における更新後のエフェメリスの妥当性評価期間を示す図であり、図4は本発明の第1の実施の形態における軌道誤差の時間的変化を示す図である。これら図1〜図4を参照して本発明の第1の実施の形態による衛星軌道情報の誤り検知データ処理の動作について説明する。
データ処理部23は、エフェメリスデータ世代管理処理A1において、GPS衛星1−1〜1−6からのエフェメリス情報が更新される度に、旧エフェメリスデータと新エフェメリスデータとの二世代のエフェメリスデータが保存される。
データ処理部23では、この新旧二組のエフェメリスデータがGPS衛星1−1〜1−6から放送されるエフェメリスデータが更新されると、速やかに新旧エフェメリス相対軌道要素算出処理A2に渡されてケプラー6要素の差分としての相対軌道要素E1 〜E6 が算出される。この相対軌道要素E1 〜E6 の比較のため、図3にしめすような「更新後のエフェメリスの妥当性評価期間」の最初の時刻での相対軌道要素初期値がランデブー方程式の解法処理A3に渡される。
データ処理部23は、ランデブー方程式の解法処理A3において、相対軌道要素E1 〜E6 の値を基に、新エフェメリスデータの有効期間の間の新旧それぞれのエフェメリスデータから三次元の差分ベクトルのR,L.Kの計算式の各係数を算出する。この(1)式は簡単な解析式であるため、エフェメリスの有効期間での衛星位置の差の最大値を、衛星位置差最大値算出処理A4において、良く知られているニュートンラフソン法等を使って容易に算出することができる。
(1)式に示される衛星軌道誤差の時間変化を具体化すると、(1)式のL成分が支配的で、図4に示すように、時間の一次関数で増加する項と軌道周期の三角関数との和となる。
このように、本実施の形態では、GPSのエフェメリスデータが更新時新旧エフェメリスの比較を計算負荷の低いアルゴリズムで迅速に行うことを可能としているので、DGPSユーザ3への警報通知時間を低減することができる。
また、本実施の形態では、エフェメリスデータの不正による航法の誤差を排除することによって、DGPSユーザ3の着陸等の人命にかかわるような航法における安全性を確保することができる。
DGPSにおいて補正データの精度は、衛星軌道情報の誤差に比例して増加するため、軌道情報の誤りは実際の誤差がDGPSユーザ3上で仮定され、実際の誤差を越えないと認識している保護レベルを越えるという非常に危険な状況を生み出すので、これを回避することは安全性の保証に大いに貢献する。
図4に示す軌道誤差の時間的変化に基づいて、上記の効果について具体的に説明する。(1)式に示される衛星軌道誤差の時間変化を具体化すると、(1)式のL成分が支配的で、図4に示すように、時間の一次関数で増加する項と軌道周期の三角関数との和で表され、比較期間に対して容易に誤差の最大値を計算することができる。
上述した本発明に関連する誤差検知方法では、時々刻々、繰り返し軌道誤差を計算して比較しなければならず、即座に更新されたエフェメリスデータの良否を判断することができないが、本実施の形態では、即座に更新されたエフェメリスデータの良否の判断を実現することができる。
参考として、本発明に関連する誤差検知方法及び本実施の形態による誤差検知方法における計算時間の試算を行った。この計算時間の試算の前提条件として、比較期間を2時間として、本発明に関連する誤差検知方法であるケプラー方程式の繰り返し計算による解法と、本実施の形態による(1)式の最大値を求める計算とは同程度の計算機処理負荷と見積もられる。
本発明に関連する誤差検知方法による比較評価では、標準的なGBASの計算処理周期である0.5秒毎に誤差を計算する必要があるので、2時間の間に14400回の計算を行う必要がある。
これに対し、本実施の形態による誤差検知方法では、ただ一回のみの計算で済み、処理負荷は14400分の1である。したがって、本実施の形態による誤差検知方法での計算に0.1秒を要する計算機を使用した場合、本発明に関連する誤差検知方法では1440秒(24分)を要することになり、効果は歴然としている。
尚、上記の実施の形態では、補正データをDGPSユーザ3に伝送する手段として無線データリンク24を用いているが、この手段にインタネット等の有線データリンクを用いてもよい。
図5は本発明の第2の実施の形態による航法システムの構成例を示すブロック図である。図5において、本発明の第2の実施の形態による航法システムは、DGPS地上局4においてデータ処理部23の代わりにDGPS補正データ処理装置41を設け、無線データリンク24の代わりにサーバ42を設けるとともに、DGPSユーザ3の代わりにGPS受信機51とDGPSユーザ測位処理装置52とインタネット等地上ネットワーク100とを設けた以外は、図1に示す本発明の第2の実施の形態による航法システムと同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
本実施の形態では、DGPSユーザにDGPSの補正データを送る手段として、無線ではなく、有線を用いている。この場合、DGPS補正データはインタネット等地上ネットワーク100を通じてDGPSユーザに配信される。
このように、本実施の形態では、無線によるデータリンクを利用する代わりに、インターネット等地上ネットワーク100を通じてDGPSの補正データを送っているので、広範囲のユーザが低コストで利用することができるという効果が得られる。
尚、上述した本発明による軌道情報誤り検知方法は、GPS衛星だけではなく、SBAS(Satellite Based Augmentation System)静止衛星の軌道情報誤りを検出する機能にも適用することが可能である。
