JP5009729B2 - グリスリザーバを有するブレーキパッド - Google Patents

Description

本発明は、自動車のディスクブレーキ用のブレーキパッドに関する。

本発明は、更に詳細には、液圧式制動キャリパに受け入れられるようになっており、キャリパによって、回転しているブレーキディスクに押し付けることができるようになった種類の、及びブレーキディスクに押し付けられるようになった摩擦材料製のライニングを作用面が支持し、反対側の適用面にキャリパの少なくとも一つの端支承面が作用するようになった、少なくとも一つのプレート状の支持体を持つ種類の、自動車のディスクブレーキ用のブレーキパッドに関する。

この種のブレーキパッドの多くの例が周知である。
このようなパッドは、一般的には、Ｕ字形状サドルの形態を持つフローティングブレーキキャリパ内に対をなして受け入れられる。各キャリパの第１枝部は、関連した二つのパッドの一方に作用するようになった液圧ピストンを受け入れる。

ピストンが作用するパッドと向き合ったパッドは、「キャリパノーズ」とも呼ばれるキャリパの第２枝部に当てて受け入れられる。キャリパノーズは二つの平行なフィンガを有し、これらのフィンガの支承面がパッドを受け入れる。

このようなキャリパを組み立てるとき、制動作用中にパッドがブレーキディスクの表面と平行な平面内で僅かに回転できるように、パッド及びキャリパのノーズフィンガの相互接触面を潤滑する必要がある。

この潤滑は、一般的には、作業員がブラシで行う。作業員は、キャリパのノーズフィンガの支承面及びパッド支持体の適用面にグリスを塗布する。
この作業は、パッドのライニングにグリスを付けることなく行わなければならないため、比較的煩わしい作業である。

更に、この作業には時間がかかるため、大量生産組み立てプロセスに適していない。

この欠点を解決するため、本発明は、潤滑手段を一体に備えたブレーキパッドを提供する。

この目的のため、本発明は、上文中に説明した種類のブレーキパッドにおいて、パッドの適用面は、少なくとも一つの、グリスのリザーバを含み、リザーバの少なくとも一つの破壊可能壁は、関連したブレーキキャリパの支承面に向けられており、グリスのリザーバは、キャリパでのパッドの取付け作業中、キャリパの支承面に関して隙間を設けて取付けられており、パッドの最初の押付け中に、グリスがパッドの適用面と関連したキャリパの支承面との間で放散されるように、リザーバは支承面によって破壊されるようになっている、ことを特徴とするブレーキパッドを提供する。

本発明の他の特徴によれば、
−グリスのリザーバの破壊可能壁は、破壊可能なフィルムからなり、このフィルムは、グリスを、フィルムと適用面との間に閉じ込め、フィルムの縁部は適用面に付着しており、
−リザーバは、少なくとも一つの固定壁を有しており、固定壁は、プレート状の支持体の厚さ内に形成されており且つ適用面に開放したキャビティによって、その境界が定められており、
−ブレーキパッドは、実質的にＵ字形状のサドルの形態をとるキャリパに受け入れられるようになっており、このサドルの一方の枝部が液圧ピストンを受け入れており、他方の枝部が実質的に平行な二つの支承フィンガを有しており、これらの支承フィンガの各々は、パッドの一端に作用するようになった支承面を有しており、ブレーキパッドは、更に、支承フィンガの各々と関連したグリスリザーバを含む。

本発明のこの他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろうし、添付図面を参照することにより理解されよう。

