<基本構成>
図1は本実施の形態に係るGNSS受信装置100の構成を示す図である。本実施の形態に係るGNSS受信装置100は、例えば、GPSにおいて衛星からの信号を受信するGPS受信装置である。本実施の形態に係るGNSS受信装置100は、GPS衛星からの受信信号に基づいて自装置の位置とUTC(Universal Time, Coordinated)時刻を求めて出力する。
図1に示されるように、GNSS受信装置100は、GPS衛星からの送信信号を受信する受信部1と、捕捉追尾部2と、航法メッセージ取得部3と、疑似距離処理部4と、航法メッセージ処理部5と、演算部6と、外部装置とデータ通信を行うデータ通信部7とを備えている。
受信部1は、アンテナ10と、L1受信部11と、L2受信部12とを備えている。L1受信部11は、アンテナ10で受信されるL1C/A信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って、L1C/A信号についてのベースバンド信号(以後、「L1ベースバンド信号」と呼ぶ)を生成して出力する。また、L2受信部12は、アンテナ10で受信されるL2C信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って、L2C信号についてのベースバンド信号(以後、「L2ベースバンド信号」と呼ぶ)を生成して出力する。GPSにおいて打ち上げられている各GPS衛星からは、L1C/A信号及びL2C信号の両方が送信される。
L1C/A信号は、L1周波数(1575.42MHz)のキャリアに対して、C/Aコードと呼ばれるPN(pseudo-noise)コードと、NAVメッセージと呼ばれる航法メッセージとが重畳されたものである。
また、L2C信号は、L2周波数(1227.6MHz)のキャリアに対して、L2CMコードと呼ばれるPNコードと、CNAVメッセージと呼ばれる航法メッセージとが重畳されて得られる第1信号と、L2周波数のキャリアに対して、L2CLコードと呼ばれるPNコードだけが重畳されて得られる第2信号とで構成されている。この第1信号及び第2信号はGPS衛星から交互に送信される。以後、L2CMコードとL2CLコードとを総称して「L2Cコード」と呼ぶことがある。また、受信部1で受信されるL1C/A信号及びL2C信号を総称して「GPS信号」と呼ぶことがある。
NAVメッセージ及びCNAVメッセージには同種類の情報が含まれている。例えば、NAVメッセージ及びCNAVメッセージのそれぞれには、その航法メッセージを送信するGPS衛星の詳細な軌道情報を示すエフェメリス、全GPS衛星の概略の軌道情報を示すアルマナック、電離層遅延量を求めるための電離層パラメータ、UTC時刻を求めるためのUTCパラメータなどが含まれている。電離層パラメータ及びUTCパラメータは、全GPS衛星に共通の情報である。以後、NAVメッセージに含まれるエフェメリス、アルマナック、電離層パラメータ及びUTCパラメータを、それぞれ「NAVエフェメリス」、「NAVアルマナック」、「NAV電離層パラメータ」及び「NAV−UTCパラメータ」と呼ぶ。また、CNAVメッセージに含まれるエフェメリス、アルマナック、電離層パラメータ及びUTCパラメータを、それぞれ「CNAVエフェメリス」、「CNAVアルマナック」、「CNAV電離層パラメータ」及び「CNAV−UTCパラメータ」と呼ぶ。
捕捉追尾部2は、L1捕捉追尾部20とL2捕捉追尾部21とを備えている。L1捕捉追尾部20は、GPS衛星からのL1C/A信号を捕捉し、その後、捕捉したL1C/A信号の追尾を行う。L2捕捉追尾部21は、GPS衛星からのL2C信号を捕捉し、その後、捕捉したL2C信号の追尾を行う。
L1捕捉追尾部20は、複数の処理チャネル(例えば、8チャネル)を有しており、当該複数の処理チャネルでは互いに異なったGPS衛星からのL1C/A信号の捕捉及び追尾を並列的に行うことができる。L1捕捉追尾部20の各処理チャネルでは、L1受信部11からのL1ベースバンド信号に対して、L1捕捉追尾部20で生成されたキャリア(以後、「L1内部キャリア」と呼ぶ)が乗算される。そして、各処理チャネルでは、L1ベースバンド信号にL1内部キャリアが乗算されて得られる信号と、L1捕捉追尾部20で生成された、捕捉対象のGPS衛星のC/Aコード(以後、「内部C/Aコード」と呼ぶ)とが乗算されて、それらの相関値が求められる。各処理チャネルでは、L1内部キャリア及び内部C/Aコードの位相を制御することによって、相関値がピークとなるような当該位相がサーチされる。各処理チャネルでは、相関値がピークとなるような、L1内部キャリア及び内部C/Aコードの位相が求められると、捕捉対象のGPS衛星からのL1C/A信号の捕捉が完了し、その後、相関値のピークが維持されるように、L1内部キャリア及び内部C/Aコードの位相が制御される。これにより、L1C/A信号の追尾が行われる。一方で、各処理チャネルでは、相関値がピークとなるような、L1内部キャリア及び内部C/Aコードの位相が求まらず、捕捉対象のGPS衛星のL1C/A信号が捕捉できない場合には、捕捉対象のGPS衛星が変更され、内部C/Aコードが、変更後の捕捉対象のGPS衛星に割り当てられたC/Aコードに変更され、同様の処理が行われる。
また、L1捕捉追尾部20の各処理チャネルでは、捕捉したGPS衛星についてのL1ベースバンド信号のキャリアの位相についての時間積算値、つまりADR(積算デルタレンジ:Accumulated Delta Range)が求められる。さらに、各処理チャネルでは、捕捉したGPS衛星についてのL1ベースバンド信号のC/Aコードの位相が求められ、当該位相に基づいて、当該GPS衛星と自装置との間の疑似距離が求められる。以後、ADRと疑似距離とをまとめて「観測データ」と呼ぶ。また、L1C/A信号から求められた観測データを「L1観測データ」と呼ぶ。
L2捕捉追尾部21は、複数の処理チャネル(例えば、8チャネル)を有しており、当該複数の処理チャネルでは互いに異なったGPS衛星からのL2C信号の捕捉及び追尾を並列的に行うことができる。L2捕捉追尾部21の各処理チャネルでは、L2受信部12からのL2ベースバンド信号に対して、L2捕捉追尾部21で生成されたキャリア(以後、「L2内部キャリア」と呼ぶ)が乗算される。そして、各処理チャネルでは、L2ベースバンド信号にL2内部キャリアが乗算されて得られる信号と、L2捕捉追尾部21で生成された、捕捉対象のGPS衛星のL2Cコード(以後、「内部L2Cコード」と呼ぶ)とが乗算されて、それらの相関値が求められる。各処理チャネルでは、L2内部キャリア及びL2Cコードの位相を制御することによって、相関値がピークとなるような当該位相がサーチされる。各処理チャネルでは、相関値がピークとなるような、L2内部キャリア及び内部L2Cコードの位相が求められると、捕捉対象のGPS衛星からのL2C信号の捕捉が完了し、その後、相関値のピークが維持されるように、L2内部キャリア及び内部L2Cコードの位相が制御される。これにより、L2C信号の追尾が行われる。一方で、各処理チャネルでは、相関値がピークとなるような、L2内部キャリア及び内部L2Cコードの位相が求まらず、捕捉対象のGPS衛星のL2C信号が捕捉できない場合には、捕捉対象のGPS衛星が変更されて、内部L2Cコードが、変更後の捕捉対象のGPS衛星に割り当てられたL2Cコードに変更され、同様の処理が行われる。
また、L2捕捉追尾部21の各処理チャネルでは、捕捉したGPS衛星についてのADRが求められる。さらに、各処理チャネルでは、捕捉したGPS衛星についてのL2ベースバンド信号のL2Cコードの位相が求められ、当該位相に基づいて、当該GPS衛星と自装置との間の疑似距離が求められる。以後、L2C信号から求められた観測データを「L2観測データ」と呼ぶ。