本発明の第1の実施の形態による航法システムの構成例を示すブロック図である。 図1のデータ処理部における軌道情報異常検知のデータ処理を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における更新後のエフェメリスの妥当性評価期間を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における軌道誤差の時間的変化を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による航法システムの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1−1〜1−6 GPS衛星
2,4 DGPS地上局
3 DGPSユーザ
21−1〜21−4 GPSアンテナ
22−1〜22−4 GPS受信機
23 データ処理部
24 無線データリンク
41 DGPS補正データ処理装置
42 サーバ
51 GPS受信機
52 DGPSユーザ測位処理装置
100 インタネット等地上ネットワーク
A 軌道情報異常検知のデータ処理
A1 エフェメリスデータ世代管理処理
A2 新旧エフェメリス相対軌道要素算出処理
A3 ランデブー方程式の解法処理
A4 衛星位置偏差最大値算出処理
A5 最大位置偏差の閾値との比較による妥当性判定処理

Claims (9)

  1. GPS(Global Positioning System)衛星から放送される軌道情報であるエフェメリスデータの誤りを検出する軌道情報誤り検出装置であって、
    前記エフェメリスデータの世代管理を行う管理手段と、前記管理手段にて管理するエフェメリスデータが更新されたことを検知する検知手段と、前記検知手段が前記更新を検知した時に相対軌道予測アルゴリズムによって前記エフェメリスデータの有効期間における衛星軌道位置の差の最悪値を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された最悪値が予め設定された閾値より大きい場合に該当するGPS衛星を使用しないようにユーザへの補正データによって当該GPS衛星の排除を行う手段とを有し、
    前記管理手段は、少なくとも更新されたエフェメリスデータと更新前のエフェメリスデータとの2世代管理を行い、前記エフェメリスデータが更新されたことを前記エフェメリスの世代管理番号であるIODE(Issue Of Date Ephemeris)によって検知し、
    前記算出手段は、前記更新されたエフェメリスデータと前記更新前のエフェメリスデータとの差である相対軌道の位置誤差最大値を解析的に予測することを特徴とする軌道情報誤り検出装置。
  2. 前記GPS衛星の排除を行う手段は、排除するGPS衛星の情報を含んだ補正データを作成して前記ユーザに送信することを特徴とする請求項1記載の軌道情報誤り検出装置。
  3. DGPS(Differential GPS)を用いた航法のDGPS補正データを作成するGBAS(Ground Based Augmentation System)地上局に用いられることを特徴とする請求項1または請求項2記載の軌道情報誤り検出装置。
  4. 前記GPS衛星からの測位信号を受信することで当該GPS衛星と前記GBAS地上局との擬似距離を測定するとともに、前記測位信号を復調して得られる航法メッセージから前記GPS衛星の軌道情報であるエフェメリスデータを取得することを特徴とする請求項3記載の軌道情報誤り検出装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか記載の軌道情報誤り検出装置を地上局に用いることを特徴とする航法システム。
  6. GPS(Global Positioning System)衛星から放送される軌道情報であるエフェメリスデータの誤りを検出する軌道情報誤り検出装置に用いる軌道情報誤り検知方法であって、
    前記軌道情報誤り検出装置が、前記エフェメリスデータの世代管理を行う管理処理と、前記管理処理にて管理するエフェメリスデータが更新されたことを検知する検知処理と、前記検知処理が前記更新を検知した時に相対軌道予測アルゴリズムによって前記エフェメリスデータの有効期間における衛星軌道位置の差の最悪値を算出する算出処理と、前記算出処理で算出された最悪値が予め設定された閾値より大きい場合に該当するGPS衛星を使用しないようにユーザへの補正データによって当該GPS衛星の排除を行う処理とを実行し、
    前記軌道情報誤り検出装置が、前記管理処理において、少なくとも更新されたエフェメリスデータと更新前のエフェメリスデータとの2世代管理を行い、前記エフェメリスデータが更新されたことを前記エフェメリスの世代管理番号であるIODE(Issue Of Date Ephemeris)によって検知し、
    前記軌道情報誤り検出装置が、前記算出処理において、前記更新されたエフェメリスデータと前記更新前のエフェメリスデータとの差である相対軌道の位置誤差最大値を解析的に予測することを特徴とする軌道情報誤り検知方法。
  7. 前記軌道情報誤り検出装置が、前記GPS衛星の排除を行う処理において、排除するGPS衛星の情報を含んだ補正データを作成して前記ユーザに送信することを特徴とする請求項6記載の軌道情報誤り検知方法。
  8. 前記軌道情報誤り検出装置を、DGPS(Differential GPS)を用いた航法のDGPS補正データを作成するGBAS(Ground Based Augmentation System)地上局に用いることを特徴とする請求項6または請求項7記載の軌道情報誤り検知方法。
  9. 前記軌道情報誤り検出装置が、前記GPS衛星からの測位信号を受信することで当該GPS衛星と前記GBAS地上局との擬似距離を測定するとともに、前記測位信号を復調して得られる航法メッセージから前記GPS衛星の軌道情報であるエフェメリスデータを取得することを特徴とする請求項8記載の軌道情報誤り検知方法。
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