JP5009043B2 - 転写装置、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、潜像担持体の表面で現像された画像を潜像担持体から中間転写ベルトのおもて面に転写した後、中間転写ベルトと二次転写ローラとの当接による転写ニップ内に挟み込んだ転写材に転写する転写装置に関するものである。また、かかる転写装置を用いるプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置においては、複数の張架ローラによって張架されながら無端移動せしめられる中間転写ベルトに速度変動が生ずると、潜像担持体から一次転写部で中間転写ベルト上に転写された画像が伸び縮みしてしまい、一定の画像濃度であるべき部分に濃淡が生じたりする。また、中間転写ベルトに対して互いに異なる色の画像を順次重ね合わせて転写する多色画像形成装置においては、中間転写ベルトの速度変動によって色ズレが発生してしまう。
ある程度の長さの時間周期で速度が増減する中間転写ベルトの速度変動に関しては、中間転写ベルトの速度変動を検知しながらその結果をベルト駆動モータの駆動速度にフィードバックするフィードバック制御を行うことで、中間転写ベルトの速度を安定化することができる。しかし、突発的な負荷変動による中間転写ベルトの突発的な速度変動に関しては、上述のフィードバック制御では対応が困難である。
上述の突発的な中間転写ベルトの速度変動は、二次転写ローラと、中間転写ベルトを介して二次転写ローラと対向する対向ローラとで形成した二次転写ニップに転写紙を通紙した場合などに発生する。
詳しく説明すると、図20に示すように転写紙の先端が二次転写ニップへ進入することにより、二次転写ニップが転写紙Sの厚さ分だけ押し広げられると対向ローラ116の駆動に突発的に負荷が加わり、対向ローラ116の回転が一時的に遅くなる。これにより、対向ローラ116で送られるベルト量よりも駆動ローラ114から送り出されるベルト量の方が多くなるため、駆動ローラ114と対向ローラ116との間では中間転写ベルト110が弛み気味となる。また、図21に示すように転写紙Sの後端が二次転写ニップを抜けると対向ローラ116の負荷が突発的に減少し、対向ローラ116の回転が一次的に速くなる。これにより、支持ローラ115から送り出されるベルト量よりも対向ローラ116で送り出されるベルト量の方が多くなるため、対向ローラ115と支持ローラ116との間では中間転写ベルト110は弛み気味となる。
このように転写紙Sがニ次転写ニップに対して進入及び抜けるときに生じる負荷変動により中間転写ベルト110が弛んでしまうと、回転移動している中間転写ベルト110に速度変動が生じる。そのため、このときに感光体ドラム104から中間転写ベルト110に一次転写部で画像の転写が行われると上記速度変動のため上述したような画質劣化が生じてしまう。
特許文献1に記載の画像形成装置は、無端ループ状の中間転写ベルトの二次転写ニップよりも中間転写ベルト回転方向下流側及び上流側で、中間転写ベルトを無端ループ内側に屈曲させるように中間転写ベルトのおもて面側からテンションローラを当接させ、そのテンションローラに設けられた弾性部材によって中間転写ベルトの張力変化に応じテンションローラを変位可能に構成している。これにより、二次転写ニップに転写紙を通紙した際に生じる負荷変動に伴った中間転写ベルトの張力変化に応じてテンションローラが変位し中間転写ベルトの張力を調整することで、中間転写ベルトに弛みが生じるのを抑制することができる。よって、上記負荷変動により中間転写ベルトに速度変動が生じるのを抑えることができるので、二次転写ニップに転写紙を通紙した際に、1次転写部で感光体ドラムから中間転写ベルトに画像の転写を行ったとしても上記速度変動による画質劣化が生じるの抑制することができる。
特開2005−338884号公報
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、テンションローラを常に中間転写ベルトのおもて面に当接させているので、感光体ドラムから中間転写ベルトのおもて面に転写された画像とテンションローラとが接触してしまい、上記画像が乱れてしまうといった問題が生じる。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、中間転写体上に担持された画像を乱すことなく、ニ次転写ニップに転写紙を通紙した際に生じる過渡的な負荷変動に伴った画像劣化が生じるのを抑制できる転写装置及びその転写装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の張架ローラによって張架されながら無端移動せしめられるループ状のベルト像担持体と、該ベルト像担持体を介して該複数の張架ローラの1つと対向し、該ベルト像担持体のループ外側面であるおもて面に当接して転写ニップを形成する転写ローラとを備え、潜像担持体の表面で現像された画像を該表面から該おもて面に転写した後、該転写ニップ内に挟み込んだ転写材へ該おもて面に担持した画像を転写する転写装置において、該転写ニップに対して、ベルト像担持体回転方向上流側及ベルト像担持体下流側で該ベルト像担持体のループ内側面である裏面に当接し、該ベルト像担持体の張力変化に応じて該ベルト像担持体の張力を調整する張力調整手段を有しており、該張力調整手段は、該ベルト像担持体回転方向上流側で該裏面に当接する第1の当接部材と、該ベルト像担持体回転方向下流側で該裏面に当接する第2の当接部材と、該第1の当接部材と該第2の当接部材とを変位可能に支持する支持手段とで構成されており、該ベルト像担持体の張力変化に応じて該第1の当接部材及び該第2の当接部材が該支持手段を介して変位し、該支持手段は、該第1の当接部材を支持する第1の支持部材と、該第2の当接部材を支持する第2の支持部材と、装置本体に対して回転可能な回転軸を有し該第1の支持部材と該第2の支持部材とを保持する保持部材とによって構成されており、該第1の当接部材及び該第2の当接部材が、該回転軸を中心に該第1の支持部材及び該第2の支持部材を介して回動可能であり、該保持部材と装置本体の筐体との間に弾性部材が設けられており、該保持部材は該弾性部材を介して該筺体に支持され、該保持部材には錘が設けられており、所定の基準位置から変位した該第1の当接部材及び該第2の当接部材が、少なくとも該錘に作用する重力により所定の基準位置に戻ることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1の転写装置において、上記支持手段の少なくとも一部分を弾性体で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1またはの転写装置において、上記第1の当接部材及び上記第2の当接部材の少なくとも一方は、ローラ部材であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1、2または転写装置において、上記第1の当接部材及び上記第2の当接部材の上記ベルト像担持体と接触する面が所定の曲率を有する曲面であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に担持された潜像を現像して可視像を得る現像手段と、潜像担持体上の可視像をシート部材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、該転写手段として、請求項1、2、3または転写装置を用いたことを特徴とするものである。
以上、本発明によれば、ベルト像担持体上に担持された画像を乱すことなく、転写ニップに対して転写材が進入及び離れた際に生じる過渡的な負荷変動に伴った画像劣化が生じるのを抑制できるという優れた効果がある。
以下、本発明をタンデム型のカラー画像形成装置に適用した実施形態について説明する。
図2は、実施形態にかかる画像形成装置としての複写機の概略構成図である。この複写機は、複写装置本体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)、プリンタ部100上に取り付けるスキャナ(以下、スキャナ部300という)、スキャナ部300上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)(以下、原稿搬送部400という)からなっている。
