JPH06236150A - パターン形成用シート及び焼成用ラベル - Google Patents

パターン形成用シート及び焼成用ラベル

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JPH06236150A
JPH06236150A JP4591493A JP4591493A JPH06236150A JP H06236150 A JPH06236150 A JP H06236150A JP 4591493 A JP4591493 A JP 4591493A JP 4591493 A JP4591493 A JP 4591493A JP H06236150 A JPH06236150 A JP H06236150A
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JP
Japan
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pattern
forming sheet
baking
label
firing
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JP4591493A
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English (en)
Inventor
Takafumi Sakuramoto
孝文 櫻本
Takashi Tominaga
孝志 富永
Hirotaka Matsuura
広隆 松浦
Kazuhiro Tajiri
和洋 田尻
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パターンの付与時や被着体への仮着時に内部
クラックやシート割れあるいは欠けを生じにくく取扱性
に優れて強靱であり、耐熱性、耐久性等に優れて良好な
焼成パターンを被着体に焼成固着できるパターン形成用
シートないし焼成用ラベルを得ること。 【構成】 無機繊維クロス(2)に無機粉末含有の有機
バインダ層(1)を保持させてなるパターン形成用シー
ト、及び前記のパターン形成用シートにパターンを設け
てなる焼成用ラベル、並びにかかるパターン形成用シー
トの打抜き体からなる焼成用ラベル。 【効果】 柔軟で曲面への適用が容易であり彫刻方式や
打抜き方式、熱転写プリンタ等の種々の手段でパターン
ないし識別形態等を臨機に付与でき、焼成で強度に優れ
る焼成パターンを形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、取扱性に優れて被着体
への識別ラベル等の焼成パターンの付与などに好適なパ
ターン形成用シート及び焼成用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】多品種少量生産へと生産体制が変遷する
なか、金属やガラスないし焼成セラミックなどからなる
製品や半製品ないし部品等の管理に用いる、耐久性、耐
熱性等に優れるラベルの提供が重要な課題となってい
る。
【0003】従来、焼成により焼成パターンを形成する
ようにしたパターン形成用シートないし焼成用ラベルと
しては、ガラス粉末を有機バインダで保形したシートに
ガラス粉末含有インクでパターンを付与したものが知ら
れていた。これによれば、柔軟性、臨機なラベル形成性
を有して焼成処理下に焼成パターンを被着体に固着で
き、形成パターンは耐候性、耐熱性、耐薬品性に優れ
る。
【0004】従って、かかるタイプのパターン形成用シ
ートないし焼成用ラベルによれば、それまでの焼成セラ
ミックや金属、琺瑯体などからなる基板タイプのラベル
が有していた、ビス止め等の固着手間による簡便固着性
欠如の問題、剛性による曲面固着性欠如の問題、現場等
でのパターン付与の困難性によるラベルの臨機形成性欠
如の問題、ないし多品種少量生産体制下での個々の部品
の管理等に必要な多種多様なラベルの形成性欠如の問題
などを克服することができる。
【0005】しかしながら、前記した従来のパターン形
成用シートないし焼成用ラベルにあっては、脆弱でパタ
ーンの付与時や被着体への仮着時にシート割れや欠けを
生じやすく取扱性に乏しい問題点があった。また見掛け
上、シート割れのない場合でも内部にクラックを有しそ
のクラックが焼成で生長して顕著なものとなり歩留を低
下させるばかりでなく、焼成固着しているため被着体本
