JP5010200B2 - コルゲート管用差込み継手 - Google Patents
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Description
この配管例においては、建物100の外にガスメータ110が設置されており、ガスメータ110から建物100側に向かって延び出したガス配管(鋼管)103の途中に接続部(チー)103aが設けられている。この接続部103aには、差込み継手101を介してコルゲート管T(詳細は図2を参照して後述する)の端部が接続されている。コルゲート管Tの反対側の端部は、ガスコンセント105に繋がっている。このガスコンセント105には、例えばゴム管106を通じてガスストーブ等のガス機器107が接続され、これにより該ガス機器107にガスが供給されるようになっている。
このように構成された特許文献1の差込み継手によれば、コルゲート管を継手本体内に挿入する際にリテーナがパッキンに押されて収縮することにより、コルゲート管の端部が継手本体内で固定されるようになっている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な作業でコルゲート管を強固に接続することができ、良好な接続状態であることを確認しやすいように改良されたコルゲート管用差込み継手を提供することにある。
本発明に関連するコルゲート管用差込み継手は、外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、前記内孔内に配置され、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、前記内孔内に配置され、前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、前記継手本体の内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押し、それにより該リテーナの前記爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、前記内孔内に挿入された前記コルゲート管の挿入側端部が当接する受け部、及び、前記リテーナ押しスリーブに係合するスリーブ係合部を有するけん引部材と、を備え、前記内孔内への前記コルゲート管の挿入に応じて、前記けん引部材が前記継手本体の内孔奥方向に移動し、それと共に前記リテーナ押しスリーブが該けん引部材に引かれて同方向に移動することを特徴とする。
なお、リテーナとリテーナ押しスリーブの具体的な構成としては、一例として、リテーナとリテーナ押しスリーブのそれぞれにテーパを設け、該テーパ同士が係合摺動することで、リテーナの爪が縮径方向に移動するものとすることができる。
なお、耐火パッキンは、火災などの際に、加熱されて高温となり、膨張するものである。このような耐火パッキンが設けられていることにより、火災時に、仮に気密パッキンが焼失したとしても、耐火パッキンにより一定程度のガス封止性が保たれる。
また、本発明の差込み継手においては、リテーナと前記気密パッキンとの間に、該気密パッキンよりも高剛性な部材(一例としてワッシャー形状)が設けられていることが好ましい。これにより、気密パッキンによるリテーナの押付けが良好に行われるものとなる。
また、薄肉部はその形状がC字型であり、該薄肉部を前記筒状挿入部から取り外す際に人の指を掛けることができるように、前記筒状挿入部の径方向外側にせり出した一対の指掛け部が形成されていることが好ましい。
図1は、本発明の一形態のコルゲート管用差込み継手の概要を説明するための外観斜視図である。図1(A)は差込み継手の初期状態を示す図であり、図1(B)は同継手の最終状態(コルゲート管が差し込まれた施工完了状態)を示している。
なお、以下の説明では、特に断らない限り、「上下方向」とは図1等において矢印に示す方向を指すものとする。「手前」とは図の上側(コルゲート管の元側)を指し、「奥」とは図の下側(コルゲート管の先側)を指す。
図1(A)に示すように、この差込み継手1は、内部に図示しない種々の部品が配置された(詳細後述)筒状の継手本体10と、この継手本体10に対してスライド可能に設けられたリテーナ押しスリーブ50と、を備えている。継手本体10と押しスリーブ50との間には、樹脂製の位置決めカラー(スペーサ)90が取外し可能に装着されている。
コルゲート管Tは、図2に示すように、外周に環状の凹凸が形成された蛇腹状のフレキシブル管2a(金属製)と、それを覆う樹脂製の被覆チューブ2bとを有している。コルゲート管Tの下端においては、被覆チューブ2bが剥ぎ取られ、内側のフレキシブル管2aが露出した状態となっている。このようにフレキシブル管2aを露出させることで、この外周の環状凹部に、後述するリテーナ40の爪43(図6参照)が係合するようになっている。
図3は、図1の差込み継手の断面図であり、コルゲート管Tが挿入されていない、コルゲート管接続前の初期状態を示している。
図4〜図6は、この差込み継手を使用する際の一連の動作を示す図である。図4は、図3の状態からカラーを取り外すと共に、継手内にコルゲート管Tを挿入した状態を示している。図5は、その後、コルゲート管を押し込んで、リテーナ押しスリーブ50を直前位置まで引き込んだ状態を示し、図6は、リテーナ押しスリーブ50を最終位置まで押し込んで、コルゲート管を最終的に固定した状態(施工完了状態)を示している。
図7は、これら図3〜図6を1枚にまとめて一連の動作を分かり易く示した図面である。
