JP4801316B2 - リン酸カルシウム多孔体の製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なリン酸カルシウム多孔体とその製法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、細孔径分布における細孔直径が10〜100μmの範囲にある細孔の体積(V)の全細孔体積(Va)中に占める割合[(V/Va)×100]が80vol%以上である均一な三次元連続貫通孔を有すると共に、該細孔を形成する骨格の大きさが1〜10μmの範囲にあることを特徴とするリン酸カルシウム多孔体およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リン酸カルシウムは脊椎動物の骨や歯を構成する生体硬組織の主要成分である。その為、生体親和性に優れた材料として注目されており、人工骨、人工歯、人工歯根および骨充填材等の生体補填材料としての使用が進められている。とりわけ、リン酸カルシウム多孔体は、生体内組織とリン酸カルシウム材料との接触面積が大きいため、生体内で骨組織と絡み合い構造を構築でき、しかも手術室等での加工も可能なことから、人工骨等に適しているとされてきた。
【0003】
この種の多孔体および該多孔体の調製法に関連する先行技術を以下に例示する:
(1)炭酸カルシウムの水性懸濁液に、錯体形成能を有する第3物質を共存下でリン酸を滴下して得られる開口部を有する板状構造型リン酸カルシウム系化合物(特許文献1参照)、
(2)リン酸カルシウム系セラミックスの粉体を5〜50MPaの加圧下で圧縮し、該圧粉体をパルス状電圧の印加により650℃〜900℃に加熱することよって、相対密度35〜80%のリン酸カルシウム系セラミックス多孔体を製造する方法(特許文献2参照)、
(3)線材メッシュやビーズ結合体等の生体用非吸収性材料から成る三次元多孔体の空隙内に、CMキチンとリン酸カルシウムの顆粒との混合材を充填して成る表面修飾骨補填部材およびその製法(特許文献3参照)、
(4)気孔が一定の方向性を有し、かつその方向に沿って連通してなるリン酸カルシウム化合物から成る多孔体骨補填材(特許文献4参照)、
【0004】
(5)気孔径が10〜100μmで開気孔率が40〜80%の球状連通気孔を有するリン酸カルシウム系セラミックス多孔体、並びに球状気孔形成材20〜60重量%およびリン酸カルシウム系セラミックス80〜40重量%から成るグリーン体を圧縮成型し、これを800〜1400℃で焼成することを特徴とするリン酸カルシウム系セラミックス多孔体の製法(特許文献5参照)、
(6)セラミックス材料のグリーンシートに100〜1000μmの孔を形成し、該孔が連通するように該グリーンシートを積層させた後、該積層体を焼成して得られる生体補填部材(特許文献6参照)、
(7)カルシウムイオンとリン酸イオンとを水性媒体(pH:8以上)中で反応させて得られるゼラチン状リン酸カルシウム沈殿物(カルシウムとリンのモル比:1.45〜1.75)を三次元網状構造を有する有機多孔体の中に入れ、該ゼラチン状リン酸カルシウム沈殿物を乾燥させることによって該多孔体の孔の中に顆粒状リン酸カルシウム成形体を形成させ、次いで、該有機多孔体を除去することを含む顆粒状リン酸カルシウム成形体の製法(特許文献7参照)、
【0005】
(8)厚み方向に1〜3層の熱分解性物質を3次元的に連結した多孔体に対してセラミック基材を接触または近接状態で配置させ、両者間および該多孔体の空隙部を、該セラミック基材と同質のセラミック粉末の泥しょうで満たした後、これらの複合体を加熱焼成することを含むセラミックインプラント材の製法(特許文献8参照)、
(9)化学反応により気体を発生させるカルシウム化合物およびリン酸化合物を含む出発物質を反応させて得られる生成物を水熱ホットプレス法により加圧成形し、該成形体を焼成して得られるリン酸カルシウム質セラミックス多孔体(特許文献9参照)、および
(10)結晶質のリン酸カルシウム微粉末に解膠剤水溶液を添加して混合する工程、該混合溶液に起泡剤を添加することによって連続微細空孔を有する多孔性流動体を調製する工程、該多孔性流動体を乾燥処理に付すことによってリン酸カルシウム骨格を有する多孔体を作製する工程、および該多孔体を加熱することによって該解膠剤と起泡剤を分解消失させるとともに該リン酸カルシウム多孔体を焼結する工程を含むリン酸カルシウム多孔体の製法(特許文献10参照)。
【0006】