体の商品価値も低下させる問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パターンの
付与時や被着体への仮着時に内部クラックやシート割れ
あるいは欠けを生じにくくて取扱性に優れる強靱な、従
って耐熱性、耐久性等に優れて良好な焼成パターンを被
着体に焼成固着できるパターン形成用シートないし焼成
用ラベルの開発を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、無機繊維クロ
スに無機粉末含有の有機バインダ層を保持させてなるこ
とを特徴とするパターン形成用シート、及び前記のパタ
ーン形成用シートにパターンを設けてなることを特徴と
する焼成用ラベル、並びにかかるパターン形成用シート
の打抜き体からなることを特徴とする焼成用ラベルを提
供するものである。
【0008】
【作用】上記構成のパターン形成用シートは、柔軟で良
好な曲面密着性を有し、彫刻方式、打抜き方式、熱転写
プリンタやスクリーン印刷等による適宜な印刷方式など
によりパターンないし識別形態等を臨機に付与すること
ができる。一方、焼成により付与パターンないし形態を
温存しつつ焼成体化し、被着体への仮着下に焼成固着す
ることができる。前記において無機繊維クロスは補強層
として強靱さを付与し、パターンの付与時や被着体への
仮着時にクラックや割れ、あるいは欠けの発生すること
を防止して取扱性を向上させる。
【0009】前記の結果、付与パターンないし形態を良
好に温存しつつ被着体に固着し、耐熱性、耐候性、耐薬
品性等と共に強度に優れる良好な焼成パターンを形成す
る。かかる焼成パターンは、反射光量検知式の認識装置
による自動判読なども円滑に実行することができる。
【0010】
【発明の構成要素の例示】本発明のパターン形成用シー
トは、無機粉末含有の有機バインダ層を無機繊維クロス
に保持させたものである。その例を図1に示した。1が
無機粉末含有の有機バインダ層、2が無機繊維クロスで
ある。有機バインダ層の形成は、例えば無機粉末と有機
バインダを必要に応じ有機溶媒を用いて混合し、その混
合物を展開して乾燥させるなどの方法で無機粉末を有機
バインダで凝集することにより行うことができる。
【0011】パターン形成用シートの形成に用いる無機
粉末としては、所定の焼成温度で軟化ないし溶融して被
着体に固着するものが用いられる。従ってかかる無機粉
末は焼成後に残留して焼成パターンを形成する成分であ
る。なお焼成時に変質してもよい。好ましく用いうる無
機粉末はガラス粉末であり、ガラス粉末としては適宜な
ものを用いてよく公知物のいずれも用いうる。
【0012】前記の焼成温度は被着体の耐熱性等に応じ
て適宜に決定されるものであるが通例400〜1000
℃程度であり、かかる温度で一般的に用いられるガラス
粉末としては、鉛ガラス系のもの(焼成温度400〜6
00℃)、ホウ珪酸鉛ガラス系やソーダガラス系のもの
(焼成温度500〜1000℃)などがあげられる。ま
た珪酸ガラス系や石英ガラス系のものなども焼成温度が
900℃以上の場合に一般に用いられる。
【0013】前記のガラス粉末としては2種以上を用い
てもよい。その場合、例えば焼成温度付近で軟化する高
温軟化物とそれよりも低い温度で軟化する低温軟化物の
組合せとして高軟化物による流動変形の抑制と低軟化物
による被着体への強固な固着性を示す焼成保形性と焼成
固着性に優れるものとすることもできる。
【0014】パターン形成用シートの形成に用いうる無
機粉末の他の例としては、ガラス以外のセラミック、金
属ないし合金、その酸化物などからなる粉末があげられ
る。かかる無機物は粉末以外の繊維等の形態にても用い
ることができ、これらは焼成残留成分で一般に焼成によ
りガラス等の軟化ないし溶融物に保持されて焼成体中に
取り込まれるものである。
【0015】識別ラベルの形成を目的とする場合など被
着体との良好なコントラストが望まれるときには着色剤
を用いてもよい。着色剤としては顔料ないし充填剤が適
当である。一般に用いられる顔料ないし充填剤の例とし
ては、シリカ、炭酸カルシウム、ジルコニア、チタニ
ア、アルミナ、亜鉛華、酸化カルシウム、焼成温度以下
で酸化されてかかる酸化物となる炭酸塩、硝酸塩、硫酸
塩の如き金属化合物などの白色物があげられる。
【0016】また、鉄、クロム、銅、金、セレン等の金
属イオンを含む、例えば酸化マンガン・アルミナ、酸化