なお、GPSにおいて打ち上げられている全GPS衛星のうち、L1捕捉追尾部20及びL2捕捉追尾部21の少なくともどちらか一方において、その送信信号が捕捉及び追尾されているGPS衛星を特に「受信衛星」と呼ぶ。
航法メッセージ取得部3は、NAVメッセージ取得部30と、CNAVメッセージ取得部31とを備えている。NAVメッセージ取得部30は、受信衛星ごとに、L1ベースバンド信号にL1内部キャリア及び内部C/Aコードが乗算されて得られる復調信号から、NAVメッセージに含まれるエフェメリス等の各種情報を取得する。この復調信号はL1捕捉追尾部20で生成される。
CNAVメッセージ取得部31は、受信衛星ごとに、L2ベースバンド信号にL2内部キャリア及び内部L2Cコードが乗算されて得られる復調信号から、CNAVメッセージに含まれるエフェメリス等の各種情報を取得する。この復調信号はL2捕捉追尾部21で生成される。
疑似距離処理部4は、捕捉追尾部2で得られる観測データに基づいて、受信衛星ごとに、演算部6での使用対象となる疑似距離を生成して出力する。
航法メッセージ処理部5は、航法メッセージ取得部3で取得される情報に基づいて、演算部6での使用対象となるエフェメリス、電離層パラメータ、UTCパラメータ及びアルマナックを演算部6に出力する。
なお、疑似距離処理部4及び航法メッセージ処理部5での処理は後で詳細に説明する。
演算部6は、疑似距離処理部4から出力される、4つ以上の受信衛星についての疑似距離と、航法メッセージ処理部5から出力される、当該4つ以上の受信衛星についてのエフェメリスと、航法メッセージ処理部5から出力される電離層パラメータとを使用して、GNSS受信装置100の位置とGPS時刻とを求める測位演算を行う。また、演算部6は、求めたGPS時刻を、航法メッセージ処理部5から出力されるUTCパラメータに基づいてUTC時刻に変換する。そして、演算部6は、求めたGNSS受信装置100の位置とUTC時刻とをデータ通信部7を通じて外部に出力する。
さらに、演算部6は、航法メッセージ処理部5から出力されるアルマナックを使用して各GPS衛星の概略の位置を求める。演算部6は、求めた各GPS衛星の概略の位置から視野内衛星を推定する。この視野内衛星の推定結果は、捕捉追尾部2においてGNSS信号の捕捉が開始される際に使用される。
L1捕捉追尾部20は、本GNSS受信装置100の電源投入後にL1C/A信号の捕捉を開始する際には、まず、演算部6での視野内衛星の推定結果に基づいて、各処理チャネルに設定する内部C/Aコードのコードパターンを決定する。そして、L1捕捉追尾部20は、ある処理チャネルにおいてL1C/A信号の捕捉ができないときには、演算部6での視野内衛星の推定結果を参照して、当該処理チャネルに設定する内部C/Aコードのコードパターンを決定する。これにより、L1捕捉追尾部20では、視野内衛星に対する捕捉動作が行われ、L1C/A信号の捕捉がすぐに完了する。
L2捕捉追尾部21は、L1捕捉追尾部20と同様に、本GNSS受信装置100の電源投入後にL2C信号の捕捉を開始する際には、まず、演算部6での視野内衛星の推定結果に基づいて、各処理チャネルに設定する内部L2Cコードのコードパターンを決定する。そして、L2捕捉追尾部21は、ある処理チャネルにおいてL2C信号の捕捉ができないときには、演算部6での視野内衛星の推定結果を参照して、当該処理チャネルに設定する内部L2Cコードのコードパターンを決定する。これにより、L2捕捉追尾部21では、視野内衛星に対する捕捉動作が行われ、L2C信号の捕捉がすぐに完了する。
<航法メッセージ処理部の動作>
次に、航法メッセージ処理部5の動作について詳細に説明する。以下に、航法メッセージ処理部5の複数の動作例について説明する。以後、説明の対象の一の受信衛星を「対象受信衛星」と呼ぶ。
<第1の動作例>
図2は、航法メッセージ処理部5が、演算部6での使用対象となるエフェメリスを決定する際の当該航法メッセージ処理部5の第1の動作例を示している。本動作例では、各受信衛星に関して、航法メッセージ取得部3でNAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスの両方が取得されるか、それらのうちの一方だけが取得されるかにかかわらず、それらのうちの航法メッセージ取得部3で最初に取得されたエフェメリスを使用対象とする。
図2に示されるように、航法メッセージ処理部5は、ステップs1において、対象受信衛星に関して、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのうちの航法メッセージ取得部3で最初に取得されたエフェメリス(例えば、NAVエフェメリス)を使用対象とする。そして、航法メッセージ処理部5は、使用対象のエフェメリスを演算部6に出力する。 その後、ステップs2において、対象受信衛星についての二つ目のエフェメリス(例えばCNAVエフェメリス)が航法メッセージ取得部3で取得されると、航法メッセージ処理部5は、ステップs3において、そのエフェメリスを使用対象とせず、演算部6には出力しない。その後、航法メッセージ処理部5は対象受信衛星についての処理を終了する。
また、航法メッセージ処理部5は、ステップs2において対象受信衛星についての二つ目のエフェメリスが航法メッセージ取得部3で取得されない場合にも、対象受信衛星についての処理を終了する。
ここで、航法メッセージ取得部3が対象受信衛星についての二つ目のエフェメリスを取得しない場合とは、つまり、航法メッセージ取得部3においてNAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのどちらか一方だけしか取得されない場合とは、大別して二つの場合が考えられる。一つ目は、対象受信衛星の故障などが原因で、対象受信衛星がL1C/A信号及びL2C信号のうちの一方だけしか送信せずに、受信部1がL1C/A信号及びL2C信号のうちの一方だけしか対象受信衛星から受信しない場合である。二つ目は、受信部1は、対象受信衛星からL1C/A信号及びL2C信号の両方を受信してはいるものの、L1C/A信号及びL2C信号のどちらか一方の信号についての受信レベルが小さい等が原因で、当該一方の信号について適切な復調信号が得られない場合である。
航法メッセージ処理部5は、以上のステップs1〜s3の処理を、各受信衛星について、新たなエフェメリスが得られるたびに行う。
演算部6は、航法メッセージ処理部5から一の受信衛星についてのエフェメリスが入力されると、当該エフェメリスを使用して当該一の受信衛星の位置を算出する。そして、演算部6は、4つ以上の受信衛星の位置が求まると、それらの位置と疑似距離とを用いて測位演算を行う。
図3は、航法メッセージ処理部5が、演算部6での使用対象となる電離層パラメータを決定する際の当該航法メッセージ処理部5の第1の動作例を示すフローチャートである。図3に示されるように、航法メッセージ処理部5は、ステップs11において、対象受信衛星に関して、NAV電離層パラメータ及びCNAV電離層パラメータのうちの航法メッセージ取得部3で最初に取得された電離層パラメータ(例えばNAV電離層パラメータ)を使用対象として演算部6に出力する。ここで、一のGPS衛星からのNAV電離層パラメータの送信間隔は12.5分であって、一のGPS衛星からのCNAV電離層パラメータの送信間隔は最大で288秒である。したがって、CNAV電離層パラメータの方がNAV電離層パラメータよりも先に取得されやすい。