プリンタ部100は、その中央に像担持体である中間転写体としての無端ベルト状の中間転写ベルト10を備えている。中間転写ベルト10は、駆動ローラ14、支持ローラ15及び対向ローラ16に掛け回され、図中時計回りに表面移動可能となっている。そして、中間転写ベルト10に対向するように、表面にブラック・イエロー・マゼンタ・シアンのうちの1色のトナー像をそれぞれ担持する潜像担持体としての4つの感光体ドラム4K、4Y、4M、4Cを備えている。4つの感光体ドラム4K、4Y、4M、4Cの表面にトナー像を形成するための現像ユニット61K、61Y、61M、61Cを備えている。更に、一次転写後の感光体ドラム4K、4Y、4M、4C表面に残留しているトナーを除去する感光体クリーニング装置63K、63Y、63M、63Cも備えている。4つの感光体ドラム4K、4Y、4M、4C、現像ユニット61K、61Y、61M、61C、そして、感光体クリーニング装置63K、63Y、63M、63Cからなる4つの画像形成ユニット18K、18Y、18M、18Cを横に並べて配置してタンデム画像形成ユニット20が構成する。また、支持ローラ15と中間転写ベルト10を挟んで対向するように、トナー像を記録体としての転写紙S上に転写した後の中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置17を備えている。また、プリンタ部100は、タンデム画像形成ユニット20の上方に露光装置71を備えている。
また、中間転写ベルト10の内側で各感光体ドラム4K、4Y、4M、4Cと中間転写ベルト10を挟んで対向する位置には、一次転写ローラ62K、62Y、62M、62Cを備えている。一次転写ローラ62K、62Y、62M、62Cは中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム4K、4Y、4M、4Cに押し当てて設けられ、一次転写部を形成している。
一方、中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成ユニット20と反対の側には、転写ローラとしての二次転写ローラ33が設けられている。この二次転写ローラ33は、二次転写ローラクリーニング手段であるクリーニングブレード122が配置されている。そして、二次転写ローラ33は、中間転写ベルト10を介して対向ローラ16に押し当てられ、二次転写ローラ33と中間転写ベルト10との間で二次転写部としての二次転写ニップ部を形成するように配置されている。二次転写ローラ33は、不図示の駆動モータによって中間転写ベルト10と同線速で駆動され、中間転写ベルト10上の画像をシートに転写する。
このように、潜像担持体である感光体ドラム4上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ62、中間転写ベルト10及び二次転写ローラ33等から構成される転写装置90によって転写紙S上に転写される。
また、二次転写ローラ33の図中左側には用紙搬送ベルト70が配置され、その図中さらに左に配置された定着装置75までシート状の転写紙Sを搬送する。転写紙S上の転写画像を定着する定着装置75は、無端ベルトである定着ベルト76に加圧ローラ77を押し当てる構成となっている。
二次転写ローラ33、用紙搬送ベルト70および定着装置75の下には、上述したタンデム画像形成ユニット20と平行に、転写紙Sの両面に画像を記録すべく転写紙Sを反転させる転写紙S反転装置78を備えている。これによって、転写紙Sの片面に画像定着後に、切換爪で転写紙Sの進路を転写紙S反転装置側に切り換え、そこで反転させて再び二次転写ニップ部に転写紙Sを搬送し、トナー像を転写させた後、排紙トレイ上に排紙させることができる。
スキャナ部300は、コンタクトガラス332上に載置された原稿の画像情報を読取センサ336で読み取り、読み取った画像情報をこの制御部に送る。
不図示の制御部は、スキャナ部300から受け取った上記画像情報に基づき、プリンタ部100の露光装置71内に配設された図示しないレーザやLED等を制御して感光体ドラム4に向けてレーザ書き込み光Lを照射させる。この照射により、感光体ドラム4の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
給紙部200は、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44、給紙カセットから転写紙Sを繰り出す給紙ローラ42、繰り出した転写紙Sを分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45、プリンタ部の給紙路48に転写紙Sを搬送する搬送ローラ47等を備えている。
本実施形態の複写機では、給紙部200以外に、手差し給紙も可能となっており、手差しのための手差しトレイ51、手差しトレイ51上の転写紙Sを手差し給紙路53に向けて一枚ずつ分離する分離ローラ52も装置側面に備えている。
レジストローラ49は、それぞれ給紙カセット44又は手差しトレイ51に載置されている転写紙Sを1枚だけ排出させ、中間転写体としての中間転写ベルト10と二次転写ローラ33との間に位置する二次転写ニップ部に送る。
次に、上記構成のカラー電子写真装置による画像形成について説明する。
本実施形態の複写機において、カラー画像のコピーをとるとき、原稿搬送部400の原稿台330上に原稿をセットするか、又は原稿搬送部400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス332上に原稿をセットして原稿搬送部400を閉じることで原稿を押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿搬送部400に原稿をセットしたときは原稿をコンタクトガラス332上へと搬送して後、他方コンタクトガラス332上に原稿をセットしたときは直ちに、スキャナ部300を駆動し、第一走行体333及び第二走行体334を走行する。そして、第一走行体333で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体334に向ける。この反射光は、さらに第二走行体334のミラーで反射され、結像レンズ335を通して読取センサ336に入射される。これにより、原稿内容が読み取られる。
そして、スキャナ部から画像情報を受け取ると、上述のようなレーザ書き込みや、後述する現像プロセスを実施させて感光体ドラム4上にトナー像を形成させるとともに、該画像情報に応じたサイズの転写紙Sを給紙させるべく、4つの給紙ローラのうちの1つを作動させる。
また、これに伴なって、不図示の駆動モータで駆動ローラ14を回転駆動して支持ローラ15及び対向ローラ16を従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成ユニット18で感光体ドラム4が回転され、各感光体ドラム4上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成される。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像が中間転写ベルト10の表面上に順次転写され、中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、給紙部200では給紙ローラ42の1つが選択的に回転され、ペーパーバンク43に多段に設けられた給紙カセット44の1つから転写紙Sが繰り出される。繰り出された転写紙Sは、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に導入され、搬送ローラ47で搬送されるとともに、複写機本体であるプリンタ部100内の給紙路48に導かれ、レジストローラ49に突き当てられて止められる。また、手差しトレイ51を用いる場合には、給紙ローラ50が回転され、手差しトレイ51上の転写紙Sが繰り出されるとともに、繰り出された転写紙Sは分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、手差しトレイ51上の転写紙Sを用いる場合は、給紙ローラ50が回転され、手差しトレイ51上の転写紙Sが繰り出されるとともに、繰り出された転写紙Sは、分離ローラ52で1枚ずつ分離された後、手差し給紙路53に導入され、同様にしてレジストローラ49に突き当てられて止められる。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49が回転され、中間転写ベルト10と二次転写ローラ33との当接部である二次転写ニップ部に転写紙Sが送り込まれる。そして、ニップに形成されている転写用電界や当接圧力などの影響によってカラー画像が二次転写され、転写紙S上にカラー画像が記録される。