クロム・酸化錫、酸化鉄、硫化カドミウム・硫化セレン
の如き赤色物、銅、マンガン、コバルト、鉄等の金属イ
オンを含む、例えば酸化コバルト、ジルコニア・酸化バ
ナジウム、酸化クロム・五酸化二バナジウムの如き青色
物などもあげられる。
【0017】さらに、鉄、銅、マンガン、クロム、コバ
ルト等の金属イオンを含む、例えば酸化クロム・酸化コ
バルト・酸化鉄・酸化マンガンやクロム酸塩、過マンガ
ン酸塩の如き黒色物、その他、ジルコニウム・珪素・プ
ラセオジム、バナジウム・錫、クロム・チタン・アンチ
モンの如き黄色物、酸化クロム、コバルト・クロム、ア
ルミナ・クロムの如き緑色物、アルミニウム・マンガ
ン、鉄・珪素・ジルコニウムの如き桃色物などもあげら
れる。
【0018】一方、隠蔽力等に優れてより良好なコント
ラストが望まれる場合などには酸化物型セラミック系化
合物で被覆処理した雲母粉末を用いてもよい。かかる雲
母粉末は通例、フレーク状の薄片、就中大きさが5〜2
00μmで厚さがその1/50〜1/100倍程度の薄
片を酸化物型セラミック系化合物で被覆処理したもので
ある。その被覆形態は、雲母粉末に酸化物型セラミック
系化合物の粉末を付着させたもの、就中雲母粉末の20
重量%以下程度付着させたものが一般的である。付着す
る酸化物型セラミック系化合物の粉末の大きさは、付着
母体の雲母粉末の大きさにもよるが通例1μm以下であ
る。
【0019】用いる酸化物型セラミック系化合物は、酸
化物型セラミックそのものでもよいし、焼成時に酸化さ
れてかかる酸化物型セラミックとなる炭酸塩、硝酸塩、
硫酸塩の如き化合物であってもよい。被覆する酸化物型
セラミック系化合物は、目的とする色彩などに応じて適
宜に決定してよい。ちなみに白色系に着色する場合に
は、上記に例示した白色系の着色剤などを用いうる。
【0020】焼成残留成分(無機粉末等)の組成は使用
目的に応じて適宜に決定してよい。焼成温度が低い場合
や、表面の平滑な焼成体が望まれる場合には、低融点の
ガラス粉末の多用が好ましい。焼成温度が高い場合や、
焼成体表面の平滑性が要求されない場合には、ガラス粉
末等の軟化ないし溶融成分以外の焼成残留成分を多用し
てよい。
【0021】一般的な焼成残留成分の組成は、ガラス粉
末1〜100重量%、就中1〜97重量%、特に10〜
95重量%、その他の焼成残留成分99〜0重量%、就
中99〜3重量%、特に90〜5重量%である。焼成残
留成分の一般的な大きさは、粒径が0.1〜20μmの
粉末、同径で長さが100μm以下の繊維などであるが
これに限定されない。なお各焼成残留成分は1種又は2
種以上を用いてよい。
【0022】パターン形成用シートの形成に用いる有機
バインダとしては、焼成時に熱分解するなどして消失す
るものが用いられ、保形力や柔軟性の付与性等に優れる
ものが好ましく用いられる。好ましく用いうる有機バイ
ンダの例としては、炭化水素系樹脂、ビニル系ないしス
チレン系樹脂、アセタール系樹脂、ブチラール系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹
脂、セルロース系樹脂、繊維素系樹脂などがあげられ
る。
【0023】焼成時における焼失性の点より好ましく用
いうる有機バインダは、炭化水素系樹脂、アセタール系
樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂、就中アクリル系
樹脂である。有機バインダの使用量は通例、無機粉末等
の焼成後に残留する成分の合計100重量部あたり5〜
300重量部である。
【0024】本発明のパターン形成用シートの形成は例
えば、1種又は2種以上の無機粉末ないし焼成残留成分
と有機バインダを必要に応じ有機溶媒等を用いてボール
ミル等で混合し、その混合液を適宜な方式で無機繊維ク
ロス上に展開し乾燥させる方法、浸漬方式等によりかか
る混合液を無機繊維クロスに含浸させて乾燥させる方
法、かかる混合液を適宜な方式でセパレータ等の支持基
材上に展開し乾燥させて有機バインダ層を形成し、それ
を熱プレス方式、熱ラミネート方式等の適宜な方式で無
機繊維クロスと積層して含浸させる方法などにより行う
ことができる。
【0025】前記混合液の調製に際して必要に応じ用い
られる有機溶媒としては特に限定はない。一般には、ブ
チルカルビトール、酢酸エチル、ブチルセロソルブアセ
テート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、トルエンなどが用いられる。混合液は、展開性等の