その後、ステップs12において、対象受信衛星についての2つの目の電離層パラメータ(例えばCNAV電離層パラメータ)が航法メッセージ取得部3で取得されると、航法メッセージ処理部5は、ステップs13においてその電離層パラメータを使用対象とせず、演算部6には出力しない。その後、航法メッセージ処理部5は処理を終了する。また、航法メッセージ処理部5は、ステップs12において対象受信衛星についての2つの目の電離層パラメータが航法メッセージ取得部3で得られない場合にも処理を終了する。
航法メッセージ処理部5は、対象受信衛星について、新たな電離層パラメータが航法メッセージ取得部3で取得された場合には同様の処理を行って、使用対象の電離層パラメータを演算部6に出力する。また、航法メッセージ処理部5は、別の受信衛星からの電離層パラメータが航法メッセージ取得部3で取得された場合にも同様の処理を行って、その受信衛星についての使用対象の電離層パラメータを演算部6に出力する。
演算部6は、航法メッセージ処理部5から電離層パラメータが入力されると、それを使用して電離層遅延量を求める。ただし、演算部6は、航法メッセージ処理部5から電離層パラメータが入力された際に、すでに電離層パラメータを記憶している場合には、航法メッセージ処理部5から新たに入力された電離層パラメータに含まれる参考時刻情報と、それまでに測位演算で使用していた電離層パラメータに含まれる参考時刻情報とを比較し、それらのうちの最新の情報を今後の測位演算に使用する。ここで、ある情報に含まれる参考時刻情報とは、当該ある情報が生成された時刻を示す情報である。
第1の動作例に係る航法メッセージ処理部5は、UTC補正パラメータについても、電離層パラメータと同様にして、一の受信衛星に関して、航法メッセージ取得部3でNAV−UTCパラメータ及びCNAV−UTCパラメータの両方が取得されるか、それらのうちの一方だけが取得されるかにかかわらず、それらのうち航法メッセージ取得部3で最初に取得されたUTCパラメータを使用対象として演算部6に出力する。
演算部6は、航法メッセージ処理部5からUTCパラメータが入力されると、それを使用してUTC時刻を求める。ただし、演算部6は、航法メッセージ処理部5からUTCパラメータが入力された際に、すでにUTCパラメータを記憶している場合には、航法メッセージ処理部5から新たに入力されたUTCパラメータに含まれる参考時刻情報と、それまでに使用していたUTCパラメータに含まれる参考時刻情報とを比較し、それらのうちの最新の情報を今後使用する。
なお、一のGPS衛星からのNAV−UTCパラメータの送信間隔は12.5分であって、一のGPS衛星からのCNAV−UTCパラメータの送信間隔は最大で288秒である。したがって、CNAV−UTCパラメータの方がNAV−UTCパラメータよりも先に取得されやすい。
また、第1の動作例に係る航法メッセージ処理部5は、アルマナックについても、同様にして、一の受信衛星に関して、航法メッセージ取得部3でNAVアルマナック及びCNAVアルマナックの両方が取得されるか、それらのうちの一方だけが取得されるかにかかわらず、それらのうち航法メッセージ取得部3で最初に取得されたアルマナックを使用対象として演算部6に出力する。
演算部6は、航法メッセージ処理部5からアルマナックが入力されると、それを使用して視野内衛星を推定する。ただし、演算部6は、航法メッセージ処理部5からアルマナックが入力された際に、すでにアルマナックを記憶している場合には、GPS衛星ごとに、航法メッセージ処理部5から新たに入力されたアルマナック内の軌道情報に含まれる参考時刻情報と、それまで使用していたアルマナック内の軌道情報に含まれる参考時刻情報とを比較して、それらの軌道情報のうちの最新の情報を今後使用する。
以上のように、本動作例では、航法メッセージ処理部5は、航法メッセージ取得部3で取得される、NAVメッセージ及びCNAVメッセージ内の同種類の情報のうちのいずれか一つを出力しているため、演算部6は、当該同種類の情報のうち適切な情報に基づいて演算を行うことができる。
例えば、上述のように、航法メッセージ処理部5が、航法メッセージ取得部3で取得されるNAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのうち、航法メッセージ取得部3で最初に取得されるエフェメリスを演算部6に出力することによって、演算部6は、航法メッセージ取得部3で最初に取得されるエフェメリスに基づいて測位演算を行うことができる。したがって、演算部6は受信衛星の位置をすぐに求めることができる。その結果、GNSSS受信装置100の位置とGPS時刻をすぐに求めることができ、TTFFや、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻を求めるまでの時間が短くなる。よって、本GNSS受信装置100の性能が向上する。
また、上述のように、航法メッセージ処理部5が、航法メッセージ取得部3で取得されるNAV電離層パラメータ及びCNAV電離層パラメータのうち、航法メッセージ取得部3で最初に取得される電離層パラメータを演算部6に出力することによって、演算部6は電離層遅延量をすぐに求めることができる。その結果、GNSSS受信装置100の位置とGPS時刻をすぐに求めることができる。よって、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻を求めるまでの時間が短くなり、本GNSS受信装置100の性能が向上する。
また、航法メッセージ処理部5が、航法メッセージ取得部3で取得されるNAV−UTCパラメータ及びCNAV−UTCパラメータのうち、航法メッセージ取得部3で最初に取得されるUTCパラメータを演算部6に出力することによって、演算部6はUTC時刻をすぐに求めることができる。その結果、本GNSS受信装置100の性能が向上する。
また、航法メッセージ処理部5が、航法メッセージ取得部3で取得されるNAVアルマナック及びCNAVアルマナックのうち、航法メッセージ取得部3で最初に取得されるアルマナックを演算部6に出力することによって、演算部6では各GPS衛星の位置をすぐに求めることができる。よって、演算部6では視野内衛星をすぐに推定できる。その結果、GNSS受信装置100の電源投入後に、GNSS信号をすぐに捕捉及び追尾できるようになり、TTFFが短くなって、本GNSS受信装置100の性能が向上する。
また、本動作例では、対象受信衛星に関して、二つ目のエフェメリスが航法メッセージ取得部3で取得されない場合には、航法メッセージ処理部5は、航法メッセージ取得部3で最初に取得されたエフェメリスを出力している。電離層パラメータ、UTCパラメータ及びアルマナックについても同様である。つまり、航法メッセージ処理部5は、航法メッセージ取得部3で取得された所定の情報(例えばNAVエフェメリス)が含まれる航法メッセージ(例えばNAVメッセージ)とは異なる他の航法メッセージ(例えばCNAVメッセージ)に含まれる、当該所定の情報と同種類の情報(例えばCNAVエフェメリス)が航法メッセージ取得部3で取得されない場合には、航法メッセージ取得部3が取得した所定の情報を出力している。あるいは、航法メッセージ処理部5は、受信部1が一種類のGPS信号(例えばL1C/A信号)のみを受信した場合には、航法メッセージ取得部3が取得した、当該一種類のGPS信号に含まれる所定の情報(例えばNAVエフェメリス)を出力している。したがって、航法メッセージ処理部5が取得した所定の情報が、どの種類の航法メッセージに含まれるかを問わず、当該所定の情報に基づいて演算部6で演算を行うことができる。よって、演算部6での演算結果をすぐに得ることができ、本GNSS受信装置100の性能が向上する。