二次転写ニップ部でカラー画像の転写を受けた後の転写紙Sは、用紙搬送ベルト70によって搬送され定着装置75へと送り込まれ、定着装置75で加圧ローラ77と定着ベルト76とによる加圧力と熱の付与によりカラー画像を定着される。その後、排出ローラ56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。また、両面に画像形成される転写紙Sは、カラー画像を定着された後、切換爪55で切り換えて転写紙S反転装置78に搬送され、そこで反転されて再び二次転写ニップ部へと導かれ、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出される。
一方、二次転写ニップ部で転写紙Sにカラー画像を転写した後の中間転写ベルト10の表面は、残留する残留トナーがベルトクリーニング装置17によって除去され、タンデム画像形成ユニット20による再度の画像形成に備える。
また、二次転写ローラ33には中間転写ベルト10に接しているため、転写紙S等の記録体が載らない部分や紙間では、中間転写ベルト10上の地肌汚れのトナー、およびプロセスパターンが転写し、二次転写ローラ33を汚してしまう。二次転写ローラ33の表面上に汚れがあると、転写紙Sに二次転写を行う際にその汚れが転写紙Sの裏側に付着する裏汚れの原因となるため、二次転写ローラ33にはその表面上の汚れを除去する二次転写ローラクリーニング手段としてのクリーニングブレード122が当接している。クリーニングブレード122によって、二次転写ローラ33上のトナーなどの汚れを常時除去することで転写紙Sの裏面が汚れることを防止している。また紙の添加剤である炭酸カルシウム等が付着してフィルミングを引き起こすのを防止するために、二次転写ローラ33の表面には、ステアリン酸亜鉛を固形化させた固形潤滑剤124を直接二次転写ローラ33表面に接触させて塗布させる構成にしている。
このようなカラー複写機においては、転写部に紙が突入する際の負荷変動が4色の重ね合わせの精度に大きく影響するため、特に中間転写ベルト10の高精度駆動が望まれる。
図3は本実施形態にかかる転写装置90の基本的な構成を示したものであり、中間転写ベルト10の駆動が図3に示す転写装置90により行われており、この転写装置90の詳細な説明を行う。
図3のようにギヤ3と同軸となるように駆動ローラ14が取り付けられている。モータ1はギヤ2と同軸となるように取り付けられており、モータ1からギヤ2、ギヤ3を介して駆動ローラ14を駆動させる。駆動ローラ14と支持ローラ15と対向ローラ16に駆動対象の中間転写ベルト10がかけられていて、支持ローラ15によって一定の張力がかかるようになっている。モータ1のモータ種類に関しては特別な制約はなく、例えばパルスモータであれば一定パルスを入力し、例えばブラシレスDCモータであれば内部FG信号などよりモータを高精度に駆動する方法がある。また、ここでは図示していないが、ロータリーエンコーダなどをギヤ3と同じ側、あるいはギヤ3と反対側の駆動ローラ14端部、または対向ローラ16、さらに支持ローラ15と同軸となる位置に取り付け、このエンコーダ信号から中間転写ベルト10の駆動状態を計測してモータ1を制御する方法によって高精度駆動を達成する方法としても良い。さらに、図示しないが中間転写ベルト10の表面あるいは裏面、などに回転状態が計測可能となるスケールとそのスケールから中間転写ベルト10の駆動状態を検出可能なセンサを設け、そこから中間転写ベルト10の駆動状態を計測してモータ1を制御する方法でも良い。
この転写装置90において、図示しない作像部により中間転写ベルト10上にはトナー像などが作られる。また、対向ローラ16には二次転写ローラ33が圧接され二次転写ニップ部が形成されており、対向ローラ16と二次転写ローラ33との二次転写ニップ部を転写紙Sが通ることで中間転写ベルト10上のトナー画像が転写紙Sに転写される仕組みとなっている。ここでは対向ローラ16と対向する位置に二次転写ローラ33が設けられているが、駆動ローラ14と対向する構成でも良い。
このような構成の転写装置90において、転写紙Sを二次転写ニップ部に通紙すると、転写紙Sが二次転写ニップ部に入るときは離れるときに過渡的な負荷変動が発生する。そして、この負荷変動により中間転写ベルト10や対向ローラ16の駆動が阻害される。
連続通紙時は中間転写ベルト10から転写紙Sへの転写が行われると同時に、ここでは図示しない感光体ドラム4から中間転写ベルト10へトナー画像の転写も行われているため、転写紙Sを二次転写ニップ部へ通紙することによる過渡的な負荷変動は感光体ドラム4からの1次転写にも影響を及ぼす。例えば、ブラックの50%濃度のベタ画像を出力した場合、形成画像が中間転写ベルト10方向に長い場合は同一の転写紙Sの途中に、短い場合は2枚目以降に図4に示すようなスジ状の濃い部分Dと薄い部分Lが出来てしまう。また、4色のトナー画像をそれぞれ4つの感光体ドラム4上に形成し、それらを中間転写ベルト10上で重ねてカラー画像を形成する画像形成装置の場合、上記過渡的な負荷変動が発生したとき、中間転写ベルト10上で重ねられる画像において、上記過渡的な負荷変動を受けている画像と受けてない画像とが重ねられる画像が生成され色ずれが発生する。
中間転写ベルト10へ転写紙Sが接触することは転写プロセスの関係から必要とされるものである。中間転写ベルト10から転写紙Sへトナー像を転写するために、二次転写ローラ33には、中間転写ベルト10の表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、これにより中間転写ベルト10の表面に当接しながら移動する転写紙Sの表面に中間転写ベルト10上のトナー像が転写される。同時に圧力を加えることによって、より確実にトナー像を転写紙Sへ転写することが可能になるため、任意の圧力が二次転写ニップ部へは加えられている。このようなことから、中間転写ベルト10上の画像が転写紙Sへ転写される二次転写ニップ部において、例えば転写紙Sが二次転写ニップ部へ進入することで狭い空間を押し広げる状態となり、負荷変動により中間転写ベルトの回転速度が減速される突発的な速度変動が発生する。
さらに詳しく説明すると、突発的な中間転写ベルト10の速度変動は、上述したように転写部材たる二次転写ローラ33と、ニップ裏側張架ローラたる対向ローラ16とで中間転写ベルト10を挟み込んで形成した二次転写ニップに通紙した場合に発生する。すなわち、転写紙Sの先端が2次転写ニップに進入する際、二次転写ローラ33や中間転写ベルト10の負荷が突発的に増加し、このような負荷の増大によって、中間転写ベルト10の速度が突発的に低下する。つまり、転写紙Sが二次転写ニップ部へ突入する事により過渡的な負荷変動が発生し、対向ローラ16の駆動に負荷が加わる。これにより対向ローラ16の回転が一時的に遅くなる。このとき、対向ローラ16で送られるベルト量よりも駆動ローラ14から送り出されるベルト量の方が多くなるために駆動ローラ14と対向ローラ16との間では中間転写ベルト10が弛み気味となる。一方、対向ローラ16が送るベルト量よりも支持ローラ15の送り出すベルト量の方が多くなるため、対向ローラ16と支持ローラ15との間の中間転写ベルト10は張り気味となる。よって、転写紙Sがニ次転写ニップ部に進入することにより中間転写ベルト10の回転経路は図5に示すように駆動ローラ14と対向ローラ16との間では経路Aから経路A’に変わってしまう。図5では分かりやすくするために、極端に中間転写ベルト10の回転経路を変化させているが、実際には任意の張力がかかっているため、そのまま中間転写ベルト10の速度変動となり、中間転写ベルト10の速度が低下する。これにより、感光体ドラム4から中間転写ベルト10へ画像を転写する1次転写部へも影響し、つまり、潜像担持体の画像を中間転写ベルト10に一次転写していると、中間転写ベルト10上の画像が縮み、画像濃度が所定よりも濃くなってしまう。
