JP4443077B2 - 多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法及び多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体 - Google Patents

多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法及び多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞及び生体組織の培養に用いる担体や骨補填用等に好適な生体親和性を有する人工生体材料のみならず、液体クロマトグラフィー用充填剤、触媒担体、各種の電気・電子材料、原子炉材料、セラミック発熱体等にも有用な多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体を製造する方法及びその製造方法により得られる多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体に関し、特に高強度を有する多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体を製造する方法及びその製造方法により得られる多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
セラミックスは近年急速に技術革新が進み、耐熱性、機械的強度、絶縁性、強誘電性、圧電性、半導電性、磁性等を応用した各種の耐熱材、構造材及び機能材が開発されている。なかでもリン酸カルシウム系セラミックス(例えばハイドロキシアパタイト)は歯や骨の無機成分と構造が似ているために、優れた生体適合性を有し、人工歯根や骨補填材、歯科用セメント等の生体材料として用いられている。
【0003】
生体親和性の観点から、リン酸カルシウム系セラミックスは多孔質なほど、すなわち気孔率が高いほど良い。このため従来から多孔質リン酸カルシウム系セラミックスを製造する方法として、水溶性高分子ゲル化法が提案されている。水溶性高分子ゲル化法は、セラミックスと水溶性高分子化合物とのスラリーを攪拌することにより起泡させ、起泡したスラリーを加熱することによりゲル化させ、気泡を保持した状態で乾燥する方法である(特許3058174 号)。特許3058174 号の方法により得られた多孔質セラミックスは、気泡に由来する孔径20 〜2000 μmの球形のマクロポアと、セラミックス原料一次粒子の凝集体からなる球状二次粒子粉体の間隙によって形成される3次元連通孔とを有する。
【0004】
しかしながら、このような水溶性高分子ゲル化法により得られる多孔質リン酸カルシウム系セラミックスはマトリックス部分の焼結性が弱く、高い機械的強度を得るのが困難であり、曲げ強度等の機械的強度を改善する必要があった。
【0005】
従って本発明の目的は、適度な気孔率と高強度を有する多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、仮焼処理を施したリン酸カルシウム系セラミックス粉体と水溶性高分子化合物とを含有するスラリーを強く攪拌することにより、適度な気孔率かつ高強度を有する多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体が得られることを発見し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、水溶性高分子のゲル化を利用して気孔率5〜50 %を有する多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体を製造する本発明の方法は、(1) 700〜850℃で仮焼処理を施したリン酸カルシウム系セラミックス粉体と水溶性高分子化合物とを含有するスラリーを作製し、(2) スラリーを50 W/L以上の攪拌力で攪拌することによりリン酸カルシウム系セラミックス粉体を粉砕・分散し、(3) ゲル化させ、(4) 乾燥後に焼結することを特徴とする。
【0008】
リン酸カルシウム系セラミックス粉体は、平均長軸長(長軸方向の平均長さ)が100 nm以下のリン酸カルシウム系セラミックスの一次粒子からなる平均粒径が5 〜20 μmの球状の二次粒子からなるのが好ましい。二次粒子の平均粒径を5 〜20 μmとし、かつその形状を球状とすることにより、最終的な多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体となった時に梁となるマトリックス部分の太い焼結体が得られ、強度が向上する上、スラリーの攪拌性及びゲルの乾燥体であるグリーンブロックの成形性が向上する。リン酸カルシウム系セラミックス粉体のCa/Pの重量比は1.5 〜1.7 であるのが好ましい。
【0009】
仮焼処理700 〜850 ℃で行うことにより、焼結による粒成長を伴わずにリン酸カルシウム系セラミックス粉体の強度を向上させることができる。
【0010】