従来のリン酸カルシウム多孔体材料は、主に、起泡剤を用いて泡を含むリン酸カルシウム材料のスラリーを硬化させるか、または該スラリーを焼成して製造される。例えば、特許文献9には、化学反応により気体を発生させる方法を用いる多孔体の製法が開示されているが、該製法の場合には、均一に気体を発生させること(即ち、気孔径を均一にすること)が困難であるために、0.01〜500μmの不均一な孔を有する多孔体しか得られないという問題がある。
また、特許文献10には、起泡剤により発泡させて多孔体を製造する方法が開示されているが、該製法の場合には、得られる多孔体の孔径が0.05〜1.3mmであり、微細孔を有する多孔体を製造することはできないという問題がある。
【0007】
このように、発泡剤を用いる多孔体の製法の場合には、気孔形成の調整が困難であるために、形成される気孔構造が不定型になるだけでなく、得られる多孔体の強度が低くなるという問題がある。さらに、このような多孔体の気孔径が均一でないために、該多孔体を生体補填材料として使用した場合、骨組織との絡み合い構造構築において高い効果が得られないという問題がある。
【0008】
これら問題点に鑑み、気孔構造の均一化を図るために、リン酸カルシウム、水溶性有機化合物および水から成るスラリーをポリウレタンなどの水不溶性三次元網目構造を有する有機体に含浸させて成形する方法が提案されている(特許文献11参照)。しかしながら、この方法によれば、水溶性有機化合物の分解によって形成される均一な連続気孔のほかに、水不溶性三次元網目構造を有する有機体の分解によって形成される100μm以上の気孔を多く有する多孔体が得られ、該多孔体には、圧縮強度が低く、取り扱いの簡便性が劣るという問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−128513号公報
【特許文献2】
特開平11−035379号公報
【特許文献3】
特開平11−276510号公報
【特許文献4】
特開平7−23994号公報
【特許文献5】
特開平5−208877号公報
【特許文献6】
特開平8−173463号公報
【特許文献7】
特公平8−29992号公報
【特許文献8】
特許第2759147号明細書
【特許文献9】
特公平7−10749号公報
【特許文献10】
特許第2597355号明細書
【特許文献11】
特開2002−274968号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、当該分野の上記の問題点を解決し、高い機械的強度、優れた取扱いの簡便性と二次加工性および非常に大きな有効表面積を有する多孔体であって、骨形成材料等の生体補填材料、空気浄化フィルターや廃水処理などの環境浄化材料および断熱材などの建築材料等としても有用な多孔体を提供するためになされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、細孔径分布における細孔直径が10〜100μmの範囲にある細孔の体積(V)の全細孔体積(Va)中に占める割合[(V/Va)×100]が80〜93vol%である均一な三次元連続貫通孔を有すると共に、該細孔を形成する骨格の大きさが1〜10μmの範囲にあり、且つ気孔率が40〜90%の範囲にあるリン酸カルシウム多孔体を製造するに当り、リン酸カルシウムと澱粉との混合物における澱粉が占める重量百分率が10〜70wt%の範囲にあり、スラリー調製時の水/粉体(該混合物)の重量比が0.5〜1.5である、リン酸カルシウム、澱粉および水を含有する水性スラリーを耐熱性型内に注型し、該スラリーを乾燥させた後、500〜1700℃で焼成処理に付すことを特徴とするリン酸カルシウム多孔体の製法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体の細孔は三次元連続貫通孔であるため、気体や液体と連続的に接触させることが可能となる。本発明によるリン酸カルシウム多孔体においては、細孔径分布における直径が10〜100μm、好ましくは、20〜80μmの範囲にある細孔の体積(V)の全細孔体積(Va)中に占める割合[(V/Va)×100]は、80vol%以上、好ましくは、90vol%以上である。該割合が80vol%より小さくなると(例えば、細孔径分布における直径が100μm以上の細孔の体積が増加すると)、機械的物性が低下し、取扱いの簡便性に欠けるようになり、また、該直径が10μmよりも小さな細孔が増加すると、該多孔体が骨や細胞の侵入に対して有効に作用しなくなるという問題が生じる。