なお、各GPS衛星から、互いに異なる航法メッセージが重畳された、3種類以上の複数種類の信号が送信される場合であっても、図2,3のフローチャートと同様にして、当該複数種類の信号にそれぞれ重畳された複数種類の航法メッセージにそれぞれ含まれる同種類の複数の情報のうち航法メッセージ取得部3で最初に取得される情報を演算部6に入力することによって、同様の効果が得られる。
<第2の動作例>
図4は航法メッセージ処理部5が、演算部6での使用対象となるエフェメリスを決定する際の当該航法メッセージ処理部5の第2の動作例を示している。本動作例では、各受信衛星に関して、航法メッセージ取得部3において、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのどちらか一方が取得された場合には、取得されたエフェメリスを使用対象とし、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスが取得された場合には、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスから所定の条件に基づいて使用対象のエフェメリスを選択する。
図4に示されるように、航法メッセージ処理部5は、ステップs21において、対象受信衛星に関して、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスの両方が航法メッセージ取得部3で取得されたかどうかを判定する。ステップs21において、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスの一方だけが取得されたと判定されると、ステップs22において、その取得された一方のエフェメリスを使用対象として演算部6に出力する。
これに対して、ステップs21において、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスの両方が航法メッセージ取得部3で取得されたと判定されると、航法メッセージ処理部5は、ステップs23において、取得されたNAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスから、所定の条件に基づいて、使用対象となる一のエフェメリスを選択し、それを演算部6に出力する。
ステップs23においては、例えば、航法メッセージ処理部5は、取得されたNAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのうち精度の良い方を選択する。CNAVエフェメリスはNAVエフェメリスよりも情報量が多く精度が良い。したがって、航法メッセージ処理部5は、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスの両方が受信された場合には、CNAVエフェメリスを使用対象とする。
また、ステップs23において、航法メッセージ処理部5は、取得されたNAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのうち最新の情報を使用対象としても良い。NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのそれぞれには、そのエフェメリスが生成された時刻を示す参考時刻情報が含まれていることから、航法メッセージ処理部5は、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスの参考時刻情報を比較することによって、それらのうちの最新の情報を特定できる。
また、ステップs23において、航法メッセージ処理部5は、取得されたNAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのうち最も信頼性の高いものを使用対象としても良い。NAVメッセージ及びCNAVメッセージのそれぞれには、その航法メッセージを送信するGPS衛星の動作が正常であるか否かを示すヘルス情報が含まれている。航法メッセージ処理部5は、航法メッセージ取得部3で取得される、NAVメッセージ及びCNAVメッセージのそれぞれのヘルス情報を参照し、各航法メッセージが送信された際のGPS衛星の動作状況を確認する。そして、航法メッセージ処理部5は、NAVメッセージが送信された際のGPS衛星の動作が正常であって、CNAVメッセージが送信された際のGPS衛星の動作が異常である場合には、NAVエフェメリスの方がCNAVエフェメリスよりも信頼性が高いと判断し、NAVエフェメリスを使用対象とする。一方で、航法メッセージ処理部5は、NAVメッセージが送信された際のGPS衛星の動作が異常であって、CNAVメッセージが送信された際のGPS衛星の動作が正常である場合には、CNAVエフェメリスの方がNAVエフェメリスよりも信頼性が高いと判断し、CNAVエフェメリスを使用対象とする。そして、航法メッセージ処理部5は、NAVメッセージ及びCNAVメッセージが送信された際のGPS衛星の動作がともに正常である場合には、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのうちの予め定められた方を使用対象とし、ともに異常である場合には、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスの両方を使用対象としない。
また、ステップs23において、航法メッセージ処理部5は、受信されたNAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのうち、ユーザによって指定される方のエフェメリスを使用対象として良い。この場合には、本GNSS受信装置100のデータ通信部7に接続された外部装置を利用して、ユーザが、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスの両方が取得された場合に航法メッセージ処理部5が選択するエフェメリスを設定できるようにする。航法メッセージ処理部5は、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのうち、データ通信部7を通じてユーザによって指定された方を使用対象とする。
航法メッセージ処理部5は、以上のステップs21〜s23の処理を、各受信衛星について、新たなエフェメリスが得られるたびに行う。
図5は、航法メッセージ処理部5が、演算部6での使用対象となる電離層パラメータを決定する際の当該航法メッセージ処理部5の第2の動作例を示すフローチャートである。図5に示されるように、航法メッセージ処理部5は、ステップs31において、対象受信衛星に関して、NAV電離層パラメータ及びCNAV電離層パラメータの両方が航法メッセージ取得部3で取得されたどうかを判定する。ステップs31において、NAV電離層パラメータ及びCNAV電離層パラメータの一方だけが取得されたと判定されると、航法メッセージ処理部5は、ステップs32において、その取得された一方を使用対象として演算部6に出力する。
これに対して、ステップs31において、NAV電離層パラメータ及びCNAV電離層パラメータの両方が航法メッセージ取得部3で得られたと判定されると、航法メッセージ処理部5は、ステップs33において、得られたNAV電離層パラメータ及びCNAV電離層パラメータから、所定の条件に基づいて、使用対象となる一の電離層パラメータを選択し、それを演算部6に出力する。このステップs33での選択条件は、上述のステップs33での選択条件と同様の条件が採用できる。なお、CNAV電離層パラメータは、NAV電離層パラメータよりも情報量が多く精度が良いため、ステップs33において、両電離層パラメータのうち精度が最も良いものを使用対象とする場合には、CNAV電離層パラメータが使用対象とされる。