水溶性高分子化合物はメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体であるのが好ましい。スラリーの組成は、リン酸カルシウム系セラミックス粉体100重量部に対して、水溶性高分子化合物が1〜10 重量部であるのが好ましい。これによりゲル化が容易になり、かつスラリー粘度が適度になるので二次粒子の粉砕が容易になる。またスラリー中におけるリン酸カルシウム系セラミックス粉体+水溶性高分子化合物の合計濃度は20〜50重量%であるのが好ましい。これによりゲル化後の乾燥が容易になり、かつスラリー粘度が適度になるので二次粒子の粉砕が容易になる。
【0011】
スラリーの攪拌粉砕・分散処理は1〜60 分間行うのが好ましい。
【0012】
このような特徴を有する本発明の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法は、特に多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を製造する場合に好ましい。
【0013】
本発明の製造方法により得られる気孔率が5 〜50 %の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体は、マトリックス部分が太く且つその焼結性が強いため、優れた機械的強度すなわち15 MPa以上の3点曲げ強度を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法及びそれにより得られる多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体について、以下詳細に説明する。
【0015】
[1] 製造方法
本発明に用いるリン酸カルシウム系セラミックスとしては、特に制限はないが、Ca/Pの重量比が1.5 〜1.7のものが好ましく、例えばハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム及びこれらの混合物が挙げられる。Ca/Pの重量比が1.7 超であると焼結後に酸化カルシウム(CaO)との混在相となるため好ましくない。逆に重量比が1.5より低くなるとリン酸カルシウム自体の分解が起こり易くなる。本発明の製造方法を適用する多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の好ましい例は多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体[Ca10(PO4)6・(OH)2] である。以下本発明の製造方法を多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を製造する場合を例にとって詳細に説明するが、本発明は他のリン酸カルシウム系セラミックス焼結体にも適用することができる。
【0016】
(1) スラリーの調製
ハイドロキシアパタイト粉体及び水溶性高分子化合物を含有するスラリーを調製する。
(a) ハイドロキシアパタイト粉体の調製
ハイドロキシアパタイト粉体は仮焼したものである必要がある。仮焼処理を施すことによりハイドロキシアパタイト粉体の強度が増加し、後述の粉砕時に過度の粉砕が行われず、粉砕度の制御が容易になるとともに、強い攪拌に耐える粉体強度が得られる。ハイドロキシアパタイト粉体は、平均長軸長が100 nm以下の一次粒子からなる平均粒径5 〜20 μmの球状の二次粒子からなるのが好ましい。一次粒子の平均長軸長が100 nmを超えると、一次粒子を造粒して二次粒子にした時にその結晶粒が粗大になり過ぎ、二次粒子の平均粒径が5 〜20 μmになり難いのに加え、焼結も困難になる。一次粒子の平均長軸長は5 〜80 nmであるのが好ましい。二次粒子は一次粒子を造粒して顆粒状にする。ハイドロキシアパタイトの一次粒子を顆粒化するには、スプレードライ法等の公知の造粒法を利用することができる。二次粒子の平均粒径を5 〜20 μmとし、かつその形状を球状とすることにより、最終的な多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体となった時に梁となるマトリックス部分の太い焼結体が得られ、強度が向上する上、スラリーの攪拌性及びゲルの乾燥体であるグリーンブロックの成形性が向上する。
【0017】
仮焼処理工程では二次粒子に熱処理を施すが、700 〜850 ℃の温度で処理するのが好ましく、その処理時間は4〜10時間であるのが好ましい。仮焼温度が700 ℃未満であるとハイドロキシアパタイト粉体の強度の十分な向上は達成できず、850 ℃超であると焼結が始まるので粒成長が起こる。より好ましい仮焼温度は700 〜750 ℃である。仮焼時間が4時間未満であると、成形性及びハンドリング性が実質的に向上しない。また10 時間を超えると焼結反応が進行してしまい、成形後の焼結が不十分になる。なお仮焼は大気中で行うことができるが、酸化を防止する目的で不活性ガス中で行ってもよい。
【0018】
(b) 水溶性高分子化合物