【0013】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体における細孔径は、例えば、走査型電子顕微鏡や光学式実体顕微鏡等を用いて測定でき、また、細孔径分布は、例えば、水銀圧入法等によって定量化できる。なお、本発明によるリン酸カルシウム多孔体の連続細孔の存在量については、例えば、通気率等の測定から評価できる。
【0014】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体の細孔を形成する骨格の大きさは、多孔体の強度の維持と有効表面積の確保のために、1〜10μm、好ましくは、3〜8μmの範囲にある。該骨格の大きさが1μmよりも小さくなると、強度が低下するため、欠損部への挿入時の操作が困難となる。また、該骨格の大きさが10μmよりも大きくなると、相対的に気孔率が低下するため、骨組織再生の足場として充分な機能をはたせない。
なお、本発明によるリン酸カルシウム多孔体の骨格の大きさ(厚さ)は、例えば、走査型電子顕微鏡や光学式実体顕微鏡等を用いて測定できる。
【0015】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、該多孔体の強度の維持と有効表面積の確保の観点からは、40〜90%、好ましくは、50〜80%の範囲の気孔率を有するのが好ましい。該気孔率が90%よりも高くなると、該多孔体の機械的物性が低下し、また、該気孔率が40%よりも低くなると、十分な有効表面積を確保することが困難となるために、例えば、該多孔体を医用材料や環境浄化用材料等として用いた場合に有効に作用する表面積が不十分となる。
【0016】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体の気孔率の測定法としては、該多孔体の体積と重さおよびリン酸カルシウムの真比重から計算する方法および該多孔体の細孔中に比重が既知の液体を充填し、その前後の多孔体の重さから計算する方法等が例示されるが、後者の原理を利用する水銀圧入法を用いて該多孔体の気孔率を求めることもできる。
なお、該多孔体の有効表面積の指標となる比表面積を求める方法としては、既知の占有面積を有する分子やイオンの該多孔体表面上への吸着量から求める吸着法、該多孔体に対する流体の透過性から求める透過法および該多孔体を液体中へ浸漬するときの発熱量から求める浸漬熱法等が例示される。
【0017】
本発明による上記のリン酸カルシウム多孔体の好適な製法は、リン酸カルシウム、水溶性有機化合物および水を含有する水性スラリーを耐熱容器内に注型し、該水性スラリーを焼成処理に付す工程を含む方法である。
【0018】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体の製法に使用するリン酸カルシウムとしては、α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸八カルシウム、オルトリン酸カルシウム、非晶質リン酸カルシウムおよびリン酸カルシウム系ガラス等が例示されるが、特に、生体吸収性に優れるため、β型リン酸三カルシウムおよびα型リン酸三カルシウムが好ましい。
なお、これらのリン酸カルシウム成分は、所望により、複合物、特に2種以上の混合物として使用してもよい。
上記のリン酸カルシウム成分としては、天然に産生するものを用いることができるが、湿式法によりリン酸含有水溶液とカルシウム含有水溶液から合成される生成物、乾式法によりリン酸カルシウムの製造原料を高温での加熱処理に付すことによって合成される生成物、またはリン酸カルシウムの製造原料を気相法で反応させて合成される生成物を使用してもよい。
【0019】
また、本発明によるリン酸カルシウム多孔体の上記製法に使用する水溶性有機化合物としては、水溶性糖類(例えば、グルコースやマルトース、ショ糖、トレハロース、澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル澱粉、アルギン酸、ヒアルロン酸、デキストランおよびキトサン等)、水溶性蛋白質(例えば、アルブミンやコラーゲン、カゼイン、リゾチームおよびグロブリン等)、および水溶性高分子化合物(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン等)等が例示されるが、特に、澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル澱粉およびアルギン酸等の水溶性多糖類が好ましい。
【0020】
