JP5008342B2 - 耐熱発光シート - Google Patents

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Description

本発明は、耐熱発光シートに関する。
工業製品の生産現場において、FA(Factory Automation)やCIM(Computer Integrated Manufacturing)が導入されている。例えば、加工すべき製品が通過してきた各加工工程の履歴を、製造工程全体を集中的に管理するコンピュータシステムへ入力したり、又は、加工すべき内容を、コンピュータシステムから出力して、加工に反映させる生産方式が、採用されている。
この際に、加工すべき製品を認識する手段として、バーコード、二次元コードなどの自動認識用のパターンを製品又は製品を搬送する容器に取り付けて、このパターンを光学的に読み取ることで、各種情報の遣り取りが、コンピュータと読取装置の間で行われている。通常、このパターンを取り付ける手段としては、紙、プラスチック等のラベルが使われるが、これらのラベルは高温で消失するので、熱処理工程を必要とする各種工業製品を製造する際には、耐熱ラベルが必要となる。
熱処理工程を有する各種工業製品を製造する際に使用できる耐熱ラベルとして、無機粉末にシリコーン系樹脂を配合したシートを被着体に貼り付けて焼成して得られる耐熱ラベルが公知である(特許文献1参照)。しかしながら、このシートには、シリコーン樹脂の硬化不足のため、形成される耐熱ラベルの強度が十分ではないという問題があった。また、このシートは、照明の消えた倉庫等の暗所や強い照明が使えない製造工程中でラベルの位置を自動的に認識してバーコードを読み取ることが不可能であった。
従って、耐熱ラベル用のシートとして、より高強度のラベルを形成できること、加えて暗所でも容易に認識できることが要望されている。
特許第2654735号公報
本発明の目的は、被着体に貼り付けた後、焼成することにより、強度的に優れ、しかも暗所でも認識できる耐熱ラベルを形成できる耐熱発光シートを提供することにある。
本発明者は、耐熱シートを各種被着体に焼成して、バーコード、二次元コード等のパターンを有する耐熱ラベルを、該被着体上に形成する場合において、耐熱性、耐薬品性及び耐久性に優れ、且つ強度的に優れ、しかも暗所で目視においても、あるいはカメラによる画像の自動認識においても容易に認識できる耐熱ラベルを形成できる耐熱発光シートを開発すべく、鋭意研究した。
その結果、本発明者は、加水分解性官能基含有シリコーン系樹脂に、結晶水及び/又は水酸基を有する無機化合物並びに無機系発光顔料を配合した材料で作成したシートによれば、焼成時の加熱により、該無機化合物中の結晶水及び/又は水酸基が脱水又は分解してシート中に水分が放出され、この水分により、該シリコーン系樹脂が有する加水分解性官能基が加水分解されると共に縮合反応することにより、強度的に優れた耐熱ラベルが形成されること、暗所で認識が可能であること等を見出した。本発明者は、かかる新たな知見に基づいて、更に種々検討を重ね、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の耐熱発光シートを提供するものである。
1.(A)加水分解性官能基含有シリコーン系樹脂、
(B)結晶水及び/又は水酸基を有する無機化合物、並びに
(C)無機系発光顔料を含むことを特徴とする耐熱発光シート。
2.無機化合物(B)の配合割合が、シリコーン系樹脂(A)100重量部に対して、1〜300重量部である上記項1に記載の耐熱発光シート。
3.無機系発光顔料(C)の配合割合が、シリコーン系樹脂(A)100重量部に対して、1〜100重量部である上記項1に記載の耐熱発光シート。
4.更に、無機粉末を含む上記項1に記載の耐熱発光シート。
5.無機粉末が、無機顔料、セラミック粉末、無機繊維、ガラス粉末及び金属粉末からなる群より選ばれる少なくとも一種である上記項4に記載の耐熱発光シート。
6.更に、有機樹脂を含む上記項1に記載の耐熱発光シート。
7.有機樹脂が、樹脂構造中に酸性を呈するモノマー由来部分を含んでいる上記項6に記載の耐熱発光シート。
8.シートの片面又は両面に、粘着層を有する上記項1に記載の耐熱発光シート。
9.シートの片面又は両面に、インクからなるパターンを有する上記項1に記載の耐熱発光シート。
10.耐熱ラベル用である上記項1に記載の耐熱発光シート。
耐熱発光シート