本発明に使用し得る水溶性高分子化合物は、その水溶液又は水分散液に対して加熱等の手段を施すことによりゲル化するものである。水溶液又は水分散液は、水溶液、コロイド溶液、エマルジョン及び懸濁液のいずれも包括する。このような水溶性高分子化合物として、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カードラン等の多糖類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の合成重合体等が挙げられ、中でもメチルセルロースが好ましい。またポリビニルアルコールの場合、硼酸あるいは硼砂を添加することによりゲル化させることができる。
【0019】
(c) 配合比及び濃度
スラリー中において、ハイドロキシアパタイト粉体を100 重量部として、水溶性高分子化合物を1 〜10 重量部にするのが好ましい。水溶性高分子化合物の添加量が1重量部未満であるとゲル化が困難であり、また10 重量部超であるとスラリーの粘度が高くなり過ぎるため二次粒子の粉砕が困難になる。水溶性高分子化合物のより好ましい添加量は1 〜5 重量部である。
【0020】
スラリー中におけるハイドロキシアパタイト粉体+水溶性高分子化合物の合計濃度は20 〜50 重量%であるのが好ましい。これらの成分の合計濃度が20 重量%未満であるとゲル化後の乾燥に時間がかかり過ぎ、また乾燥後にゲルがつぶれて多孔質形状を維持できない。一方合計濃度が50 重量%超であるとスラリーの粘度が高くなり過ぎるため、二次粒子の攪拌粉砕が困難である。より好ましい合計濃度は25 〜40 重量%である。
【0021】
(2) 粉砕・分散
上記組成のスラリーを強く攪拌すると、仮焼した二次粒子すなわちハイドロキシアパタイト粉体を表面から粉砕することができる。粉砕により粒子の球状性が向上し、梁となるマトリックス部分の太い焼結体が得られ、その結果焼結体の強度を向上させることができる。また粉砕によって生じた微粉が二次粒子同士の結合剤となるため、焼結体の強度向上に寄与する。粉砕は、二次粒子の平均粒径が5 〜20 μmの範囲内に収まる程度に行うのが好ましい。これにより5 〜50 %の適度な気孔率、高強度及び5 〜1500 μmの平均気孔径を有する焼結体を得ることができる。上記範囲の気孔率及び平均気孔径を有することにより、焼結体を人工生体材料として用いた場合に細胞の生着や各種生体組織の吸着が有利になる。二次粒子の平均粒径が5 μm未満であるとハンドリング性が向上しない上、粒子間隙が狭くなり、粒子の密度が上がり過ぎて5 〜50 %の気孔率が得られない。また20 μmを超えると粒子同士の単位表面積当たりの接触範囲が減少し、互いの粒子同士の結合力が低下し、強度の点から骨補填材としての使用に耐え難くなる。
【0022】
攪拌力は50 W/L以上であるのが好ましい。攪拌条件を50 W/L以上とすることにより、二次粒子を効率的に粉砕することができる。攪拌力が50 W/L未満であると粉砕が不十分であり、高い強度を有する多孔質ハイドロキシアパタイトが得られない。なお攪拌力は、[攪拌機の最大出力(W)/水溶液の量(L)]×(実際の回転数/最大回転数)により求まる。攪拌機の出力はスラリーの粘度が高くなる場合は、回転数を保つために見かけ上増大する。本発明の場合、スラリー中におけるハイドロキシアパタイト粉体+水溶性高分子化合物の合計濃度は20 〜50 重量%であるためスラリー粘度は仕込み時の粘度から実質的に変化しない。従って、粘度の影響は実質的に無視できる。
【0023】
このような攪拌力が得られる装置としてインペラー式ホモジナイザーが挙げられる。また攪拌羽根をディスク状にするとともに、ディスクの外周に鋸刃上の凹凸を設け、さらに攪拌容器の内壁に邪魔板を設けた構造の攪拌装置を使用するのが好ましい。このような構造を有するインペラー式ホモジナイザーは、例えばエスエムテー(株)製のPH91、PA92、HF93、FH94P、PD96、HM10等である。
【0024】
攪拌時間は攪拌力に依存するが、一般的には1 〜60 分間程度が好ましい。適度な気孔率の焼結体を得るには攪拌時に気泡を含ませるのが好ましく、気泡を微細かつ均一化させるとともに安定化させるために、比較的低温で攪拌を行うのが好ましい。具体的には約0 〜25 ℃、特に5 〜20 ℃の液温で行うのが好ましい。また攪拌中のスラリーに空気、窒素、アルゴン等の不活性ガスを注入することにより気孔率のより高い焼結体を得ることができる。
【0025】
粉砕・分散したスラリーは、内壁に可撓性耐水性膜を張った型に注型するのが好ましい。これにより乾燥時のセラミックスの収縮に伴って膜が型から剥離するので、型と接する面でのセラミックスの崩れや内部での割れが起こらず、優れた乾燥体が得られる。
【0026】
(3) 真空脱泡
より緻密度の高い焼結体を得るためには、真空脱泡を行うのが好ましい。例えば上記の型に注型した後、真空オーブン等に入れて脱泡する。真空脱泡の条件が厳し過ぎると焼結体の気孔率が低くなるので好ましくない。一般的にはスラリーを40 ℃において0.1 〜1.0 torrで60 〜180 分間脱泡すれば、緻密度と気孔率のバランスに優れた焼結体が得られる。
