JP4488640B2 - 印刷用シート及び印刷シート - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、反射率と取扱性に優れて管理ラベル等の形成に好適な焼付用の印刷用シート及びそれを用いた耐熱性に優れる熱転写式の印刷シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アルミニウム製品のアニール工程やブラウン管の製造工程の如く高温雰囲気におかれる物品の管理ラベルなどとして用いうる印刷シートとしては、ガラス系グリーンシートにガラス粉末含有のインク情報を付与して焼成により焼付るようにしたもの、ポリオルガノシロキサンにて無機粉末を保形したシートにインク情報を付与したものが知られていた(特開平7−334088公報、特願平8−228667号、特許第2654735号、WO93/07844)。しかしながら脆くて破損しやすく、斯かる印刷シートに粘着層を設けてラベル等としそれを被着体に手作業にて接着することが困難な問題点があった。
【0003】
【発明の技術的課題】
本発明は、現場等にて臨機にインク情報を付与して印刷シートとしそれを手作業にて被着体に破損なく容易に仮着して焼付けて耐薬品性や耐熱性、耐候性や反射率等に優れる焼成シートを形成できる取扱性に優れる印刷用シートの開発を課題とする。
【0004】
【課題の解決手段】
本発明は、少なくとも、針状結晶物である無機粉末とケイ素含有バインダとを用いた混合物をシート形態に保形してなるインク受容層の片面に、セルロース系ポリマー層を有してなり、前記のケイ素含有バインダが、トリメチルシロキシケイ酸又は一般式:R3SiO−(ただしRは化合物基である。)にて表される一官能性のM単位と、Si(O−)4にて表される四官能性のQ単位との重合体からなり、
インク受容層がシリコーンゴム及びセルロース系ポリマーの少なくとも一方を含有し、セルロース系ポリマー層がエチルセルロースからなることを特徴とする印刷シート、及びその印刷用シートのインク受容層に熱転写インク情報を付与したことを特徴とする印刷シートを提供するものである。
【0005】
【発明の効果】
本発明による印刷用シートは、セルロース系ポリマー層にてインク受容層が強力に保持され破損しにくくて取扱性に優れており、かつ柔軟性にも優れてそのインク受容層に熱転写方式等の適宜な方式でインク情報を付与して多種多様な印刷シートを現場等にて臨機に形成でき、それを被着体の曲面部等にも手作業にて破損なく容易に接着させて加熱処理下に密着性よく簡便に焼付ることができ、付与情報を良好に温存した焼成シートを形成することができる。
【0006】
また形成された焼成シートは、焼成によりケイ素含有バインダが変化して生成したシリカを介し強固に焼結されて無機粉末を強力に結着保持し、耐薬品性や耐熱性、耐候性や反射率等に優れており、例えばアルミニウム製品のアニール工程やブラウン管の製造工程等の管理ラベルなどとして利用することができる。
【0007】
【発明の実施形態】
本発明による印刷用シートは、少なくとも、針状結晶物である無機粉末とケイ素含有バインダとを用いた混合物をシート形態に保形してなるインク受容層の片面に、セルロース系ポリマー層を有してなり、前記のケイ素含有バインダが、トリメチルシロキシケイ酸又は一般式:R3SiO−(ただしRは化合物基である。)にて表される一官能性のM単位と、Si(O−)4にて表される四官能性のQ単位との重合体からなり、インク受容層がシリコーンゴム及びセルロース系ポリマーの少なくとも一方を含有し、セルロース系ポリマー層がエチルセルロースからなるものであり、印刷シートは斯かるインク受容層に熱転写インク情報を付与したものである。
【0008】
前記の印刷用シートの例を図1に、印刷シートの例を図2に示した。1が印刷用シートであり、11がインク受容層、12がセルロース系ポリマー層である。また3が熱転写インク情報である。さらに2は必要に応じて設けられる粘着層で、21はセパレータであり、4は被着体である。なお図2では印刷シートを被着体4に粘着層2を介して仮着した状態を示しており、焼成後の焼成シートではそのセルロース系ポリマー層12と粘着層2が消失した状態で被着体に焼付られたものとなる。
【0009】
