JP5007980B2 - リン酸カルシウム系成形体の多孔体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックスの製造分野における、溶解析出反応を利用したリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造技術に関するものであり、更に詳しくは、本発明は、溶解析出反応により、α−TCP成形体の構成粒子の間隙近傍に分解しやすい部分(脆弱部位)を設け、該部分を熱分解除去することにより、成形体の構成粒子同士を焼結により高強度化すると共に、成形体構成粒子の間隙を拡張し、脆弱部位の分解残渣を伴ったサンゴ様のnode−strut構造と拡張した気孔構造、即ち、焼結で強度を向上させ、かつ気孔径を拡張することを特徴とした、リン酸カルシウム系の多孔質成形体及びその製造方法に関するものである。
本発明は、例えば、人工骨、薬剤担体、触媒担体、フィルターなどを製造するための手段として好適に利用しうるリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造技術及びその製品を提供するものである。
あらゆる疾病に関して再生的な治療方法が模索されているが、硬組織治療手段に関しては、セラミック人工骨の成熟が目覚ましい。そのような中で、人工骨の開発思想は、「荷重支持機能優先」から「骨伝導優先」にシフトしてきた。よく知られる人工骨への骨伝導機能付与の手段は、人工骨の多孔化である。多孔化は、材料強度を確実に低下させるが、自家骨再生が速やかであれば、材料自身の機械的特性は、再生骨により補われるので問題とならない、との考え方が、世間に受け入れられ始めた。
自家骨の再生が速やかである気孔候補としては、骨伝導を預かる数百ミクロンの“マクロポア”から、人工骨の液性成分との親和性と溶解性を高める数ミクロンの“ミクロポア”に至るワイドレンジの気孔がノミネートされている。然るに、人工骨の開発は、人工骨を徹底的に多孔質化することを課題に定めるに至った。セラミックスの多孔化の方法は、多様であり、確実に認知された名称をあげるのは難しいが、例えば、発砲法や骨材焼失法が、一般的、かつ成熟した方法と考えられる。
それらのうち、発砲法は、成形対象スラリー中に気泡を導入し、その状態を適宜の方法で保ちつつ、乾燥、焼結し、セラミックス多孔体を得る方法である(例えば、特許文献8)。骨材焼失法は、成形対象スラリーに焼結時に焼き飛ぶ材質の骨材(例えば、プラスチックビーズやウレタンフォーム)を混ぜたものを、所望の形状に成型し、乾燥、焼結して、セラミックス多孔体を得る方法である(例えば、非特許文献1)。
上記方法で得られる気孔径は、比較的大きく、マクロポーラス人工骨を製造する方法として簡便であり、広く利用されている。しかしながら、上記方法は、ミクロポーラス人工骨の製造には向かない。発泡法においては、よく知られる範囲において、数ミクロンの気孔を作るための微小気泡の発生手段が未成熟である。
骨材焼失法においては、微小気孔を残せるような焼失骨材の分散や、スラリーを含浸させた焼失フォームの乾燥、焼結がテクニカルである。また、しばしば、骨材の焼失に伴うガスの環境への影響が問題視される。ミクロポーラスセラミックスの製造方法に関して、原料粉体の大きさや、充填、成形に解を求めることもあるが、特に、本発明が扱う人工骨材料α−TCPに関して、実用的な強度の成形体を得ることは難しい。
リン酸カルシウム系多孔質焼結体及びその製造方法に関しては、先行技術として、例えば、生体活性且つ高強度を有するセラミックスであって、連続気孔を有する多孔質焼結体で、焼結体の表面にリン酸三カルシウムを主成分とする被膜が形成されているリン酸カルシウムセラミックスが提案されている(特許文献1)。
また、他の例として、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の骨格部分が概略緻密化したリン酸カルシウム系焼結体からなり、その表面部分が微細な凹凸若しくは多孔質焼結体より成る層を有し、比表面積が0.1m/cm以上であるリン酸カルシウム系多孔質焼結体が提案されている(特許文献2)。