また、転写紙Sの後端が、ニ次転写ニップ部を抜けるときは、対向ローラ16や中間転写ベルト10の負荷が突発的に減少する。このような負荷の減少によって、中間転写ベルト10の速度が突発的に上昇する。これにより、進入時とは逆に駆動ローラ14と対向ローラ16との間では中間転写ベルト10は張り気味となり、対向ローラ16と支持ローラ15との間では中間転写ベルト10は弛み気味となる。このとき、感光体ドラム4から中間転写ベルト10へ画像を一次転写していると、中間転写ベルト10上の画像が伸び、画像濃度が所定よりも薄くなってしまう。
なお、転写装置90における基本的な駆動システムとして、中間転写ベルト10を等速移動させるために駆動ローラを歯車等の伝達機構を介すか、あるいは直接にDCモータあるいはパルスモータを結合し、モータ軸、駆動ローラ軸あるいは従動ローラ軸と同軸上に回転型エンコーダなどの回転角度検出器あるいは角速度検出器を設け、前記検出器出力をフィードバックして制御することが広く用いられている。特に従動ローラ軸と同軸上に回転型エンコーダなどの回転角度検出器あるいは角速度検出器を設けた場合は駆動ローラと中間転写ベルト10間とのすべりの影響が軽減される。
ここでは、図3の中間転写ベルト10に対して、対向ローラ16に取り付けられたエンコーダ40によって回転角度あるいは角速度を用いてフィードバック制御する場合について図6を用いて説明する。
対向ローラ16と同軸となるようにエンコーダ40を設け、エンコーダ40から回転角度あるいは角速度情報が演算部41へ入力される。演算部41では中間転写ベルト駆動の目標値が設定されており、計測された回転角度あるいは角速度との比較が行われ、新しい駆動信号が生成される。生成された新しい駆動信号はドライバ42へ入力され、このドライバでは駆動信号に応じてモータの加減速制御が行われる。つまり中間転写ベルト速度が遅い場合は増速し、速度が速い場合は減速する。これがここで示した駆動制御系である。
しかし、転写紙Sが二次転写ニップ部へ突入する事で発生する過渡的な負荷変動はフィードバック制御では変動が発生してから、その変動を検知し、その後に補正制御を行うため、必ず遅れが存在してしまう。そのため、この過渡的な負荷変動により発生する駆動ローラ14の駆動補正が間に合わない。また、フィードバックループ内には各種時間遅れ要素が入っている。回転型エンコーダの例としては、ガラス円盤上に回転軸を中心として同心円上に等ピッチのタイミングマークが形成されローラと同軸上に形成される。これを固定部に設けられた発光素子と受光素子を使って光学的に検知する。その出力は連続したパルス列となる。したがって回転角度あるいは回転角速度情報は離散的にしか得られないのでここで時間遅れが発生する。さらに回転型エンコーダ情報によって過渡的な負荷変動による回転変動を検知してフィードバック制御するとき、位相補償回路による時間遅れやDCモータの逆起電力や内部インダクタンスによる電流波形のなまりによる駆動力の遅れが発生する。
そこで、本実施形態の複写機においては、中間転写ベルト10を介して対向ローラ16と二次転写ローラ33とで構成される二次転写ニップ部に転写紙Sを通紙する際に発生する過渡的な負荷変動による中間転写ベルト10の速度変動を抑えるために、二次転写ニップ部より中間転写ベルト回転方向上流側及び下流側で中間転写ベルト10の裏面から当接し中間転写ベルト10の張力を調整する張力調整手段を転写装置90に設け、上記負荷変動に伴う中間転写ベルト10の張力変化を張力調整手段で調整し、上記張力変化によって中間転写ベルト10に速度変動が生じないようにしている。
[構成例1]
構成例1の転写装置90の構成を具体的に示したものが図1である。中間転写ベルトループ内で対向ローラ16と二次転写ローラ33とで構成される二次転写ニップ部に対して、中間転写ベルト回転方向上流側及び下流側の中間転写ベルト10の裏面に当接する調整ローラ20,21と、調整ローラ20、21をそれぞれ支持し装置本体に対して回転可能な保持部材22で結合される支持部材23、24とで構成された、中間転写ベルト10の張力を調整する張力調整手段が設けられている。保持部材22は回転軸を有しており、ここでは図示しない機構により回転軸で装置本体に対し固定されている。
次に、このような構成とした転写装置90で、ニ次転写ニップ部に転写紙Sが通紙することによる過渡的な負荷変動が生じたときの挙動について説明する。
二次転写ニップ部に転写紙Sが通紙していない一定回転駆動時の転写装置90の状態は図1で示すものであり、転写紙Sはまだ中間転写ベルト10に触れておらず、調整ローラ20、21はそれぞれの基準位置B,Cにある状態である。また、このときの中間転写ベルト10の回転経路が基準位置となる。
次に転写紙Sが二次転写ニップ部に進入した状態を図7(a)に示す。転写紙Sの先端が二次転写ニップ部を押し広げることで中間転写ベルト10や対向ローラ16に負荷変動が生じ一時的に対向ローラ16の回転が遅くなるため、二次転写ニップ部に対して中間転写ベルト回転方向上流側では中間転写ベルト10が弛み気味となり、逆に中間転写ベルト下流側では中間転写ベルト10が張り気味となる。このように中間転写ベルト10が弛んでしまうなどような中間転写ベルト10の張力変化に対して、保持部材22が回転することにより上記上流側に設けられた調整ローラ21は基準位置CからC’へと変位し、上記下流側に設けられた調整ローラ20は基準位置BからB’へと変位させる。この調整ローラ20、21の変位によって中間転写ベルト10の張力を弛みなどが生じないように適切に補正することができる。よって転写紙Sが二次転写ニップ部に進入することで発生する過渡的な負荷変動は、二次転写ニップ部近傍の中間転写ベルトまで影響するが、調整ローラ20,21で中間転写ベルト10の張力を調整することにより、感光体ドラム4から中間転写ベルト10上へ可視像が転写される1次転写部まで上記負荷変動の影響が及ぶのを抑制し、言い換えると1次転写部近傍で中間転写ベルト10の速度変動が生じるのを抑制することができる。さらに、この調整ローラ20,21の変位量はそれぞれが結合された保持部材22の回転によって決められるため、中間転写ベルト10に対する変化は全体としてゼロとなり、ベルト駆動システムに悪影響を及ぼすことはない。
次に、転写紙Sが二次転写ニップ部から離れる状態を図7(b)に示す。転写紙Sの後端が二次転写ニップ部から抜け出ることで過渡的に対向ローラ16にかかる圧力が下がるために、進入時とは逆に上記上流側では中間転写ベルト10は張り気味となり、上記下流側では中間転写ベルト10は弛み気味となる。このような中間転写ベルト10の張力変化に応じて、保持部材22の回動により上記上流側に設けられた調整ローラ21はC’’へと変位し、上記下流側に設けられた調整ローラ20はB’’へと変位する。このように転写紙Sが二次転写ニップ部から離れるときにおいても上記した動作を行うことによって、調整ローラ20、21の変位により中間転写ベルト10の張力を弛みなどが生じないように適切に補正するので、1次転写部までニ次転写ニップ部で生じた負荷変動が影響を及ぼすのを抑制され、言い換えれば1次転写部近傍で中間転写ベルト10の速度変動が生じるのを抑制することができる。
また、転写紙Sの形状(紙表面の凹凸など)に応じて、逐一、調整ローラ20、21で中間転写ベルト10の張力の調整を行うことにより、品質の低い転写紙Sを用いた場合でも1次転写部へ上記負荷変動が影響を及ぼすのを防ぐことができ、画質低下を抑制することができる。