点より有機バインダ濃度が5〜40重量%となるように
調製することが好ましい。なお混合液の調製に際して
は、必要に応じて可塑剤、分散剤、助燃剤、消泡剤など
の適宜な添加剤を配合してよい。
【0026】焼成による被着体への固着性の点より好ま
しいパターン形成用シートは、図例の如く無機粉末含有
の有機バインダ層1が無機繊維クロス2の表裏面に露出
した状態のものである。なお必要に応じて付設する粘着
層がガラス粉末を含有する場合には、その粘着層を付設
する側においては有機バインダ層が露出しないときにも
充分な被着体への焼成固着性を持たせることができる。
形成するパターン形成用シートの厚さは使用目的に応じ
適宜に決定してよい。一般には10μm〜5mmの厚さと
される。
【0027】無機繊維クロスとしては、ガラス繊維、ア
ルミナ等のセラミック繊維、ロックファイバ、金属繊維
の如き無機繊維を綾織、朱子織、平織、目抜平織、から
み織、模しゃ織、レックスネットの如き適宜な方式で織
成したものを用いることができ、例示のものに限定され
ない。なお前記ガラス繊維の一般的なものとしては、E
ガラス、Cガラス、Sガラス、Aガラス、シリカガラス
などが例示できるが、本発明において用いる無機繊維ク
ロスは焼成温度に耐えてクロス形態を維持するものでな
くてもよい。
【0028】本発明のパターン形成用シートは、そのま
ま又は焼成用ラベルとして被着体に仮着して焼成し、焼
成下にかかるシートないし焼成用ラベルの焼成体を被着
体に固着する用途に好ましく用いられる。焼成に際して
は、パターン形成用シートに被固着物を付設し、これを
焼成して該シートの焼成体を介し被固着物を被着体に固
着する方法も採ることができる。
【0029】パターン形成用シート又は焼成用ラベルに
は、図2や図3に例示の如く被着体への仮着性を高める
べく必要に応じて粘着層3を設けることができる。粘着
層は、その全部が焼成時に消失してもよいし、被着体へ
の焼成固着性を高めるために上記したガラス粉末等の焼
成残留成分を含有していてもよい。従って粘着成分とし
ては被着体に仮着できる接着力を有し、焼成温度以下で
熱分解するなどして消失するものが用いられる。
【0030】一般に用いられる粘着成分としては、ゴム
系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル
系粘着剤などがあげられる。就中、アクリル酸ないしメ
タクリル酸のアルキルエステルのポリマーを主体とする
アクリル系粘着剤や、ゴム系粘着剤が好ましく用いられ
る。
【0031】ゴム系粘着剤としては例えば、天然ゴムな
いし同系の合成ゴム、ブチルゴム、ポリイソプレンゴ
ム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレン
・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタジエ
ン・スチレンブロック共重合体ゴムの如きポリマーの単
独物からなるもの、あるいはかかるポリマー100重量
部に、石油系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、キ
シレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂の如き粘着付与
樹脂を10〜300重量部、その他、軟化剤、老化防止
剤、着色剤、充填剤等の配合剤を添加してなるものなど
があげられる。
【0032】また焼成前の陶磁器の如く湿潤状態にある
被着体に仮着するための粘着層の形成には、例えばポリ
ビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘
着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着
剤などの親水性粘着剤が好ましく用いられる。かかる粘
着剤は例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリルアミド、アクリル酸共重合体、ポ
リビニルメチルエーテルの如き水溶性高分子や親水性高
分子、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリエー
テルポリオール、ポリオキシエチレンフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルの
如き粘着付与剤、架橋剤、充填剤などの適宜な成分を配
合したものである。
【0033】焼成残留成分含有の粘着層は、粘着成分と
焼成残留成分を必要に応じ有機溶媒等を用いてボールミ
ル、ディスパ、ホモミキサ等により適宜に混合すること
により得ることができる。被着体への焼成固着性の点で
好ましく用いうる焼成残留成分はガラス粉末、特にパタ
ーン形成用シートに用いたガラス粉末と同じものかそれ
よりも軟化ないし溶融温度が低いものである。必要に応
じて用いられる焼成残留成分の配合量は、その比重や大
きさ、被着体に対する必要な仮着力等により適宜に決定
されるが、一般には粘着成分100重量部あたり10〜
900重量部とされる。
【0034】パターン形成用シート又は焼成用ラベルへ
の粘着層の付設は、適宜な塗工機を用いて粘着剤を塗工
する方式や、セパレータ上に設けた粘着層を移着する方
式などの粘着テープ等の形成方法に準じた適宜な方式で
行ってよい。付設する粘着層の厚さは、使用目的に応じ
て決定でき一般には1〜500μmとされる。なお粘着
層は実用に供するまでの間、図例の如くセパレータ4等
を接着するなどして保護しておくことが好ましい。
【0035】焼成用ラベルの形成は、例えばパターン形
成用シートに耐熱性インクや彫刻パターン等からなるパ
ターンを設けることにより、あるいはパターン形成用シ
ートを適宜な形態に打抜くことなどにより行うことがで
きる。また前記のパターン要素を複合させたものや、そ
の他の種々の方式で形成したパターンの複合パターンを
有するものなど任意なパターンを有する焼成用ラベルも
形成することができる。図3に耐熱性インクのパターン
5を設けてなる焼成用ラベルを例示した。なお前記の彫
刻パターンは、孔又は凹凸でパターンを形成したもので
ある。
【0036】焼成用ラベルの形成に用いる耐熱性インク
は、焼成処理を介しパターン形成用シートの焼成体と一
体化するように調製したものである。かかる耐熱性イン
クは通例、1種又は2種以上の無機系着色剤を溶媒を用
いて、必要に応じセラミック粉末、バインダ、可塑剤、
分散剤等の適宜な添加剤の併用下、ボールミル等で混合
してペースト状等の流動物としたものである。従来技術
におけるスクリーン印刷方式等による直接塗布方式や、
転写紙上に形成した塗布パターンの転写方式などに使用
されていた、例えばガラス粉末と無機顔料等の任意成
分、又は有色ガラス系顔料を単独でバインダと共に混合
してなるペースト状のインクなどは耐熱性インクの代表
例である。
【0037】耐熱性インクの組成は、パターン形成用シ
ートの焼成体とのコントラストや固着性などにより適宜
に決定してよい。焼成により残留して焼成パターンを形
成する成分の組成は通例、無機系着色剤5〜100重量
%、セラミック粉末、就中ガラス粉末95〜0重量%と
される。無機系着色剤やセラミック粉末の具体例として
は、上記したパターン形成用シートで着色剤や無機粉末
として例示したものなどがあげられる。
【0038】耐熱性インクの調製に必要に応じて用いら
れるバインダとしては、ワックスや樹脂など、焼成温度
以下で熱分解するなどして消失するものがあげられる。
バインダの使用量は、焼成パターンを形成する成分の5
〜80重量%が適当である。
【0039】好ましく用いうるワックスとしては、パラ
フィン系ワックス類、天然系ワックス類、エステル系ワ
ックス類、高級アルコール系ワックス類、高級アミド系
ワックス類などがあげられる。樹脂としては、上記パタ
ーン形成用シートの形成素材として例示した有機バイン
ダなどがあげられる。耐熱性インクのバインダとパター
ン形成用シートの有機バインダとの熱分解温度等の特性
が著しく相違すると焼成体に発泡や変形等の外観不良を
生じやすい。かかる点より、耐熱性インクのバインダと
パターン形成用シートの有機バインダは同種の樹脂から
なることが好ましい。
【0040】耐熱性インクによるパターンの形成方式は
任意である。手書き方式、パターン形成マスクを介して
の塗布方式、転写紙に設けたパターンの転写方式、イン
クジェット型等のプリンタによる形成方式など、適宜な
パターン形成方式を採用してよい。形成するパターンも
任意である。印字パターン、絵柄パターン、バーコード
パターンなどの任意なパターンを付与してよい。
【0041】プリンタ、例えばXYプロッタ、ワイヤド
ット型や熱転写型ないしインパクト型等によりパターン