また、他の例として、細胞や組織との初期接着をよくするリン酸カルシウム系生体用セラミック焼結体であって、金属イオンにより焼結体が表面修飾されていて、骨の再生成長を促す高分子が焼結体の表面に配置されているリン酸カルシウム系生体用セラミック焼結体が提案されている(特許文献3)。
また、他の例として、機械的強度が高く、細胞・組織が侵入することができるような多孔体の特徴を兼ね備えたリン酸カルシウム系多孔質焼結体であって、気孔率が5%以下から85%以上まで実質的に連続して傾斜的に分布しているリン酸カルシウム系多孔質焼結体が提案されている(特許文献4)。
また、他の例として、血管や細胞が侵入するのに適した連通孔と、高い強度を併せ持つインプラント用材料であって、直径が10〜500μmで、一方向に配向して貫通している気孔を有する多孔質セラミックスインプラント材料が提案されている(特許文献5)。
また、他の例として、高気孔率を有する多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法であって、リン酸カルシウム系セラミックス粉体を含有するスラリーを起泡させ、一対の微多孔質樹脂シートを型枠を介して対向させてなる成形型内に注入し、ゲル化させ、乾燥後に焼結することからなる多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法が提案されている(特許文献6)。
更に、他の例として、多孔体としての優れた生体親和性及び細胞、薬剤等の侵入容易性と、緻密体として優れた強度特性とを兼ね備えたリン酸カルシウム系多孔質焼結体であって、平均気孔径0mmから3mm以下までの気孔が連続的に傾斜して形成されているリン酸カルシウム系多孔質焼結体が提案されている(特許文献7)。
しかしながら、従来、人工骨材料α−TCPに関して、α−TCP成形体であって、多孔体構造と実用的な強度を両立させたα−TCP成形体の多孔体を簡便な手法で実現させることは困難であった。
特開平5−97551号公報 特開2000−302567号公報 特開2001−198208号公報 特開2001−206787号公報 特開2004−275202号公報 特開2005−170767号公報 特開2006−176371号公報 特開2005−255439号公報 "An Introduction to Bioceramics" edited by L.L.Hench,J.Wilson,World Scientific,P.183,1998年
このような状況の中で、本発明者は、上記従来技術に鑑みて、上記従来技術における諸問題を確実に解消することができる新しいリン酸カルシウム系成形体の多孔化方法と、その新しい利用形態、その製品及び運用方法等を、多角的な視点から検討、開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、適宜の液体中でα−TCP成形体の溶液暴露部の溶解析出反応を促進することにより、α−TCP成形体構成粒子の間隙近傍に脆弱部位を設け、該脆弱部位を加熱除去して成形体構成粒子の間隙を拡張することにより所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のリン酸カルシウム系成形体の多孔化方法により、α−TCP成形体、及び該α−TCPから派生的に調製できる水酸アパタイト(HA)、β−TCP成形体に、数ミクロンの流路幅を持つ気孔ネットワークを、発泡法や骨材焼失法を用いることなく付与することができる。すなわち、本発明は、数ミクロンの流路幅を持つサンゴ様構造の細孔を持つリン酸カルシウム系成形体の多孔体、その製造方法及びその部材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)下記2ステップによりリン酸カルシウム系成形体の多孔体を製造する方法であって、
1)リン酸カルシウムを溶解する液体中で多孔化対象のα−TCP成形体の液体暴露部の溶解析出反応を促し、α−TCPないし水酸アパタイトの焼結に適合する温度による処理で分解しやすい脆弱部位の部分を設け、
2)該成形体を熱処理することにより、上記脆弱部位を分解、除去し、構成粒子同士を焼結すると共に、成形体構成粒子の間隙を拡張する、