本発明耐熱発光シートは、各種被着体に貼り付けた後、焼成して、耐熱ラベル、耐熱シール等とするための素材シートである。当該シートは、特に、耐熱ラベル用として、好適である。
かかる本発明耐熱発光シートは、(A)加水分解性官能基含有シリコーン系樹脂、(B)結晶水及び/又は水酸基を有する無機化合物、並びに(C)無機系発光顔料を含むことを必須とする。
加水分解性官能基含有シリコーン系樹脂(A)
シリコーン系樹脂(A)は、無機化合物(B)及び無機系発光顔料(C)と共にシートを形成するものである。また、シリコーン系樹脂(A)は、焼成時に無機化合物(B)から発生する水分により、該シリコーン系樹脂が有する加水分解性官能基が加水分解されると共に縮合反応することにより、強度的に優れた膜を形成すると共に被着体に強固に接着する機能を有する。
シリコーン系樹脂(A)としては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン等からなるシリコーン系樹脂であって、加水分解性官能基としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜6の低級アルコキシ基を有するものが好ましい。
また、シリコーン系樹脂(A)としては、例えば、アルキッド変性シリコーン系樹脂、フェノール変性シリコーン系樹脂、メラミン変性シリコーン系樹脂、エポキシ変性シリコーン系樹脂、ポリエステル変性シリコーン系樹脂、アクリル変性シリコーン系樹脂、ウレタン変性シリコーン系樹脂等の各種変性シリコーン系樹脂であって、加水分解性官能基を有するものも使用することができる。コロイダルシリカなども用いる事も出来る。
結晶水及び/又は水酸基を有する無機化合物(B)
結晶水及び/又は水酸基を有する無機化合物(B)としては、焼成時の加熱で脱水又は分解して、水分を放出する化合物を用いることができる。その具体例としては、硫酸カルシウム2水和物、亜硫酸カルシウム2水和物、水酸化ビスマス、水酸化ニッケル、水酸化バリウム、含水珪酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、アタパルジャイト、カオリン等が挙げられる。
無機化合物(B)の平均粒子径は、通常、0.5〜20μm程度であるのが、好ましい。
無機化合物(B)が脱水又は分解して、水分を放出する温度としては、例えば、硫酸カルシウムは130〜160℃程度、亜硫酸カルシウム2水和物は100℃程度、水酸化ビスマスは100〜150℃、水酸化ニッケルは200度程度、水酸化バリウムは410度程度、含水珪酸カルシウム650〜800℃、水酸化マグネシウムは350℃程度、水酸化カルシウムは550℃程度、塩基性炭酸マグネシウムは400〜500℃、アタパルジャイトは700〜900℃、カオリンは600℃程度である。従って、それぞれの化合物の水分を放出する温度がそれぞれ異なるため、耐熱シートの焼成の温度や条件に応じて、その温度等に適した任意の化合物を、一種単独又は2種以上を組み合わせて用いればよい。何段階かに分けて、加水分解反応を起こさせたい場合は、脱水温度の異なる無機化合物を、数種類混合して用いることが特に有用である。
無機化合物(B)の配合割合は、シリコーン系樹脂(A)が有する加水分解性官能基を十分に加水分解し得る水分を放出できる量であればよい。通常、シリコーン系樹脂(A)100重量部に対して、1〜300重量部程度とするのが好ましく、10〜300重量部程度とするのがより好ましく、30〜150重量部程度とするのが特に好ましい。
無機系発光顔料(C)
無機系発光顔料(C)としては、蛍光灯の光や太陽光の光エネルギーを吸収して暗闇に光として放出する無機系蓄光顔料、及び紫外線をあびると常時自ら発光し続ける無機系蛍光顔料等を使用できる。無機系蓄光顔料の具体例としてはカルシウム、バリウム、ストロンチウム、アルミニウム、ユウロピウム、ジスプロシウム等の組み合わせからなる複合酸化物が用いられ、その発光時間が長いものが好ましい。特に、アルミニウム−ストロンチウム系複合酸化物が好ましい。発光の色がグリーン系のものは初期輝度が高く、ブルー系の物は残光時間が長い特徴がある。無機系蛍光顔料の具体例としては、ラジウム:ZnS系蛍光顔料等を含む放射性蛍光顔料等を使用できる。
無機系発光顔料(C)の平均粒子径は、通常、100μm以下程度が好ましく、50μm以下程度がより好ましく、0.05〜20μm程度が更に好ましい。