印刷用シートは、片面にセルロース系ポリマー層を有するインク受容層がシート形態で存在すればよく、従って適宜な形態に形成することができる。ちなみにその例としては図例の如くシートのセルロース系ポリマー層12の側に粘着層2を有する形態、インク受容層の形成材を繊維布や不織布等の有孔基材などに含浸させてインク受容層11を形成した形態などがあげられる。その有孔基材等は、例えばポリエステルやポリイミド、フッ素樹脂やポリアミド等からなるポリマーの如く加熱処理時に消失するもので形成されていてもよいし、ガラスないしセラミックや金属の如く加熱処理により消失しないもので形成されていてもよい。
【0010】
インク受容層の形成には少なくとも無機粉末とケイ素含有バインダが用いられる。その無機粉末は、耐熱性の向上(通常約500℃以下、好ましくは約800℃以下)と印刷シートの地色を形成するためのものである。従って金属粉やセラミック粉などの適宜なものを用いることができる。無機粉末の粒径は、50μm以下、就中0.05〜20μmが一般的であるがこれに限定されない。なお無機粉末をマイカの如き薄片母体に付着させてフレーク状の粉末として配合することは、反射率ないし隠蔽力(被着体の地色の隠蔽)の向上に有効である。
【0011】
一般に用いられる無機粉末の例としては、シリカやチタニア、アルミナや亜鉛華、ジルコニアや酸化カルシウム、マイカやチタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウムなどの白色物があげられる。また印刷シートを加熱処理する際の温度以下で酸化されて斯かる酸化物型の白色系セラミックとなる炭酸塩や硝酸塩や硫酸塩の如き金属化合物などもあげられる。就中チタン酸カリウムやホウ酸アルミニウムの如く針状結晶物であるものが白色度や焼結強度等の点より好ましく用いうる。
【0012】
また酸化マンガン・アルミナ、酸化クロム・酸化錫、酸化鉄、硫化カドミウム・硫化セレン等の赤色物、酸化コバルト、ジルコニア・酸化バナジウム、酸化クロム・五酸化二バナジウム等の青色物、酸化クロム・酸化コバルト・酸化鉄・酸化マンガンやクロム酸塩、過マンガン酸塩等の黒色物、ジルコニウム・珪素・プラセオジム、バナジウム・錫、クロム・チタン・アンチモン等の黄色物、酸化クロム、コバルト・クロム、アルミナ・クロム等の緑色物、アルミニウム・マンガン、鉄・珪素・ジルコニウム等の桃色物なども無機粉末の例としてあげられる。
【0013】
ケイ素含有バインダとしてはトリメチルシロキシケイ酸又は一般式:R3SiO−にて表される一官能性のM単位と、Si(O−)4にて表される四官能性のQ単位との重合体(MQレジン)からなる、例えばシリコーン系粘着剤のタッキファイアーなどとして公知の適宜なものを用いうる。なお前記一般式におけるRは例えば、メチル基やエチル基やプロピル基の如き脂肪族炭化水素基やフェニル基の如き芳香族炭化水素基、ビニル基の如きオレフィン基等の有機基、又はビドロキシル基の如き加水分解可能な基などの適宜な構造単位を有する化合物基であってよい。好ましく用いうるケイ素含有バインダは、保形力に優れるものである。
【0014】
インク受容層の形成は例えば、無機粉末とケイ素含有バインダのそれぞれ1種又は2種以上を必要に応じ有機溶剤等を用いてボールミル等で混合し、その混合液を適宜な方式で必要に応じ有孔基材やセパレータの如き支持材の上に展開して乾燥させる方法などにより行うことができる。その場合、無機粉末とケイ素含有バインダの使用割合は、印刷用シートの取扱性や印刷シートの強度、焼成シートの強度や隠蔽力などに応じて適宜に決定しうる。一般にはケイ素含有バインダ100重量部あたり10〜500重量部、就中20〜200重量部、特に40〜100重量部の無機粉末が用いられる。
【0015】
インク受容層の形成に際しては柔軟性や耐薬品性、保形力やインク定着性の向上などを目的に、例えばシリコーンゴムやセルロース系ポリマー、炭化水素系ポリマーやビニル系ないしスチレン系ポリマー、アセタール系ポリマーやブチラール系ポリマー、アクリル系ポリマーやポリエステル系ポリマー、ウレタン系ポリマーや繊維素系ポリマー、各種のロウないしワックス等の有機化合物などを必要に応じて配合することができる。斯かる必要に応じての配合剤は、それぞれ1種又は2種以上を用いうる。
【0016】
柔軟性や保形力、耐薬品性の向上などにはシリコーンゴムの併用が特に好ましい。そのシリコーンゴムとしては適宜なものを用いることができ特に限定はない。フェノール変性物やメラミン変性物、エポキシ変性物やポリエステル変性物、アクリル変性物やウレタン変性物等の各種変性シリコーンゴムなども用いうる。好ましく用いうるシリコーンゴムは、保形力や柔軟性に優れるものである。