【0027】
(4) ゲル化
攪拌により十分に粉砕・分散したスラリーを80 ℃以上100 ℃未満に加熱すると、メチルセルロース等の水溶性高分子化合物の作用によりゲル化する。加熱温度が80 ℃未満であるとゲル化が不十分であり、また100 ℃以上であると水分が沸騰し、ゲル構造が破壊される。
【0028】
(5) 乾燥
ゲルの乾燥は、水分が沸騰しない程度の高温(例えば80 ℃以上 〜100 ℃未満)に保持することにより行うのが好ましい。ゲルは乾燥によりほぼ等方的に収縮するとともに、気泡に変化は起こらないため、割れ等を生ずることなく、微細かつ均一な球状のマクロポアを有する強度の高い乾燥体(グリーンブロック)となる。ほぼ水分がなくなれば100 ℃以上にしても良い。
【0029】
(6) 加工
グリーンブロックに含有される水溶性高分子化合物はバインダーとして作用するので、ハンドリングできる機械的強度を有する。従ってグリーンブロックに対して仮焼成を行うことなく、乾燥体のまま切削加工することができる。
【0030】
(7) 脱脂
所定の形状に加工したグリーンブロックから水溶性高分子化合物を除去するため、必要に応じて脱脂処理を行う。脱脂処理は300 〜900 ℃に加熱することにより行うことができる。
【0031】
(8) 焼結
グリーンブロックを1000 〜1250 ℃で2 〜10 時間大気中で焼結する。焼結温度が1000 ℃未満であると、十分な強度を有する多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体が得られず、また1250 ℃超であるとハイドロキシアパタイトは燐酸三カルシウムと酸化カルシウムに分解してしまう。焼結時間は焼結温度に応じて適宜設定すれば良い。なお脱脂工程を省略する場合には、焼結温度に達するまで徐々に昇温することにより脱脂を兼ねることができる。例えば室温から約10 〜100 ℃/時の昇温速度で約600 ℃まで昇温し、次に約50 〜200 ℃/時の昇温速度で焼結温度まで昇温し、この温度で保持するのが好ましい。焼結完了後は徐冷する。
【0032】
[2] 多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体
本発明の製造方法により得られる多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を始めとする多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体は、適度な気孔率と高い曲げ強度を有することを特徴とする。
(1) 気孔率
本発明の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体は5 〜50 %の気孔率を有する。5 %未満では生体親和性が十分でなく、50 %超だと機械的強度が不十分なために加工性やハンドリング性に劣る。
【0033】
(2) 曲げ強度
一般的に曲げ強度を始めとする機械的強度は気孔率が高くなるに従って低下するが、本発明の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体はマトリックス部分が太く且つその焼結性が強いため、気孔率50 %においても15 MPa以上の3点曲げ強度を有する。このため加工性やハンドリング性に優れている。3点曲げ強度はJIS R1601に従って測定することができる。
【0034】
(3) 平均気孔径
多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の平均気孔径は5 〜1500 μmであるのが好ましい。5 μm未満だと細胞又は血管の侵入形成が困難となり、また1500 μm超では安定した機械的強度を得るのが困難となるため、製品ロット毎に加工性やハンドリング性の変動幅が大きくなり過ぎる。多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体中の気孔径は均一であるのが好ましいので、大部分(80%以上)の気孔が50 〜500 μmの範囲内の径であるのが好ましい。
【0035】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
実施例1
細長い形状の一次粒子(平均径:長径78 nm、短径23 nm)からなるハイドロキシアパタイトの球状粉体(平均粒径:10 μm)160 gを700 ℃で大気中において4時間仮焼した。
【0037】
得られた仮焼粉体(平均粒径:10 μm、カルシウム/リン比 1.67)150 gと、メチルセルロース(和光純薬工業(株)製、2重量%水溶液として20℃で測定した粘度:4000 cps )の1重量%水溶液340 gとを配合した。得られたスラリーをホモジナイザー(エスエムテー(株)製、PA92)に投入した。スラリー温度を8℃に保ちながら、スラリーを50 W/Lの攪拌力(攪拌時の実際の出力、5500 rpm)で15 分間強く攪拌し、分散させるとともに仮焼粉体を粉砕した。
【0038】