また、構成例1の構成において、二次転写ニップ部の上記上流側及び上記下流側において、調整ローラ20,21は互いに逆の処理(一方がベルトに張力を加えるように当接し、他方がベルトの張力を弱めるように当接するような処理)が行われるため、二次転写ニップ部に転写紙Sが存在しなければ中間転写ベルト10の回転経路は基準位置となるので調整ローラ20,21は保持部材22が回転することによって自動的に基準位置B,Cまで戻される。ここで、転写紙Sが2次転写ニップ部から離れたときなどに調整ローラ20,21を基準位置まで確実に戻すための構成の一つを図8に示す。図8に示すように調整ローラ20,21を基準位置B,Cまで戻す構成として、回転可能な保持部材22の内側または外側の、支持部材23、24の動きを阻害しない回転可能位置にバランス錘25を設ける。バランス錘25は調整ローラ20,21と支持部材23、24とから構成される振り子が、バランス錘25の重力による作用で上記基準位置で停止するような位置に固定されている。このバランス錘25を設けることにより、転写紙Sが二次転写ニップ部から離れた後の調整ローラ20,21が基準位置B,Cへ戻る作用を補強し、確実に調整ローラ20,21を基準位置B,Cに戻すことが可能となる。
さらに、調整ローラ20,21が変位した後の振動を低減させるために、支持部材23、24の一部に弾性部材26、27を設けたものが図9である。ここでは支持部材23、24の一部分を弾性体26、27とする構成としているが、支持部材23,24を全て弾性体とする構成でもよい。転写紙Sの二次転写ニップ部へ通紙した際の過渡的な負荷変動が発生した後に調整ローラ20,21が変位することで調整ローラ20,21及び支持部材23,24が振動する場合がある。そのため、支持部材23,24の一部分を弾性体26,27で構成することによって、調整ローラ20,21を変位させた後に生じる望ましくない振動を弾性体23,24で吸収することができるので、安定した補正動作つまり中間転写ベルト10の張力を適切に調整することが可能となる。
また、支持部材23,24の全てを剛性体で構成し、それを弾性体により挟み込むなどの構成とすることで、上記振動を剛性体と弾性体との摩擦で減少させる構成としても良い。さらに、支持部材23,24と保持部材22との結合部分などに粘性部材を介する構成とすることによって、調整ローラ20,21の変位を確実に行い、且つ、その後に発生する望ましくない振動を粘性部材によって吸収し、中間転写ベルト10の張力を適切に調整可能にしても良い。
また、図10に示すように、保持部材22と装置本体の筐体との間に弾性部材32が設けられており、保持部材22は弾性部材32を介して筺体に支持されることで、調整ローラ20,21の基準位置を決定し、且つ、調整ローラ20,21が動いた後の振動を低減させることができる。弾性部材32は調整ローラ20,21を含む保持部材22が初期の望ましい位置つまり上記基準位置で筺体に支持されるように設けられている。転写紙Sが二次転写ニップ部にない場合には保持部材22は弾性部材32により基準位置で筺体に対し支持されている。
転写紙Sが二次転写ニップ部に進入することで過渡的な負荷変動が生じると、調整ローラ20,21が変位し且つ、調整ローラ20,21の望ましくない振動は弾性部材32の減衰特性により抑えることできるので、中間転写ベルト10の張力を中間転写ベルト10が弛まないように適切に調整することができ、その結果、一次転写部近傍で中間転写ベルト10に速度変動が生じるのを抑制することができる。
さらに、調整ローラ20,21の基準位置B,Cは弾性部材32により決められているため、上記負荷変動がなくなると保持部材22が回転して調整ローラ20,21が基準位置B,Cに戻ることができる。
このように構成例1によれば、二次転写ニップ部へ転写紙Sが通紙されることによる上記負荷変動が発生しても、二次転写ニップ部に対して上記上流側及び上記下流側に設けた調整ローラ20,21が保持部材22の回転軸を中心に支持部材23,24を介して変位することによって中間転写ベルト10の張力の調整を行う。これにより、中間転写ベルト10が弛むのを抑制し1次転写部に上記負荷変動の影響が及ぶのを抑え、つまり、1次転写部近傍で中間転写ベルト10に速度変動が生じるのを抑えて、中間転写ベルト10を高精度で駆動させることができ、1次転写部での中間転写ベルト10上への画像の転写時に過渡的な負荷変動(中間転写ベルト10の速度変動)に伴う画像劣化が生じるのを抑制することができる。また、調整ローラ20,21は中間転写ベルト10の裏面に当接しているので、中間転写ベルト10のおもて面に担持された画像に調整ローラ20,21が接触することがなく、調整ローラ20,21によって中間転写ベルト10上に担持された画像を乱すことがない。
[構成例2]
構成例2の転写装置90の構成を図11に示す。中間転写ベルトループ内側に、対向ローラ16と二次転写ローラ33で構成される二次転写ニップ部の、中間転写ベルト回転方向上流側及び下流側の中間転写ベルト10の裏面に当接する調整ローラ20,21と、この2つの調整ローラ20、21を支持する支持部材29とで構成された、中間転写ベルト10の張力を調整する張力調整手段を設けている。ここでは図示しない保持機構により支持部材29は調整ローラ20,21を通る直線方向にのみ可動可能に保持されており、その他の方向へは動かないようになっている。
次に、このような構成とした転写装置90で、ニ次転写ニップ部に転写紙Sが通紙することによる過渡的な負荷変動が生じたときの挙動について説明する。
二次転写ニップ部に転写紙Sが通紙していない一定回転駆動時の転写装置90の状態は図11で示したものであり、転写紙Sはまだ中間転写ベルト10に触れておらず、調整ローラ20、21は基準位置E,Fにある状態である。また、このときの中間転写ベルト10の回転経路が基準位置となる。
次に転写紙Sが二次転写ニップ部に進入した状態を図12(a)に示す。転写紙Sの先端が二次転写ニップ部を押し広げることで中間転写ベルト10や対向ローラ16に負荷変動が生じ一時的に対向ローラ16の回転が遅くなるため、二次転写ニップ部に対して中間転写ベルト回転方向上流側では中間転写ベルト10が弛み気味となり、逆に中間転写ベルト下流側では中間転写ベルト10が張り気味となる。このように中間転写ベルト10が弛んでしまうなどような中間転写ベルト10の張力変化に対して、支持部材29が上記直線方向で移動することにより、上記上流側に設けられた調整ローラ21は基準位置FからF’へと変位し、上記下流側に設けられた調整ローラ20は基準位置EからE’へと変位させる。この調整ローラ20、21の変位によって中間転写ベルト10の張力を弛みなどが生じないように適切に補正することができる。よって転写紙Sが二次転写ニップ部に進入することで発生する過渡的な負荷変動は、二次転写ニップ部近傍の中間転写ベルトまで影響するが、調整ローラ20,21で中間転写ベルト10の張力を調整することにより、感光体ドラム4から中間転写ベルト10上へ画像が転写される1次転写部まで上記負荷変動の影響が及ぶのを抑制し、言い換えると1次転写部近傍で中間転写ベルト10の速度変動が生じるのを抑制することができる。さらに、この調整ローラ20,21の変位量は支持部材29の直線的な可動によって決められるため、中間転写ベルト10に対する変化は全体としてゼロとなり、ベルト駆動システムに悪影響を及ぼすことはない。
次に、転写紙Sが二次転写ニップ部から離れる状態を図7(b)に示す。転写紙Sの後端が二次転写ニップ部から抜け出ることで過渡的に対向ローラ16にかかる圧力が下がるために、進入時とは逆に上記上流側では中間転写ベルト10は張り気味となり、上記下流側では中間転写ベルト10は弛み気味となる。このような中間転写ベルト10の張力変化に応じて、支持部材29の直線的な可動により上記上流側に設けられた調整ローラ21はF’’へと変位し、上記下流側に設けられた調整ローラ20はE’’へと変位する。このように転写紙Sが二次転写ニップ部から離れるときにおいても上記した動作を行うことによって、調整ローラ20、21の変位により中間転写ベルト10の張力を弛みなどが生じないように適切に補正するので、1次転写部までニ次転写ニップ部で生じた負荷変動が影響を及ぼすのを抑制し、言い換えれば1次転写部近傍で中間転写ベルト10の速度変動が生じるのを抑制することができる。