継手本体10は、図8の断面図に示すように、一例として銅合金で構成された筒状体であり、外径が相対的に大きい本体部10Aと、その下端に形成された、外径が相対的に小さい接続部10Bとを有する。
図9は、リテーナ押しスリーブ単体の外観を示す斜視図であり、図10は、同スリーブの縦断面図である。リテーナ押しスリーブ50は、図9、図10からも分かるように、コルゲート管Tを通すことができる内孔を備えた筒状部材である。
通気部材59は、高分子ポリエチレン等製の微小多孔質材から形成され、気体は通すが固体や液体は通さない性質を有する。ところで、例えば作業者の釘打ちミス等でコルゲート管に穴が開いた場合は、この穴から漏れたガスが、コルゲート管の金属管部2aとそれに被覆された被覆チューブ2bとの間を通って継手1内部に流入し、ガスはこの通気部材59を通って外部に放出されることとなる。漏れ出したガスが、継手1の不測の部位から漏出するのではなく、このように予め設定された所定の部位(通気部材59)から漏出する構成の場合、ガス漏れの検知が行い易いという利点がある。すなわち、ガス検出装置をこの通気部材59にかざして、ガスが漏れているかどうかを検出することができる。
図11は、リテーナ単体の外観を示す斜視図である。図12は同リテーナを示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が一部断面正面図であり、(C)が(B)のA部を拡大して示す拡大断面図である。
このリテーナ40は、一例として樹脂成形品であり、円環状に形成された支持部42と、この支持部42の下端縁に一体に設けられた複数(この例では6つ)の爪43とを有する。リング状支持部42の外径は、上記したリテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53(図3参照)の内径よりもやや小さく形成されており、これにより、該筒状挿入部53の内部に挿入可能となっている。
もっともこれに限らず、リテーナ40の無負荷状態で各爪43の先端45aがなす円C45の径がコルゲート管Tの外径とほぼ同じ、あるいはそれより小さい場合であっても、コルゲート管Tの挿入に支障をきたすことはない。コルゲート管Tを通過させる際にリテーナ40の爪43が径方向外側に弾性変形するような構成であれば、円C45の径が多少小さくてもコルゲート管Tは問題なく通過させることができるためである。
気密パッキン31は、図3に示すように、円筒状に形成されたNBR(ニトリルゴム)等製のパッキンである。この気密パッキン31は、薄肉円筒状のけん引部材70(詳細後述)の内側に配置されている。気密パッキン31の内孔の上端は面取りされており(C面31c)、これにより、コルゲート管Tの挿入側端部を挿入し易くなっている。気密パッキン31の上端面には、ワッシャー状の金属製リング33が配置されており、最終的には、このリング33の上面に、上述したリテーナ40の爪43の下端テーパ面45bが押し当たることとなる。
なお、けん引部材の円筒部71内での気密パッキン31の摺動や、気密パッキン31内孔へのコルゲート管Tの挿通を滑らかに実施するために、この気密パッキン31の内外周(少なくとも一方でも可)にシリコンオイル等の潤滑材を塗布することも可能である。同様に、滑らかな摺動を実現するために環状パッキン32の内周面に潤滑材を塗布することも可能である。
図13は、耐火パッキン単体の外観を示す斜視図である。図14は、同耐火パッキンを示しており、図14(A)が縦断面図であり、図14(B)が底面図である。
図15は、けん引部材の外観を示す斜視図である。図16(A)は、同けん引部材の平面図であり、図16(B)が縦断面図である。
具体的には、輪郭が円形の平らな底部72と、同底部72の周縁から立ち上がった環状の円筒部(周壁)71とを有している。円筒部71の上縁には、8つの爪73(スリーブ係合部)が周方向に等間隔に設けられている。なお、底部72においては、実際には底面が存在しておらず後述する8本の支持片72aのみが存在している。
各爪のこの引掛け部73bは、上記リテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53の外周に形成された係合溝53m(図10参照)に引っ掛けられる。引掛け部73bをこの溝53mに引っ掛けるためには、立上り部73aを径方向外側に弾性変形させながら、リテーナ押しスリーブ50とけん引部材70との位置合わせを行い、引掛け部73bをリテーナの溝53m内に係合させればよい。このような組立てを良好に行うことができるように、立上り部73aにはある程度の弾性が備えられていることが好ましい。
図17は、位置決めカラーの外観を示す斜視図である。図18(A)は、同位置決めカラーの平面図であり、図18(B)が側面図である。
図3に示すように、継手本体10の内孔11の最奥部には、奥から順に、耐火パッキン35及び気密パッキン31が軸線方向に並んで配置されている。
ここで、薄肉部95は、図18に示したようにC字型(角度αが180°より大きい形状を意図する)に形成され、リテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53を取り囲むように該筒状挿入部53に嵌っている。そのため、厚肉部91を切り離したとしても、薄肉部95が不用意に落下することはない。
このリテーナ押しスリーブ50の押し込みにより、リテーナ押しスリーブ50下端の内周テーパ面57が、リテーナ40の各爪43の外周テーパ面47aに当接し、該テーパ面47aを径方向内側(縮径方向)に向かって押し付ける。これにより、リテーナ40の各爪43が縮径方向に移動し、各爪43が徐々にすぼまることとなる。