航法メッセージ処理部5は、対象受信衛星について新たな電離層パラメータが受信部1で受信された場合には同様の処理を行って、使用対象の電離層パラメータを演算部6に出力する。また、航法メッセージ処理部5は、別の受信衛星からの電離層パラメータが受信部1で受信された場合にも同様の処理を行って、使用対象の電離層パラメータを演算部6に出力する。
UTCパラメータについても、電離層パラメータと同様にして、演算部6での使用対象のUTCパラメータを決定できる。CNAV−UTCパラメータは、NAV−UTCパラメータよりも情報量が多く精度が良いため、NAV−UTCパラメータ及びCNAV−UTCパラメータの両方が受信された場合に精度が良い方を使用対象とする場合には、CNAV−UTCパラメータが使用対象とされる。また、アルマナックについても、電離層パラメータと同様にして、演算部6での使用対象のアルマナックを決定できる。
以上のように、本動作例では、上述の第1の動作例と同様に、航法メッセージ処理部5は、航法メッセージ取得部3で取得される、NAVメッセージ及びCNAVメッセージ内の同種類の情報のうちのいずれか一つを出力しているため、演算部6は、当該同種類の情報のうち適切な情報に基づいて演算を行うことができる。
例えば、上述のように、航法メッセージ処理部5が、NAVエフェメリス及びCNAVエフェメリスのうち最新のエフェメリスを出力することによって、演算部6は最新のエフェメリスを使用して受信衛星の位置を求めることができる。よって、受信衛星の位置を正確に求めることができ、その結果、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻を正確に求めることができる。同様にして、演算部6は、最新の電離層パラメータを使用して電離層遅延量を求めることができため、正確な電離層遅延量を得ることができる。また、演算部6は、最新のUTCパラメータを使用してUTC時刻を求めることができため、正確なUTC時刻を得ることができる。また、演算部6は、最新のアルマナックを使用して各GPS衛星の位置を求めることができるため、より早く各GPS衛星の位置を求めることができる。よって、GNSS受信装置100の性能が向上する。
また、本動作例では、上述の第1の動作例と同様に、航法メッセージ処理部5は、航法メッセージ取得部3で取得された所定の情報が含まれる航法メッセージとは異なる他の航法メッセージに含まれる、当該所定の情報と同種類の情報が航法メッセージ取得部3で取得されない場合には、航法メッセージ取得部3が取得した所定の情報を出力している。また、航法メッセージ処理部5は、受信部1が一種類のGPS信号のみを受信した場合には、航法メッセージ取得部3が取得した、当該一種類のGPS信号に含まれる所定の情報を出力している。したがって、航法メッセージ取得部3が取得した所定の情報が、どの航法メッセージに含まれるかを問わず、当該所定の情報に基づいて演算部6で演算を行うことができる。よって、演算部6での演算結果をすぐに得ることができ、本GNSS受信装置100の性能が向上する。
なお、各GPS衛星から、互いに異なった航法メッセージが重畳された、3種類以上の複数種類の信号が送信される場合であっても、図4,5のフローチャートと同様にして、当該複数種類の信号にそれぞれ重畳された複数種類の航法メッセージにそれぞれ含まれる同種類の複数の情報が航法メッセージ取得部3で取得された場合には、当該同種類の複数の情報から所定の条件に基づいて演算部6での使用対象の情報を選択することにより、演算部6では適切な情報を使用して所定の演算を行うことができる。さらに、当該同種類の複数の情報の一つしか航法メッセージ取得部3で取得されない場合に、その取得された情報を使用対象とすることによって、使用対象の情報がどの種類の航法メッセージに含まれるかにかかわらず、演算部6は当該情報を使用して演算を行うことができる。そのため、演算部6での演算結果をすぐに得ることができる。
<疑似距離処理部の動作>
次に、疑似距離処理部4の動作について詳細に説明する。以下に、疑似距離処理部4の複数の動作例について説明する。
<第1の動作例>
図6は疑似距離処理部4の第1の動作例を示すフローチャートである。本動作例では、各受信衛星に関して、L1観測データ及びL2観測データの両方が得られるか、それらの一方だけが得られるかにかかわず、L1観測データ及びL2観測データのうち捕捉追尾部2で最初に得られる観測データに含まれる疑似距離を測位演算で使用する疑似距離とする。
図6に示されるように、疑似距離処理部4は、ステップs41において、対象受信衛星について、L1観測データ及びL2観測データのうち捕捉追尾部2で最初に得られる観測データ(例えばL1観測データ)に含まれる疑似距離を使用対象とする。そして、ステップs42において、疑似距離処理部4は、最初に得られた観測データに含まれる疑似距離、つまり使用対象の疑似距離に対して、当該観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行う。そして、疑似距離処理部4は、キャリアスムージング後の疑似距離を演算部6に出力する。
その後、疑似距離処理部4は、ステップs43において対象受信衛星についての2つの目の観測データ(例えばL2観測データ)が捕捉追尾部2で得られると、ステップs44においてその観測データを使用対象とせず、演算部6には出力しない。その後、疑似距離処理部4は対象受信衛星についての処理を終了する。また、疑似距離処理部4は、ステップs43において、対象受信衛星についての2つの目の観測データが得られない場合にも、対象受信衛星についての処理を終了する。
疑似距離処理部4は、以上のステップs41〜s44の処理を、各受信衛星について、新たな観測データが得られるたびに行う。
演算部6は、疑似距離処理部4から4衛星分以上の疑似距離が入力されると、航法メッセージ処理部5から入力される電離層遅延パラメータを使用して電離層遅延量を求める。電離層遅延パラメータは、「Klobucharモデル」と呼ばれる電離層遅延を示すモデルに基づいて決定されている。演算部6は、疑似距離処理部4から入力される各疑似距離に対して、求めた電離層遅延量を用いて補正し、当該各疑似距離から電離層遅延の影響を排除する。その後、演算部6は、補正後の各疑似距離を使用して測位演算を行う。
このように、本動作例では、L1観測データ及びL2観測データを問わず、最初に得られた観測データに含まれる疑似距離を測位演算での使用対象としているため、L1C/A信号だけを受信するGPS受信装置、あるいはL2C信号だけを受信するGPS受信装置と比較して、4衛星分の疑似距離をすぐに取得することができる。その結果、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻をすぐに求めることができる。
例えば、L1C/A信号だけを受信するGPS受信装置において、L1観測データが2衛星分しか取得できない場合には、2衛星分の疑似距離しか得られないことから、測位演算を行うことができない。これに対して、本例では、L1観測データが2衛星分だけしか取得できない場合であっても、L2観測データが2衛星分取得できれば、4衛星分の疑似距離を得ることができることから、測位演算を行うことができる。そのため、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻をすぐに取得することができ、TTFF(Time To First Fix)など、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻が得られるまでの時間を短縮できる。よって、本GNSS受信装置100の性能が向上する。