【0017】
シリコーンゴムの使用量は、耐薬品性の向上性などの点よりケイ素含有バインダ100重量部あたり1〜1000重量部、就中5〜500重量部、特に10〜200重量部が好ましい。なおシリコーンゴムを併用する場合、上記した無機粉末の使用割合は、ケイ素含有バインダとシリコーンゴムの合計量に基づくことが印刷用シートの取扱性や印刷シートの強度、焼成シートの強度や隠蔽力などの点より好ましい。
【0018】
一方、熱転写方式によるインクの定着性や印刷用シートの強度向上などの点よりはエチルセルロースの如きセルロース系ポリマーを併用することが特に好ましい。シリコーンゴム以外の上記した有機化合物の使用量は、ケイ素含有バインダ100重量部あたり、あるいはシリコーンゴム併用の場合にはそれらの合計100重量部あたり1〜1000重量部、就中5〜200重量部、特に10〜100重量部が一般的であるがこれに限定されない。
【0019】
なお上記したインク受容層形成用の混合液の調製に必要に応じて使用する有機溶剤としては適宜なものを用いうる。一般にはトルエンやキシレン、ブチルカルビトールや酢酸エチル、ブチルセロソルブアセテートやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが用いられる。混合液は、限定するものではないが展開性等の点より固形分濃度が5〜85重量%となるように調製することが好ましい。その調製に際しては必要に応じて分散剤や可塑剤や助燃剤などの適宜な添加剤を配合することができる。
【0020】
混合液の展開方式は、任意であるが例えばドクターブレード法やグラビアロールコータ法等の層厚制御性に優れる方式が好ましい。消泡剤を併用するなどして展開層中に気泡が残らないよう十分に脱泡処理することが好ましい。形成するインク受容層の厚さは、適宜に決定しうるが一般には1μm〜5mm、就中10μm〜1mm、特に20〜200μmとされる。
【0021】
図例の如くインク受容層11の片面に設けるセルロース系ポリマー層12は、印刷用シートの取扱性の向上を目的とし、これにより熱転写インク情報を付与して印刷シートとしたのち粘着層等を介してそれを手作業にて破損なく被着体に接着処理することができる。また斯かるセルロース系ポリマー層による補強は、焼成処理にて被着体に強固に焼付できるようにすることを目的とする。
【0022】
すなわち印刷用シートは、そのまま又はそれに情報を付与した印刷シートとして被着体に接着して加熱し、加熱処理下に斯かる印刷用シートないし印刷シートを焼成してその焼成シート(加熱処理体)を被着体に焼付るものであるが、その焼付時に印刷用シートにおけるセルロース系ポリマー層や必要に応じての粘着層等の有機成分は消失する。その場合に当該層をセルロース系ポリマーにて形成することにより前記の焼付を良好に行うことができて、被着体に強固に固着させることができる。セルロース系ポリマー以外の層では剥離現象を生じて被着体への焼付が困難となる。
【0023】
前記のセルロース系ポリマーとしては、補強性と焼付性の両立性等の点よりエチルセルロースが好ましく用いられ、特にインク受容層にエチルセルロースを配合した場合にはそれと同一組成のものが好ましく用いられる。セルロース系ポリマー層の形成は、上記したインク受容層形成用の混合液を展開する際の支持材としてセルロース系ポリマーフィルムを用いる方式やセルロース系ポリマーの溶液をインク受容層上に塗工して乾燥皮膜とする方式などの適宜な方式にて行うことができ、その厚さは高速焼成性や補強効果等の点より1〜100μm、就中3〜70μm、特に5〜40μmが好ましい。
【0024】
印刷用シートは、加熱による分解ガスのスムーズな揮散などを目的にポーラスな形態とすることもできる。ちなみに仮着用の粘着層を設けた場合などにはその加熱による分解ガスで印刷シートが膨らむときがあり、ポーラスな印刷用シートとすることでそれを予防することができる。ポーラスな印刷用シートの形成は例えば、パンチング方式等で印刷用シートに微細な孔を多数形成する方法などの適宜な方法にて行うことができる。
【0025】
印刷用シートは、そのまま又はそれに情報を付与した印刷シートとして被着体に焼付る用途に好ましく用いうる。その焼付処理に際しては印刷用シートに被固着物を付設し、これを加熱して当該加熱処理体を介し被固着物を被着体に固着する方法も採ることができる。
【0026】