得られた気泡含有スラリーを型に注入し、83 ℃で2 時間加熱し、ゲル化させた。得られたゲルを83 ℃に保持することにより完全に乾燥し、グリーンブロックを得た。
【0039】
グリーンブロックを12.0×22.0×7.0 mmの形状に加工した後、大気中で室温から50 ℃/時の昇温速度で600 ℃まで昇温し、次に100 ℃/時の昇温速度で1200 ℃まで昇温し、この温度で4時間焼成した後、50 ℃/時の降温速度で600 ℃まで冷却し、この温度で4時間保持した後、100 ℃/時の降温速度で室温まで冷却した。この焼結工程により多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を作製し、得られた焼結体の気孔率及び3点曲げ強度を測定した。また焼結体表面をフライスを用いて0.1 mm削り、表面を走査型電子顕微鏡で観察した。気孔率及び3点曲げ強度の測定結果を出発原料組成とともに表1に示し、走査顕微鏡写真を図1(30 倍)及び図2(2000 倍)に示す。
【0040】
比較例1
ハイドロキシアパタイトの配合量を850 gとし、メチルセルロースの1重量%水溶液の配合量を1975 gとし、得られたスラリーをKENMIXミキサー(攪拌時の実際の出力:5.5 W/L、回転数150 rpm、(株)愛工舎製作所製)を用いて撹拌した以外は実施例1と同様にして注型、ゲル化、乾燥、加工及び焼結を行い、多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を作製した。得られた焼結体の気孔率及び3点曲げ強度を測定した。また焼結体の表面を実施例1と同様に走査型電子顕微鏡で観察した。気孔率及び3点曲げ強度の測定結果を出発原料組成とともに表1に示し、走査顕微鏡写真を図3(30 倍)及び図4(2000 倍)に示す。3点曲げ強度はJIS R1601に準拠し、スパン1.7 cmでの測定により求めた破壊荷重から下記式:
強度(kgf/cm2 )=(3×P×L)/(2×a×b2
P・・・破壊荷重(kgf )
L・・・スパン(cm)
a・・・供試体(焼結体)の高さ(cm)
b・・・供試体(焼結体)の幅(cm)
により算出した。
【0041】
実施例2
ハイドロキシアパタイトの配合量を120 gとし、メチルセルロースの1重量%水溶液の配合量を250 gとし、得られたスラリーをPA92(攪拌時の実際の出力:60 W/L、回転数8000 rpm、エスエムテー(株)製)により1分間撹拌した以外は実施例1と同様にして注型、ゲル化、乾燥、加工及び焼結を行い、多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を作製した。得られた焼結体の気孔率及び3点曲げ強度を測定した。測定結果を出発原料組成とともに表1に示す。
【0042】
比較例2
スラリーの攪拌をEUROSTAR(攪拌時の実際の出力:30 W/L、回転数1000 rpm、IKA社製)により15分間攪拌した以外は実施例2と同様にして注型、ゲル化、乾燥、加工及び焼結を行い、多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を作製した。得られた焼結体の気孔率及び3点曲げ強度を測定した。測定結果を出発原料組成とともに表1に示す。
【0043】
実施例3
撹拌装置による攪拌時間を1時間にした以外は実施例2と同じ条件でスラリーの攪拌を行った。次いで実施例2と同様にして注型、ゲル化、乾燥、加工及び焼結を行い、多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を作製した。得られた焼結体の気孔率及び3点曲げ強度を測定した。測定結果を出発原料組成とともに表1に示す。
【0044】
比較例3
撹拌装置としてKENMIXミキサー(攪拌時の実際の出力:5.5 W/L、回転数150 rpm、(株)愛工舎製作所製)を用いた以外は実施例3と同じ条件でスラリーの攪拌を行った。次いで実施例2と同様にして注型、ゲル化、乾燥、加工及び焼結を行い、多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を作製した。得られた焼結体の気孔率及び3点曲げ強度を測定した。測定結果を出発原料組成とともに表1に示す。
【0045】
実施例4
実施例1と同様にスラリーを作製し、これを真空オーヴン中40 ℃、0.1 torrで脱泡させた。脱泡後のスラリーについて実施例1と同様にして注型、ゲル化、乾燥、加工及び焼結を行い、多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体を作製した。得られた焼結体の気孔率及び3点曲げ強度を測定した。測定結果を出発原料組成とともに表1に示す。
【0046】
Figure 0004443077
【0047】
Figure 0004443077
【0048】