また、転写紙Sの形状(紙表面の凹凸など)に応じて、逐一、調整ローラ20、21で中間転写ベルト10の張力の調整を行うことにより、品質の低い転写紙Sを用いた場合でも1次転写部へ上記負荷変動が影響を及ぼすのを防ぐことができ、画質低下を抑制することができる。
構成例2の転写装置90では、二次転写ニップ部に転写紙Sを通紙することにより生じる負荷変動時以外には、中間転写ベルト10の回転経路は基準位置となるので中間転写ベルト10により調整ローラ20,21は自動的に定常な基準位置E,Fまで戻される。そのため、調整ローラ20,21を基準位置E,Fに戻すために構成例1で用いたようなバランス錘25などの部品を必要としない。また、構成例2の転写装置90では支持部材29の直線運動のみで調整ローラ20,21を変位させるので構成が簡単になり構成例1の転写装置90よりも部品点数を少なくすることが可能となる。また、これにより、張力調整手段そのものの慣性力が小さいくなるため、上記負荷変動に対する応答性が構成例1の転写装置90に適用した構成よりも良くなる。
さらに、調整ローラ20,21と支持部材29とが変位した後の振動を低減させるために、支持部材29一部に弾性体28を設けたものが図13である。ここでは支持部材29の一部分を弾性体28とする構成としているが、支持部材29を全て弾性体とする構成でもよい。
転写紙Sの二次転写ニップ部へ通紙した際の過渡的な負荷変動が発生した後に調整ローラ20,21が変位することで調整ローラ20,21及び支持部材23,24が振動する場合がある。そのため、支持部材29の一部分を弾性体28で構成することによって、調整ローラ20,21を変位させた後に生じる望ましくない振動を弾性体28で吸収することができるので、安定した補正動作つまり中間転写ベルト10の張力を適切に調整することが可能となる。
また、支持部材29の全てを剛性体で構成し、それを弾性体により挟み込むなどの構成とすることで、上記振動を剛性体と弾性体との摩擦で減少させる構成としても良い。さらに、支持部材29の一部分を粘性部材で封入し、粘性部材は固定された構成とすることによって調整ローラ20,21の変位を確実に行い、且つ、その後に発生する望ましくない振動を粘性部材によって吸収し、中間転写ベルト10の張力を適切に調整可能にしても良い。
このように構成例2によれば、転写紙Sが二次転写ニップ部へ通紙されることで発生する過渡的な負荷変動に伴う中間転写ベルト10の張力変化を調整ローラ20,21が支持部材29を介して直線運動することにより、中間転写ベルト10に弛みが生じないように適切に調整を行うこと。これにより、中間転写ベルト10が弛むのを抑制し1次転写部に上記負荷変動の影響が及ぶのを抑え、つまり、1次転写部近傍で中間転写ベルト10に速度変動が生じるのを抑えて、中間転写ベルト10を高精度で駆動させることができ、1次転写部での中間転写ベルト10上への画像の転写時に過渡的な負荷変動(中間転写ベルト10の速度変動)に伴う画像劣化が生じるのを抑制することができる。また、調整ローラ20,21は中間転写ベルト10の裏面に当接しているので、中間転写ベルト10のおもて面に担持された画像に調整ローラ20,21が接触することがなく、調整ローラ20,21によって中間転写ベルト10上に担持された画像を乱すことがない。
ここで、構成例1と構成例2で用いている調整ローラの構成であるが、そのほかの構成でもよく、その例を図14に示す。
通常、中間転写ベルト10との摩擦を少なくするために中間転写ベルト10に当接させる部材は図14(a)に示すようなローラ部材81を用いるのが一般的である。しかし、転写紙Sが二次転写ニップ部に進入することによる過渡的な負荷変動が小さく中間転写ベルト10の張力変化も小さくて中間転写ベルト10の回転経路の変位も小さい場合に対処可能なように、できるだけ中間転写ベルト10の張力を調整する調整手段のイナーシャは小さい方が望ましい。イナーシャを下げた構成の一つの例を図14(b)に示す。支持部材82の回転中心と断面が扇形の固定部材83が連結されている。固定部材83の周囲には薄肉化によりイナーシャを下げた回転筒84が滑らかに固定可能で固定部材83と構成されている。固定部材83は中間転写ベルト10の接する部分のみの形状が望ましいが、接する部分よりも多少、大きいまたは小さい構成でも良い。このように中間転写ベルト10に当接させる部材を固定部材83と回転筒84との構成とすることで、イナーシャを下げつつも、必要な剛性を確保する事が可能となる。
また、その他の構成を図14(c)に示す。ローラ部材の代わりに中間転写ベルト10に接する部分の形状を、中間転写ベルト10の回転経路の曲率と略同じである所定の曲率をもった鉤型とした当接部材85が、中間転写ベルト10と滑らかに接するよう構成する。その他の動作に支障がなければ粉末や粘性部材などを用いる方法でも可能である。これらを用いて上記張力調整手段を構成することで、中間転写ベルト10に当接させる部材をローラ部材にするよりもイナーシャを低減することが可能となる。
[構成例3]
構成例3の転写装置90の構成を図15に示す。中間転写ベルトループ内側に、対向ローラ16と二次転写ローラ33とで構成される二次転写ニップ部に対して中間転写ベルト回転方向上流側及び下流側の中間転写ベルト10の裏面に当接する、任意の弾性係数をもった調整ローラ30,31が、中間転写ベルト10の張力を調整する張力調整手段として設けられている。
次に、このような構成とした転写装置90で、ニ次転写ニップ部に転写紙Sが通紙することによる過渡的な負荷変動が生じたときの挙動について説明する。
二次転写ニップ部に転写紙Sが通紙していない一定回転駆動時の転写装置90の状態は図15で示したものであり、転写紙Sはまだ中間転写ベルト10に触れておらず、調整ローラ30、31の外周位置は基準位置G,Hにある状態である。また、このときの中間転写ベルト10の回転経路が基準位置となる。
次に転写紙Sが二次転写ニップ部に進入した状態を図16(a)に示す。転写紙Sの先端が二次転写ニップ部を押し広げることで中間転写ベルト10や対向ローラ16に負荷変動が生じ一時的に対向ローラ16の回転が遅くなるため、二次転写ニップ部に対して中間転写ベルト回転方向上流側では中間転写ベルト10が弛み気味となり、逆に中間転写ベルト下流側では中間転写ベルト10が張り気味となる。このように中間転写ベルト10が弛んでしまうなどような中間転写ベルト10の張力変化に対して、上記上流側に設けられた調整ローラ31は調整ローラ31そのものが持つ弾性力によって基準位置HからH’へと外周位置を変化させ、上記下流側に設けられた調整ローラ30も同様に調整ローラ30そのものが持つ弾性力により基準位置GからG’へと外周位置を変化させる。このように調整ローラ30,31の外周位置を変化させることによって、中間転写ベルト10の張力を弛みなどが生じないように適切に補正することができる。よって転写紙Sが二次転写ニップ部に進入することで発生する過渡的な負荷変動は、二次転写ニップ部近傍の中間転写ベルト10まで影響するが、調整ローラ30,31で中間転写ベルト10の張力を調整することにより、感光体ドラム4から中間転写ベルト10上へ画像が転写される1次転写部まで上記負荷変動の影響が及ぶのを抑制し、言い換えると1次転写部近傍で中間転写ベルト10の速度変動が生じるのを抑制することができる。さらに、中間転写ベルト10の張力変化に応じて調整ローラ30,31の外周位置を変化させるため、本構成によりベルト駆動システムに悪影響を及ぼす事はない。