無機系発光顔料(C)の配合割合は、通常、シリコーン系樹脂(A)100重量部に対して、1〜100重量部程度が好ましく、10〜50重量部程度がより好ましい。
無機粉末
本発明シートには、必要に応じて、無機粉末を配合することができる。
無機粉末は、シリコーン系樹脂(A)、無機化合物(B)及び無機系発光顔料(C)と共にシートを形成する;シートに白色又は白色以外の種々の色を付与する;シートの耐熱性、強度、印字性等を向上させる;シートに電波吸収性、誘電性、電気抵抗性、導電性、磁性等の機能を付与する;焼成後に発生し易いクラックを防止する等の機能を有する。
無機粉末としては、この種の用途に用いられるものをいずれも使用でき、例えば、無機顔料、セラミック粉末、無機繊維、ガラス粉末、金属粉末等を挙げることができる。無機粉末は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
無機粉末の配合割合は、シートの取り扱い性、強度、隠蔽力等に応じて適宜決定することができる。通常、シリコーン系樹脂(A)100重量部に対して、0〜300重量部程度が好ましく、30〜150重量部程度がより好ましい。
無機顔料としては、例えば、白色顔料、赤色顔料、青色顔料、黒色顔料、黄色顔料、緑色顔料、桃色顔料等の無機顔料を挙げることができる。無機顔料の平均粒子径は、通常、100μm以下程度が好ましく、50μm以下程度がより好ましく、0.05〜20μm程度が更に好ましい。
白色顔料の具体例としては、シリカ、チタニア、アルミナ、亜鉛華、ジルコニア、酸化カルシウム、マイカ等が挙げられる。
赤色顔料の具体例としては、鉄、銅、金、クロム、セレン等の金属元素を含む、例えば酸化マンガン・アルミナ、酸化クロム・酸化錫、酸化鉄、硫化カドミウム・硫化セレン等を挙げることができる。
青色顔料の具体例としては、マンガン、コバルト、銅、鉄等の金属元素を含む、例えば酸化コバルト、ジルコニア・酸化バナジウム、酸化クロム・五酸化二バナジウム等を挙げることができる。
黒色顔料の具体例としては、鉄、銅、マンガン、クロム、コバルト等の金属元素を含む、例えば酸化クロム・酸化コバルト・酸化鉄・酸化マンガン、クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム等を挙げることができる。
黄色顔料の具体例としては、バナジウム、錫、ジルコニウム、クロム、チタン、アンチモン等の金属元素を含む、例えばジルコニウム・珪素・プラセオジムの複合酸化物、バナジウム・錫の複合酸化物、クロム・チタン・アンチモンの複合酸化物等を挙げることができる。
緑色顔料の具体例としては、クロム、アルミニウム、コバルト、カルシウム等の金属元素を含む、例えば酸化クロム、コバルト・クロムの複合酸化物、アルミナ・クロムの複合酸化物等を挙げることができる。
桃色顔料の具体例としては、鉄、珪素、ジルコニウム、アルミニウム、マンガン等の金属元素を含む、例えばアルミニウム・マンガンの複合酸化物、鉄・珪素・ジルコニウムの複合酸化物等を挙げることができる。
セラミック粉末としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化ルテニウム(RuO)、炭化珪素(SiC)、酸化鉄(Fe)、マグネタイト(Fe)等の粉末を挙げることができる。セラミック粉末の平均粒子径は、通常、100μm以下程度が好ましく、50μm以下程度がより好ましく、0.05〜20μm程度が更に好ましい。
無機繊維は、シートの強度向上、クラック防止等のために添加する成分であり、例えば、炭化珪素ウイスカー、窒化珪素ウイスカー、アルミナウイスカー、チタン酸塩ウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、マグネシアウイスカー、硼酸アルミニウムウイスカー等を挙げることができる。
無機繊維の平均繊維長は、200μm以下程度であるのが好ましく、1〜50μm程度であのがより好ましい。また、平均繊維長が平均繊維径の3倍以上であるのが好ましく、5〜60倍程度であるのがより好ましい。平均繊維長が平均繊維径の3倍未満であると、繊維同士の絡み合いが少なくなり、シートの強度改善や、クラック防止効果が望めない。
また、無機繊維として、長い繊維を適当な長さに切断したガラスファイバー又はカーボンファイバー、ナノレベルの極小ファイバーであるカーボンナノチューブ等を使用することもできる。