を形成する場合に必要な、印字リボンの如きインクシー
トは例えば、塗布方式、含浸方式等により耐熱性インク
をフィルムや布等からなる支持基材に保持させることに
より形成することができる。支持基材としては、ポリエ
ステル、ポリイミド、フッ素樹脂等のプラスチックフィ
ルム、ポリアミドやポリエステル等の繊維からなる布な
ど、通例のものを用いてよい。プリンタによるパターン
形成方式は、適宜なパターンを精度よく、効率的に形成
できる利点がある。
【0042】なお識別ラベルを形成する場合などには、
パターン形成用シートの焼成体と耐熱性インクの焼成パ
ターンとに良好なコントラスト、ないし色調の相違が形
成されるように組合せ使用することが好ましい。
【0043】パターン形成用シートに孔又は凹凸からな
るパターンを彫刻してなる焼成用ラベルの形成方式も、
その形成パターンも任意である。孔パターンにおいて
は、孔部分が表示内容を表す方式や、孔部分以外のシー
ト残存部分が表示内容を表す方式など任意な表示方式を
採用してよい。
【0044】さらに、打抜き形式の孔線パターンを形成
し、最終的にはその孔線パターンの内部部分のみが被着
体に残存するような方式を採用してもよい。この方式は
例えば、バーコードパターンや絵柄パターンなどの形成
に好ましく適用できる。また打抜き体として取扱うこと
が損壊しやすいなどの理由で困難な場合に有利である。
なお凹凸からなるパターンも装飾目的の場合などのほ
か、反射光量検知式認識装置などに適用されるバーコー
ドパターン等の識別ラベルの形成に利用しうる。
【0045】パターン形成用シートにパターンないし形
態を付与して焼成用ラベルとする段階は、パターン形成
用シートを被着体に仮着する前後のいずれであってもよ
い。プリンタによりパターンを形成する場合には、予め
パターン形成用シートにパターンを付与して焼成用ラベ
ルとし、それを被着体と仮着する方式が通例である。こ
のように予め焼成用ラベルとする方式は、適宜な手段で
精緻なパターンを付与できる利点がある。
【0046】被着体への仮着後にパターン形成用シート
にパターン等を付与して焼成用ラベルとする方式は、仮
着処理下に凹凸パターンを付与できて処理効率に優れる
利点、あるいは仮着による凹凸パターンの変形を防止で
きるなど、パターンの温存性に優れる利点がある。
【0047】なお予めパターン形成用シートにパターン
を形成する場合、その形成面は焼成処理に供するまでの
間、必要に応じてセパレータを接着するなどして保護し
てもよい。転写方式の場合には、その転写紙をそのまま
接着しておいてセパレータに代えることもできる。
【0048】焼成用ラベルと被着体との仮着体の焼成処
理は、パターン形成用シートあるいは被着体の焼成温度
などに応じて適宜な加熱条件で行うことができる。焼成
処理により、有機バインダや粘着層等の有機成分は消失
し、パターン形成用シートが付与パターンを温存しつつ
焼成体化し、被着体と固着する。
【0049】本発明のパターン形成用シートないし焼成
用ラベルは、例えば陶磁器、ガラス製品、琺瑯体などへ
の絵付けや、識別ラベル等の付与など種々の目的に好ま
しく用いうる。またガラスないしセラミックや、金属な
どからなる製品、ないし搬送パレット、特にセラミック
等の耐熱基板や試作品などに、社名、ロット番号、品名
等の任意な識別記号、着色ないし色別パターン、バーコ
ードなどからなる識別ラベルの付与などにも好ましく用
いうる。
【0050】従って焼成パターンの付与対象である被着
体については特に限定はなく、パターン形成用シートの
焼成温度に耐えるものが用いられる。また未焼成のセラ
ミック成形体や、未焼成陶磁器等の湿潤体なども被着体
とすることができ、その場合、セラミック成形体等の焼
成処理とパターン形成用シートの焼成処理とを兼ねさせ
ることもできる。なお被着体の形態は、平板形態や容器
形態など任意である。
【0051】
【発明の効果】本発明のパターン形成用シートないし焼
成ラベルは、無機繊維クロスを有して強靱さに優れパタ
ーン付与時や被着体仮着時にクラックや割れ、あるいは
欠けが生じにくくて取扱性に優れている。また柔軟で曲
面への適用が容易であり彫刻方式や打抜き方式、熱転写
プリンタ等の種々の手段でパターンないし識別形態等を
臨機に付与でき、焼成により付与パターンないし形態を
温存しつつ焼成体化して被着体に焼成固着でき、耐熱
性、耐候性、耐薬品性等と共に強度に優れる焼成パター
ンを形成することができる。
【0052】