ことを特徴とする、リン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
(2)上記溶解析出反応が、多孔化対象のα−TCP成形体の液体中への浸漬による浸漬溶液中のリン、カルシウムの濃度上昇とpH上昇により、成形体の表面及び微小気孔にリン酸カルシウムを析出させる反応である、前記(1)記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
(3)上記溶解析出反応におけるα−TCP成形体の液体中への浸漬環境が、静置である、前記(1)又は(2)記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
(4)上記溶解析出反応に用いる液体として、α−TCP成形体が溶解る液体を用いる、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
(5)α−TCP成形体の液体暴露部の溶解析出反応により出現する脆弱部位が、X線的、或いは形態的に、MCPM、DCP、DCPD、OCPのいずれか、若しくはそれらの混合物である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
(6)α−TCP成形体が、湿潤物、又は乾燥物である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
(7)熱処理温度及び/又は熱処理時間の制御により、成形体の一部若しくは全部をβ−TCP化する、前記(1)〜(6)のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
(8)上記溶解析出反応を促す方法が、温度、又はpHを制御若しくは変化させる方法であって、温度を0−200℃の範囲、pHをpH1−9の範囲に制御若しくは変化させる、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
(9)無処理のα−TCP成形体を溶解析出処理に供した溶解析出処理後の処理後α−TCP成形体を焼成して得られるリン酸カルシウム系成形体の多孔体であって、
処理後α−TCP成形体の焼結と、溶解析出反応で形成された脆弱部位の分解によりできた、脆弱部位の分解残渣を伴ったサンゴ様のnode−strut構造と拡張した気孔構造を有し、焼結で強度が上がり、かつ気孔径が拡張した、無処理のα−TCPの焼成品と比べて高い気孔率、吸水性、及び強度を実現していることを特徴とするリン酸カルシウム系成形体の多孔体。
(10)上記リン酸カルシウムが、α−TCP、β−TCP、又は水酸アパタイトである、前記(8)記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体。
(11)前記(9)記載のα−TCP成形体を焼成して得られるリン酸カルシウム系成形体の多孔体を水熱処理することにより得られる、水酸アパタイト若しくは水酸アパタイトを含むリン酸カルシウム系成形体の多孔体。
(12)前記(9)から(11)のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体からなることを特徴とするリン酸カルシウム多孔体部材。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、下記2ステップによりα−TCPからなるリン酸カルシウム系成形体の多孔体を製造する方法であって、液体中で多孔化対象のα−TCP成形体の液体暴露部の溶解析出反応を促し、熱で分解しやすい脆弱部位の部分を設け、該成形体を熱処理することにより、上記脆弱部位を分解、除去し、成形体構成粒子同士を焼結すると共に、成形体構成粒子の間隙を拡張する、ことを特徴とするものである。
本発明では、溶解析出反応が、多孔化対象のα−TCP成形体の液体中への浸漬による浸漬溶液中のリン、カルシウムの濃度上昇とpH上昇により、成形体の表面及び微小気孔にリン酸カルシウムを析出させる反応であること、また、溶解析出反応におけるα−TCP成形体の液体中への浸漬環境が静置であること、を好ましい実施の態様としている。上記溶液反応に用いる液体としては、α−TCP成形体が溶解しうる液体を用いることができ、例えば、pH1.5〜5の塩酸水溶液、コハク酸水溶液、クエン酸水溶液、酢酸水溶液、若しくは、純水、超純水が例示される。