上記の水性スラリーを調製する場合のリン酸カルシウムと水溶性有機化合物との使用割合は、通常は、リン酸カルシウムと水溶性有機化合物との混合物中の後者の重量百分率が10〜70wt%の範囲になるように調整するのが好ましい。水溶性有機化合物の使用量が70wt%よりも高くなると、得られるリン酸カルシウム多孔体の気孔率が高くなりすぎて機械的物性が低下し、また、該使用量が10wt%よりも低くなると、気孔率が低すぎるために、骨組織再生の足場として充分機能しないので好ましくない。
【0021】
上記の水性スラリー調製に際しては、リン酸カルシウムは粉末状態で使用するのが望ましく、好ましくは粒度が0.01〜10μm、特に0.1〜5μmの粉末を使用する。なお、水溶性有機化合物の粒径は特に限定されないが、例えば、澱粉を用いる場合には、得られるリン酸カルシウム多孔体の細孔直径にほぼ等しい10〜100μmの粒径の粉体、即ち、馬鈴薯澱粉を用いるのが好ましい。
【0022】
なお、水性スラリー調製時の水/粉体(リン酸カルシウムと水溶性有機化合物との混合物)の重量比は0.5〜1.5に調整するのが一般的である。該重量比が0.5よりも小さくなると、水性スラリーの流動性が低くなり、注型時の作業性が悪化し、また、該重量比が1.5よりも大きくなると、成形から焼成に至る工程中で粉体の沈降が生じ、表面の気孔率が高い不均一な多孔体が得られるので好ましくない。
【0023】
上記のようにして調製される水性スラリーの焼成温度は、スラリー中のリン酸カルシウムが焼結するとともに、水溶性有機化合物が消失し、かつ目的とするリン酸カルシウム多孔体の結晶構造や非晶質構造が安定化する温度であればよく、特に限定的ではないが、好ましくは500〜1700℃の範囲である。このような焼成処理の特に好ましい態様においては、該焼成処理を2段階、即ち、水性スラリーを500〜1,000℃の範囲で焼成することによって水溶性有機化合物を消失させ(脱脂)、次いで、得られる焼成物を500〜1700℃の範囲で焼成することによってリン酸カルシウムの結晶構造を安定化させる2段階でおこなう。
【0024】
上記の焼成工程における昇温速度は、使用するリン酸カルシウムと水溶性有機化合物の種類および焼成温度等によって左右され、特に限定的ではないが、通常は1〜10℃/min、好ましくは2〜6℃/minである。昇温速度が過度に速すぎると、水溶性有機化合物の分解が一度に生じるため、不均一な気孔径分布となり、逆に、昇温速度が過度に遅すぎると、製造に時間を要するために、製造の簡便性の面で問題がある。
【0025】
また、上記の焼成工程における焼成時間も、使用するリン酸カルシウムと水溶性有機化合物の種類および焼成温度等によって左右され、特に限定的ではないが、通常は5〜50時間、好ましくは10〜36時間である。焼成時間が過度に長くなると、熱分解や粒子成長が生じ、多孔体の強度が低下する。逆に、焼成時間が短すぎると、緻密化が不充分のため、やはり強度が低下する。
【0026】
なお、上記の焼成工程は、通常は空気中でおこなうが、その他の雰囲気、例えば、Ar、N2およびO2等の雰囲気中でおこなってもよい。
【0027】
本発明による上記の製法によれば、細孔径分布における細孔直径が10〜100μmの範囲にあり、大きさが均一の三次元連続貫通孔を有するリン酸カルシウム多孔体を得ることができる。より少量のリン酸カルシウムを使用して、高いタンパク質吸着特性やイオン交換特性、細胞親和性や刺激性を効率よく達成するには、周囲の気体や液体に接する面積を単位体積あたりで大きくするほうが有利である。さらに、リン酸カルシウム多孔体が、気体や液体の流動も可能にする連続細孔を有すると共に、細孔径が10〜100μmの範囲内にあるので、細孔内への、例えば、増殖細胞や汚染ガス等の進入も可能であるので、本発明による多孔体は人工骨用材料や環境浄化用材料等としての非常に有用である。
【0028】
先に述べたように、多孔体の機能性は周囲の気体や液体と接する面積が大きいほど、反応できる部位が多くなり、例えば、生体適合性や環境浄化において高い効率が達成可能となる。多孔体の細孔容積を70 vol%とした場合、平均細孔径が10μmであって、該細孔のすべてが連続していると仮定すると、1.0cm×1.0cm×1.0cmの立方体中の多孔体の表面積は、最低でも約0.28m2となる。また、平均細孔径が100μmであって、該細孔のすべてが連続していると仮定すると、該立方体中の多孔体の表面積は約0.028m2となる。即ち、細孔径が小さくなるにつれて、多孔体の単位体積あたりの表面積が大きくなるので、この程度の違いであっても、リン酸カルシウム表面へのタンパク質の吸着量やイオン交換量に10倍以上の差が生じる。これは連続細孔が1つで繋がっていると仮定した場合であり、三次元での連続細孔(すなわち、連続貫通孔)が形成されている場合においては、その差はより大きくなる。