印刷用シート又は印刷シートは、それ自体の粘着力にて被着体に仮着しうる場合もあるがその仮着力の向上等を目的に必要に応じて図例の如く粘着層2を設けることもできる。粘着層は、印刷用シート等を被着体に仮着して加熱処理に供するまでの適宜な段階で設けることができる。従って印刷用シートに情報を付与して印刷シートとする前に予め設けうる、印刷シートとしたのちに設けることもできる。なお図例の如く粘着層は、印刷用シートにおけるセルロース系ポリマー層の側に設けられる。
【0027】
粘着層の形成には、例えばゴム系やアクリル系、シリコーン系やビニルアルキルエーテル系の粘着剤などの適宜な粘着性物質を用いうる。粘着層の付設は、ドクターブレード法やグラビアロールコータ法等の適宜な塗工方法で粘着性物質を印刷用シートないし印刷シートの所定面に塗工する方式や、前記に準じてセパレータ上に設けた粘着層を印刷用シート等の所定面に移着する方式などの適宜な方式で行うことができる。
【0028】
粘着層の厚さは、被着体等の使用目的などに応じて決定しうるが一般には1〜500μm、就中5〜200μm、特に10〜50μmとされる。また粘着層は、加熱処理時の分解ガスのスムーズな揮散などを目的にロータリースクリーン法などの適宜な塗工方法にて点在状態に設けることもできる。なお設けた粘着層に対しては、それを被着体に仮着するまでの間、セパレータ等で被覆して汚染等を防止することが好ましい。印刷用シートないし印刷シートの被着体への仮着にはロボットなどによる自動接着方法なども採りうるが、本発明は手作業による接着方法等の過酷な取扱に耐えるようにしたものである。
【0029】
印刷シートの形成は、印刷用シートにインク情報や孔又は凹凸からなる彫刻情報を付与する方式や印刷用シートを適宜な形態に打抜く方式などの適宜な方式にて行いうる。前記の情報要素を複合させたものやその他の種々の方式で形成した情報の複合情報を有するものなどからなる印刷シートも形成することができる。
【0030】
前記のインク情報は、手書き方式やパターンマスクを介しての塗布方式、転写紙に設けたパターンの転写方式やプリンタによる形成方式などの適宜な印刷方式にて印刷用シートのインク受容層に付与することができる。就中プリンタ、特に熱転写プリンタによる印刷方式が任意なインク情報を臨機に、かつ精度よく、しかも効率的に付与できる点などより好ましい。
【0031】
インクとしては顔料等の着色剤、就中、無機系等の耐熱性の着色剤を用いた適宜なものを用いることができ、加熱処理による定着力の向上などを目的にガラスフリットなどを含有していてもよい。熱転写プリンタ等に適用するための印字リボンの如きインクシートは例えば、斯かるインクにワックスやポリマー等のバインダを添加してフィルムや布等からなる支持基材に保持させることにより得ることができる。従って熱転写方式等にて公知のインクやそのインクシートを用いて熱転写インク情報を形成することができる。
【0032】
付与するインク情報は、任意であり、例えば印字情報や絵柄パターン、バーコードパターンなどの適宜なインク情報を付与してよい。なお管理ラベル等の識別ラベルを形成する場合などには、加熱処理後における焼成シートとインク情報とに良好なコントラスト、ないし色調の相違が形成されるようにすることが好ましい。印刷用シートにインク情報ないし形態を付与する段階は、印刷用シートを被着体に仮着する前後のいずれであってもよい。プリンタによりインク情報を形成する場合には予めインク情報を付与した印刷シートとして、それを被着体に仮着する方式が通例である。
【0033】
被着体に仮着した印刷用シートないし印刷シートの加熱処理は、被着体の耐熱性などに応じて適宜な加熱条件で行うことができる。一般には1200℃以下、就中200〜650℃、特に350〜550℃の加熱温度とされる。加熱処理によりセルロース系ポリマー層や粘着層等の有機成分は消失しつつ、インク受容層を形成するケイ素含有バインダ等がインク情報と融和しつつ硬化し、焼成シート化して被着体に焼付(固着)られる。
【0034】
本発明による印刷用シートないし印刷シートは、例えば陶磁器やガラス製品、セラミック製品や金属製品、琺瑯製品等の種々の物品への絵付け、着色ないし色別情報やバーコード等からなる識別マークの付与などの種々の目的に好ましく用いうる。就中、熱硝酸への浸漬にも耐えてそのインク情報を良好に保持する等の優れた耐薬品性を有することなどより、例えばアルミニウム製品のアニール工程や、ブラウン管の製造からそれをリサイクルしてリワーク部品を回収するまでの管理ラベルの形成などに好ましく用いうる。なお被着体は、平板形態や容器等の曲面形態などの任意な形態を有するものであってよい。