本発明では、液体中でα−TCP成形体に、振盪、撹拌等の操作を加えることにより、溶解析出反応をより促進することができる。また、本発明では、α−TCP成形体の溶解析出により出現する脆弱部位は、X線的、或いは形態的に、MCPM、DCP、DCPD、OCPのいずれか、若しくはそれらの混合物であること、α−TCP成形体は、湿潤物、乾燥物、乃至焼成物であること、熱処理温度及び/又は熱処理時間の制御により、成形体の一部若しくは全部をβ−TCP化すること、が好適である。
また、本発明は、溶解析出処理後のα−TCP成形体を焼成して得られる多孔質リン酸カルシウム系焼結体であって、α−TCP成形体の焼結と脆弱部位の分解によりできた、脆弱部位の分解残渣を伴ったサンゴ様のnode−strut構造と拡張した気孔構造を有し、焼結で強度が上がり、かつ気孔径が拡張した、無処理の焼成品と比べて、比較的高い気孔率、吸水性、及び実用的な強度を実現していること、リン酸カルシウムが、α−TCP、β−TCP、又は水酸アパタイトであること、が好適である。
本発明における成形体の主要成分であるα−TCP(α−tricalcium phosphate)は、Ca(POの化学組成を持つリン酸カルシウムであり、例えば、“α−リン酸三カルシウム”と呼ばれている。
本発明において、α−TCPは、目的に応じて適宜の形状に成形して用いられるが、例えば、直径1mm程度の球形状に成形する場合、α−TCP原料粉体とアルギン酸ナトリウム水溶液よりなるα−TCPスラリーを、凝固液に滴下することにより、球状に成形して、α−TCP湿潤ゲルビーズにする。このとき、スラリー中のα−TCP粒径は、好適には、5μm以下であることが、この後に続く多孔化処理の観点から、望ましい。しかし、これらに制限されるものではない。
成形したα−TCPを、適宜の液体に浸漬する。α−TCP成形体は、湿潤状態、若しくは乾燥状態、焼成状態のいずれでもよい。適宜の液体は、α−TCP成形体の浸漬によりpHが上昇する液体であればよく、例えば、pH1.5〜5の塩酸水溶液、コハク酸水溶液、クエン酸水溶液、酢酸水溶液、若しくは、純水、超純水が例示される。しかし、これらに制限されるものではなく、これらと実質的に同効のもの、或いはこれらと類似のものであれば同様に使用することができる。
α−TCP成形体は、浸漬液中で徐々に溶解し、浸漬液中のリン、カルシウム濃度を高め、浸漬液のpH上昇をもたらし、その結果、成形体上に析出物を生じるに至る(溶解析出反応)(図1の左参照)。成形体が緻密でない場合、浸漬液は、成形体構成粒子の間隙に浸潤するため、上記の溶解析出反応は、成形体の最表面だけでなく、成形体構成粒子の間隙近傍でも起こる。
従って、上記溶解析出反応の結果、成形体表面及び構成粒子の間隙に析出物を従えた酸処理α−TCP成形体としてのα−TCP成形体を得る。析出物は、浸漬液のpHと温度、圧力により制御される。
例えば、α−TCP成形体を、pH2以上の浸漬液に40℃、常圧で24時間浸漬することにより、α−TCP成形体上にOCP様の結晶を析出させることができる。また、例えば、α−TCP成形体を、pH2未満の浸漬液に、4℃、常圧で24時間浸漬することにより、α−TCP成形体上にDCPD結晶を析出させることができる。
上記のように調製した酸処理α−TCP成形体を焼成する。このとき、析出物が分解、除去され、その結果、成形体構成粒子の間隙が拡張した多孔化α−TCP成形体としてのα−TCP成形体を得る(図1の右参照)。多孔化α−TCP成形体は、理想的には、数ミクロンの細孔を持つサンゴ様のnode−strut構造になる。
析出物は、例えば、MCPM、DCP、DCPD、乃至OCPのように、α−TCPよりも熱安定性が低いものであることが望ましい。焼成温度を1150〜1400℃とすると、成形体構成粒子同士はしっかり焼結しながらも、成形体構成粒子の間隙が拡張した、高強度且つ多孔質のα−TCP成形体を得ることができる。
また、焼成温度を800〜1150℃とすると、一部若しくは全部がβ−TCP化した多孔質成形体を得ることができる。更に、上記のように調製した多孔化α−TCP成形体を水熱処理することにより、一部若しくは全部がHA化した多孔質成形体を得ることができる。