次に、転写紙Sが二次転写ニップ部から離れる状態を図16(b)に示す。転写紙Sの後端が二次転写ニップ部から抜け出ることで過渡的に対向ローラ16にかかる圧力が下がるために、進入時とは逆に上記上流側では中間転写ベルト10は張り気味となり、上記下流側では中間転写ベルト10は弛み気味となる。このような中間転写ベルト10の張力変化に応じて、上記上流側に設けられた調整ローラ31は調整ローラ31そのものが持つ弾性力によってH’’へと外周位置を変化させ、上記下流側に設けられた調整ローラ30も同様に調整ローラ30そのものが持つ弾性力によりG’’へと外周位置を変化させる。このように転写紙Sが二次転写ニップ部から離れるときにおいても上記した動作を行うことによって、調整ローラ30,31の外周位置の変化により中間転写ベルト10の張力を弛みなどが生じないように適切に補正するので、1次転写部までニ次転写ニップ部で生じた負荷変動が影響を及ぼすのを抑制し、言い換えれば1次転写部近傍で中間転写ベルト10の速度変動が生じるのを抑制することができる。
また、転写紙Sの形状(紙表面の凹凸など)に応じて、逐一、調整ローラ30,31で中間転写ベルト10の張力の調整を行うことにより、品質の低い転写紙Sを用いた場合でも1次転写部へ上記負荷変動が影響を及ぼすのを防ぐことができ、画質低下を抑制することができる。
構成例3の転写装置90は、構成例1及び構成例2の転写装置90と比較すると、転写紙Sを二次転写ニップ部に通紙することで生じる過渡的な負荷変動に対して、2つの調整ローラ30,31を支持する支持部材が存在せず、調整ローラ30,31がそれぞれの持つ弾性力によって調整ローラ31の外周位置が変化するため、上記負荷変動に伴って中間転写ベルト10に生じた張力変化に対して応答速度をかせぐことが可能となる。
ここで、調整ローラ30、31の構成について説明したものを図17に示す。通常、ローラの外周部は高剛性体で構成されるが、端部のフランジ86のみに高剛性体を用い、ここでローラの位置決めなどを行う。実際に中間転写ベルト10と接する部分は柔軟な薄膜状の弾性部材87を筒状にしてフランジ86にローラ形状となるように構成する。弾性部材87とフランジ86とで囲まれた部分には、例えば空気や希ガスなどを充填させる。なお、このような構成の調整ローラ30,31に持たせる弾性力は充填させる気体の圧力によって決定されるため、調整ローラ30,31を取り付ける転写装置90で想定される過渡的な負荷変動に合わせて上記気体の圧力調整を行って調整ローラ30,31を構成する必要がある。
また、上記上流側と上記下流側との構成によって中間転写ベルト10のベルト振動周波数が異なる場合ある。その場合には調整ローラ30,31それぞれの弾性力もベルト振動周波数に対応させて調整する必要あり、充填させる気体の圧力を調整ローラ30と調整ローラ31とで異ならせ、それぞれに適した上記圧力にすることで対応可能となる。
また、調整ローラ30、31の別の構成例について説明したものを図18及び図19に示す。調整ローラ30,31の外周には高剛性の円筒部材88を用い、円筒部材88の内側の両端部に円筒部材88を支持する弾性を有した弾性支持部材89を設ける。また、弾性力の増減を調整するために、図19に示すように弾性支持部材89などを円筒部材88の内側に自由に配置させることで弾性力の発生部分や弾性力そのものの調整を行うことが可能となる。
このように構成例3によれば、転写紙Sが二次転写ニップ部へ通紙されることで発生する過渡的な負荷変動に伴う中間転写ベルト10の張力変化を、二次転写ニップ部に対して上記上流側及び上記下流側に設けた調整ローラ30,31が自身の弾性力によって調整ローラ30,31の外周位置を変化させることにより、中間転写ベルト10に弛みが生じないように適切に調整を行う。これにより、中間転写ベルト10が弛むのを抑制し1次転写部に上記負荷変動の影響が及ぶのを抑え、つまり、1次転写部近傍で中間転写ベルト10に速度変動が生じるのを抑えて、中間転写ベルト10を高精度で駆動させることができ、1次転写部での中間転写ベルト10上への画像の転写時に過渡的な負荷変動(中間転写ベルト10の速度変動)に伴う画像劣化が生じるのを抑制することができる。また、調整ローラ30,31は中間転写ベルト10の裏面に当接しているので、中間転写ベルト10のおもて面に担持された画像に調整ローラ30,31が接触することがなく、調整ローラ30,31によって中間転写ベルト10上に担持された画像を乱すことがない。
以上、本実施形態によれば、複数の張架ローラによって張架されながら無端移動せしめられるループ状のベルト像担持体である中間転写ベルト10と、中間転写ベルト10を介して上記複数の張架ローラの1つである対向ローラ16と対向し、中間転写ベルト10のループ外側面であるおもて面に当接して転写ニップである二次転写ニップ部を形成する転写ローラである二次転写ローラ33とを備え、潜像担持体である感光体ドラム4の表面で現像された画像を上記表面から上記おもて面に転写した後、二次転写ニップ部内に挟み込んだ転写材である転写紙Sへ上記おもて面に担持した画像を転写する転写装置90において、二次転写ニップ部に対して、中間転写ベルト回転方向上流側及中間転写ベルト回転方向下流側で中間転写ベルト10のループ内側面である裏面に当接し、中間転写ベルト10の張力変化に応じて中間転写ベルト10の張力を調整する張力調整手段を有している。これにより、上記張力が所定の張力よりも小さくなった場合に上記張力を大きくするように上記張力を調整することで中間転写ベルト10に弛みが生じるのを抑制することができる。よって、2次転写ニップに転写紙Sを通紙した際の負荷変動に伴って中間転写ベルト10が弛み、1次転写部近傍の中間転写ベルト10に速度変動が生じるのを抑制することができる。したがって、1次転写部で感光体ドラム4から中間転写ベルト10上へ画像が転写されるときに上記速度変動に伴う画質劣化が生じるの抑制することができる。また、張力調整手段は中間転写ベルト10の裏面に当接しているので、中間転写ベルト10のおもて面に担持された画像に張力調整手段が接触することがなく、中間転写ベルト10に担持された画像を乱すことがない。
また、上記張力調整手段は、中間転写ベルト回転方向上流側で上記裏面に当接する第1の当接部材である調整ローラ21と、中間転写ベルト回転方向下流側で上記裏面に当接する第2の当接部材である調整ローラ20と、調整ローラ20,21を変位可能に支持する支持手段とで構成されており、中間転写ベルト10の張力変化に応じて調整ローラ20,21が上記支持手段を介して変位する。これにより、二次転写ニップ部へ転写紙Sが通紙されることによる過渡的な負荷変動が発生しても、二次転写ニップ部に対して上記上流側及び上記下流側に設けた調整ローラ20,21が支持手段を介して変位することによって中間転写ベルト10の張力の調整を行うことができる。よって、中間転写ベルト10が弛むのを抑制し1次転写部に上記負荷変動の影響が及ぶのを抑え、つまり、1次転写部近傍で中間転写ベルト10に速度変動が生じるのを抑えて、中間転写ベルト10を高精度で駆動させることができ、1次転写部での中間転写ベルト10上への画像の転写時に過渡的な負荷変動(中間転写ベルト10の速度変動)に伴う画像劣化が生じるのを抑制することができる。また、調整ローラ20,21は中間転写ベルト10の裏面に当接しているので、中間転写ベルト10のおもて面に担持された画像に調整ローラ20,21が接触することがなく、調整ローラ20,21によって中間転写ベルト10上に担持された画像を乱すことがない。
また、上記支持手段は、調整ローラ20を支持する第1の支持部材である支持部材23と、調整ローラ21を支持する第2の支持部材である支持部材24と、装置本体に対して回転可能な回転軸を有し支持部材23と支持部材24とを保持する保持部材22とによって構成されており、調整ローラ20及び調整ローラ21が、上記回転軸を中心に支持部材23及び支持部材24を介して回動可能に構成されている。これにより、中間転写ベルト10の張力変化に応じて保持部材22が回転することにより調整ローラ20,21が変位し、中間転写ベルト10の張力を適切に補正することができる。
また、保持部材22と装置本体の筐体との間に弾性部材32が設けられており、保持部材22は弾性部材32を介して筺体に支持されることで、調整ローラ20,21の基準位置を決定し且つ調整ローラ20,21が変位することで生じる振動を低減させることができる。