以下の説明では、同じ又は同様の機能を持つ部分に同じ参照番号が付してある。
図１及び図２は、自動車用ディスクブレーキ（図示せず）用のブレーキパッド１０を示す。

周知の方法で、パッド１０は、図１及び図２に一部を示す液圧式制動キャリパ１２に受け入れられるようになっている。
詳細には、パッド１０は、周知の方法で、Ｕ字形状サドル形態のフローティングブレーキキャリパに受け入れられた二つのパッドからなる一組の部分を形成する。Ｕ字形状サドルの第１枝部（図示せず）が、二つのパッドの一方を回転しているブレーキディスク（図示せず）に押し付けるようになった液圧ピストンを受け入れる。「キャリパノーズ」とも呼ばれる第２枝部１４が、二つの平行なフィンガ１６を有する。これらのフィンガ１６の支承面１８が、パッド１０の受け入れ端である。

この形体は、本発明を制限するものではなく、キャリパ１２の第２枝部１４は、１つだけの支承面１８を有するものでもよい。
図１及び図２に示すように、かくして、フローティングキャリパが、その液圧ピストンによって、向き合ったパッド１０に作用を及ぼすとき、パッド１０は、「キャリパノーズ」を構成するフィンガ１６の二つの支承面１８によって、回転しているブレーキディスクに押し付けられる。

周知の方法で、パッド１０は、少なくとも一つのプレート状の支持体２０を有する。プレート状の支持体２０の作用面２２は、ブレーキディスク（図示せず）に押し付けられるようになった摩擦材料製のライニング２４を支持する。

支持体２０の反対側の適用面２６は、キャリパ１２の少なくとも二つの支承面１８が作用するようになっている。
このようなキャリパ１２を組み立てるとき、制動作用中にパッド１０がブレーキディスクの表面と平行に僅かに回転できるように、パッド１０及びキャリパノーズ（第２枝部）１４のフィンガ１６の相互接触面を潤滑する必要がある。

この潤滑は、一般的には、作業員がブラシで行う。作業員は、キャリパノーズ１４のフィンガ１６の支承面１８及びパッド１０の支持体２０の適用面２６にグリスを塗る。
この作業は、パッド１０のライニング２４にグリスが付けることなく行わなければならないため、煩わしい作業である。従って、大量生産組み立てプロセスに適していない。

この欠点を解決するため、図１に示すように、パッド１０の適用面２６は、少なくとも一つのグリスリザーバ２８を有する。このグリスリザーバ２８の少なくとも一つの破壊可能壁３０は、関連したブレーキのキャリパ１２の支承面１８に向けられており、キャリパ１２でのパッド１０の取り付け作業中、キャリパ１２の支承面１８に関して隙間「Ｊ」で取り付けられるようになっている。

キャリパノーズ１４を形成する二つのフィンガ１６を有するキャリパ１２と関連したパッド１０に関する本発明の好ましい実施例において、パッド１０の適用面２６は、キャリパ１２の二つのフィンガ１６と関連した二つのグリスリザーバ２８及び二つの破壊可能壁３０を有する。

破壊可能壁３０は、グリス３０がパッドの適用面２６と、関連したキャリパ１２の支承面１８との間で放散されるように、図２に示すように、各破壊可能壁３０は、パッド１０の最初の押付け中にキャリパ１２の対応する支承面１８によって破壊されるようになっている。

好ましくは、グリスリザーバ２８の破壊可能壁３０は、破壊可能なフィルムでできている。このフィルムは、このフィルムと適用面２６との間にグリス３２を閉じ込める。図１に示すように、フィルム３０を適用面２６に固定するため、フィルム３０の縁部３４をパッドの適用面２６に付着する。

有利には、グリスリザーバ２８の容量が、パッド１０の適用面２６とフィルム３０との間に形成された容積よりも大きくするための手段を形成できる。この目的のため、グリスリザーバ２８は、少なくとも一つの固定壁を有している。この固定壁は、プレート状の支持体２０の厚さ内に形成されており且つ適用面２６に開放したキャビティ３６によって境界が定められている。

キャリパ１２の支承面１８が、破壊可能壁を形成するフィルム３０を破壊するとき、フィルムの残留物３０をキャビティ３６の内部に押し戻す。これにより、キャビティ３６に収容された全てのグリスを放出する効果が得られる。