【0029】
さらに、細孔が全て連続していれば、多孔体内部において処理される気体や液体の自由な流動が可能となり、接触面積が大きくなるだけでなく、該気体や液体の供給が続く限り細孔表面における反応等が持続するという効果が得られる。一方、細孔が連続していない密閉気孔の場合には、気体や液体との表面反応は起こらない(ここで密閉気孔とは外界との接触のない骨格内部の気孔(細孔)を意味する)。また片側だけ開口したボトル型の細孔の場合には、周囲の液体や気体が連続的に供給され難いので、連続的な表面反応は望めない。従って、細孔が連続している点は、例えば、タンパク質や有機分子、無機分子の吸着を伴う医用材料や環境浄化用材料等において、極めて重要な要素であり、連続細孔を構築する技術の有用性は極めて高い。
【0030】
焼結による多孔体の合成においては、グリーン体作製時の粉末として、粒径が1〜10μmの粉末を用いると、粒子間に存在する細孔が焼結試料中に残存する可能性が高くなる。この場合、焼結後の骨格の大きさが100μm以上になると、骨格構造内部に10μm以下の密閉細孔が残存するようになる。密閉細孔はタンパク質の吸着や環境浄化に必要な気体や液体との接触による反応等に寄与しない。従って、上記の用途に適した高機能多孔体を調製するためには、骨格内部への細孔の残留を避けなくてはならない。骨格の径を非常に小さくすることは、単位体積あたりの細孔の数を大きくすると同時に、密閉細孔の残留を避ける上で極めて有効な技術である。さらに、同じ気孔率で機械的物性を向上させるためには、気孔径分布を出来る限り均一にすることが重要であり、特に100μm以上の粗大気孔の存在量を減少させることが有効である。
【0031】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、そのまま骨形成材料等の生体補填材料として用いることができるが、アルギン酸やキトサン、セルロースなどの多糖類、コラーゲン、アルブミンなどの蛋白質で細孔内壁を被覆して用いてもよく、あるいはこれらの多糖類や蛋白質で細孔内を充填して用いることもできる。また、薬剤、増殖因子などをそのまま添加して、あるいは被覆して用いてもよく、多孔体に充填する多糖類や蛋白質に添加して、または包含させて、あるいは結合させて用いることもできる。
【0032】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体と併用する薬剤としては、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、レチノイン酸、アスコルビン酸、ビタミンDおよびビスフォスフォネート等の骨吸収抑制作用または骨形成促進作用を有する薬剤、抗生物質および消毒剤などの抗菌剤が例示される。
【0033】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体と併用する増殖因子としては、骨形成タンパク質(Bone morphogenetic protein)、腫瘍成長因子-β、オステオポンチン、塩基性線維芽細胞成長因子およびインスリン様成長因子等の骨形成促進作用を有する増殖因子等が例示される。
【0034】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、予め滅菌処理に付した後、使用に供してもよい。滅菌方法としては、日本薬局方に記載されている方法、即ち、180℃で2時間の乾熱滅菌法、121℃で20分間の湿熱蒸気滅菌法、エチレンオキサイドガス滅菌法およびガンマ線滅菌法等が例示される。
【0035】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、連通細孔および非常に大きな表面積を有するので、空気中の細菌、ウイルス、花粉、塵埃、CO2、NOX、SOXおよびオゾン等の除去用の空気浄化フィルター、水中の重金属や軽金属イオン、有機物および細菌等の除去に用いる廃水処理などの環境浄化材料としての使用において極めて有用である。本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、そのまま環境浄化材料として用いることができるが、細孔の内壁を多糖類(例えば、アルギン酸、キトサンおよびセルロース等)または高分子化合物(例えば、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンおよびポリエステル等)等を用いて予め被覆した後、環境浄化材料としての使用に供してもよい。