また、調整ローラ20及び調整ローラ21が基準位置で平衡状態を維持するように、保持部材22に錘であるバランス錘25を設けることで、転写紙Sが2次転写ニップ部から離脱した後の調整ローラ20,21が基準位置へ戻る作用を補強し、確実に調整ローラ20,21を基準位置に戻すことが可能となる
また、本実施形態によれば、支持部材23,24,29の少なくとも一部分を弾性体で構成することにより、調整ローラ20,21の必要な移動は行いつつも、その後に発生する望ましくない振動を支持部材23,24,29の弾性体で吸収することができるので、安定した補正動作つまり中間転写ベルト10の張力調整を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、上記第1の当接部材及び上記第2の当接部材の少なくとも一方をローラ部材である調整ローラ20,調整ローラ21にすることで中間転写ベルト10との当接状態を容易に良好に保つことができる。
また、本実施形態によれば、上記第1の当接部材及び上記第2の当接部材の中間転写ベルト10と接触する面が所定の曲率を有している。これにより、上記第1の当接部材及び上記第2の当接部材が滑らかに中間転写ベルト10と当接することができ当接状態を良好に保つことができる。また、特に上記当接部材を中間転写ベルト10に接する部分の形状を所定の曲率をもった鉤型とし、中間転写ベルト10と滑らかに接するように構成することで、上記当接部材にローラ部材を用いた場合よりもイナーシャを低減することが可能となり、上記負荷変動に伴う中間転写ベルト10の張力変化が小さい場合に対して応答性が良くなる
また、本実施形態によれば、潜像を担持する潜像担持体である感光体ドラム4と、感光体ドラム4に担持された潜像を現像して可視像を得る現像手段である現像装置と、感光体ドラム4上の可視像をシート部材である転写紙Sに転写する転写手段とを備えた画像形成装置である複写機において、上記転写手段として本発明の転写装置90を用いることにより、2次転写ニップに転写紙Sを通紙した際の負荷変動に伴って中間転写ベルト10が弛み、1次転写部近傍の中間転写ベルト10に速度変動が生じるのを抑制することができる。したがって、1次転写部で感光体ドラム4から中間転写ベルト10上へ画像が転写されるときに上記速度変動に伴う画質劣化が生じるの抑制することができる。また、張力調整手段は中間転写ベルト10の裏面に当接しているので、中間転写ベルト10のおもて面に担持された画像に張力調整手段が接触することがなく、中間転写ベルト10に担持された画像を乱すことがない。よって、良好な画像品質で画像形成を行うことができる。
構成例1の転写装置の概略構成図。 本実施形態に係る複写機の概略構成図。 本実施形態に係る転写装置の基本的な構成を示した概略構成図。 過渡的な負荷変動に伴って形成画像にスジ状の濃い部分と薄い部分とができた場合の説明図。 転写紙が二次転写ニップ部に進入した際の中間転写ベルトの回転経路が変化したときの概略構成図。 中間転写ベルトに対して対向ローラの回転角度又は角速度を用いてフィードバック制御する場合の概略構成図。 (a)二次転写ニップ部へ転写紙が突入したときの状態を示す図。(b)二次転写ニップ部から転写紙が離脱したときの状態を示す図。 保持部材にバランス錘を設けた場合の概略構成図。 支持部材の一部に弾性部材を設けた場合の概略構成図。 保持部材と装置本体の筐体との間に弾性部材を設けた場合の概略構成図。 構成例2の転写装置の概略構成図。 (a)二次転写ニップ部へ転写紙Sが突入したときの状態を示す図。(b)二次転写ニップ部から転写紙Sが離脱したときの状態を示す図。 支持部材の一部に弾性部材を設けた場合の概略構成図。 (a)当接部材に一般的なローラを用いた場合の図。(b)当接部材にイナーシャを下げたローラを用いた場合の図。(c)当接部材に中間転写ベルトと接する部分の形状が鉤型の部材を用いた場合の図。 構成例3の転写装置の概略構成図。 (a)二次転写ニップ部へ転写紙が突入したときの状態を示す図。(b)二次転写ニップ部から転写紙が離脱したときの状態を示す図。 気体の圧力によって弾性力を得る調整ローラの概略構成図。 調整ローラを高剛性の円筒部材と円筒部材の内側で円筒部材を支持する弾性部材とによって構成した場合の調整ローラの斜視図。 調整ローラを高剛性の円筒部材と円筒部材の内側で円筒部材を支持する弾性部材とによって構成した場合の調整ローラの断面図。 転写紙が二次転写ニップ部に進入した際に中間転写ベルトに弛みが生じた状態を示す状態図。 転写紙が二次転写ニップ部から離れた際に中間転写ベルトに弛みが生じた状態を示す状態図。
符号の説明
4 感光体ドラム
10 中間転写ベルト
16 対向ローラ
20 調整ローラ
21 調整ローラ
22 保持部材
23 支持部材
24 支持部材
25 バランス錘
26 弾性部材
27 弾性部材
28 弾性部材
29 支持部材
30 調整ローラ
31 調整ローラ
32 弾性部材
33 二次転写ローラ
81 ローラ部材
82 支持部材
83 固定部材
84 回転筒
85 当接部材
86 フランジ
87 弾性部材
88 円筒部材
89 弾性支持部材
90 転写装置

Claims (5)

  1. 複数の張架ローラによって張架されながら無端移動せしめられるループ状のベルト像担持体と、
    該ベルト像担持体を介して該複数の張架ローラの1つと対向し、該ベルト像担持体のループ外側面であるおもて面に当接して転写ニップを形成する転写ローラとを備え、
    潜像担持体の表面で現像された画像を該表面から該おもて面に転写した後、該転写ニップ内に挟み込んだ転写材へ該おもて面に担持した画像を転写する転写装置において、
    該転写ニップに対して、ベルト像担持体回転方向上流側及ベルト像担持体下流側で該ベルト像担持体のループ内側面である裏面に当接し、該ベルト像担持体の張力変化に応じて該ベルト像担持体の張力を調整する張力調整手段を有しており、
    該張力調整手段は、該ベルト像担持体回転方向上流側で該裏面に当接する第1の当接部材と、該ベルト像担持体回転方向下流側で該裏面に当接する第2の当接部材と、該第1の当接部材と該第2の当接部材とを変位可能に支持する支持手段とで構成されており、
    該ベルト像担持体の張力変化に応じて該第1の当接部材及び該第2の当接部材が該支持手段を介して変位し、
    該支持手段は、該第1の当接部材を支持する第1の支持部材と、該第2の当接部材を支持する第2の支持部材と、装置本体に対して回転可能な回転軸を有し該第1の支持部材と該第2の支持部材とを保持する保持部材とによって構成されており、
    該第1の当接部材及び該第2の当接部材が、該回転軸を中心に該第1の支持部材及び該第2の支持部材を介して回動可能であり、
    該保持部材と装置本体の筐体との間に弾性部材が設けられており、該保持部材は該弾性部材を介して該筺体に支持され、
    該保持部材には錘が設けられており、所定の基準位置から変位した該第1の当接部材及び該第2の当接部材が、少なくとも該錘に作用する重力により所定の基準位置に戻ることを特徴とする転写装置。
  2. 請求項1の転写装置において、
    上記支持手段の少なくとも一部分を弾性体で構成したことを特徴とする転写装置。
  3. 請求項1またはの転写装置において、
    上記第1の当接部材及び上記第2の当接部材の少なくとも一方は、ローラ部材であることを特徴とする転写装置。
  4. 請求項1、2または転写装置において、
    上記第1の当接部材及び上記第2の当接部材の上記ベルト像担持体と接触する面が所定の曲率を有する曲面であることを特徴とする転写装置。
  5. 潜像を担持する潜像担持体と、
    該潜像担持体に担持された潜像を現像して可視像を得る現像手段と、
    潜像担持体上の可視像をシート部材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、
    該転写手段として、請求項1、2、3または転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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