表1から明らかなように、本発明の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体は曲げ強度において優れている。また実施例1の多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体は、比較例1のものと同程度の気孔率であるにもかかわらず、梁となるマトリックス部分が太く(図2及び図4参照)、また50 〜500 μmの気孔径を有しており、比較例1のものと比べて微細な気孔が多いことが分かる(図1及び図3参照)。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述した通り、多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体を製造する本発明の方法は、仮焼処理を施したリン酸カルシウム系セラミックス粉体と水溶性高分子化合物との極めて粘調なスラリーを著しく強く攪拌するものであり、その結果マトリックス部分が太く且つその焼結性が強く、気孔サイズが揃った焼結体が得られる。本発明の方法によれば、乾燥の際の収縮がほぼ等方的に進行するため、乾燥工程で割れ等を生じることなく、適度な気孔率と高強度の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体を効率的に製造することができる。
【0050】
本発明の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体は5 〜50 %の適度な気孔率だけでなく高い機械的強度及び切削性を有するので、細胞及び生体組織の培養に用いる担体や骨補填用等に好適な生体親和性を有する人工生体材料のみならず、液体クロマトグラフィー用充填剤、触媒担体、各種電気・電子材料、原子炉材料、セラミック発熱体等にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体の走査顕微鏡写真(30 倍)である。
【図2】 実施例1で得られた多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体の走査顕微鏡写真(2000 倍)である。
【図3】 比較例1で得られた多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体の走査顕微鏡写真(60 倍)である。
【図4】 比較例1で得られた多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体の走査顕微鏡写真(2000 倍)である。

Claims (8)

  1. 水溶性高分子のゲル化を利用して気孔率が5〜50%の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体を製造する方法において、(1) 700〜850℃で仮焼処理を施したリン酸カルシウム系セラミックス粉体と水溶性高分子化合物とを含有するスラリーを作製し、(2) 前記スラリーを50 W/L以上の攪拌力で攪拌することにより前記リン酸カルシウム系セラミックス粉体を粉砕・分散し、(3) ゲル化させ、(4) 乾燥後に焼結することを特徴とする多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法において、前記リン酸カルシウム系セラミックス粉体は平均長軸長が100 nm以下のリン酸カルシウム系セラミックスの一次粒子からなる平均粒径5〜20 μmの球状の二次粒子であることを特徴とする多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法において、前記リン酸カルシウム系セラミックス粉体のCa/Pの重量比は1.5 〜1.7 であることを特徴とする多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法において、前記水溶性高分子化合物はセルロース誘導体であることを特徴とする多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法において、前記スラリーの攪拌粉砕・分散処理を1〜60 分間行うことを特徴とする多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法において、前記リン酸カルシウム系セラミックス粉体100 重量部に対して、前記水溶性高分子化合物1 〜10 重量部を配合することを特徴とする多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法において、前記スラリー中における前記リン酸カルシウム系セラミックス粉体+前記水溶性高分子化合物の合計濃度は20 〜50重量%であることを特徴とする多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法において、前記リン酸カルシウム系セラミックス粉体がハイドロキシアパタイト粉体であることを特徴とする多孔質リン酸カルシウム系セラミックス焼結体の製造方法。
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