【0036】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、気孔率が大きく、毒性が低く、不燃性である等の特性を有するので、断熱材などの建築材料としても有用である。この場合も、本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、そのまま建築材料として用いることができるが、細孔の内壁を多糖類(例えば、アルギン酸、キトサンおよびセルロース等)または高分子化合物(例えば、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンおよびポリエステル等)等を用いて予め被覆した後、建築材料としての使用に供してもよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0038】
実施例1〜3
β− リン酸三カルシウム[ナカライ・テスク(Nacalai tesqu)社の製品;コード 069-30]と馬鈴薯澱粉[ナカライ・テスク社の製品;コード 321-28(粒径:約50μm)]を表1に示す澱粉含有率[=馬鈴薯澱粉重量/(リン酸三カルシウム重量+馬鈴薯澱粉重量)×100(%)]となるようにボールミル内へ入れ、媒体を使用せずこれらの成分を1時間混合した。得られた混合粉末40gに純水35gを加えて十分に撹拌することによって水性スラリーを調製した。澱粉含有率が50重量%、25重量%および10重量%の水性スラリーの25℃における粘度は、それぞれ700mPa・s、1200mPa・sおよび1300mPa・sであった。各々の水性スラリーをアルミナ製坩堝内へ流し込み、60℃で約12時間乾燥させた後、該坩堝をマッフル炉内へ移し、昇温速度5℃/minで該炉を1000℃まで加熱し、焼成処理をこの温度で3時間おこなった。次いで、該坩堝を室温まで冷却させた後、高温電気炉内へ移し、昇温速度5℃/minで該炉を1400℃まで加熱し、焼成処理をこの温度で12時間おこなった。
【0039】
澱粉含有率が50重量%の水性スラリーから調製されたリン酸カルシウム多孔体の破断面の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。図1(b)は図1(a)の拡大写真である。図1から明らかのように、得られたリン酸カルシウム多孔体は、10〜100μmの範囲の均一な細孔および1〜10μmの範囲の均一な骨格を有する。
【0040】
また、得られたリン酸カルシウム多孔体の気孔率、平均細孔直径および細孔径分布を水銀圧入法によって測定し、結果を図2(細孔径分布)および表1(気孔率および平均細孔直径)に示す。
さらに、細孔径分布の均一性を示す指標として、次式を用いてVhを計算し、結果を表1に示す。
Vh(vol%)=[V(cc)/Va(cc)]×100
式中、Vは直径が10〜100μmの細孔の体積を示し、Vaは全細孔の体積を示す。Vhは88〜93vol%であり、このことは、得られた多孔体の細孔径分布が均一であることを示す。
さらにまた、得られたリン酸カルシウム多孔体の圧縮強度を常套法に従って測定し、結果を表1に示す。
【0041】
比較例1
β-リン酸3カルシウム(ナカライ・テスク社の製品;コード 069-30)20gと20gの馬鈴薯澱粉(ナカライ・テスク社の製品;コード 321-28)20gをボールミル内へ入れ、媒体を用いずにこれらの成分を1時間混合し、得られた混合物に純水35gを加えて十分に撹拌することによって水性スラリーを調製した。該水性スラリーの23℃における粘度は700mPa・sであった。
【0042】
該水性スラリーをポリウレタン製の「ボディスポンジ」(マーナ社の製品)に十分に含浸させた。均一にスラリーが含浸されたことを確認した後、該ボディスポンジを60℃で約12時間乾燥させた後、これをマッフル炉内へ移し、昇温速度5℃/minで該炉を1000℃まで加熱し、焼成処理をこの温度で3時間おこなった。次いで、該ボディスポンジを室温まで冷却させた後、高温電気炉内へ移し、昇温速度5℃/minで該炉を1400℃まで加熱し、焼成処理をこの温度で12時間おこなった。
【0043】
得られたリン酸カルシウム多孔体の破断面の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。図3(b)は図3(a)の拡大写真である。図3(a)から明らかなように、該多孔体には、10〜100μmの範囲の均一な細孔以外に200μmの粗大気孔が共存する。
また、該リン酸カルシウム多孔体の細孔径分布を図4に示す。図4においては、150μm近傍に別のピークが観察され、このことは、該多孔体の細孔径分布が不均一であることを示す。この原因は、スラリーを担持させるウレタンスポンジ骨格が消失して形成される孔に起因すると考えられる。