なお、捕捉追尾部2において観測データとして疑似距離だけを求めても良い。この場合には、疑似距離処理部4は、各受信衛星について、ステップs2を実行せずに、捕捉追尾部2で最初に得られた疑似距離をそのまま使用対象として演算部6に入力することになる。
また、各GPS衛星から、キャリア周波数が異なる、3種類以上の複数種類の信号が送信される場合には、当該複数種類の信号からそれぞれ得られる複数の観測データのうち最初に得られる観測データの疑似距離を、測位演算で使用する疑似距離としても良い。
<第2の動作例>
図7は疑似距離処理部4の第2の動作例を示すフローチャートである。本動作例では、各受信衛星に関して、L1観測データ及びL2観測データの一つしか得られない場合には、得られた観測データに含まれる疑似距離を使用対象とし、L1観測データ及びL2観測データが得られた場合には、L1観測データ及びL2観測データに含まれる疑似距離から所定の条件に基づいて使用対象の一の疑似距離を選択する。
図7に示されるように、疑似距離処理部4は、ステップs51において、対象受信衛星について、L1観測データ及びL2観測データの両方が捕捉追尾部2で得られたかどうかを判定する。ステップs51において、L1観測データ及びL2観測データの一方だけが得られたと判定されると、疑似距離処理部4は、ステップs52において、その得られた一方の観測データに含まれる疑似距離を使用対象とする。そして、疑似距離処理部4は、ステップs53において、得られた観測データに含まれる疑似距離、つまり使用対象の疑似距離に対して、当該観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行う。このキャリアスムージング後の疑似距離は演算部6に入力される。
一方で、ステップs51において、L1観測データ及びL2観測データの両方が捕捉追尾部2で得られたと判定されると、疑似距離処理部4は、ステップs54において、得られたL1観測データ及びL2観測データに含まれる疑似距離のそれぞれに対してキャリアスムージングを行う。具体的には、疑似距離処理部4は、L1観測データに含まれる疑似距離に対して、当該L1観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行い、L2観測データに含まれる疑似距離に対して、当該L2観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行う。
その後、疑似距離処理部4は、ステップs55において、L1観測データから得られた、キャリアスムージング後の疑似距離(以後、「補正後のL1疑似距離」と呼ぶ)及びL2観測データから得られた、キャリアスムージング後の疑似距離(以後、「補正後のL2疑似距離」と呼ぶ)から、所定の条件に基づいて、使用対象とする疑似距離を選択する。そして、疑似距離処理部4は、使用対象として選択した疑似距離を演算部6に出力する。
ステップs55では、例えば、疑似距離処理部4は、L1C/A信号の受信部1での受信レベルと、L2C信号の受信部1での受信レベルに基づいて、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離から、使用対象となる疑似距離を選択する。この場合には、まず、疑似距離処理部4は、対象受信衛星が送信するL1C/A信号及びL2C信号の受信部1での受信レベル(例えば、C/N0(carrier-to-noise density ratio))を比較する。L1C/A信号の受信部1での受信レベルは、L1捕捉追尾部20においてL1ベースバンド信号から求められ、L2C信号の受信部1での受信レベルは、L2捕捉追尾部21においてL2ベースバンド信号から求められる。疑似距離処理部4は、L1C/A信号の受信レベルの方が高い場合には補正後のL1疑似距離を使用対象とし、L2C信号の受信レベルの方が高い場合には補正後のL2疑似距離を使用対象とする。そして、疑似距離処理部4は、L1C/A信号及びL2C信号の受信レベルが同じである場合には、予め定められた方の疑似距離(例えば、補正後のL1疑似距離)を使用対象とする。
また、ステップs55において、疑似距離処理部4は、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離のうち、ユーザによって指定された方の疑似距離を使用対象としても良い。この場合には、本GNSS受信装置100のデータ通信部7に接続された外部装置を利用して、ユーザが、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離の両方が取得された場合に疑似距離処理部4が選択する疑似距離を設定できるようにする。疑似距離処理部4は、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離のうち、データ通信部7を通じてユーザによって指定された方の疑似距離を使用対象とする。
また、本実施の形態に係るGNSS受信装置100が、WAAS(Wide Area Augmentation System)等のSBAS(Satellite-Based Augmentation System)の静止衛星からの信号を受信する受信回路を備える場合には、ステップs55において、疑似距離処理部4は、当該受信回路で受信されるSBAS信号に基づいて、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離の一方を選択しても良い。例えば、疑似距離処理部4は、ある一の受信衛星に関して、SBASの静止衛星からL1観測データの疑似距離についての補正情報が送られてくる場合には、当該受信衛星についての使用対象として補正後のL1疑似距離を選択する。また、疑似距離処理部4は、別の一の受信衛星に関して、SBASの静止衛星からL2観測データの疑似距離についての補正情報が送られてくる場合には、当該受信衛星についての使用対象として補正後のL2疑似距離を選択する。そして、疑似距離処理部4は、SBASからの補正情報に基づいて、選択した疑似距離を再度補正し、その補正後の疑似距離を演算部6に出力する。
疑似距離処理部4は、以上のステップs51〜s55の処理を、各受信衛星について、新たな観測データが得られるたびに行う。
演算部6は、疑似距離処理部4から4衛星分以上の疑似距離が入力されると、上述のように、電離層パラメータを使用して電離層遅延量を求める。そして、演算部6は、疑似距離処理部4から入力される各疑似距離に対して、求めた電離層遅延量を用いて補正し、当該各疑似距離から電離層遅延の影響を排除する。その後、演算部6は、補正後の各疑似距離を使用して測位演算を行う。
このように、本動作例では、L1観測データ及びL2観測データが得られた場合には、L1観測データ及びL2観測データに含まれる疑似距離から所定の条件に基づいて使用対象の疑似距離が選択されている。したがって、L1観測データ及びL2観測データに含まれる疑似距離のうち適切な疑似距離を使用して測位演算を行うことができる。
さらに、上述のように、L1観測データ及びL2観測データの一つだけが取得された場合に、取得された一の観測データに含まれる疑似距離を使用対象とすることによって、L1観測データ及びL2観測データを問わず、得られた観測データの疑似距離を測位演算に使用することができる。よって、4衛星分の疑似距離をすぐに得ることができ、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻をすぐに求めることができる。その結果、本GNSS受信装置100の性能が向上する。