ガラス粉末は、シートの焼成工程において溶融固化するので、これを添加することにより更に強度に優れた耐熱ラベルを形成できる。ガラス粉末の平均粒子径は、通常、100μm以下程度が好ましく、50μm以下程度がより好ましく、0.05〜20μm程度が更に好ましい。ガラス粉末としては、シートの焼成温度に応じて適当なものを用いて良い。例えば、焼成温度が400〜500℃程度の場合は燐酸ガラス系、ビスマスガラス系等の粉末を、又焼成温度が500〜800℃程度の場合はホウ珪酸ガラス系等の粉末を、用いうる。
金属粉末は、これを添加することにより、得られる耐熱ラベルに、導電性、遮光性、電波遮断性、電気抵抗性等の特性を付与することができる。金属粉末は、金属を粉体化したものであり、形状は、破片状、球状、ブロック状、顆粒状、フレーク状、針状、燐片状などの形状が有り、目的に応じて選択すればよい。金属粉末の平均粒子径は、0.01μm〜1.0mm程度が好ましく、0.1μm〜500μm程度がより好ましい。金属の種類は特に限定されないが、焼成時に酸化せず安定な金属が好ましい。具体的には、例えば、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、錫、鉄、ステンレス、金、銀、白金、パラジウム、銅、金属珪素、チタン、これらの合金等を挙げることができ、導電性等の目的に応じて、適宜選択すればよい。
有機樹脂
有機樹脂としては、シート形成時に最適な強度、柔軟性などを付与でき、且つ焼成工程で、十分分解して灰分を残さないものであることが望ましい。また、焼成工程で、有機樹脂が熱分解したときに、樹脂中の酸性成分がシリコーン系樹脂(A)の加水分解性官能基の加水分解を促進して、シートの強度を向上させると共にシートを被着体に強固に接着させることから、有機樹脂が、樹脂構造中に酸性を呈するモノマー由来部分を含んでいることが望ましい。
有機樹脂の配合割合は、シートの強度、柔軟性等に応じて適宜決定することができる。通常、シリコーン系樹脂(A)100重量部に対して、5〜300重量部程度が好ましく、10〜150重量部程度がより好ましい。
有機樹脂の具体例としては、例えば、炭化水素系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アセタール系樹脂、ブチラール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、繊維素系樹脂等を挙げることができる。また、有機バインダー樹脂として、種々のロウ、ワックス等を用いることもできる。特に、比較的低温で焼成する場合には、有機樹脂として、アクリル系樹脂が適している。上記各種樹脂の原料モノマーとして用いることができる酸性を呈するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
シートの製造及び耐熱ラベルの形成
本発明シートは、例えば、加水分解性官能基含有シリコーン系樹脂(A)及び無機化合物(B)と無機系発光顔料(C)、必要に応じて、無機粉末、有機樹脂等の任意成分とを、有機溶剤等を用いてボールミル等で分散して混合液とし、この混合液を、離型フィルム等のセパレーターの如き支持体の上に展開して乾燥させる方法などにより、製造することができる。乾燥条件は、通常、50〜110℃程度で、10〜60分間程度とするのが適当である。
上記混合液の調製の際には、必要に応じて、分散剤、可塑剤、助燃剤等の添加剤を適宜配合することができる。混合液の固形分濃度は、特に限定されないが、展開性等に優れる点から、通常、5〜85重量%程度とするのが好ましい。
上記有機溶剤としては、特に限定されないが、通常、例えば、トルエン、キシレン、ブチルカルビトール、酢酸エチル、ブチルセロソルブアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を用いることができる。
展開方式は、ドクターブレード法、グラビアロールコータ法等の層厚制御性に優れる方式が好ましい。形成するシートの厚さは、乾燥膜厚で、通常、1μm〜10mm程度であるのが好ましく、20〜200μm程度であるのがより好ましい。厚さが、1μm未満程度では強度に乏しく、10mmを超えると焼成時にクラック等が発生しやすくなる。
本発明シートを自動認識用の耐熱ラベルとして使用する場合には、乾燥後のシートの片面又は両面に、自動認識で用いられるバーコード、二次元コード等の任意のパターンを、公知のインクを用いて、印刷等によって形成する。また、自動認識されるパターン以外の文字、絵、記号等のパターンを形成しても良い。