さらに、実施例1〜3の場合と同様にして、該リン酸カルシウム多孔体の気孔率、平均細孔直径、Vhおよび圧縮強度を測定し、結果を表1に示す。細孔径分布の均一性を示すVhは実施例の場合に比べて低く(71vol%)、また、圧縮強度も実施例の場合の1/5である。この原因は、粗大気孔の存在に起因すると考えられる。
【0044】
骨形成試験
実施例1および比較例1で得られたリン酸カルシウム多孔体を、直径が4mmで長さが10mmの試験片に二次加工し、これらの試験片を、ウサギの脛骨に開けた孔に埋植した。二次加工時の加工性に関しては、実施例1で得られた多孔体の場合は良好であったが、比較例1で得られた多孔体の場合は、所望サイズに切削する際にサンプルの一部が欠落するという問題があった。また、埋植時の取り扱い性に関しても、実施例1で得られた多孔体は比較例1で得られた多孔体に比べて圧縮強度が高いために、欠損部への挿入操作がより簡便であった。
【0045】
1ヶ月後に摘出した埋植部位のX線CT断層写真を図5に示す。図5(a)は実施例1で得られた多孔体を使用した場合のX線CT断層写真であり、図5(b)は、比較例1で得られた多孔体を使用した場合のX線CT断層写真である。図5から明らかなように、実施例1および比較例1で得られたリン酸カルシウム多孔体を使用したいずれの場合にも、多孔体の残存量はわずかであり、欠損部の大部分には骨組織が再生していたが、実施例1で得られた多孔体を使用した場合には、欠損部の骨密度がより高く、修復効果が高いことが判明した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、前述の特製に起因して、例えば、骨、細胞および血管等の侵入が可能な機能的な空間を有すると共に、均一な細孔構造を有するために、機械的特性に優れ、二次加工が簡便である。従って、本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、例えば、骨形成材料等の生体補填材料として有用なだけでなく、空気浄化フィルターや廃水処理などの環境浄化材料および断熱材などの建築材料等としても有用である。
また、本発明によれば、上記の特性を有するリン酸カルシウム多孔体を注型によって製造することができるので、複雑な形状を有するリン酸カルシウム多孔体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたリン酸カルシウム多孔体の破断面の走査型電子顕微鏡写真である。図1(b)は図1(a)の拡大写真である。
【図2】 実施例1で得られたリン酸カルシウム多孔体の細孔径分布を示すグラフである。
【図3】 比較例1で得られたリン酸カルシウム多孔体の破断面の走査型電子顕微鏡写真である。図3(b)は図3(a)の拡大写真である。
【図4】 比較例1で得られたリン酸カルシウム多孔体の細孔径分布を示すグラフである。
【図5】 骨形成試験における埋植部位のX線CT断層写真である。図5(a)は実施例1で得られた多孔体を使用した場合の写真であり、図5(b)は、比較例1で得られた多孔体を使用した場合の写真である。
Claims (3)
- 細孔径分布における細孔直径が10〜100μmの範囲にある細孔の体積(V)の全細孔体積(Va)中に占める割合[(V/Va)×100]が80〜93vol%である均一な三次元連続貫通孔を有すると共に、該細孔を形成する骨格の大きさが1〜10μmの範囲にあり、且つ気孔率が40〜90%の範囲にあるリン酸カルシウム多孔体を製造するに当り、リン酸カルシウムと澱粉との混合物における澱粉が占める重量百分率が10〜70wt%の範囲にあり、スラリー調製時の水/粉体(該混合物)の重量比が0.5〜1.5である、リン酸カルシウム、澱粉および水を含有する水性スラリーを耐熱性型内に注型し、該スラリーを乾燥させた後、500〜1700℃で焼成処理に付すことを特徴とするリン酸カルシウム多孔体の製法。
- リン酸カルシウムがα型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸八カルシウム、オルトリン酸カルシウム、非晶質リン酸カルシウムもしくはリン酸カルシウム系ガラスまたはこれらの2種以上の混合物である請求項1に記載の製法。
- 焼成処理を、500〜1000℃における焼成処理と、500〜1700℃における焼成処理との2段階でおこなう請求項1または2に記載の製法。
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