かくして、キャビティ３６により、追加のグリス容積全部を使用できるという利点を得ることができる。
従って、本発明は、パッド１０及びキャリパノーズ１４のフィンガ１６の相互接触面を、作業員の手を煩わせることなく、自動的に潤滑できる。

図１は、本発明によるブレーキパッドを含むキャリパの部分を示す、取り付け作業中の断面図である。 図２は、本発明によるブレーキパッドを含むキャリパの部分を示す、ブレーキを最初に掛けたときの断面図である。

符号の説明

１０ ブレーキパッド
１２ 液圧式制動キャリパ
１４ 第２枝部
１６ フィンガ
１８ 支承面
２０ プレート状の支持体
２２ 作用面
２４ ライニング
２６ 適用面
２８ リザーバ
３０ 破壊可能壁
３２ グリス

Claims (4)

1. 液圧式制動のキャリパ（１２）に受け入れられるようになっており、前記キャリパ（１２）によって、回転しているブレーキディスクに対して押し付けることができるようになっており、及び、前記ブレーキディスクに対して押し付けられるようになった摩擦材料製のライニング（２４）を作用面（２２）が支持し、反対側の適用面（２６）に前記キャリパ（１２）の少なくとも一つの端の支承面（１８）が作用するようになった、少なくとも一つのプレート状の支持体（２０）を有する、自動車のディスクブレーキ用のブレーキパッド（１０）において、
   前記パッドの前記適用面（２６）は、少なくとも一つの、グリス（３２）のリザーバ（２８）を含み、
   前記リザーバの少なくとも一つの破壊可能壁（３０）は、前記キャリパ（１２）の前記支承面（１８）に向けられており、
   前記リザーバ（２８）の前記少なくとも一つの破壊可能壁（３０）は、前記キャリパ（１２）での前記パッド（１０）の取付け作業中、前記キャリパ（１２）の前記支承面（１８）に関して、隙間（Ｊ）を設けて取付けられており、
   前記パッド（１０）の最初の押付け中に、前記グリス（３２）が、前記パッドの前記適用面（２６）と前記キャリパ（１２）の前記支承面（１８）との間で放散されるように、前記リザーバの前記少なくとも一つの破壊可能壁（３０）は、前記支承面（１８）によって破壊されるようになっている、ことを特徴とするブレーキパッド（１０）。
2. 請求項１に記載のブレーキパッド（１０）において、
   前記グリス（３２）の前記リザーバ（２８）の前記破壊可能壁（３０）は、破壊可能なフィルムからなり、
   該フィルムは、前記グリス（３２）を、前記フィルム（３０）と前記適用面（２６）との間に閉じ込めており、
   前記フィルムの縁部（３４）は、前記適用面（２６）に付着している、ことを特徴とするブレーキパッド（１０）。
3. 請求項１又は２に記載のブレーキパッド（１０）において、
   前記リザーバ（２８）は、少なくとも一つの固定壁を有しており、
   前記固定壁は、前記プレート状の支持体（２０）の厚さ内に形成されており且つ前記適用面（２６）に開放したキャビティ（３６）によって、その境界が定められている、ことを特徴とするブレーキパッド（１０）。
4. 請求項１乃至３のいずれかに記載のブレーキパッド（１０）において、
   前記ブレーキパッドは、実質的にＵ字形状のサドルの形態をとる前記キャリパ（１２）に受け入れられるようになっており、
   前記サドルの一方の枝部が液圧ピストンを受け入れており、他方の枝部（１４）が実質的に平行な二つの支承フィンガ（１６）を有しており、
   前記支承フィンガの各々は、前記パッド（１０）の一端に作用するようになった支承面（１８）を有しており、
   前記ブレーキパッド（１０）は、更に、
   前記支承フィンガ（１６）の各々と関連したグリスリザーバ（２８）を含む、ことを特徴とするブレーキパッド（１０）。

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