本発明によるリン酸カルシウム系成形体の多孔化方法によれば、サンゴ様構造と数ミクロンの流路幅を持つ細孔を、発泡法や骨材焼失法を用いることなく、α−TCP成形体に付与することができる。数ミクロンの細孔は、成形体の比表面積を増大させ、液性成分との親和性を向上し、成形体の溶解性を比較的高くすることができる。
また、通常、焼結により構成粒子の間隙は縮小するが、そのような常識に反して、本発明では、多孔化処理にもかかわらず、構成粒子同士のしっかりした焼結により高強度化が起こるので、成形体の強度低下が少なく、しかも構成粒子の間隙は拡張される。
更に、本多孔化処理によれば、α−TCP成形体をスタート成形体として、例えば、多孔化後のα−TCP成形体を水熱処理することにより、スタート成形体と類似の気孔構造を持つ水酸アパタイト成形体としたり、熱処理温度制御により、スタート成形体と類似の気孔構造を持つβ−TCP成形体とすることができる。
本発明は、溶解析出反応により、α−TCP成形体の構成粒子の間隙近傍に分解しやすい脆弱部位の部分を設け、該部分を熱分解除去することにより、構成粒子の間隙を拡張することで特徴付けられる、多孔質リン酸カルシウム系焼結体及びその製造方法を提供するものである。本発明では、数ミクロンの流路(細孔)幅を持つサンゴ様構造を、発泡法や骨材焼失法を用いることなく、α−TCP成形体に付与することが可能である。
本発明のサンゴ様構造は、成形体の比表面積を増大させ、液性成分との親和性を向上し、成形体の溶解性を比較的高くすることができ、多孔化処理にもかかわらず、成形体の強度低下が少ない。本発明では、α−TCP成形体をスタート成形体として、例えば、多孔化後のα−TCP成形体を水熱処理することにより、スタート成形体と類似の気孔構造を持つ水酸アパタイト成形体とすることが可能である。
本発明のリン酸カルシウム系成形体の多孔化方法は、熱処理温度制御により、スタート成形体と類似の気孔構造を持つβ−TCP成形体とすることができ、例えば、人工骨、薬剤担体、触媒担体、フィルターなどを製造するための手段として好適に利用することが可能である。
本発明により、次のような格別の作用効果が奏される。
(1)溶解析出反応により、α−TCP成形体の構成粒子の間隙近傍に分解しやすい脆弱部位の部分を設け、該部分を熱分解除去することにより、構成粒子同士を焼結、高強度化すると共に、構成粒子の間隙を拡張した、多孔質人工骨を製造し、提供することができる。
(2)数ミクロンの流路(細孔)幅を持つサンゴ様構造を、発泡法や骨材焼失法を用いることなく、α−TCP成形体に付与することができる。
(3)サンゴ様構造は、成形体の比表面積を増大させ、液性成分との親和性を向上し、成形体の溶解性を比較的高くすることができる。
(4)多孔化処理にもかかわらず、成形体の強度低下が少ない。
(5)α−TCP成形体をスタート成形体として、例えば、多孔化後のα−TCP成形体を水熱処理することにより、スタート成形体と類似の気孔構造を持つ水酸アパタイト成形体としたり、熱処理温度制御によりスタート成形体と類似の気孔構造を持つβ−TCP成形体とすることができる。
(6)本発明の多孔化方法は、例えば、人工骨、薬剤担体、触媒担体、フィルターなどを製造するための手段として好適に利用しうるものとして有用である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらによって何ら限定されるものではない。
α−TCP粉体と1%アルギン酸ナトリウム水溶液を混合し、40%α−TCPスラリーを調製した。上記α−TCPスラリーを、1%塩化カルシウム水溶液に滴下することにより、α−TCPゲルビーズを作製した。上記α−TCPゲルビーズを、60℃、24時間乾燥することにより、α−TCP乾燥ビーズを作製した。乾燥α−TCPビーズの空隙率及び空隙メジアン径は、58.78%、0.6905μmであった。
α−TCP乾燥ビーズをpH2.5の塩酸酸性水溶液に浸漬し、40℃、24時間静置した。上記処理により、α−TCP乾燥ビーズの一部が溶解し、溶液中のpHを上昇させ、その結果として、α−TCP乾燥ビーズ上に析出物が形成された。α−TCP乾燥ビーズ上の析出物は、OCP様のモルフォロジーを呈した(図2)。酸処理α−TCPビーズの空隙率及び空隙メジアン径は、55.27%、0.0420μmであった。