【実施例】
実施例1 ホウ珪酸鉛ガラス粉末90部(重量部、以下同じ)、チ
タニア粉末10部、ポリイソブチルメタクリレート20
部、ステアリン酸1部、フタル酸ジブチル2部及びトル
エン45部をボールミルで均一に混合してペーストを
得、それに質量48g/m2、厚さ60μmのガラスクロ
スを浸漬して含浸処理し乾燥させて厚さ70μmのシー
トを形成したのち、その片面に厚さ15μmのアクリル
系粘着剤層を設けてパターン形成用シートを得た。
【0053】次に、前記のパターン形成用シートの有機
バインダ層面に、熱転写式のプリンタとインクシートを
介して耐熱性インクからなるバーコードパターンを形成
し、焼成用ラベルを得た。用いたインクシートは、酸化
クロム・酸化鉄・酸化コバルト系黒色顔料20部とパラ
フィンワックス20部とトルエン60部の混合ペースト
からなる耐熱性インクを、ポリエステルフィルムに塗工
し乾燥させて保持させたものである。
【0054】前記の焼成用ラベルをその粘着層を介しガ
ラス板に仮着し、10℃/分の速度で昇温して550℃
で20分間焼成(空気中)した。焼成によりポリイソブ
チルメタクリレートやアクリル系粘着層等の有機成分は
焼失した。
【0055】前記により白色地の上に黒色のバーコード
パターンを鮮明な状態で有する焼成ラベルが強固に固着
したガラス板が得られた。またパターン形成用シートな
いし焼成用ラベルは強靱で取扱性に優れ、パターン付与
時及び仮着時等において割れや欠けが生じず、得られた
焼成ラベルにクラック等も認められなかった。
【0056】実施例2 粘着層をホウ珪酸鉛ガラス粉末を60重量%の割合で含
有するアクリル系粘着層としたほかは実施例1に準じパ
ターン形成用シート及び焼成用ラベルを形成して焼成ラ
ベルを得た。
【0057】前記により白色地の上に黒色のバーコード
パターンを鮮明な状態で有する焼成ラベルが強固に固着
したガラス板が得られた。またパターン形成用シートな
いし焼成用ラベルは強靱で取扱性に優れ、パターン付与
時及び仮着時等において割れや欠けが生じず、得られた
焼成ラベルにクラック等も認められなかった。
【0058】比較例 実施例1に準じて得たペーストをセパレータ上に塗工し
乾燥させて厚さ70μmの有機バインダ層を形成し、そ
の上に厚さ15μmのアクリル系粘着剤層を設けてパタ
ーン形成用シートを得、それを用いて実施例1に準じ焼
成用ラベルを形成して焼成ラベルを得た。
【0059】前記においては、得られた焼成ラベルに生
長クラックによる多数の筋が認められた。またパターン
形成用シートないし焼成用ラベルは脆弱で取扱性に劣
り、パターン付与時や仮着時等に割れや欠けを発生させ
ないために注意深く取扱う必要があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】パターン形成用シートの実施例の断面図。
【図2】他のパターン形成用シートの実施例の断面図。
【図3】焼成用ラベルの実施例の断面図。
【符号の説明】
1:有機バインダ層 2:無機繊維クロス 3:粘着層 5:耐熱性インクのパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田尻 和洋 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機繊維クロスに無機粉末含有の有機バ
    インダ層を保持させてなることを特徴とするパターン形
    成用シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のパターン形成用シート
    にパターンを設けてなることを特徴とする焼成用ラベ
    ル。
  3. 【請求項3】 パターンが耐熱性インク又は/及び彫刻
    パターンからなる請求項2に記載の焼成用ラベル。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のパターン形成用シート
    の打抜き体からなることを特徴とする焼成用ラベル。
  5. 【請求項5】 粘着層を有する請求項1に記載のパター
    ン形成用シート又は請求項2、3若しくは4に記載の焼
    成用ラベル。
  6. 【請求項6】 粘着層がガラス粉末を含有する請求項5
    に記載のパターン形成用シート又は焼成用ラベル。
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