図6に示すように、リテーナ押しスリーブ50の内周テーパ面57と各爪43の外周テーパ面47aとが面接触する状態となった時点で、各爪43の先端がコルゲート管Tの環状凹部に係合し、これにより、コルゲート管Tの端部が継手本体10内で固定されることとなる。
図19は、位置決めカラーの他の構成例を示す斜視図である。図20は、図19の位置決めカラーがリテーナ押しスリーブと継手本体との間に装着された状態を示す断面図である。
まず、図20に示すように差込み継手の初期状態では、C字型リング191、192は2つ重ねてリテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53の外周に装着されている。この状態では、上側のC字型リング191の突起部191dが下側のC字型リング192の空き部192cに嵌り込んでいる。2つのリング191、192の総厚みにより、リテーナ押しスリーブ50が初期位置に規定され、継手本体10内に押し込むことができないようになっている。
一方、ハンドルを操作して栓体を回し、同栓体の横穴がガス流路に連通しない状態とすることで、ガス流路が閉塞状態なり、ガスの元管とガス機器との接続が遮断される。
Claims (11)
- 蛇腹状のコルゲート管をガス配管に接続するための継手であって、
前記コルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、
前記内孔内に配置され、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、
前記内孔内に配置され、前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪、及び、前記内孔手前側に行くほど内側にすぼまるように形成された外周テーパ面、を有するリテーナと、
前記継手本体の内孔内で奥方向にスライド可能であるとともに、前記リテーナ外周テーパ面に押し当たる内周テーパ面を有するリテーナ押しスリーブと、
前記内孔内に挿入された前記コルゲート管の挿入側端部が当接する受け部、及び、前記リテーナ押しスリーブに係合するスリーブ係合部を有するけん引部材と、
を備え、
前記コルゲート管を前記継手内に押し込み、前記コルゲート管の挿入側端部に当接した前記けん引部材が、前記コルゲート管が挿入される前記継手の内孔手前部分にスライド可能に配置された前記リテーナ押しスリーブをスライドさせることによって、前記コルゲート管端部が前記継手から抜き出し不能に固定されることを特徴とするコルゲート管用差込み継手。 - 前記リテーナ押しスリーブが最終挿入位置まで押し込まれた状態で、前記けん引部材の受け部と、前記継手本体内の段部端面との間に隙間が確保されていることを特徴とする、請求項1記載のコルゲート管用差込み継手。
- 前記リテーナ押しスリーブが、手前側の大径部と奥側の筒状挿入部とを有し、
該筒状挿入部の外周と前記継手本体の内周との間に、前記リテーナ押しスリーブと前記継手本体とを固定するためのストッパリングが介装されていると共に、
該大径部と前記継手本体との間に挟まるように、取外し可能な位置決めカラーが装着されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコルゲート管用差込み継手。 - 前記リテーナ押しスリーブを、該スリーブの最終挿入位置手前の直前位置から前記最終挿入位置へと押し込んだ際に、前記リテーナが前記内孔奥方向に押されて移動し、それにより前記気密パッキンが圧縮されることを特徴とする、請求項3に記載のコルゲート管差込み継手。
- 前記リテーナと前記気密パッキンとの間に、該気密パッキンよりも高剛性な部材が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコルゲート管用差込み継手。
- 前記位置決めカラーは、前記リテーナ押しスリーブの前記筒状挿入部に装着されたリング状の部材であり、
前記リテーナ押しスリーブを初期位置に位置させるための厚肉部と、前記リテーナ押しスリーブを前記直前位置で停止させるための薄肉部と、を有していることを特徴とする、請求項4に記載のコルゲート管用差込み継手。 - 前記位置決めカラーは、前記厚肉部と前記薄肉部との境界部分にスリットを有し、人手により、前記厚肉部を前記薄肉部から切り離すことができることを特徴とする、請求項6に記載のコルゲート管用差込み継手。
- 前記薄肉部がC字型であり、該薄肉部を前記筒状挿入部から取り外す際に人の指を掛けることができるように、前記筒状挿入部の径方向外側にせり出した一対の指掛け部が形成されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載のコルゲート管用差込み継手。
- 前記位置決めカラーとして、
いずれも前記筒状挿入部に取外し可能に装着された2つのC字型リングを有し、
該2つのC字型リングを装着した際に、前記リテーナ押しスリーブが初期位置に規定され、
該2つのC字型リングの一方を取り外すことで、前記リテーナ押しスリーブを前記直前位置まで移動させることが可能となることを特徴とする、請求項4に記載のコルゲート管用差込継手。 - 一方の前記C字型リングを取り外す方向と、他方の前記C字型リングを取り外す方向とが異なることを特徴とする、請求項9に記載のコルゲート管用差込継手。
- 前記各C字型リングには、該C字型リングを取り外す際に人の指を掛けることができるように、前記筒状挿入部の径方向外側にせり出した一対の指掛け部が形成されていることを特徴とする、請求項10に記載のコルゲート管用差込継手。
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