上記酸処理後のα−TCPビーズを、水洗、乾燥後、1400℃で焼成することにより、ビーズ上の析出物を分解し、サンゴ様構造を持つ多孔質α−TCPビーズを得た(図3)。多孔化α−TCPビーズの空隙率及び空隙メヂアン径は、42.07%、1.692μmであり、気孔径の拡張が確認できた。
粉砕したα−TCP粉体を用いて、実施例1と同様の多孔化処理を行うことにより、よりサンゴ様構造が顕著なα−TCP多孔体を得ることができた(図4)。
実施例1と同様の方法で、α−TCP乾燥ビーズを作製した。α−TCP乾燥ビーズをpH1.5の塩酸酸性水溶液に浸漬し、4℃、24時間静置した。上記処理により、α−TCP乾燥ビーズの一部が溶解し、溶液中のpHを上昇させ、その結果として、α−TCP乾燥ビーズ上に、DCPDの析出物が形成された。(図5)。上記酸処理後のα−TCPビーズを、水洗、乾燥後、1400℃で焼成することにより、ビーズ上の析出物を分解し、多孔質α−TCPビーズを得た(図6)。
実施例1で作製した多孔化α−TCPビーズを、150℃、5日間水熱処理することにより、HA化多孔化α−TCPビーズを作製することができた(図7)。
比較例1
実施例1において、塩酸処理を行わずに、α−TCPビーズを1400℃で焼成した。ただα−TCPビーズを1400℃で焼成しただけでは、サンゴ様構造はできなかった(図8)。無処理α−TCPビーズの空隙率及び空隙メジアン径は、23.23%、0.6686μmであった。
実施例1と同様の方法で、α−TCPスラリーを30%として作製したα−TCP乾燥ビーズを、500mgずつ、pH2.5の塩酸酸性水溶液25mlに浸漬し、40℃のインキュベーターシェイカーで、1、3,5,15,24,48時間、50rpmで、振盪して、溶解析出反応を促進することにより、α−TCP乾燥ビーズ上に、析出物を形成した。上記酸処理中の処理液pHは、各経過時間において、6.4、6.375、6.301、6.148、5.867、5.682となった。酸処理1時間のpH上昇は、α−TCP乾燥ビーズの溶解を、その後のpH下降は、処理液からのリン酸カルシウムの析出を、それぞれ示唆している。
以上詳述したように、本発明は、溶解析出反応により、α−TCP成形体の構成粒子の間隙近傍に分解しやすい脆弱部位の部分を設け、該部分を熱分解除去することにより、構成粒子の間隙を拡張することを特徴とした、多孔質リン酸カルシウム系焼結体及びその製造方法に係るものであり、本発明により、数ミクロンの流路(細孔)幅を持つサンゴ様構造を、発泡法や骨材焼失法を用いることなく、α−TCP成形体に付与することができる。本発明のサンゴ様構造は、成形体の比表面積を増大させ、液性成分との親和性を向上し、成形体の溶解性を比較的高くすることができる。
多孔化処理にもかかわらず、成形体の強度低下が少ない。本発明では、α−TCP成形体をスタート成形体として、例えば、多孔化後のα−TCP成形体を水熱処理することにより、スタート成形体と類似の気孔構造を持つ水酸アパタイト成形体としたり、熱処理温度制御により、スタート成形体と類似の気孔構造を持つβ−TCP成形体とすることができる。本発明のリン酸カルシウム系成形体の多孔化方法は、例えば、人工骨、薬剤担体、触媒担体、フィルターなどを製造するための手段として好適に利用しうるものとして有用である。
本発明の多孔化処理を模式的に示す。多孔化処理は、左(1)から右(4)に進む。つまり、図は、(1)成形体溶解で浸漬液Ca、P濃度上昇→(2)浸漬液pH上昇→(3)脆弱部位析出→(4)焼結、により、ミクロポア出現という多孔化の機序を示している。 OCP様の結晶が析出した状態のα−TCPビーズの電子顕微鏡画像を示す。 OCP様の結晶析出後に焼成して多孔化したα−TCPビーズの電子顕微鏡画像を示す。 サンゴ様構造がより顕著な多孔化α−TCPビーズの電子顕微鏡画像を示す。 DCPD結晶が析出した状態のα−TCPビーズの電子顕微鏡画像を示す。 DCPD析出後に焼成して多孔化したα−TCPビーズの電子顕微鏡画像を示す。 水熱処理でHA化した、OCP様の結晶析出後に焼成して多孔化したα−TCPビーズの電子顕微鏡画像を示す。 塩酸処理を行わずに、ただ1400℃で焼成しただけのα−TCPビーズの電子顕微鏡画像を示す。多孔化処理の特徴であるサンゴ様構造は見られない。