【0035】
【実施例】
実施例1
MQレジン130部(重量部、以下同じ)及び重量平均分子量が約30万のシリコーンゴム30部(いずれも信越化学工業社製)、チタン酸カリウム80部、エチルセルロース60部をトルエンにて均質に混合し、その分散液を厚さ75μmのポリエステルフィルム上にドクターブレード法にて塗工し乾燥させて厚さ60μmのインク受容層を形成し、そのインク受容層上に前記と同一組成のエチルセルロースの10重量%トルエン溶液をドクターブレード法にて塗工し乾燥させて厚さ20μmの層を形成して印刷用シートを得た。
【0036】
一方、重量平均分子量が約100万のポリブチルアクリレート100部を含むトルエン溶液をシリコーン系剥離剤で処理した厚さ70μmのグラシン紙からなるセパレータ上にドクターブレード法にて塗工し乾燥させて厚さ20μmの粘着層を形成し、それを前記のエチルセルロース面に接着してポリエステルフィルムを剥離し、粘着層付きの印刷用シートとした。
【0037】
ついで前記印刷用シートのインク受容層に、金属酸化物系黒色顔料とビスマスガラスを含有するワックス系インクを保持した市販のインクリボンと熱転写プリンタを用いてバーコードからなる熱転写インク情報を付与し印刷シートを得た。
【0038】
実施例2
チタン酸カリウムに代えて、ホウ酸アルミニウムを用いたほかは実施例1に準じて、印刷用シートと印刷シートを得た。
【0039】
比較例1
インク受容層の裏面に設けたエチルセルロース層をポリエステル層に代えたほかは実施例1に準じて、印刷用シートと印刷シートを得た。
【0040】
比較例2
エチルセルロース層を設けないほかは実施例1に準じて、印刷用シートと印刷シートを得た。
【0041】
評価試験
実施例、比較例で得た印刷シートをそれよりセパレータを剥がしてその粘着層を介し手作業にてアルミニウム板に仮着し、530℃で30分間加熱処理(空気中)し、白色地の上に黒色のバーコードからなるインク情報を鮮明な状態で有する焼成シートが焼付固着したアルミニウム板を得、その場合の印刷シートの強度、焼成シートの焼結強度及び反射率を調べた。なお前記の加熱処理により印刷用シートにおけるエチルセルロース層や粘着層等の有機成分は焼失した。また焼成シートは、MQレジン又は/及びシリコーンゴムがシリカに変質して硬化物として残存したものであった。
【0042】
また前記した印刷シートの強度(シート強度)は、次の基準で評価した。
良好:手による通常の仮着作業において破損の発生なく取扱えた場合。
脆い:前記作業で破損が生じた場合。
【0043】
さらに焼成シートの焼結強度は、焼成シートの表面を綿布で擦りインク情報の定着力、及びアルミニウム板との固着力を調べ、次の基準で評価した。
良好:焼成シートの脱落なく、インク情報が試験前と同じ判読性を維持した場合。
剥離:焼成過程でシートがアルミニウム板より剥がれて焼付不良となった場合。
【0044】
加えて焼成シートの反射率は、焼成シートの白色地における反射率を波長400〜800nmの光について調べた。
【0045】
前記の結果を次表に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷用シート例の断面図
【図2】印刷シート例の断面図
【符号の説明】
1:印刷用シート(11:インク受容層 12:セルロース系ポリマー層)
2:熱転写インク情報 3:粘着層 4:被着体
Claims (3)
- 少なくとも、針状結晶物である無機粉末とケイ素含有バインダとを用いた混合物をシート形態に保形してなるインク受容層の片面に、セルロース系ポリマー層を有してなり、
前記のケイ素含有バインダが、トリメチルシロキシケイ酸又は一般式:
R3SiO−
(ただしRは化合物基である。)
にて表される一官能性のM単位と、Si(O−)4にて表される四官能性のQ単位との重合体からなり、
インク受容層がシリコーンゴム及びセルロース系ポリマーの少なくとも一方を含有し、
セルロース系ポリマー層がエチルセルロースからなることを特徴とする印刷用シート。 - 請求項1において、シートのセルロース系ポリマー層側に粘着層を有する印刷用シート。
- 請求項1又は2に記載の印刷用シートのインク受容層に熱転写インク情報を付与したことを特徴とする印刷シート。
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