また、上述のように、ある受信衛星についてのL1観測データ及びL2観測データが得られた場合に、それらの疑似距離から、当該受信衛星から送信されるL1C/A信号とL2C信号の受信レベルに基づいて使用対象の疑似距離を選択することによって、受信状態の良いGPS信号から求められた疑似距離を使用して測位演算を行うことができる。よって、精度の良い疑似距離を使用してGNSS受信装置100の位置及びGPS時刻を求めることができ、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻の精度が向上する。
また、L1観測データ及びL2観測データが得られた場合に、それらの疑似距離のうちのユーザが指定する方を使用対象とすることによって、ユーザが希望する適切な疑似距離を使用して測位演算を行うことができる。よって、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻を適切に求めることができ、本GNSS受信装置の性能が向上する。
なお、捕捉追尾部2において観測データとして疑似距離だけを求めても良い。この場合には、ステップs53,s54が実行されずに、キャリアスムージングが行われていない疑似距離が演算部6に入力される。
また、各GPS衛星から、キャリア周波数が異なる、3種類以上の複数種類の信号が送信される場合には、当該複数種類の信号からそれぞれ得られる複数の観測データにおいて、一つしか得られないときには、その一つの観測データの疑似距離を使用対象とし、複数の観測データが得られたときには、当該複数の観測データの疑似距離から所定の条件に基づいて使用対象の一の疑似距離を選択しても良い。
<第3の動作例>
図8は疑似距離処理部4の第3の動作例を示すフローチャートである。本動作例では、各受信衛星に関して、L1観測データ及びL2観測データの一つしか得られない場合には、得られた観測データの疑似距離を使用対象とし、L1観測データ及びL2観測データが得られた場合には、それらの疑似距離の重み付け平均値を求め、求めた重み付け平均値を使用対象の疑似距離とする。
図8に示されるように、疑似距離処理部4は、ステップs61において、対象受信衛星について、L1観測データ及びL2観測データの両方が捕捉追尾部2で得られたかどうかを判定する。ステップs61において、L1観測データ及びL2観測データの一方だけが取得されたと判定されると、ステップs62において、疑似距離処理部4は、その得られた一方の観測データに含まれる疑似距離を使用対象とする。そして、疑似距離処理部4は、ステップs63において、得られた観測データに含まれる疑似距離、つまり使用対象の疑似距離に対して、当該観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行う。このキャリアスムージング後の疑似距離は演算部6に入力される。
一方で、ステップs61において、L1観測データ及びL2観測データの両方が捕捉追尾部2で得られたと判定されると、疑似距離処理部4は、ステップs64において、得られたL1観測データ及びL2観測データに含まれる疑似距離のそれぞれに対してキャリアスムージングを行う。具体的には、疑似距離処理部4は、L1観測データに含まれる疑似距離に対して、当該L1観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行い、L2観測データに含まれる疑似距離に対して、当該L2観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行う。これにより、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離が得られる。
その後、疑似距離処理部4は、ステップs65において、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離の重み付け平均値を求める。具体的には、疑似距離処理部4は、補正後のL1疑似距離と、補正後のL2疑似距離とのそれぞれに対して、対応するGPS信号(L1C/A信号あるいはL2C信号)の受信レベルに応じて重み付けを行い、重み付け後の両疑似距離の平均値を求める。例えば、L1C/A信号の受信レベルがL2C信号に受信レベルよりも大きい場合には、補正後のL1疑似距離に設定する重みを、補正後のL2疑似距離に設定する重みよりも大きくして、重み付け後の両疑似距離の平均値を求める。そして、疑似距離処理部4は、ステップs66において、ステップs65で求めた重み付け平均値を、使用対象の疑似距離として演算部6に入力する。
疑似距離処理部4は、以上のステップs61〜s66の処理を、各受信衛星について、新たな観測データが得られるたびに行う。
演算部6は、疑似距離処理部4から4衛星分以上の疑似距離が入力されると、上述のように、電離層パラメータを使用して電離層遅延量を求める。そして、演算部6は、疑似距離処理部4から入力される各疑似距離に対して、求めた電離層遅延量を用いて補正し、当該各疑似距離から電離層遅延の影響を排除する。その後、演算部6は、補正後の各疑似距離を使用して測位演算を行う。
このように、本動作例では、L1観測データ及びL2観測データのすべてが得られた場合には、L1観測データ及びL2観測データの疑似距離の重み付け平均値が使用対象とされるため、雑音成分が少ない疑似距離を使用して測位演算することができる。よって、精度の良い疑似距離を使用してGNSS受信装置100の位置及びGPS時刻を求めることができる。その結果、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻の精度が向上する。
さらに、上述のように、L1観測データ及びL2観測データの一つだけが取得された場合に、取得された一の観測データの疑似距離を使用対象とすることによって、L1観測データ及びL2観測データを問わず、得られた観測データの疑似距離を測位演算に使用することができる。よって、4衛星分の疑似距離をすぐに得ることができ、GNSS受信装置100の位置及びGPS時刻をすぐに求めることができる。その結果、本GNSS受信装置100の性能が向上する。
なお、捕捉追尾部2において観測データとして疑似距離だけを求めても良い。この場合には、ステップs63,s64が実行されずに、キャリアスムージングが行われていない疑似距離が演算部6に入力される。
また、各GPS衛星から、キャリア周波数が異なる、3種類以上の複数種類の信号が送信される場合には、当該複数種類の信号からそれぞれ得られる複数の観測データにおいて、一つしか得られないときには、その一つの観測データの疑似距離を使用対象とし、複数の観測データが得られたときには、当該複数の観測データの疑似距離の重み付け平均値を使用対象の一の疑似距離としても良い。
<第4の動作例>
図9は疑似距離処理部4の第4の動作例を示すフローチャートである。
上述の特許文献2にも記載されているように、電離層フリー線形結合を用いて、電離層遅延の影響が排除された疑似距離を求める技術が従来から提案されている。ここで、電離層フリー線形結合を用いて求められた、電離層遅延の影響が排除された疑似距離を「電離層フリー疑似距離」と呼ぶ。電離層フリー線形結合では、同じGPS衛星から送信される、キャリア周波数が互いに異なる2種類の無線信号からそれぞれ得られる2つの疑似距離を用いて電離層フリー疑似距離が求められる。具体的には、電離層フリー疑似距離rtは以下の式(1)で求められる。
rt=(f12×r1−f22×r2)/(f12−f22) ・・・(1)
ただし、f1及びf2は、L1C/A信号及びL2C信号のキャリア周波数、つまりL1周波数及びL2周波数をそれぞれ示している。また、r1はL1C/A信号から得られる、電離層遅延の影響を受けた疑似距離を示し、r2はL2C信号から得られる、電離層遅延の影響を受けた疑似距離を示している。