形成させるパターンの代表例を、図面に示す。図1は、マトリックス型二次元コードの例を示したものである。図2は、バーコードの例を示したものである。
上記インクとしては、通常は耐熱性インクを用いるのが好ましい。しかし、耐熱ラベルの焼成条件や使用条件が、例えば300℃程度の比較的低温である場合には、カーボンインクの様な非耐熱性インクを使用してもよい。
耐熱性インクに使用される着色顔料としては、耐熱性、耐食性、耐久性などに優れ、且つ焼成後のラベルの色との間に明確なコントラストを示す物であれば特に限定されない。ラベルが白色又は白色に近い色を呈する場合には、Fe、Cr、Co、Mnなどの単一金属の酸化物、あるいはこれら金属の複合酸化物等の着色顔料が挙げられる。
本発明シートを、被着体に、焼成工程までの間仮に固定するために、シートの片面又は両面に粘着剤を付与することもできる。
粘着剤は、焼成温度及び被着体の材質などに応じて便宜に選択できる。粘着剤の具体例としては、例えば、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアクリルエーテル系粘着剤、エポキシ系粘着剤などが挙げられる。
シリコーン系粘着剤は、通常の焼成の温度範囲で用いることができる。シリコーン系粘着剤は、特にセラミックシート等の毛羽だった被着体に有用である。
エポキシ系粘着剤は、コンクリート製の建材の様な被着体に優れた接着性を示す。
焼成温度が400℃以上である場合には、200〜300℃程度の比較的低温で分解して消失しうるゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤が好ましく用いられる。その例としては天然ゴムないしこれと同系の合成ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソブチレン・スチレンブロック共重合体ゴム等のゴム系ポリマーの単独物;かかるゴム系ポリマー又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルのポリマーを主体とするポリマー100重量部に、石油系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、キシレン系樹脂等の粘着付与剤を10〜300重量部程度、必要に応じて、軟化剤、酸化防止剤、着色剤等を配合してなるものが挙げられる。
粘着剤は、ドクターブレード法、グラビアロールコータ法等の層厚制御性に優れる展開方式で、一旦、セパレーターの如き支持体の上に展開され、乾燥後、シートに貼り合わせられる。形成される粘着層の厚みは、通常、1μm〜100μm程度であるのが好ましく、5〜20μm程度であるのがより好ましい。その厚さが、1μm未満では粘着性に乏しく、100μmを超えると焼成時に灰分が残り易くなる。
本発明シートは、被着体に貼り付けた後、焼成して、強固に被着体に焼き付けることにより、耐熱ラベルとすることができる。焼成工程の条件は、通常、200〜800℃程度の温度で、10〜60分間程度である。また、焼成時の雰囲気としては、特に限定されず、酸化雰囲気、非酸化雰囲気又は還元雰囲気であってよく、より具体的には、空気雰囲気、窒素雰囲気、不活性ガス雰囲気等のいずれの雰囲気であっても構わない。
上記被着体としては、熱処理工程を必要とする各種工業製品又はその容器に限られず、耐熱ラベルを必要とする種々の物品を被着体とすることができる。特に、ガラス製、金属製、セラミック製、コンクリート製等の物品を被着体とすることが好ましい。
本発明の耐熱発光シートによれば、次のような顕著な効果が得られる。
(1)本発明シートを、各種被着体に貼り付けた後、焼成することにより、耐熱性、耐薬品性及び耐久性に優れ、且つ強度的にも優れ、しかも暗視可能な耐熱ラベルを形成できる。
(2)従って、本発明シートは、照明装置のない場所でもラベルの発光により認識することができ、熱処理工程を有する各種工業製品の生産自動化に貢献することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより一層具体的に説明する。
実施例1