Claims (12)

  1. 下記2ステップによりリン酸カルシウム系成形体の多孔体を製造する方法であって、
    1)リン酸カルシウムを溶解する液体中で多孔化対象のα−TCP成形体の液体暴露部の溶解析出反応を促し、α−TCPないし水酸アパタイトの焼結に適合する温度による処理で分解しやすい脆弱部位の部分を設け、
    2)該成形体を熱処理することにより、上記脆弱部位を分解、除去し、構成粒子同士を焼結すると共に、成形体構成粒子の間隙を拡張する、
    ことを特徴とする、リン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
  2. 上記溶解析出反応が、多孔化対象のα−TCP成形体の液体中への浸漬による浸漬溶液中のリン、カルシウムの濃度上昇とpH上昇により、成形体の表面及び微小気孔にリン酸カルシウムを析出させる反応である、請求項1記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
  3. 上記溶解析出反応におけるα−TCP成形体の液体中への浸漬環境が、静置である、請求項1又は2記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
  4. 上記溶解析出反応に用いる液体として、α−TCP成形体が溶解る液体を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
  5. α−TCP成形体の液体暴露部の溶解析出反応により出現する脆弱部位が、X線的、或いは形態的に、MCPM、DCP、DCPD、OCPのいずれか、若しくはそれらの混合物である、請求項1〜4のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
  6. α−TCP成形体が、湿潤物、又は乾燥物である、請求項1〜5のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
  7. 熱処理温度及び/又は熱処理時間の制御により、成形体の一部若しくは全部をβ−TCP化する、請求項1〜6のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
  8. 上記溶解析出反応を促す方法が、温度、又はpHを制御若しくは変化させる方法であって、温度を0−200℃の範囲、pHをpH1−9の範囲に制御若しくは変化させる、請求項1〜7のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体の製造方法。
  9. 無処理のα−TCP成形体を溶解析出処理に供した溶解析出処理後の処理後α−TCP成形体を焼成して得られるリン酸カルシウム系成形体の多孔体であって、
    処理後α−TCP成形体の焼結と、溶解析出反応で形成された脆弱部位の分解によりできた、脆弱部位の分解残渣を伴ったサンゴ様のnode−strut構造と拡張した気孔構造を有し、焼結で強度が上がり、かつ気孔径が拡張した、無処理のα−TCPの焼成品と比べて高い気孔率、吸水性、及び強度を実現していることを特徴とするリン酸カルシウム系成形体の多孔体。
  10. 上記リン酸カルシウムが、α−TCP、β−TCP、又は水酸アパタイトである、請求項8記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体。
  11. 請求項9記載のα−TCP成形体を焼成して得られるリン酸カルシウム系成形体の多孔体を水熱処理することにより得られる、水酸アパタイト若しくは水酸アパタイトを含むリン酸カルシウム系成形体の多孔体。
  12. 請求項9から11のいずれかに記載のリン酸カルシウム系成形体の多孔体からなることを特徴とするリン酸カルシウム多孔体部材。
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