これに対して、上述のように、GPS衛星からの航法メッセージに含まれる電離層パラメータを使用して電離層遅延量を求め、この電離層遅延量を用いて、L1C/A信号あるいはL2C信号から求められた疑似距離を補正することによって、当該疑似距離から電離層遅延の影響を排除することができる。このようにして補正された疑似距離を「モデル補正疑似距離」と呼ぶ。
測位演算を行う際に、電離層フリー疑似距離とモデル補正疑似距離とを組み合わせて使用すると、位置精度や時刻精度が悪化することがあることから、電離層フリー疑似距離を使用する場合には、測位演算に使用する4衛星分以上の疑似距離がすべて電離層フリー疑似距離である必要がある。
そこで、本動作例では、L1観測データ及びL2観測データの両方が得られた受信衛星が4つ以上存在する場合には、当該4つ以上の受信衛星についての電離層フリー疑似距離を求めて、それらを測位演算での使用対象とする。以下に本動作例について詳細に説明する。
図9に示されるように、ステップs71において、疑似距離処理部4は、各受信衛星について、L1観測データ及びL2観測データの両方が捕捉追尾部2で得られたかどうかを調べる。次にステップs72において、疑似距離処理部4は、L1観測データ及びL2観測データの両方が得られた受信衛星が4つ以上存在する場合にはステップs73を実行し、4つ未満である場合にはステップs75を実行する。
ステップs73では、L1観測データ及びL2観測データの両方が得られた各受信衛星について、疑似距離処理部4は、L1観測データに含まれる疑似距離に対して、当該L1観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行うとともに、L2観測データに含まれる疑似距離に対して、当該L2観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行う。これにより、L1観測データ及びL2観測データの両方が得られた各受信衛星について、補正後のL1疑似距離と補正後のL2疑似距離とが得られる。
その後、疑似距離処理部4は、ステップs74において、L1観測データ及びL2観測データの両方が得られた各受信衛星について、補正後のL1疑似距離を式(1)中のr1とし、補正後のL2疑似距離を式(1)中のr2として、電離層フリー疑似距離rtを求める。ステップs74では、4衛星分以上の電離層フリー疑似距離が求められる。これらの電離層フリー疑似距離は、測位演算での使用対象として演算部6に入力される。演算部6は、疑似距離処理部4から4衛星分以上の電離層フリー疑似距離が入力されると、それらを使用して測位演算を行う。
一方で、ステップs75では、疑似距離処理部4は、各受信衛星について、得られた観測データに含まれる疑似距離に対してキャリアスムージングを行う。例えば、ある一の受信衛星について、L1観測データ及びL2観測データのうち一方の観測データだけが捕捉追尾部2で得られた場合には、疑似距離処理部4は、当該観測データに含まれる疑似距離に対して、当該観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行う。また、ある一の受信衛星についてL1観測データ及び2観測データの両方が捕捉追尾部2で得られた場合には、疑似距離処理部4は、当該L1観測データに含まれる疑似距離に対して、当該L1観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行うとともに、当該L2観測データに含まれる疑似距離に対して、当該L2観測データに含まれるADRを使用してキャリアスムージングを行う。これにより、ステップs75では、各受信衛星について、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離の少なくとも一方が得られることになる。
その後、ステップs76において、疑似距離処理部4は、各受信衛星について、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離のどちらかを測位演算での使用対象とする。例えば、ある一の受信衛星について、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離の一方だけしか得られなかった場合には、得られた方の疑似距離を使用対象とする。また、ある一の受信衛星について、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離の両方が得られた場合には、上述の第2の動作例のステップs55と同様にして、補正後のL1疑似距離及び補正後のL2疑似距離から所定の条件に基づいて使用対象の疑似距離を選択する。そして、疑似距離処理部4は、使用対象の疑似距離を演算部6に出力する。ここで演算部6に入力される疑似距離は電離層遅延の影響を受けた疑似距離である。
演算部6は、疑似距離処理部4から4衛星分以上の、電離層遅延の影響を受けた疑似距離が入力されると、上述のように、電離層パラメータを使用して電離層遅延量を求める。そして、演算部6は、疑似距離処理部4から入力される各疑似距離に対して、求めた電離層遅延量を用いて補正し、当該各疑似距離から電離層遅延の影響を排除する。その後、演算部6は、補正後の各疑似距離を使用して測位演算を行う。
疑似距離処理部4は、以上のステップs71〜s76の処理を所定間隔で繰り返して行う。
このように、本動作例では、L1観測データ及びL2観測データが得られた受信衛星が4つ未満である場合には、疑似距離処理部4は、上述の第2の動作例と同様の動作を行うため、第2の動作例と同様の効果を得ることができる。
また、本動作例では、L1観測データ及びL2観測データが得られた受信衛星が4つ以上である場合には、電離層フリー疑似距離が測位演算の使用対象とされるため、位置精度及び時刻精度が向上する。
なお、L1観測データ及びL2観測データが得られた受信衛星が4つ未満である場合には、上述の第3の動作例のように、各受信衛星に関して、L1観測データ及びL2観測データの一つしか得られない場合には、得られた観測データの疑似距離を使用対象とし、L1観測データ及びL2観測データが得られた場合には、それらの疑似距離の重み付け平均値を求め、求めた重み付け平均値を使用対象の疑似距離としても良い。これにより、第3の動作例と同様の効果を得ることができる。
また、捕捉追尾部2において観測データとして疑似距離だけを求めても良い。この場合には、ステップs73が実行されずに、キャリアスムージングが行われていない疑似距離を使用して求められた電離層フリー疑似距離が演算部6に入力される。また、ステップs75が実行されずに、キャリアスムージングが行われていない疑似距離が演算部6に入力される。
また、各GPS衛星から、キャリア周波数が異なる、3種類以上の複数種類の信号が送信される場合であっても、同様にして、演算部6で使用される疑似距離を求めることができる。つまり、複数の観測データが得られた受信衛星が4つ未満であるときには、モデル補正疑似距離を演算部6で使用される疑似距離とし、複数の観測データが得られた受信衛星が4つ以上であるときには電離層フリー疑似距離を演算部6で使用される疑似距離とする。
以上に説明した実施の形態では、本願発明をGPS受信装置に適用する場合について説明したが、本願発明は、GALILEOやGLONASSなどの他のGNSSでの受信装置にも適用できる。例えば、GALILEOでは、I/NAVメッセージとF/NAVメッセージの2種類の航法メッセージが使用されているため、本実施の形態と同様にして、当該2種類の航法メッセージにそれぞれ含まれる同種類の複数の情報のうち、どの情報を使用するかについて決定することができる。
また、本願発明は、航法メッセージに含まれる、エフェメリス、アルマナック、電離層パラメータ及びUTCパラメータ以外の情報についても同様に適用することができる。