加水分解性官能基含有シリコーン系樹脂(商品名「KR−255」、信越化学(株)製、ブトキシ基含有メチルフェニルシリコーン樹脂、分子量3×10)100重量部、チタン酸カリウムウィスカー(商品名「Tismo D」、大塚化学(株)製)50重量部、平均粒子径10μmの水酸化マグネシウム30重量部、樹脂構造中に酸性を呈するモノマー由来部分を含んでいるアクリル系樹脂(商品名「B66」、ロームアンドハース社製、分子量:7×10)110重量部、平均粒子径20μmの発光顔料(商品名「EZCG」、イージーブライト(株)製)20重量部、及びトルエン50重量部を、ボールミルで均一に混合して、ペースト状とした後、ドクターブレード法により、離型フィルム上に塗布し、75℃で30分間乾燥後、剥離して、厚さ70μmの本発明シートを得た。
次に、アクリル系粘着剤(商品名「BPS」、東洋インク製造(株)製)を離型フィルムにドクターブレード法にて塗工し、それを前記シートの片面に移着して、厚さ15μmの粘着層付きシートを得た。このシートを、被着体のガラス板に貼り付け、450℃で30分間、空気雰囲気中で焼成したところ、ガラス板上に、強度、耐熱性、耐薬品性等に優れた耐熱ラベルを形成することができた。その焼成されたラベルを自然光に10分程度照らした後、暗所に持っていくとラベルが黄緑色に発光することが確認できた。
実施例2
加水分解性官能基含有シリコーン系樹脂(商品名「KR−255」、信越化学(株)製、ブトキシ基含有メチルフェニルシリコーン樹脂、分子量3×10)100重量部、チタン酸カリウムウィスカー(商品名「Tismo D」、大塚化学(株)製)40重量部、平均粒子径10μmの硫酸カルシウム2水和物15重量部、平均粒子径10μmの水酸化マグネシウム15重量部、樹脂構造中に酸性を呈するモノマー由来部分を含んでいるアクリル系樹脂(商品名「B66」、ロームアンドハース社製、分子量:7×10)110重量部、平均粒子径20μmの発光顔料(商品名「EZCB」、イージーブライト(株)製)30重量部、及びトルエン50重量部を、ボールミルで均一に混合して、ペースト状とした後、ドクターブレード法により、離型フィルム上に塗布し、75℃で30分間乾燥後、剥離して、厚さ70μmの本発明シートを得た。
次に、アクリル系粘着剤(商品名「BPS」、東洋インク製造(株)製)を離型フィルムにドクターブレード法にて塗工し、それを前記シートの片面に移着して、厚さ15μmの粘着層付きシートを得た。このシートを、被着体のガラス板に貼り付け、450℃で30分間、空気雰囲気中で焼成したところ、ガラス板上に、強度、耐熱性、耐薬品性等に優れた耐熱ラベルを形成することができた。その焼成されたラベルを自然光に10分程度照らした後、暗所に持っていくとラベルが青緑色に発光することが確認できた。
図1は、マトリックス型二次元コードの例を示したものである。 図2は、バーコードの例を示したものである。

Claims (10)

  1. (A)加水分解性官能基含有シリコーン系樹脂、
    (B)結晶水及び/又は水酸基を有する無機化合物、並びに
    (C)アルミニウム−ストロンチウム系複合酸化物及び/又はラジウム:ZnS系蛍光顔料
    含むことを特徴とする耐熱発光シート。
  2. 無機化合物(B)の配合割合が、シリコーン系樹脂(A)100重量部に対して、1〜300重量部である請求項1に記載の耐熱発光シート。
  3. アルミニウム−ストロンチウム系複合酸化物及び/又はラジウム:ZnS系蛍光顔料(C)の配合割合が、シリコーン系樹脂(A)100重量部に対して、1〜100重量部である請求項1又は2に記載の耐熱発光シート。
  4. 更に、無機粉末を含む請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱発光シート。
  5. 無機粉末が、無機顔料、セラミック粉末、無機繊維、ガラス粉末及び金属粉末からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項4に記載の耐熱発光シート。
  6. 更に、有機樹脂を含む請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱発光シート。
  7. 有機樹脂が、樹脂構造中に酸性を呈するモノマー由来部分を含んでいる請求項6に記載の耐熱発光シート。
  8. シートの片面又は両面に、粘着層を有する請求項1〜7のいずれかに記載の耐熱発光シート。
  9. シートの片面又は両面に、インクからなるパターンを有する請求項1〜8のいずれかに記載の耐熱発光シート。
  10. 耐熱ラベル用である請求項1〜9のいずれかに記載の耐熱発光シート。
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